JPH0427357Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は従来にないまつたく新しい構造のソ
ース付加熱調理食品に係り、運搬、陳列に極めて
便利なソース付加熱調理食品に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来のこの種の適宜加熱処理にて食用に供され
るハンバーグ、ギヨウザ、シユウマイ、春巻、ミ
ートボール、酢豚等の各種ソース付加熱調理食品
は、ソースを別袋にて密封し、各種成型食品をト
レイ等各種容器に収納して透明フイルムにて密封
するなど、夫々ソースと成型食品とを分けて収納
しており、成型食品の加熱調理前後にソースを掛
けて使用するものであつた。

また、あるいはハンバーグステーキ等の成型食
品とそのソースとを同時に袋に収納して、いわゆ
る真空パツクにして包装していた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このソースと成型食品とを夫々
分けて収納した従来のソース付加熱調理食品は、
各種成型食品が包装容器内でガタつき、運搬時に
成型食品を損傷させる虞があると共に、その包装
容器内で成型食品の位置がずれることが多く外観
上の体裁が極めて悪く、このため、陳列に際して
は、水平状に載置する平面内な陳列しかできず、
目立たず、しかも、広い陳列場所が必要であるな
どの欠点があつた。しかも、食用に供するには、
加熱処理の前または後に別封のソースをかける手
間が面倒であつた。

また、成型食品とそのソースとを同時に袋に収
納したソース付加熱調理食品は、包装状態での外
観上の体裁が極めて悪く、出来上がり状態の美味
しさを写真や絵などで表示するしかなく、客に美
味しそうな出来上がり状態を直接アピールするこ
とができず、このため、客の購買意欲を積極的に
促進することができなかつた。しかも、同時に収
納されたソースが成型食品に含浸して、成型食品
が型崩れするなど、成型食品の生地本来の美味し
さが損なわれ、ソースと各種成型食品との味の調
和が醸し出す独特の美味しさが失われるという欠
点もあつた。

そこで、この考案は、従来存した叙上の問題点
を解決すべく案出されたものであり、各種成型食
品が包装容器内でガタつくことなく固着され、垂
直状にして立体的な陳列が可能であると共に、出
来上がり状態の美味しさをそのまま直接表示し
て、客の購買意欲を積極的に促進することがで
き、しかも、調理が簡単で、ソースと各種成型食
品との夫々の味が調和した独特の美味しさを有す
るソース付加熱調理食品を提供することを目的と
する。

（問題点を解決するための手段） このため、この考案は、適宜加熱処理にて食用
に供されるハンバーグ、ギヨウザ、シユウマイ、
春巻、ミートボール、酢豚等のソース付加熱調理
食品において、適温度で当該成型食品が包装容器
に固着すべく、適宜量のゼラチンまたは寒天を混
入したソースを包装容器内の前記成型食品に被覆
して形成したことにより、 上記目的を達成した。

（作用） しかして、叙上のような考案にあつては、適宜
加熱処理にて食用に供されるハンバーグ、ギヨウ
ザ、シユウマイ、春巻、ミートボール、酢豚等の
ソース付加熱調理食品において、適宜量のゼラチ
ンまたは寒天を混入したソースを包装容器内の前
記成型食品に被覆して形成すると、このソースに
混入されたゼラチンまたは寒天により、ソースが
適温度で粘着性を帯びたゼリー状となつて当該成
型食品及び包装容器に固着する。

したがつて、適温度にて、当該成型食品が包装
容器に固着し、ある一定の高い温度に達すると溶
融して液体状の通常のソースとなる。

（実施例） 以下、図面を参照してこの考案の実施例を説明
する。

図において示される符号１は、適宜加熱処理に
て食用に供されるハンバーグ等の成型食品であ
る。この成型食品１は、電子レンジ、フライパン
等を利用した加熱処理にて直ぐに食用に供せられ
るよう予め調理されたものであればよく、ハンバ
ーグの他、ギヨウザ、シユウマイ、春巻、ミート
ボール、酢豚等、その食品の内容は特に限定され
ることなく適宜設定できるものである。

そして、この成型食品１が適温度で包装容器３
に固着すべく、適宜量のゼラチンまたは寒天を混
入したソース２が、包装容器３内の前記成型食品
１に被覆して形成されている。

即ち、ソース２はその各種成型食品１に応じて
調味して製造されており、このソース２に混入さ
れるゼラチンまたは寒天の比率は、ソース２がゼ
リー状に固まる温度及びそれが溶融する温度に応
じて適宜設定されるものである。しかして、通常
ハンバーグ等の加熱調理食品は、原則として約10
℃以下に冷蔵されているものであるから、この場
合、約10℃以下でソース２がゼリー状となつて、
被覆する成型食品を包装容器に固着し、約20℃で
溶融できるように設定してある。

以下、その具体的実施例について説明する。

即ち、先ず、牛肉45g、豚肉15g、炒め玉葱
20g、食塩0.4g、こしよう0.17g、上白糖0.25g、
全卵1g、牛肉エキス0.7g、パン粉5g、牛乳12.48g
を混合、混練してハンバーグ生地を作り上げ、そ
れを略小判型の適大きさに成型し、110℃の米白
絞油で５分、135℃で３分フライした後、両面を
軽く焼き、その後、５℃の冷風で約20分冷却し、
成型食品１であるハンバーグを作る。

一方、このハンバーグの成型食品１に被覆され
るソースは、玉葱400g、人参150gを乱切りにし、
バター30g、ラード25gで炒め、牛肉750g、鶏肉
300gをサラダ油20gで茶褐色になるまでよく炒め
る。そして、この玉葱、人参、牛肉、鶏肉を一緒
に炒め、小麦粉45gをまぶし、ローレル粉末
0.03g、セロリー粉末0.04g、トマトピユーレ
250g、上白糖5g、食塩10g、ゼラチン25g、タマ
リンド種子1gを加えて炒め、次に水4000gを加え
て弱火で約８時間煮詰めて製造する。

そして、このようにして製造されたゼラチン入
りソース２を約30℃まで冷却したものに、前記ハ
ンバーグの成型食品１をどぶ漬けにして、それを
電子レンジ対応可能なトレー等の包装容器３に載
せ、更にその上に数ｇ程度のソース２を掛けて、
成型食品１をソース２で被覆する。そして、これ
を約10℃に冷却する。すると、ソース２は粘着性
を帯びたゼリー状に固まつて成型食品１と包装容
器３に固着し、10℃程度の温度帯においては、包
装容器３を立てたり、逆さにしても成型食品１が
ずれたり落下することがない。

次に、図示は省略したが酢豚の実施例を説明す
ると、酢豚の通常の方法で調理した各種野菜と肉
の成型食品２を電子レンジ対応可能なトレー等の
包装容器３に載せ、砂糖50g、食塩1g、醤油50g、
ケチヤツプ35g、澱粉10g、添加水35g、食酢40g、
ゼラチン10g、カラギーナン2gを配合して製造さ
れたソース２である甘酢あんを、この成型食品２
掛けて被覆し、冷却する。すると、同様に、甘酢
あんのソース２はゼリー状に固まつて成型食品１
と包装容器３に固着し、10℃程度の温度帯におい
ては、包装容器３を立てたり、逆さにしても、成
型食品１がずれたり落下することがない。

そして、これらのソース２が被覆された成型食
品を、電子レンジ等で適宜加熱処理して食用に供
するものである。

尚、実施例においては、ソース２にゼラチンを
混入してあるが、ゼラチンの代わりに寒天を使用
してもよいことは勿論である。

（考案の効果） この考案は、適宜加熱処理にて食用に供される
ハンバーグ、ギヨウザ、シユウマイ、春巻、ミー
トボール、酢豚等のソース付加熱調理食品におい
て、適温度で当該成型食品１が包装容器３に固着
すべく、適宜量のゼラチンまたは寒天を混入した
ソース２を包装容器３内の前記成型食品１に被覆
して形成したから、このソース２に混入されたゼ
ラチンまたは寒天により、ソース２が適温度で粘
着性を帯びたゼリー状となつて当該成型食品１及
び包装容器３に固着し、当該成型食品１が包装容
器３に固着され、ある一定の高い温度に達すると
溶融して液体状の通常のソース２となる。

従つて、各種成型食品１は、適温度では、包装
容器３内でガタつくことなく、運搬時に成型食品
１を損傷させる虞がなく、その包装容器３内で成
型食品１の位置がずれることもないから、外観上
の体裁が良く、垂直状にして立体的な陳列も可能
であり、従来の水平状に載置する平面的な陳列し
かできなかつたものに比べ、目につき易く、しか
も、省スペースで陳列できることとなる。

また、成型食品１にスープ２がかかつた状態を
そのまま直接表示して、出来上がり状態の美味し
さを客に伝えることができ、客の購買意欲を積極
的に促進することができる。

しかも、ソース２が被覆された成型食品１を適
宜加熱処理するだけで完成するから、改めてソー
ス２をかけるなどの面倒な手間が要らず、調理が
極めて簡単である。

更には、ソース２が成型食品１に含浸して、成
型食品の生地が型崩れしたり、本来の美味しさが
損なわれたりすることなく、ソース２と各種成型
食品１との夫々の味が調和した独特の美味しさを
有するものとなる。

以上説明したように、この考案によれば、ソー
スが適温度で粘着性を帯びたゼリー状となつて、
当該成型食品が包装容器に固着され、包装容器内
でガタつくことなく、垂直状にして立体的な陳列
もできる等、実用上優れた種々の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は使用
状態に於ける斜視図、第２図は断面図である。 １……成型食品、２……ソース、３……包装容
器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適宜加熱処理にて食用に供されるハンバーグ、
   ギヨウザ、シユウマイ、春巻、ミートボール、酢
   豚等のソース付加熱調理食品において、適温度で
   当該成型食品が包装容器に固着すべく、適宜量の
   ゼラチンまたは寒天を混入したソースを包装容器
   内の前記成型食品に被覆して形成したことを特徴
   とするソース付加熱調理食品。