JP3133794B2 - タンパク質からなる液状油脂代替品 - Google Patents
タンパク質からなる液状油脂代替品Info
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Description
とする、液状油脂代替品に関するものである。
る。例えばショ糖脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル
類,加工澱粉,老化澱粉,多糖類ガム質,卵白等である
が、その多くは、ホイップクリーム状で、主として冷菓
等に利用されている。これらの代替品はいずれも優れた
物であり、特にアイスクリームに使用されているもの
は、殆ど見分けがつかないものであり、カロリー低減効
果も高いものである。しかしながら、液状油脂の代替品
としては、多糖類ガム質による粘稠液があるものの、粘
性パターンは油脂とは大きく異なり、単に見かけが似て
いるに過ぎない物であった。これは、液体油脂が持つニ
ュートニアンな粘性に比べ、他の増粘剤類やタンパク質
は非ニュートン性であるためである。一方カロリー過多
による肥満は、現在大きな医学的問題であり、飽食の時
代を反映して嗜好性の高い食品を摂取し、しかも総摂取
熱量を低く維持する事は、その是非はともかく、食品企
業や研究者にとって大きなテーマである。他方、酪農加
工品の余剰産物である乳清、特に乳清タンパク質は優れ
た機能を持つにも関わらず、現在限られた分野での利用
に留まっている。乳清の高度利用は、有用資源の活用だ
けでなく、公害防止の観点からも重要な課題である。
の余剰産物である乳清を用いて、ダイエット食品など広
範な食品に適用できる液状油脂代替品を提供することを
課題とする。
清タンパク質を、無塩または低イオン強度下、pH4以
下または6以上において、55℃以上に加熱して得られ
た物に、500mM以下の有機または無機塩を添加したも
のを液状油脂代替品として提供する。
ン強度になるように精製した後、タンパク質濃度を1%
〜20%,pHを4以下または6以上に調整し、更に、
55℃以上に加熱し、その結果得られた溶液又は粘稠ゾ
ルに、500mM以下の有機または無機塩を添加して得た
粘稠液が、ニュートニアンな油状特性を示すことを見出
し、本発明は達成されたのである。
℃以上に加熱した後、10℃以下に冷蔵又は冷凍・解凍
し、その後に、1〜500mMの有機または無機塩を添加
してもよく、また、有機または無機塩を添加した後に、
再度55℃以上に加熱してもよい。更に、このようにし
て得た粘稠液を、10℃以下に冷蔵又は冷凍保存した物
(冷凍した物は解凍物)を、油脂代替品としてもよい。
pHは、乳清タンパク質の等電点域(pH4〜6)以外
に調整し、一般的な乳清タンパク質の変成温度55℃以
上に温度を調整する必要がある。この加熱温度は、65
℃以上であるのが好ましく、必要に応じて70〜121
℃程度に設定されるのがよい。
いずれでもよく、その種類は限られないが、一般に、有
機塩としては、クエン酸ナトリウム又はカリウム、酒石
酸ナトリウム又カリウム等が好ましく、無機塩として
は、塩化ナトリウム又はカリウム等が適している。
下とは、イオン強度が塩化ナトリウム換算で0〜300
mM程度であることを意味する(但し、乳清タンパク質固
有のイオン強度は除外する)。
造時に生成するチーズホエー、酸カゼイン製造時に生成
する酸ホエー、レンネットカゼイン製造時に生成するレ
ンネットホエーのいずれでもよく、また乳清タンパク質
を構成するタンパク質単体、あるいは複合物であっても
よい(β−ラクトグロブリン、α−ラクトアルブミン、
血清アルブミン等)。
析法,電気透析法、ウルトラフィルトレーション、逆浸
透膜法、各種クロマトグラフィ(イオン交換、ゲルクロ
マト、疎水クロマトなど)、電気泳動法、吸着分離法、
沈澱分離法などがいずれも使用でき、これらを二種以上
組み合わせて使用してもよい。
度としては特に限定されないが、濃度により粘稠度、作
業性,経済性等が違うため、一般には1〜20%程度で
あるのがよい。
ることが必要であるが、一般に+5℃〜−197℃であ
るのが好ましい。また、冷蔵、冷凍保存時間は、特に限
定されず、数分間、あるいは数週間保存されてもよい。
ゾルを液状油脂代替品とするのであるが、このゾルの製
造工程を簡単に図示すると図1の如くなる。なお、この
ゾルは、食用油の代替品として、食品素材又は食品添加
物に、幅広く使用できるだけでなく、医薬品、化粧品、
工業原料等の油脂代替にも広く利用可能であることがわ
かっている。また、本発明において、調整乳清タンパク
質の使用形態は、溶液、粘稠液、ゲルだけでなく、これ
らをスプレードライ又はフリーズドライ等により粉体化
した物であってもよい。
法及びウルトラフィルトレーション法を組合せ、タンパ
ク質の濃縮及び精製を行った。得られたタンパク液の濃
度を6、6.5、6.7%に、pHを7.0に調整後、80℃
で1時間加熱した。室温まで冷却し、それぞれに塩化ナ
トリウムを50mM添加し、更に80℃で1時間加熱し透
明な調整乳清ゾルA〜Cを得た。得られた調整乳清ゾル
A〜C及び対照品D、Eの粘度をR型粘度計(東京計器
製VISCONICED型ELD−R,東機産業製コントローラ
E型)で測定し、流動解析(東機産業製、粘度計測デー
タ処理プログラムTOP)を行った。 検体 A.調整乳清ゾル(タンパク含量: 6%、 NaC
l: 50mM) B.調整乳清ゾル(タンパク含量: 6.5%、NaCl: 50
mM) C.調整乳清ゾル(タンパク含量: 6.7%、NaCl: 50
mM) D.生卵白液 (タンパク含量: 3%: NaCl: 50
mM) E.市販サラダ油(大豆,菜種油 原液) 測定条件 試料量 1ml 温度 25℃ 予備加熱時間 5分 測定時間 5分 コーン 1゜34’48 回転数 加速 1、2.5、5、10、20、50、10
0 rpm 減速 50、20、10、5、2.5、1 rpm 測定結果を図2〜11に示す。 図9に示されるように、検体Dの生卵白液は、極度に非
ニュートニアンの挙動を示す─即ち、小さなシェアの場
合は高粘度であるが、シェアがかかるに連れて粘度は減
少する─が、検体Eの食用サラダ油は、図11に示され
るように、シェアに関わらず、安定した粘度を維持し
た。これに対し、検体A〜Cの調整乳清ゾルは、いずれ
も生卵白液の様に粘度低下しないで、ニュートニアンの
挙動を示した(図3、5、7参照)。更に、官能検査の
結果、調整乳清ゾルと食用サラダ油は非常によく似た食
感を呈することが分かった。すなわち、口中でモタッと
する、サラダ油特有の食感が得られた。この場合の熱量
は、サラダ油が9kcalであるのに対し、調整乳清ゾルは
0.24〜0.27kcalとなり、サラダ油の約3%程度であ
った。
換クロマトグラフイ及びウルトラフィルトレーション法
を組合せ、タンパク質の分離及び精製を行った。得られ
たタンパク液の濃度を6%に,pHを7.0に調整後、8
0℃で1時間加熱した。室温まで冷却し、塩化ナトリウ
ムを50mM添加し、透明な調整乳清ゾルを得た。実施例
1同様の、流動解析及び官能検査を行った。その結果を
図12〜13に示す。この試験結果から、本実施例で
も、実施例1と同様に、ニュートニアンで油状の粘稠液
が得られたことがわかる。
沈澱法及び透析法を行いタンパク質の分離及び精製を行
った。得られたタンパク質の濃度を6%に、pHを7に
調整後、90℃で1時間加熱・冷却後、クエン酸ナトリ
ウムを75mM添加し、更に80℃で1時間加熱し、透明
な調整乳清ゾルを得た。更に得られたゾルを5℃で1週
間冷蔵保存を行った。冷蔵保存前の調整乳清ゾルは、実
施例1及び2の製品と同様に、油性の粘稠液でサラダ油
に非常に似た食感を示した。更に冷蔵保存した物は、粘
度が増加し、非常にこってりとした、油脂状の食感とな
った。
の配合で製造し(試験区)、サラダ油を使用した通常の
サラダドレッシング(対照区)と比較して、官能検査を
実施した。 (試験結果)対照区は、標準的な分離型ドレッシング
で、静置すると短時間で分離するため、良く振り混ぜ
て、使用することが必要であったが、本発明に従った試
験区は、分離することなく、安定して使用可能であっ
た。官能検査の結果は、対照区が、酢とサラダ油とを別
々に感じるのに対し、試験区は、対照区と同様の粘性を
感じるにも関わらず、均一な味を感じた。野菜に掛け
て、食したところ、試験区は非常に良好な食味を有し、
ノンオイルであるとは分からなかった。また、試験区の
熱量は、33Kcalで、対照区の熱量521Kcalの約6.3
%に低減された。
る乳清から、経済的に安定して、液状油脂代替品が得ら
れる。この製品は、ニュートニアンな粘性を示し、しか
も、比較的低カロリーでありながら、油脂状の食感を呈
するため、食用又は食品添加物として、非常に有用であ
る。
す説明図である。
含量6%)の流動解析で得られたS−D曲線である。
含量6%)の流動解析で得られたη−D曲線である。
含量6.5%)の流動解析で得られたS−D曲線である。
含量6.5%)の流動解析で得られたη−D曲線である。
含量6.7%)の流動解析で得られたS−D曲線である。
含量6.7%)の流動解析で得られたη−D曲線である。
3%)の流動解析で得られたS−D曲線である。
3%)の流動解析で得られたη−D曲線である。
得られたS−D曲線である。
得られたη−D曲線である。
含量6%)の流動解析で得たS−D曲線である。
含量6%)の流動解析で得たη−D曲線である。
Claims (3)
- 【請求項1】 精製した乳清タンパク質を、無塩または
低イオン強度下、pH4以下または6以上において、5
5℃以上に加熱して得られた物に、500mM以下の有機
または無機塩を添加したものからなり、タンパク質濃度
が1〜20%である粘稠液で、ニュートニアンの挙動を
示すものであることを特徴とする液状油脂代替品。 - 【請求項2】 請求項1の液状油脂代替品からなること
を特徴とする食用又は食品添加物。 - 【請求項3】 サラダ油の代わりに請求項1の液状油脂
代替品を使用してなることを特徴とするサラダドレッシ
ング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03253173A JP3133794B2 (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | タンパク質からなる液状油脂代替品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03253173A JP3133794B2 (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | タンパク質からなる液状油脂代替品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05244876A JPH05244876A (ja) | 1993-09-24 |
JP3133794B2 true JP3133794B2 (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=17247555
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03253173A Expired - Lifetime JP3133794B2 (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | タンパク質からなる液状油脂代替品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3133794B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011083264A (ja) * | 2009-10-19 | 2011-04-28 | Soda Aromatic Co Ltd | 油脂感増強剤 |
-
1991
- 1991-09-03 JP JP03253173A patent/JP3133794B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05244876A (ja) | 1993-09-24 |
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