JPH0425621Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本願は、主として内燃機関のエンジンオイルの
レベルを検知するために用いられる電極式オイル
レベルセンサに関する。

〔従来の技術〕

本出願人等は、第３図に示すような電極式オイ
ルレベルセンサを提案している。すなわちオイル
レベルセンサは凹部１が形成されたセンサ本体２
と、センサ本体２の凹部１に嵌合された一端と自
由端である他端とを有するほぼ円柱状の第１電極
５と、センサ本体２の凹部１に充填されセンサ本
体２に対し第１電極５を非接触状態に保持する絶
縁体６と、第１電極５を包囲しながらセンサ本体
２から伸び出しかつ第１電極５の電極と異なる極
性を有する第２電極７とで構成されている。この
オイルレベルセンサは、第４図のようにエンジン
オイル３のオイルパン８の上壁９に取付けられ、
使用に供される。

第４図の状態に於いては、オイルレベルセンサ
がエンジンオイル３中の浸漬されておらず、オイ
ルレベルを検知しない。エンジンオイル３のレベ
ルが上昇し、エンジンオイルがオイルレベルセン
サにまで達すると、第１電極５と第２電極７とが
エンジンオイル３を介して導通し、出力信号を発
し、オイルレベルが所定値以上であることを報知
する。またオイルレベルが所定値以下の場合に
も、オイル不足を報知するように、オイルレベル
センサに接続される制御回路（図示しない）を設
定できる。次いで、オイルレベルが低下すると、
エンジンオイル３はオイルレベルセンサから離
れ、上記のようにオイルレベルが所定値以上であ
る報知状態を解除させるか、あるいはオイル不足
を警示する信号を発する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

エンジンオイル３が、いつたんオイルレベルセ
ンサに接触するレベルにあり、次いで下降し、非
接触の状態に至つても、なおオイルレベルが所定
値以上であるかのような信号を発し続け、正しく
作動しない恐れが生じる。すなわち、第５図のよ
うに、エンジンオイル３がオイルレベルセンサよ
り下方にあつても、第１、第２電極５，７間にエ
ンジンオイル３が残存したり、あるいはこのよう
なエンジンオイル３が完全に下降するのに時間が
掛る、いわゆるオイル切れが悪い現象が生じるた
めである。一般にエンジンオイルは比較的粘性の
ものであるので、このような現象は生じ易い。こ
の問題を解決するには、オイルレベルセンサの第
１、第２電極間の距離を大とすれば良いのである
が、そうするとオイルレベルセンサを大形化させ
てしまい、所望の場所へ設置するのが困難とな
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本願考案の電極式オイルレベルセンサは、凹部
が形成されたセンサ本体と、センサ本体の凹部に
嵌合された一端と自由端である他端とを有するほ
ぼ円柱状の第一の電極と、センサ本体の凹部に充
填されセンサ本体に対し第一の電極を非接触状態
に保持する絶縁体と、第一の電極を包囲しながら
センサ本体から伸び出ており、下端から上方に向
け所定の長さにわたり伸びるスリツトを有し、か
つ第一の電極と異なる極性を有する円筒形状の第
二の電極とで構成される。

〔作用〕

オイルレベルセンサがエンジンオイル中に浸漬
された状態から、エンジンオイルレベルが低下し
て、エンジンオイルから離れる際に、第二の電極
内にエンジンオイルが残存するが、このイオイル
と接する第二の電極内壁は一部にスリツトを有す
るので、その間の表面張力に差異が生じ、第二の
電極内に滞留することなく、直ちに流下する。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を第１図及び第２図に
ついて説明する。

まず、第１図、第２図に示すように、この考案
の電極式オイルレベルセンサは、凹部１０が形成
されたセンサ本体１１と、凹部１０に嵌合された
一端１２と自由端である他端１３とを有するほぼ
円柱形状の第一の電極１４と、センサ本体１１の
凹部１０に充填されセンサ本体１１に対し第一の
電極１４を非接触状態に保持する絶縁体１５と、
第一の電極１４を包囲しながらセンサ本体１１か
ら伸び出しかつ第一の電極１４と異なる極性を有
する円筒形状の第二の電極１６とを有する。セン
サ本体１１は、真鍮又は亜鉛鍍金の鉄で形成さ
れ、絶縁体１５は、電気抵抗率の極めて高い
PBT樹脂（ポリブチレンテレフタレート樹脂）
で形成される。

第一の電極１４及び第二の電極１６は、アルミ
ニウムで形成され、第二の電極１６は、複数の孔
１７が形成される。いずれにしても、エンジンオ
イルが100〜150℃に加熱されるため、この温度範
囲において絶縁体１５は高い絶縁性を有すると共
に、第一の電極１４、絶縁体１５及び第二の電極
１６は、エンジンオイルに対する耐食性を有す
る。

第一の電極１４及び第二の電極１６には、導線
１８及び１９がそれぞれ接続され、第一の電極１
４と第二の電極１６との間を流れる電流が供給さ
れる。導線１９は、センサ本体１１に穿設された
開口部２０に接続される。開口部２０には必要に
応じて導電性スリーブ２１が取付けられる。上記
実施例において、第一の電極１４と第二の電極１
６とを正極又は負極の何れか逆の極性で使用する
ことができる。

第二の電極１６には、その下端から上方に向け
所定の長さにわたり伸びるスリツト２２が設けら
れる。スリツト２２を第二の電極１６の上端付近
まで延設すれば、上記孔１７は不用となる。

エンジンオイルレベルが第一の電極１４下端に
まで達すると、第一、第二の電極１４，１６間が
エンジンオイルを介して導通し、エンジンオイル
が所定値以下であることを示す信号を発する。エ
ンジンオイルレベルが低下し、エンジンオイルが
第一の電極１４から離れると、第一、第二の電極
１４，１６間が非導通となり、エンジンオイル不
足を警示する。第二の電極１６下端からエンジン
オイルが離れる際に、第二の電極１６内のエンジ
ンオイルは、スリツト２２により、滞留すること
なく流下する。

〔効果〕

以上のように本考案のオイルレベルセンサは第
二の電極にその下端から上方に向け伸びるスリツ
トを形成させたものであるからオイルの排出を容
易にし、第二の電極内にオイルが滞留して生じる
誤作動を防止する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のオイルレベルセンサの断面
図、第２図は第１図の底面図、第３図は従来のも
のの断面図、第４図はオイルレベルセンサをオイ
ルパンに装着した状態を示す図、そして第５図は
第３図の一部拡大図である。 １４……第一の電極、１６……第二の電極、２
２……スリツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 凹部が形成されたセンサ本体と、センサ本体の
   凹部に嵌合された一端と自由端である他端とを有
   するほぼ円柱状の第一の電極と、 センサ本体の凹部に充填されたセンサ本体に対
   し第一の電極を非接触状態に保持する絶縁体と、
   第一の電極を包囲しながらセンサ本体から伸び出
   ており下端から上方に向け所定の長さにわたり伸
   びるスリツトを有しかつ第一の電極と異なる極性
   を有する円筒形状の第二の電極とで構成されるこ
   とを特徴とする電極式オイルレベルセンサ。