JPH04262297A - 残留熱除去設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電設備の残留
熱除去設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】本発明に関連した公知例として、特許第
１，５３７，６５９号（特開平１−１９１１８号公報）
がある。本公知例に示されている残留熱除去設備を図５
に示す。残留熱除去設備は、原子炉圧力容器１内の冷却
材を、吸込配管３を用いて取り出し、ポンプ４で昇圧し
熱交換器６で冷却した後、吐出配管５を経由して、再度
、原子炉圧力容器１に戻す設備である。本公知例に示す
ように、熱交換器７はポンプ４の下流側に配置されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような従来例では
、ポンプの下流側に熱交換器が配置されるため、熱交換
器に加わる圧力は、原子炉圧力相当の圧力にポンプの吐
出圧力を加えた高い圧力となっている。このため、熱交
換器の伝熱管から循環配管側へ漏洩するポテンシャルを
高めていた。又、循環配管側への漏洩を防止するため、
加圧ラインを持ったサージタンクを設置し、循環配管側
の運転圧力を残留熱除去設備より高い圧力にする必要が
あった。

【０００４】更に、ポンプには原子炉圧力容器内の冷却
水又はサプレッションプール水の冷却されていない高温
の流体が吸込まれるため、ポンプのキャビテーション防
止上、ポンプ吸込水頭を確保する必要が生じる等の制約
条件が多いものとなっていた。本発明の第一の目的は、
熱交換器に加わる運転圧力を低減し、熱交換器の伝熱管
から循環配管側へ漏洩するポテンシャルを低減すること
にある。

【０００５】本発明の第二の目的は、ポンプの吸込温度
を低減し、ポンプのキャビテーション防止上の制約条件
を緩和することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】第一及び第二の目的を達
成するために、熱交換器をポンプ上流側に配置する。ま
た、他の目的を達成するために、熱交換器及びポンプを
バイパスする配管及び弁を設置する。

【０００７】

【作用】熱交換器をポンプの上流側に配置することによ
り、熱交換器に加わる運転圧力は原子炉圧力相当分の圧
力となるため、ポンプ吐出圧力分の圧力を低減すること
ができる。又、熱交換器に加わる運転圧力の低減にとも
ない、循環配管を加圧するサージタンクの加圧圧力を低
減することができる。更に、熱交換器で冷却された流体
がポンプに吸込まれてポンプ吸込温度の低減が可能とな
る。

【０００８】熱交換器にバイパス配管及び弁を設け、熱
交換器への通水流量を一部バイパスさせることにより、
ポンプの吸込温度を調整することが可能となる。

【０００９】熱交換器及びポンプにバイパス配管及び弁
を設け、熱交換器への通水流量を一部バイパスさせるこ
とにより、ポンプの吸込温度を調整することが可能とな
る。又、ポンプのミニマムフロー運転時にバイパス配管
を用いるのでミニマムフロー運転が可能となる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の熱交換器をポンプの上流側に
配置した、一実施例を図１により説明する。

【００１１】残留熱除去設備は、原子炉圧力容器１，サ
プレッションプール２ａ，吸込配管３，サプレッション
プール側吸込配管３ａ，熱交換器６，熱交換器入口弁７
，熱交換器出口弁８，吐出配管５，注入弁９，ミニマム
フロー配管１０，ミニマムフロー弁１１より構成されて
いる。残留熱除去設備は、通常の原子炉停止時の残留熱
除去と冷却材喪失事故時の炉心冷却を目的に運転される
設備である。

【００１２】原子炉停止時の残留熱除去運転では、原子
炉圧力容器１の冷却材を、吸込配管３を用いて取り出し
、熱交換器６で冷却した後、ポンプ４で昇圧し注入配管
５を介して、再度、原子炉圧力容器９に戻す運転となる
。熱交換器６の出入口側には、それぞれ熱交換器入口弁
７，熱交換器出口弁８を設け、又、吐出配管５には注入
弁９を設置する。熱交換器入口弁７及び出口弁８は熱交
換器６を原子炉圧力容器１から隔離する。又、注入弁９
は、開度を調整することにより吸込配管３及び吐出配管
５内を流れる流体の流量を調整する。熱交換器６には、
循環ポンプ２０及び冷却器２１が設置される循環配管２
４が接続される。又、循環配管２４には、循環ポンプ２
０の押込圧力を確保し、循環配管２４内を加圧するため
にサージタンク２２及び加圧ライン２３を設ける。

【００１３】冷却材喪失事故時の炉心冷却運転時には、
サプレッションプール２ａを水源としサプレッションプ
ール側吸込配管３ａを用いて取り出されたサプレッショ
ンプール水を熱交換器６で冷却した後、ポンプ４で昇圧
し注入配管５を介して原子炉圧力容器１に注水する運転
となる。原子炉が再冠水された状態では、ポンプ４を運
転状態で待機させるので、低流量による過熱からポンプ
を保護するためにミニマムフロー弁１１を開き、ミニマ
ムフロー配管１０を用いたミニマムフロー運転を行う。

【００１４】以上の残留熱除去設備において、系統運転
時に熱交換器に加わる運転圧力及びポンプの吸込温度の
評価例を図２に示す。図２は、原子炉停止時の運転をベ
ースに説明する。図６には、従来の残留熱除去設備の停
止時冷却時の残留熱除去運転に熱交換器に加わる運転圧
力、及び、ポンプの吸込温度を評価例を示す。

【００１５】本実施例によれば、熱交換器６に加わる運
転圧力は、原子炉圧力容器相当分のみの圧力とすること
ができる。又、ポンプの吸込温度は、熱交換器６で冷却
されるため熱交換器出口温度とすることができる。

【００１６】図３に、熱交換器にバイパス配管及び弁を
設けた一実施例を示す。

【００１７】熱交換器の出入口配管にバイパス配管１２
及びバイパス弁１３を設ける。ポンプの吸込温度の調整
は、バイパス弁１３の開度を調整し、バイパス配管１２
の通水流量を調整することにより行うことができる。

【００１８】図４に、熱交換器及びポンプにバイパス配
管及び弁を設けた一実施例を示す。熱交換器及びポンプ
の出入口配管にバイパス配管１２及びバイパス弁１３を
設ける。ポンプの吸込温度調整は、バイパス弁１３の開
度を調整し、バイパス配管１２の通水流量を調整するこ
とにより行うことができる。又、ミニマムフロー運転を
行う場合には、バイパス弁３を開くことによりミニマム
フロー流量の確保が可能である。又、ミニマムフロー運
転時に発生するポンプからの入熱は、バイパス配管１２
を用い、熱交換器６に再通水させことにより除熱するこ
とが可能である。

【００１９】

【発明の効果】熱交換器をポンプの上流側に配置するこ
とにより、熱交換器に加わる運転圧力をポンプ吐出圧力
分だけ低減でき、熱交換器の伝熱管から循環配管側へ漏
洩するポテンシャルの低減を図ることができる。更に、
熱交換器に加わる運転圧力を低減することにより、循環
配管内を加圧するためのサージタンク加圧圧力をポンプ
揚程分の圧力だけ低減することができる。

【００２０】又、ポンプ吸込温度を熱交換器の冷却能力
分だけ低減させることによりポンプＮＰＳＨの制限を緩
和することができる。ポンプのＮＰＳＨを緩和させるこ
とにより、ポンプの構造を縦型多段式（バーレル方式）
から縦型多段式（床上設置）に変更等の構造改善を図る
ことが可能となりポンプの小型化、保守性の向上が図れ
、配置上の自由度が増すことになる。

【００２１】熱交換器及びポンプにバイパス配管及び弁
を設けたことにより、ポンプの吸込温度の調整が可能と
なる。又、バイパス配管は、ミニマムフロー配管との兼
用が可能になるので、従来より設置していた原子炉格納
容器に戻るミニマムフロー配管、弁の削除及び原子炉格
納容器貫通部の削減が可能となり設備の合理化及び運転
性の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のポンプ上流側に熱交換器を配置した残
留熱除去設備の系統図。

【図２】本発明の残留熱除去設備の運転圧力及び温度の
説明図。

【図３】本発明の第二の実施例を示す系統図。

【図４】本発明の第三の実施例を示す系統図。

【図５】従来のポンプ下流側に熱交換器を配置した残留
熱除去設備の系統図。

【図６】従来の残留熱除去設備の運転圧力及び温度の説
明図を示す。

【符号の説明】

１…原子炉圧力容器、２…原子炉格納容器、３…吸込配
管、４…ポンプ、５…吐出配管、６…熱交換器、９…注
入弁、１０…ミニマムフロー配管、２０…循環ポンプ、
２１…冷却器、２２…サージタンク、２３…加圧ライン
、２４…循環配管。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】熱交換器、ポンプ、弁及び配管系からなる
   残留熱除去設備において、前記ポンプの上流側に前記熱
   交換器を配置した事を特徴とする残留熱除去設備。
2. 【請求項２】請求項１において、前記熱交換器をバイパ
   スする配管及び弁を設けた残留熱除去設備。
3. 【請求項３】請求項１において、前記熱交換器及び前記
   ポンプをバイパスする配管及び弁を設けた残留熱除去設
   備。