JPH0423818Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は医薬品や食糧品等の錠剤を収納した容
器の上部に充填して使用される錠剤用緩衝材に関
し、特に広い口径と胴径を有する広口瓶に適した
合成樹脂製の錠剤用緩衝材に関するものである。

＜従来の技術並びに解決すべき問題点＞ 一般に多数個のカプセルや錠剤を収納した容器
に於いて、振動等により錠剤相互間又は容器壁と
の衝突によつて錠剤が破損すのを防止する為、発
泡ウレタンやセロハン、綿花等の緩衝材を容器上
部に収納しているものが多く見られるが、このよ
うな緩衝材は衛生的に管理保管するのが面倒であ
り、且つ充填作業中に塵芥物が付着し易くて衛生
上の面で問題があり、しかも充填作業も手間であ
る等の欠点がある。

このような点を考慮して、合成樹脂材料で一体
的に成型されたものが、例えば実公昭47−39265
号や実開昭49−114063号で提案されている。この
公知技術によれば、放射方向に多数の切り込みが
入れられた円盤状の押え片のクツシヨン性と、立
設された複数の支柱の弾力性によつて容器内の錠
剤表面を圧迫する点において効果があるが、実際
上次のような問題点を包含する。即ち、この緩衝
材は底板中央部分が無垢の円盤体で形成されてい
るから弾力性に乏しく、且つ周辺の放射状押え片
の弾力性に比べ大きな格差がある。従つて、多数
の粒状錠剤のでこぼこな表面、特に広い口径と胴
部を有する広口瓶に於ける広い面積の錠剤表面の
全域をくまなく効果的に弾圧させる点においては
今一つである。

そこで本考案は一体成型によつて簡単に製作で
きる構造でありながら広口瓶に於ける広いエリア
のでこぼこな錠剤表面を全域に亙つてもれなく効
果的に弾圧することができ、しかも瓶えの出し入
れが容易に出来る機能を持つ合成樹脂製緩衝材を
提供することを主たる目的とするものである。

＜問題を解決するための手段＞ 上記の目的を達成する為に本考案は、適当な弾
力性を有する合成樹脂材料で一体的に成型され、
そして上下に適当な間隔を隔てて形成された上部
リング１並びに下部リング２と、スリツトをへだ
てて円筒状に立設され且つ前記上部リング１と下
部リング２とを連結する複数のリブ３……と、前
記下部リング２から外方向に放射状に延び且つ若
干の傾斜角で斜め下方に傾斜して形成された複数
の外部押え片４……と、前記下部リングの中心部
に配置されたセンターデイスク５から外方向に放
射状に延びて前記下部リング２に連結された複数
の内部押え片６……とから成り、前記内部並びに
外部押え片６，４は前記下部リング及びセンター
デイスクとの付け根部分４ａに於いて薄く又は細
く形成されていて容易に弾性変形し得るように形
成され、且つ、この付け根部分４ａが適当なアー
ルで円弧状に屈曲して形成されている構造とした
ものである。

＜作用＞ 上記の緩衝材Ａは多数の錠剤Ｃを収納した容
器、特に広い口径と胴部を有する広口瓶Ｂに充填
して使用される。広口瓶Ｂに挿入する時、放射状
に広がつた外部押え片４は第２図に示すように瓶
口部に当たつて薄く又は細くなつた付け根部分か
ら上方に折れ曲がり、同時に内部押え片６も両端
の薄く又は細くなつた付け根部分がら屈曲して容
易に瓶内に挿入することができる。そして瓶内に
押し込まれると中の広くなつた部分で前記内部、
外部押え片６，４は弾性復元力によつて弾力的に
錠剤表面を押し付ける。この際前記内部、外部押
え片６，４は第３図に示すように錠剤のでこぼこ
な表面に順応して夫々弾性変形し錠剤表面をもれ
なく押し付けることができる。

＜実施例＞ 以下図面について本考案の実施例を説明する。

図において、符号Ａは本考案に係る緩衝材を示
すもので、適当な弾力性を有する合成樹脂材料に
よつて一体的に成型されている。而してこの緩衝
材Ａは、上下に適当な間隔を隔てて形成された上
部リング１並びに下部リング２と、スリツト７を
へだてて円筒状に立設され且つ前記上部リング１
と下部リング２とを連結する複数のリブ３……
と、前記下部リング２から外方向に放射状に延び
る複数の外部押え片４……と、前記下部リングの
中心部に配置されたセンターデイスク５から外方
向に放射状に延びて前記下部リング２に連結され
た複数の内部押え片６……とから成る。前記内
部、外部押え片６，４は夫々スリツト８，９を隔
てて形成されている。

而して前記内部並びに外部押え片６，４は前記
下部リング２及びセンターデイスク５との付け根
部分４ａ，６ａ，６ｂに於いて薄く又は細く形成
されていて容易に弾性変形し得るように構成され
ている。

又、前記外部押え片４の肉薄部分４ａが適当な
アールで円弧状に湾曲して形成されており、これ
により外部押え片４の弾性効果を高めると共に肉
薄部分４ａの強度を高めている。又、この部分を
円弧状に湾曲して形成することにより、成型時に
おける金型からの強制引き抜きが可能となり、こ
れにより上下方向のみの割型で済んで金型が簡略
化すると共に金型の製品取数が増えて製品コスト
を下げることができる。

更に、前記外部押え片４は図に示すように若干
の傾斜角で斜め下方に傾斜して形成されている。
これにより、瓶内に充填した時に錠剤表面に当接
して略水平な姿勢まで上方に押し上げられてその
弾性反発力により十分な押し付け力が得られる。
することが好ましい。

尚、使用時に於いて前記上部リング１の上端が
外蓋Ｄに程良く押し付けられて各押え片が弾力的
に錠剤表面を押さえるように予め瓶内の錠剤収納
量を設定しておくことも肝要である。

又、第５図に示すように前記上部リング１の外
縁部に瓶口上端面に係合してパツキンとして作用
する鍔部１ａを形成しても良い。

＜考案の効果＞ 本考案は上記のごとく構成したことによつて次
のような効果がある。

内部並びに外部押え片６，４は前記下部リン
グ及びセンターデイスクとの付け根部分４ａに
於いて薄く又は細く形成され、しかも共にスリ
ツト８，９を隔てて形成されているので、緩衝
材Ａを瓶口に押しこむ際、放射状に広がつた外
部押え片４は第２図に示すように瓶口部に当た
つて薄く又は細くなつた付け根部分がら上方に
折れ曲がり、同時に内部押え片６も両端の薄く
又は細くなつた付け根部分がら屈曲して容易に
瓶内に挿入することができ且つ取り出しも同様
に容易に出来、又瓶内に押し込まれた状態では
前記内部並びに外部押え片６，４は錠剤のでこ
ぼこな表面に順応して夫々弾性変形し、かくて
前記内部、外部押え片６，４並びにセンターデ
イスク５によつて広口瓶における広いエリアの
錠剤表面をもれなく効果的に押し付けることが
できる。

外部押え片４は下向き外方向に傾斜して形成
されているから、瓶内に充填したときに錠剤表
面に当接して略水平な姿勢まで上方に押し上げ
られてその弾性反発力により十分な押し付け力
が得られる。

外部押え片４の肉薄部分４ａを適当なアール
で円弧状に湾曲して形成することによつて、外
部押え片４の弾性効果を高めると共に肉薄部分
４ａの強度を高めることができ、特にこの部分
を円弧状に湾曲して形成することにより、成型
時における金型からの強制引き抜きが可能とな
り、これにより上下方向のみの割型で済んで金
型が簡略化すると共に金型の製品取数が増えて
製品コストを下げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す一部断面正面
図、第２図は緩衝材を瓶内に挿入するときの状態
を示す説明図、第３図は使用状態を示す一部断面
図、第４図は一部切欠裏面図、第５図は他の実施
例を示す一部切欠断面図である。 １は上部リング、２は下部リング、３はリブ、
４は外部押え片、４ａは肉薄部分、５はセンター
デイスク、６は内部押え片、７，８，９はスリツ
ト、Ａは本考案の緩衝材、Ｂは錠剤、Ｃは広口瓶
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適当な弾力性を有する合成樹脂材料で一体的に
   成型され、そして上下に適当な間隔を隔てて形成
   された上部リング１並びに下部リング２と、スリ
   ツトをへだてて円筒状に立設され且つ前記上部リ
   ング１と下部リング２とを連結する複数のリブ３
   ……と、前記下部リング２から外方向に放射状に
   延び且つ若干の傾斜角で斜め下方に傾斜して形成
   れさた複数の外部押え片４……と、前記下部リン
   グの中心部に配置されたセンターデイスク５から
   外方向に放射状に延びて前記下部リング２に連結
   された複数の内部押え片６……とから成り、前記
   内部並びに外部押え片６，４は前記下部リング及
   びセンターデイスクとの付け根部分４ａに於いて
   薄く又は細く形成されていて容易に弾性変形し得
   るように形成され、且つ、この付け根部分４ａが
   適当なアールで円弧状に屈曲して形成されている
   錠剤用緩衝材。