JPH04267850A - 透明な乳清タンパク質加工品の製造法 - Google Patents

透明な乳清タンパク質加工品の製造法

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JPH04267850A
JPH04267850A JP3053836A JP5383691A JPH04267850A JP H04267850 A JPH04267850 A JP H04267850A JP 3053836 A JP3053836 A JP 3053836A JP 5383691 A JP5383691 A JP 5383691A JP H04267850 A JPH04267850 A JP H04267850A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩を含む条件下でも、
低タンパク質濃度で、加熱・冷却に対して安定して、保
水性、粘性、乳化性、起泡性等を良好に保ちうる乳清タ
ンパク質加工品の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乳清は、牛乳から脂肪、カゼインを除い
て得られる画分の名称で、主要タンパク質成分はβ−ラ
クトグロブリン、α−ラクトアルブミン、血清アルブミ
ンであるが、かかる乳清及び乳清タンパク質は乳製品加
工の二次生成物として大量に得られ、経済的に入手し易
く、しかも嗜好性にも優れているため、近年、乳清飲料
や乳清粉末として食品市場に広く認められるようになっ
てきた。
【0003】更に、乳清タンパク質は、ゲル形成能、泡
沫特性、乳化性等の機能性があるため、食品加工の素材
としても使用されている。しかし、その用途のほとんど
が食品用ゲル化剤又は栄養補助剤であり、食品以外の産
業では、ほとんど利用されていないのが現状である。こ
れは、従来生産されている乳清タンパク質製品が不満足
なゲル化特性や粘性や乳化性及び起泡性しか持たないた
めである。特に、その透明な液やゲルを得ることは難し
い。
【0004】また、食品、医薬、化粧品、その他の工業
製品には、従来より増粘ゲル化剤として寒天、アルギン
酸、ペクチン、カラゲナン等の多糖類やガム質、ゼラチ
ン等の動物性タンパク質、グリシニンやグルテン等の植
物性タンパク質、各種合成ポリマーが主に用いられてい
るが、経済性、機能性、栄養性において、充分でない面
があるだけでなく、その多くは、100℃以上の加熱や
0℃以下の冷蔵状態では、十分な粘性、ゲル性を維持で
きなく、粘度低下や離水を生じ、ゲル性を失うため、常
温域でしか、その効果を発揮できず、また、塩の存在下
では、不透明なゲルやゾルを形成しやすく、透明性を必
要とする用途に使用できるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このように
経済的に入手し易い乳清タンパク質を、100℃以上の
加熱や0℃以下の冷蔵状態でも、その粘性、ゲル特性、
乳化性及び起泡性などの機能を安定して保持でき機能性
に富んだ加工品に製造する方法を提供することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、乳清タンパ
ク質含有液を、pH4以下又はpH6以上に調整し、5
5℃以上に加熱した後、10℃以下に冷却保存すること
により、高温及び低温でも、安定して良好な機能性を保
持する乳清タンパク質加工品を得ることを可能とした。 なお、本発明では、精製した乳清タンパク質含有液を、
実質的に無塩下で使用することにより、塩の存在下でも
、透明な粘稠ゾルやゲル状の乳清タンパク質加工品の製
造をも可能とする。
【0007】乳清は、例えば、チーズ製造工程の副産物
等として、大量に得られるものであるが、本発明では、
かかる乳清に含まれるタンパク質をウルトラフィルトレ
ーション、逆浸透膜法やクロマトグラフィ等によって分
離あるいは濃縮したものを原料として使用するが、精製
して後に、更に、得られた液を透析等により、無塩状(
無塩又は低イオン強度)とし、その後に加熱及び冷却保
存するのが好ましい。加熱される液は、目的とする粘性
及びゲル強度等に応じて、適当なタンパク質濃度に調整
される。この濃度は特に限定されないが、一般に、2〜
20重量%に調整されるのが好ましく、特に4〜10重
量%程度に調整されることが多い。例えば、溶液〜粘稠
ゾルを得るためには、1〜6重量%、ゲルを得るために
は6〜10重量%であるのが好ましく、特に硬いゲルが
必要な場合は、10重量%以上に調整されるのがよい。
【0008】なお、加熱前に液のpHは4以下又は6以
上に調整されるが、これは、乳清タンパク質の等電点を
避けることにより、凝集が生ずるのを防止し、安定して
粘稠液あるいは緻密なゲルを得るためである。
【0009】次に、このようにしてpH調整した液は、
乳清タンパク質の変成温度である55℃以上に加熱され
ればよいが、通常は70℃〜130℃程度に加熱される
のが望ましい。加熱温度を高くする程、高粘度ゾル又は
堅固なゲルが得られる。また、加熱後の冷却保存は、1
0℃以下であればよいが、5℃〜−197℃であるのが
望ましく、特に5℃〜−20℃で、数分〜数日間の保存
するのが望ましい。冷却方法としては、特に限定されな
いが、密封した容器中で湿度変化のない状態で行うのが
望ましい。なお、加熱、冷却、解凍等は、急速に実施さ
れても、緩慢に実施されてもよい。
【0010】本発明では、このような加熱、冷却処理に
より、凍結、解凍による離水や粘度低下、ゲル強度の低
下等を起こし難い、透明な粘稠ゾルやゲルを安定して得
ることができるのである。本発明では、後の実施例に示
すように、非常に低いタンパク質濃度でも、安定した製
品を得ることができるため、経済的に非常に広範な用途
に応用できる。前述の如き加熱・冷却処理をせずに、乳
清タンパク質加工品を得ることもできるが、この場合に
は、本発明の場合と同等の粘度やゲル強度を得るために
は、タンパク質濃度を非常に高くする必要があり、不経
済である。
【0011】本発明において使用する乳清タンパク質は
、乳清及びそれから得られる乳清タンパク質画分、並び
に、その主要タンパク質(β−ラクトグロブリン、α−
ラクトグロブリン及び血清アルブミン等)のいずれであ
ってもよく、本発明において原料となる乳清は、チーズ
製造時の副産物であるスウィートホエー、酸カゼイン製
造時の副産物であるアシッドホエー、レンネットカゼイ
ン製造時の副産物であるレンネットホエー等のいずれで
もよい。また、乳清タンパク質の分離方法としては、透
析法、電気透析法、ウルトラフィルトレーション、逆浸
透膜法、各種クロマトグラフィ(イオン交換、ゲルクロ
マト、疎水クロマト等)、電気泳動法、吸着分離法、沈
澱分離法等がいずれも使用でき、これらを二種以上組み
合わせて使用してもよいが、本発明では、加熱前にイオ
ン強度25mM以下というような実質的に無塩状態にす
ることにより、より安定した製品を得ることができる。
【0012】このような本発明の方法では、加熱や冷凍
に対し特異な耐性を示し、しかも透明で、栄養価値の高
い、新規な乳清タンパク質加工品の製造が可能となる。
【0013】
【実施例】実施例1 チーズ製造時に生成するスウィートホエーをウルトラフ
ィルトレーションにより、約50倍に濃縮し、同時にほ
とんどの糖質やミネラル、塩類を洗浄除去した。この濃
縮乳清のタンパク質濃度を約5重量%に調整し、同時に
、水酸化ナトリウム又は塩酸を用いてpHを7に調整し
た。次いで、80℃で1時間加熱後、流水で室温まで冷
却し、更に−80℃で30分間保存後、50℃の温湯を
用い、室温まで解凍した。この処理により非常に透明性
の高い、高粘度のゾルが得られた。この時のゾルは、加
熱のみで製造した同濃度の乳清タンパク質ゾルに比べて
、はるかに粘度が高く、再度−80℃で凍結し、室温で
解凍処理しても、その透明性、粘度、保水性に変化はな
かった。
【0014】実施例2 実施例1で得た濃縮乳清タンパク質液の80℃1時間加
熱後のゾルを、−20℃で1週間保存後、室温まで自然
解凍したところ、透明で保水性の高いゲルが得られた。 このゲルは、加熱のみで製造した同濃度の乳清タンパク
質ゾルに比べて、粘性及び保水性いずれの面においても
、はるかに優れ、また−80℃で凍結し、室温で解凍処
理しても、ゲル強度、保水性の低下は全くなかった。 これに対して、本実施例で得たゲルと同強度のゲルを、
寒天を用いて製造したところ、このゲルは、前述の如き
凍結及び解凍処理により、収縮・離水を生じた。
【0015】実施例3 実施例1と同様の方法で、タンパク質濃度7重量%、p
H7の濃縮乳清タンパク質液を得た。この液を、80℃
で1時間加熱後、室温まで冷却したものを、−80℃で
30分間保存後、50℃の温湯で室温まで解凍したとこ
ろ、堅固で透明な保水性の高いゲルが得られた。このゲ
ルは、加熱のみで製造した同濃度の乳清タンパク質ゾル
に比べて、ゲル強度及び保水性いずれの面においても、
はるかに優れ、また−80℃で凍結し、室温で解凍処理
しても、ゲル強度、保水性の低下は全くなかった。これ
に対して、加熱のみで製造した乳清タンパク質ゲルは離
水があり、収縮した。また、本実施例で得たゲルと同強
度のゲルを、卵白、ゼラチン、寒天を用いて製造したと
ころ、寒天や卵白によるゲルは、前述の如き凍結及び解
凍処理により、収縮・離水し、また、ゼラチンによるゲ
ルは、性状に変化はなかったが、わずかな昇温でゾル化
した。
【0016】実施例4 実施例1と同様の方法で、タンパク質濃度7重量%、p
H7の濃縮乳清タンパク質液を得た。この液を、80℃
で1時間加熱後、室温まで冷却したものを、−20℃で
24時間保存後、50℃の温湯で室温まで解凍したとこ
ろ、堅固で透明な保水性の高い緻密なゲルが得られた。 このゲルは、加熱のみで製造した同濃度の乳清タンパク
質ゲルに比べて、ゲル強度及び保水性いずれの面におい
ても、はるかに優れ、また−80℃で凍結し、室温で解
凍処理しても、ゲル強度、保水性の低下は全くなかった
。これに対して、加熱のみで製造した乳清タンパク質ゲ
ルは離水があり、収縮した。また、本実施例で得たゲル
と同強度のゲルを、卵白、ゼラチン、寒天を用いて製造
したところ、寒天や卵白によるゲルは、前述の如き凍結
及び解凍処理により、収縮し、きめが粗くなり、離水し
た。また、ゼラチンによるゲルは、性状に変化はなかっ
たが、わずかな昇温でゾル化した。
【0017】実施例5 酸カゼイン製造時に生成するスウィートホエーをウルト
ラフィルトレーションにより約50倍に濃縮し、同時に
ほとんどの糖質やミネラル、塩類を洗浄除去し、得られ
た濃縮乳清のタンパク質濃度を約9重量%に調整し、同
時に、水酸化ナトリウム又は塩酸を用いてpHを7に調
整した。次いで、この液を、80℃で1時間加熱後、流
水で室温まで冷却し、更に−80℃で30分間保存後、
50℃の温湯で室温まで解凍した。その結果、非常に透
明度が高く、保水性のよい、堅固なポリアクリルアミド
状のゲルが得られた。このゲルを、レトルト加熱(12
1℃で4分間)あるいは−80℃で再凍結、解凍処理し
たが、いずれにおいても状態に変化はなかった。
【0018】実施例6 実施例5と同様にして得た濃縮乳清のタンパク質濃度を
4重量%に、pHを7に調整した後、+4℃に冷却し、
同温度で1週間保存したところ、透明な粘稠液を得た。 この液の乳化力は、上記冷却処理する前の乳清タンパク
質液に比して、非常に優れたものであった。また、乳化
物を加熱及び冷凍、解凍し、乳化安定性を試験したが、
その結果も、本実施例の製品は、非常に優れたものであ
った。
【0019】実施例7 実施例5と同様にして得た濃縮乳清のタンパク質濃度を
4重量%に、pHを7に調整した後、+4℃に冷却し、
同温度で1週間保存したところ、透明な粘稠液を得た。 この液の起泡性は、上記冷却処理する前の乳清タンパク
質液に比して、非常に優れたものであった。また、起泡
性物を加熱及び冷凍、解凍し、乳化安定性を試験したが
、その結果も、本実施例の製品は、非常に優れたもので
あった。
【0020】実施例8 チーズ製造時に生成するスウィートホエーをウルトラフ
ィルトレーションにより、約50倍に濃縮し、同時にほ
とんどの糖質やミネラル、塩類を洗浄除去した後、更に
透析を行い、低イオン強度にした以外は、実施例1と同
様の方法で乳清タンパク質加工品を得た。この加工品は
、実施例1同様に非常に透明性の高い、高粘度のゾルで
あり、塩の存在下でも、安定して透明性を保ち、再度−
80℃で凍結し、室温で解凍処理しても、その透明性、
粘度、保水性に変化はなかった。
【0021】実施例9 実施例8で得た濃縮乳清タンパク質液の80℃1時間加
熱後のゾルを、−20℃で1週間保存後、室温まで自然
解凍したところ、透明で保水性の高いゲルが得られた。 このゲルは、実施例2の製品と同様に、粘性及び保水性
に優れた製品であり、−80℃で凍結し、室温で解凍処
理しても、ゲル強度、保水性の低下は全くなかった。ま
た、塩の存在下でも、透明で安定した性状を示した。
【0022】実施例10 実施例8と同様の方法で、タンパク質濃度7重量%、p
H7の濃縮乳清タンパク質液を得た。この液を、80℃
で1時間加熱後、室温まで冷却したものを、−80℃で
30分間保存後、50℃の温湯で室温まで解凍したとこ
ろ、堅固で透明な保水性の高いゲルが得られた。このゲ
ルは、ゲル強度及び保水性いずれの面においても、非常
に優れ、−80℃で凍結し、室温で解凍処理しても、ゲ
ル強度、保水性の低下は全くなかった。また、塩の存在
下でも、透明で安定した性状を示した。
【0023】実施例11 実施例8と同様の方法で、タンパク質濃度7重量%、p
H7の濃縮乳清タンパク質液を得た。この液を、80℃
で1時間加熱後、室温まで冷却したものを、−20℃で
24時間保存後、50℃の温湯で室温まで解凍したとこ
ろ、堅固で透明な保水性の高い緻密なゲルが得られた。 このゲルは、ゲル強度及び保水性いずれの面においても
、非常に優れ、−80℃で凍結し、室温で解凍処理して
も、ゲル強度、保水性の低下は全くなかった。また、塩
の存在下でも、透明で安定した性状を示した。
【0024】実施例12 酸カゼイン製造時に生成するスウィートホエーをウルト
ラフィルトレーションにより約50倍に濃縮し、透析を
行い、ほとんど無塩にした濃縮乳清を使用した以外は、
実施例5と同様にして、乳清タンパク質加工品を得た。 この加工品は、非常に透明度が高く、保水性のよい、堅
固なポリアクリルアミド状のゲルであり、レトルト加熱
(121℃で4分間)あるいは−80℃で再凍結、解凍
処理したが、いずれにおいても状態に変化はなく、また
、塩の存在下でも、透明で安定した性状を示した。
【0025】実施例13 実施例12と同様にして得た濃縮乳清のタンパク質濃度
を4重量%に、pHを7に調整した後、+4℃に冷却し
、同温度で1週間保存したところ、透明な粘稠液を得た
。 この液は乳化力に非常に優れたものであり、加熱及び冷
凍、解凍に対しても非常に優れた乳化安定性を示した。
【0026】実施例14 実施例12と同様にして得た濃縮乳清のタンパク質濃度
を4重量%に、pHを7に調整した後、+4℃に冷却し
、同温度で1週間保存したところ、透明な粘稠液を得た
。 この液の起泡性は、非常に優れたものであり、加熱及び
冷凍、解凍に対しても優れた起泡安定性を示した。
【0027】
【発明の効果】本発明では、経済的に大量に入手できる
乳清タンパク質を原料として、100℃以上というよう
な高温でも、また0℃以下の低温でも、粘性、ゲル性、
乳化性、起泡性等を安定に保ちうる、乳清タンパク質加
工品を得ることができる。その結果、余剰産物を、栄養
価が高く、しかも機能性に富んだ乳清タンパク質加工品
として、食品、化粧品、医薬品、工業品等に幅広く利用
できることとなる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  乳清タンパク質含有液を、pH4以下
    又はpH6以上に調整し、55℃以上に加熱した後、1
    0℃以下に冷却保存することを特徴とする調整乳清タン
    パク質加工品の製造法。
  2. 【請求項2】  精製した乳清タンパク質含有液を、実
    質的に無塩下で、pH4以下又はpH6以上に調整し、
    55℃以上に加熱した後、10℃以下に冷却保存するこ
    とを特徴とする調整乳清タンパク質加工品の製造法。
JP3053836A 1990-08-31 1991-02-25 透明な乳清タンパク質加工品の製造法 Expired - Lifetime JP3065116B2 (ja)

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Kuntz Concentrating on whey protein isolate
Paracha Characterisation of the rehydration behaviour of milk protein concentrates in the presence of sugar: a thesis presented in partial fulfilment of the requirements for the degree of Master of Philosophy in Food Science and Technology at Massey University, Manawatu campus, New Zealand.
Mulvihill FOOD CHEMISTRY DEPARTMENT, UNIVERSITY COLLEGE, CORK, IRELAND

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