JPH04266003A - 浮上式車両用超電導コイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は磁気浮上式列車などに利
用される浮上式車両用超電導コイルに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の浮上式車両用超電導コイルは、
車両の浮上走行中に、該超電導コイルの励磁によるコイ
ル半径方向の電磁力が加わると共に、地上の浮上コイル
からは上向きの反発電磁力を、推進・案内コイルからは
コイル半径方向とこれと直交するコイル軸線方向の反発
電磁力を受ける。このために超電導コイルは剛性を強化
すると共に、支持を強固に行い、しかも極低温を維持し
て定格値ではみだりにクエンチ（常電導への転移）を起
こさないように製作する必要がある。

【０００３】そこで従来の浮上式車両用超電導コイルは
図４に示す如く、超電導線をレーストラック形環状に多
数回巻いてエポキシ樹脂を含浸してなるコイル１に、ス
テンレス製バンド状の多数のコイル支持金具２を該コイ
ル１の周方向に適当間隔を存してそれぞれ巻き付け、こ
の状態で該コイル１を中空のレーストラック形環状の容
器３内に格納した構成で、その容器３内にコイル１を各
コイル支持金具２で固定支持すると共に、該容器３内に
液体ヘリウムを導通させて該コイル１を冷却するように
なっている。

【０００４】なお、前記各コイル支持金具２には複数の
貫通穴を形成し、液体ヘリウムが容器３内をこの周方向
に流通してコイル１の冷却をスムーズにしている。また
コイル支持金具２を巻き付けたコイル１を容器３内に格
納する場合は、その容器３の上蓋を開き、その容器３内
にコイル１を各コイル支持金具２が該容器３内面に隙間
なく圧接するように圧入し、その状態で上蓋を被せて溶
接固定する。これで該容器３とコイル１との間に介在す
る各コイル支持金具２で該コイル１を押圧して固定支持
する。またその容器３自体はレーストラック形環状の中
間両側部を連結する複数の支持梁４で補強している。こ
うした超電導コイルの車両台車への取付けは、出来るだ
け外熱の侵入を避けるため、前記支持梁４を図示しない
が熱絶縁距離の長い複数本の支持柱で真空容器（外槽）
内に支持して行うようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の浮
上式車両用超電導コイルは、コイル１を　４．２Ｋと言
った極低温に冷却しているため構成物の比熱が小さく、
外乱によってコイル１の超電導線の温度が数度でも上が
ればクエンチしてしまう。しかしながら前述の従来の構
成の浮上式車両用超電導コイルでは、コイル１の周方向
に間隔を存して巻き付けた幅狭なバンド状のコイル支持
金具２で容器３内に該コイル１を押圧して固定支持する
ので、各コイル支持金具２によるコイル支持強度が不均
一で、コイル１に作用する各種方向の電磁力によって該
コイル１が部分的にとコイル支持金具２との間で滑りを
生じ、この滑り摩擦による発熱でクエンチを起こす虞れ
があった。

【０００６】本発明は前記事情に鑑みなされ、その目的
とするところは、コイルを周方向に亘り均一に締付け固
定して強固に支持でき、コイルに作用する電磁力によっ
てコイルとコイル支持金具との間の滑りをなくし、クエ
ンチを起こさない信頼性の高い浮上式車両用超電導コイ
ルを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の浮上式車両用超
電導コイルは、前記目的を達成するために、超電導線を
レーストラック形環状に多数回巻いてエポキシ樹脂を含
浸したコイルの内外周側面に、このコイルの周方向に連
続するコイル支持金具を、焼きばめ或いは冷やしばめに
よって該コイルと圧接状態に設けて構成したことを特徴
とする。

【０００８】

【作用】前記構成の浮上式車両用超電導コイルであれば
、レーストラック形状のコイルの内外周側面に、このコ
イルの周方向に連続するコイル支持金具を、焼きばめ或
いは冷やしばめによって該コイルと圧接状態に設けたの
で、コイルに部分的に間隔を存してに巻き付ける従来の
バンド状のコイル支持金具に比べ、コイルとコイル支持
金具との間の面圧が高く且つレーストラック形環状のコ
イル周方向に連続して均一に得られて、コイルの締付け
固定支持強度が向上し、各種方向の電磁力によりコイル
が特定の箇所においてコイル支持金具との間で滑りを生
ずることが少なくなり、これで従来のように滑り摩擦の
発熱でクエンチが起きるようなことがなくなる。

【０００９】

【実施例】以下本発明の一実施例を図１及び図２により
説明する。図中１１は従来同様に超電導線をレーストラ
ック形環状（長楕円形状）に多数回巻いてエポキシ樹脂
を含浸したコイルである。このコイル１１の内周側面と
外周側面とにコイル支持金具１２，１３を設け、この状
態でコイル１１を中空のレーストラック形環状の容器１
４内に格納して構成されている。

【００１０】ここで、前記内外のコイル支持金具１２，
１３は、それぞれステンレス製の断面略蒲鉾形状のもの
で、各々コイル１１の内外周側面にこの周方向に連続し
て亘るように、径寸法はそれぞれ異なるがコイル１１と
同様レーストラック形環状に成形されている。そしてそ
の内側コイル支持金具１２はコイル１１の内周側面に対
し冷やしばめにより、外側コイル支持金具１３はコイル
１１の外周側面に対し焼きばめにより強固に締付け圧接
して嵌め込み固定されている。なおその内外コイル支持
金具１２，１３とコイル１１の内外周側面との接触面は
予め各々所要の径寸法に機械加工により高精度に仕上さ
れている。つまり内側のコイル支持金具１２の外周面は
コイル１１の内径より少し大きめに、外側のコイル支持
金具１３の内周面はコイル１１の外径より少し小さめに
機械加工仕上げされて、前述の冷やしばめ及び焼きばめ
により内外のコイル支持金具１２，１３がコイル１１の
内外周側面にそれぞれ周方向に亘り均一に強固な締付力
でもって圧接固定されている。

【００１１】こうしてコイル支持金具１２，１３を内外
周側面に圧着したコイル１１を容器１４内に従来同様に
圧入して格納し、この容器１４の内面と前記内外のコイ
ル支持金具１２，１３との面圧を得るように該容器１４
を外側から締付けると共に、容器１４のトラック形環状
の中間両側部を連結する複数の支持梁１５を溶接して構
成されている。

【００１２】なお、前記内外のコイル支持金具１２，１
３には複数個ずつの貫通穴１２ａ，１３ａが周方向に亘
って形成され、これら貫通穴１２ａ，１３ａ内と容器１
４内のコイル１１との間の隙間とに液体ヘリウムが流通
せしめられて該コイル１１の冷却をスムーズにできるよ
うにしている。

【００１３】而して、前述した構成の浮上式車両用超電
導コイルでは、レーストラック形状のコイル１１の内外
周側面に、このコイル１１の周方向に連続するコイル支
持金具１２，１３を、焼きばめ或いは冷やしばめによっ
て該コイルと圧接状態に設けたので、コイル１１に部分
的に間隔を存してに巻き付ける従来のバンド状のコイル
支持金具に比べ、コイル１１とコイル支持金具１２，１
３との間の面圧が高く且つレーストラック形環状のコイ
ル周方向に連続して均一に得られるようになる。つまり
、コイル１１と内外のコイル支持金具１２，１３との接
触面積が大きく、大きな摩擦力が得られると共に、焼き
ばめ及び冷やしばめにより大きな接触面圧が周方向に亘
り均一に得られるようになる。これでコイル１１の締付
け固定支持強度が向上し、各種方向の電磁力によりコイ
ル１１が特定の箇所においてコイル支持金具１２，１３
との間で滑りを生ずることが少なくなる。即ちコイル１
１がこの周方向及びコイル軸線方向並びにこれと直交す
る径方向いずれの方向にも生じることが少なくなって、
従来のように滑り摩擦の発熱でクエンチが起きるのを防
止できるようになる。

【００１４】またコイル１１と内外コイル支持金具１２
，１３とは予め各々所要の径寸法に機械加工により高精
度に仕上て冷やしばめ及び焼きばめにより圧接固定して
いるので、信頼性の高い一定した高品質の超電導コイル
が得られるようになる。

【００１５】次に、図３により本発明の他の実施例を説
明する。ここでは前記実施例のように別途成形した容器
１４を用いずに、前述同様にコイル１１の内外周側面に
冷やしばめ及び焼きばめにより圧接固定した内外のコイ
ル支持金具２２，２３が液体ヘリウムを入れる容器２４
を兼ねる構成である。つまり、内外のコイル支持金具２
２，２３は、図１，図２に示したと同様に各々コイル１
１の内外周側面にこの周方向に連続して亘るようにレー
ストラック形環状に成形されたステンレス製の断面略蒲
鉾形状のものであるが、図３に断面を示す如く互いに反
対側から側板２３ａ、２３ｂをそれぞれ一体に延出して
有している構成で、コイル１１の内外周側面に冷やしば
め及び焼きばめにより圧接固定した状態で、該両者の側
板２２ａ，２３ａの先端側を相手側に溶接固定して一個
の中空なレーストラック形環状の容器２４を構成してい
る。

【００１６】なおこの内外のコイル支持金具２２，２３
にも複数個ずつの貫通穴２２ｂ，２３ｂが周方向に亘っ
て形成されて液体ヘリウムが流通せしめらるようになっ
ている。

【００１７】こうした図３の構成の場合、列車の走行中
にコイル１１にかかる電磁力を該コイル１１から内外の
コイル支持金具２２，２３である容器２４が直接受ける
ことになるので、先の実施例の如くコイル支持金具１２
，１３と容器１４と間の力の伝達がなくなり、この部分
での滑り摩擦の発熱の心配が皆無となると共に、滑りを
起こす部分がないのでコイル全体としての剛性がアップ
するようになる。

【００１８】

【発明の効果】本発明の浮上式車両用超電導コイルは前
述の如く構成したから、コイルをコイル支持金具により
周方向に亘り均一に締付け固定して強固に支持でき、コ
イルに作用する電磁力によってコイルとコイル支持金具
との間の滑りを防止できて、クエンチを起こさない信頼
性の高い高品質のものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す一部切欠した平面図。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図。

【図３】本発明の他の実施例を示す断面図。

【図４】従来例を示す一部切欠した斜視図。

【符号の説明】

１１…コイル、１２，１３，２２，２３…コイル支持金
具、１４，２４…容器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　超電導線をレーストラック形環状に多
   数回巻いてエポキシ樹脂を含浸したコイルの内外周側面
   に、このコイルの周方向に連続するコイル支持金具を、
   焼きばめ或いは冷やしばめによって該コイルと圧接状態
   に設けて構成したことを特徴とする浮上式車両用超電導
   コイル。