JPH042617B2

JPH042617B2 -

Info

Publication number: JPH042617B2
Application number: JP62100094A
Authority: JP
Priority date: 1987-04-24
Filing date: 1987-04-24
Publication date: 1992-01-20
Also published as: JPS63265960A

Description

【発明の詳細な説明】

［産業上の利用分野］本発明は無機充填剤に係るものである。［従来の技術］各種樹脂に難燃性を付与する手段として、水酸
化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、ハイドロタルサイト等の金属の酸化
物や炭酸化物を樹脂中に添加することが行なわれ
ている。この場合、これらの添加量は効果の点か
ら一般にかなり多量に用いられるのが普通であ
る。［発明の解決しようとする問題点］しかしながら、これら添加物は一般に親水性で
ある為、樹脂中での分散が悪く、樹脂本来の物性
が著しく損われる欠点がある。又、水酸化マグネシウムや塩基性炭酸マグネシ
ウムにあつては、上記欠点に加え、耐酸性が悪く
なる欠点を有している。これら欠点に対し、樹脂への分散性の改良、物
性維持、耐酸性の向上を目的としてアニオン系界
面活性剤による表面処理が提案されている。（特
公昭57−28421号公報参照）しかしながら、かかる処理を行なつても尚、十
分満足し得るものでなく、特に耐酸性については
未だかなり不満足である。［問題点を解決する為の手段］本発明者は従来技術が有する上記欠点を排除
し、耐水性、耐酸性を十分なものにし、高温、高
湿下においても十分使用に耐え得る難燃性樹脂組
成物を得ることを目的として種々研究、検討した
結果、水酸化マグネシウム等の無機質粉体をリン
酸アルキルエステルにより処理したものを樹脂中
に添加することにより、前記目的を達成し得るこ
とを見出した。かくして本発明は、（但し、Ｒ：炭素数８〜22の脂肪族炭化水素基、
ｎ＝１，２，３）で表されるリン酸エステルによ
つて処理した、水酸化マグネシウムからなる無機
質充填剤を提供するにある。本発明において用いられるリン酸エステルとし
ては例えばモノステアリルリン酸エステル、モノ
ラウリルリン酸エステル、モノオレイルリン酸エ
ステル等のC₈〜C₂₂の長鎖アルキルエステルまた
は長鎖アルケニルエステルが好ましい。更に、水
酸化マグネシウムを処理したとき、リン酸エステ
ルで処理した場合と同じ生成物を生成するよう
な、リン酸エステルの塩等の誘導体も用い得る。水酸化マグネシウムに対するリン酸エステルの
処理量は、水酸化マグネシウム100部に対し0.05
〜10部、好ましくは0.1〜５部が適当である。その処理手段としては特に制限はなく、例えば
乾式法としてヘンシエル中に水酸化マグネシウム
を入れ、処理剤を直接或は適当な溶媒で希釈して
添加し、十分撹拌する手段や湿式スラリー法等を
適宜採用し得る。その他、水酸化マグネシウムと
高分子重合物とを混練する時に同時に処理剤を投
入するインテグラルブレンド法等も採用し得る。本発明の無機質充填剤は、樹脂（特に熱可性樹
脂）やゴム類等の高分子重合物に配合して使用す
ることができる。熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフイ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリフエニレン
サルフアイド、ウレタン、エチレンビニルアセテ
ート等が、又ゴム類としては例えば、天然ゴム、
イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタ
ジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、
ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、多
硫化ゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴ
ム等が夫々挙げられる。そしてこれら高分子重合
物は夫々単独或は数種を併用することや所望によ
り共重合して用いることも可能である。かくしてこれら高分子重合物と、リン酸エステ
ルで処理された水酸化マグネシウムとの混合手段
としては特に制限はなく、これらを均一に混合し
得る手段であるなら適宜な手段を採用し得る。例
えば、押出混練、ロール混練、バンバリーミキサ
ーによる混練等が挙げられる。又成形体を得るこ
ともでき、この場合には射出成形、押出し成形、
プレス成形等を採用し得る。更に本発明においては、これら高分子重合物に
対し、本発明の目的を逸脱しない限り他の適宜な
添加剤を併用することもできる。かかる添加剤と
しては例えば、ガラスフアイバー等の充填材、カ
ーボンブラツクや酸化チタン等の顔料や着色剤、
ジラウリルチオジプロピオネート等の酸化防止
剤、ステアリン酸亜鉛等の滑剤、２−ヒドロキシ
−４−オクトキシベンゾフエノン等の紫外線吸収
剤類等が挙げられる。［実施例］以下実施例等において用いた試験方法は次の如
くである。耐水性：飽和水蒸気気相にサンプルを吊し、
CO₂ガスを100℃、圧力３Kg／cm²Ｇ下に
40時間接触せしめてCO₂に対する反応性
を外観変化及び重量変化で評価した。引張りテスト：JIS−Ｋ−7113による。トルクの測定：ラボプラストミル（東洋精機(株)
製）を用い、樹脂と粉体とを150℃で混
練したときのトルクを測定し、加工性の
目安とした。実施例１〜３粉状の水酸化マグネシウム（以下水マグとい
う）１Kgに、ジ・トリデシルリン酸エステルをそ
れぞれ20ｇ，50ｇ，100ｇ投入しヘンシエルミキ
サーを用いて常温で30分間高速撹拌処理した。こ
の表面処理した水マグを低密度ポリエチレン100
部に対し、170部、他にカーボンブラツク２部を
ロール混合しプレス成形して30mm×1.5mmｔのシ
ートを得た。試験結果を表１に示す。実施例４〜７水マグ１Kgに対し、表２の各種アルキルリン酸
エステルをそれぞれ20ｇ，ヘンシエルミキサーを
用い常温で30分間高速で撹拌処理した。この処理
水マグを実施例１〜３と同様の方法で混練、プレ
ス成形し試料とした。試験結果を表３に示す。比較例１〜２表面処理剤としてオレイン酸およびステアリン
酸をそれぞれ水マグ１Kgに対し20ｇ処理する他
は、実施例１〜７と同様の処理を行なつて試験し
た。結果を表３に示す。

【表】

Claims

【特許請求の範囲】１（但し、Ｒ：炭素数８〜22の脂肪族炭化水素基、
ｎ＝１，２，３）で表されるリン酸エステルによ
つて処理した、水酸化マグネシウムからなる無機
質充填剤。２リン酸エステルの処理量は、水酸化マグネシ
ウム100部に対し0.05〜10部である特許請求の範
囲第１項記載の無機質充填剤。