JPH04259553A - ドクター装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、グラビア印刷機等にお
いて、版胴の周面に付着した不要なインキを掻き落すド
クター刃を備えたドクター装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上記グラビア印刷機等においては、版胴
に対するドクター刃の接触角度、つまり図６に示すよう
に、版胴１の中心点Ｏからドクター刃４１の接触点に向
けて延びる線と、ドクター刃の設置角とがなす角度αに
応じて、印刷画像の色調が大きく変化し、適正な色調の
印刷画像を得るためには、上記ドクター刃の接触角度を
３０°程度に設定する必要があることが知られている。

【０００３】従来、上記ドクター刃４１を保持するブレ
ードホルダー４２と、このブレードホルダー４２を昇降
駆動するラック軸４３を備えた昇降駆動手段４４と、支
持軸４５を支点にしてブレードホルダー４２を回動操作
することによってドクター刃４１の設置角を調節する角
度調節手段４６と、ブレードホルダー４２を支持ブロッ
ク４７に沿って水平移動させるねじ送り機構からなる水
平駆動手段４８とを有するドクター装置を、グラビア印
刷機の印刷部に設けることが行われている。

【０００４】上記ドクター装置は、印刷する図柄の変化
に対応して版胴１を交換する際に、その直径の変化に応
じて上記昇降駆動手段４４、角度調節手段４６および水
平駆動手段４８をそれぞれれ操作することにより、ドク
ター刃４１の接触角度αを調節するように構成されてい
る。例えば図６の実線で示すように大径の版胴１から、
仮想線で示すように小径の版胴１ａに交換する際には、
その直径の減少に応じて、昇降駆動手段４４の操作ハン
ドル４９を回動操作してブレードホルダー４２を下降さ
せるとともに、水平駆動手段４８の操作ハンドル５０を
回動操作してドクター刃４１の先端部を版胴１ａに接近
させるように、上記ブレードホルダー４２を水平移動さ
せることにより、版胴１ａに対するドクター刃４１の接
触点を適正位置に設定し、かつ角度調節手段４６の操作
ハンドル５１を回動操作してドクター刃４１の設置角を
調節することにより、版胴１ａに対するドクター刃４１
の接触角度αを３０°程度に設定するようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のように版胴を直
径が異なるものに交換する際に、昇降駆動手段、角度調
節手段および水平駆動手段をそれぞれ操作することによ
り、ドクター刃の接触角度等を調節するものでは、上記
昇降駆動手段および水平駆動手段の作動量が少しでも変
化すると、ドクター刃の接触点が基準位置からずれるこ
とになるため、この接触点のずれに応じてドクター刃の
接触角度が変化することになる。したがって、上記接触
角度を適正値に設定するには、ドクター刃の位置を確認
しながら上記昇降駆動手段および水平駆動手段を少しず
つ操作して接触点のずれを防ぐという煩雑な操作が必要
となり、その操作に熟練度が要求されるという問題があ
る。

【０００６】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、熟練度を要することなく、版胴に対す
るドクター刃の接触点および接触角度を簡単かつ適正に
設定することができるドクター装置を提供することを目
的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、版胴の周面に
付着した不要なインクを掻き落すドクター刃を有し、版
胴を交換する際にその直径の変化に応じてドクター刃の
設置位置を調節するように構成されたドクター装置にお
いて、ドクター刃を保持するブレードホルダーと、この
ブレードホルダーを支持する支持軸と、この支持軸を昇
降駆動する昇降駆動手段と、この昇降駆動手段の作動時
に上記支持軸を案内するガイド部材とを設け、大径の版
胴に対するドクター刃の接触点と、小径の版胴に対する
ドクター刃の接触点とを結ぶ線と略平行に上記ガイド部
材を配設したものである。

【０００８】

【作用】上記構成の本発明によれば、版胴を直径の異な
るものに交換する際に、昇降駆動手段によって支持軸を
昇降駆動してブレードホルダーを上下動させる操作に応
じ、上記支持軸がガイド部材に沿ってスライド変位する
ことにより、ブレードホルダーが水平方向にも移動して
ドクター刃が予め設定された接触点に移動することにな
る。

【０００９】

【実施例】図１および図２は、版胴１と、圧胴２との間
に供給される帯状の印刷物からなるウェブ３にインキを
塗布するグラビア印刷機等において、その印刷部に設置
された本発明に係るドクター装置の実施例を示している
。このドクター装置は、上記版胴１の周面に付着した不
要なインクを掻き落すドクター刃４と、このドクター刃
４を挾持する挾持部５およびその保持部６からなるブレ
ードホルダー７と、このブレードホルダー７を水平移動
させる水平移動手段８と、上記ブレードホルダー７およ
び水平移動手段８を支持する支持軸９と、この支持軸９
を昇降駆動する昇降駆動手段１０と、上記支持軸９の側
端部を案内する左右一対のガイド部材１１と、上記ブレ
ードホルダー７および昇降駆動手段１０等を支持軸９の
軸方向に往復駆動する往復駆動手段１２とを備えている
。

【００１０】上記昇降駆動手段１０は、支持軸９の側方
部に接続される接続部１３が上端部に設けられた一対の
ラック軸１４と、このラック軸１４を昇降自在に支持す
るラックホルダー１５と、このラックホルダー１５内に
配設された駆動軸１６およびピニオンギア１７と、この
ピニオンギア１７を駆動軸１６に一体に連結するキー１
６ａと、上記駆動軸１６を回転駆動するウォームギア機
構１８とを有している。そして、上記ウォームギア機構
１８の操作ハンドル（図示せず）を回動操作して上記駆
動軸１６およびピニオンギア１７を回転駆動することに
より、上記ラック軸１４を上下動させて支持軸９をガイ
ド部材１１に沿って昇降駆動するように構成されている
。

【００１１】上記ガイド部材１１は、上端部がボルト２
０ａによって機体フレーム１９に固着されるとともに、
下端部が係止部材２０ｂによって機体フレーム１９に係
止された基板２０と、その側辺部に突設された一対の側
板２１とを備えた断面コ字状の部材からなり、上記側板
２１，２１間に支持軸９の側端部が嵌入されるように構
成されている。そして上記ガイド部材１１は、図１の実
線で示す大径の版胴１に対するドクター刃４の接触点ａ
と、仮想線で示す小径の版胴１ａに対するドクター刃４
の接触点ｂとを結ぶ線Ａと平行に配設されている。上記
両接触点ａ，ｂは、それぞれ版胴１と、圧胴２との接点
、つまりインキの塗布点までの距離に応じた適正位置に
予め設定された点である。

【００１２】上記水平移動手段８は、ラック軸１４の接
続部１３の内方部においてノックピン２２により上記支
持軸９に固定された一対の支持ブロック２３と、上記ブ
レードホルダー７の保持部６に螺着されたねじ軸２４と
、このねじ軸２４に固着された回動ハンドル２５とを備
え、ドクター刃４が摩耗した場合等に、上記回動ハンド
ル２５によってねじ軸２４を回動操作し、支持ブロック
２３の上面に沿って上記保持部６をねじ送りすることに
より、ブレードホルダー７を水平移動させてドクター刃
４の設置位置を微調節するように構成されている。

【００１３】また、上記往復駆動手段１２は、図外の駆
動モータに連結された回転軸２６と、この回転軸２６に
固着されたカム２７と、上記ラックホルダー１５の側端
部に形成された凹溝２８に係合されるとともに、機体フ
レーム１９にスライド自在に支持された係合部材２９と
、この係合部材２９を外方に付勢してラックホルダー１
５の側端面をカム２７の周面に当接させる引っ張りばね
からなる付勢部材３０とを有している。そして、グラビ
ア印刷機の作動時に、上記カム２７を回転させてラック
ホルダー１５を回転軸１６の軸方向に移動させることに
より、上記ラック軸１４、支持軸９およびブレードホル
ダー７等を往復駆動し、これによって版胴１に対するド
クター刃４の接触圧を均一化してその偏摩耗を防止する
ようになっている。

【００１４】上記構成のドクター装置は、グラビア印刷
機の作動時にドクター刃４の接触角度が３０°程度の基
準角度に設置された状態で、予め設定された接触点ａに
おいてドクター刃４の先端部が版胴１の周面に当接する
ように配設されるとともに、図外の加圧シリンダもしく
は錘等からなる加圧手段の付勢力に応じ、上記版胴１に
対して所定の押し付け力で圧接されることにより、版胴
１の周面に付着した不要なインキを適正に掻き落すよう
に作動する。

【００１５】そして、例えば印刷する図柄の変化等に対
応して図１の実線で示す大径の版胴１から、仮想線で示
す小径の版胴１ａに交換する場合には、支持軸９を支点
に支持ブロック２３およびブレードホルダー７を図の反
時計方向に回転させることにより、ドクター刃４の設置
角度を小径の版胴１ａに対応した角度に調節するととも
に、大径の版胴１を取外して小径の版胴１ａに交換する
。その後、昇降駆動手段１０のウォームギア機構１８に
よって駆動軸１６およびピニオンギア１７を回転駆動し
てラック軸１４を予め設定された所定距離だけ下降させ
ることにより、図１の仮想線で示すように、上記支持軸
９をガイド部材１１に沿って斜め下方に移動させ、ドク
ター刃４の先端部を接触点ｂにおいて小径の版胴１ａの
周面に当接させる。

【００１６】このように昇降駆動手段１０によって支持
軸９を昇降駆動する際に、支持軸９の側端部を案内する
ガイド部材１１を設け、このガイド部材１１を大径の版
胴１に対するドクター刃４の接触点ａと、小径の版胴１
ａに対するドクター刃４の接触点ｂとを結ぶ線Ａと略平
行に配設したため、版胴１，１ａの径の変化に応じて上
記昇降駆動手段１０を作動させてブレードホルダー７を
昇降させる動作と同時に、ブレードホルダー７を所定位
置に水平移動させることができる。したがって、水平移
動手段８を操作することなく、ドクター刃４を予め設定
された接触点に容易かつ正確に移動させることができる
とともに、この接触点においてドクター刃４の先端部が
各版胴１の周面に当接するように、上記ブレードホルダ
ー７の設置角度を調節することにより、各版胴１に対す
るドクター刃４の接触角度をそれぞれ正確に３０°程度
の適正値に設置することができる。

【００１７】なお、上記実施例では、ブレードホルダー
７の昇降駆動手段１０を版胴１の下方に配設した場合に
ついて説明したが、図３に示すように、版胴１の上方に
昇降駆動手段１０を配設し、ラック軸１４の下端部に設
けた接続部１３ａに、支持軸９を接続するように構成し
てもよい。この場合には、版胴１の下方に大きな空間部
を形成し、この空間部を有効に利用して版胴１にインキ
を供給するインキパン３１の着脱作業や、下方に飛散し
たインキの清掃作業等を容易に行うことができるという
利点がある。

【００１８】また、上記実施例では、ラックホルダー１
５をその軸方向に移動させることにより、ラック軸１４
を介してブレードホルダー７を往復駆動させるカムを備
えた往復駆動手段１２を設けているが、この往復駆動手
段１２の構成は上記実施例に限定されることなく種々の
変形が可能であ。例えば、図４および図５に示すように
、機体フレーム１９に取り付けられたガイド部材１１ａ
の外側方部に取り付けられた偏心軸３２と、この偏心軸
３２および上記ガイド部材１１ａに沿って昇降自在に支
持された昇降部材３３と、一端部が連結ピン３４によっ
て上記昇降部材３３に連結されるとともに、他端部に支
持軸９の側端部に抱持される球状部３５が形成された連
結部材３６と、上記偏心軸３２を回転駆動する回転駆動
部３７とからなる往復駆動手段を設けた構造としてもよ
い。

【００１９】そして上記回転駆動部３７によって偏心軸
３２を回転駆動し、その駆動力を連結部材３６を介して
支持軸９に伝達することにより、昇降駆動部１０のラッ
ク軸１４を介することなく、上記支持軸９を直接往復駆
動するようにしてもよい。このように上記支持軸１０を
直接往復駆動するように構成した場合には、この往復駆
動時にラック軸１４およびドクター刃ー４等が振動する
騒音の発生を効果的に防止できるという利点がある。

【００２０】また、上記実施例では、２種類の版胴１，
１ａを交換する場合について説明したが、この版胴１は
、３種類以上であってもよい。また、上記ガイド部材１
１は、版胴１に対するドクター刃４の接触点ａ，ｂを結
ぶ線Ａと、完全な平行度をもって設置する必要はなく、
上記線Ａと略同方向に所定の角度を持って傾斜するよう
に設置されていればよい。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、昇降駆
動手段によってブレードホルダーの支持軸を昇降駆動す
る際に、大径の版胴に対するドクター刃の接触点と、小
径の版胴に対するドクター刃の接触点とを結ぶ線と略平
行に上記支持軸を案内するガイド部材を設けたため、版
胴の交換時に、上記昇降駆動手段を作動させることによ
ってドクター刃を予め設定された所定位置に、容易かつ
正確に移動させることができる。したがって、熟練度を
要することなく、ドクター刃を予め設定された接触点に
移動させてその接触角度を適正値に設定することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るドクター装置の実施例を示す正面
図である。

【図２】上記ドクター装置の側面図である。

【図３】上記ドクター装置の他の実施例を示す正面図で
ある。

【図４】上記ドクター装置のさらに別の実施例を示す正
面図である。

【図５】図４に示すドクター装置のＢ−Ｂ線断面図であ
る。

【図６】ドクター装置の従来例を示す正面図である。

【符号の説明】

１　　版胴 ４　　ドクター刃 ７　　ブレードホルダー ９　　支持軸 １０　　昇降駆動手段 １１　　ガイド部材 Ａ　　ドクター刃の接触点を結ぶ線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　版胴の周面に付着した不要なインクを
   掻き落すドクター刃を有し、版胴を交換する際にその直
   径の変化に応じてドクター刃の設置位置を調節するよう
   に構成されたドクター装置において、ドクター刃を保持
   するブレードホルダーと、このブレードホルダーを支持
   する支持軸と、この支持軸を昇降駆動する昇降駆動手段
   と、この昇降駆動手段の作動時に上記支持軸を案内する
   ガイド部材とを設け、大径の版胴に対するドクター刃の
   接触点と、小径の版胴に対するドクター刃の接触点とを
   結ぶ線と略平行に上記ガイド部材を配設したことを特徴
   とするドクター装置。