JPH0423761Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、散薬自動分包機に関するものであ
る。

(ロ) 従来の技術 従来、散薬の分割分包作業は次のように行われ
ていた。

すなわち、散薬調剤台に収納載置された多種類
の薬瓶より、処方箋に従つて所要の散薬を数種類
計量して取出し、これらを乳鉢、又は混和器内に
投入して混和する。

そして、この混和剤を分割分包機により分割分
包するものである。

ところが、上記のような散薬の分割分包作業で
は、以下のような不具合が生じていた。

すなわち、散薬が有する付着性により生ずるも
ので、コンタミネーシヨン、分割誤差、及び混和
誤差等があり、これらは、薬効の均一性を期待で
きないという重大、かつ、深刻な問題を提起して
いる。

上記の問題点を解消するために、散薬を一種類
づつ貯留したストツクケースを、散薬の種類に応
じて多数配備し、曲管等を介して同ケースと連通
した散薬計量装置を直線的に配列し、さらに、同
散薬計量装置の下方には分包装置を移動自在に配
設して、同分包装置が所要の散薬計量装置下方位
置まで移動して、同装置より吐出される所定量の
散薬を収容して混和し、かつ分包すべく構成した
散薬自動分包機が発明され、同分包機を処方箋に
従つて操作すれば、同分包機が以下のように作動
して、自動的に分包作業が行われるものである。

すなわち、分包装置が所要の散薬計量装置下方
に移動すると、同散薬計量装置より所定量の散薬
が吐出されると共に、同分包装置に収容されると
いう散薬計量装置と分包装置の作動が、混和する
散薬の種類の数だけ繰返し行われ、その後、同分
包装置により分包がなされるものである。

従つて、調剤及び分包は一包ごとに行われる。
この際、散薬は種類毎に各ストツクケースより直
接各散薬計量装置に供給され、同装置より所定量
だけ吐出されるために、コンタミネーシヨン、分
割誤差、及び、混和誤差等の問題が発生せず、ま
た分包作業が迅速、かつ、正確に行えるために、
人件費の削減、薬品の在庫管理も楽になるもので
ある。

さらには、この散薬自動分包機を、コンピユー
ターにより自動制御することも容易な構造である
ために、従来からの懸案事項である分包作業の合
理化と薬効の確保を同時に解決させることも可能
なものである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 ところが、上記の散薬自動分包機では、散薬計
量装置が直線状に配列していることから、機体の
横幅が広くなつて広い設置スペースを要し、また
分包装置は一直線上を往復移動するだけでよい
が、同移動距離が長くなり、調剤分包に長時間を
要するという欠点があつた。

なお、調剤及び分包は、前記のように一包ごと
に行われるため、分包装置の移動は、一包に調剤
される散薬の種類数に、分包数を乗じた回数だけ
頻繁に行われ、全体の調剤分包に要する時間の大
半が上記移動に要する時間で占められている。

(ニ) 問題点を解決するための手段 この考案では、散薬を一種類毎に貯留したスト
ツクケースと、一種類の散薬を所定量づつ吐出す
る散薬計量装置とを連通連結したものを散薬の種
類に応じて多数配備し、さらに、同散薬計量装置
の下方には分包装置を移動自在に配設して、同分
包装置が所要の散薬計量装置の下方位置まで移動
して、同装置より吐出される所定量の散薬を収容
して混和し、かつ分包すべく構成してなる散薬自
動分包機において、各散薬計量装置を縦横に整列
させて配設し、同散薬計量装置の下方に横方向の
Ｘレールを架設し、同レール上に縦方向のＹレー
ルをＸレールに沿つて移動自在に載設し、Ｙレー
ル上にテーブルを同レールに沿つて移動自在に載
設し、同テーブルをテーブル移動装置に連結し、
同テーブル上に分包装置を載設して、同分包装置
を所要の散薬計量装置の下方位置に移動可能に構
成してなる散薬自動分包機を提供せんとするもの
である。

(ホ) 作用・効果 この考案によれば、ストツクケースを縦横に整
列させて配設しているため、機体の横幅が狭く設
置スペースが小さくてすみ、分包装置をXYレー
ルに沿つて移動させて、所要のストツクケースの
下方に位置させることができることから、ストツ
クケースの下部に曲管等を介さず直接散薬計量装
置を取付けて構造を簡単にすることができ、同計
量装置が、ストツクケースと同様に縦横に整列し
ていることから、同計量装置が直線的に整列して
いるものに比べて、分包装置の移動距離が短くて
すみ、同分包装置の移動に要する時間を短縮し
て、調剤分包に要する時間を大幅に短縮して能率
を向上させることができる。

また、各分包紙に直接散薬を投入するので、ロ
ート等を用いた時のようなコンタミネーシヨンが
防止される。

(ヘ) 実施例 本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、
第１図、第２図に示すＡは散薬自動分包機であ
り、同分包機Ａは、中空箱状の機台１の上部にケ
ース収納部２を設け、同収納部２に多数のストツ
クケース３を配設して、各ケース３内には種々の
散薬を一種類毎に貯留することができるようにし
ており、各ケース３には各々散薬計量装置４を連
通連結して、同装置４より散薬を一種類毎に取出
すことができるように構成している。

しかも、上記散薬計量装置４の下方に位置する
機台１には、テーブル移動装置６で縦横に移動自
在の分包装置５を配設して、同装置５により散薬
を分包して、同機台１の前側下部に設けた取出し
口１ａより取出すことができるように構成してい
る。

なお、図中１ｃはケース収納部２の上方をカバ
ーしたトツプパネルであり、左右側方にスライド
させ、又は取外して同収納部２を開放することが
できるようにしている。

以下散薬自動分包機Ａを構成するストツクケー
ス３、散薬計量装置４、及び分包装置５、テーブ
ル移動装置６を詳述する。

ストツクケース３と散薬計量装置４は、第３図
で示すように、平面視が円形で漏斗状のストツク
ケースの下部を散薬計量装置４の上部に連通させ
て、ストツクケース３中に貯留した散薬を散薬計
量装置４に供給し、同計量装置４のノズル４ａか
ら下方に吐出させるように構成しており、散薬計
量装置４は、内面を略逆円錐形状に形成した本体
４ｂの上面を略平板状の蓋体４ｃで閉塞し、同蓋
体４ｃにストツクケース３の下端を挿入して、同
ケース３と本体４ｂの内部とを連通させ、本体４
ｂの下端に、内面を略逆円錐形状に形成し、かつ
同内面に菊目を施した散薬計量部４ｄを連設し、
同計量部４ｄの内面に、外周面に菊目を形成した
略逆円錐形状の計量栓体４ｅを上方から嵌入し、
同栓体４ｅに回動軸４ｆを立設し、同軸４ｆを蓋
体４ｃに固設したサーボモーターＭ１に連動連結
して、同モーターＭ１により計量栓体４ｅを回動
させることにより、同回動角度に相当した量の散
薬を計量部４ｄ下端のノズル４ａから下方に落下
させるように構成している。

なお図中３ａは、ブリツジ発生防止用のバイブ
レーター、３ｂは散薬在否センサーで、静電型、
超音波型などを用いることができる。

分包装置５は、散薬の計量装置４のノズル４ａ
から落下した散薬を分包するために折り目を下方
にして二つ折り状で巻取られたロール紙５ａと、
同ロール紙５ａを上方開口袋状にシールするため
の縦シール部５ｂと、ノズル４ａから落下した散
薬を受けるために二つ折りのロール紙５ａの上端
部を開かせるための吸盤５ｃ，５ｃと、散薬を収
納したロール紙５ａの上端部をシールするための
横シール部５ｄと、連続して送られてきた分包済
のロール紙５ａを所定の分包数ごとに切断するカ
ツター５ｅとで構成されており、切断された分包
は前記取出し口１ａに投入される。

なお図中、５ｆはロール紙５ａのガイドロー
ラ、５ｇは分包ごとにシール部にミシン目を入れ
るためのミシンカツター、５ｈは紙切れ検出用セ
ンサーである。

テーブル移動装置６は、第５図の平面図、第６
図の正面図、第７図の側面図で示すように機台１
の下方に左右方向に２条のＸレールＸ，Ｘを架設
し、同レールＸ，Ｘ上にスライダー６ａを左右摺
動自在に載設すると共に、２条のＸレールＸ，Ｘ
間に、同レールと平行のＸ螺杆Ｘ１を回動自在に
架設して、同螺杆Ｘ１をスライダー６ａに螺合さ
せ、同螺杆Ｘ１に連動連結させたＸサーボモータ
ーMxの正逆回転によりスライダー６ａを左右移
動させるようにしている。

また、スライダー６ａの上面には、２条のＹレ
ールＹ，ＹをＸレールＸ，Ｘと直交させて架設し
て、同レールＹ，Ｙ上に分包装置５を載設したテ
ーブルＴを前後摺動自在に載設し、２条のＹレー
ルＹ，Ｙ間に同レールと平行Ｙ螺杆Ｙ１を回動自
在に架設して、同螺杆Ｙ１をテーブルＴに螺合さ
せ、同螺杆Ｙ１に連動連結させたＹサーボモータ
ーMyを正逆回転によりテーブルＴを前後移動さ
せるようにしている。

なお、各螺杆Ｘ１，Ｙ１と各サーボモーター
Mx，Myとの連動連結には、それぞれ歯付ベル
トＸ２，Ｙ２を用いて作動伝達の正確を期してい
る。

また、図中Ｘ３，Ｘ４，Ｙ３，Ｙ４はそれぞれ
ストロークエンド検出用のセンサーを示す。

そして、散薬の計量装置４のサーボモーターＭ
１、テーブル移動装置６のXYサーボモーター
Mx，My及び分包装置５の各作動部は、コンピ
ユーターを内蔵した制御装置Ｃによつて制御され
ており、同制御装置Ｃは、第８図のブロツク図で
示すように、CPUC１に、処方箋に記載されたデ
ータを入力するためのキーボードＣ２、デイスプ
レイＣ３、調剤を記録するためのデイスク装置Ｃ
４、プリンターＣ５及び予め各散薬を吐出する散
薬計量装置４のノズル４ａの位置と、制御プログ
ラムを記憶させたメモリーＣ６を接続しており、
また、各サーボモーターＭ１，Mx，My及び分
包装置５の各作動部CPUC１にシーケンサーＣ７
を介して接続し、キーボードＣ２からの入力に従
つて上記各部を作動させるようにしている。

シーケンサーＣ７には、上記各サーボモーター
Ｍ１，Mx，Myにそれぞれ接続したサーボパツ
クＳ１，Sx，Syと、位置決めモジユールＰ１，
Px，Pyとを設けており、サーボパツクSx，Syに
はそれぞれXYサーボモータMx，Myと連動した
タコメーターゼネレーターTx，Tyを接続して同
サーボモーターの回動時の回転速度を一定に保持
させるようにし、位置決めモジユールＰ１，Px，
Pyには、各サーボモーターＭ１，Mx，Myと連
動したパルスカウンターPC１，PCx，PCyを接
続し、各サーボモーターＭ１，Mx，Myの回動
角度を検出して同モジユールＰ１，Px，Pyを介
しサーボパツクＳ１，Sx，Syにフイードバツク
するようにしている。

また、多数の散薬計量装置４にそれぞれ配設し
たサーボモーターＭ１とシーケンサーＣ７中に設
けたそれぞれ単一のサーボパツクＳ１及び位置決
めモジユールＰ１との間には、リレーモジユール
Ｒ１，Ｒ２を介設して、CPUC１の制御により、
多数のサーボモーターＭ１と、それぞれ単一のサ
ーボパツクＳ１と位置決めモジユールＰ１との接
続をON−OFFするように構成している。

本考案の実施例は上記のように構成されてお
り、キーボードＣ２から処方箋に記載された散薬
名、量、分包数などのデータを入力すると、デイ
スプレイＣ３に上記データが表示されると共に、
散薬名にもとづきメモリーＣ６をアクセスして、
同散薬を収納したストツクケース３と連通した散
薬計量装置４のノズル４ａの位置を読み出して、
分包装置５の現在位置との差を算出し、その差に
対応した量だけテーブル移動装置６のXYサーボ
モーターMx，Myを回動させて、該ノズル４ａ
の直下方に分包装置５のロール紙５ａ袋状開口部
を位置させる。

また、この間に、分包装置５のロール紙５ａを
繰出し、縦シール部５ｂを作動させて、同ロール
紙５ａを袋状に形成し、吸盤５ｃ，５ｃで同ロー
ル紙５ａの上端縁を開口させておく。

そして、該散薬名にもとづき、リレーモジユー
ルＲ１，Ｒ２を作動させて、該散薬の散薬計量装
置４のサーボモーターＭ１とパルスカウンター
Pc１だけをサーボパツクＳ１と位置決めモジユ
ールＰ１にそれぞれ接続させ、該散薬の量に対応
した量だけサーボモーターＭ１を回転させること
で、所要量の散薬を該袋状のロール紙５ａ中に投
入する。

このような動作を繰返して同分包中に所要の種
類の散薬の注入が完了すると、ロール紙５ａを繰
出し、横シール部５ｄを作動させてロール紙５ａ
の上端縁開口部をシールして一分包の調剤分包を
行うものであり、所定の分包数に達すると、カツ
ター５ｅを作動させて切断した分包を機台１の取
出し口１ａに投入する。

上記のように、分包装置５の移動が、一分包ご
とに、しかも同分包に投入される散薬の種類数だ
け行われることから、同移動に費される時間が全
体の調剤分包に要する時間の大半を占めるのであ
るが、本考案では、ストツクケース３が縦横に整
列状態で配設されているので、移動距離が短くて
すみ、また、XYサーボモーターMx，Myを同時
に作動させて、移動を最短時間で行わせるように
したことから、調剤分包に要する時間を大幅に短
縮して能率を向上させることができる。

また、多数の散薬計量装置にそれぞれ設けたサ
ーボモーターを、リレーモジユールを介して単一
のサーボパツクで駆動するようにしたことで、各
サーボモーターをそれぞれのサーボパツクで駆動
するようにしたものに比べて、サーボパツクの数
を大幅に減ずることができ、機体を小型化するこ
とができると共に、装置の製作コストを低減する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による散薬自動分包機の全体
平面図。第２図は、同側面図。第３図は、ストツ
クケース及び散薬計量装置の縦断面図。第４図
は、分包装置の平面図。第５図は、テーブル移動
装置の平面図。第６図は、同正面図、第７図は、
同側面図、第８図は、制御装置の構成を示すブロ
ツク図。 Ａ……散薬自動分包装置、Ｔ……テーブル、Ｘ
……Ｘレール、Ｙ……Ｙレール、３……ストツク
ケース、４……散薬計量装置、５……分包装置、
６……テーブル移動装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 散薬を一種類毎に貯留したストツクケース３
   と、一種類の散薬を所定量づつ吐出する散薬計量
   装置４とを連通連結したものを散薬の種類に応じ
   て多数配備し、さらに、同散薬計量装置４の下方
   には分包装置５を移動自在に配設して、同分包装
   置５が所要の散薬計量装置４の下方位置まで移動
   して、同装置４より吐出される所定量の散薬を収
   容して混和し、かつ分包すべく構成してなる散薬
   自動分包機Ａにおいて、各散薬計量装置４を縦横
   に整列させて配設し、同散薬計量装置４の下方
   に、横方向のＸレールＸを架設し、同レールＸ上
   に、縦方向のＹレールＹをＸレールＸに沿つて移
   動自在に載設し、ＹレールＹ上にテーブルＴを同
   レールＹに沿つて移動自在に載設し、同テーブル
   Ｔをテーブル移動装置６に連結し、同テーブルＴ
   上に分包装置５を載設して、同分包装置５を所要
   の散薬計量装置４の下方位置に移動可能に構成し
   てなる散薬自動分包機。