JPH04268227A - オーバーライト方式による光磁気記録方法 - Google Patents

オーバーライト方式による光磁気記録方法

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JPH04268227A
JPH04268227A JP3028884A JP2888491A JPH04268227A JP H04268227 A JPH04268227 A JP H04268227A JP 3028884 A JP3028884 A JP 3028884A JP 2888491 A JP2888491 A JP 2888491A JP H04268227 A JPH04268227 A JP H04268227A
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layer
magnetization
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temperature
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JP3028884A
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Jun Saito
斉藤 旬
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーバーライト可能な
光磁気記録媒体に対し、「高レベルPH と低レベルP
L (PL は再生時のビーム強度である再生レベルP
R より高い)との間でパルス変調されたレーザービー
ム」を照射することにより、新規な情報をオーバーライ
ト(重ね書き)する光磁気記録方法に関する。
【0002】特に本発明は、このようなオーバーライト
の1つを第1記録、そして、第1記録とは前記PH と
PL の少なくとも一方が異なるオーバーライトを第2
記録とするとき、少なくとも、この第1記録と第2記録
とからなる光磁気記録方法に関する。
【0003】
【従来の技術】最近、高密度、大容量、高いアクセス速
度、並びに高い記録及び再生速度を含めた種々の要求を
満足する光学的記録再生方法、それに使用される記録装
置、再生装置及び記録媒体を開発しようとする努力が成
されている。広範囲な光学的記録再生方法の中で、光磁
気記録再生方法は、情報を記録した後、消去することが
でき、再び新たな情報を記録することが繰り返し何度も
可能であるというユニークな利点のために、最も大きな
魅力に満ちている。
【0004】この光磁気記録再生方法で使用される記録
媒体は、  記録を残す層として1層又は多層からなる
垂直磁化膜(perpendicular magne
tic layer or layers)を有する。 この磁化膜は、例えばアモルファスのGdFeやGdC
o、GdFeCo、TbFe、TbCo、TbFeCo
などからなる。垂直磁化膜は、一般に同心円状又はらせ
ん状のトラックを有しており、このトラックの上に情報
が記録される。トラックは明示的な場合と黙示的な場合
は2通りある。ここで、本明細書では、膜面に対し「上
向き(upward) 」又は「下向き(downwa
rd)」の何れか一方を、「A向き」、他方を「逆A向
き」と定義する。記録すべき情報は、予め2値化されて
おり、この情報「A向き」の磁化を有するビット(B1
)と、「逆A向き」の磁化を有するビット(B0)の2
つの信号で記録される。これらのビットB1 ,B0 
は、デジタル信号の1,0の何れか一方と他方にそれぞ
れ相当する。しかし、一般には記録されるトラックの磁
化は、記録前に強力な外部磁場を印加することによって
「逆A向き」に揃えられる。その上でトラックに「A向
き」の磁化を有するビット(B1)を形成する。情報は
、このビット(B1)の有無及び/又はビット長によっ
て表現される。尚、ビットは、過去にはピットと呼ばれ
、最近ではマークと呼ばれることがある。本明細書でも
、慣例を優先して「ピット」又は「マーク」と言うこと
がある。 ビット形成の原理:ビットの形成に於いては、レーザー
の特徴即ち空間的時間的に素晴らしい凝集性(cohe
rence) が有利に使用され、レーザー光の波長に
よって決定される回折限界とほとんど同じ位に小さいス
ポットにビームが絞り込まれる。絞り込まれた光はトラ
ック表面に照射され、垂直磁化膜に直径が1μm以下の
ビットを形成することにより情報が記録される。光学的
記録においては、理論的に約108 ビット/cm3 
までの記録密度を達成することができる。何故ならば、
レーザビームはその波長とほとんど同じ位に小さい直径
を有するスポットにまで凝縮(concentrate
)することが出来るからである。
【0005】図2に示すように、光磁気記録においては
、レーザービーム(L)を垂直磁化膜(MO)の上に絞
りこみ、それを加熱する。その間、初期化された向きと
は反対の向きの記録磁界(Hb)を加熱された部分に外
部から印加する。そうすると局部的に加熱された部分の
保磁力Hc(coersivity) は減少し記録磁
界(Hb)より小さくなる。その結果、その部分の磁化
は、記録磁界(Hb)の向きに並ぶ。こうして逆に磁化
されたビットが形成される。
【0006】フェロ磁性材料とフェリ磁性材料では、磁
化及びHc の温度依存性が異なる。フェロ磁性材料は
キュリー点付近で減少するHc を有し、この現象に基
づいて記録が実行される。従って、Tc 書込み(キュ
リー点書込み)と引用される。他方、フェリ磁性材料は
キュリー点より低い補償温度(compensatio
ntemperature ) Tcomp. を有し
ており、そこでは磁化(M)はゼロになる。逆にその温
度付近でHc が非常に大きくなり、その温度から外れ
るとHc が急激に低下する。  この低下したHc 
は、比較的弱い記録磁界(Hb)によって打ち負かされ
る。つまり、記録が可能になる。この記録プロセスはT
comp. 書込み(補償点書込み)と呼ばれる。
【0007】もっとも、キュリー点又はその近辺、及び
補償温度の近辺にこだわる必要はない。要するに、室温
より高い所定の温度に於いて、低下したHc を有する
磁性材料に対し、その低下したHc を打ち負かせる記
録磁界(Hb )を印加すれば、記録は可能である。但
し、室温より高い所定の温度に達していない領域(この
領域のHc は元の高いHc を有する)にある垂直磁
化膜(MO)の磁化を反転するような高すぎるHb は
、不可である。 再生の原理:図3は、光磁気効果に基づく情報再生の原
理を示す。光は、光路に垂直な平面上で全ての方向に通
常は発散している電磁場ベクトルを有する電磁波である
。光が直線偏光(Lp ) に変換され、そして垂直磁
化膜(MO)に照射されたとき、光はその表面で反射さ
れるか又は垂直磁化膜(MO)を透過する。このとき、
偏光面は磁化Mの向きに従って回転する。この回転する
現象は、磁気カー(Kerr) 効果又は磁気ファラデ
ー(Faraday) 効果と呼ばれる。
【0008】例えば、もし反射光の偏光面が「A向き」
磁化に対してθk 度回転するとすると、「逆A向き」
磁化に対しては−θk 度回転する。従って、光アナラ
イザー(偏光子)の軸を−θk 度傾けた面に垂直にセ
ットしておくと、「逆A向き」に磁化されたビット(B
0)から反射された光はアナライザーを透過することが
できない。それに対して「A向き」に磁化されたビット
(B1)から反射された光は、(sin2θk)2 を
乗じた分がアナライザーを透過し、  ディテクター(
光電変換手段)に捕獲される。その結果、「A向き」に
磁化されたビット(B1)は「逆A向き」に磁化された
ビット(B0)よりも明るく見え、ディテクターに於い
て強い電気信号を発生させる。このディテクターからの
電気信号は、記録された情報に従って変調されるので、
情報が再生されるのである。
【0009】ところで、記録ずみの媒体を再使用するに
は、 (1) 媒体を再び初期化装置で初期化するか、
又は (2) 記録装置に記録ヘッドと同様な消去ヘッ
ドを併設するか、又は (3) 予め、前段処理として
記録装置又は消去装置を用いて記録ずみ情報を消去する
必要がある。 従って、光磁気記録方式では、これまで、記録ずみ情報
の有無にかかわらず新たな情報をその場で記録できるオ
ーバーライトは、不可能とされていた。
【0010】もっとも、もし記録磁界Hb の向きを必
要に応じて「A向き」と「逆A向き」との間で自由に変
調することができれば、オーバーライトが可能になる。 しかしながら、記録磁界Hb の向きを高速度で変調す
ることは不可能である。例えば、記録磁界Hb が永久
磁石である場合、磁石の向きを機械的に反転させる必要
がある。しかし、磁石の向きを高速で反転させることは
、無理である。記録磁界Hbが電磁石である場合にも、
大容量の電流の向きをそのように高速で変調することは
不可能である。
【0011】しかしながら、技術の進歩は著しく、記録
磁界Hb の強度(ON、OFF を含む)又は記録磁
界Hb の向きを変調せずに、照射する光ビームの強度
を記録すべき2値化情報に従い変調するだけで、オーバ
ーライトが可能な光磁気記録方法と、それに使用される
オーバーライト可能な光磁気記録媒体と、同じくそれに
使用されるオーバーライト可能な記録装置が発明され、
特許出願された(特開昭62−175948号=DE3
,619,618)。以下、この発明を「基本発明」と
引用する。 〔基本発明の説明〕基本発明では、「基本的に垂直磁化
可能な磁性薄膜からなる記録再生層(本明細書では、メ
モリー層又はM層と言う)と、垂直磁化可能な磁性薄膜
からなる記録補助層(本明細書では、『記録層』又はW
層と言う)とを含み、両層は交換結合しており、かつ、
室温でM層の磁化の向きは変えないでW層の磁化のみを
所定の向きに向けておくことができるオーバーライト可
能な多層光磁気記録媒体」を使用する。
【0012】そして、情報をM層(場合によりW層にも
)における「A向き」磁化を有するビットと「逆A向き
」磁化を有するビットで表現し、記録するのである。 この媒体は、W層が外部手段(例えば初期補助磁界Hi
ni. )によって、その磁化の向きを「A向き」に揃
えることができ、しかも、そのとき、M層は、磁化の向
きは反転せず、更に、一旦「A向き」に揃えられたW層
の磁化の向きは、M層からの交換結合力を受けても反転
せず、逆にM層の磁化の向きは、「A向き」に揃えられ
たW層からの交換結合力を受けても反転しない。
【0013】そして、W層は、M層に比べて低い保磁力
HC と高いキュリー点TC を持つ。基本発明の記録
方法によれば、記録媒体は、記録前までに、外部手段に
よりW層の磁化の向きが「A向き」に揃えられる。この
行為を本明細書では特別に「初期化(initiali
ze)」と呼ぶ。 この初期化はオーバーライト可能な媒体に特有なことで
ある。
【0014】その上で、2値化情報に従いパルス変調さ
れたレーザービームが媒体に照射される。レーザービー
ムの強度は、高レベルPH と低レベルPL があり、
これはパルスの高レベルと低レベルに相当する。この低
レベルは、再生時に媒体を照射する再生レベルPR よ
りも高い。既に知られているように、記録をしない時に
も、例えば媒体における所定の記録場所をアクセスする
ためにレーザービームを<非常な低レベル>で点灯する
ことがある。この<非常な低レベル>も、再生レベルP
R と同一又は近似のレベルである。従って、例えば、
基本発明におけるレーザービームの出力波形は、図4の
通りになる。
【0015】なお、基本発明の明細書には明記されてい
ないが、基本発明では、記録用のビームは、1本ではな
く近接した2本のビームを用いて、先行ビームを原則と
して変調しない低レベルのレーザービーム(消去用)と
し、後行ビームを情報に従い変調する高レベルのレーザ
ービーム(書込用)としてもよい。この場合、後行ビー
ムは、  高レベルと基底レベル(低レベルと同一又は
それより低いレベルであり、出力がゼロでもよい)との
間でパルス変調される。この場合の出力波形は例えば図
5に示される。
【0016】ビームが照射された部分の媒体に、向きも
強度も変調されない記録磁界Hb が作用する。Hb 
は、ビームの照射された部分(スポット領域)と同じ位
の寸法に絞ることはできず、Hb が作用する領域は、
スポット領域に比べれば、ずっと大きい。低レベルのビ
ームが照射されると、前のビットの磁化の向きに無関係
に、M層に「A向き」のビット(B1)又は「逆A向き
」のビット(B0)の一方が形成される。
【0017】そして、高レベルのビームが照射されると
、前のビットの磁化の向きに無関係に、M層に他方のビ
ットが形成される。これでオーバーライトが完了する。 基本発明では、レーザービームは、記録すべき情報に従
いパルス状に変調される。しかし、このこと自身は、従
来の光磁気記録でも行われており、記録すべき2値化情
報に従いビーム強度をパルス状に変調する手段は既知の
手段である。例えば、THE  BELL  SYST
EM  TECHNICAL  JOURNAL,  
Vol.62(1983),1923 −1936に詳
しく説明されている。従って、ビーム強度の必要な高レ
ベルと低レベルが与えられれば、従来の変調手段を一部
修正するだけで容易に入手できる。当業者にとって、そ
のような修正は、ビーム強度の高レベルと低レベルが与
えられれば、容易であろう。
【0018】基本発明に於いて特徴的なことの1つは、
ビーム強度の高レベルと低レベルである。即ち、ビーム
強度が高レベルの時に、記録磁界Hb その他の外部手
段によりW層の「A向き」磁化を「逆A向き」に反転(
reverse)させ、このW層の「逆A向き」磁化に
よってM層に「逆A向き」磁化〔又は「A向き」磁化〕
を有するビットを形成する。ビーム強度が低レベルの時
は、W層の磁化の向きは初期化状態と変わらず、そして
、W層の作用(この作用は交換結合力を通じてM層に伝
わる)によってM層に「A向き」磁化〔又は「逆A向き
」磁化〕を有するビットを形成する。
【0019】なお、本明細書で、○○○〔又は△△△〕
という表現は、先に〔  〕の外の○○○を読んだとき
には、以下の○○○〔又は△△△〕のときにも、〔  
〕の外の○○○を読むことにする。それに対して先に○
○○を読まずに〔  〕内の△△△の方を選択して読ん
だときには、以下の○○○〔又は△△△〕のときにも○
○○を読まずに〔  〕内の△△△を読むものとする。
【0020】基本発明で使用される媒体は、第1実施態
様と第2実施態様とに大別される。いずれの実施態様に
おいても、記録媒体は、  M層とW層を含む多層構造
を有する。M層は、室温で保磁力が高く磁化反転温度が
低い磁性層である。W層はM層に比べ相対的に室温で保
磁力が低く磁化反転温度が高い磁性層である。なお、M
層とW層ともに、それ自体多層膜から構成されていても
よい。  場合によりM層とW層との間に第3の層(例
えば、交換結合力σW の調整層)が存在していてもよ
い。 更にM層とW層との間に明確な境界がなく、一方から徐
々に他方に変わってもよい。
【0021】第1実施態様では、M層の保磁力をHC1
、W層のそれをHC2、M層のキュリー点をTC1、W
層のそれをTC2、室温をTR 、低レベルPL のレ
ーザービームを照射した時の記録媒体の温度をTL 、
高レベルPH のレーザービームを照射した時のそれを
TH 、M層が受ける結合磁界をHD1(HD1はσW
 をM層飽和磁気モーメントMS とM層の膜厚tとの
積で割った商で算出される)、W層が受ける結合磁界を
HD2(HD2はσW をW層飽和磁気モーメントMS
 とW層の膜厚tとの積で割った商で算出される)とし
た場合、記録媒体は、下記の式1を満足し、そして室温
で式2〜5を満足するものである。
【0022】 TR <TC1≒TL <TC2≒TH……………式1
HC1>HC2+|HD1−(±HD2)|………式2
HC1>HD1  …………………………………式3H
C2>HD2  …………………………………式4HC
2+HD2<|Hini. |<HC1±HD1──式
5上記式中、符号「≒」は、等しいか又はほぼ等しい(
±20℃位) ことを表す。また上記式中、複合±につ
いては、上段が後述するA(antiparallel
) タイプの媒体の場合であり、下段は後述するP(p
arallel)タイプの媒体の場合である。なお、フ
ェロ磁性体媒体はPタイプに属する。
【0023】つまり、保磁力と温度との関係をグラフで
表すと、一般には図6の如くなる。細線はM層のそれを
、太線はW層のそれを表す。従って、この記録媒体に室
温で外部手段例えば初期補助磁界(Hini.) を印
加すると、  式5によれば、M層の磁化の向きは反転
せずにW層の磁化のみが反転する。そこで、記録前に媒
体に外部手段から作用(例えば、初期補助磁界Hini
.)を及ぼすと、W層のみを「A向き」−−−−−ここ
では「A向き」を便宜的に本明細書紙面において上向き
の矢↑で示し、「逆A向き」を下向きの矢↓で示す−−
−−−に磁化させることができる。そして、Hini.
 がゼロになっても、式4により、W層の磁化↑は再反
転せずにそのまま保持される。
【0024】外部手段によりW層のみが、記録前までに
「A向き」↑に磁化されている状態を概念的に表すと、
図7になる。図7でM層における磁化の向き* は、そ
れまでに記録されていた情報を表わす。  以下の説明
においては、向きに関係がないので、これをXで示し簡
略化すると、図7は、図8の状態1で示せる。ここにお
いて、高レベルのレーザービームを照射して媒体温度を
TH に上昇させる。すると、TH はキュリー点TC
1より高温度なのでM層の磁化は消失してしまう。  
更にTH はキュリー点TC2付近なのでW層の磁化も
全く又はほぼ消失する。ここで、媒体の種類に応じて「
A向き」又は「逆A向き」の記録磁界Hb を印加する
。Hb は、媒体自身からの浮遊磁界でもよい。説明を
簡単にするために「逆A向き」↓の記録磁界Hb を印
加したとする。媒体は移動しているので、照射された部
分は、レーザービームから直ぐに遠ざかり、冷却される
。  Hb の存在下で、媒体の温度が低下すると、W
層の磁化は、Hb に従い、反転されて「逆A向き」↓
の磁化となる(図8状態2)。
【0025】そして、さらに放冷が進み、媒体温度がT
C1より少し下がると、再びM層の磁化が現れる。その
場合、磁気的結合(交換結合)力のために、M層の磁化
の向きは、W層の影響を受け所定の向きとなる。その結
果、媒体の種類に応じて「逆A向き」↓のビット(Pタ
イプの媒体の場合)又は「A向き」↑のビット(Aタイ
プの媒体の場合)がM層に形成される。この状態が図8
状態3(Pタイプ)又は状態4(Aタイプ)である。
【0026】この高レベルのレーザービームによる状態
の変化をここでは高温サイクルと呼ぶことにする。次に
、低レベルPL のレーザービームを照射して  媒体
温度をTL に上昇させる。TL はキュリー点TC1
付近なのでM層の磁化は全く又はほぼ消失してしまうが
、キュリー点TC2よりは低温であるのでW層の磁化は
消失しない。この状態は図8状態5で示される。ここで
は、記録磁界Hb は、不要であるが、高速度(短時間
)でHb をON, OFF することは不可能である
。従って、止むを得ず高温サイクルのときのままになっ
ている。
【0027】しかし、HC2はまだ大きいままなので、
Hb によってW層の磁化↑が反転することはない。媒
体は移動しているので、照射された部分は、レーザービ
ームから直ぐに遠ざかり、冷却される。冷却が進むと、
再びM層に磁化が現れる。現れる磁化の向きは、磁気的
結合力のためにW層の影響を受け所定の向きとなる。そ
の結果、媒体の種類に応じて「A向き」↑のビット(P
タイプの媒体の場合)又は「逆A向き」↓のビット(A
タイプの媒体の場合)がM層に形成される。この磁化は
室温でも変わらない。この状態が図8状態6(Pタイプ
)又は状態7(Aタイプ)である。
【0028】この低レベルのレーザービームによる状態
の変化をここでは低温サイクルと呼ぶことにする。以上
、説明したように、記録前のM層の磁化の向きがどうで
あれ、高温サイクルと低温サイクルを選択することによ
って、「逆A向き」↓のビットと  「A向き」↑のビ
ットをM層に自由に形成できる。つまり、レーザービー
ムを情報に従い高レベル(高温サイクル)と低レベル(
低温サイクル)との間でパルス状に変調することにより
オーバーライトが可能となる。図9を参照されたい。 図9の磁化の状態は、いずれも室温又は室温に戻ったと
きの結果として描いてある。
【0029】これまでの説明は、M層、W層ともに室温
とキュリー点との間に補償温度Tcomp. がない磁
性体組成について説明した。しかし、補償温度Tcom
p. が存在する場合には、それを越えると■磁化の向
きが反転すること−−−−実際にはRE、TMの各副格
子磁化の向きは変わらないが、その大小関係が逆転する
ので、全体(合金)としての磁化の向きが反転する−−
−−−と、■A、Pタイプが逆になるので、説明はそれ
だけ複雑になる。この場合、記録磁界Hb の向きも、
室温で考えた場合、前頁の説明の向き↓と逆になる。つ
まり、初期化されたW層の磁化の向き↑と同じ向きのH
b を印加する。
【0030】記録媒体は一般にディスク状であり、記録
時、媒体は回転される。そのため、記録された部分(ビ
ット)は、  記録後に再び外部手段例えばHini.
 の作用を受け、その結果、W層の磁化は元の「A向き
」↑に揃えられる。  しかし、室温では、W層の磁化
の影響がM層に及ぶことはなく、そのため記録された情
報は保持される。
【0031】そこで、M層に直線偏光を照射すれば、そ
の反射光には情報が含まれているので、従来の光磁気記
録媒体と同様に情報が再生される。このようなM層及び
W層を構成する垂直磁化膜は、■補償温度を有せずキュ
リー点を有するフェロ磁性体及びフェリ磁性体、並びに
■補償温度、キュリー点の双方を有するフェリ磁性体の
非晶質或いは結晶質からなる群から選択される。以上の
説明は、磁化反転温度としてキュリー点を利用した第1
実施態様の説明である。それに対して第2実施態様はキ
ュリー点より低い温度に於いて低下したHc を利用す
るものである。第2実施態様は、第1実施態様に於ける
TC1の代わりにM層がW層に磁気結合される温度TS
1を使用し、TC2の代わりにW層がHbで反転する温
度TS2を使用すれば、第1実施態様と同様に説明され
る。
【0032】第2実施態様では、M層の保磁力をHC1
、W層のそれをHC2、M層がW層に磁気的に結合され
る温度をTs1とし、W層の磁化がHb で反転する温
度をTS2、室温をTR 、低レベルPL のレーザー
ビームを照射した時の媒体の温度をTL 、高レベルP
H のレーザービームを照射した時のそれをTH 、M
層が受ける結合磁界をHD1(HD1はσW をM層飽
和磁気モーメントMS とM層の膜厚tとの積で割った
商で算出される)、W層が受ける結合磁界をHD2(H
D2はσW をW層飽和磁気モーメントMS とW層の
膜厚tとの積で割った商で算出される)とした場合、記
録媒体は、下記式6を満足し、かつ室温で式7〜10を
満足するものである。
【0033】 TR <Ts1≒TL <Ts2≒TH ……………式
6HC1>HC2+|HD1−(±HD2)|………式
7HC1>HD1  …………………………………式8
HC2>HD2─…………………………………式9HC
2+HD2<|Hini. |<HC1±HD1──式
10上記式中、複合±については、上段がA(anti
parallel) タイプの媒体の場合であり、下段
はP(parallel)タイプの媒体の場合である。
【0034】第2実施態様では、高温TH のとき、W
層の磁化は消失していないが、十分に弱く、M層の磁化
は消失しているか、又は十分に弱い。M層、W層ともに
十分に弱い磁化を残留していても、記録磁界Hb ↓が
十分に大きいので、Hb ↓がW層及び場合によりM層
の磁化の向きをHb ↓に従わせることができる。この
状態が図10状態2である。  この後、■直ちに又は
■レーザービームの照射が無くなって放冷が進み、媒体
温度がTH より下がった時又は■Hb から遠ざかっ
た時、W層がσW を介してM層に影響を及ぼしてM層
の磁化の向きを安定な向きに従わせる。その結果、図1
0状態3(Pタイプ)又は状態4(Aタイプ)となる。
【0035】他方、低温TL のとき、W層はもちろん
M層も磁化を消失していない。  しかし、M層のそれ
は比較的小さい。  この場合、ビットの状態には、P
タイプの場合、図10状態5と状態6の2種類あり、A
タイプの場合、図10状態7と状態8の2種類ある。状
態6及び状態8では、M層とW層との間に界面磁壁(太
線━で示す)が生じており、やや不安定(準安定)な状
態である。状態1は状態5〜8のいずれかを示す。この
状態の媒体部分が、レーザービームの照射位置に来る直
前に、Hb ↓の印加を受ける。それでも、この状態6
又は状態8は保持される。何故ならば、W層は、室温で
、十分な磁化を有するので、磁化がHb ↓によって反
転することはない。また、Hb ↓と向きが反対の状態
8のメモリー層は、Hb ↓の影響より大きなW層から
の交換結合力σW の影響を受け、Pタイプ故にW層と
同じ向きに、磁化の向きが保持される。
【0036】その後、まもなく状態6又は状態8は低レ
ベルのレーザービームの照射を受ける。そのため、媒体
温度は上昇する。それに伴い両層の保磁力は低下する。 しかし、W層は高いキュリー点を有するので、保磁力H
C2の低下は小さく、Hb ↓に負けることがなく、初
期化されたときの磁化の向き「A向き」↑が維持される
。他方、M層は低いキュリー点を有するものの、媒体温
度は未だM層のキュリー点Tc1より低いので、保磁力
HC1は残存する。  しかし、HC1は小さいので、
W層は、■Hb ↓の影響と■W層からの交換結合力σ
w を介した影響(Pタイプの場合、同じ向きに向かせ
ようとする力)を受ける。この場合、後者の方が強く、
Pタイプの場合、式:Hc1+Hb <σw /2Ms
1t1式:      Hc2>σw /2Ms2t2
 (注:式中、不等号の右辺はそれぞれσw を2Ms
1t1 又は2Ms2t2 で割った分数を意味する)
の2つの式が同時に満足される。Aタイプの場合には、
式:Hc1−Hb <σw /2Ms1t1式:   
   Hc2>σw /2Ms2t2 (注:式中、不
等号の右辺はそれぞれσw を2Ms1t1 又は2M
s2t2 で割った分数を意味する)の2つの式が同時
に満足される。これらの式が同時に満足される最も低い
温度をTLSと呼ぶ。換言すれば、状態6又は状態8の
磁壁が消滅する最低温度がTLSである。
【0037】その結果、状態6は状態9に移行し、状態
8は状態10に移行する。他方、磁壁が元々ない状態5
は状態9と同じであり、同じく磁壁が元々ない状態7は
状態10と同じであるから、結局、前の状態(Pタイプ
の場合、状態5か6か、Aタイプの場合、状態7か8か
)に関係なく、低レベルのビームの照射により状態9(
Pタイプ)又は状態10(Aタイプ)のビットが形成さ
れる。
【0038】この状態は、その後ビットがレーザービー
ムの照射が止んだり又は照射位置から外れたりすること
により、媒体温度が低下し、室温に戻った時にも、変わ
らない。この図10状態9(Pタイプ)又は状態10(
Aタイプ)は、図8状態6(Pタイプ)又は状態7(A
タイプ)と同一である。これにより、M層のキュリー点
TC1まで媒体温度を高めることなく、低温サイクルが
実現されることが理解されよう。
【0039】実は低温サイクルをTC1以上で実施する
第1実施態様の場合にも、媒体温度が室温からTC1に
上昇する途中でTLSを通るので、そのとき、Pタイプ
の場合、状態6から状態9への移行が、Aタイプの場合
、状態8から状態10への移行がそれぞれ起こるのであ
る。その後、TC1に至り、図8状態5となるのである
。以上の説明は、M層、W層ともに室温とキュリー点と
の間に補償温度Tcomp. がない磁性体組成につい
て説明した。しかし、補償温度Tcomp. が存在す
る場合には、それを越えると■磁化の向きが反転するこ
とと■A、Pタイプが逆になるので、説明はそれだけ複
雑になる。また、記録磁界Hb の向きも、室温で考え
た場合の向きと逆になる。
【0040】第1、第2実施態様ともに、M層及びW層
が遷移金属(例えばFe, Co) −重希土類金属(
 例えばGd,Tb,Dyその他) 合金組成から選択
された非晶質フェリ磁性体である記録媒体が好ましい。 M層、W層の双方とも、遷移金属(transitio
n metal)−重希土類金属(heavyrare
  earth  metal)合金組成から選択され
た場合には、各合金としての外部に現れる磁化の向き及
び大きさは、合金内部の遷移金属原子(TM)の副格子
磁化の向き及び大きさと重希土類金属原子(RE)の副
格子磁化の向き及び大きさとの関係で決まる。例えばT
Mの副格子磁化の向き及び大きさを点線の矢印で示すベ
クトルで表わし、REの副格子磁化のそれを実線の矢で
示すベクトルで表し、合金全体の磁化の向き及び大きさ
を白抜きの矢で示すベクトルで表す。  このとき、白
抜きの矢(ベクトル)は点線の矢(ベクトル)と実線の
矢(ベクトル)との和として表わされる。ただし、合金
の中ではTMの副格子磁化とRE副格子磁化との相互作
用のために点線の矢(ベクトル)と実線の矢(ベクトル
)とは、向きが必ず逆になっている。  従って、点線
の矢(ベクトル)と実線の矢(ベクトル)との和は、両
者の強度が等しいとき、合金のベクトルはゼロ(つまり
、外部に現れる磁化の大きさはゼロ)になる。このゼロ
になるときの合金組成は補償組成(compensat
ion composition ) と呼ばれる。そ
れ以外の組成のときには、合金は両方の副格子磁化の強
度差に等しい強度を有し、いずれか大きい方のベクトル
の向きに等しい向きを有する白抜きの矢(ベクトル)を
持つ。
【0041】そこで、合金の磁化ベクトルを点線のベク
トルと実線のベクトルを隣接して書き、例えば図11に
示すように書き表す。RE、TMの副格子磁化の状態は
大別すると4通りあり、これらを図12の(1A)〜(
4A)に示す。そして、各状態における合金の磁化ベク
トル(白抜きの矢)を図12の(1B)〜(4B)に対
応して示す。例えば、REベクトルがTMベクトルに比
べて大きい場合、副格子磁化の状態は(1A)に示され
、合金の磁化ベクトルは、(1B)に示される。
【0042】ある合金組成のTMベクトルとREベクト
ルの強度が、どちらか一方が大きいとき、その合金組成
は、強度の大きい方の名をとって○○リッチ例えばRE
リッチであると呼ばれる。M層とW層の両方について、
TMリッチな組成とREリッチな組成とに分けられる。 従って、縦軸座標にM層の組成を横軸座標にW層の組成
をとると、基本発明の媒体全体としては、種類を図13
に示す4象限に分類することができる。先に述べたPタ
イプは1象限と3象限に属するものであり、Aタイプは
2象限と4象限に属するものである。
【0043】一方、温度変化に対する保磁力の変化を見
ると、キュリー点(保磁力ゼロの温度)に達する前に保
磁力が一旦無限大に増加してまた降下すると言う特性を
持つ合金組成がある。この無限大のときに相当する温度
は補償温度(Tcomp. )と呼ばれる。補償温度よ
り低い温度ではREベクトル(実線矢)の方がTMベク
トル(点線矢) より大きく、そのためTMリッチと言
うことができ、補償温度より高い温度ではその逆になる
。従って、補償組成の合金の補償温度は、室温にあると
言うことができる。
【0044】逆に補償温度はTMリッチの合金組成にお
いては、室温からキュリー点の間には存在しない。室温
より下にある補償温度は、光磁気記録においては無意味
であるので、この明細書で補償温度とは室温からキュリ
ー点の間に存在するものを言うことにする。
【0045】M層とW層の補償温度の有無について分類
すると、媒体はタイプ1〜タイプ4の4つのタイプに分
類される。  第1象限の媒体は、4つ全部のタイプが
含まれる。そこで、M層とW層の両方についてREリッ
チかTMリッチかで分け、かつ補償温度を持つか持たな
いかで分けると、記録媒体は図14に示す9クラスに分
類される。 〔クラス1−1の説明〕ここで図14に示したクラス1
の記録媒体(Pタイプ・I象限・タイプ1)に属する媒
体No.1−1 を例にとり、オーバーライト原理につ
いて詳細に説明する。
【0046】この媒体No.1−1 は、次式11:T
R <Tcomp.1<TL <TH ≦TC1≦Tc
2及び式11の2:Tcomp.2  <TC1の関係
を有する。説明を簡単にする目的から、以下の説明は、
TH <TC1<Tc2の関係を有するものについて説
明する。Tcomp.2は、TL よりも高くとも、等
しくとも、低くともよいが、説明を簡単にする目的から
、以下の説明では、TL <Tcomp.2とする。以
上の関係をグラフで示すと、図15の如くなる。なお、
細線はM層のグラフを示し、太線はW層のグラフを示す
【0047】室温TR でM層の磁界が初期補助磁界H
ini. により反転せずにW層のみが反転する条件は
【0048】
【数1】
【0049】として示す式12である。この媒体No.
1−1 は式12を満足する。 但し、HC1:M層の保磁力 HC2:W層の保磁力 MS1:M層の飽和磁気モーメント(saturati
on  magnetization) MS2:W層の飽和磁気モーメント t1 :M層の膜厚 t2 :W層の膜厚 σw :界面磁壁エネルギー=交換結合力 (inte
rface wall  energy) このとき、Hini. の条件式は、数4に示す式15
で示される。Hini. が無くなると、M層、W層の
磁化は交換結合力により互いに影響を受ける。それでも
M層、W層の磁化が反転せずに保持される条件は、式1
3〜14で示される。この媒体No.1−1 は式13
〜14を満足する。
【0050】
【数2】
【0051】
【数3】
【0052】室温で式12〜14の条件を満足する記録
媒体のW層の磁化は、記録の直前までに
【0053】
【数4】
【0054】に示す式15を満足するHini. によ
り例えば「A向き」↑に揃えられる。このとき、M層は
前の記録状態のままで残る。この状態は図16の状態1
又は状態2のいずれかで示される。この状態1、状態2
は記録直前まで保持される。そして、記録磁界Hb は
「A向き」↑に印加することにする。なお、記録磁界H
b は、一般の磁界がそうであるように、レーザービー
ムの照射領域(スポット領域)と同一の範囲に絞ること
は難しい。媒体がディスク状の場合、一旦記録された情
報(ビット)は、1回転した場合、途中でHini. 
の影響を受け、再び状態1又は状態2となる。その後、
そのビットは、レーザービームの照射領域(スポット領
域)に近いところを通過する。このとき、状態1、状態
2のビットは、記録磁界Hb 印加手段に近づくのでそ
の影響を受ける。  この場合、Hb と反対向きの磁
化を有する状態2のビットのM層の磁化の向きがHb 
によって反転させられたとすると、1回転前に記録され
たばかりの情報が消失することになる。そうなってはな
らない条件は、
【0055】
【数5】
【0056】に示す式15の2で表される。ディスク状
媒体No.1−1 は、室温でこの条件式15の2を満
足させる必要がある。逆に言えば、Hb を決定する1
つの条件は、式15の2で示される。さて、状態1、2
のビットは、いよいよレーザービームのスポット領域に
到達する。レーザービームの強度は、基本発明と同様に
、低レベルと高レベルの2種がある。
【0057】−−−−−低温サイクル−−−−低レベル
のレーザービームが照射されて、  媒体温度がTco
mp.1以上に上昇する。そうすると、PタイプからA
タイプに移行する。そして、M層のRE、TM各スピン
の方向は変わらないが、強度の大小関係が図12の(3
A)から(4A)へと逆転する。そのため、M層の磁化
は図12の(3B)から(4B)へと反転する。その結
果、状態1のビットは状態3に移行し、状態2のビット
は状態4に移行する。
【0058】レーザービームの照射が続いて、媒体温度
は、やがてTL になる。すると、
【0059】
【数6】
【0060】に示す条件式15の3が満足される。その
結果、Hb ↑が存在しても、状態4のビットは状態5
に遷移する。他方、状態3のビットは、Hb ↑が存在
しても、条件式15の3が満足されているため、そのま
まの状態を保つ。つまり、状態3から同じ状態の状態5
になるだけである。この状態でレーザービームのスポッ
ト領域から外れると媒体温度は低下を始める。媒体温度
がTcomp.1以下に冷えると、Aタイプから元のP
タイプに戻る。そして、M層のREスピンとTMスピン
との大小関係が、図12の(2A)から(1A)へと逆
転する。そのため、M層の磁化は図12の(2B)から
(1B)へと反転する。  その結果、状態5のビット
は状態6(M層の磁化は「A向き」↑)に移行する。こ
の状態6は媒体温度が室温まで下がっても保持される。 こうして、M層に「A向き」↑のビットが形成される。
【0061】−−−−−高温サイクル−−−−−高レベ
ルのレーザービームが照射されると、媒体温度は、Tc
omp.1を経て低温TL に上昇する。その結果、状
態5と同じ状態7になる。高レベルのレーザービームの
照射により、媒体温度は更に上昇する。媒体温度がW層
のTcomp.2を越えると、AタイプがPタイプに移
行する。そして、W層のRE、TM各スピンの方向は変
わらないが、強度の大小関係が、図12の(1A)から
(2A)へと逆転する。そのため、W層の磁化は図12
の(1B)から(2B)へと反転する。その結果、W層
の磁化は、「逆A向き」↓となる。この状態が状態8で
ある。
【0062】しかし、この温度ではHC2がまだ大きい
ので、↑HbによってW層の磁化が反転されることはな
い。さらに温度が上昇し、THになると、M層、W層は
、その温度がキュリー点に近いので保磁力が小さくなる
。その結果、媒体は、
【0063】
【数7】
【0064】に示す(1)又は
【0065】
【数8】
【0066】に示す(2)又は
【0067】
【数9】
【0068】に示す(3)のいずれかに示した2つの式
を同時に満足する。そのため、両層の磁化は、ほぼ同時
に反転し、Hb ↑の向きに従う。この状態が状態9で
ある。この状態でレーザービームのスポット領域から外
れると、媒体温度は低下を始める。媒体温度がTcom
p.2以下になると、PタイプからAタイプに移行する
。そして、RE、TMの各スピンの方向は変わらないが
、強度の大小関係が、図12の(4A)から(3A)へ
と逆転する。そのため、W層の磁化は図12の(4B)
から(3B)へと反転する。 その結果、W層の磁化は、「逆A向き」↓となる。この
状態が状態10である。状態10では、媒体は、
【00
69】
【数10】
【0070】に示す式15の4を満足する。そのため、
W層にHb ↑が作用しても反転することはない。媒体
の温度がこの状態10のときの温度から更に低下して、
Tcomp.1以下になると、Aタイプから元のPタイ
プに戻る。そして、M層のREスピンとTMスピンの強
度の大小関係が、図12の(4A)から(3A)へと逆
転する。そのため、M層の磁化は図12の(4B)から
(3B)へと反転する。その結果、M層の磁化は、「逆
A向き」↓となる。この状態が状態11である。
【0071】やがて媒体の温度は、状態11のときの温
度から室温まで低下する。室温でのHC1は十分に大き
い(数11に示す式15の5参照)ので、M層の磁化↓
は、↑Hbによって反転されることなく、状態11が保
持される。
【0072】
【数11】
【0073】こうして、M層に「逆A向き」↓のビット
が形成される。 〔利用発明の説明〕図17の状態1に利用発明の媒体の
構成を示す。この媒体は基板とその上に成膜された原則
的に4層構造の磁性膜からなる。この磁性膜は、順に、
垂直磁化可能な磁性薄膜からなるM層と、垂直磁化可能
な磁性薄膜からなるW層と、垂直磁化可能な磁性薄膜か
らなるスイッチ層(以下、S層と言う)と、垂直磁化可
能な磁性薄膜からなる初期化層(以下、I層と言う)と
の原則的に4層構造(場合によりS層はなくともよい)
からなる。
【0074】尚、前記国際公開特許公報では、M層は第
1磁性層、W層は第2磁性層、S層は第3磁性層(特許
請求の範囲の第3項参照)、I層は第4磁性層(特許請
求の範囲の第3項参照)と呼ばれている。この第3項以
外の個所では第3磁性層と第4磁性層の呼び方が逆にな
っており、誤記と思われる。また、前記雑誌”OPTR
ONICS” では、S層は制御層と呼ばれている。最
近、日本の学会では、メモリー層、『記録層』、  ス
イッチ層及び初期化層と呼ぶことが多くなっているので
、本明細書ではこれに従うことにする。
【0075】この4層構造媒体では、M層とW層とは交
換結合しており、室温でM層の磁化の向きは変えないで
W層の磁化のみを所定の向きに向けておくことができ、
しかもW層とI層とはS層のキュリー点以下の温度でS
層を介して交換結合している。I層は最も高いキュリー
点を有し、高レベルのレーザービームの照射を受けても
磁化を失わない。I層は常に所定の向きの磁化を保持し
ており、これが記録の都度、次の記録に備えてW層の初
期化を繰り返し行なう手段となる。そのため、I層は初
期化層と呼ばれる。
【0076】しかしながら、高温サイクルの過程(例え
ば、TH 付近)では、W層の磁化反転が必ず起こらね
ばならず、その場合には、I層からの影響が無視できる
ように小さくなければならない。温度が高くなると、W
層とI層との間の交換結合力σw24 は小さくなるの
で、好都合である。しかし、TH においても、十分な
σw24 が残っている場合には、W層とI層との間に
S層が必要になる。S層が非磁性体であれば、σw24
 はゼロ又は非常に小さくなる。しかし、TH より低
く室温までのどこかの温度では、W層の初期化のために
σw24 は大きくなければならない。そのとき、S層
はW層とI層との間に見掛け上十分に大きな交換結合力
を与えなければならない。それにはS層は磁性体である
必要がある。従って、S層は、相対的に低い温度では、
磁性体となってW層とI層との間に見掛け上十分に大き
な交換結合力σw24 を与え、相対的に高い温度では
、非磁性体となってW層とI層との間に見掛け上ゼロ又
は非常に小さな交換結合力σw24 を与えるものであ
る。  それ故、S層はスイッチ層と呼ばれる。
【0077】次に図17を用いて、4層膜オーバーライ
トの原理を説明する。この説明は典型的な例であり、こ
れ以外にも例はある。例えば、各層の何れかの層が室温
とキュリー点との間にTcomp. を持つと説明はよ
り複雑になる。図17で、白抜きの矢印は、各層の磁化
の向きを示す。
【0078】記録前の状態は、状態1又は状態2のいず
れかである。M層に着目すると、状態1は「A向き」の
ビット(B1)であり、状態2は「逆A向き」のビット
(B0)であり、M層とW層との間に界面磁壁(太線━
で示す)があり、やや不安定な状態(準安定)にある。 −−−−−−−低温サイクル−−−−−−−−状態1及
び状態2のビットにレーザービームを照射して温度を上
昇させると、最初にS層の磁化が消失する。そのため、
状態1は状態3に移行し、状態2は状態4に移行する。
【0079】更に温度が上昇してTLSに達すると、M
層の磁化は弱くなり、W層からの交換結合力を介した作
用が強くなる。その結果、状態4のM層の磁化は反転す
ると同時に層間の磁壁は消失する。これが状態5である
。 状態3のビットはもともと層間の磁壁はないので、その
まま状態5に移行する。ここで、レーザービームの照射
が止むか又は照射位置から遠ざかると、状態5のビット
は温度が低下を始め、やがて状態3を経て状態1になる
。これが低温サイクルである。
【0080】なお、状態5から更に温度が上昇しM層の
キュリー点を越えると、磁化が消失し状態6になる。こ
こで、レーザービームの照射が止むか又は照射位置から
遠ざかると、状態6のビットは温度が低下を始め、やが
てM層のキュリー点を少し低い温度に至る。そうすると
、M層に磁化が現れる。この磁化の向きは、W層からの
交換結合力を介した作用を受け、W層の磁化の向きに対
して安定な向き(層間に磁壁が生じない向き)となる。 ここではPタイプであるので、状態5が再現する。 温度は更に低下し、それに従い、状態3が生じ、次いで
状態1のビットが生じる。このプロセスは低温サイクル
の別の例である。
【0081】 −−−−−−−高温サイクル−−−−−−−−状態1及
び状態2のビットにレーザービームを照射して温度を上
昇させると、既述のように状態5を経て状態6に至る。 更に温度が上昇すると、W層の保磁力は非常に低下する
。そのため、記録磁界Hb ↓によって磁化が反転する
。これが状態8である。
【0082】ここで、レーザービームの照射が止むか又
は照射位置から遠ざかると、媒体温度は低下を始める。 やがて媒体温度はM層のキュリー点より少し下になる。 そうすると、M層に磁化が現れる。この磁化の向きは、
W層からの交換結合力を介した作用を受け、W層の磁化
の向きに対して安定な向き(層間に磁壁が生じない向き
)となる。ここではPタイプであるので、状態9が出現
する。
【0083】温度が更に低下すると、S層に磁化が現れ
、その結果、W層とI層とは磁気的に(交換結合力で)
結合される。その結果、W層の磁化の向きは、I層の磁
化の向きに対して安定な向き(層間に磁壁が生じない向
き)となる。ここではPタイプであるので、W層の磁化
は「A向き」に反転し、その結果、M層とW層との間に
は界面磁壁が生じる。この状態が室温でも維持され、状
態2のビットが生成する。
【0084】これが高温サイクルである。なお、記録磁
界Hb ↓によって状態8が出現した後、更に温度が上
昇すると、やがて温度はW層のキュリー点を越える。そ
うすると、状態7が出現する。ここで、レーザービーム
の照射が止むか又は照射位置から遠ざかると、媒体温度
は低下を始める。やがて媒体温度はW層のキュリー点よ
り少し下になる。そうすると、W層に磁化が現れる。こ
の磁化の向きは、記録磁界Hb ↓の向きに従う。その
結果、状態8が出現する。
【0085】更に温度が低下すると、状態9を経て状態
2のビットが形成される。このプロセスは高温サイクル
の別の例である。 −−−−−−オーバーライト−−−−−−−以上の通り
、前の記録状態に無関係に、低温サイクルでM層に状態
1のビット(B1)が形成され、高温サイクルで  M
層に状態2のビット(B0)が形成される。従って、オ
ーバーライトが可能となる。
【0086】
【発明が解決しようとする課題】従来、どんなオーバー
ライト可能な光磁気記録媒体であっても、PH 、PL
 の設定許容範囲(マージン)は、多少なりとも持って
いる。M層、W層の外に温度拡散層(例えば金属層)を
設けた媒体は、そのマージンが広い。他方、記録装置の
個体間でPH 、PL にバラツキがあること、同一の
装置でも経時変化でPH 、PL が初期設定値又はダ
イヤル値と異なってくること、周囲温度でPH 、PL
 は変化すること、媒体自身の経時変化でPH 、PL
 が初期設定値と異なってくる。ここで、或るオーバー
ライトの1つを第1記録とすると、それとは別の記録で
は、PH 、PL の少なくとも一方を第1記録とは違
えることが多い。そこで、PH 、PL の少なくとも
一方が第1記録とはことなるオーバーライトを第2記録
とする。
【0087】このような第1記録と第2記録とからなる
光磁気記録方法を実行すると、第2記録の後に再生した
場合、第1記録の後のそれに比べ、時としてC/N比が
低下すると言う問題点のあることが判明した。
【0088】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、問題点の原因が、第1記録のPH 時に形成され
たマークが太すぎて、第2記録のPL 時にそのマーク
を完全に消去できず、そのため、消し残りが生じること
にあることを見出し、これを解決するには、PH 時に
形成されるマークの太さが、そのマークをPL 時に消
去可能な太さ以下となるように、この観点から、PH 
に新たな最大値の制限を設ければ良いことを見いだし、
本発明を成すに至った。
【0089】よって、本発明は、少なくともM層とW層
を有するオーバーライト可能な光磁気記録媒体であって
、消去してもよい古い情報が記録されている媒体を回転
させながら、その媒体に対し、「記録すべき2値化情報
に従い、高レベルPH と低レベルPL との間でパル
ス変調されたレーザービーム」を照射することにより新
規な情報をオーバーライト方式で記録する第1記録と、
前記第1記録とは前記PH とPL の少なくとも一方
が異なる第2記録と、からなる光磁気記録方法において
、前記PH 時に形成されるマークの太さが、そのマー
クをPL 時に消去可能な太さ以下となるように、PH
 に最大値PH max の制限を設けたことを特徴と
する方法を提供する。
【0090】
【作用】図1を引用して説明すると、  低温サイクル
を引き起こすレーザーパワーPL は、当然のことなが
ら高温サイクルを引き起こすレーザーパワーPH より
低くなければならないので、図1の線Li1と縦軸で囲
まれた三角形のA領域は使用できない範囲である。
【0091】実際のオーバーライトは、同一の媒体に対
し、何百、何千、何万・・・と繰り返し実行される。こ
の場合、(1)PL 、PH を全く変えないで実行さ
れるか、又は(2)少なくとも一方を変えて実行される
かの何れかである。前者(1)の場合、第1記録におい
てPH によりマークを形成し、第2記録においてPL
 により前のマークを消去するとする。このとき、温度
が高い方が温度拡散の影響も高いことから、PH を高
くすると太いマークが形成される。他方、マークを消去
するとき、PL が異常に低いと、ビームスポットの中
心付近だけで低温サイクルが起き、中心から離れた傍ら
付近では低温サイクルが起きない。従って、完全に消去
するに必要な最小PL は、PH の1次関数で表され
、この1次関数を示す線Li2と横軸で囲まれた三角形
のB領域も使用できない範囲である。
【0092】そこで、線Li1と線Li2で囲まれた三
角形の領域が使用できるPL 、PH の範囲となる。 この範囲内で選択したPL、PH を用いて、全く情報
が記録されていない媒体に対し情報を記録する。媒体を
V=22.6m/sec の一定線速度で回転させ、こ
れに標準情報としてf=14MHzのパルス信号(デュ
ーティ比=50:50) を記録した。PL 、PH 
を変えて何回か記録し、再生し、C/N比を測定した。 この結果は、図1に等高線で示される。最も外側の曲線
がC/N比=46dBの線である。このとき得られたC
/N比を特に「CN0 」と呼ぶことにする。
【0093】後者(2)の場合には、線Li1と線Li
2で囲まれた三角形の領域内から選択されたPL 、P
H を使用しても、発明が解決しようとする課題の項に
述べた問題点のあることが、本発明者の研究によって判
明した。本発明は、後者(2)の場合に、更にPH 時
に形成されるマークの太さが、そのマークをPL 時に
消去可能な太さ以下となるように、PH にPH ma
x と言う最大値の制限を設けたものである。図1にお
いて、線Li3がPH max を示す。この場合、P
H max を、「線Li2と46dBの曲線が交わる
2つの交点で区切られた線Li2上の線分」のどこを通
るように設定するかは、自由である。PH maxの線
Li3が線Li2と交わる交点をCとするとき、交点C
を通る「横軸に平行な線Li4」が、そのときのPL 
min を示すことになる。従って、仮に46dB以上
のC/N比を希望するならば、本発明の場合、46dB
の曲線と線Li3と線Li4の3者が作る閉領域内から
、PL 、PH を選択することになる。この場合、P
H max の設定は、前記「線分」のどこに設定して
も自由である旨、上に説明したが、仮に46dB以上の
C/N比を希望した場合、次の観点(1)、(2)で設
定することが好ましい。(1)46dBの曲線と線Li
3と線Li4の3者が作る閉領域の単純に面積が最大と
なるように、PH max を設定する。そうすると、
PL 、PH のマージンが広くなるからである。(2
)46dBの曲線と線Li3と線Li4の3者が作る閉
領域のほぼ中央に点(O)を仮定し、この点OのPL 
の値をPLO、この点OのPH の値をPHOとする。 そして、点Oを通る縦軸に平行な線上での閉領域内のP
L の最大値、最小値をPLO=PLO±L%で表し、
点Oを通る横軸に平行な線上での閉領域内のPH の最
大値、最小値をPHO=PHO±H%で表す。このとき
、H×Lの積が最大となるように、PHmax を設定
する。そうすると、PL 、PH のマージンが広くな
るからである。
【0094】以下、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0095】
【実施例】基本発明にかかるオーバーライト可能な光磁
気記録媒体(直径130mm)と、オーバーライト可能
な光磁気記録装置と、光磁気記録媒体評価用ドライブ装
置を用意した。媒体をV=22.6m/sec の一定
線速度で回転させ、これに標準情報としてf=14MH
zのパルス信号(デューティ比=50:50) を記録
する。
【0096】このとき、図1の46dBの曲線と線Li
3と線Li4の3者が作る閉領域内から任意にPL 、
PH を選択し、記録の都度、PL 、PH の何れか
少なくとも一方を変えて、オーバーライトを100 回
繰り返した。そして、記録の都度、評価用ドライブ装置
でC/N比を測定した。得られたC/N比を、同一のP
L 、PH で得られた「CN0 」と比較した。その
結果、ほぼ 100回とも、両者は等しかった。
【0097】
【従来例】実施例1と同じ媒体をV=22.6m/se
c の一定線速度で回転させ、これに標準情報としてf
=14MHzのパルス信号(デューティ比=50:50
) を記録する。 このとき、図1の46dBの曲線と線Li2の2者が作
る半円形の閉領域内から任意にPL 、PH を選択し
、記録の都度、PL 、PH の何れか少なくとも一方
を変えて、オーバーライトを100 回繰り返した。そ
して、記録の都度、評価用ドライブ装置でC/N比を測
定した。得られたC/N比を、同一のPL 、PH で
得られた「CN0 」と比較した。その結果、3回に1
回は、「CN0 」より1〜2dB低かった。
【0098】これにより、本発明の優れていることが理
解されよう。
【0099】
【発明の効果】以上の通り、第1記録とそれとはPH 
、PLの少なくとも一方が異なる第2記録とからなる光
磁気記録方法において、本発明に従い、PH 時に形成
されるマークの太さが、そのマークをPL 時に消去可
能な太さ以下となるように、PH に最大値PH ma
x と言う制限を設けることにより、時としてC/N比
が低下する現象はなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、PL 、PH の使用可能な範囲(パワー
マージン)を説明するグラフである。
【図2】は、光磁気記録方式の記録原理を説明する概念
図である。
【図3】は、光磁気記録方式の再生原理を説明する概念
図である。
【図4】は、基本発明に従いオーバーライトする場合の
レーザービームの波形図である。
【図5】は、基本発明に従い2本のビームでオーバーラ
イトする場合のレーザービームの波形図である。
【図6】は、オーバーライト可能な光磁気記録媒体のM
層、W層について保磁力と温度との関係を示すグラフで
ある。
【図7】は、M層とW層の磁化の向きを示す概念図であ
る。
【図8】は、M層とW層の磁化の向きの変化を示す説明
図である。
【図9】は、Pタイプ媒体、Aタイプ媒体について、低
温サイクル、高温サイクルの結果、M層とW層の磁化の
向きがどう変化するかを示す説明図である。いずれも室
温での状態を示す。
【図10】は、M層とW層の磁化の向きの変化を示す説
明図である。
【図11】は、希土類(RE)原子の副格子磁化を示す
ベクトル(実線の矢)と遷移金属(TM)原子の副格子
磁化を示すベクトル(点線の矢)とを比較するための説
明図である。
【図12】は、副格子磁化のベクトルと合金の磁化の向
きを示すベクトル(白抜き矢)との関係を示す説明図で
ある。
【図13】は、M層とW層について、それぞれREリッ
チ、TMリッチに分けた場合、オーバーライト可能な媒
体が4つの分類(1象限〜4象限)に分けられることを
説明する説明図である。
【図14】は、基本発明の媒体を種々の観点から分類す
ると、結局、クラス1〜クラス9の9のクラスに分類さ
れることを説明する説明図である。
【図15】は、オーバーライト可能な光磁気記録媒体N
o. 8−2のM層、W層について保磁力と温度との関
係を示すグラフである。
【図16】は、媒体No. 8−2の媒体について、低
温サイクルと高温サイクルの結果、M層とW層の磁化の
向きがどう変化するかを示す概念図である。
【図17】は、利用発明にかかる4層膜構造のオーバー
ライト可能な光磁気記録媒体について、そのオーバーラ
イト原理を説明する説明図である。
【主要部分の符号の説明】
L………レーザービーム Lp ……直線偏光 B1 ……「A向き」磁化を有するビットB0 ……「
逆A向き」磁化を有するビットMO……  垂直磁化膜 S………基板 以上

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともメモリー層と『記録層』を有す
    るオーバーライト可能な光磁気記録媒体であって、消去
    してもよい古い情報が記録されている媒体を  回転さ
    せながら、その媒体に対し、「記録すべき2値化情報に
    従い、高レベルPH と低レベルPL との間でパルス
    変調されたレーザービーム」を照射することにより新規
    な情報をオーバーライト方式で記録する第1記録と、前
    記第1記録とは前記PH とPL の少なくとも一方が
    異なる第2記録と、からなる光磁気記録方法において、
    前記PH 時に形成されるマークの太さが、そのマーク
    をPL 時に消去可能な太さ以下となるように、PH 
    に最大値の制限を設けたことを特徴とする方法。
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