JPH0426824B2 - - Google Patents

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JPH0426824B2
JPH0426824B2 JP57028758A JP2875882A JPH0426824B2 JP H0426824 B2 JPH0426824 B2 JP H0426824B2 JP 57028758 A JP57028758 A JP 57028758A JP 2875882 A JP2875882 A JP 2875882A JP H0426824 B2 JPH0426824 B2 JP H0426824B2
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JP
Japan
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butter
lactone
flavor
lactones
hydroxy acid
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JP57028758A
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JPS58146252A (ja
Inventor
Hisashi Kaneda
Tatsumaro Nakamura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RYOSHOKU KENKYUKAI
Original Assignee
RYOSHOKU KENKYUKAI
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Publication date
Application filed by RYOSHOKU KENKYUKAI filed Critical RYOSHOKU KENKYUKAI
Priority to JP57028758A priority Critical patent/JPS58146252A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規なバターフレーバーに関するもの
である。 バターフレーバーはバター特有の芳香を発する
物質を意味し、その芳香の故にバターはマーガリ
ン及びその他の油脂と比べ著しく佳良な風味をも
つものとなつている。このためバターフレーバー
を製造し、安価な油脂に加えて品質の向上を計ら
んとする研究も行なわれたが未だに満足すべきバ
ターフレーバーは得られていない。 バターフレーバーについては多くの発表が行な
われ、その主要成分はラクトンとかメチルケトン
とか或はアルデヒド、遊離脂肪酸であるといわれ
ているが、未だその実態は確認されていない。こ
の中ラクトンであるとする説については、1956年
バター中にδ−デカラクトンが確認されており、
1962年にはγとδラクトンの同族体の存在が報告
されている。又、その後の研究ではバター中には
ラクトンの前駆物質が存在し、ラクトンの前駆体
がグリセリド分子に結合したγ及びδヒドロキシ
酸であり、ヒドロキシ酸はグリセリドのα位にエ
ステル結合しているのでないかと予想されてい
る。然し、ヒドロキシ酸グリセリドがどのような
理由でバターフレーバーと関係しているかについ
て詳細は全く知られておらず、またどのようなラ
クトンがバターフレーバーに最も関与するかも不
明である。 本発明は上記事情によりなされたもので、バタ
ーフレーバーの実態を明らかにし、ヒドロキシ酸
トリグリセリドより新規なバターフレーバーを得
んと長年研究を進めた結果、バターフレーバーは
ヒドロキシ酸トリグリセリドをケトン化すると得
ることができ、バターより分離したバターオイル
にはγ及びδのオキシ酸であるヒドロキシ酸がフ
レーバーの前駆物質として含まれており、該物質
は加熱によりトリグリセリドより離れ、容易に分
子内環状エステル(ラクトン)を作り、その生成
状況の差がフレーバーに著しい影響を与えること
を知つた。そこで、バターより分離したバターオ
イルよりヒドロキシ酸トリグリセリドを抽出し、
加熱してラクトンを生成せしめ、得られたラクト
ンより分離したγおよびδ−C12ラクトン(但し
C12とは炭素数を示す。以下この表示による)を
多く含むフラクシヨンにバターフレーバーが強い
ことを発見し、γ−およびδ−C12ラクトンを主
有効成分とするバターフレーバーを開発したので
ある。 本発明で使用するヒドロキシ酸トリグリセリド
とは、ヒドロキシ酸と脂肪酸がエステル結合した
もので、ヒドロキシ酸としては炭素数C8−C16
直鎖のものが含まれていれば良く、脂肪酸として
はリパーゼで分解すると主にパルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸となるようなもので、バタ
ーオイル、飽和および不飽和オキシ酸および各種
合成法等により製造することができる。 本発明のヒドロキシ酸トリグリセリドの製造例
を説明すると、先ず加塩バター、無塩バター等の
バターを可及的低温で溶解し、その上澄液を過
し、バターオイルを製造する。上記バターオイル
よりヒドロキシ酸トリグリセリドの分離はクロマ
ト的に行うことができ、例えば、細長いケイ酸カ
ラムを準備し、その上部より前記溶解したバター
オイルを負荷する。次いでジエチルエーテル含有
石油エーテルの溶液の如き有機溶剤を注加し、ケ
イ酸に吸着せしめ、次いで1%メタノール・ジエ
チルエーテル溶液を注加すると、ヒドロキシ酸ト
リグリセリドは該溶液の中にフラクシヨンとなつ
て溶出して来る。然しこの中にはモノグリセリド
やジグリセリド及びコレステリンも同伴するの
で、精製する場合にはドライカラム用ケイ酸を細
長いカラムに充填し、該カラムに前記1%メタノ
ール・ジエチルエーテル抽出物を濃縮し、濃縮物
1gを1mlのジエチルエーテル・石油エーテル溶
液にとかし、負荷せしめる。このカラムをジエチ
ルエーテルと石油エーテルの等量混合溶液で展開
するとヒドロキシ酸トリグリセリドは上部に、モ
ノ及びジグリセリドは下方に展開するので、上部
のみを切り離し、ジエチルエーテルで抽出すると
流出して来る。然し得られた流出液には尚コレス
テロールを含有するので流出液を濃縮し、その濃
縮物0.5gを1mlのクロロホルム・メタノールに
とかし、セフアデツクスLH−60(商品名)のカ
ラムに負荷せしめ、クロロホルムとメタノールの
等量混合液でゲル過を行うとコレステロールと
分離することができ、95〜100%の高純度のヒド
ロキシ酸トリグリセリドが得られる。然し、本発
明で使用するヒドロキシ酸トリグリセリドは純度
の高いものが望ましいが、粗製のもので30%以上
の純度を有するものであれば何れも使用できるも
のである。 ヒドロキシ酸トリグリセリドよりラクトンの生
成は、前記したようにヒドロキシ酸としてγ又は
δを含むから加熱により容易にラクトン化し芳香
を発するに到る。このとき、加熱温度と時間が重
要で、今、ヒドロキシ酸トリグリセリドをコーン
サラダ油に溶解し、流動パラフイン浴で60℃、80
℃、100℃及び120℃の各温度で加熱し、加熱時間
を0〜120分とした場合のラクトンの生成を第1
〜第4図に示す。但し、ラクトンの定量はウオン
グの方法に準じて行つた。 第1〜第4図の結果から、60℃の加熱(第1
図)では生成するラクトン炭素数の如何にかかわ
らずすべて15分でほゞ最高値に達し、主面なラク
トンはδ−C12ラクトン、δ−C14ラクトン及びγ
−C12:1不飽和ラクトンであり、80℃の加熱(第
2図)では60℃の場合よりδ−C14ラクトン、δ
−C16ラクトンなどの高級ラクトンが増加する。
然し、100℃の加熱(第3図)では80℃以下の場
合とは態様を異にし、δ−C12〜16のラクトンおよ
びγ−C12:1の不飽和ラクトンが時間と共に増加
し、さらに120℃(第4図)ではδ−C16及びδ−
C14のラクトンが多くなり、γ−C12:1不飽和ラ
クトンは減少するものである。このことにより、
低級ラクトンは低温条件でラクトン化するが、高
温では揮発分解しやすいことが判明する。又、各
温度におけるラクトンの総生成量を第5図に示し
たが、本図からも判るように100℃加熱によりも
つとも多くのラクトンを生成する。 これらの結果よりバターフレーバーは100℃で
加熱したものが最も強く、その前後は減少する
が、第3図、第4図を比較してラクトン総生産量
は100℃と120℃の間でさしたる差がないところか
ら、ラクトンの生成量そのものがバターフレーバ
ーを支配するものではなく、低級ラクトンの量の
多少がフレーバーに強い影響を与え、γ−および
δ−C12飽和および不飽和ラクトン含量の多いも
のがよいことが判明するのである。 上記事実を更に明らかにするため、ヒドロキシ
酸トリグリセリドをセフアデツクスLH−60(商
品名)によるゲル過で分割し、第6図に示すよ
うにA,B,C,Dの4つのフラクシヨンに分
け、各フラクシヨンを濃縮後100℃で30分加熱し、
官能検査を行うと、フラクシヨンAに最も強いバ
ターフレーバーが認められ、フラクシヨンBがこ
れに次ぎフラクシヨンC及びDにはバターフレー
バーを認めることができなかつた。このときの各
フラクシヨン別のラクトン生成量を第1表に示
す。
【表】 上表より判明する如く、フラクシヨンBの合計
は2.22mgでフラクシヨンDは1.79mgで、その差は
少なくバターフレーバーに影響を及ぼすほどでな
いにかかわらず、官能試験を行つた結果では大き
い差が生じる。これは、バターフレーバーのある
フラクシヨンAとフラクシヨンBは他のフラクシ
ヨンC,Dに比べγ−C10ラクトン、δ−C10ラク
トン、γ−C12ラクトン、γ−C12:1不飽和ラク
トン及びδ−C12ラクトンの低級ラクトンが多い
ためで、特にγ−C12:1不飽和ラクトンとδ−
C12ラクトンが多いためである。 更に、上記実験結果から、ヒドロキシ酸トリグ
リセリドのゲル過に際し、早くエリユートする
もの、即ち、比較的分子量の大きいものがラクト
ンの生成量が多く、且つバターフレーバーが強く
なることが判明するのである。 以上のことより、本発明のバターフレーバーは
γ−C12:1不飽和および飽和δ−C12ラクトンを
主有効成分とするものである。これらラクトンの
製造は精製又は粗製のヒドロキシ酸トリグリセリ
ドを植物油等に溶解し、100℃前後の温度で15〜
90分加熱し、γおよびδ−C12ラクトンの量を増
加させるとか、或はヒドロキシ酸トリグリセリド
の比較的分子量の大きい部分を集め、100℃前後
の温度で15〜90分加熱して製造できる。又、各種
合成法により製造してもよいものである。このよ
うにして製造したバターフレーバーは、そのまゝ
マーガリンその他の食品に添加してもよく、食用
油等に溶解して食品に添加してもよいもので、添
加によりバターフレーバーを有する食品となるの
である。 以上述べたように、本発明はバターの主香成分
として従来知られていなかつたγ−C12:1不飽和
ラクトンの存在を見出し、γ−およびδ−C12
和および不飽和ラクトンを主有効成分とするバタ
ーフレーバーとすることにより完成したのであ
る。本発明のバターフレーバーは、どのようなバ
ターからでも製造でき、規格に外れた不良のバタ
ーを原料とするとか、各種合成法により合成も可
能であるから安価に安定して供給することができ
る。又、天然物から得られるので安全であり、香
気が極めて強いので、少量の添加により食品の風
味を著しく改良する効果を奏するものである。 以下実施例により説明する。 実施例 1 市販のバター200gを40〜50℃の湯浴中で溶か
し、その上澄みを乾燥した紙で過し、バター
オイル165gを得た。 次いでマリンクロツトケイ酸(100メツシユ)
を細長カラムに充填した塔に上記バターオイル
100gを負荷し、上方から1%、5%、8%のジ
エチルエーテル・石油エーテル溶液をその順で通
液し、次いで1%メタノール・ジエチルエーテル
5000mlを通液した。流出した1%メタノールのジ
エチルエーテルを濃縮し、その濃縮物1gをジエ
チルエーテル・石油エーテル溶液1mlに溶解した
後、長さ100cmのドライカラム用ケイ酸の負荷せ
しめ、ジエチルエーテル:石油エーテル1:1溶
液で展開した。展開後上部20〜50cmの区分を集
め、ジエチルエーテル100mlで抽出した。上記区
分抽出液は濃縮し、その500mgをクロ・メタ溶液
1mlにとかし、全長110cmのセフアデツクスLH
−60(商品名)に負荷し、クロロホルム:メタノ
ール1:1溶液でゲル過を行い、純度80%のヒ
ドロキシ酸トリグリセリド430gを分離した。次
いでヒドロキシ酸トリグリセリド200mgをセフア
デツクスLH−60(商品名)の180cmのカラムに負
荷し、クロロホルム:メタノール1:1の溶液で
第6図に示すフラクシヨンAを得た(ヒドロキシ
酸トリグリセリド8mg)。これを100℃で30分間加
熱し、δ−C12ラクトンを主有効成分とするバタ
ーフレーバー0.024mgを得た。 このバターフレーバー0.02mgをマーガリン100
gに添加し、風味がバターに近似したマーガリン
とすることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は60℃加熱におけるヒドロキシ酸トリグ
リセリドからラクトンの生成、第2図は80℃加熱
におけるラクトンの生成、第3図は100℃におけ
るラクトンの生成、第4図は120℃におけるラク
トンの生成を示す。第5図はヒドロキシ酸を各温
度で加熱した際のラクトンの総生成量を示す。第
6図はセフアデツクスLH−60(商品名)による
ヒドロキシ酸トリグリセリドの流出曲線を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 γ−およびδ−C12飽和および不飽和ラクト
    ンを主有効成分とするバターフレーバー。
JP57028758A 1982-02-26 1982-02-26 バタ−フレ−バ− Granted JPS58146252A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57028758A JPS58146252A (ja) 1982-02-26 1982-02-26 バタ−フレ−バ−

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JP57028758A JPS58146252A (ja) 1982-02-26 1982-02-26 バタ−フレ−バ−

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JPS58146252A JPS58146252A (ja) 1983-08-31
JPH0426824B2 true JPH0426824B2 (ja) 1992-05-08

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ID=12257306

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JP57028758A Granted JPS58146252A (ja) 1982-02-26 1982-02-26 バタ−フレ−バ−

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Families Citing this family (5)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU600187B2 (en) * 1987-12-15 1990-08-02 Unilever Plc Process for concentrating lactones, as well as the use of the concentrate thus obtained for flavouring foodstuffs
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Non-Patent Citations (1)

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Title
THE JOURNAL OF THE AMERICAN OIL CHEMIST' SOCIETY=1965 *

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