JPH04242701A - 樹脂製光学素子及びその製造方法 - Google Patents

樹脂製光学素子及びその製造方法

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JPH04242701A
JPH04242701A JP2418669A JP41866990A JPH04242701A JP H04242701 A JPH04242701 A JP H04242701A JP 2418669 A JP2418669 A JP 2418669A JP 41866990 A JP41866990 A JP 41866990A JP H04242701 A JPH04242701 A JP H04242701A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反射防止性、密着性、
耐擦傷性、耐湿性及び揮発性溶剤を用いたクリーニング
液によるクリーニングに対する耐久性に優れた反射防止
層を有する樹脂製光学素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂製光学素子は、従来より、ポリカー
ボネート樹脂(屈折率n:1.570)などからなる樹
脂製基板に光の透過率を向上させるための反射防止層を
形成して製造されている。このような反射防止層として
は、MgF2(屈折率n:1.380)からなる単層の
反射防止層が知られている。膜厚94nmのMgF2層
をポリカーボネート樹脂基板に形成して得た光学素子の
反射特性は、図3中曲線aで示され、可視域中央付近で
の反射率は1%となる。
【0003】また、ZrO2(屈折率n:1.950)
及びSiO2(屈折率n:1.477)とからなる2層
構造、Al2O3(屈折率n:1.631)、TiO2
(屈折率n:2.349)及びSiO2(屈折率n:1
.477)からなる反射防止層が知られている。図3中
、ポリカーボネート樹脂基板に膜厚133nmのZrO
2層と膜厚88nmのSiO2層とからなる反射防止層
を形成した場合の反射特性は曲線bで、膜厚80nmの
Al2O3層、膜厚111nmのTiO2層及び膜厚8
8nmのSiO2層からなる反射防止層を形成した場合
の反射特性は、曲線cで示される。図示されるように、
これら反射防止層の可視域中央付近の反射率は各々2.
7%と、1.6%である。
【0004】更に可視域の反射防止特性を向上させるた
めに、様々な材料からなる多層構造の反射防止層が開発
されており、具体的には、膜厚36nmのAl2O3層
、膜厚5nmのTiO2層、膜厚36nmのAl2O3
層、膜厚111nmのTiO2層及び膜厚88nmのS
iO2層からなる反射防止層が知られている。これをポ
リカーボネート樹脂基板に形成した場合の反射特性は、
図3中、曲線dで示され、可視域中央付近での反射率は
0.5%となる。また、従来では、このような反射防止
層は、常温で真空蒸着法により、各層を順次積層して形
成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
反射防止層では、高融点物質であるAl2O3、TiO
2及びSiO2などを樹脂基板に蒸着するため、積層中
の反射防止層からの輻射熱により樹脂基板が膨張し、こ
の際の基板と反射防止層との熱膨張差によって、反射防
止層にクラックが発生するという問題があった。また、
積層中にクラックが発生しなくても、熱膨張した樹脂基
板に形成した反射防止層には内部応力が蓄積されるため
、基板と反射防止層との密着性に劣り、反射防止層には
力や温度変化が加わった場合、例えば積層後基板が冷却
される際、樹脂基板が空気中の水分を吸収して膨張する
場合、或いはエーテルなどの揮発性溶剤をしみこませた
クリーニングペーパーで反射防止層表面を拭いた場合に
クラックが発生し易かった。
【0006】本発明は、このような従来技術に伴う問題
点を解決しようとするものであり、基板と反射防止層と
の密着性に擾れるとともに、耐擦傷性、耐湿性に優れ、
エーテルなどの揮発性溶剤を含むクリーニング液を用い
た場合のクリーニングに対する耐久性に優れた反射防止
層を有する光学素子を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る樹脂製光学
素子は、樹脂基板と、該樹脂基板上に形成される下地層
と、該下地層上に形成される反射防止層とを有する樹脂
製光学素子であって、前記下地層が、Mn層、Ni層及
びCo0層からなる群から選択される少なくとも1種の
層で形成され、前記反射防止層がAl2O3層、TiO
2層及びSiO2層から形成されることを特徴としてい
る。また、本発明に係る樹脂製光学素子の製造方法は、
樹脂基板上に、Mn層、Ni層及びCoO層からなる群
から選択される少なくとも1種の層で形成される下地層
と、Al2O3層、TiO2層及びSiO2層から形成
される反射防止層とを真空蒸着法にて形成するに際して
、前記樹脂基板の温度を80℃以下に維持したことを特
徴とする。
【0008】以下、本発明に係る樹脂製光学素子及びそ
の製造方法を更に詳しく説明する。本発明では、下地層
及び反射防止層を構成する各層の積層順、積層枚数、膜
厚等は、反射防止を行なう光の波長帯域及び屈折率など
の樹脂基板の材質などにより適宜選択される。ここで、
図1を参照して、本発明に係る樹脂製光学素子の好まし
い1態様を説明する。図1は本発明に係る樹脂製光学素
子の好ましい1態様を示す断面概略図である。図示され
るように、この光学素子1は、樹脂基板a上に、下地層
bと、第1層のAl2O3層c,第2層のTiO2層d
、第3層のAl2O3層e、第4層のTiO2層f及び
第5層のSiO2層gからなる反射層hとを有している
【0009】下地層bは、Mn層、Ni層及びCoO層
(不図示)からなる群から選択される少なくとも1種の
層で形成される。Mn、Ni及びCoOは、樹脂基板a
との付着性に擾れるとともに、熱膨張率が基板aと反射
防止層hを構成する材料の中間にあり、これらの間の熱
膨張差を緩和する働きがある。このような構成の光学素
子1において、各層の膜厚は、基板の材質、反射防止を
行なう光の波長帯域等により選択されるが、可視域の光
において反射防止を行なう場合、基板aをポリカーボネ
ート樹脂とすると、前記下地層bの膜厚を10nm以下
、好ましくは1〜5nm、反射防止層hを構成する第1
層cを膜厚32〜46nm、好ましくは33〜39nm
、第2層dを膜厚20nm以下、好ましくは2〜8nm
、第3層eを膜厚32〜46nm、好ましくは33〜3
9nm、第4層fを膜厚95〜128nm、好ましくは
101〜119nm,第5層gを膜厚75〜110nm
、好ましくは79〜97nmに設定することが望ましい
【0010】各層の膜厚をこのような値に設定すること
により、可視域での反射防止性に優れ、且つ基板aと反
射防止層hの密着性に擾れた光学素子を得ることができ
る。即ち、反射防止層hを構成する各層C,d,e,f
,gを上記値に設定することにより、光の干渉により、
充分な反射特性を得られる。また、下地層bは、膜厚1
0nm以下で基板a及び反射防止層h間の膨張差の緩和
が充分可能である他、この値を越えると光の吸収が大き
くなるため好ましくない。
【0011】本発明に係る樹脂製光学素子の製造方法で
は、樹脂基板上に、Mn層、Ni層及びCoO層からな
る群から選択される少なくとも1種の層で形成される下
地層と、Al2O3層、TiO2層及びSiO2層から
形成される反射防止層とを真空蒸着法にて形成しており
、この際、樹脂基板の温度を80℃以下、好ましくは3
0〜80℃に維持している。基板の温度をこのような値
に維持することにより、樹脂製基板の熱膨張を押え、基
板と反射防止層との熱膨張差による影響を有効に緩和す
ることができる。以下実施例により、本発明に係る光学
素子及びその製造方法を更に具体的に説明するが、本発
明は、これら実施例に限定されるものではない、
【00
12】
【実施例1】電子ビーム真空蒸着装置内に、ポリカーボ
ネート樹脂(屈折率n:1.570)からなる基板を据
え付け、真空度1×10−5torrで、Mnを約0.
5nm/秒の蒸着速度にて膜厚約2nmとなるように下
地層を形成した。この際、基板の温度は30℃であった
。次に、反射防止層の第1層として、Al2O3層を1
.8nm/秒の蒸着速度にて膜厚約36nmとなるよう
に形成した。この際、基板の温度は50℃であった。 その後、真空度が9×10−5torrとなるまで酸素
を導入し、反射防止層の第2層として、TiO2層を約
0.5nm/秒の蒸着速度にて膜厚約5nm形成した。 この際、基板の温度は60℃であった。
【0013】この第2層上に、反射防止層の第3層とし
て、Al2O3層を約1.8nm/秒の蒸着速度にて膜
厚約36nm形成した。この際、基板の温度は75℃で
あった。基板を冷却するために5分間蒸着を中止し、基
板温度を55℃とした。次いで、真空度が9×10−5
torrとなるまで酸素を導入し、反射防止層の第4層
として、TiO2層を約0.5nm/秒の蒸着速度にて
膜厚約55nm形成した。この際、基板の温度は80℃
であった。基板を冷却するために5分間蒸着を中止し、
基板温度を55℃とした。更に酸素を真空度9×10−
5torrまで導入してTiO2層を約0.5nm/秒
の蒸着速度にて膜厚約55nm形成し、合計110nm
の第4層とした。この時基板温度は80℃であった。 最後に、反射防止層の第5層として、SiO2層を約1
.3nm/秒の蒸着速度にて膜厚約88nm形成した。 この際、基板の温度は75℃であった。基板を冷却する
ために5分間蒸着装置内に放置し、基板温度が55℃と
なった時点で装置に大気を導入し、光学素子を取り出し
た。
【0014】
【実施例2】電子ビーム真空蒸着装置内に、ポリカーボ
ネート樹脂(屈折率n:1.570)からなる基板を据
え付け、真空度1×10−5torrで、Niを約0.
5nm/秒の蒸着速度にて膜厚約2nmとなるように下
地層を形成した。この際、基板の温度は30℃であった
。次に、反射防止層の第1層として、Al2O3層を1
.8nm/秒の蒸着速度にて膜厚約36nmとなるよう
に形成した。この際、基板の温度は50℃であった。 その後、真空度が9×10−5torrとなるまで酸素
を導入し、反射防止層の第2層として、TiO2層を約
0.5nm/秒の蒸着速度にて膜厚約5nm形成した。 この際、基板の温度は60℃であった。
【0015】この第2層上に、反射防止層の第3層とし
て、Al2O3層を約1.8nm/秒の蒸着速度にて膜
厚約36nm形成した。この際、基板の温度は75℃で
あった。基板を冷却するために5分間蒸着を中止し、基
板温度を55℃とした。次いで、真空度が9×10−5
torrとなるまで酸素を導入し、反射防止層の第4層
として、TiO2層を約0.5nm/秒の蒸着速度にて
膜厚約55nm形成した。この際、基板の温度は80℃
であった。基板を冷却するために5分間蒸着を中止し、
基板温度を55℃とした。更に酸素を真空度9×10−
5torrまで導入してTiO2層を約0.5nm/秒
の蒸着速度にて膜厚約55nm形成し、合計110nm
の第4層とした。この時基板温度は80℃であった。 最後に、反射防止層の第5層として、SiO2層を約1
.3nm/秒の蒸着速度にて膜厚約88nm形成した。 この際、基板の温度は75℃であった。基板を冷却する
ために5分間蒸着装置内に放置し、基板温度が55℃と
なった時点で装置に大気を導入し、光学素子を取り出し
た。
【0016】
【実施例3】電子ビーム真空蒸着装置内に、ポリカーボ
ネート樹脂(屈折率n:1.570)からなる基板を据
え付け、真空度1×10−5torrで、CoOを約0
.5nm/秒の蒸着速度にて膜厚約2nmとなるように
下地層を形成した。この際、基板の温度は30℃であっ
た。次に、反射防止層の第1層として、Al2O3層を
1.8nm/秒の蒸着速度にて膜厚約36nmとなるよ
うに形成した。この際、基板の温度は50℃であった。 その後、真空度が9×10−5torrとなるまで酸素
を導入し、反射防止層の第2層として、TiO2層を約
0.5nm/秒の蒸着速度にて膜厚約5nm形成した。 この際、基板の温度は60℃であった。
【0017】この第2層上に、反射防止層の第3層とし
て、Al2O3層を約1.8nm/秒の蒸着速度にて膜
厚約36nm形成した。この際、基板の温度は75℃で
あった。基板を冷却するために5分間蒸着を中止し、基
板温度を55℃とした。次いで、真空度が9×10−5
torrとなるまで酸素を導入し、反射防止層の第4層
として、TiO2層を約0.5nm/秒の蒸着速度にて
膜厚約55nm形成した。この際、基板の温度は80℃
であった。基板を冷却するために5分間蒸着を中止し、
基板温度55℃とした。更に酸素を真空度9×10−5
torrまで導入してTiO2層を約0.5nm/秒の
蒸着速度にて膜厚約55nm形成し、合計110nmの
第4層とした。この時基板温度は80℃であった。最後
に、反射防止層の第5層として、SiO2層を約1.3
nm/秒の蒸着速度にて膜厚約88nm形成した。この
際、基板の温度は75℃であった。基板を冷却するため
に5分間蒸着装置内に放置し、基板温度が55℃となっ
た時点で装置に大気を導入し、光学素子を取り出した。
【0018】
【比較例1】電子ビーム真空蒸着装置内に、ポリカーボ
ネート樹脂(屈折率n:1・570)からなる基板を据
え付け、真空度1×10−5torrで、反射防止層の
第1層として、Al2O3層を約1.8nm/秒の蒸着
速度にて膜厚約36nm形成した。この際、基板の温度
は50℃であった。その後、真空度が9×10−5to
rrとなるまで酸素を導入し、反射防止層の第2層とし
て、TiO2層を約0.5nm/秒の蒸着速度にて膜厚
約5nm形成した。この際、基板の温度は60℃であっ
た。
【0019】この第2層上に、反射防止層の第3層とし
て、Al2O3層を約1.8nm/秒の蒸着速度にて膜
厚約36nm形成した。この際、基板の温度は75℃で
あった。基板を冷却するために5分間蒸着を中止し、基
板温度を55℃とした。次いで、真空度が9×10−5
torrとなるまで酸素を導入し、反射防止層の第4層
として、TiO2層を約0.5nm/秒の蒸着速度にて
膜厚約55nm形成した。この際、基板の温度は80℃
であった。基板を冷却するために5分間蒸着を中止し、
基板温度55℃とした。更に酸素を真空度9×10−5
torrまで導入してTiO2層を約0.5nm/秒の
蒸着速度にて膜厚約55nm形成し、合計110nmの
第4層とした。この時基板温度は80℃であった。最後
に、反射防止層の第5層として、SiO2層を約1.3
nm/秒の蒸着速度にて膜厚約88nm形成した。この
際、基板の温度は75℃であった。基板を冷却するため
に5分間蒸着装置内に放置し、基板温度が55℃となっ
た時点で装置に大気を導入し、光学素子を取り出した。
【0020】
【比較例2】電子ビーム真空蒸着装置内に、ポリカーボ
ネート樹脂(屈折率n:1.570)からなる基板を据
え付け、真空度1×10−5torrで、反射防止層の
第1層として、Al2O3層を約1.8nm/秒の蒸着
速度にて膜厚約36nm形成した。この際、基板の温度
は50℃であった。その後、真空度が9×10−5to
rrとなるまで酸素を導入し、反射防止層の第2層とし
て、TiO2層を約0.5nm/秒の蒸着速度にて膜厚
約5nm形成した。この際、基板の温度は60℃であっ
た。
【0021】この第2層上に、反射防止層の第3層とし
て、Al2O3層を約1.8nm/秒の蒸着速度にて膜
厚約36nm形成した。この際、基板の温度は75℃で
あった。次いで、真空度が9×10−5torrとなる
まで酸素を導入し、反射防止層の第4層として、TiO
2層を約0.5nm/秒の蒸着速度にて膜厚約110n
m形成した。この際、基板の温度は110℃であった。 最後に、反射防止層の第5層として、SiO2層を約1
.3nm/秒の蒸着速度にて膜厚約88nm形成した。 この際、基板の温度は105℃であった。基板を冷却す
るために5分間蒸着装置内に放置し、基板温度が80℃
となった時点で装置に大気を導入し、光学素子を取り出
した。
【0022】このようにして得られた実施例1〜3及び
比較例1〜2の光学素子を用いて、以下に説明する試験
方法により、密着性、耐擦傷性、耐湿性及び揮発性溶剤
を含むクリーニング液に対する耐久性を測定した。即ち
、密着性テストでは、幅18mmのセロハンテープを反
射防止層に張り付け、45°方向の角度から瞬時に引き
はがして剥離状態を観察した。耐擦傷性では、レンズク
リーニングペーパーにより150往復反射防止層表面を
こすり、傷発生の有無を観察した。耐湿性テストでは、
温度60℃、湿度90%の条件下に光学素子を放置し、
48時間後にその表面を観察した。また、クリーニング
液を用いた場合の耐久性では、エーテル70重量%とメ
タノール30重量%とからなるクリーニング液で、レン
ズクリーニングペーパーを濡らし、150往復反射防止
層表面をこすり、傷発生の有無を観察した。結果を表1
に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1に示されるように、実施例1〜3の光
学素子は、密着性、耐擦傷性、耐湿性及び揮発性溶剤を
含むクリーニング液に対する耐久性の各テストでまつた
く異常が無い。下地層がなく、基板を80℃以下に維持
して反射防止層を形成した比較例1の光学素子は、クリ
ーニング液に対する耐久性にやや劣り、下地層がなく、
反射防止層形成時に基板温度が80℃を越えた比較例2
の光学素子は耐擦傷性、耐湿性及び揮発性溶剤を含むク
リーニング液に対する耐久性のいずれにおいても劣って
いる。また、上記試験前後の光学素子の反射特性を測定
したところ、実施例1〜3の何れにおいても同様の結果
が得られた。ここで、図2に、実施例1の光学素子の反
射特性を示す。図中Aはテスト前、Bはテスト後の反射
特性を示す曲線である。図示されるように、本実施例の
光学素子は、可視域において優れた反射特性を示し、且
つこの上記テスト前後でほとんど反射特性が変化しなか
った。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように  本発明によれば
、反射防止特性、特に可視域での反射防止特性に擾れ、
かつ密着性、耐擦傷性、耐湿性及び揮発性溶剤を含むク
リーニング液に対する耐久性に優れた反射防止層を有し
、光学フィルタ、レンズ及びパネル等の多くの用途に好
適に使用できる光学素子を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学素子の断面概略図。
【図2】実施例1の反射防止層を有する樹脂製光学素子
の反射特性を示すグラフ。
【図3】従来の反射防止層を有する樹脂製光学素子の反
射特性を示すグラフ。
【符号の説明】
1  光学素子 a  樹脂製基板 b  下地層 c  第1層 d  第2層 e  第3層 f  第4層 g  第5層 h  反射防止層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  樹脂基板と、該樹脂基板上に形成され
    る下地層と、該下地層上に形成される反射防止層とを有
    する樹脂製光学素子であって、前記下地層が、Mn層、
    Ni層及びCoO層からなる群から選択される少なくと
    も1種の層で形成され、前記反射防止層がAl2O3層
    、TiO2層及びSiO2層から形成される、ことを特
    徴とする樹脂製光学素子。
  2. 【請求項2】  前記樹脂基板がポリカーボネート樹脂
    からなり、前記下地層の厚さが10nm以下であり、前
    記反射防止層が厚さ32〜46nmのAl2O3層、厚
    さ20nm以下のTiO2層、厚さ32〜46nmのA
    l2O3層、厚さ95〜128nmのTiO2層及び厚
    さ75〜110nmのSiO2層を順次積層してなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の樹脂製光学素子。
  3. 【請求項3】  樹脂基板上に、Mn層、Ni層及びC
    oO層からなる群から選択される少なくとも1種の層で
    形成される下地層と、Al2O3層、TiO2層及びS
    iO2層から形成される反射防止層とを真空蒸着法にて
    形成するに際して、前記樹脂基板の温度を80℃以下に
    維持したことを特徴とする樹脂製光学素子の製造方法。
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