JPH04255451A - 車両用交流発電機 - Google Patents
車両用交流発電機Info
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Abstract
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Description
磁石を配置して成る磁極を界磁回転子とする車両用交流
発電機の改良に関する。
成する界磁回転子の上記爪状磁極片間に永久磁石を介在
した車両用交流発電機の構成が特開昭61−85045
号公報に開示されている。図6は上記公報に記載されて
いる界磁回転子を示す断面図であり、互いに対向した先
細状の爪状磁極片1.1の間に、同じ先細り形状の永久
磁石3が介在されている。上記永久磁石3の磁束は、界
磁巻線2によって励磁される磁気回路の磁束と加算成分
となって有効磁束を増加させ、出力を向上させることが
できる。
発電機のように出力によってバッテリの充電を行ってい
る回転電機では、永久磁石の発生する磁束の大きさとし
て、軽負荷時の発電機出力によってバッテリが過充電さ
れない適正値に選ぶ必要がある。発電機出力は、界磁巻
線を零励磁状態と仮定したときの永久磁石だけによる発
電機出力(以下、零励磁電圧と称する)と、本来の励磁
された界磁巻線だけによる発電機出力とを合計したもの
で、例えば14.5V程度とされている。したがって、
永久磁石の発生する磁束を利用した発電機出力の高効率
出力化を図るためには、永久磁石の磁気力を単純に増加
するという考えでは対応できない。
永久磁石の磁気力を選定すると、磁極の寸法等、仕様の
異なるものに対しては、出力を効率的に取り出せないと
いうことになる。さらに、永久磁石の磁気力を増加する
場合は、磁石性能を上げたり、磁石使用比を増したりす
るが、このような手段を講じるときは、永久磁石の重量
の増加につながり、それによる遠心力に対抗して爪状磁
極片の変形を防止する措置を取る必要が生じてくる。
に高効率高出力を得る磁極の設計を可能とする車両用交
流発電機の提供を目的とする。
する所定数の爪状磁極片が先端側短辺,基端側長辺及び
二つの斜辺から成る台形を成した界磁回転子を有する車
両用交流発電機において、前記斜辺から回転軸の径方向
に形成される前記爪状磁極片の側面間に、着磁容易軸が
周方向に合わされ、励磁によって前記爪状磁極片に交互
に現れる極性と極性が一致された永久磁石を介在し、該
永久磁石の残留磁束密度をBr(単位テスラ),前記先
端側短辺から基端側長辺までの磁極片長をL,基端側長
辺長をW,前記二つの斜辺の成す角度を2θにて表した
とき、 なる関係が成立するように構成した。
れた界磁回転子は、励磁電流が無いときの永久磁石だけ
による磁束は、爪状磁極片の基端側断面が飽和しなけれ
ば固定子側へ殆ど漏洩しない。そして、爪状磁極片の基
端側断面が飽和すると、固定子側への有効磁束が急に増
加してそれによる零励磁電圧が発電機出力中に出現する
。また、磁石極性を爪状磁極片の励磁により生じる極性
に一致して永久磁石を介在しているので、爪状磁極片間
に存在する漏洩磁束は、永久磁石による磁束を零から徐
々に高めるにつれて減少する。したがって、上記漏洩磁
束が無くなるときに、発電機出力特性に変曲点を生じる
。本発明は、上記各特性の変曲点を生じる永久磁石磁束
と、爪状磁極片の諸定数L,W及びθとの関係を求める
ことによって、上式を導いたもので、上式により、L,
W及びθを決めれば、Brすなわち、永久磁石の磁束に
比例するファクターを画一的に決定することができ、仕
様が異なっても、高効率高出力とバッテリの過充電回避
とが同等に企図された界磁回転子の設計が可能となる。
説明する。図1は本発明に係る車両用交流発電機の一実
施例を示し、同発電機における界磁回転子の円周方向部
分断面図である。また、図2は上記界磁回転子を構成す
る磁極の外周面に形成された爪状磁極片を示す斜視図、
図3は界磁巻線を巻装するボビンを示す斜視図、図4は
図1のE方向から見た正面図である。
着された界磁鉄心12A,12Bにて磁極が構成される
。界磁鉄心12A,12Bは、軸周回方向に界磁巻線1
3を巻装したボビン14を収容するとともに、その界磁
巻線13を覆うように所定数の爪状磁極片12a,12
bが形成されている。爪状磁極片12a,12bは、図
2に示すように、界磁鉄心12A,12Bの径方向部に
連設した基端側が長片を、先端側が短辺をなす大略台形
をなし、互いに噛み合って磁極外周面を形成している。 台形の斜辺、すなわち磁極周方向の側縁には、つば状突
部12a−1,12b−1が形成され、該つば状突部1
2a−1,12b−1から内径方向(厚み方向)に形成
された周方向側面同士の間隙に、該つば状突部12a−
1,12b−1によって遠心方向(径方向)位置が規制
された永久磁石15が介在されている。永久磁石15は
、周方向に着磁容易軸が向けられるとともに、径方向に
着磁困難軸が向けられ、その極性は、界磁巻線13によ
って励磁された爪状磁極片12a,12bに交互に現れ
る極性と一致するように着磁されている。
筒状の部分にて分割された一組の磁性ステンレス板プレ
ス成形品14A,14Bを表面絶縁処理し、その筒状の
部分で突き合わせて粘着性接着シート16によって接着
して成る。筒状の部分から外径方向に伸びた延在部14
a,14bには、それぞれ爪状磁極片12a,12bの
短辺側側面に対応して突起部14a′,14b′が延出
される。各突起部14a′、14b′には、界磁巻線1
3を冷却するための通風用孔17A,17Bが形成され
、本実施例では、これら通風用孔17A,17Bに、図
4に示すように、爪状磁極片12a,12bの短辺側側
面から突設された磁極先端固定用部12a−2,12b
−2が遊嵌されている。
15は、爪状磁極片12a,12b間での磁束の漏洩を
防ぐとともに、界磁巻線13による磁気回路の磁束に対
し加算成分となる磁束を供給し、発電機出力を高めるこ
とができる。これは、上記特開昭と同じである。さて、
本発明者等は、車両用交流発電機について、まず、界磁
巻線13を励磁しないとき永久磁石だけによる磁束Φm
0 を変化させたとき、Φm 0 のうち界磁鉄心1
2A,12Bに貫通せず、固定子鉄心側に向かう磁束(
以下、零励磁時有効磁束と称する)の変化特性を考えた
。この特性は零励磁電圧の特性でもあり、Φm 0 は
爪状磁極片12a,12bの基端側断面が飽和しなけれ
ば固定子側へ殆ど漏洩せず、爪状磁極片12a,12b
の基端側断面が飽和すると、固定子側へΦm 0 が漏
洩し、この漏洩成分が有効磁束(以下、零励磁時有効磁
束と称する)として発電機出力を急に増加させると考え
られる。
状態で、永久磁石の発生磁束を零から徐々に高めた場合
の発電機出力を考えた。この場合、爪状磁極片間に存在
する漏洩磁束は、永久磁石による磁束の増加に応じて減
少するから、上記漏洩磁束が無くなるときに、発電機出
力の増加特性が急に減速する変曲点があると考えられる
。
は、横軸に
L
───■
Br・─────────
W・cosθをとり、縦軸にそれぞ
れ無励磁時有効磁束Φ 0と、界磁回転子の単位重量あ
たりの発電機の比出力(アイドル出力電流/ロータ重量
)とをとった、零励磁時有効磁束特性A及び比出力(ア
イドル出力電流/ロータ重量)特性Bを示すグラフであ
る。零励磁時有効磁束特性Aでは、■の値を徐々に大き
くしていったとき、0.8の近傍で変曲点Cを生じ、ア
イドル出力特性Bでは、0.2の近傍で変曲点Dを生じ
た。そして、これらの各変曲点C,Dの間の範囲が、発
電機の体格、磁極寸法等種々異なった仕様の発電機につ
いて共通に適正な零励磁電圧を発生し得るBr,L,c
osθ,Wの関係を与えるものと考えた。
示されるBr,L,cosθ,Wの選定式は、永久磁石
の残留磁束密度をBr(単位テスラ),前記先端側短辺
から基端側長辺までの磁極片長をL(すなわち、固定子
磁極の積厚に略等しい),基端側長辺長をW,前記二つ
の斜辺の成す角度を2θ(θ:磁極スキュー角)にて表
したとき、発電機常用負荷(車両運転中に発電機に接続
されている負荷)状態において、
L 0.2≦Br・─────────≦0.
8 ───■
W・cosθと
なる。上式の関係が成立するように、永久磁石の発生す
る磁束と爪状磁極片12a,12bの形状寸法との関係
を選定すれば、発電機出力を増すと同時に最適なる零励
磁電圧を与えることを究明した。
々異なった仕様の発電機に普遍的に適用できることにつ
いて以下、考察する。まず爪状磁極片12a,12bの
周方向側面積(すなわち磁石断面積と略等しい)をS1
,爪状磁極片12a,12bの基端側断面積をS2
,爪状磁極片厚tとすると、励磁電流が無いとき永久磁
石の発生する磁束Φm 0 は、 L
S1 =t・────── より、
cosθ
L Φm 0 =Br・S
1 =Br・t・─────
───■
cosθ
この磁束Φm 0 のすべてが界磁鉄心12A
,12Bに貫通して固定子に向かわない為にはW・tで
決定される基端側断面が少なくとも飽和しないことが必
要である。そこで鉄の飽和が顕著となる磁束密度をBs
iとすると、基端側断面を通して先端側へ流し得る磁束
Φiomaxは Φiomax=Bi・W・t 1磁極に対して2つの永久磁石が磁束を供給することを
考慮すると、基端側断面が飽和しない条件はΦioma
x≧2Φm 0 すなわち、
L Bi・W・
t≧2Br・t・ ─────
───■
co
sθ ここで、Biは通常Bsi=1.6 テスラ
程度であるゆえこれを代入すると、
L 1.6W・
t≧2Br・t・──────
cosθ すなわち、 L
Br・ ────────≦0.8
となる。 ───■
W・cosθ
この関係を満足しな
くなるとき、前述の如く零励磁時有効磁束Φ 0が急に
増すこととなる。すなわち、零励磁時有効磁束特性Aの
変化が、 L ────────・Br=0.8
───
■ W・cosθ
の付近で急に立上がりをみせるのは上記理由によると考
えられる。
───
■ W・cosθ
の付近で比出力(アイドル出力電流/ロ−タ重量)
の変化が変曲点を有する理由であるが、本願発明者等は
次のように考えた。すなわち爪状磁極間には漏洩磁束が
生じているが、前述構成の如く永久磁石の極性が爪状磁
極片12a,12bに交互に現れる極性と一致して着磁
されているので、上記漏洩磁束が低下され、その分有効
磁束が増加する。すなわち、永久磁石の磁気力を零から
徐々に高めるにつれて前記漏洩磁束が比例的に低下して
、その分出力が比例的に増大してゆく。このように漏洩
磁束が減ってゆき、これが無くなると、つづいて永久磁
石の磁束が加わって出力が増すモ−ドに変わる。このモ
−ド変化の部分がD点での変曲点になっているものと考
えた。
磁極寸法等種々異なった仕様に対して図5の関係が略普
遍的に成り立つことを見出した。なお、具体的実施例で
は、
LBr=0.5テスラ、Br・──
──────=0.71 ───■
W・cosθとしている。
2bの周方向側面が径方向にとり得る最大面積である略
矩形をしており、これに介在される永久磁石は、外周面
幅を同じとすると、従来の先細り形状の磁極に対して重
量が増して遠心力によって変形し易くなるが、前記構成
の項で述べた如く爪状磁極片12a,12bの最も変位
の大となる先端側側面から突設された磁極先端固定用部
12a−2,12b−2が、ボビンに形成した通風用孔
17A,17Bに遊嵌されているため、大がかりな変形
防止材を特設することなく、爪状磁極片12a,12b
の変形を防止することができる。
への離脱を規制するつば状突部12a−1,12b−1
や、先端側で係留する通風用孔17A,17Bと磁極先
端固定用部12a−2,12b−2の手段は種々の変形
が考えられる。また、永久磁石の形状は、上記実施例の
ように六面体である必要はない。
磁束が減少する点と、零励磁電圧が急増する点によって
両側から挟まれる範囲に、異なる仕様の界磁回転子に対
して普遍的に適用することができる磁極と磁石の選定範
囲を見出し、バッテリ過充電のおそれがなく、高効率高
出力の設計が容易になる。
す断面図。
2b─爪状磁極片、12a−1,12b−1─つば状突
部、13─界磁巻線、14─ボビン、15─永久磁石、
17A,17B─通風用孔、12a−2,12b−2─
磁極先端固定用部、S1 ─周方向側面、S2 ─基端
側断面。
Claims (1)
- 【請求項1】固定子と対面する所定数の爪状磁極片が先
端側短辺,基端側長辺及び二つの斜辺から成る台形を成
した界磁回転子を有する車両用交流発電機において、前
記斜辺から回転軸の径方向に形成される前記爪状磁極片
の側面間に、着磁容易軸が周方向に合わされ、その極性
が励磁によって前記爪状磁極片に交互に現れる極性と一
致された永久磁石を介在し、該永久磁石の残留磁束密度
をBr(単位テスラ),前記先端側短辺から基端側長辺
までの磁極片長をL,基端側長辺長をW,前記二つの斜
辺の成す角度を2θにて表したとき、 なる関係が成立するように構成したことを特徴とする回
転機。
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