JPH0423955Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、道路やＵ字溝等のコンクリート表面
を補修等のために切削する装置に関する。

（従来の技術） 道路やＵ字溝等のコンクリート表面は、使用期
間の経過に伴つて粗くなり、粗さの度合が大きく
なると表面の平滑化、あるいは水路の場合は水洩
れ防止のため、補修を行なわなければならない。
補修の際には、新たに打設されるコンクリートと
のなじみを良くするため、コンクリート表面を所
定の深さに切削する。従来はこの切削を作業員が
ピツクを用いて行なつていた。

（考案が解決しようとする問題点） このように、従来は人力により道路等のコンク
リート表面を切削していたので、作業能率が悪
く、工期が長くなるという問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案のコンクリート切削装置は、上記問題点
を解決するため、油圧シヨベルのアームの先端に
切削バケツトの代わりに上ブラケツトをバケツト
シリンダにより回動自在に取付け、該上ブラケツ
トに対して旋回角調整可能に下ブラケツトを取付
け、該下ブラケツトに揺動ブラケツトをブレーキ
機構を介して揺動可能に取付け、該揺動ブラケツ
トに駆動装置を搭載し、該駆動装置の出力軸に、
多数の切削ビツトを配設したコンクリート表面切
削具を着脱自在に取付け、前記揺動ブラケツトあ
るいは切削具に切削面に当接して切削深さを制限
する深さ設定手段を設けたことを特徴とする。

（実施例） 以下本考案によるコンクリート表面切削装置の
一実施例を図面により説明する。第１図は該実施
例の全体図であり、本考案のコンクリート切削装
置は、油圧シヨベル１のアーム２（図示例はブー
ム３の先端にアーム２が取付けられた例を示して
いるが、側溝掘りフロントとして構成されたもの
や、伸縮アームを有するものを含む。）の先端に
切削バケツトの代わりに、以下のようにして切削
具を取付けることにより構成されるものである。
すなわち、４は切削バケツトの代わりに着脱自在
に取付けられる上ブラケツトであり、第２図に示
すように、アーム２の先端と、バケツトシリンダ
７に連結されたリンク８にそれぞれピン５，６に
より連結して取付けられる。

第２図、第３図に示すように、上ブラケツト４
の下面には下ブラケツト９が旋回角調整可能に取
付けられる。この例においては、両ブラケツト
４，９の円盤部４ａ，９ａを合わせ、両円盤部４
ａ，９ａの周囲に等間隔に設けた孔４ｂ，９ｂを
合わせ、ボルト１０、ナツト１１によつて締結す
ることにより、上ブラケツト４に対して下ブラケ
ツト９が旋回角調整可能に取付けられる構造とし
てある。

１２は前記下ブラケツト９にブレーキ機構１３
を介して揺動可能に取付けられた揺動ブラケツト
であり、第４図に示すように、揺動ブラケツト１
２は円盤部１２ａ上に２個の縦枠１２ｂを溶接
し、下ブラケツト９の縦枠９ｃの両側に内側デイ
スク１５ａを介して前記縦枠１２ｂを合わせ、こ
れらに両端にねじ溝１４ａを設けたねじロツド１
４を挿通し、縦枠１２ｂの外面に、該ねじロツド
１４に嵌合して外側デイスク１５ｂ、縦枠９ｃの
外面に突設した突起１７に係合してねじロツド１
４を縦枠９ｃとの相対回転を阻むレバー１６、板
ばね１８およびシート１９を順次取付け、ねじロ
ツド１４の両端にナツト２０を螺合して締付ける
ことにより、揺動ブラケツト１２の縦枠１２ｂが
板ばね１８の弾性によりデイスク１５ａ，１５ｂ
間に加圧状態で挟持され、揺動ブラケツト１２の
自由な揺動が阻まれる。

揺動ブラケツト１２の円盤部１２ａには、第２
図、第５図に示すように、油圧モータ２１と減速
機２２とからなる駆動装置２３がボルト２４によ
つて取付けられている。

第５図に示す切削具２９は、円盤２７と、その
下面に螺旋状（第６図参照）に配設された多数の
切削ビツト２８とからなり、駆動装置２３の出力
軸２５に前記円盤２５の中心孔を嵌合してボルト
２６によつて締付けることにより着脱自在に取付
けられる。

３０は前記のように構成された切削具２９を囲
むように、前記揺動ブラケツト１２の円盤部１２
ａにボルト３１により取付けた円筒形の切削深さ
設定具であり、切削ビツト２８の先端から該切削
深さ設定具３０の下端までの高さＨが切削深さと
なる。

この切削具２９を使用して例えば第１図に示す
ように道路３２のコンクリート表面を切削する場
合は、油圧シヨベル１の走行、旋回、ブーム３起
伏、アーム２の回動、さらには上ブラケツト４以
下の装置のバケツトシリンダ７の伸縮によつて回
動させることにより、切削具２９の道路３２表面
に押し付け、駆動装置２３を作動させて道路表面
を切削ビツト２８により切削する。切削深さ設定
具３０の下面が道路３２の表面に当接すれば、そ
れ以上の切削が阻まれるから、切削深さＨは自動
的に設定される。

前記作業の際、切削具２９を道路３２の表面に
付ける場合、例えば切削具２９が２点鎖線ａに示
すように道路３２の表面に対して傾斜していて
も、ブーム３を倒して切削具２９を押し付けるこ
とにより、ブレーキ機構１３における摩擦抵抗が
作用しながら下ブラケツト９に対して揺動ブラケ
ツト１２がねじロツド１４を中心として揺動し、
これにより切削具２９の全面を道路３２の表面に
押し付けることができる。また、ブレーキ機構１
３により、ブーム３やアーム２の動きによつて切
削具２９が自由に動くことがない。

また、下ブラケツト９は上ブラケツト４に対し
て旋回角調整可能に取付けられているから、作業
形態や切削面の傾斜に応じて下ブラケツト９を上
ブラケツト４に対して旋回させた状態で使用で
き、ブレーキ機構１３部における揺動と、バケツ
トシリンダ７による前後の首振りにより、いわば
ユニバーサルジヨイントのように全方向に傾斜さ
せ、切削面の傾斜がアーム２の向き対どのような
方向に傾斜していても切削を行なうことができ
る。

また、本考案において、切削具として種々のも
のを用意しておくことにより、油圧シヨベル１に
とつて好適なフロント姿勢で作業を進行させるこ
とができる。例えば第７図に示すように、Ｖ字ダ
クト（あるいはＶ字溝）３３の切削を行なう場
合、下面を小径とした円筒体３４の周囲に螺旋状
に切削ビツト２８を配設することにより切削具３
５を構成し、該切削具３５を前記切削具２９と同
様に駆動装置２３の出力軸２５に取付けて使用す
ることにより、ブーム３やアーム２に無理のない
姿勢、すなわち切削具３５を垂直姿勢にしたまま
で作業を行なうことができる。この切削具におい
ては、切削深さ設定具３６として、前記揺動ブラ
ケツト１２にボルト３７により固定された固定円
筒体３８に可動円筒体３９を嵌合し、可動円筒体
３９に設けた長孔４０および固定円筒体３８にボ
ルト４１を挿通しナツト４２により締付けること
によつて可動円筒体３９を高さ調整自在に取付け
たものを用い、可動円筒体３９の下面とＶ字ダク
ト３３の傾斜面との間で切削深さＨが設定される
ようにしている。なお、深さ設定具の他の例とし
て、円筒体３４の外面の上下にリング４３を設け
れば、リング４３の摩耗のおそれがあるものの、
切削具３５の上下にわたり、均一の深さに切削で
きる利点がある。また、切削深さの設定は、円筒
体３４から切削ビツト２８が突出する幅によつて
行なわれるようにしてもよい。

また、第８図は、Ｕ字ダクト（または溝）４４
の切削を行なう場合に使用するものを示し、この
装置は、円筒体４５に螺旋状に切削ビツト２８を
配設して切削具４６を構成し、揺動ブラケツト１
２に切削深さ設定具４７をボルト４８、ナツト４
９によつて内外方向に位置調整自在に設けたもの
である。

また、第９図、第１０図は、Ｖ字ダクト（また
はＶ字溝あるいはＵ字ダクト等）５０の中心に設
けられた半円形の溝５１を切削するための切削具
であり、球体５２（実施例は半球体）に螺旋状に
切削ビツト２８を取付けて切削具５３を構成した
ものである。この構成において、球体５２の中心
軸ｂをｃに示すように傾斜させることにより、溝
５１の内面全面にわたつて切削することができ
る。また、球体５２の下面中心に切削ビツト２８
より突出幅の短かい突起５４を設けることによ
り、切削深さを設定することができる。この突起
５４は、切削具５３の回転中心に設けることによ
り、摩耗の進行を遅くすることができる。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案のコンクリート表面
切削装置は、油圧シヨベルの先端に切削具を取付
けて切削作業を行なうものであるから、従来のよ
うに人力による場合に比較し、数倍の速度で作業
を進行させることができ、工期の短縮が可能とな
る。

また、アームに上ブラケツトをバケツトシリン
ダにより回動自在に取付けると共に、上ブラケツ
トと下ブラケツトとの間に旋回機構を設け、かつ
揺動ブラケツトを介して切削具を取付けたことに
より、切削具を任意の方向に傾斜させることがで
き、種々の傾斜のコンクリート表面に容易に対応
できる。

また、下ブラケツトに対し、揺動ブラケツトを
ブレーキ機構を介して取付けたので、切削具がふ
らつくことがなく、また、切削具を地面に押し付
けることにより、切削具全面をコンクリート表面
に容易に付けることができ、均一な切削が可能と
なる。

また、揺動ブラケツトあるいは切削具に切削深
さ設定手段を設けたので、オペレータは切削深さ
に注意を要することなく、所定の均一な深さに切
削することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるコンクリート表面切削装
置の一実施例を示す側面図、第２図はその要部を
示す斜視図、第３図は該実施例における旋回機構
の一例を示す分解斜視図、第４図は該実施例のブ
レーキ機構を示す一部断面正面図、第５図は該実
施例の切削具を示す側面断面図、第６図はその切
削ビツトの取付け構造を示す底面図、第７図およ
び第８図は本考案における切削具の他の例を示す
側面図、第９図は中心に半円形の溝を有するダク
トを示す断面図、第１０図は第９図の半円形の溝
を切削する本考案による切削具の一例を示す側面
図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 油圧シヨベルのアームの先端に切削バケツト
   の代わりに上ブラケツトをバケツトシリンダに
   より回動自在に取付け、該上ブラケツトに対し
   て旋回角調整可能に下ブラケツトを取付け、該
   下ブラケツトに揺動ブラケツトをブレーキ機構
   を介して揺動可能に取付け、該揺動ブラケツト
   に駆動装置を搭載し、該駆動装置の出力軸に、
   多数の切削ビツトを配設したコンクリート表面
   切削具を着脱自在に取付け、前記揺動ブラケツ
   トあるいは切削具に切削面に当接して切削深さ
   を制限する深さ設定手段を設けたことを特徴と
   するコンクリート表面切削装置。 ２ 前記コンクリート表面切削具が、円盤に切削
   ビツトを螺旋状に配設したものと、円筒体また
   はおよび下面を小径としたテーパー形の円筒体
   の周囲に切削ビツトを螺旋状に配設したもの
   と、球体の周囲に螺旋状に切削ビツトを配設し
   たものからなり、これらが前記駆動装置の出力
   軸に互換性を有して取付けられることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載のコン
   クリート表面切削装置。