JPH04281796A - 土壌病原糸状菌の簡易検出法 - Google Patents

土壌病原糸状菌の簡易検出法

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JPH04281796A
JPH04281796A JP3043240A JP4324091A JPH04281796A JP H04281796 A JPH04281796 A JP H04281796A JP 3043240 A JP3043240 A JP 3043240A JP 4324091 A JP4324091 A JP 4324091A JP H04281796 A JPH04281796 A JP H04281796A
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fusarium
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勇 山口
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フザリウム属に属する
土壌病原糸状菌に特異的に反応するモノクローナル抗体
、該モノクローナル抗体を産生するバイブリドーマ、お
よびモノクローナル抗体を用いた土壌病原糸状菌である
フザリウム属菌の簡易検出法に関する。
【0002】
【従来の技術】土壌病原糸状菌であるフザリウム属菌は
、農業生産上大きな被害を及ぼすことが知られている。 本菌は、苗伝染するため、苗を検診する必要があり、そ
のために本菌を植物組織から検出する手段が開発されて
きた。例えば、植物組織から選択培地を用いて分離、培
養し、その菌学的性状を調査する方法が提案されている
が、検定に要する時間が長く、未だ実用化されていない
。また、フザリウム  オキシスポラム  エフ  エ
スピー  リコペルシキ(Fusarium  oxy
sporum  f.  sp.  lycopers
ici)やフザリウム  オシシスポラム  エフ  
エスピー  アピ(Fusariumoxysporu
m  f.sp.  apii)と反応する抗体は得ら
れている(日植病報56巻、390頁)が、フザリウム
属に属する菌全体と特異的に反応するモノクローナル抗
体は得られていない。 フザリウム属に属する菌に特異的に反応するモノクロー
ナル抗体が得られれば、フザリウム属に属する菌の簡易
検出が可能となり、苗や土壌の診断に応用できる他、フ
ザリウム属に属する菌と他の菌に属する菌とを区別する
ことや、フザリウム属に属する菌の抗原タンパク質の解
析、これらを発現する遺伝子レベルのメカニズムの解明
が可能となることが期待される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、フ
ザリウム属に属する菌に特異的に反応するモノクローナ
ル抗体を提供することを目的とするものである。さらに
、本発明は該モノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマを提供することをも目的とするものである。さらに
、該モノクローナル抗体を用いて、植物組織中、植物組
織片、植物汁液から、蛍光抗体法、ドットイムノバイン
ディングアッセイ法、酵素免疫測定法により、簡易検出
する方法を提供することをも目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、フザリウム
属菌に特異的なモノクローナル抗体を得るため、フザリ
ウム属に属する菌として一般的性状を保有するフザリウ
ム  オキシスポラム(Fusarium  oxys
porum)860926aを選択し、この菌体を液体
窒素中で磨砕したものを抗原として用いることにより、
該抗原に対する抗体産生細胞のハイブリドーマ、及び該
ハイブリドーマの産生するモノクローナル抗体を得、該
モノクローナル抗体を用いて植物組織中や植物組織片植
物汁液から、蛍光抗体法、ドットイムノバインディング
アッセイ法により、フザリウム属に属する菌を簡易検出
する方法を見出し本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明はフザリウム属に属する
土壌病原糸状菌の菌体および該菌体磨砕液に特異的に反
応するモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマ、該モノクローナル抗体を用いて
、植物組織中、植物組織片、植物汁液から、蛍光抗体法
、ドットイムノバインディングアッセイ法、酵素免疫測
定法により、簡易検出する方法を提供するものである。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。まず、本
発明のモノクローナル抗体の製造に使用する抗原を以下
のようにして得ることができる。Fusarium  
oxysporum  860926a(日植病報56
(1990)95−96)をポテトデキストロース液体
培地で、27℃、10日間培養する。この菌体10gを
液体窒素中でワーリングブレンダーを用いて10,00
0rpm、5分間磨砕して抗原を得た。上記抗原を50
mlのリン酸緩衝液(PBS:Phosphate  
buffered  Saline)に懸濁したものを
抗原懸濁液として用いた。
【0007】上記抗原懸濁液中に含まれる総タンパク質
は、BIO−RAD  プロテインアッセイ試薬を用い
、測定することが可能である。上記の抗原懸濁液をマウ
ス、ラッド、ヒツジ、ウマ、好ましくはマウスに接種す
ることにより、該磨砕菌体を抗原として免疫された動物
が得られる。例えば、上記の抗原懸濁液とフロインドコ
ンプリートアジュバンドの混合物エマルジョン(1:1
)を2回、上記の抗原懸濁液とフロインドインコンプリ
ートアジュバンドの混合物エマルジョン(1:1)約1
0回を約2週間毎に腹部皮内投与し、約3週間後に最終
免疫として上記の抗原懸濁液を腹腔内投与することによ
り効率良くマウスを免疫することができる。
【0008】上記のようにして得られた免疫マウスから
、リンパ節細胞、脾臓細胞、胸腺細胞、抹消血細胞等の
抗体産生細胞を分離することにより抗体産生細胞を得る
ことができる。例えば、脾臓細胞を抗体産生細胞として
使用する場合には、脾臓を摘出した後に、10%牛胎児
血清(FCS)を含むRPMI1640培地(日水製薬
製)(以下RPMI1640培地という)で3回洗浄す
ることにより抗体産生細胞を得ることができる。
【0009】細胞融合に使用するミエローマ細胞として
は、ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシルトラン
スフェラーゼ(HGPRT)を欠損するマウスのミエロ
ーマを使用することができる。このようなミエローマは
、未融合の状態ではHGPRTを欠くためにヒポキサン
チン・アミノプテリン・チミジン(HAT)培地で核酸
の合成ができずに死滅するが、脾臓細胞と融合しHGP
RT活性を回復したハイブリドーマはアミノプテリンで
核酸の生合成を阻害されてもヒポキサンチンを利用して
生育することができるのでハイブリドーマのみが生育す
る。また、これらのミエローマ細胞は非分泌型の細胞株
であることが好ましい。この様なマウスミエローマ細胞
としては、P3/X63−Ag8−653(X63・6
・5・3)、P3/X63−Ag8U1(P3 U1 
)、P3/NS1−1−Ag4−1(NS−1)、SP
2/O−Ag14(SP2)等を挙げることができる。
【0010】細胞融合はRPMI1640等の動物細胞
培養培地中で107 〜108 個のミエローマ細胞と
上記の抗体産生細胞を混合比1:5〜1:10で混合し
て行う。細胞融合促進物質としては平均分子量2000
〜6000のポリエチレングリコール(PEG)やポリ
ビニルアルコール、センダイウイルス等が使用でき、通
常25〜37℃で1〜3分間の融合を行えば良い。特に
PEGを用いることが好ましい。
【0011】細胞融合処理後の細胞からハイブリドーマ
を選別するには選択培地における選択的増殖を行えばよ
い。例えば、細胞をRPMI1640等の培地で脾臓細
胞換算で2×108 細胞数/mlとなるように希釈し
た後に、マイクロタイタープレート上に105 細胞数
/ウェルとなる様に各ウェルに細胞を入れ、各ウェルに
例えばHAT培地等の選択培地を加えて、以降培養すれ
ばよい。例えば、ミエローマ細胞としてSP2を使用し
た場合にはHAT培地添加後10−14日間培養するこ
とによりハイブリドーマのみを選別することができる。
【0012】該抗原に特異的なモノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマを選択するには、例えばドットイ
ムノバインディングアッセイ法(DIBA法ともいう。 )や酵素免疫測定法(ELISA法ともいう。)により
以下の様にして行えばよい。例えば、DIBA法により
選択する場合は、予め該抗原を含む検体をPBS等の緩
衝液に懸濁し、ニトロセルロース、ナイロン等のメンブ
レン等の固相に加え、例えば室温で2時間静置して吸着
させる。次に抗原懸濁液を除き、10%FCSを含むP
BSを加えて室温で2時間静置して抗原の結合していな
い部分をFCSでブロックする。その後に、PBSで洗
浄した後、ハイブリドーマの上清を100μlずつ加え
て例えば室温で1時間静置し、その後PBSで3回洗浄
する。次に酵素結合抗マウスイムノグロブリン抗血清(
2次抗体)を加えて室温で1時間放置する。PBSで3
回洗浄した後に酵素の基質を加えて発色させることによ
り、抗原と結合力のある抗体を産生するハイブリドーマ
が検索される。さらに、フザリウム属に属する土壌病原
菌およびフザリウム以外の属に属する土壌病原菌の菌体
懸濁液(調製法は上述のFusarium  oxys
porum860926aに準ずる)を吸着させた上記
固相を上記DIBA法で反応させ、フザリウム属に属す
る菌と反応し、フザリウム以外の属に属する菌と反応し
ない性質を有する抗体を成生する抗体産生細胞を選抜す
る。さらに、該抗体産生細胞をコロニー形成法、限界希
釈法等によりクローニングを行うことにより単一のハイ
ブリドーマを起源とする抗体産生細胞を得ることができ
る。
【0013】上記のフザリウム属特異的モノクローナル
抗体産生ハイブリドーマによるモノクローナル抗体は、
培養びんや培養フラスコを用いて、RPMI1640培
地、又は無血清培地等の動物細胞培養用培地で培養して
、その培養上清から得ることができ、培養方法及び条件
は通常の動物細胞培養方法に準じて当業者が容易に選択
し得るものである。
【0014】上記のようにして得られるハイブリドーマ
としては、API9−2、API9−3を例示できる。 上記ハイブリドーマのうち、API9−2は、平成3年
2月21日付けで工業技術院微生物工業技術研究所に受
託番号微工研菌寄12031号として受託された。
【0015】上記のモノクローナル抗体を用いて、植物
組織中の抗原すなわちフザリウム属菌を検出するために
は、上述のDIBA法、ELISA法、および蛍光抗体
法により、以下のように行えばよい。例えば、DIBA
法により検出する場合は、予め検体の植物組織をPBS
等の緩衝液中で磨砕してニトロセルロース、ナイロン等
のメンブレン等の固相に加え、あるいは植物組織の切片
をニトロセルロース、ナイロン等のメンブレン等の固相
に載せて例えば室温で30分〜1時間静置して抗原を吸
着させる。次に抗原懸濁液や切片を除き、10%FCS
を含むPBSを加えて室温で2時間静置して抗原の結合
していない部分をFCSでブロックする。その後に、P
BSで洗浄した後、モノクローナル抗体を100μlず
つ加えて例えば室温で1時間静置し、その後PBSで3
回洗浄する。次に酵素結合抗マウスイムノグロブリン抗
血清(2次抗体)を加えて室温で1時間放置する。PB
Sで3回洗浄した後に酵素の基質を加えて、抗原すなわ
ちフザリウム属菌を含む検体のみが発色する。
【0016】また、ELISA法により検出する場合は
、予め検体の植物組織をPBS等の緩衝液中で磨砕し、
ポリスチレン、ポリビニール、ポリカーボネート、ポリ
プロピレン等の固相に加え、例えば室温で2時間静置し
て吸着させ、以下DIBA法と同様な手順で反応させ、
発色させた後に吸光光度計等で測定すれば、この測定値
を用いて抗原濃度が換算できる。
【0017】また、蛍光抗体法により検出する場合は、
植物組織の切片を10%FCSを含むPBS中で、例え
ば室温で2時間静置して抗原の結合していない部分をF
CSでブロックする。その後に、PBSで洗浄した後、
モノクローナル抗体中で、例えば室温で1時間静置し、
その後PBSで3回洗浄する。次に蛍光色素結合抗マウ
スイムノグロブリン抗血清(2次抗体)を加えて室温で
1時間放置したのち、落射型蛍光顕微鏡で観察すると、
植物組織中の抗原が観察される。
【0018】上記の手法により、植物組織中の抗原すな
わちフザリウム属菌が5時間以内に特異的に、また簡易
に検出される。
【0019】
【発明の効果】本発明のモノクローナル抗体およびこれ
を用いた植物組織からフザリウム属に属する土壌病原菌
を検出する方法により、植物がフザリウム属に属する土
壌病原菌に感染しているか否かが容易に診断できる。ま
た、フザリウム属に属する菌の抗原部位となるタンパク
質、糖タンパク質などの解析、単離、精製、同定が可能
となり、さらに、フザリウム属に属する菌の病原性発現
メカニズムの解明や、フザリウム属に属する菌と他の菌
に属する菌の分類、進化の物質レベルの解析が可能とな
った。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 (参考例)Fusarium  oxysporum 
 860926a  抗原の製造 Fusarium  oxysporum  8609
26aは、ポテトデキストロース液体培地1リットル中
で25℃、10日間静置培養した。培地中の菌体(生重
10g)は、ガーゼ濾過および遠心処理(10、000
G、10分間)で集め、液体窒素中でワーニングブレン
ダーを用い、11、000rpm、5分間で破砕し、5
0mlのPBSに懸濁して、抗原懸濁液を得た。該抗原
懸濁液中のタンパク質濃度は、BI0−RADプロテイ
ンアッセイ試薬を用いて、0.2mg/mlであった。
【0021】(実施例1)ハイブリドーマの取得参考例
で製造した抗原懸濁液は、その50μlにフロインドコ
ンプリートアジュバンド(和光純薬)50μlを加えエ
マルジョンとした。該エマルジョンをマウス(Balb
/c系統、メス、10週令)腹部皮内に注射して投与し
た(初回免疫)。初回免疫より13日後に初回免疫と同
じエマルジョンを投与、その後は、該抗原懸濁液50μ
lにフロインドインコンプリートアジュバンド(和光純
薬)50μlを加えたエマルジョンを初回免疫より31
、46、61、74、87、102、116、130、
152、190、205日後に腹部皮内に注射して投与
した。初回免疫より224日後に、最終免疫として該抗
原懸濁液100μlを腹腔内に注射して投与した。最終
免疫より3日後に、該マウスより脾臓を取り出し、RP
MI1640で3度洗浄した後に破壊して脾細胞を得た
【0022】マウスミエローマ細胞SP2は、RPMI
1640培地で継代後約2日間培養したものを用いた。 上記のマウス脾細胞(3×108 )と上記ミエローマ
細胞(5×107 )を混合して、RPMI1640培
地で1回洗浄した後に培地を除去し、細胞融合剤として
10mMHEPESを含むRPMI1640培地に50
%濃度に溶解したPEG4000を2mlと10mMH
EPESを含むRPMI1640培地18mlを加え、
37℃、3分間融合処理を行った。その後、RPMI1
640培地で1回洗浄を行い、脾臓細胞数換算で培地1
mlあたり2×108 個になるようにRPMI164
0培地で希釈して細胞浮遊液とした。該細胞浮遊液を9
6ウェルマイクロタイタープレートに1ウェルあたり1
00μlずつ分注して、37℃、5.0%炭酸ガス条件
下で培養した。さらに、24時間後に、選択培地として
50倍HAT(シグマ製)をRPMI1640培地で2
5倍に希釈したものを1ウェルあたり100μlずつ分
注して、37℃、5.0%炭酸ガス条件下で培養すると
、7〜14日目からハイブリドーマの増殖したコロニー
が出現した。
【0023】抗体産生細胞の選択には、DIBA法を用
い、バイオドット(BIO−RAD製)に装着したニト
ロセルロースメンブレン(BIO−RAD製)に1ドッ
トあたり50μlの上述の抗原懸濁液を滴下して吸着さ
せた後に、10%FCSを含むPBSでブロッキング、
さらに上記ハイブリドーマを培養した培養上清100μ
lを反応させた。洗浄後にメンブレンをバイオドットか
ら取り出し、ベルオキシダーゼ結合抗マウスIgG+A
+M抗体(2μg/ml、Binding  Site
製)を反応させ、PBSで洗浄した後にクロロナフトー
ル24mg、メタノール8ml、過酸化水素水(31%
)50μlを含むPBS中で発色させ、青色の反応が確
認されたドットにブロットし培養上清中に抗体が産生さ
れていることが確認された。
【0024】上記のようにして抗体産生が確認された細
胞が増殖しているウェルの細胞を取り出し、これをRP
MI1640培地1mlあたり102 個となるように
調製し、この細胞希釈液を96ウェルマイクロタイター
プレートに1ウェルあたり100μlずつ分注して、3
7℃、5.0%炭酸ガス条件下で培養すると、コロニー
が約20ウェルに1つの割合で出現した。
【0025】上記のクローニングを2度繰り返して、単
一のハイブリドーマを起源とするモノクローナル抗体産
生ハイブリドーマ例えばAPI9−2、API9−3が
得られた。 (実施例2)モノクローナル抗体の生産(1) ハイブ
リドーマ培養上清による生産ハイブリドーマAPI9−
2、API9−3をそれぞれRPMI1640培地で9
6穴ウェルプレート、24穴ウェルプレート、50ml
培養瓶、200ml培養瓶とスケールアップしながらそ
れぞれ37℃、5%炭酸ガス条件化で培養し、約10日
で約50mlの培養上清を得た。この培養上清は、DI
BA法により、抗原と10倍希釈まで反応した。 (2) マウスの腹水による生産 9週令のマウス(Balb/c、オス)の腹腔に0.5
mlのプリスタン(アルドリッチ製)を注射し、約5週
間後にハイブリドーマAPI9−2、API9−3の各
ハイブリドーマ細胞をマウスあたり5×108 個の割
合で腹腔内注射した。約10日後に腹部が肥大している
のを確認後、開腹して、マウスあたり腹水約7.5ml
を採取した。この腹水は、DIBA法により、抗原と1
0倍希釈まで反応した。
【0026】(実施例3)モノクローナル抗体の血清学
的性質 実施例2(1) の培養上清100μlをモノクローナ
ル  マウス  イムノグロブリン  イソタイプ  
キット  (PharMingen製)を用いて、上述
のELISA法により反応させたところ表1に示すよう
に、API9−2およびAPI9−3ともその培養上清
が抗IgMおよび抗IgLκ抗体とのみ黄色の反応を示
し、該培養上清中の抗体がマウスIgMκ抗体であるこ
とがわかった。
【0027】さらに、バイオドット(BIO−RAD製
)に装着したニトロセルロースメンブレン(BIO−R
AD製)1ウェルあたり50μlの各種土壌病原菌(表
2に示す)懸濁液(製造法は上述のFusarium 
 oxysporum  860926aと同様)を吸
着させたものに、上述のDIBA法の手順で実施例2(
1)の培養上清100μlを反応させたところ、表2に
示した結果が得られた。この結果から、API9−2お
よびAPI9−3の培養上清はフザリウム属に属する菌
(Fusarium  oxysporum、Fusa
rium  solani、Fusarium  mo
niliforme)と陽性に反応した。また、他属の
土壌病原菌、Verticillium  dahli
ae、Nectriagliocladioides、
Plasmodiophora  brassicae
、Sclerotium  rolfsii、Scle
rotinia  sclerotiorum、Rhi
zoctonia  solaniと反応しなかった。
【0028】以上より、該培養上清中に含まれるモノク
ローナル抗体はフザリウム属に属する菌と特異的に反応
することがわかった。 (実施例3)モノクローナル抗体を用いた蛍光抗体法に
よる植物組織からのフザリウム属菌の検出フザリウム属
に属する菌に罹病したトマト(品種:桃太郎、タキイ種
苗製)および罹病していない健全なトマト、さらに、フ
ザリウム属に属する菌に罹病したミツバ(ヤマト種苗緑
化製)および罹病していない健全なミツバの茎、葉柄、
茎の冠部、根、腋芽の組織をカミソリを用いて、約5m
m×5mm、厚さ0.2mmに切り出し、この組織切片
をを10%FCSを含むPBS中で、室温で2時間静置
して抗原の結合していない部分をFCSでブロックした
。その後に、PBSで洗浄した後、実施例2(1) の
培養上清をPBSで5倍に希釈した溶液中で、例えば室
温で1時間静置して反応させ、その後PBSで3回洗浄
した。次にPBSで200倍に希釈した蛍光色素FIT
Cラベル抗マウスIgM抗体(カッペル製)溶液中で室
温で1時間放置したのち、PBSで2度洗浄し、落射型
蛍光顕微鏡(B励起)で観察すると、フザリウム属に属
する菌に罹病したトマトおよびミツバの植物組織中に存
在するフザリウム属に属する菌の菌体が植物組織と区別
されて観察できた(図1および2)。
【0029】(実施例4)モノクローナル抗体を用いた
DIBA法による植物組織からのフザリウム属に属する
菌の検出 フザリウム属に属する菌に罹病したトマト(品種:桃太
郎、タキイ種苗製)および罹病していない健全なトマト
の茎、葉柄、腋芽、根の組織をカミソリを用いて、厚さ
約2mm横断切片とした。上記横断切片を、PBSで洗
浄したニトロセルロースメンブレンに載せ、室温で30
分間静置した。その後、上述のDIBA法の手順に従い
、実施例2(1) の培養上清をPBSで5倍に希釈し
た溶液を用いて反応させたところ、約4時間で、フザリ
ウム属に属する菌に罹病したトマトの、フザリウム属に
属する菌が存在する組織にあたる部位が特異的に青色の
反応を示し、フザリウム属に属する菌の検出ができた(
図3)。
【0030】(実施例5)モノクローナル抗体を用いた
DIBA法およびELISA法による植物組織汁液から
のフザリウム属に属する菌の検出 フザリウム属菌に罹病したトマト(品種:桃太郎、タキ
イ種苗製)および罹病していない健全なトマトの茎、葉
柄、腋芽の組織約1gを、5mlのPBS中でワーニン
グブレンダーを用い、15,000rpm、3分間、室
温で磨砕して植物組織汁液とした。この汁液をDIBA
法により検出する場合は、ニトロセルロースメンブレン
にそれぞれ50μl加え、また、ELISA法による場
合は、ポリスチレンの96ウェルマイクロタイタロプレ
ートにそれぞれ100μl加え、室温で1時間静置した
。以下、上述のDIBA法、およびELISA法の手順
で、実施例2(1) の培養上清をPBSで5倍に希釈
した溶液を用いて反応させた。この結果、フザリウム属
に属する菌に罹病したトマトの組織汁液のみが発色し、
検出することができた。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  フザリウム属に属する土壌病原菌の菌
    体および該菌体磨砕液に特異的に反応するモノクローナ
    ル抗体。
  2. 【請求項2】  請求項1記載のモノクローナル抗体を
    産生することを特徴とするハイブリドーマ。
  3. 【請求項3】  植物組織中からフザリウム属に属する
    土壌病原糸状菌を請求項1記載のモノクローナル抗体を
    用いて蛍光抗体法により検出する方法。
  4. 【請求項4】  植物汁液からフザリウム属に属する土
    壌病原糸状菌を請求項1記載のモノクローナル抗体を用
    いてドットイムノバインディングアッセイ法及び酵素免
    疫測定法により検出する方法。
  5. 【請求項5】  植物組織片からフザリウム属に属する
    土壌病原糸状菌を請求項1記載のモノクローナル抗体を
    用いてドットイムノバインディングアッセイ法により検
    出する方法。
JP3043240A 1991-03-08 1991-03-08 土壌病原糸状菌の簡易検出法 Expired - Fee Related JP2711595B2 (ja)

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