JPH04263301A - ロボットの教示補助装置 - Google Patents

ロボットの教示補助装置

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JPH04263301A
JPH04263301A JP4400391A JP4400391A JPH04263301A JP H04263301 A JPH04263301 A JP H04263301A JP 4400391 A JP4400391 A JP 4400391A JP 4400391 A JP4400391 A JP 4400391A JP H04263301 A JPH04263301 A JP H04263301A
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JP
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robot
image
central computer
processing
area
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JP4400391A
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Inventor
Norio Sato
則夫 佐藤
Tadanori Harada
忠則 原田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なロボットの教示補
助装置に関する。詳しくは、ロボットの加工作用部とワ
ークを含む領域をテレビカメラにより撮影し、該テレビ
カメラの画像信号を符号化した後通信手段を介して中央
計算機近辺の表示装置に映し出し、オペレーターがこの
映像を見ながら、離れた場所でロボットのティーチング
を行なうことができるようにした新規なロボットの教示
補助装置を提供しようとするものである。そして、教示
操作に関しては高い位置決め精度を実現するために、視
差をもつ複数のテレビカメラによってロボットの加工作
用部とワークを撮影し、これを符号化して通信手段を介
して中央計算機に送出すると共に、各画像の復元時には
、各画像上でのロボットの加工作用部の軌跡を指定し、
ロボットの動作時に加工作用部がこの軌跡上から逸脱し
ないようにロボット動作させるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】産業用ロボットは、それ自身のもつ高い
柔軟性から多品種少量生産との相性がよく、近年種々の
生産工程において広く用いられ、また、プログラムや加
工工程を容易に管理することができるように中央計算機
による統合生産システムの中に組み入れられるようにな
ってきた。この状況を簡略的に示すと、図22及び図2
3のようにロボットaの数値制御装置bが構内に敷設さ
れたネットワークc(LAN(「Local Area
 Network」の略称)等)を介して中央計算機d
の制御下に置かれることになる。
【0003】このような環境下でのロボットに対する教
示は、例えば、図22に示すように作業者がロボットa
の付近でロボットの動きを実際に見ながらティーチング
ペンダントを用いて教え込ませる方法や、図23に示す
ように、作業者がロボットaの作用部(チャック部等)
や教示用に設けられたハンドル等を掴んで直接的に教え
る方法が採られる。これは教示操作自体がワークの形状
に密接に関連しており、人間がロボットとワークとの関
係を実際に目視により認識しながら行なわなければなら
ないからである。
【0004】しかし、いずれの方法においても教示時に
は教示者がロボットの近辺に付き添っていなければなら
ず、中央計算機dはせいぜい複数のロボット毎の教示プ
ログラムを収集して、これらを管理するに停まり、中央
計算機dが有効に活用されているとは言い難い。また、
加工対象のワークが小さい場合には教示者はワークを覗
き込みながら作業を行なうことが多いため、ロボットに
対する注意が散漫となることもしばしばであり、ひいて
はロボットの暴走による事故にまきこまれる危険性も免
れ得ない。
【0005】そこで、図24に示すようにロボットaの
作用部分にテレビカメラeを付設し、ワークfやその周
辺の画像を撮影して、その画像情報を中央計算機dの付
近まで有線伝送する方法が知られている。即ち、テレビ
カメラeからの画像情報は中央計算機用の表示装置gと
は別個に設けられた表示装置hに映し出されるので、オ
ペレーターはその画像f´を見ながらキーボード等の入
力装置iによって教示することが可能となる。
【0006】しかし、上記したような方法にあっては、
遠隔地での画像表示によりロボットやワークを見ること
は可能となるが、数多くのロボットに対応しようとする
と、図25に示すように、各テレビカメラe、e、・・
・からの映像信号を複数の表示装置にそれぞれ送出する
ための伝送線CCがロボットの数だけ必要となってしま
うという問題がある。
【0007】そこで、図26に示すように、各テレビカ
メラe、e、・・・からの映像信号を選択的に切り換え
るセレクタjを使用し、これを中央計算機dの制御下に
置き、一の伝送線を介して一つの表示装置hに画像を映
し出す方法が考えられる。
【0008】しかし、この場合でも各ロボットから得ら
れた画像は表示装置hに映し出されているという点では
中央計算機dの表示装置gによる画像とは独立している
。そこで視認性の向上を図るために、両者の表示内容を
同一画面上に映し出そうとすると、画面合成のための特
殊なハードウェア(スーパーインポーザー等)や複雑な
処理プログラムが必要となる。また、一般的に言って外
部機器を使用することは、中央計算機においてネットワ
ークの管理以外についての制御を要し、特に、その制御
がマルチタスク機能を備えたOS(オペレーティング・
システム)の管理下に置かれている場合には、その時分
割スケジューリングにおける技術的な困難性が高く、ま
た、プログラム体系を混乱させる原因となる等の不都合
が生じる。
【0009】また、前記した方法では、ワーク及びその
周辺についての画像を単に得ているだけであり、結局は
、これらの情報に基づいてオペレーターが位置合わせ等
の処理を行なっている訳であり、教示作業に関する効率
の向上が望めないという問題がある。
【0010】そこで、この問題に関してステレオビジョ
ン(立体視)の手法を用い、ワークを3次元的に認識し
、これによって得られる情報をロボットの位置決めに関
する情報として提供するという処理が知られている。
【0011】図27はステレオビジョンを用いた中央計
算機主導型システムの構成例を示し、図28は処理の流
れの概要を説明するために、システムの各構成要素にお
ける中間段階での画像を概念的に示した図である。
【0012】図27において、fはワークであり、2台
のテレビカメラk1、k2によって撮影される。ここで
、テレビカメラk1、k2はそれぞれ同一の対象物(ワ
ークf)を撮えてはいるが、視線方向を異にするため、
テレビカメラk1、k2によって得られる画像について
はカメラ視差に応じた相違が生じることになる。
【0013】テレビカメラk1、k2によって得られた
画像信号は符号化部m1、m2にそれぞれ送出される。 これはディジタル処理の容易性を考慮したものであるが
、一般的にこの段階ではA/D(アナログ/ディジタル
)変換程度の処理だけに止められる。その理由は、後段
の輪郭抽出の精度を向上させるためである。即ち、符号
化部m1、m2においては情報圧縮等を極力抑えて、画
像が持つ情報をほぼそのままの形で後段に引き渡す必要
があるからである。
【0014】図28における一対の画像G(m1)、G
(m2)は符号化処理を経た後の画像をそれぞれ示して
いる。即ち、一方の画像G(m1)がテレビカメラk1
によって撮影された画像を示し、他方の画像G(m2)
がテレビカメラk2によって撮影された画像を示してお
り、視線方向の違いを透視図法により表現している。
【0015】符号化部m1、m2によって2値化された
画像信号は後段の輪郭抽出部n1、n2に送出され、そ
れぞれの輪郭が抽出され、ワークfの輪郭や加工すべき
点等が線画として表現される。この輪郭抽出には画像処
理技術としてよく知られた、ラプラシアン演算によるフ
ィルター処理及びノイズ除去のための孤立点除去処理等
の手法が用いられる。図28に示す一対の画像G(n1
)、G(n2)が輪郭抽出部n1、n2を経た後のそれ
ぞれの画像を示しており、ノイズ成分は多少残っている
【0016】輪郭抽出後の信号はセグメンテーション処
理部o1、o2にそれぞれ送られる。セグメンテーショ
ン処理とは、抽出された輪郭をトレース等によって、2
成分、つまり「線分」と「円」(この場合楕円を含む広
義の意味で用いている。)とに分解し、これらの成分の
みによって単純化した線画モデルを再構成するための処
理である。
【0017】この処理によって、同一の被写体について
カメラ視差に応じた2つの線画モデルが得られることに
なる。図28に示す画像G(o1)、G(o2)がセグ
メンテーション処理後の画像をそれぞれ示している。
【0018】こうして得られた2つの線画モデルに関し
て特異点の対応付けを行なうための処理が次に待ってお
り、この処理は特異点接続処理部pによって行なわれる
。即ち、これは線画像G(o1)、G(o2)を対応付
けるための処理であり、図28に示すように線画モデル
において、ある線分と、これに接続する他の線分との間
の接続点を抽出し、これを特異点として、2つの線画間
における対応点を探し出す処理のことである。この方法
については種々のアルゴリズムが知られており、ワーク
の形状や複雑さの程度に応じて適合するものが選択され
る。図28に示す画像G(p)が対応付けの様子を概念
的に表わしており、処理結果はファイル化される。
【0019】しかして、対応付けられた2つの画像信号
が距離等計算処理部qに送られ、ここで特異点の位置等
が計算された後は数値化処理部rに送出される。ここで
は、中央計算機dが処理し易いように、ワークを数値モ
デル化し、その処理結果は最終的に中央計算機dに送出
される。
【0020】上記した一連の処理により、ワークの形状
が中央計算機dに理解できる状態となり、オペレーター
はこの情報に基づいて表示装置gを見ながらキーボード
等の入力装置iの操作によりロボットaの動作プログラ
ムを作成することが可能になる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の教示補
助方法に関する問題点をまとめると次のようになる。
【0022】先ず、テレビカメラが撮影した画像を、ロ
ボットから離れた場所に設置された表示装置に映し出し
て、教示時に画像を参照する従来の方法にはこれを複数
のロボットを用いたシステムに適用するにあたって以下
に示す問題がある。
【0023】(I) 複数台のテレビカメラのうちの所
定のものを選択するためにセレクタの制御が必要となる
【0024】(II)複数台のテレビカメラからの画像
信号を一の表示装置で視ようとすると画面合成のための
複雑な装置や処理が必要となる。
【0025】次に、テレビカメラの撮えた画像情報をロ
ボットの位置決め時の教示情報として利用するにあたっ
て、従来の方法では処理が簡単でない点に関しては下記
に示す問題がある。
【0026】(i) 輪郭抽出の段階でノイズを除去す
るためには認識対象の形状を予めある程度は知っておか
ないと有効に処理することができない。
【0027】(ii)セグメンテーション処理に関して
も上記(i)と同様である。
【0028】(iii) 特異点の接続処理に関して、
セグメンテーション処理が完全でないと2画像間での対
応がとれないため、弛緩法等の手法を使用しなければな
らず、認識精度の向上が阻害される。
【0029】(iv)特異点間の距離計算を行なってい
るため、仮に距離計算処理部の前段までの処理によって
有効な情報が得られたとしても、距離計算の結果は、画
像における手前側と奥側とではその精度が異なり、また
、テレビカメラのズーム倍率によっても値が変わってし
まう。
【0030】(v) テレビカメラのレンズの収差の影
響を受け易く、近軸光線から外れる周辺部についての物
体の認識精度が望めない。
【0031】(vi)直列的な処理であるため、全ての
処理の完了に要する時間が長い。
【0032】(vii) 認識対象物の形状が複雑であ
ると、セグメンテーション処理に関するアルゴリズムの
変更を余儀なくされる(そうしないと満足のいく認識率
が得られない。)。
【0033】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記し
た(I) 、(II)の問題に対しては、先ず、撮影手
段によってロボットの加工作用部と被加工物とを含む領
域を撮影した後、この画像信号を符号化手段により符号
化し、これをロボットの識別情報と併わせて一組の情報
として通信手段を介してネットワーク上に乗せ中央計算
機へ情報を流す。そして、該中央計算機側ではその入力
部によって指定されたロボットに関する画像情報を通信
手段が選別し、これを画像処理手段に引き渡して画像の
復元を行なった後中央計算機の表示手段により映し出す
ようにしたものである。
【0034】また、教示操作に関する上記(i) 乃至
(vii) の問題に対しては、先ず、視差を有する複
数の撮影手段によってロボットの加工作用部及びワーク
を撮影し、各画像信号を符号化手段によって符号化した
後通信手段を介して画像情報を中央計算機に送出する。 中央計算機側では画像処理手段が画像情報を復元し、こ
れを中央計算機の表示手段に映し出すと共に、入力部か
ら教示補助制御手段を媒介として各復元画像上でのロボ
ットの加工作用部の軌跡を学習させるための操作がなさ
れる。 即ち、作業においてロボットの加工作用部をどの位置か
らどの位置まで移動させるかが代表点の指定によって各
復元画像毎になされ、これらが決まると両代表点を結ぶ
線分が軌跡として設定される。そして、ロボットを実際
に動かす際には各復元画像においてロボットの加工作用
部が上述した軌跡に沿って移動するようにこまめに位置
の補正が行なわれ、最終的に加工作用部の代表点が被加
工物の代表点に一致するように教示補助制御手段が位置
決め制御を行なうようにしたものである。
【0035】
【作用】本発明によれば、複数のロボットを監視するに
あたって、撮影手段の撮えた画像信号を符号化した後各
ロボットを区別するための識別情報と共にネットワーク
上に乗せ、中央計算機ではその入力部によって指定され
たロボットに関する画像情報を取捨選択して表示するこ
とができるので、セレクタを用いたカメラ画像の切換操
作は不要であり、また、各カメラ画像を一の表示装置に
映し出す処理がネットワークの使用により容易になる。
【0036】そして、ロボット動作に対する教示の補助
に関しては、一のロボットに対して視差をもった複数の
撮影手段を配置し、これらによって撮影された画像信号
を符号化後に伝送し、中央計算機側で復元して画像を表
示すると共に、各復元画像におけるロボットの加工作用
部のとるべき軌跡を予め指定して、教示操作時にはこの
軌跡上に沿ってロボットが動作するように位置決めの補
正がなされるので、教示操作にあたって被加工物の形状
に対する予備知識は必要とされず、単に軌跡を規定する
ための代表点を指定すれば良い。
【0037】従って、前記した(i) 、(ii)、(
vii) の点に関しては認識対象の形状の影響を受け
にくい。また、(iii) については、本発明に関す
る限り各復元画像は独立の画像として取り扱われるので
、複数の画像間における対応関係がそれ程重要な意味を
もつことはない。そして、(iv)乃至(vi)に関し
ては、主にロボットの加工作用部や被加工物を含む特定
の領域に限って処理を行なえば済むため、画像の周辺部
の情報のもつ重要性は低く、よって、撮影後の収差の影
響をほとんど受けず、また、各画像は平面(2次元)的
に並行処理されるため、撮影手段のズーム倍率には無関
係であり、処理時間の短縮化を図ることができる。
【0038】
【実施例】図1は本発明に係るロボットシステムの基本
構成を示すもので、説明の簡単化のために、ロボットを
一台に限って説明する。
【0039】つまり、図では一のロボット及びその制御
系のみを示しているが、一般にはこのような系が複数存
在し、これらと中央計算機の間は構内ネットワーク3に
よって結ばれている。尚、本実施例では「LAN」が用
いられているものとする。
【0040】図中1は、中央計算機内の処理のうちティ
ーチングや画像処理に係る教示/画像処理系を示し、2
はロボット/カメラ制御系、即ち、ロボットの数値制御
装置やテレビカメラの入力部を含む構成部を示している
。また、図では中央計算機による集中処理システムが採
られているように感じられるが、分散処理システムによ
り構築しても良い(例えば、4.3BSDのようなUN
IX系分散OSを使用している場合には各プロセスを複
数の計算機資源に分散していてもいっこうに構わない。 )。
【0041】ロボット/カメラ制御系2は、ネットワー
ク3を介して中央計算機との間で情報交換を行なうLA
Nインターフェース部4と、ロボット5の直接的な制御
に係る軸駆動制御部6と、そして、これらの間にあって
ロボットプログラムの処理に係るロボットプログラム制
御部7及びロボットプログラム記憶部8、さらに、ロボ
ット5のツール先端部やワークを主として撮影するテレ
ビカメラ9、そして、該テレビカメラ9からの画像信号
を符号化した後LANインターフェース部4に送出する
符号化部10とから構成されている。
【0042】ネットワーク3に接続されるLANインタ
ーフェース部4は、主にパケット伝送による論理接続を
行なうために設けられたものであり、本実施例では、具
体的に言うとCCITT(International
 Telegraph and Telephone 
Consultative Committee)勧告
のX.25というプロトコル(通信規約又は手順)を使
用している(本発明に関する限り他のプロトコルを用い
ても何らの支障をきたさないことは勿論である。)。ま
た、LANインターフェース部4は中央計算機からの命
令やデータなどの情報を解析してこれらを振り分けて、
ロボットプログラムに係るものはロボットプログラム制
御部7に送り、ロボットの動作に直接関係するものは軸
駆動制御部6に送出するようになっている。
【0043】ロボットプログラム制御部7は、ロボット
プログラム記憶部8にデータを書き込んだり、読み出す
ための制御を行なっている。
【0044】ロボットプログラム記憶部8には、ロボッ
ト5の動作手順や、動作位置に関する情報が記憶される
が、ここでいう「動作手順」とは、例えば、ある点Aか
ら別の点Bへの移動等の、動作自体を意味し、「動作位
置」とは点A、点Bの具体的な座標値を意味する。尚、
記憶装置にはRAM等のメモリが使用される。
【0045】そして、ロボットプログラム制御部7の読
み出した動作手順及び動作位置に関する情報が原則とし
て軸駆動制御部6に転送される。但し、中央計算機から
ロボットプログラムを参照するための指令を受けたとき
には、ロボットプログラム制御部7は求められた情報を
提供するためにLANインターフェース部4を介して中
央計算機に情報を転送するようになっている。
【0046】軸駆動制御部6はLANインターフェース
部4からロボット動作を直接的に指示する命令を受けた
時、あるいは、ロボットプログラム制御部7から送られ
てくる動作命令を受けたときに、その指令内容に従って
、ロボット5の各軸に対応したアクチュエータを実際に
制御するために設けられている。この部分は一般にはサ
ーボモジュールを核として構成される。
【0047】ロボット5においては、軸駆動制御部6か
ら動作位置に関する指令を受けて所定のアクチュエータ
が実際に制御されて、ロボット5の動作が実現される訳
であるが、該ロボット5にはそのツール先端部とワーク
との位置関係を主として撮影するためのテレビカメラ9
が付設されている。
【0048】テレビカメラ9からの画像信号は、先ず、
符号化部10に送られて符号化される。符号化に際して
は多値画像のまま取り扱うことが望ましいが、ネットワ
ーク3のデータ転送能力に応じて、例えば、モディファ
イドハフマン符号等による2値化を施し、更に圧縮化処
理を行なうようにしても良い。尚、符号化された画像デ
ータはその後ロボットを区別するための識別情報と組み
にしてネットワーク3を通して中央計算機に送出される
ことになるが、転送はLANを通ったパケット伝送によ
ってなされるので、誤り訂正符号を伴なう必要はない。
【0049】こうした符号化処理によって中央計算機側
での画像処理に関する準備が整ったことになる。
【0050】中央計算機の各構成要素のうちのあるもの
は独立したハードウェアとして割り当てられている訳で
はなくプロセス単位で存在している。以下では、この点
を明らかにするため、構成要素の名称に「プロセス」と
いう語を付して称呼する。
【0051】図示するように、教示/画像処理系1は、
ネットワーク3に接続されたLANインターフェース部
11、符号化後の画像処理に係る画像解析プロセス12
及び画像表示プロセス13、そしてティーチングプロセ
ス14、さらにオペレーターとの間のインターフェース
としての入力部15及び表示部16とからなる。
【0052】本実施例に係る中央計算機ではLANイン
ターフェース部11を介してネットワーク3と接続され
ており、LANインターフェース部11はロボット/カ
メラ制御系2のLANインターフェース部4との間でパ
ケット伝送による情報交換を行なっている。よって、当
然ながら、そのプロトコルは同一とされる。
【0053】画像解析プロセス12では符号化された画
像信号の再現処理を担っている。即ち、画像解析プロセ
ス12は、入力部15によってロボット/カメラ制御系
の指定がなされたときに該当する画像情報に関するパケ
ットをLANインターフェース部11を通して選択的に
受け取り、これを元の画像として再現する役目をもって
いる。そして、処理結果は画像表示プロセス13を経て
CRT等の表示部16に送出される。
【0054】ティーチングプロセス14はオペレーター
がロボットに教示するにあたって中心的な役割をもって
おり、キーボード15aやマウス15b等の入力部15
からの指令に応じたロボットの直接的な動作制御指令や
動作プログラムの作成に与っている。つまり、作成した
ロボットプログラムや座標値に関する情報は、指定した
数値制御装置内のロボットプログラム記憶部に転送され
、また、ロボットを直接的に動作させるため命令は指定
した数値制御装置内の軸駆動制御部に転送されることに
なるが、これらの指示にあたってティーチングプロセス
14が関与している。
【0055】尚、ロボットを遂次に動作させ、その動き
を表示部16の画像を視ながらオペレーターが確認でき
るようにしておくと(例えば、ロボットのツール先端部
の動きをキーボード15aのカーソルキーで指示する等
)、実際のティーチング時において有効であり、また、
プログラムのデバッグ時にも能率的である。
【0056】ティーチング時に指示された位置表示等は
画像解析プロセス13による再現画像とミックスされて
同一画面上に表示されるようになっており、この処理は
画像表示プロセス13が受け持っている。
【0057】図2は表示例を概略的に示す図であり、ビ
ットマップディスプレー上での表示の様子を表わしてい
る。
【0058】画面16a上には各ロボット(図では「r
obot1」、「robot2」、「robot3」と
いう名前で区別している。)に関する画像が(オーバー
ラップ)マルチウィンドゥ処理により複数のページ画面
17、17、17として表示されており、現在プログラ
ミング対象となっているロボット(図では「robot
3」)が最も手前側に映し出されており、他の画面はそ
の裏に隠れている。そして、画面の左上の文字表示によ
って対象となるロボットを直ちに特定することができる
ようになっている。
【0059】図示するように画面上には、ロボット(r
obot3)がそのツール18によりネジ19をワーク
20の螺孔20aに取り付けてネジ締めを行なう際の状
況が映し出されている。中央計算機の操作卓(図示せず
)においてオペレーターはこの画像を視ながら入力部1
5によってロボットのツール先端部の位置決めを行ない
、ティーチング作業を行なうことができる。また、画面
のうち右端寄りの位置にはティーチングのための指示領
域21を用意しており、ポインティングデバイス(マウ
ス等)を用いて画面上のポインティング表示22を移動
させて所望の指示をロボット数値制御装置に与えること
ができるようになっている。
【0060】しかして、上記したシステムでは各ロボッ
トに関する画像情報がLAN上に流れているが、画像情
報が各ロボットを区別するための情報と組になって受け
渡されるので、所望のロボットに関するパケットデータ
の選別が容易であり、複数のロボットに関する画像情報
はウィンドゥの選択のみで簡単に視ることが可能になる
【0061】次に、教示補助操作に関する説明に移る。
【0062】本発明でも立体視の手法をとり入れている
が、本発明では下記の(1)乃至(4)に示す事項を目
的とし、高い位置決め精度をもった教示の補助を行なう
ことを目的とする。
【0063】(1) 最も時間のかかる処理については
、これを容易にハードウェア化し得るアルゴリズムを利
用することができること。
【0064】(2) セグメンテーション処理等の、予
めノイズ除去を必要とする処理を伴なわないこと。
【0065】(3) 弛緩法等の手法に頼ることなく、
決定論的な処理を行なえること。
【0066】(4) テレビカメラのレンズ収差の影響
をほとんど受けないこと。
【0067】尚、本発明にあっては、従来のシステムで
もそうであるように、作業終了迄の全過程についてこれ
を位置指定によって教示する訳ではないことには注意を
要する。例えば、ネジ締め作業の場合を想定すると、こ
の作業は大まかに分けると次のステップからなる。
【0068】(a) ネジを供給元からワーク上方の退
避位置まで運ぶ。
【0069】(b) ネジを退避位置からワークの螺孔
近辺まで移動させる。
【0070】(c) ネジを螺孔に挿合する。
【0071】(d) ネジを回転する。
【0072】上記ステップにおいて高精度の位置決めを
要求されるのはステップ(b)に関してであり、ツール
先端部に付けられたネジを螺孔付近まで正確に誘導する
ことができるか否かにティーチング操作の良否がかかっ
ている。従って、本発明ではこのような教示上の位置決
めに関する処理が関心の的であり、ステップ(c)、(
d)のような工程については前述したようにオペレータ
ーが表示画像を見ながらその都度教示操作を行なえば済
むことになる。
【0073】以下では、説明を簡単にするために、上記
したネジ締め作業を例示しながら、本発明に係る教示補
助の基本的な考え方について説明する。
【0074】いま、図3の(a)に示すように直交座標
系x−y−zにおいて空間中に2つの点A、Bをとり、
点Bを移動して点Aに重ね合わせる操作を想定する。前
述したネジ締め作業ではステップ(b)において点Bが
退避位置におけるネジの代表点、点Aが螺孔の代表点で
あると考えれば良い。
【0075】このように抽象化されたモデルにおいて、
図3の(b)に示すように点Bと点Aとを結ぶ線分Lを
ひき、これを点Bの軌跡としてこの上を移動させれば、
当然ながら最短距離で点Bを点Aに重ね合わせることが
できるという意味で、この線分は理想的な軌跡であると
言える。
【0076】この状況をx軸方向から眺めると、図4の
(a)に示すように点Bが線分L1上をz軸に対して平
行に移動しているように観察され、また、y軸方向から
眺めると、図4の(b)に示すように点Bがz軸に対し
てある角度をなす線分L2上を移動して行く様子が観察
されるはずである。
【0077】ところで、x軸方向から視たとき点Bが図
4(a)の線分L1上を移動するという条件を満たす軌
跡を考えた場合、このような軌跡は図5に示すように無
数存在することが判る。何故なら軌跡についてx軸方向
には何らの制限がないので、点A、Bを含む平面π内に
おいて、図4(a)に示すような見かけ上の移動を行な
う経路が多数許されるからである(図5参照。)。例え
ば、図示するように点Bと点Aとを結ぶ曲線R1や、点
Aに対してx座標のみを異にする点と点Bとを結ぶ曲線
R2、R3、・・・等が考えられ、後者の場合には点B
から点Aへの到達はもはや保障されない。
【0078】しかし、図4(b)に示すようなy軸方向
から見たときの軌跡L2を条件として課すと状況は一変
する。即ち、軌跡L1、L2を同時に満足する3次元軌
跡は一意に決定されることになり、図6に示す平面π内
の線分Lのみとなりこれが最短軌跡に一致することにな
る。
【0079】このように、視線方向を異にする2つの2
次元像において、互いに対応する2点をそれぞれ線分で
結び、双方の線分上に沿って動く点の軌跡が3次元空間
内の2点で最短距離をもつ理想的な軌跡に一致すること
になる。
【0080】本発明では、上記の点を踏まえて、視差を
もつ2以上のカメラで撮えた画像において、ロボットの
加工作用点とワークの加工点とをそれぞれ指定し、これ
らの2点を線分で結んだときに、各画像におけるロボッ
トの加工作用点が予定した線分上を移動するように位置
決め補正を行ない、3次元的に最短距離でロボットの加
工作用点をワークの被加工点に誘導することができるよ
うにしたものである。
【0081】図7は実施例に係るハードウェア構成の概
要を示したものである。
【0082】視差をもつ2つのテレビカメラ9L、9R
がワーク23をそれぞれ異なる視線方向から撮影し、そ
の画像信号が符号化部10L、10R(これらは前述し
た符号化部10と同様の機能をもつ)をそれぞれ経た後
ネットワーク等を介して中央計算機24に伝送される。 この場合、画像情報はバイト数が多いことを考慮すると
、できるだけ専用のインターフェースを使用し、中央計
算機24へはDAM(Direct Memory A
ccess)により転送することが望ましい。また、テ
レビカメラ9L、9Rについての視差は90°に近いこ
とが望ましい。これは、従来のステレオビジョン方式と
異なり、本発明では各画像情報を独立の情報として取り
扱うからである。 尚、テレビカメラ9L、9Rはロボットに付設しても良
いし、ロボットとは別の場所に配置しても良い。これは
、いずれにしてもロボットの加工作用点や被加工点が予
定した軌跡上を移動するように制御すれば良いからであ
る。
【0083】中央計算機24のコンソール25は、処理
結果の表示のためにビットマップを有する表示装置26
と、入力装置27としてキーボード27aやポインティ
ングデバイスとしてのマウス27bとを有している。
【0084】図8は中央計算機24内における、教示/
画像処理の手続を説明するためにプロセスをブロック図
として視覚的に表現したものであり、図9乃至図17は
ティーチング時における領域及び代表点の指定手順を説
明するための表示例を概念的に示したものである。
【0085】図8の各構成部の機能を説明するに先だっ
て、処理の概要を把握するために図9乃至図17に関す
る説明を行なう。
【0086】図示した画面は、テレビカメラ9L、9R
の撮えた画像情報が中央計算機24の表示装置26上に
映し出されるときの状況を示している。各カメラの画像
G(9L)、G(9R)がオーバーラップした状態でウ
ィンドゥに映し出されており、各画像の左上にはいずれ
のテレビカメラによって撮えられたものかを区別するた
めの文字表示(「Camera_L」や「Camera
_R」)がなされている。
【0087】図9乃至図16では「Camera_L」
についての画面が手前に映し出されており、図17では
この関係が入れ替わって「Camera_R」について
の画面が手前に映し出されているが、このような表示は
UNIXにおいて一般的に使用されている「X・ウィン
ドゥ」によって行なっている。
【0088】いま、作業内容としてネジ締め作業を想定
し、前述したステップ(b)に関する教示、即ち、ロボ
ットのツール先端部につけられたネジをワークの螺孔に
取り付けるにあたって、ネジの軌道を教示しようとして
いるものとする。
【0089】以下では、教示手順を図9乃至図17に従
って順に説明する。
【0090】I)初期表示(図9)。
【0091】先ず、画面上にはロボットのツール18の
先端部と、これに付けられたネジ19、そして、螺孔2
3aを有するワーク23が映し出されている。
【0092】II) 認識対象の指定(図10乃至図1
4)。
【0093】次に、認識範囲を限定するために領域を指
定する操作を行なう。これは、テレビカメラの撮えた全
画像を対象としたのでは処理時間が長くなってしまうか
らである。認識範囲に関して制限される領域は、この場
合ツール18の加工作用部を含む領域(以下、「第1指
定領域」と言う。)と、ネジ19をとりつけるべき螺孔
23aを含む領域(以下、「第2指定領域」と言う。)
である。
【0094】II−1) 第1指定領域の指定(図10
、図11)。
【0095】領域指定の仕方としては、例えば、領域の
左上の端と右下の端を指定し四角形状の枠で所望の部分
を囲むことによって指定する。
【0096】II−1−a) 左上端の指定(図10)
【0097】図示する矢印MCは位置指定のためのマウ
スカーソルであり、これをマウス27bによって所望の
位置に移動させた後、マウスボタンのクリックにより指
定する。
【0098】II−1−b) 右下端の指定(図11)
【0099】次にマウスカーソルMCの移動後にマウス
ボタンをクリックすると第1指定領域の右下端が指定さ
れ、これによって枠F(1)内の領域が第1指定領域と
して指定される。
【0100】II−2) 第2指定領域の指定(図12
、図13)。
【0101】次に、螺孔23aを含む第2指定領域の指
定操作に移るが、この操作も先と同様にして行なう。
【0102】即ち、図12に示すように、マウスカーソ
ルMCを移動して第2指定領域の左上端を指定した後、
図13に示すように第2指定領域の右下端を指定すると
、枠F(2)内の領域が第2指定領域として指定される
ことになる。
【0103】III)代表点の決定(図14、図15)
【0104】次に、各指定領域内における代表点(これ
らは前述した点Aや点Bに相当する。)を決定する。
【0105】III−1)第1指定領域に関する代表点
の指定(図14)。
【0106】図示するようにマウスカーソルMCを所望
の位置に移動させて代表点を指定する。この操作は図3
の点Bの指定を行なうことであり、この例ではネジ19
の先端に代表点P1を指定する。
【0107】III−2)第2指定領域に関する代表点
の指定(図15)。
【0108】この操作は図3の点Aの指定に相当し、I
II−1)と同様にマウスの操作によって行なう。そし
て、螺孔23aの中心に代表点P2を指定する。
【0109】IV) 線分の決定(図16)。
【0110】前記した2つの代表点P1、P2の指定が
なされると、両点間の最短軌跡が決定され、点P1−P
2間を結ぶ線分LL(L1又はL2に相当する。)が画
面表示される。
【0111】以上の操作により「Camera_L」に
よる画像についての領域指定が終了する。そして、次は
「Camera_R」による画像についての領域指定を
行なうためにウィンドゥ操作によって図17に示すよう
に画面を入れ替えて、前記した操作と同様の操作を行な
う。これによって3次元的軌跡を一意に決定するための
準備が整うことになる。
【0112】図8は上記した教示設定及びこれに続く教
示操作を具現化するための処理構成をブロック図で表現
したものである。尚、2つのテレビカメラによって得ら
れるそれぞれの画像についての処理は全く同様の手順で
行なわれるので、図ではその一方の画像に関する処理の
流れのみを示し、他方の画像についての処理については
図示を省略する。
【0113】処理は大まかに2つのブロックに分けるこ
とができる。その一は図10乃至図15で説明した領域
指定に関するブロックであり、画像情報をメモリにとり
込んだ後、第1、第2指定領域を切り出す処理に関与す
る。
【0114】即ち、符号化された画像信号(これを「G
S」と記す。)が入力されると、これらは先ず、初期画
像メモリ28に記憶される。この画像が図9に示したよ
うに表示装置26上に映し出される。
【0115】次に、オペレーターがマウス27bにより
、第1指定領域を指定すると、操作制御部29によって
第1指定領域の抽出に関する指令信号が領域抽出部30
に送出される。領域抽出部30は初期画像メモリ28か
ら第1指定領域に属する画像データを抽出した後、これ
らを標準パターンメモリ31(1)に転送する。第2指
定領域の指定に関しても全く同様の抽出処理が行なわれ
、抽出後の画像データは別の標準パターンメモリ31(
2)に記憶される。このように指定領域毎に対応した標
準パターンメモリが用意されている(これはメモリ領域
の区分のみによって実現できる。)。
【0116】その後、オペレーターにより第1、第2指
定領域に関する代表点P1、P2の指定がなされると(
図14、図15参照)、操作制御部29は2つの代表点
の座標からその間の線分に関する計算を行ない、その結
果を後述する線分誤差計算部に送出し、誤差計算上の参
照情報をとして登録する。これが目標の軌跡に相当する
【0117】そして、領域や代表点の指定後におけるロ
ボットの教示操作時にはテレビカメラによって刻々と撮
えられた画像情報が表示制御部32によって再現されて
表示装置26上に映し出される。
【0118】次に続くブロックは教示操作に関与し、標
準パターンメモリ31(1)、31(2)のデータに基
づいて相関演算によりパターンマッチング処理を行ない
、画像の変化に伴なう指定領域の変化を追跡し、代表点
の位置とその目標値との誤差を求めてロボットの動きに
対する位置補正を行なうものである。
【0119】図示するようにこのブロック図では符号化
信号GSが相関演算部33に入力され、相関演算部33
→領域検出部34→代表点のオフセット登録部35→線
分誤差計算部36→修正値計算部37へと続く一連の手
続がなされる。
【0120】即ち、オペレーターによる教示操作時には
操作制御部29からロボットの数値制御装置に指令が送
られてロボットのツール先端部が微小な間隔で移動され
ることになるが、その時々において変化する画像から、
標準パターンメモリ内の参照データを用いて相関演算が
行なわれ、各指定領域に該当する領域の検出が行なわれ
る。
【0121】図18はこの状況を概念的に示すもので、
画像G(31)は標準パターンメモリ31(1)に記憶
されている画像データの内容を示し、画像G(34)は
ロボットのツール先端の移動後においてテレビカメラの
撮えた画像のうちから第1指定領域に相当する領域を相
関演算後抽出したときの画像データの内容である。
【0122】当然ながら背景物38の位置が両画像では
異なっているが、こうして領域抽出された画像G(34
)に関するデータが新たな標準パターンとして採用され
、次回の領域抽出に用いられる。即ち、標準パターンメ
モリ31(1)の内容が更新され、相関演算及び領域抽
出時には常に少し前の時刻における領域データが標準パ
ターンとして参照されるようになっている。これは標準
パターンメモリの内容が常に一定(つまり、初期画像メ
モリ28内のデータのうち領域抽出部30によって取り
出されたデータ)していたのでは、ロボットのツール先
端部の移動に伴なって、それと背景物との相対的な関係
が変化するという状況に対処できず、相関検出の精度が
低下するためである。即ち、相関検出時に参照する画像
データは時間的に近い画像データとした方が好ましい。
【0123】尚、相関演算や領域検出は、第2指定領域
についても同様にして行なわれる。これは、テレビカメ
ラがロボットのツール搭載部に取り付けられているよう
な場合には、ツールが下がるにつれてワークについても
カメラ画像が変化するからである。
【0124】領域検出後には、抜き出された領域内の代
表点のオフセット(ずれ分)が算出される。この際、操
作制御部29から領域検出部34に対して指定領域にお
ける代表点位置に関する情報が与えられるが、これにつ
いては最初に一旦知ってしまえば何回も参照する必要は
ない。つまり、その後における代表点の位置変化は、代
表点と領域との間の相対的な位置関係だけで求めること
ができるからである。
【0125】図19はこの時の状況を示すものであり、
例えば、実線の四角枠で囲んだ領域A(1)が初期設定
時の第1指定領域を示しており、領域内に代表点P(1
)が指定されているものとする。その後少しの時間経過
の後にツール先端部が移動したときの画像情報から相関
検出により抽出された領域をA(2)とすると、その代
表点P(2)は領域A(2)内での相対位置が常に決ま
っていることから直ちに求められる。こうして現在の代
表点位置と時間的に少し前の代表点位置とのオフセット
OFが算出されることになる。
【0126】続いて、代表点が理想的な軌跡上に乗って
いるかどうか、もしそうでないとすると誤差がどれだけ
かが、線分誤差計算部36により求められる。
【0127】即ち、線分誤差計算部36には、前述した
ように操作制御部29から制御目標としての軌跡に関す
る情報が予め与えられているので、代表点がこの軌跡上
にあるべき本来の位置と、実際の位置との間の誤差が計
算され、エラー信号(図では「SL(e)」と記す。)
が修正値計算部37に送出される。
【0128】修正値計算部37では、ロボットの動作に
対する制御上の修正値を計算してこれをロボットの数値
制御装置に送出し、ロボットを微小距離だけ動かして、
代表点が予定した軌跡上に乗るようにツール先端部の位
置補正を行なう。図20は代表点P(2)が理想軌跡か
ら誤差eをもってずれている状況を示しており、この誤
差eがゼロになるように位置補正が遂次に行なわれるこ
とになる。このような処理は他方のテレビカメラ9Rに
関する画像についても同様に並行して行なわれ、そのエ
ラー信号(図では「SR(e)」と記す。)が修正値計
算部37に送られてくるようになっているため、修正値
計算部37ではこれらの誤差に基づいてロボットのツー
ル先端部の微小な位置補正がなされる。
【0129】そして、ロボットの加工作用部に関する代
表点が螺孔の中心に相当する代表点に最終的に重なる迄
上記した一連の処理が行なわれる。
【0130】尚、軌道修正に関する修正値の決定にあた
っては、例えば、特開昭59−97868(特公平1−
55953)号公報に示されているように、ロボットに
ついての微小距離の移動を雷紋(方形の渦巻)状に行な
うのが効果的である。即ち、ロボットの動きに関して微
小移動による変分を発生させ、該変分が最小となるよう
に制御することによってネジを漸次に、螺孔に近づけ、
最終的にこれに触れさせることで位置のティーチングを
行なおうとするものである。
【0131】しかし、精密加工に関するティーチング時
には上記した渦状の運動は周囲の環境によっては許され
ない場合(例えば、ワークの他の部分にツール先端部が
干渉するような場合等)がある。このときには予め代表
点の軌跡(線分)をカメラ視角から計算し、代表点がこ
の軌跡に沿うようにロボットを制御するという手法を採
ることもできるが、これではカメラの視角等を予め知ら
なくて済むという本発明の趣旨を没却しかねない。そこ
で、このような場合には、軌道修正時の微小移動量を更
に小さくすると共に、旋回半径を小さくすれば良い。
【0132】ところで、本発明ではテレビカメラによっ
て得られる複数の画像について、それぞれの軌跡をポイ
ンティングデバイスにより独立して指示するという手法
を採っているため、その指示の仕方によっては軌跡の終
端部において各画像間での対応関係がとれなくなるとい
う不整合の問題が生じ得る。
【0133】この様子を図示したものが図21である。 左側の部分がテレビカメラ9Lによる画像を示し、LO
が代表点の軌跡を示しており、その終端が当該画像上の
螺孔の代表点P(LO)である。また右側の部分がテレ
ビカメラ9Rによる画像を示し、ROが代表点の軌跡を
示しており、その終端が当該画像上の螺孔の代表点P(
RO)である。そして、軌跡LO、RO上の代表点同士
の対応関係を矢印のついた細線によって表現している。 ツール先端部の微小移動に伴なって代表点が下がって行
き、テレビカメラ9Lの画像において軌跡LOの末端P
(LO)に達したときには本来、テレビカメラ9Rの画
像では代表点が軌跡ROの末端P(RO)に達するはず
であるが、終端位置の指定を各画像毎に独立して行なっ
ているため、図示するように、例えば、テレビカメラ9
R側の画像では他方のカメラ画像に対応しない不整合部
分39が生じ得る。この場合にはこの不整合部分は無視
し、この時点で軌跡のトレース(追跡)を終了すれば良
い。
【0134】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、[請求項1]及び[請求項2]に係る発明によれば
、オペレーターが中央計算機の操作卓にいながらにして
ロボットとワークとの関係について画像表示を見ながら
教示することができることは勿論、ロボットに関する表
示画像の切換操作のためにセレクタ、あるいは画像合成
のための特殊なハードウェアを付設する必要がなく、ネ
ットワークによる情報処理能力を生かして各ロボットに
ついての画像表示の選択を容易に行なうことができる。 つまり、中央計算機を核としたロボットシステムにおい
てはネットワークの存在が不可欠な状況になってくるた
めネットワーク自体は既存の設備であり、これを画像情
報の伝送に用いることによって、新たな設備の付加を伴
なうことなくロボットの監視を簡単に行なうことができ
、教示者が遠隔地から安全な状態でロボットへの教示を
行なうことができる。
【0135】また、[請求項3]乃至[請求項5]に係
る発明によれば、被加工物の形状を予め知らないと高い
精度の位置決めが保証できないという従来の立体視法の
もつ問題が解消され、セグメンテーション処理等の、ノ
イズ除去が重要な要因となる処理を含まず、かつ、弛緩
法等の手法を用いることなく認識精度の高い決定論的な
処理を行なうことができ、高い位置決め精度を得るため
の教示補助を実現することができる。そして、復元画像
に関する指定領域には従来からハードウェア化の容易な
パターンマッチング法(相関法等)に係るアルゴリズム
を用いて高速な処理を図ることができ、かつ、各復元画
像に関する画像処理は、各々独立して並行処理されるた
め(つまり、パターンの対応関係に関するチェックを厳
しくする必要がない。)、教示と視覚認識とを一緒に行
なうことによって処理時間の短縮化を図ることができる
。さらに、撮影手段のレンズ収差の影響ををほとんど受
けず、また、そのズーム倍率にも無関係であり、アルゴ
リズムについては、軌跡決定時における線分の長さその
ものには拘泥されない。よって、例えば、精密加工を要
する場合には、粗い精度での教示過程の後に精度の高い
教示過程を経るというような段階的な教示操作を、各過
程での撮影手段のズーム倍率を可変することで行なうこ
とができる。こうして、教示段階での高精度の位置決め
をネットワークの活用により容易に実現することができ
、従来の立体視法と同等以上の効果を得ることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例について示す構成図である
【図2】本発明に係る画像表示例を示す図である。
【図3】本発明における基本的な概念を説明するための
グラフ図であり、(a)は座標点の位置を示す斜視図、
(b)は理想的な軌跡について示す斜視図である。
【図4】(a)は図3においてx軸に平行な方向から見
たときのy−z図であり、(b)は図3においてy軸に
平行な方向から見たときのx−z図である。
【図5】x座標の値が特定されない場合において平面π
に許される無数の軌跡の存在を説明するための斜視図で
ある。
【図6】図4及び図5の両条件を満たす平面π内の唯一
の軌跡を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る装置を概略的に示す構成図である
【図8】本発明における教示/画像表示処理の流れを説
明するための構成図である。
【図9】テレビカメラによって撮えられた画像の表示例
を示す図である。
【図10】第1指定領域の左上端を指定する際の画像を
示す図である。
【図11】第1指定領域の右下端を指定したときの画像
を示す図である。
【図12】第2指定領域の左上端を指定する際の画像を
示す図である。
【図13】第2指定領域の右下端を指定したときの画像
を示す図である。
【図14】第1指定領域内の代表点を指定する際の画像
を示す図である。
【図15】第2指定領域内の代表点を指定する際の画像
を示す図である。
【図16】代表点間を結ぶ線分を示す図である。
【図17】カメラ画像が切り換えられた状態を示す図で
ある。
【図18】標準パターンメモリの更新に関する説明のた
めの概念図である。
【図19】ロボットの動きに伴なう代表点の位置変化に
ついて示す図である。
【図20】代表点と軌跡との関係を示す図である。
【図21】軌跡の終端部における不整合について説明す
るための図である。
【図22】従来例を示す概略図である。
【図23】図21とは別の従来例を示す概略図である。
【図24】テレビカメラを用いたロボットの教示システ
ムを示す概略図である。
【図25】ネットワークを用いたロボットシステムの構
築例を示す概略図である。
【図26】セレクタによって画像表示の切換を行なうよ
うに構築されたシステム例を示す概略図である。
【図27】従来の立体視法を用いた画像処理のシステム
構成例を示す図である。
【図28】図27の装置における画像処理の流れを概念
的に説明するための図である。
【符号の説明】
1  教示補助装置 3  ネットワーク手段 4  通信手段 5  ロボット 9  撮影手段 10  符号化手段 11  通信手段 12、13  画像処理手段 15  入力部 15b  画面位置指定手段 16  表示手段 18、19  ロボットの加工作用部 20  被加工物 9L、9R  撮影手段 10L、10R  符号化手段 23  被加工物 24  中央計算機 26  表示手段 27  入力部 27b  画面位置指定手段 28、29、30  設定手段 31(1)、31(2)  パターンメモリ32  画
像処理手段 33、34  領域検出手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ロボットの動作に関するプログラムを
    作成しプログラムの管理を行なうとともにロボットの操
    作や選択のための入力部を有する中央計算機と、各ロボ
    ットの数値制御装置と中央計算機とを結ぶネットワーク
    手段とを備えたロボットの教示補助装置であって、ロボ
    ットの加工作用部と被加工物とを含む領域を撮影するた
    めの撮影手段と、撮影手段の撮えた画像信号を符号化す
    る符号化手段と、符号化されたロボット毎の画像情報を
    ロボットの識別情報とともにネットワーク手段に送出す
    る通信手段と、ネットワーク手段による伝送情報のうち
    中央計算機の入力部によって指定されたロボットに関す
    る画像情報を選択的に受け取る通信手段と、選択された
    画像情報を復元して表示処理を行なう画像処理手段と、
    画像表示のための中央計算機の表示手段と、を設けたこ
    とを特徴とするロボットの教示補助装置。
  2. 【請求項2】  請求項1に記載したロボットの教示補
    助装置において、画像処理手段が、入力部により指定さ
    れたロボットの画像情報と、ロボットのツール先端部に
    対する位置の移動指定に関する表示情報とを画面合成し
    て表示手段に映し出すとともに、入力部の一部をなす画
    面位置指定手段からの指令によって画像表示に関するロ
    ボットの指定を変更し各ロボットの画像情報を任意に切
    り換えて表示手段に画面表示することができるようにし
    たことを特徴とするロボットの教示補助装置。
  3. 【請求項3】  ロボットの動作に関するプログラムを
    作成しプログラムの管理を行なうとともにロボットの操
    作や選択のための入力部を有する中央計算機と、ロボッ
    トの数値制御装置と中央計算機とをつなぐ通信手段とを
    備えたロボットの教示補助装置であって、ロボットのツ
    ール先端部とワークを含む領域を撮影するために設けら
    れ、かつ、視差をもって配置された複数の撮影手段と、
    各撮影手段からの画像信号を符号化した後通信手段に送
    出する符号化手段と、通信手段から送られてくる伝送情
    報のうち中央計算機の入力部によって指定されたロボッ
    トに関する複数の画像情報を受け取り画像情報を復元し
    て表示処理を行なう画像処理手段と、画像表示のための
    中央計算機の表示手段と、各撮影手段に対応したそれぞ
    れの復元画像上において、ロボットの加工作用部の移動
    に関する始点位置と被加工点の位置とをそれぞれ代表す
    る2つの代表点を入力部によって指定すると、両代表点
    を結ぶ線分を算出し、教示操作時にロボットの加工作用
    部の移動に伴なって両代表点が予定した線分を軌跡とし
    て移動するようにロボットを微小に移動させて位置補正
    し、最終的に2つの代表点が一致するようにロボットの
    加工作用部の位置決めを行なう教示補助制御手段と、を
    設けたことを特徴とするロボットの教示補助装置。
  4. 【請求項4】  請求項3に記載した教示補助制御手段
    が、入力部からの指令を受けて各撮影手段に対応する復
    元画像中に2つの指定領域を設定するとともに各指定領
    域内に代表点の指定を行なう設定手段と、指定領域内の
    画像データを記憶するためのパターンメモリと、ロボッ
    トの移動に伴なって刻々と得られる画像情報とパターン
    メモリ内の画像情報との間のパターンマッチング処理に
    よって復元画像情報から各指定領域に相当する領域を検
    出する領域検出手段と、領域検出手段によって決定され
    た領域において代表点の占める位置を求め、この位置と
    予定した線分軌跡上の目標点位置との間の誤差を求めロ
    ボット数値制御装置への制御修正値とする位置決め補正
    手段と、を有することを特徴とするロボットの教示補助
    装置。
  5. 【請求項5】  請求項4に記載した教示補助制御手段
    において、領域検出手段によって得られる領域内の画像
    データを、該領域内の代表点位置を求めた後に抽出して
    改めてパターンメモリに記憶させメモリ内容の更新を行
    なうようにしたことを特徴とするロボットの教示補助装
    置。
JP4400391A 1991-02-18 1991-02-18 ロボットの教示補助装置 Pending JPH04263301A (ja)

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JP4400391A JPH04263301A (ja) 1991-02-18 1991-02-18 ロボットの教示補助装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08166814A (ja) * 1994-12-15 1996-06-25 Fanuc Ltd ロボット用教示操作盤
JP2008531320A (ja) * 2005-03-04 2008-08-14 ファナック ロボティクス アメリカ,インコーポレイティド プログラム可能な制御装置へのティーチング装置の柔軟な接続

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JPH08166814A (ja) * 1994-12-15 1996-06-25 Fanuc Ltd ロボット用教示操作盤
JP2008531320A (ja) * 2005-03-04 2008-08-14 ファナック ロボティクス アメリカ,インコーポレイティド プログラム可能な制御装置へのティーチング装置の柔軟な接続

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