JPH0424835Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は缶蓋に関するもので、缶を製造、使
用す分野で利用されるものである。

（従来の技術） 従来、口縁部外側に突条を設けた缶胴に被冠す
る缶蓋は、缶蓋周縁部に形成された外カール部下
縁に多数のラグ、その他缶胴の口縁部外側に設け
た突条との掛止部を連設した形成していた。この
缶蓋は、缶胴の口縁部外側に設けた突条への取付
が強固であると共に、高い気密性を得られるもの
として広く知られ、ペール缶等に用いられてい
る。

しかし、缶蓋を缶本体から取り外して開封する
には、掛止部を全周に亘つて引き起こす必要があ
り、極めて手数がかかつた。

そこで出願人は先に、缶蓋周縁部に設けた外カ
ール部に切離用スコアその他の切離予定線を環状
に設けると共に、掛止部と前記切離用スコアとの
間に切離案内部を設けた缶蓋を提案し、開封を容
易かつ迅速に行ない得ることとした。

（考案により解決すべき課題） 上記切離予定線を環状に設けた缶蓋において
は、開封時に掛止部が全て除去されることとな
る。そのために、再閉鎖する場合に蓋を缶本体へ
開始することができず、不慮の外力により開缶す
るおそれが生じる問題点あつた。

（課題を解決する為の手段） 然るにこの考案は、缶蓋周縁部に設けた外カー
ル部に切離用スコアその他の切離予定線を環状
に、かつ複数の不完結部を残して設けると共に、
前記不完結部に対応する部分の掛止部の両側と前
記切離予定線との間に切離案内部を設けたので、
前記問題点を解決した。

即ちこの考案は、缶蓋周縁部に形成された外カ
ール部下縁に缶胴の口縁部外側に設けた突条との
掛止部を設けた缶蓋において、前記カール部に切
離予定線を環状に、かつ複数の不完結部を残して
設けると共に、前記不完結部に対応する部分の掛
止部の両側と前記切離予定線との間に切離案内部
を設け、前記切離案内部は前記切離予定線との連
結側を少なくとも一側へ湾曲させた缶蓋である。

前記缶蓋は、ラグカバー、押込蓋又は被せ蓋の
いずれでもよい。そして前記外カール部には被せ
蓋の周壁も含むものとする。

前記切離用スコアは、カール部の内側、外側の
いずれに設けてもよい。そしてスコアに代えてミ
シン目を設けてもよい。切離用スコアの不完結部
は、通常２〜３か所が適当である。また、前記切
離案内部としては、スコア、ミシン目、又はスリ
ツト等が考えられる。

（作用） この考案において、切離案内部直近において掛
止部を引き上げると、掛止部は切離予定線まで破
切され（スリツトを設けた場合は予め破切されて
いる）、次いで掛止部を水平方向に引けば、切離
予定線に沿つて不完結部まで破切される。次いで
該不完結部の切離案内部を破切すると缶縁一側の
掛止部が除去される。同様にして切離予定線を全
長に亘つて破切した後、不完結部に対応した掛止
部を引き起こすと、掛止部による掛止は解除さ
れ、缶蓋は外れ、缶は開封される。

また前記作業によつて缶蓋から掛止部はほとん
ど除去されるので、缶蓋の再使用において、掛止
部が邪魔になることがなく、また掛止部の一部は
残つているので、再閉鎖時には再び掛止させるこ
とができる。

（実施例 １） 次にこの考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

缶本体１の缶口に嵌挿される有底筒状部２の外
側カール部３の下縁全周に亘つて、多数のラグ４
が連設してあり、前記カール部３の内側に切離予
定線としてのスコア５が環状に設けてある。前記
スコア５には、全周をほぼ３等分する位置に無ス
コアとして不完結部６，６ａ，６ｂを介在させて
あり、各不完結部に対応したラグ４ａ，４ｂ，４
ｃの基部両側と前記スコア５との間に切離案内部
としてスコア７が設けてある。図中８はパツキン
グである。

上記実施例のラグカバーは、缶本体１の缶口に
嵌挿した後、ラグ４の全てを缶本体１の口縁カー
ル部９の締着掛止して使用するものである。

そして開封に際しては、前記ラグ４ａに隣接す
るラグ４を第１図矢印１−のように引き上げる
と、スコア７が破切するので、次いでラグ４を横
方向へ引く。すると環状のスコア５が破切し、不
完結部６，６ａ間のラグ４はカール部３から除去
される。同様にして、不完結部６ａ，６ｂ間及び
６ｂ，６間のスコア５を破切した後、残つたラグ
４ａ，４ｂ，４ｃを引き上げるとラグカバーと缶
本体１との掛止は解除されることとなり、缶は開
封される。

前記において、スコア６の環状スコア５との連
結側を一側を湾曲させておくと（第２図鎖線図
示）、スコア７の破切からスコア５の破切へスム
ーズに移行することができる。

尚、不完結部は第３図のように、２か所として
もよい。

（実施例 ２） 次に第４図は、有底筒状部２の外側カール部３
の下部１１を口縁カール部９との掛止部としたも
ので、前記外側カール部３の端縁と環状スコア５
との間に切離案内用のスコア７が設けてある。該
切離案内用のスコア７の端部において、カール部
３の端縁にはＶ字状の切込み１２を設けておく
と、スコア７の初期被断が容易である。

（考案の効果） この考案によれば、缶蓋カール部に切離予定線
を設け、更に、切離案内部を、切離予定線との連
結側を少なくとも一側へ湾曲させて設けたので、
掛止部の一側を引き上げることによつて、切離予
定線以外の部分が破切することなく、かつ比較的
小さな力でも切離予定線の破切ができる。従つ
て、缶をスムーズに開封することができ、ラグカ
バー等で封口した缶の開封作業が極めて容易とな
る。また開封後は缶蓋から掛止部がほとんど除去
されているので、通常の押込み蓋、又は被せ蓋と
して使用することができ、掛止部によつてけがを
したりするおそれもなく、安全に使用することが
できる。そして掛止部の残存部分は、再閉鎖時に
缶胴の口縁部外側の突条とより強く掛止させるこ
とができ、不慮の開蓋を未然に防止することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案実施例断面図、第２図および
第３図は切離予定線の状態を示す説明図、第４図
は同じく他の実施例の一部を断面した正面図であ
る。 １……缶本体、２……有底筒状部、３……カー
ル部、４，４ａ，４ｂ……ラグ、５……環状スコ
ア、６……スコア、７……パツキング、８……口
縁カール部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 缶蓋周縁部に形成された外カール部下縁に缶
   胴の口縁部外側に設けた突条との掛止部を設け
   た缶蓋において、前記カール部に切離予定線を
   環状に、かつ複数の不完結部を残して設けると
   共に、前記不完結部に対応する部分の掛止部の
   両側と前記切離予定線との間に切離案内部を設
   け、前記切離案内部は前記切離予定線との連結
   側を少なくとも一側へ湾曲させた缶蓋。 ２ 掛止部はラグとした実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の缶蓋。 ３ 切離予定線は、スコア又はミシン目とした実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の缶蓋。 ４ 切離案内部は、スコア、ミシン目又はスリツ
   トとした実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   缶蓋。