JPH0427626Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はタイヤプレスにおける上モールド高さ
調整機構に関し、上下両モールドの加圧力が均一
になるようにして、タイヤ品質の向上を図ること
を目的とする。

タイヤプレスにおいては、上下に配置された一
対のプラテンの対向面に夫々モールドが備えら
れ、上プラテン上方に、上プラテンを上プラテン
サポートを介して高さ調整自在に備える上支持基
盤が備えられ、両モールドの開閉機構と、両プラ
テンの機械的ロツク手段と、上支持基盤、上プラ
テンサポート及び両プラテンを介して両モールド
を他方側に対して加圧するモールド加圧機構とが
備えられたものである。

ところで、従来においては、上プラテンサポー
トの中心部に、上支持基盤に上下方向に進退自在
に螺挿する高さ調整軸が備えられることで、上プ
ラテン、即ち、上モールドが高さ調整自在とされ
ており、従来においては、上プラテンの中心部側
のみ上プラテンサポートを介して上支持基盤に支
持されて、上プラテンの外周部側は上支持基盤に
支持されていなかつた。

このため、上下両モールドを加圧機構により加
圧した際には、上記加圧力の反力により、上モー
ルド、上プラテン及び上プラテンサポートの外周
部側が中央部側に対して上方側に撓み、その結果
両モールドの加圧力が不均一となつて、タイヤ加
硫成形に悪影響を及ぼし、タイヤ品質の低下を招
来すると云う問題があつた。

本考案は上記問題を解決したものであつて、そ
の特徴とする処は、上下に配置された一対のプラ
テン１６，１０の対向面に夫々モールド１７，１
１を備え、上プラテン１６上方に、上プラテン１
６が高さ調整自在に備えられる上支持基盤１３を
備え、両モールド１７，１１の開閉機構２０と、
両プラテン１６，１０の機械的ロツク手段２８
と、上支持基盤１３及び両プラテン１６，１０を
介して両モールド１７，１１を他方側に対して加
圧するモールド加圧機構２９とを備えたものにお
いて、上プラテン１６上に、その中心部に位置す
るスリーブ２１と、周縁部に周方向等間隔に配置
された複数個の高さ、調整軸２４とを立設し、ス
リーブ２１が上下摺動自在に挿通されるカラー２
２を上支持基盤１３に固定し、このカラー２２に
回転のみ自在に外嵌する調整歯車２３を設け、こ
の調整歯車２３に咬合いかつ各高さ調整軸２４に
螺合する複数個の回転体２５を上支持基盤１３に
回動のみ自在に設けた点にある。

以下、本考案の一実施例を図面に基き詳述する
と、タイヤプレスは、機枠１内に２基の加硫成形
体２を並設して成る。

機枠１は、プレスベース３と、プレスベース３
の左右両側に一対宛立設したサイドフレーム４
と、これらサイドフレーム４上端部を連結する矩
形枠状のトツプフレーム５とから成る。

加硫成形体２は上成形体６と下成形体７とから
成る。

下成形体７は、プレスベース３上に弾機等を介
して弾性的に支持される下支持基盤８と；下支持
基盤８上方側に下記の順で上方に向つて重設され
て、プレスベース３に固定される下プラテンサポ
ート９、下プラテン１０及び下モールド１１と；
下支持基盤８外周に固設されて、下プラテンサポ
ート９及び下プラテン１０等を囲繞する下胴部１
２；等を備えて成る。

上成形体６は、上支持基盤１３と、上支持基盤
１３にその下方で高さ調整機構１４及び断熱材１
５を介して高さ調整自在に備えられる上プラテン
１６と、上プラテン１６下面に固設された上モー
ルド１７と、上支持基盤１３外周部から下設され
た上胴部１８等を備えて成る。

各上成形体６の上支持基盤１３は昇降フレーム
１９に備えられ、機枠１側部に備えられた上下両
モールド１７，１１の開閉機構２０により、上成
形体６及び昇降フレーム１９は、第１図の実線で
示す下降位置と、該図の仮想線で示す上昇位置と
の間で昇降駆動されて、両モールド１７，１１が
開閉される。

上プラテン１６は、従来の上プラテンと上プラ
テンサポートとを一体化したもので、その上面
に、該上面を覆被する断熱材１５が固設されてい
る。

高さ調整機構１４は上プラテン１６に対して断
熱材１５を介して備えられ、上プラテン１６から
高さ調整機構１４を介しての上支持基盤１３への
熱伝導が減少せしめられている。高さ調整機構１
４は、スリーブ２１と、カラー２２と、調整歯車
２３と、高さ調整軸２４と、回転体２５等から成
る。

スリーブ２１は上プラテン１６の中心部に断熱
材１５を介して立設され、上支持基盤１３の中心
部にカラー２２を介して上下方向に摺動自在に挿
通され、これにより、上プラテン１６と上支持基
盤１３との軸心が一致せしめられている。

カラー２２は上支持基盤１３の中心部に挿通固
着され、該カラー２２の上支持基盤１３上方側に
は、調整歯車２３が回動自在で且つ軸心方向、即
ち、上下方向に移動不能に外嵌されている。

高さ調整軸２４は、上プラテン１６上面におけ
るスリーブ２１の周囲に、断熱材１５を介して、
周方向等間隔に複数（図例では４個）立設され
て、上支持基盤１３に回転体２５を介して上下方
向に移動固定自在に挿通されており、図例では螺
軸とされている。

回転体２５は上支持基盤１３に高さ調整軸２４
に対応して周方向等間隔に複数配置され、上支持
基盤１３に対して回転自在で且つ軸心方向、即
ち、上下方向に移動不能に挿着されている。回転
体２５は、上部側の従動歯車２６と、その下面に
固設されたナツト２７とから成る。

従動歯車２６は調整歯車２３に咬合うもので、
調整歯車２３より小径とされている。

ナツト２７には高さ調整軸２４が上下方向に移
動自在に螺合されている。

上胴部１８は、上成形体６の第１図の実線で示
す下降位置で、下胴部１２に対してロツクリング
２８を介して解除自在にロツクされ、これによ
り、上下両プラテン１６，１０が解除自在に機械
的にロツクされる。上胴部１８は通常時は上プラ
テン１６及び上モールド１７を内有状とし、上成
形体６が上記下降位置に位置した際には、下モー
ルド１１も内有状とする。

２９はモールド加圧機構で、プレスベース３と
下成形体７間に、周方向等間隔に複数配設され、
上成形体６の上記下降位置で両胴部１８，１２が
ロツクリング２８によりロツクされた状態で作動
することにより、下支持基盤８、上下胴部１８，
１２、ロツクリング２８等を介して、上成形体６
を引下げることによつて、両モールド１７，１１
が他方側に対して加圧される。

上記のように構成した実施例によれば、上モー
ルド１７を備える上プラテン１６に、断熱材１５
を介して、高さ調整軸２４を周方向等間隔に立設
し、該高さ調整軸２４を、上支持基盤１３に回転
体２５を介して上下方向に移動固定自在に備える
ようにしているので、両モールド１７，１１を加
圧機構２９により加圧した際に、加圧力の反力に
より、上モールド１７、上プラテン１６及び断熱
材１５の外周部側が中央部側に対して上方側に撓
まず、それ故、両モールド１７，１１の加圧力が
不均一となることはなく、従つて、タイヤの加硫
成形を良好に行え、タイヤ品質の向上を図ること
ができる。

又、上モールド１７の高さを調整する際には、
調整歯車２３を回動操作するのであり、これによ
り、調整歯車２３と従動歯車２６との咬合を介し
て、各回転体２５が回転せしめられ、スリーブ２
１とカラー２２との摺動による案内を受け乍ら、
各高さ調整軸２４が上下方向に移動して、断熱材
１５、上プラテン１６及び上モールド１７が上下
方向に移動し、これによつて、上モールド１７の
高さを所望に調整できるのである。

以上詳述したように、本考案によれば、上プラ
テン１６上に、その中心部に位置するスリーブ２
１と、周縁部に周方向等間隔に配置された複数個
の高さ調整軸２４とを立設し、スリーブ２１が上
下摺動自在に挿通されるカラー２２を上支持基盤
１３に固定し、このカラー２２に回転のみ自在に
外嵌する調整歯車２３を設け、この調整歯車２３
に咬合いかつ各高さ調整軸２４に螺合する複数個
の回転体２５を上支持基盤１３に回動のみ自在に
設けているので、調整歯車２３を回動させること
により上モールド１７の高さを全周にわたつて均
等に調整できると共に、加硫成形時に両モールド
１７，１１の加圧力が不均一となることもなく、
タイヤの加硫成形を良好に行うことができ、タイ
ヤの品質が向上する。また単に高さ調整軸２４等
を周縁部に設けるのみでなく、上プラテン１６の
中心部にスリーブ２１を設け、このスリーブ２１
が上下摺動自在に挿通されるカラー２２を上支持
基盤１３の中心部に設けているので、これらスリ
ーブ２１、カラー２２によつてガイドすることが
でき、調整時における上モールド１７の上下動が
非常にスムーズになる。更に、ガイド用のカラー
２２に回動自在に調整歯車２３を設けているた
め、その支持構造を簡単にできる。本考案は上記
利点を有し、実益大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は正面
断面図、第２図は平面図、第３図は側面図であ
る。 １……機枠、２……加硫成形体、６，７……
上・下成形体、８，１３……上・下支持基盤、１
０，１６……上・下プラテン、１１，１７……
上・下モールド、１４……高さ調整機構、１５…
…断熱材、１９……昇降フレーム、２０……開閉
機構、２３……調整歯車、２４……高さ調整軸、
２５……回転体、２６……従動歯車、２７……ナ
ツト、２８……ロツクリング、２９……モールド
加圧機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下に配置された一対のプラテン１６，１０の
   対向面に夫々モールド１７，１１を備え、上プラ
   テン１６上方に、上プラテン１６が高さ調整自在
   に備えられる上支持基盤１３を備え、両モールド
   １７，１１の開閉機構２０と、両プラテン１６，
   １０の機械的ロツク手段２８と、上支持基盤１３
   及び両プラテン１６，１０を介して両モールド１
   ７，１１を他方側に対して加圧するモールド加圧
   機構２９とを備えたものにおいて、上プラテン１
   ６上に、その中心部に位置するスリーブ２１と、
   周縁部に周方向等間隔に配置された複数個の高さ
   調整軸２４とを立設し、スリーブ２１が上下摺動
   自在に挿通されるカラー２２を上支持基盤１３に
   固定し、このカラー２２に回転のみ自在に外嵌す
   る調整歯車２３を設け、この調整歯車２３に咬合
   いかつ各高さ調整軸２４に螺合する複数個の回転
   体２５を上支持基盤１３に回動のみ自在に設けた
   ことを特徴とするタイヤプレスにおける上モール
   ド高さ調整機構。