JPH0424928B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (1) 発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は、海底上に敷設された海底ケーブルや
パイプライン等（以下、これらを総称して単にケ
ーブル等と称する）の修理および埋設等の工事に
供されるケーブル等の捕捉追跡検知知装置に関す
るものである。

〔従来の技術〕

近年、海底ケーブル、パイプライン等の埋設、
修理等の工事において、海中、或は海底を走行す
る装置（以下、これらを総称して単に走行装置と
称する）が用いられるようになつてきた。この場
合、走行装置を海底に敷設または埋設されたケー
ブル等に沿つて遠隔制御で誘導するための各種セ
ンサー類が走行装置に搭載され、ケーブル等の捕
捉追跡検知用として用いられている。以下、これ
らのうちの代表例について順次、説明する。

(i) TVカメラ…ケーブル等捕捉追跡検知用に
TVカメラを利用するもので、第４図Ａは、こ
の状況を説明する図である。同図において、走
行装置１は、これに搭載されたTVカメラ５の
目視範囲６（点線図示範囲）の、中に海底３に
敷設されたケーブル等２を目視捕捉しながら走
行装置１を７の方向に走らせて追跡する。この
方法では、比較的容易確実に捕捉追跡のための
検知情報を提供する反面、自然的又は人工的な
諸々の原因により海水が濁つてくると著しく視
界が遮えぎられて、時として全く見えなくなり
捕捉追跡が出来なくなるという欠点がある。次
に、第４図Ｂは埋設装置によりケーブル等を埋
設する場合の状況を説明する図である。同図に
おいて、走行装置１の前部に腕型水ジエツト埋
設装置８を搭載し、先端が二股Ｕ字状に開いて
いるケーブル等捕捉追跡・水ジエツト溝掘削部
９の中に埋設するケーブル等２′を捕捉しなが
ら追跡する。この場合、図に見られるように、
ケーブル等捕捉追跡部９が土中に没するため捕
捉追跡の状況をTVカメラ５で目視出来ない。
即ち、ケーブル等埋設の場合はTVカメラはケ
ーブル等の捕捉追跡検知用として全く役立たな
いという欠点がある。

(ii) 探線用電磁センサー…第５図Ａは探線用電磁
センサーを用いてケーブル等を捕捉追跡検知す
る状況を説明する図である。同図において、探
線用電磁センサー１０，１１は走行装置１の前
部の左右に夫々搭載され、予めケーブル等２に
流される交流信号１２によりケーブル等２の周
囲に同芯環状に発生する交番磁回１３に感応し
て交流信号電圧を出力する。この２つの交流信
号電圧情報を作業母線上において処理すること
によりケーブル等２を走行装置１から如何様な
相互位置関係で捕捉追跡しているかを知ること
が出来る。この場合、ケーブル等に流される交
流信号１２の強度が十分であれば、捕捉追跡検
知は良好な結果が得られるが、交流信号１２強
度が不足する場合（例えば、ケーブル等が長大
で、流される交流信号の減衰が大きい場合）お
よび交流信号１２が流せない場合（例えば、ケ
ーブル等が商用運用中の場合とか、ケーブル等
が電気導体を含まないパイプライン、等の場
合）は検知動作が不確実となり、或は検知出来
ないという欠点がある。次に第５図Ｂは探線用
電磁センサーを腕型水ジエツト埋設装置８に装
着してケーブル等２′の埋設を行なう状況を説
明する図で、同図ＣおよびＤは、夫々、同埋設
装置８の先端二股Ｕ字状に開いたケーブル等捕
捉追跡・水ジエツト溝掘削部９に探線用電磁セ
ンサーを装着したものの平面図および側面図で
ある。同図において探線用電磁センサ・コイル
１４Ｌ，１４L′，１４Ｒ，１４R′は９の各分枝
９Ｌ，９L′および９Ｒ，９R′（本例では各分枝
はジエツト水供給管路を兼ねる）の中に夫々、
装着され、分枝の間に埋設ケーブル２′が入つ
てくると、２′からの交番磁界１３に感応して、
夫々、交流信号電圧を出力する。この場合、埋
設ケーブル２′と各センサーの間の距離が比較
的、近いため、十分なセンサー感度が得られ、
Ｕ字空間内でのケーブル等２′の大よその位置
を知ることが出来るが、やゝ精度が不足するた
め、時としてはＵ字内からケーブル等２′を逸
するという欠点がある。なお、このほか、上記
に述べた交流信号強度の不足および信号を流せ
ない場合における不具合についても、同様に存
在する。

(iii) 金属探知器…第６図金属探知器を用いケーブ
ル等を捕捉追跡検知する状況を説明する図であ
る。同図において円板形状の金属探知器１８は
制御桿１９を介して走行装置１の前部に搭載さ
れ、ケーブル等を構成する金属成分感応してケ
ーブル等の存在を検知する。この場合、金属探
知器１８の検知感度が低いため、これをケーブ
ル等に極く接近させたまゝ走行装置１を走行さ
せてケーブル等の捕捉追跡検知を行なう。な
お、本探知器の利点はケーブル等に交流信号を
流す必要が無いことである。しかしながら、金
属成分が使用されないパイプライン等の捕捉追
跡検知が出来ないという欠点がある。また、そ
のユニークな形状と金属物体で支持されること
を嫌う特性から、埋設装置に装着して埋設ケー
ブル等の捕捉追跡検知に利用出来ないという欠
点がある。

〔発明が解決しようとする問題〕

本発明は前記従来の欠点を解決し、TVカメラ
による継続的な目視監視およびケーブル等への交
流信号の通電を必要とせず、ケーブル等に金属成
分が含まれねばならないという条件を伴なわず、
且つ、ケーブル等の埋設の場合にも適用可能な確
実且つ精度の高い海底ケーブル等捕捉追跡検知装
置を提供せんとするものである。

(2) 発明の構成 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の海底ケーブル等捕捉追跡検知装置は、
先端が二股Ｕ字状に開いた桿において、該二股Ｕ
字状部の各分枝間に亙り１個の軸ロツドを渡架
し、該軸ロツドに空転自在となるように少なくと
も１個の摺転ローラを取付け、捕捉追跡せんとす
るケーブル等との摺擦により生ずる該摺転ローラ
の回転を検知するセンサーを摺動ローラの近傍も
しくは摺転ローラに接して取付け、該センサーに
よる回転動作の連続検知を持続して敷設ケーブル
等の探知を確保したものである。

〔実施例〕

本発明の実施例を図面について説明する。

第１図は本発明の海底ケーブル等捕捉追跡検知
装置Ｘの基本構成例で、Ａは平面図、Ｂは側面
図、Ｃは摺動ローラの回転を検出するセンサーの
動作説明図である。

同図において、１６Ｌおよび１６Ｒは、夫々、
二股Ｕ字状に開いた左右分枝および右分枝、１６
は先端二股Ｕ字部１６ａを枢支軸１７を介して支
える桿、２０は左分枝１６Ｌと右分枝１６Ｒの間
にさしわたされた軸ロツド、２１Ｌおよび２１Ｒ
は軸ロツド２０に互いに独立に空転自在に取付け
られた摺動ローラ、４個の２２Ｌおよび４個の２
２Ｒは、夫々、摺転ローラ２１Ｌおよび２１Ｒに
埋め込まれた棒状永久磁石、２３Ｌおよび２３Ｒ
は、夫々、左分枝１６Ｌおよび右分枝１６Ｒの中
に装着された電磁式ローラ回転センサー・コイル
であつて、夫々、棒状永久磁石２２Ｌおよび２２
Ｒと組合わされて摺動ローラ２１Ｌおよび２１Ｒ
の回転を検知する。いま、同図ＡおよびＢに示す
ように、ケーブル等２に摺転ローラ２１Ｒを接し
たまゝ本検知装置をケーブル等２の長手方向に沿
つて摺擦動すると、摺動ローラ２１Ｒが回転す
る。この場合、同図Ｃに見られるように、摺転ロ
ーラ２１Ｒに埋め込まれた４個の棒状永久磁石２
２Ｒも一体回転して、次々とセンサー・コイル２
３Ｒに接近し、また遠ざかり、その都度、各永久
磁石２２Ｒから出ている磁力線Ｗがローラ回転セ
ンサー・コイル２３Ｒと鎖交し、この結果、ロー
ラ回転センサー・コイル２３Ｒに交流信号電圧が
発生する。そこで、この交流信号電圧を別途、増
幅検波し、これをメータ等で表示すれば本検知装
置がケーブル等２を捕捉追跡検知していることを
知ることが出来る。なお、第１図に示した例で
は、２個の摺動ローラおよび夫々それに対応する
ローラ回転センサー・コイル２３Ｌおよび２３Ｒ
を有するので、摺動ローラ２１Ｌおよび２１Ｒが
夫々単独で回転する場合、および同時に回転する
場合に対応してケーブル等２が本検知装置Ｘの右
寄り、左寄り、或は真中に銜込んでいることを判
断することが出来、これによりケーブル等の捕捉
追跡をより精密に行なうための探知情報を収受す
ることが出来る。なお摺動ローラ２１Ｌおよび２
１Ｒ形状を第１図Ｄの鼓形や第１図Ｅ堅杵形に形
成してケーブル等２が摺動ローラ２１L′および２
１R′，２１L″および２１R″の中央に常時位置す
る傾向を付せばそれだけ本発明の海底ケーブル捕
捉追跡検知装置Ｘのケーブル等追跡検知が確実と
なる。

〔作用〕

次に本検知装置Ｘを用いて海底に敷設されたケ
ーブル等を捕捉追跡検知する場合について第２図
により説明する。同図において、本検知装置Ｘは
制御桿１９を介して走行装置１の前部に搭載さ
れ、該制御桿１９を動かして本検知装置Ｘの先端
二股Ｕ字状部１６ａに取付けられている２個の摺
転ローラ２１Ｌおよび２１Ｒがケーブル等の上面
に常時軽く接するようにセツトする。走行装置１
をケーブル等２に沿つて矢印７の方向に走行させ
ると、摺転ローラ２１Ｌおよび２１Ｒのいずれ
か、もしくは双方が回転し、これに伴ない各摺転
ローラ２１Ｌおよび２１Ｒに対応するローラ回転
センサー・コイル２３Ｌおよび２３Ｒから交流信
号電圧が出力されるので、この２つの信号電圧を
モニターすることにより走行装置１を本検知装置
Ｘのケーブル等捕捉追跡部である先端二股Ｕ字状
部１６ａから外れないように遠隔制御により走行
させることが出来る。なお、先端二股Ｕ字状部１
６ａがケーブル等２から外れて海底面をこする場
合は、海底面が砂質土、粘性土であれば、海水中
であるためローラがスリツプして円滑に回転しな
くなることから、先端二股Ｕ字状部１６ａがケー
ブル等２から外れたここを検知することが出来、
制御桿１９を変位して、先端二股Ｕ字状部１６ａ
を再びケーブル等２の上にはめることが出来る。

しかして、第３図、Ａ，ＢおよびＣは本検知装
置Ｘを腕型水ジエツト埋設装置８と組合せてケー
ブル等２の埋設においてケーブル等捕捉追跡検知
を行なう場合を説明する図で、同図Ａは埋設状況
説明図、ＢおよびＣは腕型水ジエツト埋設装置８
のケーブル等捕捉追跡・水ジエツト溝掘削部９に
本検知装置Ｘを組合せた正面図および側面図であ
る。同図Ａにおいて、埋設されるケーブル等２′
びは腕型水ジエツト埋設装置８の先端において二
股Ｕ字状に分枝したケーブル等捕捉追跡・水ジエ
ツト溝掘削部９の中に捕捉追跡されながら埋設さ
れるが、この場合、ケーブル等２′は掘削部９の
左右分枝１６Ｌおよび１６Ｒの間に装着された本
検知装置Ｘのローラ２１Ｌおよび２１Ｒよつて掘
削された溝底に押し下げられながら摺擦進行する
ので、その際、摺転ローラ２１Ｌおよび２１Ｒを
回す。これら２つの摺転ローラ２１Ｌおよび２１
Ｒの回転は、それに対応するローラ回転センサ
ー・コイル２３Ｌおよび２３Ｒによつて検出され
るから、これにより埋設ケーブル等２′が腕型水
ジエツト埋設装置８により捕捉追跡されているこ
とを確実に検知することが出来る。同図Ｂおよび
Ｃにおいて、分枝１６Ｌおよび１６Ｒは更に１６
Ｌ，１６L′および１６Ｒ，１６R′に分かれる。そ
して、各々、その間に、ケーブル等２′から発生
する交番磁界をも検知する電磁センサ・コイル１
４Ｌ，２３Ｌおよび１４Ｒ，２３Ｒを内蔵する。
検知部片１４ａ，１４ｂを介嵌する。そして、こ
れらのうち摺転ローラ２１Ｌおよび２１Ｒに対応
するローラ回転センサー・コイル２３Ｌおよび２
３Ｒは、ケーブル等２′から発生する交番磁界検
知用センサー・コイルの働きをも兼ねる。即ち交
番磁界により発生する交流信号の周波数が、ロー
ラ回転検知により発生する交流信号の周波数より
やゝ高いことから、両交流信号を適当なフイルタ
ー回路により分離して、各々の出力信号を使い分
けることが出来る。なお、分枝１６Ｌ，１６L′，
１６Ｒ，１６R′および、これらを支える桿１６
は、この場合、水ジエツトのための図示しない水
供給管路を内通し、ノズル１５Ｌ，１５L′、およ
び１５Ｒ，１５R′より水ジエツトを噴射して溝
を掘削する。

(3) 発明の効果 かくして本発明によれば、従来、遠隔制御によ
り走行装置を誘導してケーブル等を捕捉追跡する
のに、(i)TVカメラを用いる場合の海水の濁りに
よる目視監視の不良、および、ケーブル等埋設時
における目視不可能等により捕捉追跡能力が不完
全であつたこと、(ii)電磁センサーを用いる場合、
ケーブル等に流した交流信号の減衰による捕捉追
跡検知能力の低下、交流信号を通電出来ない場合
の捕捉追跡検知が不可能なこと、および、捕捉追
跡検知の確度がやゝ不足すること、(iii)金属探知器
を用いる場合、金属成分を含まないケーブル等の
捕捉追跡検知が出来ないこと、および、ケーブル
等を埋設する装置への金属探知器の取付けが困難
なことによりケーブル埋設に適用出来ないこと…
などの諸不具合事項を改善して、継続的、且つ、
良好なTVカメラ目視監視、ケーブル等への交流
信号の通電等を要せず、しかもケーブル等に金属
成分が含まれることを条件としない。確実且つ、
比較的、精度の高いケーブル等の捕捉追跡検知を
可能とするもので、その利用上の効果は極めて大
きいものである。また、本検知装置を従来用いら
れてきた諸検知装置と組合せて使用すれば、互に
その短所を捕ない、長所を伸ばして、更に大きな
効果を基待し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示すケーブル捕捉追
跡検知置の基本構成例を示し、同図Ａ，Ｂ，Ｃは
それぞれ平面図、側面図、および摺転ローラ回転
を検出するセンサー動作説明図、同図Ｃ，Ｅは
同・他の実施例のそれぞれ平面図、第２図は本検
知装置でケーブル等を捕捉追跡検知する説明図、
第３図は本検知装置と腕型水ジエツト装置との組
合せ構成例を示し、同図Ａ，Ｂ，Ｃはそれぞれケ
ーブル等埋設状況の側面図、ケーブル等捕捉追
跡・水ジエツト溝削部と本検知装置を組合せた正
面図および側面図、第４図Ａ，Ｂは従来のケーブ
ル等捕捉追跡検知におけるTVカメラ利用の説明
図、同図ＣはＢ図中丸円部の拡大平面図、第５
図Ａ，Ｂ、は従来のケーブル等捕捉追跡検知にお
ける電磁センサ利用の説明図、同図Ｃ，Ｄは同・
電磁センサーの平面図および側面図、第６図は従
来のケーブル等捕捉検知における金属探知器利用
の説明図である。 １……走行装置、２……ケーブル等、２′……
埋設するケーブル等、３……海底、４……走行装
置の制御ケーブル、５……TVカメラ、６……
TVカメラの目視範囲、７……走行方向、８……
腕型水ジエツト埋設装置、９……ケーブル等捕捉
追跡・水ジエツト溝掘削部、９Ｌ，９L′，１６Ｌ
……左分枝、９Ｒ，９R′，１６Ｒ……右分枝、
１０，１１……探線用電磁センサー、１２……ケ
ーブル等に流される交流信号、１３……環状交番
磁界、１４Ｌ，１４L′……左探線用電磁センサ
ー・コイル、１４Ｒ，１４R′……右探線用電磁
センサー・コイル、１５Ｌ，１５L′，１５Ｒ，１
５R′……水ジエツト・ノズル、１６……桿、１
６ａ……先端二股Ｕ字状部、１７……枢支軸、１
８……金属探知器、１９……制御桿、２０……軸
ロツド、２１Ｌ……左摺転ローラ、２１Ｒ……右
摺転ローラ、２２Ｌ……左棒状永久磁石群、２２
Ｒ……右棒状永久磁石群、２３Ｌ……左ローラ回
転センサー・コイル、２３Ｒ……右ローラ回転セ
ンサー・コイル、Ｗ……磁力線、Ｘ……海底ケー
ブル等捕捉追跡検知装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 先端が左右二股Ｕ字状に開いた桿の該先端二
   股Ｕ字状部の左右分枝間に亙り渡架した１個の軸
   ロツドに空転自在に少なくとも１個の摺転ローラ
   を取付け、該摺転ローラの近傍もしくは摺転ロー
   ラに接して摺転ローラの回転を検出するセンサー
   を取付けてなる海底ケーブル等捕捉追跡検知装
   置。