JPH04258310A - 細線の伸線方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、細線例えば外径０．１
ｍｍ以下の極細線を伸線する方法及び伸線装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術とその課題】近年、巻線、機器配線自動車
用電線等の導体は細径化の要求が高くなっており、かつ
、低コスト化の要求も高くなっている。従来この様な細
線の製造に際しては、一対のコーン型キャプスタンと、
その間に配置され、油が供給されるダイス群とからなり
、前記キャプスタン間に掛け回された細線をダイス群で
伸線する伸線装置が通常用いられている。しかし従来の
伸線装置においては、ダイスで引抜かれる際に細線に付
着した油により細線とキャプスタン間に分子間力が作用
して、細線が該キャプスタンの外周面に密着して巻きつ
くため、引抜時の張力によって断線する場合が多かった
。そして、伸線油の温度が低い場合は、一層、線がキャ
プスタンにからみつき易くなり、伸線運転をうまくスタ
ートできなかったり、スタートして間もなくからみつき
断線が起こったりした。そのため、生産性が落ちたり、
気温、季節の影響をかなり受けていた。また、断線後の
復帰は非常に手数がかかるものであり、稼働率の低下を
来していた。一方、コスト低減を計るため、伸線速度が
かなり高速になってきた。そのため、ダイスの発熱や駆
動系の発熱が多くなり伸線中に伸線油の温度が過上昇し
て伸線油の劣化等が生じていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
について検討の結果、良好な伸線方法及び伸線装置を開
発したものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段および作用】本発明は、複
数の伸線ダイスと複数のキャプスタンに線材を順次通し
て伸線する伸線方法において、伸線油の温度を２０℃〜
３５℃としたことを特徴とする伸線方法を請求項１とし
、複数の伸線ダイスと複数のキャプスタンに線材を順次
通して伸線する伸線装置において、伸線油を加熱する装
置と伸線油を冷却する装置及び伸線油の温度を測定する
装置を設けたことを特徴とする伸線装置を請求項２とす
るものである。本発明によれば、キャプスタンへの線の
からみつきをなくすことができ、また、伸線油の温度上
昇による劣化を防ぐことができる。したがって、生産性
が著しく向上する。本発明において伸線油の温度を２０
〜３５℃の範囲に限定したのは、下記の理由によるもの
である。伸線油の温度が２０℃未満では、線がキャプス
タンへからみつくのを防ぐ効果が少なく、３５℃を越え
ると伸線油の劣化が激しくなるためである。伸線油の加
熱と冷却は、手動で行ってもよいが、伸線油の温度情報
から自動制御した方が効率的である。伸線油の温度は２
０℃〜３０℃が好ましい。

【０００５】

【実施例】以下に本発明の一実施例について説明する。 図１は、本発明の伸線方法の例を示す図であり、１は伸
線機、２は母線である。伸線機１内には、４軸のキャプ
スタン３、４、５、６が配置されている。これらのキャ
プスタン３、４、５、６は複数の径が異なるキャプスタ
ンを同軸にかつ多段に設けられ、母線側の送りキャプス
タン３と引取りキャプスタン４とで対を成し、また、仕
上線側の送りキャプスタン５と引取りキャプスタン６と
で対を成し、これらの対を成すキャプスタン３、４およ
び５、６間には各々複数の伸線ダイス７が配置されてい
る。そして、線材は先ず母線側の送りキャプスタン３の
最小径のキャプスタンから伸線ダイス７を通って引取り
キャプスタン４の最小径のキャプスタンを回り、次いで
送りキャプスタン３の次段のキャプスタンを回り、次の
伸線ダイス７を通り引取りキャプスタンの次段のキャプ
スタンを回り、次に送りキャプスタン４の最大径のキャ
プスタンを回って次の伸線ダイス７を通って引取りキャ
プスタン４の最大径のキャプスタンから仕上線側の送り
キャプスタン５へ送られる。そして、仕上線側の送りキ
ャプスタン５と引取りキャプスタン６間でも同様に伸線
ダイス７を順次通って伸線され、所望径の仕上線の線材
となって巻き取られる。伸線油は、伸線油タンク８から
ポンプ９によって伸線ダイス７へ供給されている。なお
１０は伸線油温度の自動制御ボックスである。また、図
２は伸線油タンクの平面図、図３は、伸線油タンクの側
面図である。伸線油の温度はセンサーＣで測定され、そ
の情報に基づいてヒーターｂで加熱、水冷管ａで冷却さ
れる。以上のように構成された伸線機１を使用し、伸線
油温度を変えて、純銅線を０．０５ｍｍφから０．０３
ｍｍφへ伸線した。伸線速度は１３００ｍ／分とし、伸
線油の濃度は０．５％とした。そして、キャプスタンへ
のからみつき断線、伸線油の劣化また、伸線材表面を観
察した。結果を表１に示す。

【０００６】

【表１】

【０００７】表１から明らかなように、本発明例Ｎｏ１
、２、３は、キャプスタンへのからみつき断線がまった
く起こらず従来例Ｎｏ４より格段に優れていることがわ
かる。また、本発明例Ｎｏ１、２、３は、従来例Ｎｏ５
より伸線油の劣化、伸線材の表面状態に優れていること
がわかる。

【０００８】

【効果】以上、説明したように本発明によれば伸線性が
良好で伸線装置の稼働率が良くなるもので工業上顕著な
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る伸線方法を示す概略図
。

【図２】本発明の一実施例にかかる伸線油タンクの平面
図。

【図３】図２の側面図。

【符号の説明】

１　　　　伸線機 ２　　　　母線 ３、４、５、６　　　　キャプスタン ７　　　　伸線ダイス ８　　　　伸線油タンク

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　複数の伸線ダイスと複数のキャプスタ
   ンに線材を順次通して伸線する伸線方法において、伸線
   油の温度を２０℃〜３５℃としたことを特徴とする伸線
   方法。
2. 【請求項２】　　複数の伸線ダイスと複数のキャプスタ
   ンに線材を順次通して伸線する伸線装置において、伸線
   油を加熱する装置と伸線油を冷却する装置及び伸線油の
   温度を測定する装置を設けたことを特徴とする伸線装置
   。