JPH0425680Y2 - - Google Patents

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JPH0425680Y2
JPH0425680Y2 JP8210885U JP8210885U JPH0425680Y2 JP H0425680 Y2 JPH0425680 Y2 JP H0425680Y2 JP 8210885 U JP8210885 U JP 8210885U JP 8210885 U JP8210885 U JP 8210885U JP H0425680 Y2 JPH0425680 Y2 JP H0425680Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は例えば核融合炉用炉材、高速増殖炉用
炉材の中性子損傷試験或いはその他の材料の軽イ
オン照射下のクリープ試験等に使用するビーム電
流分布均一化マグネツト装置に関する。
〔従来の技術〕
核融合炉用炉材、高速増殖炉用炉材の中性子損
傷のシミユレーシヨンとして、サイクロトロンよ
り射出する軽イオンによる照射下クリープ試験が
行われている。
この照射下クリープ試験は、一定温度、一定荷
重のもとで試料に軽イオンビームを照射し、軽イ
オンビームを照射しない場合(熱クリープのみ)
との、試料のクリープ速度の差異を検出すること
により、軽イオン照射下の材料クリープ特性を得
ることを目的としている。この材料クリープ特性
は、温度に最も敏感なために、試料の温度制御が
重要となる。この試験では、試料中心から発する
赤外線の波長を検出し、その温度特性から試料温
度を求め、これを試料加熱電源にフイードバツク
することにより、温度制御を行つている。しかし
ながら上記サイクロトロンから取り出される軽イ
オンビーム1は、ビーム輸送系四極電磁石群の集
束作用によりビーム電流分布はガウス分布とな
る。このようなガウス分布をした軽イオンビーム
を試料に照射した場合、試料中心付近の温度は、
試料端の温度に比べて上昇する。したがつて、試
料に与える加熱を実際よりも小さく制御し、熱ク
リープのみの場合よりも試料の平均温度は低下す
るために、軽イオン照射によるクリープが見かけ
上小さくなる。この理由により、ビーム電流分布
がガウス分布の場合には、精密な軽イオン照射下
クリープ試験は困難であつた。
軽イオン照射下クリープ試験において、照射ビ
ーム電流分布は照射試料面で均一であることが要
求される。
かかる目的を達成するため、本件出願人は既に
特願昭58−83130号で加速器より取り出され、ビ
ーム輸送系により輸送されるガウス分布のビーム
電流分布を台形分布のビーム電流分布に変換する
ビーム電流均一化マグネツト装置を提案した。こ
れは第2図イ示のようにビーム1の進行方向に第
1の磁石2と第2の磁石3を前後2段に配置し、
これら第1の磁石2と第2の磁石3にはそれぞれ
ビームのピークの半部を夫々端の方にそらせるピ
ーム分散用の磁極片2a,3aを設け、更に上記
第1の磁石2と第2の磁石3には夫々ビームの端
部を夫々中心に向かつてそらせる端寄せ用の磁極
片2b,3bを設けたものである。
前段、後段の各磁石2,3の励磁電流は互いに
逆向きに流され、従つて磁場の極性は互いに逆に
なつており、前段、後段を通じて、ビームに働く
力が第2図イ矢印で示すようにビーム中心のピー
ク付近で発散性、ビーム端付近で集束性を持つよ
うにするものである。なお電磁石の代わりに永久
磁石を用いてもよい。かかる第1及び第2の磁石
2,3においてビーム1のx方向の磁場分布は第
2図ロ示の曲線Pのように中心が凹んだものとな
る。
〔考案が解決しようとする問題点〕
しかしながらこれでもビーム1の中心付近の磁
場は未だ強過ぎ、台形関数的分布をしたビームに
変えるには不充分であつた。
本考案はかかる問題を解決するもので、永久磁
石を磁極片の形成する磁力線を減らす様に、磁極
片間に挿入する事で、磁場分布により大きな凹凸
を作り、ビームの電流分布を効果的に台形関数的
分布にするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本考案は、ビームの進行方向に第1の磁石と第
2の磁石を前後2段に配置し、これら前段、後段
の磁石の各磁極片の位置はビームの電流分布方向
において互いにずれた位置に配置され、その磁場
は各磁極片の領域のみで部分的に高く、前段、後
段の各磁石の磁極は互いに逆向きでそれらの磁場
の極性は互いに逆になつており、前段、後段を通
じて、前段の磁石はビームの半部に働く力がビー
ム中心のピーク付近で発散性、ビーム端付近で集
束性を持つようにし、後段の磁石はビームの残り
の半部に働く力がビーム中心のピーク付近で発散
性、ビーム端付近で集束性をもつようにし、これ
によつてこれら前段と後段の磁石は夫々ビームの
ピークの半部を夫々端の方にそらせるピーク発散
用の磁極片と夫々ビームの端部を夫々中心に向か
つてそらせる端寄せ用の磁極片とを構成し、上記
磁極片の間には極性の異なる永久磁石を磁極片の
形成する磁界を減らすように挿入してなることを
特徴とするビーム電流分布均一化マグネツト装置
である。
以下図面につき本考案を説明すると、第1図イ
示のような永久磁石4,5を夫々第1の磁石2と
第2の磁石3の各磁石片2a,2b,3a,3b
間に磁力線を減らすような向きに挿入したもので
ある。
〔作用〕
上記永久磁石4,5を挿入することによつてビ
ーム1のx方向磁場分布は第1図ロ示の曲線Qの
ように中心が更に凹んだものとなり、結果的にそ
の電流分布を台形分布にすることができる。
〔実施例〕
以下第3図以降の図面につき、本考案の一実施
例を詳細に説明する。第1と第2の電磁コイル2
c,3cは略同じ構成であるので、第4,5図は
電磁コイル2cの例のみを示す。
第3図示のように、サイクロトロンの加速箱6
より射出する帯状軽イオンのビーム1はその出口
よりアルミニウム等の非磁性体よりなる矩形状の
ダクト7を通し、本考案による装置8を通してタ
ーゲツト9に案内する。このターゲツト9に例え
ば軽イオン照射下でクリープ試験を行うための上
下方向に荷重した試料をおくものとする。
第4図示のように上記ダクト7の両側にはその
ビーム1の進行方向に向かつて第1及び第2の電
磁コイル2c,2c,3c,3cを前後2段に順
次設けて、これら第1及び第2の電磁コイル2
c,2c,3c,3cを固定すると共に互いに逆
向きに直流電流を流す。第4図では前段の第1の
電磁コイル2cのみを示すが、後段の第2の電磁
コイル3cも全く同じ構造で、これらの電磁コイ
ル2c,3cは磁界が互いに干渉しないだけ、前
後方向に離間させる。
第4,5図示のように、上記第1の電磁コイル
2c,2cの中心のヨーク13,13のダクト7
に対向する面には上下方向に伸びるあり溝14,
14をレール15,15により夫々形成し、これ
らのあり溝14,14には夫々上下の磁極片2
a,2a,2b,2bを上下動すべく嵌合する。
上記上下の磁極片2a,2a,2b,2bには
夫々上下の調節棒18,18,19,19の下端
及び上端に回動するが、上下には拘束するように
連結し、これらの上下の調節棒18,18,1
9,19は夫々ヨーク13,13に上下動しない
ように支持したギヤ20,20,21,21の中
心螺孔に螺合し、それらのギヤ20,21は夫々
ギヤ22,22,23,23を介して磁極片2
a,2b上下駆動用のモータ24,25に連結す
る。
第5図示のように第1の電磁コイル2cの上の
磁極片2a,2aはピーク分散用の磁極で、ビー
ム1中心のピークより僅かに上に対向するよう位
置させ、また下の磁極片2b,2bは端寄せ用の
磁極で、ビーム1の下端に対向するように位置さ
せる。第2の電磁コイル3cの下の磁極片3a,
3aはピーク分散用の磁極で、ビーム1中心のピ
ークより僅か1に対向するように位置させ、また
上の磁極片3b,3bは端寄せ用の磁極で、ビー
ム1の上端に対向するように位置させる。
上記磁極片2a,2b,3a,3bの間には永
久磁石4,5を夫々の磁極片2a,2b,3a,
3bに対し逆向きの極性で第4図示の調節棒2
6,26により上下動すべく設け、これらの調節
棒26は同様の雌螺孔を有するギヤを介して第5
図示の永久磁石駆動モータ27,27に連結す
る。
第4,5図示のように上記第1と第2の電磁コ
イル2c,3cの中心とのヨーク13,13より
外方に螺杆28,28を連結し、これらの螺杆2
8は軸方向に動かないように支持したギヤ29の
雌螺孔に螺合すると共にこのギヤ29はギヤ30
を介してポール駆動用のモータ31に連結する。
次にこの装置の動作を説明する。
サイクロトロンの加速箱6より射出した軽イオ
ンのビーム1は帯状で、第6,8図の曲線aで示
すようにその強度は上下方向にガウス分布してお
り、その強度分布は中心近くが強く、その上下の
周辺に到るに従つて弱くなつている。
而してこのビーム1が第1の電磁コイル2cの
磁極片2a,2b間を通過すると第6図示のよう
なその磁界h1がビーム1の部分的領域に作用し、
そのピークの上半分と下端に同図矢印のような上
向きの力を与える。したがつて上の磁極片2aの
磁界によりビーム1のピークの上半部が上方にそ
らされてそのピークが分散され、また下端の磁極
片2bの磁界によりビーム1の下端が上方にそら
されて下端のビームは中心に寄る。したがつてビ
ーム1の強度分布は第7図の曲線bのようにな
る。
次にビーム1が第2の電磁コイル3cの磁極片
3a,3b間を通過すると第7図示のような磁界
h2がビーム1の部分的領域に作用し、その磁界の
向きは前記磁界h1の向きとは反対となるので、そ
のピークの下半部と上端に同図点線矢印のような
下向きの力を与える。したがつて下の磁極片3a
によりビーム1のピークの下半部が下方からそら
されてそのピークが分散し、また上端の磁極片3
bの磁界によりビーム1の上端が下方にそらされ
て上端のビームは中心による。したがつてビーム
1の強度分布は第8図示の曲線cのように平坦な
台形分布となる。
したがつてビーム1における照射試料の負荷荷
重方向(クリープ方向)の電流分布をガウス分布
から台形分布に補正することができるものであ
る。
〔実験例〕
第9,10図は従来と本考案の実験例を示すも
ので、第9図は第2図の磁石2において磁極片2
a,2b間の距離を20mm、ギヤツプ30mmにした場
合の磁場分布を示す。曲線P1は電流20A、曲線P2
は電流8Aの場合である。
第10図は第1図示のように磁石2において永
久磁石4を挿入した場合で曲線Q1が電流20A、曲
線Q2は電流8Aの場合である。曲線P1とQ1、曲線
P2とQ2の比較から明らかなように本考案では従
来よりもピークにおける谷が深くなるので、本考
案の方が効果的にピークを減少でき、したがつて
ビームの電流分布を効果的に台形分布にできるも
のである。
〔考案の効果〕
以上のように本考案によれば各前段、後段の磁
石の磁極片の位置の違いにより、ビームは前段、
後段磁石を通じてビーム中心のピーク付近は発散
性、ビーム端付近は集束性となるような力を受
け、更に上記磁極片間に挿入した永久磁石は更に
中心ピーク部分のピークを減少させるように作用
するので、更に効果的にガウス分布のビーム電流
分布を台形分布のビーム電流分布にできるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図イは本考案の原理を示す説明図、ロはそ
のビームにおける磁場分布図、第2図イは従来の
装置の説明図、ロはその磁場分布図、第3図は本
考案を適用したサイクロトロンの平面図、第4図
は第3図A−A線断面における端面図、第5図は
その斜視図、第6図はその第1の電磁コイル部分
における磁界とビームの強度分布の関係を示す説
明図、第7図はその第2の電磁コイル部分におけ
る磁界とビームの強度分布を示す説明図、第8図
は本考案によるビームの強度分布を示すグラフ、
第9,10図は従来と本考案の磁気による磁場の
分布の実験結果を示すグラフである。 1……ビーム、2,3……第1、第2の磁石、
2a,2b,3a,3b……磁極片、4,5……
永久磁石。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. ビームの進行方向に第1の磁石と第2の磁石を
    前後2段に配置し、これら前段、後段の磁石の各
    磁極片の位置はビームの電流分布方向において互
    いにずれた位置に配置され、その磁場は各磁極片
    の領域のみで部分的に高く、前段、後段の各磁石
    の磁極は互いに逆向きでそれらの磁場の極性は互
    いに逆になつており、前段、後段を通じて、前段
    の磁石はビームの半部に働く力がビーム中心のピ
    ーク付近で発散性、ビーム端付近で集束性を持つ
    ようにし、後段の磁石はビームの残りの半部に働
    く力がビーム中心のピーク付近で発散性、ビーム
    端付近で集束性をもつようにし、これによつてこ
    れら前段と後段の磁石は夫々ビームのピークの半
    部を夫々端の方にそらせるピーク発散用の磁極片
    と夫々ビームの端部を夫々中心に向かつてそらせ
    る端寄せ用の磁極片とを構成し、上記磁極片の間
    には極性の異なる永久磁石を磁極片の形成する磁
    界を減らすように挿入してなることを特徴とする
    ビーム電流分布均一化マグネツト装置。
JP8210885U 1985-05-31 1985-05-31 Expired JPH0425680Y2 (ja)

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JPS61197600U JPS61197600U (ja) 1986-12-10
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