JPH0423924A

JPH0423924A - 土壌システム

Info

Publication number: JPH0423924A
Application number: JP2129860A
Authority: JP
Inventors: Shigenobu Watari; 亘　重信
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1990-05-18
Filing date: 1990-05-18
Publication date: 1992-01-28
Anticipated expiration: 2015-12-11
Also published as: DE69124517T2; KR930010316A; AU8707691A; EP0541844B1; JP3116067B2; AU651628B2; CA2055023A1; EP0541844A1; CA2055023C; DE69124517D1; KR950001769B1

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明はゴルフ場や栽培不適地等に用いて好適な土壌シ
ステムに関する。

〔背景及び課題〕

天然土壌による植物栽培は古くから行われているが、天
然土壌の欠点はウィルスの媒体となる病害虫（油虫、ダ
ニ、線虫等）が大量に存在するため、農薬による病害虫
駆除が避けられない点である。

一方、病害虫駆除のための農薬散布は重大な環境汚染を
もたらす危険性があり、例えば、広大なゴルフ場の芝生
に散布した農薬は雨水と一緒に水道用の貯水源等に混入
し、飲用水を汚染するなど、農薬による環境汚染は大き
な社会問題となっている。

しかし、農薬を使用せずにウィルスフリーを実現する手
法は、試験管等による実験レベルでの苗を作ることがで
きても、それを植付けて生長させる実用レベルでの技術
は現在に至っても完成されておらず、その土壌技術の確
立が急務となっている。

本発明はこのような要請に応えた新規な土壌システムの
提供を目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明に係る土壌システムｌは、農薬液Ｗ１又は水Ｗ２
を回収可能な傾斜させたシート部材２を有する回収層Ｃ
ｔと、回収層Ｃ１の上に設けた通水性のある土壌支持材
３を有する土壌支持層Ｃ２と、土壌支持層Ｃ２の上に設
けた土壌４を有する土壌層Ｃ３を備えてなることを特徴
とする特に、ゴルフ場における芝生地ｌＯに用いること
ができる。また、土壌４は人工土壌４ｓ、例えば、少な
くとも水分調製してなる発酵用原料の残渣物を主成分と
し、かつ土壌構成に要する一又は二以上の添加物を配合
してなる人工土壌、粉砕した種子殻を主成分とし、かつ
土壌構成に要する一又は二以上の添加物を配合してなる
人工土壌、オガ屑を主成分とし、かつ土壌構成に要する
一又は二以上の添加物を配合してなる人工土壌等を用い
ることが望ましい。

〔作　　用〕

本発明に係る土壌システム１によれば、土壌４として人
工土壌４ｓを用いることにより、土壌のウィルスフリー
化を実現し、必要な農薬の使用量を大幅に低減する。

また、土壌システムｌは上から土壌層Ｃ３、土壌支持層
Ｃ２、回収層Ｃ１の三層を備えるため、土壌４の表面に
農薬液Ｗ１又は水Ｗ２を散布した場合、農薬液Ｗｌ又は
水Ｗ２は土壌層Ｃ３に浸透した後、通水性を有する土壌
支持層Ｃ２を通って傾斜したシート部材２を有する回収
層Ｃ１に至り、全て回収される。この結果、農薬液Ｗｌ
又は水Ｗ２は必要な濾過処理等を施して廃棄できる。な
お、農薬液Ｗｌ又は水Ｗ２は循環させて使用することも
できる。

この場合、シート部材２により上側と下側を隔離するた
め、シート部材２から下方への農薬液浸透を阻止でき、
環境汚染を防止できるとともに、シート部材２から上方
へのウィルス侵入を阻止でき、土壌４のウィルスフリー
を長期に維持できる。

〔実　施　例〕

次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき
詳細に説明する。

まず、本発明に係る土壌システムｌの構成について、第
１図を参照して説明する。

第１図の実施例はゴルフ場のグリーンＧに適用した場合
を例示する。

グリーンＧには中央下がりの傾斜面を形成するための錐
形の凹部１１を設け、この凹部１１の表面全面にシート
部材２を敷設する。シート部材２は例えば塩化ビニルシ
ート等の比較的厚手の防水シートを利用する。また、シ
ート部材２の略中夫に位置する最下部には排水孔１２を
設け、この排水孔Ｉ２には循環パイプ１３を接続する。

なお、シート部材２は回収層ＣＩを構成する。

一方、凹部１１の高さ方向における中間位置には複数の
小孔１４ｓ・・・を形成してなる通水性を有する板材１
４を設置する。板材１４はその所定位置を複数の支柱Ｉ
５・・・により支持する。なお、板材１４はコンクリー
ト、金属、木、プラスチック等の任意の素材で形成でき
る。これにより、板材１４の下方には貯水空間１６が形
成される。また、板材１４の上には比較的大きい礫（砂
利）１７を敷き詰めるとともに、さらにその上には砂１
８を敷き詰める。これら板材１４、礫１７、砂１８は土
壌支持材３となり、通水性を有する土壌支持層Ｃ２を構
成する。なお、礫１７、砂１８は予め加熱し、殺菌処理
を行う。土壌支持材３としてはレンガやブロック等を用
いてもよい。

また、土壌支持層Ｃ２の上には人工土壌４ｓを敷き詰め
、土壌層Ｃ３を構成する。

人工土壌４ｓは、既に本出願人が提案した特開平２−４
６２２８号公報開示の人工土壌を用いることができる。

次に、使用する人工土壌について詳細に説明する。

一般に、醸造業等においては発酵用原料の残渣物が大量
に発生する。そこで、かかる残渣物を、まず、キノコ培
地の主成分として利用する。このように、アルコール発
酵後の残渣物を直接土壌成分とせずに、中間的にキノコ
培地を製造する理由は、残渣物の再発酵（分解）をより
促進させることと、キノコ自身の栽培に利用し、付加価
値を高めるためである。したがって、アルコール発酵後
の残渣物に対して直接水分調製を施し、これに後述する
土壌構成に必要な各種添加物を配合する場合を妨げるも
のではない。

残渣物としては、ブドウの果皮や果肉（ブドウ酒）、麦
（ウィスキー、ビール）、ホップ（ビール）、米（日本
酒）、イモ（酢）、そば（焼酎）等の各種残漬物を利用
し得る。

第−表は、以上の残漬物を用いたキノコ培地の成分構成
表であり、この培地製造において水分調製が行われる。

第−表キノコ培地の成分表ただし　８５０ｃｃ栽培ビン１本当りこのように製造したキノコ培地を利用し、公知のキノコ
栽培法によってキノコ（エノキタケ、ナメコ、ヒラタケ
等）を栽培する。

一方、キノコを収穫した後のキノコ培地は人工土壌とし
て利用する。人工土壌は、かかるキノコ培地に対して第
二表に示すような土壌構成に要する一又は二以上の各種
添加物を配合して製造を行う。なお、配合に際しては、
無菌室等で実施し、ウィルスフリーの製造環境を配慮す
るとともに、必要により殺菌処理を施しつつ製造を行う
。

（以下、余白）第二表人工土壌の成分表単位二重量％この場合、土壌構成に要する添加物とは土壌に必要な物
理的性質（通水性等）、化学的性質（酸性質等）、微生
物的性質（生物分解能力等）、及びこれらの複合的性質
を発揮させるに要する添加物を言う。これらは、いずれ
も殺菌して用い、ウィルスフリーを実現する。

なお、これら添加物は全てを必要とするものではなく、
必要により選択して添加できるし、第二表具外の他の添
加物を加えることもできる。また、完成品としての人工
土壌は、水分調製を行うとともに、加工工程を経て粉体
状、粒体状、固形状とする。

また、人工土壌としては、その他、特開平２４６２２９
号公報開示のように、残漬物の代わりに粉砕した種子殻
を主成分とした人工土壌を用いてもよい。

即ち、食品工業等においては、とうもろこしのコーンを
取除いたコーンコブや桃の果肉を取除いた種子殻等が大
量に発生するため、かかる種子殻を細かく粉砕し、前記
残渣物の代わりに利用する。

なお、種子殻としては、その他、くるみ、もみがら、杏
等のあらゆる種子殻を利用し得る。

さらにまた、特開平２−４６２３０号公報開示のように
、残渣物の代わりにオガ屑を主成分とした人工土壌を用
いてもよい。

即ち、エノキタケ等は栽培ビンの中に収容したオガ屑を
主成分とするキノコ培地によって栽培され、キノコ栽培
が終了すると大量の廃培地が発生する。そこで、かかる
廃培地の有効利用を図るべく、人工土壌に利用する。な
お、キノコ培地として利用しないバージンのオガ屑に直
接使用する場合を妨げるものではない。オガ屑に利用す
る樹木としでは広葉樹、針葉樹を問わず、例えば、松、
杉、ブナ、ナラ、クヌギ、さらにはヤシやゴムの木等を
利用できる。また、樹木の中でも白樺のオガ屑がより良
好な結果を得る。

そして、土壌層Ｃ３の上面は略平坦な本来のグリーンＧ
となり、土壌４の地表面は芝生地１０となる。

以上により基本的な土壌システム！を構成する。

また、土壌システムｌには農薬液Ｗｌ等の散布システム
２０を併設する。

散布システム２０は前記循環バイブ１３を備え、この循
環バイブ１３の一端は前記シート部材２の排水孔１２に
接続するとともに、他端は送水ポンプ２１を介して散布
ノズル２２に接続する。散布ノズル２２はグリーンＧ上
に農薬液Ｗｌ又は水Ｗ２を散布できる複数の噴射口を有
し、また、ジヨイント２３を介して循環バイブ１３に対
して着脱する。他方、循環バイブ１３の中途には三方バ
ルブ２４を介してフィルタ（濾過器）２５を接続し、こ
のフィルタ２５を通して循環バイブ１３を排水側に連通
させる。また、循環バイブ１３の他の位置には三方バル
ブ２６を介して農薬液Ｗ１又は水Ｗ２を供給可能な供給
タンク２７を接続する。

一方、必要により、空調機３１を、送風バイブ３２を介
して前記土壌支持層Ｃ２に接続し、土壌支持層Ｃ２に温
風又は冷風を送ることができるように構成する。また、
積雪地方ではグリーンＧ上にポール３３・・・を起設し
、カバー３４を支持することによりドームを構成する。

なお、３５はホールを示す。

次に、散布システム２０を含む土壌システム１の機能に
ついて説明する。

まず、シート部材２により上側に位置する土壌システム
１は、下側に位置する自然土壌から隔離されるため、シ
ート部材２よりも下方への農薬液Ｗ１又は水Ｗ２の浸透
を阻止でき、農薬Ｗ１による環境汚染を防止できる。ま
た、シート部材２よりも上方へのウィルスの侵入を阻止
でき、人工土壌４８のウィルスフリーを長期にわたって
維持できる。

一方、散水又は農薬散布を行う場合には、まず、三方バ
ルブ２６を切換え、供給タンク２７を循環バイブ１３に
接続する。また、送水ポンプ２１を作動させ、供給タン
ク２７の農薬液Ｗ１又は水Ｗ２を散布ノズル２２に供給
する。これにより、グリーンＧ上には散布ノズル２２か
ら農薬液Ｗｌ又は水Ｗ２が散布される。

他方、散布された農薬液Ｗ１又は水Ｗ２は土壌層Ｃ３に
浸透し、さらに、砂１８、礫１７、板材１４からなる土
壌支持層Ｃ２を通過してシート部材２上に至る。そして
、散布された全ての農薬液Ｗｌ又は水Ｗ２は傾斜したシ
ート部材２により、中心側の貯水空間１６に集められる
。この場合、三方バルブ２４を切換え、貯水空間１６に
回収された農薬液Ｗ１又は水Ｗ２をフィルタ２５に供給
すれば、無害化された後に排水され、農薬による環境汚
染防止が図られる。なお、回収された農薬液Ｗ１又は水
Ｗ２を循環バイブ１３を通して再び散布ノズル２２から
散布させることもでき、農薬液Ｗ１又は水Ｗ２を節減で
きる。

また、必要により、夏季には空調機３Ｉから冷風を供給
して土壌を冷し、他方、冬季には空調機３Ｉから温風を
供給して土壌を暖めることができる。

次に、土壌システムｌを野菜、果実等に対する通常の栽
培システムに適用した実施例について、第２図を参照し
て説明する。

栽培システムに用いる場合も基本的には第１図に示した
ゴルフ場の場合と同じである。５１は傾斜させた基礎部
である。基礎部５１は栽培不適地である痩せ地、湿田、
砂漠等の自然土壌やビル屋上のコンクリートや地面のア
スファルト等の土壌以外のものも含む。

基礎部５１の上にはシート部材２を敷設して回収層Ｃ１
を構成する。また、シート部材２の上には礫１７、砂１
８を敷き詰め、通水性を有する土壌支持層Ｃ２を設ける
。さらにまた、土壌支持層Ｃ２の上には前記人工土壌４
ｓを用いた土壌層Ｃ３を設ける。よって、散布した農薬
液Ｗｔ又は水Ｗ２は傾斜したシート部材２によって回収
されるとともに、上側の土壌システムｌは基礎部５１か
ら隔離され、ウィルスフリーが維持される。

なお、人工土壌４ｓを用いた土壌システム１の場合、通
常の野菜栽培や果実栽培が生長速度において格段と促進
されるとともに、野菜では緑茶、わさび、薬用人参等、
従来、通常の自然土壌では困難な栽培も可能となる。そ
の他、空調機や散布システム等の周辺設備は第１図の実
施例と同様に設置できる。

また、いずれの実施例の場合も夏場における人工土壌の
ムレ防止が図れるとともに、養液（ミネラル、アミノ酸
等）を追加配合するのみで連作可能になるなど、多年性
にも寄与できる。

以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこの
ような実施例に限定されるものではなく、細部の構成、
材料、用途等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で任意に変更できる。

〔発明の効果〕

このように、本発明に係る土壌システムは農薬液又は水
を回収可能な傾斜させたシート部材を有する回収層と、
回収層の上に設けた通水性を有する土壌支持層と、土壌
支持層の上に設けた土壌層を備えてなるため、次のよう
な顕著な効果を奏する。

■　農薬散布による環境汚染を確実に防止でき、特に、
ゴルフ場の環境汚染問題を解消できる。

■　栽培不適地でも植物等の栽培が可能となるとともに
、栽培可能な植物等の種類拡大を図れる。

■　ウィルスフリーを実現できるため、農薬が不用又は
著しく低減でき、良質の植物栽培、食品公害の低減、植
物の長寿命化等を図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図二本発明に係る土壌システムをゴルフ場に適用し
た場合の断面構成図、第２図：同土壌システムを栽培システムに適用した場合
の断面構成図。尚図面中、１：土壌システム　　　２：シ一ト部材３：土壌支持材
　　　　４：土壌４ｓ：人工土壌　　　　ＩＯ＝芝生地：回収層Ｃ２・土壌支持層Ｃ３：土壌層：農薬液：水

Claims

【特許請求の範囲】〔１〕水又は農薬液を回収可能な傾斜させたシート部材
を有する回収層と、回収層の上に設けた通水性を有する
土壌支持層と、土壌支持層の上に設けた土壌層を備えて
なることを特徴とする土壌システム。〔２〕ゴルフ場の芝生地に用いたことを特徴とする請求
項１記載の土壌システム。〔３〕土壌は人工土壌を用いたことを特徴とする請求項
１記載の土壌システム。〔４〕人工土壌は少なくとも水分調製してなる発酵用原
料の残渣物を主成分とし、かつ土壌構成に要する一又は
二以上の添加物を配合してなることを特徴とする請求項
３記載の土壌システム。〔５〕人工土壌は粉砕した種子殻を主成分とし、かつ土
壌構成に要する一又は二以上の添加物を配合してなるこ
とを特徴とする請求項３記載の土壌システム。〔６〕人工土壌はオガ屑を主成分とし、かつ土壌構成に
要する一又は二以上の添加物を配合してなることを特徴
とする請求項３記載の土壌システム。