JPH0426514Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は水門等のゲート開閉装置に関するもので
ある。

「従来の技術」 従来、扉体に螺杆を設け、螺合させた雌螺子を
正逆回動させることによつて扉体を昇降させるゲ
ート開閉装置があり、雌螺子を停止させることに
よりセルフロツクが可能であつて、そのため密閉
のための押しつけが可能であるが、緊急時に自重
下降させることができず急速閉鎖用には適しな
い。又扉体にワイヤロープ又はラツクを設け、駆
動ホイルで扉体を昇降させるゲート開閉装置があ
り、自重下降による急速閉鎖に適するけれども正
逆駆動ハンドルによる緩慢昇降に際し停止位置ロ
ツク機構を切替操作する必要があつて操作が複雑
であるし、自重下降において上記正逆駆動ハンド
ルが急速逆転しそのため安全性に欠けるという欠
陥があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 本案は扉体自重下降装置を有するゲート開閉装
置において、正逆駆動装置によつて緩慢昇降を行
う際同正逆駆動装置（例えば正逆駆動ハンドル）
の停止と同時に扉体の自己保持（セルフロツク）
が行われ、セルフロツクのための切替操作を全く
必要とせず、かつ自重下降時において正逆駆動装
置を静止状態に保持することのできるゲート開閉
装置を得ようとするものである。

「問題点を解決するための手段」 本案は機函に扉体昇降用正逆減速回動装置及び
扉体自重下降装置を設けてなるゲート扉体開閉機
において、機函に設けた正逆回動軸と同回動軸に
螺合する正逆摺動歯車とが両側に設けた相反方向
の一方向クラツチを介して正逆に接続され、同歯
車に噛合する駆動歯車の駆動軸に正逆駆動装置を
設けてなり、かつ上記回動軸に遊星歯車減速機及
びバンドブレーキドラムを遊支し、同ドラムに上
記減速機の遊星歯車を軸支し、かつ同減速機に上
記扉体昇降用正逆減速回動装置を接続してなるゲ
ート開閉装置によつて構成される。

「作用」 従つてバンドブレーキドラム１０のバンド１
０′を緊締して同ドラム１０を回動方向に固定し、
その状態において正逆駆動装置８を手動又は動力
で一方に回動させると、駆動軸７を介して駆動歯
車６が回転し、それに伴つて上記摺動歯車３が回
動し、その回動によつて同歯車３は正逆回動軸２
との螺合によつて正方向に摺動し一方の一方向ク
ラツチ４に圧接し他方の相反一方向クラツチ５か
ら離れる。そして圧接による摩擦力によつて上記
一方のクラツチ４を介して上記回動軸２及び太陽
歯車２０を第２図矢印ａ方向に正転させ、遊星歯
車減速機９を矢印ｂ方向に逆転させる。そして同
減速機９の逆転に伴つて扉体昇降用正逆減速回動
装置１２を動作し扉体１８を下降させることがで
きる。正逆駆動装置８を停止させると上記一方の
クラツチ４は反転することなく停止し、かつ回動
軸２及び太陽歯車２０並びにバンドブレーキドラ
ム１０も停止しているため上記減速機９は回動方
向に固定され上記正逆減速回動装置１２は停止し
て扉体１８をその位置に自己保持（オートロツ
ク）させる。その状態において正逆駆動装置８を
手動又は動力で反対向に回動させると、摺動歯車
３が逆方向に摺動し他方の一方向クラツチ５に圧
接し、一方の上記クラツチ４から離れる。そして
圧接による摩擦力によつて上記他方のクラツチ５
を介して上記回動軸２及び太陽歯車２０を矢印ａ
と反対向に逆転させ、遊星歯車減速機９を矢印ｂ
と反対向に正転させ、その正転に伴つて上記減速
回動装置１２を介して扉体１８を上昇させること
ができる。そして正逆駆動装置８を停止させると
上記他方のクラツチ５は反転することなく停止
し、上述同様に上記減速機９は回動方向に固定さ
れ上記減速回動装置１２は停止して扉体１８をそ
の位置に自己保持（オートロツク）させるもので
ある。そこでバンドブレーキのバンド１０′を弛
緩させドラム１０を回動方向に遊離させると扉体
１８の自重によつて上記減速回動装置１２を介し
て遊星歯車減速機９及びドラム１０は上記回動軸
２の回りに遊動し同扉体１８は自重下降すること
ができる。その際上記回動軸２は矢印ａ方向の反
力を受けるが相反する一方向クラツチ４、５の何
れかを介して摺動歯車３や駆動歯車６或は正逆駆
動装置８等を回動させる力と相殺された同回動軸
２は停止し正逆駆動装置８を回転させることはな
い。

「実施例」 門形ゲート１３の上面に機函１を設け、同機函
１を貫通するピニオンラツク１４に噛合するピニ
オン１５を軸支し、その支軸１６に減速歯車１７
を接続してラツク１４の下端に設けた扉体１８の
昇降用正逆減速回動装置１２を形成する。又同装
置１２は上記支軸１６と平行方向に軸架した正逆
回動軸２に遊支した遊星歯車減速機９に減速歯車
１７、１７′を介して接続し、同減速機９の３個
の遊星歯車１１，１１，１１の支軸１１′を上記
回動軸２に遊支したドラム１０に設け、ドラム１
０の外周に掛回したブレーキバンド１０′によつ
て扉体自重下降装置１８′を形成するものである。
そして上記正逆回動軸２に摩擦面を対向させた２
個のブレーキ１９，１９を回動方向及び摺動方向
に固定して設け、これらのブレーキ１９，１９の
中間部に上記回動軸２に雄螺旋が形成され、同雄
螺旋に摺動歯車３の内周に形成した雌螺旋を螺合
し、同摺動歯車３の両側摩擦面と上記ブレーキ１
９，１９の摩擦面との間にそれぞれ相反する一方
向カムクラツチ４，５が摺動自在に介在し、かつ
上記摺動歯車３に噛合する駆動歯車６の駆動軸７
に手動ハンドル８′による正逆駆動装置８を設け、
かつ上記正逆回動軸２に太陽歯車２０を設け、こ
れに上記遊星歯車１１を噛合し、これらの遊星歯
車１１に上記回動軸２に遊支した内歯車２１を噛
合して遊星歯車減速機９を形成する。この内歯車
２１のボス部に設けた歯車１７′に上記減速歯車
１７を噛合させるものである。尚図中２２で示す
ものは一方向カムクラツチ４の内輪、２３は外
輪、２４は外輪２３を一方向にのみ回転させるカ
ム、２５はカム２４の支持発条、２６は自重下降
制動機（調速機）、２７はドラム１０のボス部に
設けたスプロケツト、２８は制動機２６のスプロ
ケツト、２９は連動用チエン、３０はバンドブレ
ーキ操作用レバー、３１はピンラツク１４の案内
ローラである。

「効果」 本案は上述のように構成したので扉体自重下降
装置１８′を有するゲート開閉装置であるにも拘
わらず、扉体１８の緩慢昇降駆動操作ができ、同
駆動操作の停止と同時に自動的に扉体位置の自己
保持（セルフロツク）を行い得て昇降操作が簡便
容易であり、かつ扉体昇降用の正逆駆動装置８が
自重下降時に回動するおそれがなくきわめて安全
なゲート開閉装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案のゲート開閉装置を示す平面図、
第２図は第１図Ａ−Ａ線による拡大側面図、第３
図は第１図Ｂ−Ｂ線による一方向カムクラツチの
一部側面図、第４図は上記装置の側面図、第５図
は第４図を左方から見た正面図である。 １……機函、２……正逆回動軸、３……正逆摺
動歯車、４，５……一方向クラツチ、６……駆動
歯車、７……駆動軸、８……正逆駆動装置、９…
…遊星歯車減速機、１０……バンドブレーキドラ
ム、１１……遊星歯車、１２……扉体昇降用正逆
減速回動装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機函に扉体昇降用正逆減速回動装置及び扉体自
   重下降装置を設けてなるゲート扉体開閉機におい
   て、機函に設けた正逆回動軸と同回動軸に螺合す
   る正逆摺動歯車とが両側に設けた相反方向の一方
   向クラツチを介して正逆に接続され、同歯車に噛
   合する駆動歯車の駆動軸に正逆駆動装置を設けて
   なり、かつ上記回動軸に遊星歯車減速機及びバン
   ドブレーキドラムを遊支し、同ドラムに上記減速
   機の遊星歯車を軸支し、かつ同減速機に上記扉体
   昇降用正逆減速回動装置を接続してなるゲート開
   閉装置。