JPH04257756A - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置

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JPH04257756A
JPH04257756A JP3928091A JP3928091A JPH04257756A JP H04257756 A JPH04257756 A JP H04257756A JP 3928091 A JP3928091 A JP 3928091A JP 3928091 A JP3928091 A JP 3928091A JP H04257756 A JPH04257756 A JP H04257756A
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JP
Japan
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wheel
slip
target
control
sensor
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Pending
Application number
JP3928091A
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English (en)
Inventor
Kenichi Hiromoto
広本 建一
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両制御装置に関するも
のであり、特に車両の走行安定性の改善に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】車両の横力(車両の幅方向の力)が適正
値となるように車輪の回転トルクを制御し、走行安定性
を改善する車両制御装置は特開昭62−253559号
公報によって既に知られている。この公報に記載の制御
装置は、■前輪と後輪とについてそれぞれスリップ角δ
f,δrと横力Ff,Frとの比Ff/δf,Fr/δ
r、もしくはそれらの変化量の比ΔFf/Δδf,ΔF
r/Δδrを求める手段と、■それら求められた比が正
の限界値Kより小さくなった場合には、車輪に制動力を
加え、あるいはエンジンの出力を低下させて車両の走行
速度を低減させる手段とを含むように構成される。スリ
ップ角は各車輪の実際の移動方向が車輪の回転軸線に直
角な方向に対して成す角であり、車輪の横すべりが大き
い程この角度が大きくなる。スリップ角の増大に見合っ
て横力が増大する間は走行状態が安定しているが、スリ
ップ角の増大の割には横力が増大しなくなれば車両の走
行状態が不安定となる。上記車両制御装置は車両の走行
速度を低下させることによってそのような走行状態不安
定の発生を回避するものである。
【0003】この車両制御装置によれば走行安定性を改
善することができるのであるが、本出願人はこれとは別
の手段によって走行安定性を改善し得る車両制御装置を
開発し、特願平2−326616号として出願中である
。この車両制御装置は、車体のスリップ角を検出する車
体スリップ角検出手段と、少なくとも検出されたスリッ
プ角が設定値を超える状態では左右前輪および左右後輪
の目標スリップ率をスリップ角の大きさに応じて決定す
る目標スリップ率決定手段と、左右前輪および左右後輪
の実際のスリップ率が各目標スリップ率に近づくように
各車輪の回転トルクを制御する車輪トルク制御手段とを
含むように構成される。
【0004】従来、それぞれ制動時および非制動時に車
輪のスリップが過大となることを回避するためのアンチ
スキッド制御およびトラクション制御においては、車輪
の目標スリップ率が一定値に設定されていたのであある
が、上記車両制御装置においては車体のスリップ角の大
きさに応じて異なる値に設定されるのであり、それによ
って車体スリップ角が大きい状態においても効果的に走
行安定性を改善することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この車両制御
装置によって適正に走行状態を制御し得るのは車体スリ
ップ角検出手段が正常に作動している間であって、これ
がフェールした状態では制御を行うことによってかえっ
て走行状態が不安定となることもあり得る。本発明は、
車体スリップ角検出手段が正常に作動する間のみならず
、万一車体スリップ角検出手段がフェールした場合でも
適正に走行状態を制御し得る車両制御装置を得ることを
課題としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そして、本発明の要旨は
、図1に示すように、前記車体スリップ角検出手段1と
、目標スリップ率決定手段2と、車輪トルク制御手段3
とを含む車両制御装置において、車体スリップ角検出手
段のフェールを検出するフェール検出手段4と、そのフ
ェール検出手段のフェール検出時に前輪のスリップ率を
予め定められた一定値に設定するフェール時スリップ率
設定手段5とを設けたことにある。フェール時スリップ
率設定手段は、例えば、非制動時には前輪の目標スリッ
プ率を0%に設定し、制動時には従来のアンチスキッド
制御時におけると同様な値に設定するものとすることが
できる。
【0007】
【作用】本発明に係る車両制御装置においては、通常は
車体スリップ角検出手段1により検出された車体スリッ
プ角に応じて目標スリップ率決定手段2が目標スリップ
率を決定し、車輪トルク制御手段3が各車輪の実際のス
リップ率が目標スリップ率に近づくように各車輪のトル
クを制御する。しかし、フェール検出手段4が車体スリ
ップ角検出手段1のフェールを検出した場合には、フェ
ール時スリップ率設定手段5が、車体スリップ角検出手
段1の検出結果とは無関係に前輪の目標スリップ率を予
め定められている一定値に設定する。
【0008】
【発明の効果】したがって、万一車体スリップ角検出手
段がフェールした場合でも、少なくとも前輪については
誤った検出結果に基づくトルクの制御が行われることが
なく、車両はほぼ操舵装置の操作によって示される運転
者の意図する方向に走行することとなる。また、必要に
応じて前輪の回転速度から車両の走行速度を推定するこ
とができ、この推定走行速度を基準として、アンチスキ
ッド制御,トラクション制御等を適正に行うことができ
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図2において10は左前輪、12は右前
輪、14は左後輪、16は右後輪であり、前輪10,1
2が操舵車輪、後輪14,16が駆動車輪である。本実
施例の車両制御装置はこれら車輪に制動力を加える液圧
ブレーキ装置18、駆動力を加える駆動装置20および
それら両装置18,20を制御する制御装置22等によ
り構成されている。
【0010】液圧ブレーキ装置18はブレーキペダル2
4の踏力に応じた液圧を発生させるマスタシリンダ26
を備えている。マスタシリンダ26は2つの加圧室を備
え、それぞれの加圧室において発生したブレーキ液圧は
主液通路28,30を経て左右のフロントホイールシリ
ンダ32,34および左右のリアホイールシリンダ36
,38に伝達される。各ホイールシリンダ32,34,
36および38に対応してそれぞれ3位置の液圧制御弁
40,42,44および46が設けられており、各ホイ
ールシリンダ32,34,36および38からこれら液
圧制御弁40,42,44および46を経てリザーバ4
8,50に排出されたブレーキ液がポンプ52,54に
よりマスタシリンダ26側へ戻されるようになっている
。液圧ブレーキ装置18はさらに、ポンプ56およびア
キュムレータ58を含む液圧源60を備えている。 この液圧源60の液圧はそれぞれ液通路62,64を経
て、フロントホイールシリンダ32,34とリアホイー
ルシリンダ36,38とに供給されるようになっており
、マスタシリンダ26と液圧源60との液圧を択一的に
フロントホイールシリンダ32,34とリアホイールシ
リンダ36,38とに供給するために2個づつの開閉弁
66,68と70,72とが設けられている。74はプ
ロポーショニング/バイパスバルブである。
【0011】駆動装置20はエンジン80,変速機82
等を備えて左右の後輪14,16を駆動するものであり
、エンジン80の出力はモータ84により開閉される電
動式スロットルバルブ86により制御される。
【0012】制御装置22はCPU90,ROM92,
RAM94,入力処理回路96および出力処理回路98
を備えている。前記液圧制御弁40,42,44,46
および開閉弁66,68,70,72はいずれも電磁弁
であり、出力処理回路98に接続されている。また、ポ
ンプ52,54および56の駆動モータも出力処理回路
98に接続されている。出力処理回路98にはさらにス
ロットルバルブ86のモータ84も接続されている。
【0013】一方、入力処理回路96にはブレーキペダ
ル24の踏込みを検出するブレーキスイッチ104、ア
キュムレータ58の液圧を検出する圧力センサ106、
車輪10,12,14および16の回転速度を検出する
回転センサ108,110,112および114、アク
セルペダルの回転角を検出するアクセルセンサ116、
前記スロットルバルブ86の開度を検出する開度センサ
118、エンジン80の回転速度を検出するエンジン回
転センサ120、ならびに変速機82の変速段を検出す
る変速段センサ122が接続されている。入力処理回路
96にはまた前後速度センサ124、横速度センサ12
6、横Gセンサ128、ヨーレイトセンサ130、およ
び操舵角センサ132が接続されている。前後速度セン
サ124と横速度センサ126とはそれぞれ車体に固定
され、ドップラ効果等を利用して車体と路面との前後方
向および横方向の速度を検出するものであり、横Gセン
サ128およびヨーレイトセンサ130はそれぞれ車体
に固定されて車体の横加速度およびヨーレイトを検出す
るものである。操舵角センサ132はステアリングホイ
ールの回転操作角度を検出するものである。さらに、入
力処理回路96には走行速度等演算用コンピュータ13
3,アンチスキッド制御コンピュータ134およびトラ
クション制御コンピュータ135が接続されている。
【0014】図2の車両制御装置を機能に着目にてブロ
ック図化したものが図3〜図7である。図3の走行速度
推定手段136,アンチスキッド制御手段137および
トラクション制御手段138は、それぞれ上記走行速度
等演算用コンピュータ133,アンチスキッド制御コン
ピュータ134およびトラクション制御コンピュータ1
35によって構成される。また、ヨーレイト検出手段1
40は上記ヨーレイトセンサ130とそれの出力信号に
基づいてヨーレイトを表すディジタル値を求める入力処
理回路96の一部とによって構成される。同様に、横G
検出手段141,ブレーキ操作検出手段142,操舵角
検出手段144,前後速度検出手段146,横速度検出
手段147,図4の右前輪速度検出手段148,左前輪
速度検出手段150,図5の右後輪速度検出手段152
,左後輪速度検出手段154,図6の変速ギヤ比検出手
段156,エンジン回転数検出手段158等は、それぞ
れ前記横Gセンサ128,ブレーキスイッチ104,操
舵角センサ132,前後速度センサ124,横速度セン
サ126,回転センサ108〜114,変速段センサ1
22およびエンジン回転センサ120と、それらの出力
信号に基づいてブレーキ操作の有無,操舵角,車体の前
後速度,車体の横速度,各車輪10〜16の車輪速,変
速機82の変速段,エンジン80の回転数等を表すディ
ジタル値を求める入力処理回路96とによって構成され
る。
【0015】上記各検出手段の検出結果に基づいて、C
PU90を主体とするコンピュータが演算処理を行い、
その結果に基づいて図7のブレーキ制御手段160,1
62,164および166と図6のスロットル制御手段
167とが制御される。ブレーキ制御手段160は前記
液圧制御弁42,開閉弁66,68等と出力処理回路9
8のそれら弁を制御する部分とによって構成され、右フ
ロントホイールシリンダ34の液圧を制御するものであ
り、ブレーキ制御手段162,164および166は同
様にしてホイールシリンダ32,38および36の液圧
を制御するものである。スロットル制御手段167は、
前記スロットルバルブ86のモータ84と出力処理回路
98のモータ84を制御する部分、ならびにスロットル
バルブ86の開度センサ118およびその出力信号に基
づいてスロットルバルブ86の開度を表すディジタル値
を求める入力処理回路96の一部とによって構成される
【0016】図3ないし図7に示されているその他の手
段は、CPU90,ROM92およびRAM94によっ
て構成され、そのためにROM92には第8図に示すプ
ログラムが格納されている。
【0017】CPU90,ROM92およびRAM94
のうち、ステップ0(以下、単にS0で表す。他のステ
ップについても同様)のフェール検出を実行する部分が
図3の前後速度フェール検出手段168および横速度フ
ェール検出手段169を構成しており、S0の詳細は図
9,10および11に示されている。
【0018】また、S1のスリップ角算出を実行する部
分が前輪スリップ角算出手段170,後輪スリップ角算
出手段172および車両重心点スリップ角算出手段17
3を構成しており、S1の詳細は図12に示されている
【0019】各車輪基準車輪速算出ステップS2を実行
する部分が基準車輪速算出手段174を構成しており、
その詳細は図13に示されている。
【0020】目標スリップ率算出ステップS3を実行す
る部分が前輪左右目標スリップ率算出手段176および
後輪左右目標スリップ率算出手段178を構成しており
、その詳細は図14に示されている。
【0021】目標車輪速算出ステップS4を実行する部
分が前輪左右ブレーキ制御目標車輪速算出手段180,
後輪左右ブレーキ制御目標車輪速算出手段182および
スロットル制御目標車輪速算出手段184を構成してお
り、その詳細は図15に示されている。
【0022】車輪速偏差算出ステップS5を実行する部
分が図4および図5の右前輪ブレーキ車輪速偏差算出手
段186,左前輪ブレーキ車輪速偏差算出手段188,
右後輪ブレーキ車輪速偏差算出手段190,左後輪ブレ
ーキ車輪速偏差算出手段192,右後輪スロットル車輪
速偏差算出手段194,左後輪スロットル車輪速偏差算
出手段196を構成しており、その詳細は図16に示さ
れている。
【0023】目標ブレーキ液圧算出ステップS6を実行
する部分が図7の目標ブレーキ液圧算出手段200,2
02,204および206を構成しており、その詳細は
図17に示されている。
【0024】ブレーキ制御ステップS7を実行する部分
が図7のブレーキ制御手段160,162,164およ
び166を構成しており、その詳細は図18および図1
9図に示されている。図19は図18におけるS709
のFR(右前輪)液圧制御ステップの詳細を代表的に示
すものであり、S713のFL(左前輪)液圧制御,S
720のRR(右後輪)液圧制御およびS724のRL
(左後輪)液圧制御等も同様にして行われる。
【0025】スロットル制御ゲイン,積分初期値算出ス
テップS8を実行する部分が図6の比例ゲイン算出手段
208および積分初期値算出手段210を構成しており
、その詳細は図20に示されている。
【0026】目標スロットル開度算出,制御ステップS
9を実行する部分が図6のグリップ側車輪速偏差選択手
段212,目標エンジントルク算出手段214および目
標スロットル開度算出手段216を構成しており、その
詳細は図21に示されている。
【0027】以下、車両が右旋回している状態を例示し
た図22を参照しつつ各ステップを順次詳細に説明する
。まず、S0のフェール検出であるが、図9および図1
0の前後速度センサフェール検出と、図11および図1
0の横速度センサフェール検出とによって行われる。 前後速度センサのフェール検出は次の条件が満たされた
ときに行われる。 (1)アンチスキッド制御中(ABS中と略記する)で
もトラクション制御中(TRC中と略記する)でもない
。 (2)制動中ではない。 (3)前後速度センサフェール中ではない。 (4)旋回中ではない。 そして、次のいずれかの事態が発生すればフェールと判
定される。 (a)前後速度センサにより検出された前後速度Vxと
推定車体速度Vsoと偏差DVxが設定時間内に設定値
Kvを越えた回数が設定回数を越える。 (b)偏差DVxがしきい値Kvを越えている時間が設
定時間を越える。 (c)前後速度センサにより検出された前後速度Vxの
微分値が設定値を越える。
【0028】図9のS11〜14はそれぞれ上記(1)
〜(4)の条件が満たされているか否かを判定するステ
ップであって、XFbはブレーキスイッチ104がON
状態にあるか否かを示すフラグ、XFxsは前後速度セ
ンサ124がフェールしているか否かを示すフラグであ
り、−Ksta〜Kstaは車両が直進しているとみな
し得る操舵角Staの範囲である。
【0029】フェール検出実行の条件が満たされていれ
ば、S15において前後速度センサ124のフェール検
出実行フラグXXchekがセットされ、前後速度セン
サ124から前後速度Vxが、また走行速度等演算用コ
ンピュータ133から車体の推定走行速度Vsoが読み
込まれる。推定走行速度Vsoは前記回転センサ108
〜114による車輪の回転速度の検出結果に基づいて推
定され、従来からアンチスキッド制御等において使用さ
れていたものである。S16およびS17において前後
速度Vxの推定走行速度Vsoからの偏差DVxが設定
値Kv以上であるか否かが判定される。
【0030】判定がYESであればS18において前後
速度センサ124のフェール判定用用カウンタCOkv
xのインクリメントが行われ、S19において、S17
でYESの判定が続いている時間XPtimeの計測が
行われる。時間XPtimeの計測は、車両のイグニッ
ションキーがONとされたときから作動し続けているフ
リーランニングカウンタタイマのデータに基づいて行わ
れる。S19が前回行われたときのタイマのカウント値
BXtimeと今回のカウント値Xtimeとの差XX
timeの総和として時間XPtimeが計測されるの
である。そして、S20において時間XPtimeが設
定時間Ktime以上であるか否かによりフェールの判
定が行われる。なお、S17の判定がNOであった場合
にはS21,22においてカウンタ,タイマ等がクリア
される。すなわち、S18〜S22によって前記(b)
の事態発生による前後速度センサ124のフェール判定
が行われるのである。
【0031】続いて、S23において前回の前後速度B
Vxと今回の前後速度Vxとの差(これが前後速度の微
分値に当たる)が演算され、S24において設定値Kd
vx以上であるか否かによりフェールの判定が行われる
。すなわち、S23,S24によって前記(c)の事態
発生による前後速度センサ124のフェール判定が行わ
れるのである。このフェール判定により、あるいは上記
S20におけるフェール判定によりフェールと判定され
た場合には、S26において前後速度センサ124のフ
ェールフラグXFxsがセットされる。
【0032】一方、前記(a)の事態発生によるフェー
ル判定は、図10のルーチンが割り込みにより実行され
ることによって行われる。S31においてフェール検出
実行フラグXXchekがセットされているか否かが判
定され、判定がYESであればS32において、S18
でインクリメントされたカウント値COkvxが設定値
Ktcx以上であるか否かによりフェールの判定が行わ
れる。フェールと判定されればS33において前後速度
センサ124のフェールフラグXFxsがセットされる
【0033】なお、図9のS27において前後速度セン
サ124により検出された前後速度Vxが読み込まれ、
BVxとして格納される。このステップが実行される時
点と次回のS15が実行される時点との時間間隔はほぼ
一定であり、この間の前後速度Vxの差がS24におい
て前後速度の微分値として使用されるのである。また、
フェール検出実行の条件が満たされていない場合にはS
11〜S13の判定がYESとなるか、あるいは、S1
4の判定がNOとなり、S28においてフェール検出実
行フラグXXchekがリセットされる。
【0034】以上、前後速度センサ124のフェール検
出について説明したが、横速度センサ126のフェール
検出も図10の一部と図11とのプログラムの実行によ
りほぼ同様にして行われる。次の条件(1)〜(3)(
1)アンチスキッド制御中(ABS中と略記する)でも
トラクション制御中(TRC中と略記する)でもない。 (2)制動中ではない。 (3)横速度センサフェール中ではない。が満たされた
とき横速度センサ126のフェール検出が実行され、次
の(a)〜(c)の事態 (a)横速度センサ126により検出された横速度Vy
の横Gセンサ128により検出された横Gの積分値SV
gからの偏差DVyが設定時間内に設定値Kvを越えた
回数が設定回数を越える。 (b)偏差DVyがしきい値Kvを越えている時間が設
定時間を越える。 (c)横速度センサ126により検出された横速度Vy
の微分値が設定値を越える。が発生していればフェール
とされるのである。図11のS41〜S58は図9にS
11〜28と同様であり、図10のS34〜S36は同
図のS31〜S33と同様であるため説明は省略する。
【0035】次に、S1のスリップ角算出であるが、図
12に示すように、S101およびS102において車
体の前後速度Vxおよび横速度Vyが読み込まれ、それ
らに基づいてS103において車体の進行方向速度Vs
aが算出され、S104において重心点スリップ角Sa
gが算出される。続いて、S105およびS106にお
いてそれぞれヨーレイトYrおよび操舵角Staが読み
込まれる。その読み込まれた操舵角Staから、S10
7において右前輪12,左前輪10の各実前輪タイヤ角
StafrおよびStaflが決定される。操舵角St
aと実前輪タイヤ角Stafr,Staflとの間には
図23に示す関係があり、この関係を表すテーブルに基
づいて実前輪タイヤ角が決定されるのである。なお、角
度の向きは車両を上から見たときの時計回りを正とする
【0036】次に、S108において、S101,S1
02およびS105で読み込まれた前後速度Vx,横速
度VyおよびヨーレイトYrから右後輪16および左後
輪14の後輪スリップ角Sarr,Sarlが算出され
、S109において、前後速度Vx,横速度Vy,ヨー
レイトYrおよびS107で算出された実前輪タイヤ角
Stafr,Staflから右前輪12および左前輪1
0の前輪スリップ角Safr,Saflが算出される。 S108,S109の式中において、記号A,Bは前後
方向における車両重心点(これは乗車人員等で移動する
が、例えば2人乗車などの標準的な状態の重心点を用い
る)から前輪および後輪までの距離であり、記号Lは横
方向における車両重心点から車輪までの距離である。
【0037】S2の各車輪基準車輪速算出は図13に示
すステップの実行により行われる。まず、S200にお
いてフェールフラグXFxsまたはXFysがセットさ
れているか否かによって前後速度センサ124または横
速度センサ126がフェールしているか否かが判定され
る。判定がNOであれば、S201およびS202にお
いてそれぞれヨーレイトYrと前後速度Vx,横速度V
yとが読み込まれ、S203においてS107で算出さ
れた実前輪タイヤ角Stafr,Staflが読み込ま
れる。そしてS204において、それら読み込まれた値
を用いて右前輪12,左前輪10,右後輪16および左
後輪14に周方向のスリップがないとしたときの各車輪
の速度が各車輪における基準車輪速Vsfr,Vsfl
,Vsrr,Vsrlとして算出される。
【0038】一方、S200においていずれかのセンサ
がフェールしていると判定された場合には、S205に
おいて、走行速度等演算用コンピュータ133から供給
される推定走行速度Vsoがすべての車輪の基準車輪速
Vsfr,Vsfl,Vsrr,Vsrlとして設定さ
れる。従来のアンチスキッド制御やトラクション制御と
同様に推定走行速度Vsoを基準にした車輪トルク制御
が可能な状態とされるのである。
【0039】S3の目標スリップ率算出は図14の各ス
テップの実行により行われる。まず、S300において
、前記S104,108およびS109で算出された車
両重心点のスリップ角Sag,左右前輪のスリップ角S
afr,Saflおよび左右後輪のスリップ角Sarr
,Sarlが読み込まれ、S301においてフェールフ
ラグXFxsまたはXFysがセットされているか否か
によって前後速度センサ124または横速度センサ12
6がフェールしているか否かが判定される。判定がNO
であれば、S302においてブレーキスイッチ104か
らの信号に基づいて制動中であるか否かが決定され、制
動中であればS303,S304が実行され、制動中で
なければS305,S306が実行される。
【0040】S303においては、左右後輪14,16
のスリップ角Sarl,Sarrと、図24図に実線で
示されている制動時の目標スリップ率の曲線とから後輪
目標スリップ率Tslprr,Tslprlが決定され
る。実際には実線で表されているスリップ角と目標スリ
ップ率との関係がテーブル化されており、そのテーブル
を用いて目標スリップ率が決定される。従来、制動時に
車輪のスリップが過大となることを防止するアンチスキ
ッド制御においては、スリップ率がスリップ角とは無関
係にほぼ一定の負の値に設定されていたのに対して、本
実施例においてはスリップ角が大きくなるほど目標スリ
ップ率が大きい値に決定され、スリップ角の大きい領域
においては正の値に決定されるのである。
【0041】図25図は、車輪のスリップ角が4度であ
る場合に+100%から−100%までの各スリップ率
で最大の全摩擦力(コーナリングフォースと車輪移動方
向力とのベクトル和)が得られる方向およびその最大全
摩擦力の大きさをベクトルで示す図であり、図26ない
し図28図はスリップ角がそれぞれ12度,20度およ
び50度の場合における同様の図である。これらの図に
おいて、最大全摩擦力の方向が車輪の実際の移動方向と
直角な方向となる場合にコーナリングフォースが最大と
なるのであり、各スリップ角に対してコーナリングフォ
ースが最大となるときのスリップ率をプロットしたのが
図24の一点鎖線である。したがって、スリップ率をこ
の一点鎖線の値に制御すればコーナリングフォースは最
大となるのであるが、その場合には車輪移動方向力は0
となる。車両を制動する場合も駆動する場合も車輪移動
方向力を必要とするのであり、制動時にはコーナリング
フォースが最大となるスリップ率より所定量(適正な大
きさの車輪移動方向力が得られる量)小さいスリップ率
を目標スリップ率とし、非制動時にはコーナリングフォ
ースが最大となるスリップ率より所定量大きいスリップ
率を目標スリップ率とすることが必要である。図24に
実線で表されている曲線は、このことを考慮して定めら
れた制動時における目標スリップ率を表すものであり、
破線で表されている曲線は、非制動時に制動時と同じ考
え方で目標スリップ率を決定するとした場合の目標スリ
ップ率を表すものである。このように、非制動時にも同
じ考え方でスリップ率を制御してもよいのであるが、本
実施例においては、非制動時には特にスピン発生の防止
を重視して後述する別の方法で目標スリップ率が定めら
れるようになっている。
【0042】後輪の回転トルクは、エンジン出力を低下
させることと、ブレーキ液圧を増大させることとの両方
で行われ得るため、上記のようにして求められた後輪の
目標スリップ率Tslprr,Tslprlはエンジン
出力の制御による後輪の回転トルク制御のための目標ス
リップ率として使用され、ブレーキによる回転トルク制
御のための目標スリップ率Tslprrb,Tslpr
lbはそれより一定値Kslpだけ大きい値に決定され
る。したがって、後輪のスリップ率が制動時に図29に
示すように時間の経過とともに減少する場合、実際のス
リップ率が目標スリップ率Tslprrb,Tslpr
lbより大きい間はブレーキの作用とエンジン出力の低
下との両方により車輪回転トルクの低下が図られ、目標
スリップ率Tslprrb,Tslprlbと目標スリ
ップ率Tslprr,Tslprlとの間ではエンジン
出力の低下による車輪回転トルクの低下が図られ、目標
スリップ率Tslprr,Tslprlより小さくなっ
た場合にはエンジン出力が増大させられることとなる。
【0043】上記S303の実行後、S304において
、右前輪12と左前輪10との目標スリップ率Tslp
fr,Tslpflが決定される。前輪についてはエン
ジン出力の制御による車輪回転トルクの制御が行われな
いため、決定された目標スリップ率はブレーキ制御のた
めの目標スリップ率として使用される。S302の実行
時に制動中であった場合には以上の制御が行われるので
あるが、制動中でなかった場合には、S305において
後輪の目標スリップ率が決定され、S306において前
輪の目標スリップ率が決定される。この場合には、後輪
および前輪の目標スリップ率はそれぞれ図30および図
31の関係に基づいて決定される。
【0044】非制動時に後輪が旋回軌跡の外側へスリッ
プするスピンが発生することを防止するためには、図3
2に示すように、左右後輪14,16と路面との摩擦力
を車両重心点を中心とするスピンモーメントに最も有効
に対抗する方向に向けることが望ましい。前記最大摩擦
力がその方向となるスリップ率を目標スリップ率とすれ
ば、車体後部が旋回半径外側に振り出されることを良好
に防止し得るのである。図30図はこのことを考慮して
左右後輪14,16のうち旋回時に外側となる車輪と内
側となる車輪との目標スリップ率を各スリップ角に対し
て定めたものであり、実際にはテーブル化されている。
【0045】スピンを有効に防止するためには、上記の
ように左右後輪14,16の全摩擦力を有効にスピンモ
ーメントに対抗させる一方、左右前輪10,12は適度
に横すべりさせて車体のスピンを打ち消させることが望
ましい。車両姿勢を安定に保つために後輪のモーメント
とバランスするモーメントが前輪において得られるよう
にすることが望ましいのである。図31はこのことを考
慮して左右前輪10,12のスリップ角ごとに目標スリ
ップ率を定めたものであって、車両重心点のスリップ角
が大きいほど、また、前輪スリップ角が大きいほど前輪
のスリップ率が小さい値(負の値であるため絶対値は大
きい)となり、これもやはりテーブル化されている。
【0046】車両の加速時に車輪のスリップが過大とな
ることを防止するトラクション制御において、従来はス
リップ率が一定の正の値に定められていたのに対し、本
実施例においては前輪と後輪とでは異なる観点から目標
スリップ率が定められ、かつ、いずれもスリップ角の大
きさに応じて変えられるのである。
【0047】また、S301においていずれかのセンサ
がフェールしていると判定された場合には、S307〜
S311が実行される。制動中であればS308および
S309が実行され、制動中でなければS310および
S311実行がされるのである。
【0048】S308においては前輪の目標スリップ率
Tslpfr,Tslpfが予め定められている一定値
Kaslpfに設定され、S309においては後輪のス
ロットル制御用目標スリップ率Tslprr,Tslp
rlが一定値Kaslprに、また、ブレーキ制御用目
標スリップ率Tslprrb,Tslprlbがその一
定値Kaslprより一定値Kslpだけ大きい値に設
定される。したがって、前後速度センサ124および横
速度センサ126の少なくとも一方がフェールしている
状態においては、制動時に前輪も後輪もスリップ率が一
定値となるように制御されることとなる。
【0049】一方、S310においては前輪目標スリッ
プ率Tslpfr,Tslpflが共に0に設定され、
S311においては後輪のスロットル制御用目標スリッ
プ率Tslprr,Tslprlが一定値Ktslpr
に、また、ブレーキ制御用目標スリップ率Tslprr
b,Tslprlbがその一定値より一定値Kslpだ
け大きい値に設定される。したがって、前後速度センサ
124および横速度センサ126の少なくとも一方がフ
ェールしている状態においては、非制動時に前輪は制御
されず、後輪のみが制御されることとなる。
【0050】S4の目標車輪速算出は図15の各ステッ
プの実行により行われる。まずS401において、前記
S204で求められた右前輪12,左前輪10,右後輪
16および左後輪14に基準車輪速Vsfr,Vsfl
,VsrrおよびVsrlが読み込まれ、S402にお
いて、S304もしくはS306で決定された右前輪1
2と左前輪10との前輪目標スリップ率Tslpfr,
Tslpflが読み込まれる。この読み込まれた値に基
づいてS403において、右前輪12と左前輪10との
目標車輪速Vnfr,Vnflが算出される。同様にS
404において、S303またはS305で決定された
右後輪16と左後輪14との目標スリップ率Tslpr
r,Tslprl、ならびにブレーキ制御用目標スリッ
プ率Tslprrb,Tslprlbが読み込まれ、S
405において、それら後輪スリップ率とS401で読
み込まれた基準車輪速Vsfr,Vsfl,Vsrr,
Vsrlとから右後輪16および左後輪14の目標車輪
速Vnrr,Vnrl、ならびにブレーキ制御用目標車
輪速Vnrrb,Vnrlbが算出される。
【0051】S5の車輪速偏差算出は図16の各ステッ
プの実行により行われる。まず、S501において、S
403およびS405で算出された各目標車輪速が読み
込まれ、S502において、右前輪12,左前輪10,
右後輪16および左後輪14の実際の車輪速Vwfr,
Vwfl,VwrrおよびVwrlが読み込まれ、それ
らの値からS503において、右前輪12,左前輪10
,右後輪16および左後輪14の車輪速偏差Vdfr,
Vdfl,Vdrr,Vdrl、ならびに右後輪16お
よび左後輪14のブレーキによる回転トルク制御用の車
輪速偏差Vdrrb,Vdrlbが算出される。
【0052】S6の目標ブレーキ液圧算出は図17の各
ステップの実行により行われる。まず、S601におい
て各車輪のブレーキ制御用車輪速偏差が読み込まれる。 右前輪12および左前輪10についてはS503で算出
されたVdfr,Vdflが読み込まれ、右後輪16お
よび左後輪14については、同じくS503で算出され
たVdrrb,Vdrlbが読み込まれるのである。そ
してS602において、右前輪12用の車輪速偏差Vd
frに予め定められたゲインGbpが掛けられて右前輪
12用の目標ブレーキ液圧Bpfrが算出される。S6
03において目標ブレーキ液圧Bpfrが正であるか否
かの判定が行われ、判定の結果がYESであればS60
4がスキップされてブレーキ液圧はS602で算出され
た値のままとされるが、判定の結果がNOであれば、S
604において0に変えられる。以下同様にして、S6
05〜S607,S608〜S610およびS611〜
S613においてそれぞれ左前輪10,右後輪16およ
び左後輪14の目標ブレーキ液圧Bpfl,Bprr,
Bprlが算出される。ただし、後輪14,16は差動
装置によって互いにつながっているため、全く独立のブ
レーキ液圧を制御するハンティングが発生する恐れがあ
る。そのため、車輪速偏差Vdrrb,Vdrlbにゲ
インGbpを掛けて得られた値から、反対側の車輪速の
変化率Drl,DrrとゲインGdとの積を差し引いた
ものが目標ブレーキ液圧とされ、ハンティングの防止が
図られている。例えば、右後輪16のブレーキ液圧が増
大させられてその回転速度が低下すれば、その低下率に
見合った量だけ左後輪14のブレーキ液圧も増大させら
れるのである。
【0053】以上のように決定された目標ブレーキ液圧
を用いてS7のブレーキ制御が行われる。この制御は図
18の各ステップの実行により行われる。まず、S70
1において上記目標ブレーキ液圧のすべてが0であるか
否かが判定され、判定の結果がYESであれば、S73
7およびS738が実行されて、マスタシリンダ26が
ホイールシリンダ32〜38に連通させられる一方、液
圧源60が遮断され、かつ、液圧制御弁40〜46が増
圧状態にされる。ブレーキペダル24が踏み込まれれば
ブレーキが普通に作用する状態とされるのである。
【0054】それに対して、目標ブレーキ液圧Bpfr
,Bpfl,Bprr,Bprlのいずれかが0ではな
ければ、S701の判定結果がNOとなり、S702に
おいて制動中か否かの判定が行われる。そして、制動中
であればS703以降が実行され、制動中でなければS
725以降が実行される。
【0055】S703においては前輪10,12の目標
ブレーキ液圧が共に0であるか否かが判定され、判定の
結果がYESであれば、S704において開閉弁66が
開かれ、開閉弁68が閉じられてマスタシリンダ26と
フロントホイールシリンダ32,34との連通状態が保
たれる。それに対して、S703の判定結果がNOであ
れば、S705においてマスタシリンダ26とフロント
ホイールシリンダ32,34との連通状態が保たれた上
、S706において右前輪12の目標ブレーキ液圧Bp
frが正であるか否かが判定される。判定の結果がNO
であれば、S707において右前輪12用の液圧制御弁
42が増圧状態に保たれるが、判定の結果がYESであ
れば、S708において左前輪10用の液圧制御弁44
が保持状態に切り変えられた上で、S709において右
前輪12用の液圧制御弁42の制御によりフロントホイ
ールシリンダ34の液圧制御が行われる。
【0056】この液圧制御は図19の各ステップの実行
により行われる。まず、S740において、今回の目標
ブレーキ液圧と前回の目標ブレーキ液圧との差に定数K
が掛けられて右前輪12用の増減時間tfrが算出され
、S741においてその増減時間tfrの正,負,0が
判定される。判定の結果が0であった場合には、S74
2において右前輪12用の液圧制御弁42が保持状態に
切り換えられる。また、判定の結果が正であった場合に
は、S743において液圧制御弁42が増圧状態に切り
換えられた後、S744およびS745が繰り返し実行
されて増減時間tfrが0になるのが待たれる。その間
、増圧が行われるのである。判定の結果が負であった場
合には、S747において液圧制御弁42が減圧状態に
切り換えられ、S748およびS749が繰り返し実行
されて、増減時間tfrの間減圧が行われる。そして、
増減時間tfrの増圧もしくは減圧が終了したならば、
S746において液圧制御弁42が保持状態に切り換え
られ、1回のS709の実行が終了する。
【0057】S710〜S713において、上記S70
6〜S709と同様に左前輪10のフロントホイールシ
リンダ32に対する液圧制御が行われ、目標ブレーキ液
圧Bpflに見合った長さの時間の増圧もしくは減圧が
行われる。後輪14,16に対しても同様にS714〜
S724の実行によりブレーキ液圧の制御が行われる。
【0058】一方、S702の判定時に制動中ではなけ
れば、S725において前輪10,12の目標ブレーキ
液圧がいずれも0であるか否かが判定され、判定の結果
がYESであれば、S726においてマスタシリンダ2
6がフロントホイールシリンダ32,34と連通状態と
され、液圧源60は遮断状態とされる。
【0059】それに対して、目標ブレーキ液圧Bpfr
もしくはBpflが0ではなければ、前輪10,12用
の液圧制御弁40,42がいずれも保持状態とされた上
で、S728においてポンプ52が(駆動モータが共通
であるためポンプ54も)作動させられるとともに液圧
源60が液圧制御弁40,42に連通させられ、マスタ
シリンダ26が遮断される。その後、S729およびS
730においてそれぞれ右前輪12と左前輪10とに対
する液圧制御が行われ、目標ブレーキ液圧Bpfr,B
pflに見合った長さの時間の増圧もしくは減圧が行わ
れる。後輪14,16に対してもS731〜S736に
おいて同様の液圧制御が行われる。
【0060】前記S8におけるスロットル制御ゲイン,
積分初期値算出は図20に示すステップの実行により行
われる。S801,S802において、エンジン回転数
Neと変速段とが読み込まれ、S803において変速段
が変えられたか否かが判定される。判定の結果がNOで
あればS804,S805がスキップされるのであるが
、YESであればS804において比例ゲインGptが
決定され、S805において積分初期値Ttrq(0)
が算出される。
【0061】S804における比例ゲインGptの決定
は図33のグラフで表されるマップを用いて行われる。 変速機82の変速段が変えられるとエンジン80に対す
るイナーシャが変わりスロットル開度の変化に対する車
輪速の応答周波数が変わる。減速比が小さくなるほど応
答性が悪くなり、制御の不安定となるのでこれを回避す
るために減速比が小さくなるほど比例ゲインGptが小
さくなるようにマップが作成されている。また、S80
5における積分初期値の算出は次式を使用して行われる
。Ttrq(0)={Ttrq(0)+Git×IVd
th}×旧ギヤ比/新ギヤ比 ただし、Gitは積分ゲイン、IVdthは後述のスロ
ットル制御用車輪速偏差Vdthの積分値である。変速
機82のギヤ比が変えられる毎に駆動装置20の特性が
変わるのであるが、その変化が比例ゲインGptと積分
初期値Ttrq(0)によって、後述する目標エンジン
トルクTtrqの決定に影響を及ぼすようにされるので
ある。
【0062】S9の目標ストッロル開度算出および制御
は図21の各ステップの実行により行われる。まず、S
901において右後輪16,左後輪14の車輪速偏差V
drr,Vdrlが読み込まれ、S902においてそれ
らが比較され、小さい方のもの、すなわち、グリップ側
駆動輪の車輪速偏差がスロットル制御用車輪速偏差Vd
thとして設定される。そしてその設定された車輪速偏
差Vdthと、前記S804およびS805で決定され
た比例ゲインGptおよび積分初期値Ttrq(0)と
、次のステップS904で算出される偏差積分IVdt
hと、一定値である積分ゲインGitとからS903に
おいて目標エンジントルクTtrqが算出される。トル
クが不足している側の後輪の車輪速偏差に基づいてエン
ジントルクの制御が行われるのであり、反対側の後輪に
おいてはトルクが過大となるためにブレーキによるトル
ク制御が行われることとなる。
【0063】上記S903に続いて、S904において
上記偏差積分が行われ、S905においてエンジン回転
数Neが読み込まれる。その読み込まれたエンジン回転
数Neと上記S903で算出された目標エンジントルク
Ttrqとから、S906において目標スロットル開度
Tthが算出される。エンジン回転数Neおよび目標エ
ンジントルクTtrqと目標スロットル開度Tthとの
間には、図34に示す関係があり、この関係を表すテー
ブルを用いて補間法により目標スロットル開度Tthが
算出されるのである。その目標スロットル開度Tthが
S907において出力され、開度センサ118によって
検出される実際のスロットル開度が目標スロットル開度
Tthと等しくなるようにモータ84が制御される。
【0064】以上のようにして、液圧ブレーキ装置18
のブレーキ液圧および駆動装置20のスロットル開度が
制御されることによって、各車輪10〜16の回転トル
クが適正に制御される。前後速度センサ124も横速度
センサ126も正常な状態では、各車輪のスリップ率が
、制動時には図24、非制動時には図30,図31の目
標スリップ率に近くなるように制御されるのであり、そ
れによって、制動時には全ての車輪の車輪移動方向力と
コーナリングフォースとの双方が適正な大きさとなり、
減速性と方向安定性との両方の要求が満たされて車両が
良好に旋回しつつ制動される一方、非制動時にはスピン
の発生が良好に防止されることとなる。
【0065】また、前後速度センサ124と横速度セン
サ126との少なくとも一方がフェールした状態では、
制動時には前輪も後輪もスリップ率が予め定められた一
定値となるように制御され、非制動時には前輪は制御さ
れず後輪のみのスリップ率が予め定められた一定値とな
るように制御される。センサのフェール時にも従来のア
ンチスキッド制御およびトラクション制御は支障なく行
われ得るのである。
【0066】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、図3の車両重心点スリップ角算出手段17
3によって車体スリップ角検出手段1が構成されている
。すなわち、前後速度センサ124および横速度センサ
126と、制御装置22のS101〜S104を実行す
る部分とによって、車体スリップ角検出手段1が構成さ
れているのである。また、図3のブレーキ操作検出手段
142,前輪左右スリップ率算出手段176および後輪
左右目標スリップ率算出手段178のうちセンサの非フ
ェール状態において目標スリップ率を決定する部分によ
って、すなわち、ブレーキスイッチ104と制御装置2
2のS300,S302ないしS306を実行する部分
によって、目標スリップ率決定手段2が構成されている
。また、図3の基準車輪速算出手段174,前輪左右ブ
レーキ制御目標車輪速算出手段180,後輪左右ブレー
キ制御目標車輪速算出手段182,スロットル制御目標
車輪速算出手段184,図7の目標ブレーキ液圧算出手
段200,202,204,206,ブレーキ制御手段
160,162,164,166ならびに図4,図5,
図6のの各手段によって、すなわち、液圧ブレーキ装置
18および駆動装置20と制御装置22のS2,S4〜
S9のうちセンサの非フェール状態の各すテップを実行
する部分とによって、車輪トルク制御手段3が構成され
ている。
【0067】そして、図3の走行速度推定手段136,
アンチスキッド制御手段137,トラクション制御手段
138,横G検出手段141,前後速度フェール検出手
段168および横速度フェール検出手段169によって
、すなわち、横Gセンサ128,走行速度等演算用コン
ピュータ133,アンチスキッド制御コンピュータ13
4,トラクション制御コンピュータ135ならびに制御
装置22のS0を実行する部分によって、フェール検出
手段4が構成されており、図3のブレーキ操作検出手段
142,前輪左右スリップ率算出手段176および後輪
左右目標スリップ率算出手段178のうちセンサのフェ
ール状態において目標スリップ率を決定する部分によっ
て、すなわち、ブレーキスイッチ104と制御装置22
のS301,S307ないしS311を実行する部分に
よって、目標スリップ率決定手段2が構成されている。
【0068】図35〜図37に本発明の別の実施例を示
す。これらの図に示す以外の部分は上記実施例と同様で
ある。本実施例は、図35から明らかなように、後輪左
右目標スリップ率算出手段178にヨーレイト検出手段
140が接続されており、図36に示すように、前後速
度センサ124と横速度センサ126との少なくとも一
方のフェール時に左右後輪の目標スリップ率がヨーレイ
トの微分値に基づいて決定される点に特徴を有している
【0069】S301においてセンサフェールの判定が
なされた場合には、S312,S313およびS314
においてヨーレイトYrの微分値DYrが演算された後
、S307以降が実行される。S307〜S310は前
記実施例と同じであるが、S315における後輪の目標
スリップ率決定が異なっている。両後輪のスロットル制
御用目標スリップ率Tslprr,Tslprlがヨー
レイトの微分値DYrに応じて図37に示す大きさに決
定されるのである。本実施例においては、センサフェー
ル中に、制動時には前輪と後輪との目標スリップ率がそ
れぞれ適正な一定値に設定されてアンチスキッド制御が
行われ、非制動時には前輪の制御が禁止されるとともに
後輪については左右で異なる目標スリップ率が設定され
、トラクション制御とスピン制御との両方が確保される
【0070】以上、本発明の二つの実施例を説明したが
、これらは文字通り例示であり、当業者の知識に基づい
て種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施し得る
ことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を概念的に示すブロック図である
【図2】本発明の一実施例である車両制御装置を示す系
統図である。
【図3】上記車両制御装置の一部を機能に着目してブロ
ック化した図である。
【図4】上記車両制御装置の一部を機能に着目してブロ
ック化した図である。
【図5】上記車両制御装置の一部を機能に着目してブロ
ック化した図である。
【図6】上記車両制御装置の一部を機能に着目してブロ
ック化した図である。
【図7】上記車両制御装置の一部を機能に着目してブロ
ック化した図である。
【図8】図2のROM2に格納されている制御プログラ
ムを示すフローチャートである。
【図9】上記制御プログラムの一部の詳細を示すフロー
チャートである。
【図10】上記制御プログラムの一部の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図11】上記制御プログラムの一部の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図12】上記制御プログラムの一部の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図13】上記制御プログラムの一部の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図14】上記制御プログラムの一部の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図15】上記制御プログラムの一部の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図16】上記制御プログラムの一部の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図17】上記制御プログラムの一部の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図18】上記制御プログラムの一部の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図19】上記制御プログラムの一部の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図20】上記制御プログラムの一部の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図21】上記制御プログラムの一部の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図22】右旋回中の車両重心点および各車輪のスリッ
プ角の方向を示す図である。
【図23】ステアリングホイールの操舵角と左右前輪の
実舵角との関係を示すグラフである。
【図24】制動時における車輪のスリップ角と目標スリ
ップ率との関係を示すグラフである。
【図25】車輪のスリップ角が4度の場合における最大
全摩擦力の方向と大きさとを示す図である。
【図26】車輪のスリップ角が12度の場合における最
大全摩擦力の方向と大きさとを示す図である。
【図27】車輪のスリップ角が20度の場合における最
大全摩擦力の方向と大きさとを示す図である。
【図28】車輪のスリップ角が50度の場合における最
大全摩擦力の方向と大きさとを示す図である。
【図29】図14の目標スリップ率の決定を説明するた
めの図である。
【図30】車両重心点スリップ角と非制動時における後
輪の目標スリップ率を決定するためのテーブルの内容示
すグラフである。
【図31】車両重心点スリップ角と非制動時における前
輪の目標スリップ率との関係を示す図である。
【図32】図30および図31の目標スリップ率の決定
を説明するための図である。
【図33】エンジン回転数および変速段と目標エンジン
トルクを算出するための比例ゲインとの関係を示すグラ
フである。
【図34】エンジン回転数と目標エンジントルクと目標
スロットル開度との関係を示すグラフである。
【図35】本発明の別の実施例における前記図3に相当
する図である。
【図36】本発明の別の実施例における前記図14に相
当する図である。
【図37】上記別の実施例に使用される目標スリップ率
テーブルの内容を示すグラフである。
【符号の説明】
10  左前輪 12  右前輪 14  左後輪 16  右後輪 18  液圧ブレーキ装置 20  駆動装置 22  制御装置 106  圧力センサ 108  回転センサ 110  回転センサ 112  回転センサ 114  回転センサ 116  アクセルセンサ 118  開度センサ 120  エンジン回転センサ 122  変速段センサ 124  前後速度センサ 126  横速度センサ 128  横Gセンサ 130  ヨーレイトセンサ 132  操舵角センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  車体のスリップ角を検出する車体スリ
    ップ角検出手段と、少なくとも検出されたスリップ角が
    設定値を超える状態では、左右前輪および左右後輪の目
    標スリップ率をスリップ角の大きさに応じて決定する目
    標スリップ率決定手段と、前記左右前輪および左右後輪
    の実際のスリップ率が各目標スリップ率に近づくように
    各車輪の回転トルクを制御する車輪トルク制御手段とを
    含む車両制御装置において、前記車体スリップ角検出手
    段のフェールを検出するフェール検出手段と、そのフェ
    ール検出手段のフェール検出時に前記前輪のスリップ率
    を予め定められた一定値に設定するフェール時スリップ
    率設定手段とを設けたことを特徴とする車両制御装置。
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