JPH04251579A - 静電モータ - Google Patents

静電モータ

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Publication number
JPH04251579A
JPH04251579A JP41679590A JP41679590A JPH04251579A JP H04251579 A JPH04251579 A JP H04251579A JP 41679590 A JP41679590 A JP 41679590A JP 41679590 A JP41679590 A JP 41679590A JP H04251579 A JPH04251579 A JP H04251579A
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JP
Japan
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electrode
rotor
rotor electrode
stator
substrate
Prior art date
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Pending
Application number
JP41679590A
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English (en)
Inventor
Junichi Takahashi
淳一 高橋
Hiroyuki Horiguchi
堀口 浩幸
Motomi Ozaki
尾崎 元美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロマシンニング
により作製され静電力により駆動制御される静電モータ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来における静電モータとしては、例え
ば、その第一の従来例として、図20に示すようなもの
がある。図20(a)は平面図であり、図20(b)は
縦断側面図を示すものである。この場合、基板1上には
ベアリング2が設けられており、その周囲にはロータ電
極3が配設され、さらに、そのロータ電極3の外周には
ステータ電極4が配設されている。このようにロータ電
極3とステータ電極4とは同じ高さの位置に設けられて
おり、ロータ電極3を挾んで対向するステータ電極4間
に電圧を順次印加していくことにより、ロータ電極3と
ステータ電極4との間に発生する静電引力によりロータ
電極3側が回転するような構成となっている。
【0003】また、第二の従来例として、図21に示す
ように、静電モータの印加電圧の制御方法について述べ
たものがある。この場合、駆動電圧は、ロータ電極3の
軸を中心として対向するステータ電極4の間に、それぞ
れφ1 とφ10、φ2 とφ20、φ3 とφ30の
電極が一定の位相をもって印加される。図21(b)は
その印加される電圧波形の様子を示すものであり、φ1
 、φ2 、φ3 の電極は一定の位相をもって印加さ
れる。従って、ここでは、1位相(例えば、T1 )の
間に生じる静電引力は、図21(a)中のハッチングで
示したステータ電極4とロータ電極3との間で生じるこ
とになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】第一の従来例の場合、
ステータ電極4がロータ電極3の周辺に配置されている
ため、ロータ電極3が回転力を得ても、この回転力を実
際に用いる場所まで伝達するギヤ等をロータ電極3の周
辺に配置することができない。また、静電引力は、一般
に、電圧を印加する電極の面積に比例する。しかし、電
極端面の面積は、ロータ電極3、ステータ電極4の厚み
をむやみに厚くすることができない(電極材質の成膜時
間、内部応力、その後のRIEのエッチング時間等によ
り制限される)ため、静電引力の大幅な増加は望むこと
ができない。従って、静電モータが生じる力(トルク)
も端面面積に制限され、これにより静電引力の著しい増
加を望むことができない。
【0005】また、第二の従来例の電圧印加方法の場合
、静電引力をロータ電極3の軸を中心として対向するス
テータ電極4間に印加するため、静電引力を生じるのは
6個のステータ電極4のうちの2個と8個のロータ電極
3のうちの2個のみであり、これにより生じる静電引力
は小さくなり駆動効率が悪い。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明では
、ステータ電極とロータ電極との間の静電引力により駆
動力を得る静電モータにおいて、基板の表面に前記ロー
タ電極を形成し、このロータ電極の直下の前記基板中に
前記ステータ電極を形成した。
【0007】請求項2記載の発明では、ステータ電極と
ロータ電極との間の静電引力により駆動力を得る静電モ
ータにおいて、基板の表面にロータ電極を形成し、この
ロータ電極を挾むようにそのロータ電極の上部及びその
ロータ電極の直下の前記基板中にそれぞれ前記ステータ
電極を形成した。
【0008】請求項3記載の発明では、ステータ電極と
ロータ電極との間の静電引力により駆動力を得る静電モ
ータにおいて、基板の表面にロータ電極を形成し、この
ロータ電極の直下の前記基板中に前記ステータ電極を形
成し、前記ロータ電極の長手方向の長さを前記ステータ
電極の外周端よりも長く形成した。
【0009】請求項4記載の発明では、ステータ電極と
ロータ電極との間の静電引力により駆動力を得る静電モ
ータにおいて、基板の表面にロータ電極を形成し、この
ロータ電極を挾むようにそのロータ電極の上部及びその
ロータ電極の直下の前記基板中に前記ステータ電極を形
成し、前記ロータ電極の長手方向の長さを前記ステータ
電極の外周端よりも長く形成した。
【0010】請求項5記載の発明では、ステータ電極と
ロータ電極との間の静電引力により駆動力を得る静電モ
ータにおいて、基板の表面にロータ電極を形成し、この
ロータ電極の直下の前記基板中に前記ステータ電極を形
成し、前記基板上の前記ロータ電極と噛み合う位置に力
伝達ギヤを形成した。
【0011】請求項6記載の発明では、ステータ電極と
ロータ電極との間の静電引力により駆動力を得る静電モ
ータにおいて、基板の表面にロータ電極を形成し、この
ロータ電極を挾むようにそのロータ電極の上部及びその
ロータ電極の直下の前記基板中に前記ステータ電極を形
成し、前記基板上の前記ロータ電極と噛み合う位置に力
伝達ギヤを形成した。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明においては、ステータ電極
がロータ電極の直下に設けられているので、ロータ電極
の周辺にそのロータ電極に生じる静電引力による回転力
を伝達するギヤを配設することが可能となる。
【0013】請求項2記載の発明においては、上下のス
テータ電極がロータ電極を挾むように形成されているの
で、電極面積を大きくとることができ、これにより発生
する回転力を一段と大きくとることが可能となる。
【0014】請求項3記載の発明においては、請求項1
記載の発明の効果に加え、さらに、ロータ電極の外周が
ステータ電極の外周より外側に出るように形成し、ステ
ータ電極がロータ電極の外側に存在しないので、これに
よりロータ電極の回転力を実際に使用する場所まで伝達
することが可能となる。
【0015】請求項4記載の発明においては、請求項2
記載の発明の効果に加え、さらに、ロータ電極の外周が
ステータ電極の外周より外側に出るように形成し、ステ
ータ電極がロータ電極の外側に存在しないので、これに
よりロータ電極の回転力を実際に使用する場所まで伝達
することが可能となる。
【0016】請求項5記載の発明においては、請求項1
記載の発明の効果に加え、さらに、力伝達ギヤを配設し
たことにより、ロータ電極の回転力を効率良く外部に伝
達させることが可能となる。
【0017】請求項6記載の発明においては、請求項2
記載の発明の効果に加え、さらに、力伝達ギヤを配設し
たことにより、ロータ電極の回転力を効率良く外部に伝
達させることが可能となる。
【0018】
【実施例】本発明の第一の実施例を図1〜図4に基づい
て説明する。まず、図1において、基板としての単結晶
Si基板5(以下、Si基板と呼ぶ)の表面には、Si
3 N4 膜6がLP−CVD法により作製され、この
Si3N4膜6上には周知の技術によりベアリング7と
ロータ電極8が形成されている。ロータ電極8の直下の
Si基板5中にはステータ電極9(P型)が単結晶Si
内に埋め込まれている。また、ロータ電極8と同一面上
には力伝達ギヤ10が形成されている。この力伝達ギヤ
10の中心にはベアリング11が設けられている。
【0019】次に、本実施例の作製プロセスを図3及び
図4に基づいて説明する。図3において、n型単結晶の
Si基板5を熱酸化してSiO2 膜12を作製する(
a)。次に、ステータ部分と配線部分の窓開け13を、
フォトリソ、エッチングにより行う(b)。次に、その
窓開けされた部分にイオン注入法、固相拡散法等により
不純物を拡散し、これによりSi基板5の一部を低抵抗
にしてステータ電極9や図示しない配線部分を作製する
(c)。次に、SiO2 膜12を除去した後、LP−
CVD法等によりSi3N4膜6を作製する(d)。次
に、低酸化シリコン膜14(LTO膜)をLP−CVD
法等により約1μm厚だけデポジションし、ブッシング
のためのディンプル15をBHFによりエッチングして
形成する(e)。次に、図4において、ロータ電極8や
力伝達ギヤ10となるpoly−Si16をLP−CV
D法等によりデポジションし、RIEにてエッチングを
行い、これによりロータやギヤの形状に加工する(a)
。次に、poly−Si16の表面にLTO膜17をデ
ポジションし、この状態でエッチングを行いアンカー1
8を形成する(b)。これにより、ベアリング7がSi
3N4膜6に接触すべく形成することが可能となった。 次に、poly−Si19をデポジションしてRIEに
よりベアリング7の形状に加工する(c)。次に、LT
O膜17をBHF等によりエッチングして、ロータ電極
8、力伝達ギヤ10を回転できるようにすることにより
、静電モータを作製することができる(d)。
【0020】次に、本発明の第二の実施例を図5ないし
図7に基づいて説明する。前述した第一の実施例におい
て、ロータ電極8を回転させるためにステータ電極9(
図2中の配線20)に電圧を印加した場合、その配線2
0の部分と力伝達ギヤ10間に存在する寄生容量により
、力伝達ギヤ10が受ける静電引力(ロータ8から機械
的に受ける力ではなく、配線20から直接受ける静電引
力)を低減させるような構成となっている。このような
静電引力はかならずしも回転力を高める方向には働かな
い(一種のノイズ)ので、この値を小さくする必要があ
る。そこで、本実施例では、これを実現するために、S
i基板5(n型)とSi3N4膜6との間にエピタキシ
ャル層21(n型)を形成し、このエピタキシャル層2
1の領域にステータ電極9を形成し、その配線20は下
部のSi基板5の表面に形成するようにしたものである
。従って、配線20の領域と力伝達ギヤ10との間には
、エピタキシャル層21が存在することになる。
【0021】前述した第一の実施例においては、配線2
0と力伝達ギヤ10との間のギャップはディンプル15
の凹みの段差とSi3N4膜6の厚みとの和である。こ
のギャップが大きくなると、ロータ電極8の発生する回
転力が小さくなるため、約1μm以上には設定できず、
このため力伝達ギヤと配線20とのギャップも1μmに
なる。一方、本実施例における図5では、エピタキシャ
ル層21は20μm程度の厚さに設定することができ、
これにより、配線20と力伝達ギヤ10との間隔は約2
0μmに設定するため、第一の実施例の場合に比べ、配
線20と力伝達ギヤ10との間に生じる寄生容量も約1
/20になる。従って、この寄生容量の減少により、配
線20と力伝達ギヤ10との間の静電引力も小さくなる
。 また、この場合、ステータ電極9とロータ電極8との間
のギャップは約1μmのままであるから、発生する回転
力は第一の実施例に比べて小さくなることはない。
【0022】次に、本実施例の作製プロセスを図6及び
図7に基づいて説明する。まず、図6において、単結晶
のSi基板5(n型)上に熱酸化膜であるSiO2 膜
22を形成する(a)。次に、SiO2 膜22の配線
部分となる領域23をフォトリソ、エッチングにより除
去し窓開けを行う(b)。次に、SiO2 膜22を除
去した部分に不純物の拡散された低抵抗の部分を形成し
、これにより配線20の部分を作成する(c)。次に、
表面のSiO2 膜22を全面除去する(d)。次に、
Si基板5上の全面に渡って厚さ20μmのn型のエピ
タキシャル層21を成長させる(e)。次に、図7にお
いて、エピタキシャル層21を通過してSi基板5の表
面に到達するように、イオン注入法や固相拡散法等を用
いて接続領域24に不純物(P型)を拡散する(a)。 次に、ステータ電極9となる部分にイオン注入法や固相
拡散法により不純物を拡散する(b)。これ以後のプロ
セスは、図3の(d)以降と同じなので、ここでの説明
は省略する。
【0023】なお、上述したプロセスにおいて、不純物
の型(n型、P型)は反対であってもよい。また、ステ
ータ電極9とSi基板5又はエピタキシャル層21との
間が逆バイアスとなるように、駆動電圧とSi基板5と
の間の電位を決める。さらに、配線20と図示しない外
部回路との間は、接続領域24と同様の拡散領域を介し
て、エピタキシャル層21の表面に取り出され、図示し
ないメタルのボンディングパッドを通して接続される。
【0024】次に、本発明の第三の実施例を図8ないし
図11に基づいて説明する。本実施例では、図8に示す
ように、ロータ8は、Si基板5(n型)中に形成され
る下側のステータ電極9と上側のステータ電極25との
間に挾まれた形となって形成されている。この場合、下
側のステータ電極9及び上側のステータ電極25の配線
は、下地のSi基板5に不純物を高濃度にドーピングし
て低抵抗化して形成される。図10は、図9における上
側のステータ電極25の各電極φ1 、φ2 、φ3 
と、下側のステータ電極9の各電極φa 、φb 、φ
c に電圧が印加された場合の様子を示すものである。 今、T1 の時間において、φ1 とφa との間に電
圧が印加された場合、φ1 、φa 間の容量が大きく
なるように、ロータ電極8に静電引力が加わる。すなわ
ち、ロータ電極8がφ1 とφa との間に入り込むよ
うな回転力が生じる(ロータ電極8は、低抵抗のpol
y−Siで構成されているため、ロータ電極8がφ1 
とφa との間に入れば両者間のギャップが小さくなる
、すなわち、容量が大きくなる)。以後、順次、φ2 
とφb 、φ3 とφc との間に電圧を印加していけ
ば、ロータ電極8は回転を続ける。このように本実施例
では、φ1 とφa (同様に、φ2 とφb 、φ3
 とφc )の間で構成されるコンデンサの電極面積は
、基板の上部から見た平面形状、すなわち、作製工程で
用いるマスクパターンにより決定されるため、設計の自
由度を高めることができる。また、従来例がロータ電極
8の端面に生じる静電引力を利用していたのに対して、
ここでは、静電引力の生じる電極面積をはるかに大きく
することができ、これにより発生する回転力を大きくと
ることができる。
【0025】また、本実施例においては、摩耗、摩擦の
問題にも対処させることができる。その理由を図11図
に基づいて説明する。そこで、今、ロータ電極8と上側
のステータ電極25との間に存在する容量をC1 とし
、ロータ電極8と下側のステータ電極9との間に存在す
る容量をC2 とする。また、ロータ電極8とステータ
電極9,25とが重なる面積をSとする(この場合、上
下のロータ電極8とステータ電極9,25との重なる面
積は等しい)。
【数1】 ただし、ε:空気の比誘電率、ε0 :真空の誘電率、
d1 :ロータ電極と上側のステータ電極との間の距離
、d2 :ロータ電極と下側のステータ電極との間の距
離図11(b)は、C1 、C2の接続を等価回路で示
したものである。これにより、電圧が印加される容量C
は、
【数2】 d1 =D−dr−d2D:上下のステータ電極間の距
離、dr:ロータ電極の厚みとなる。
【数3】 すなわち、Cは、ロータ電極8が上下のステータ電極9
,25間のどこにあっても一定である。従って、ロータ
電極9が上側又は下側のステータ電極9,25に静電引
力により引き寄せられ、くっついてしまうことはなく、
これにより従来に比べ摩耗、摩擦を一段と小さくするこ
とができる。
【0026】次に、本発明の第四の実施例を図12及び
図13に基づいて説明する。本実施例は、前述した第三
の実施例の簡易型の例を示すものである。すなわち、こ
こでは、上側の円盤状をしたステータ電極は配設せず、
図13(b)に示すような直流の負電圧を印加する電極
を配設する。一方、下側のステータ電極9には、φa 
、φb 、φc と順次電圧を印加することにより、ロ
ータ電極8は回転する。この場合、ロータ電極8が回転
してもロータ電極8と上側ステータ電極間の容量は変化
しないので、回転力に寄与する静電引力はロータ電極8
と下側ステータ電極9との間に生じるものだけとなり、
回転力は前述した第三の実施例の1/2となるが、しか
し、その回転力や摩耗、摩擦に対する優位性は変わらな
い。
【0027】次に、本発明の第五の実施例を図14に基
づいて説明する。ここでは、ロータ電極8の長手方向T
の長さを上下に配設されたステータ電極9,25の外周
端よりも長く形成したものである。このようにロータ電
極8は長く形成され、しかも、ステータ電極9,25は
ロータ電極8の外側には配設されていないので、そのロ
ータ電極8の外周端に位置して力伝達ギヤ26を配設す
ることができる。これにより、ロータ電極8と力伝達ギ
ヤ26(中央部にはベアリング27が設けられている)
とが直接噛み合うことができるため、回転力を実際に用
いる場所にまでその力を効率良く伝達することが可能と
なる。また、本実施例の場合にも、摩耗、摩擦に対して
従来例よりも有利となる。
【0028】次に、本発明の第六の実施例を図15ない
し図19に基づいて説明する。ここでは、上下のステー
タ電極9,25は、その配置が一対一に対向しておらず
、上側のステータ電極25は下側のステータ電極9の2
つの極に股がって配置されている。図16に示すように
、各ステータ電極9に電圧を印加すると、ロータ電極8
が回転する。その動作は図17に示すようになる。ここ
では、回転体を展開して示している。まず、(a)に示
すように、φ1 を+、φa を−に電圧を印加すると
、ロータ電極8はφ1 、φa の中間の位置に引き寄
せられる。次に、(b)に示すように、φ1 を+、φ
b を−にすると、ロータ電極8は、φ1 、φb の
中間位置に移動する。以下、同様な動作を(c)、(d
)、(e)について行うことによって、ロータ電極8は
回転する。
【0029】ここで、本実施例の構成と前述した従来例
(図21参照)との比較を行ってみる。その従来例の場
合、8個のロータ電極3(ステータ電極4とコンデンサ
を構成する)に対して各位相において、静電引力を生じ
ているのは2つにすぎない。これに対して、本実施例で
は、全てのロータ電極8が静電引力すなわち回転力の発
生に寄与している。また、ステータ電極9,25につい
ても、従来例の場合が6個のうちの2個(1/3)しか
静電引力が生じていなかったのに対して、本実施例では
、8個のうちの4個(1/2)が回転力の発生に寄与し
ている。すなわち、本実施例では、ロータ電極8、ステ
ータ電極9,25のコンデンサ電極の面積が大きいのみ
ならず、静電引力を生じる電極の数においても従来例よ
りも優れており、これにより回転力を一段と大きく取り
出すことが可能となる。さらに、図17(a)に示すよ
うに、ロータ電極8の幅Wrをステータ電極9,25の
幅Wsよりも少し大きくすることによって、ロータ電極
8が次に電圧を印加されるステータ電極9,25(図1
7(a)ではφb )に少し重なっているため、位相が
切り変わる(例えば、a→b)際のトルクムラを少なく
することができる。
【0030】次に、前述した第三の実施例ないし第六の
実施例に共通する構成の作製プロセスを図18及び図1
9に基づいて説明する。まず、図18において、単結晶
のSi基板5の表面を熱酸化し、熱酸化膜(SiO2)
27を形成する(a)。次に、上下のステータ電極の配
線部分となる拡散領域28をフォトリソ、エッチングに
より除去し窓開けを行う(b)。次に、上側ステータ電
極用配線部となる拡散領域28に固相拡散法等により不
純物としてボロンをドーピングする(c)。次に、Si
O2 27を除去し、LP−CVD法等によりSi3N
4膜6をデポジションする。その後、Si3N4膜6の
フォトリソエッチングを行い、これによりコンタクトホ
ール30を形成する(d)。次に、LTO31をLP−
CVD法等によりデポジションする。その後、ブッシン
グを形成するために、ディンプル32をフォトリソ、エ
ッチングにより形成する(e)。次に、図19において
、不純物をドーピングした低抵抗のpoly−Si33
を例えば2μm以上にデポジションする。その後、po
ly−Si33をフォトリソ、RIEによりロータ電極
の形状に加工する(a)。次に、犠牲層となるLTO3
4をデポジションする。そして、上側ステータ電極のア
ンカー部35をフォトリソ、エッチングにより形成した
後、上側ステータ電極とロータ電極との間の絶縁のため
に、LTO34上にSi3N4膜36をデポジションし
、フォトリソエッチングにより埋め込み配線へのコンタ
クトホールを開ける(b)。次に、poly−Si37
をデポジションした後、そのpoly−Si37とSi
3N4膜36とをRIEにより上側ステータ電極の形状
に加工する(c)。次に、犠牲層のLTO31,34を
バッファードフッ酸等のウェットエッチングにより除去
する。これにより、ロータ電極8と上側のステータ電極
25とを作製することができる(d)。なお、ここでは
、下側のステータ電極9の作製方法についての説明は省
略する。
【0031】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、ステータ電極と
ロータ電極との間の静電引力により駆動力を得る静電モ
ータにおいて、基板の表面にロータ電極を形成し、この
ロータ電極の直下の基板中にステータ電極を形成したの
で、ステータ電極がロータ電極の直下に設けられている
ので、ロータ電極の周辺にそのロータ電極に生じる静電
引力による回転力を伝達するギヤを配設することができ
るものである。
【0032】請求項2記載の発明は、ステータ電極とロ
ータ電極との間の静電引力により駆動力を得る静電モー
タにおいて、基板の表面にロータ電極を形成し、このロ
ータ電極を挾むようにそのロータ電極の上部及びそのロ
ータ電極の直下の基板中にそれぞれステータ電極を形成
したので、上下のステータ電極がロータ電極を挾むよう
に形成されているので、電極面積を大きくとることがで
き、これにより発生する回転力を一段と大きくとること
ができるものである。
【0033】請求項3記載の発明は、ステータ電極とロ
ータ電極との間の静電引力により駆動力を得る静電モー
タにおいて、基板の表面にロータ電極を形成し、このロ
ータ電極の直下の基板中にステータ電極を形成し、ロー
タ電極の長手方向の長さをステータ電極の外周端よりも
長く形成したので、請求項1記載の発明の効果に加え、
さらに、ロータ電極の外周がステータ電極の外周より外
側に出るように形成し、ステータ電極がロータ電極の外
側に存在しないため、ロータ電極の回転力を実際に使用
する場所まで伝達することができるものである。
【0034】請求項4記載の発明は、ステータ電極とロ
ータ電極との間の静電引力により駆動力を得る静電モー
タにおいて、基板の表面にロータ電極を形成し、このロ
ータ電極を挾むようにそのロータ電極の上部及びそのロ
ータ電極の直下の基板中にステータ電極を形成し、ロー
タ電極の長手方向の長さをステータ電極の外周端よりも
長く形成したので、請求項2記載の発明の効果に加え、
さらに、ロータ電極の外周がステータ電極の外周より外
側に出るように形成し、ステータ電極がロータ電極の外
側に存在しないので、これによりロータ電極の回転力を
実際に使用する場所まで伝達することができるものであ
る。
【0035】請求項5記載の発明は、ステータ電極とロ
ータ電極との間の静電引力により駆動力を得る静電モー
タにおいて、基板の表面にロータ電極を形成し、このロ
ータ電極の直下の基板中にステータ電極を形成し、基板
上のロータ電極と噛み合う位置に力伝達ギヤを形成した
ので、請求項1記載の発明の効果に加え、さらに、力伝
達ギヤを配設したことにより、ロータ電極の回転力を効
率良く外部に伝達させることができるものである。
【0036】請求項6記載の発明は、ステータ電極とロ
ータ電極との間の静電引力により駆動力を得る静電モー
タにおいて、基板の表面にロータ電極を形成し、このロ
ータ電極を挾むようにそのロータ電極の上部及びそのロ
ータ電極の直下の基板中にステータ電極を形成し、基板
上のロータ電極と噛み合う位置に力伝達ギヤを形成した
ので、請求項2記載の発明の効果に加え、さらに、力伝
達ギヤを配設したことにより、ロータ電極の回転力を効
率良く外部に伝達させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す縦断側面図である
【図2】本発明の第一の実施例の平面図である。
【図3】本発明の第一の実施例の作製プロセスを示す工
程図である。
【図4】本発明の第一の実施例の作製プロセスを示す工
程図である。
【図5】本発明の第二の実施例を示す縦断側面図である
【図6】本発明の第二の実施例の作製プロセスを示す工
程図である。
【図7】本発明の第二の実施例の作製プロセスを示す工
程図である。
【図8】本発明の第三の実施例を示す縦断側面図である
【図9】本発明の第三の実施例を示す平面図である。
【図10】本発明の第三の実施例における電極部に印加
される電圧波形の様子を示す波形図である。
【図11】(a)は本発明の第三の実施例の構成におい
て作られる容量分布の様子を示す原理説明図、(b)は
その容量分布の回路構成を示す回路図である。
【図12】本発明の第四の実施例を示す平面図である。
【図13】本発明の第四の実施例における電極部に印加
される電圧波形の様子を示す波形図である。
【図14】本発明の第五の実施例を示す平面図である。
【図15】本発明の第六の実施例を示す平面図である。
【図16】本発明の第六の実施例における電極部に印加
される電圧波形の様子を示す波形図である。
【図17】本発明の第六の実施例における電極部を展開
した場合における印加電圧の制御方法を示す動作説明図
である。
【図18】本発明の第三の実施例ないし第六の実施例ま
でにおける電極部の基本的な作製プロセスを示す工程図
である。
【図19】本発明の第三の実施例ないし第六の実施例ま
でにおける電極部の基本的な作製プロセスを示す工程図
である。
【図20】(a)は第一の従来例を示す平面図、(b)
はその縦断側面図である。
【図21】(a)は第二の従来例を示す平面図、(b)
はその電極部に印加される電圧波形の様子を示す波形図
である。
【符号の説明】
5        基板 8        ロータ電極 9        ステータ電極 10      力伝達ギヤ 25      ステータ電極 26      力伝達ギヤ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステータ電極とロータ電極との間の静電引
    力により駆動力を得る静電モータにおいて、基板の表面
    に前記ロータ電極を形成し、このロータ電極の直下の前
    記基板中に前記ステータ電極を形成したことを特徴とす
    る静電モータ。
  2. 【請求項2】ステータ電極とロータ電極との間の静電引
    力により駆動力を得る静電モータにおいて、基板の表面
    にロータ電極を形成し、このロータ電極を挾むようにそ
    のロータ電極の上部及びそのロータ電極の直下の前記基
    板中に前記ステータ電極を形成したことを特徴とする静
    電モータ。
  3. 【請求項3】ステータ電極とロータ電極との間の静電引
    力により駆動力を得る静電モータにおいて、基板の表面
    にロータ電極を形成し、このロータ電極の直下の前記基
    板中に前記ステータ電極を形成し、前記ロータ電極の長
    手方向の長さを前記ステータ電極の外周端よりも長く形
    成したことを特徴とする静電モータ。
  4. 【請求項4】ステータ電極とロータ電極との間の静電引
    力により駆動力を得る静電モータにおいて、基板の表面
    にロータ電極を形成し、このロータ電極を挾むようにそ
    のロータ電極の上部及びそのロータ電極の直下の前記基
    板中に前記ステータ電極を形成し、前記ロータ電極の長
    手方向の長さを前記ステータ電極の外周端よりも長く形
    成したことを特徴とする静電モータ。
  5. 【請求項5】ステータ電極とロータ電極との間の静電引
    力により駆動力を得る静電モータにおいて、基板の表面
    にロータ電極を形成し、このロータ電極の直下の前記基
    板中に前記ステータ電極を形成し、前記基板上の前記ロ
    ータ電極と噛み合う位置に力伝達ギヤを形成したことを
    特徴とする静電モータ。
  6. 【請求項6】ステータ電極とロータ電極との間の静電引
    力により駆動力を得る静電モータにおいて、基板の表面
    にロータ電極を形成し、このロータ電極を挾むようにそ
    のロータ電極の上部及びそのロータ電極の直下の前記基
    板中に前記ステータ電極を形成し、前記基板上の前記ロ
    ータ電極と噛み合う位置に力伝達ギヤを形成したことを
    特徴とする静電モータ。
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