JPH04235198A - 修飾ポリペプチド - Google Patents

修飾ポリペプチド

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JPH04235198A
JPH04235198A JP3123925A JP12392591A JPH04235198A JP H04235198 A JPH04235198 A JP H04235198A JP 3123925 A JP3123925 A JP 3123925A JP 12392591 A JP12392591 A JP 12392591A JP H04235198 A JPH04235198 A JP H04235198A
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JP
Japan
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polypeptide
ifn
thr
ser
asparagine
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JP3123925A
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Jun Uchiumi
潤 内海
Tsuneo Shimazu
島津 恒夫
Hajime Kono
源 河野
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬あるいは診断薬と
して利用し得る生理活性ポリペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、種々の有用な生理活性を有するポ
リペプチドおよびタンパク質が数多く見い出され、それ
らを医薬あるいは診断薬として利用しようとする試みが
なされている。この応用の際に重要なことは、それらの
ポリペプチド類が応用時に十分にその生理活性を発揮し
得ることである。これを達成するために、そのポリペプ
チドの安定化条件を選んだり、調製方法を工夫したりす
るほか、いわゆる遺伝子組換え技術によってその一次構
造中のアミノ酸残基を変換し、積極的に生理活性の安定
化や生理活性の増大を図る例がある。
【0003】この試みは、いずれもアミノ酸重合体であ
るポリペプチド鎖の立体構造に注目してポリペプチド鎖
自身の修飾として行なわれている。例えば、ヒト・イン
ターフェロンβの遊離のシステインをセリンに変換して
会合を防いだり〔Markら、Proc. Natl.
 Acad. Sci. USA., 81, 566
2 (1984)〕、T4ファージに新たにシステイン
を導入して分子内ジスルフィド結合を作って耐熱性を向
上させたり〔Perry とWetzel, Scie
nce, 226, 555 (1984)〕、あるい
はヒト・リゾチームでアルギニンの位置を変えて至適p
Hを変化させた例〔Murakiら、Pro tein
 Engineering, 2, 49 (1988
)〕などがある。
【0004】しかしながら、アミノ酸残基変換による機
能改良の試みは、ポリペプチド鎖の立体構造と機能との
相関が十分に解明されていない現在、個々のポリペプチ
ドおよびタンパク質においてある程度試行錯誤的に行な
われ、成功の確率も低く、十分にその目的が達せられな
い場合がしばしば生じている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】今まで述べてきたよう
に、生理活性ポリペプチドを医薬や診断薬として応用し
ていくためには、該ポリペプチドの安定化や生理活性の
増大などが改良されるべき課題として残っている。すな
わち、生理活性ポリペプチドはその物質的特性上、生体
内に投与された場合にはプロテアーゼに分解されやすい
という弱点があるため、これを改善して血中安定性や熱
安定性を高めることが求められている。また、生理活性
ポリペプチドは複数の生物学的作用を有していることが
多いため、標的細胞や標的臓器への選択的な取り込みを
促進させることも改善すべき点とて挙げられる。
【0006】これらの課題が解決され得れば、生理活性
ポリペプチドは本来の生理的濃度に準じた必要最低限の
用量で十分に薬効を発揮させることができ、副作用を抑
えながら優れた薬剤として実用に供することができる。
【0007】血清タンパク質に代表される生理活性ポリ
ペプチドの多くは、糖タンパク質やリポタンパク質など
の複合タンパク質である。これらの複合タンパク質の生
理活性は、単にポリペプチド鎖自身の立体構造によって
のみ規定されるものではなく、結合している糖鎖やリピ
ドによってもその活性が制御されていることが最近明ら
かになってきた。
【0008】特に糖タンパク質においては、糖鎖はタン
パク質の安定化、代謝におけるシグナル作用、細胞内局
所のシグナル作用およびレセプターや標的細胞に対する
認識分子としてのシグナル作用などの機能を持つことが
報告されている〔例えば、高崎誠一、実験医学、Vol
.5, p.427 (1987) 〕。従って、生理
活性ポリペプチドを医薬や診断薬として応用を図ってい
くためには、ポリペプチド鎖自身の立体構造に着目した
改変ばかりでなく、糖鎖のような機能性高分子を人工的
に導入して高機能化ポリペプチドへ改変することにより
、さらに有用性の高い生理活性ポリペプチド誘導体を作
成することが可能となる。
【0009】しかしながら、糖タンパク質の糖鎖機能に
注目した研究は、糖鎖をアシアロ化すると肝での代謝が
速まるという研究〔Ashwell と Morrel
l, Adv.Enzymol., 41, 99 (
1974) 〕を始めとして、糖鎖を除去すると性腺刺
激ホルモンの生理活性が消失するという研究〔Moyl
e ら、J. Biol. Chem.,250, 9
163 (1975)〕に代表されるように、既存の糖
鎖を修飾したり欠失させたりして、その生物学的機能を
調べる研究がほとんどであり、タンパク質の機能改善は
十分に達成されていないのが現状である。
【0010】本発明は、医薬あるいは診断薬となる可能
性のある生理活性ポリペプチドおよびタンパク質に対し
て、遺伝子工学的にアミノ酸残基変換を行ない、糖鎖結
合部位を導入することによって生合成的に糖鎖を付加さ
せ、上記の課題を解決しようとするものである。本発明
者は、この目的に沿って鋭意研究の結果、本発明を完成
した。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。すなわち本発明は、下記の部分配
列 X−Y−Ser−Ser X−Y−Ser−Thr X−Y−Thr−Ser  または X−Y−Thr−Thr (ここで、XおよびYはAsn以外のアミノ酸を示す)
を含む生理活性ポリペプチドのXまたはYの全部または
一部をアスパラギンに変換させた修飾ポリペプチド、お
よび該修飾ポリペプチドをコードする遺伝子に関する。 すなわち本発明は、特定配列中のアミノ酸をアスパラギ
ンに変換させた修飾ポリペプチドをコードする遺伝子を
、真核細胞を宿主として発現させることにより、アスパ
ラギン結合型糖鎖を付加させることを特徴とする修飾ポ
リペプチドに関する。本発明のアミノ酸変換により新た
に導入されたアスパラギン−Y−セリンまたはスレオニ
ン−セリンまたはスレオニン(Asn−Y−Ser/T
hr−Ser/Thr)、X−アスパラギン−セリンま
たはスレオニン−セリンまたはスレオニン(X−Asn
−Ser/Thr−Ser/Thr)、あるいはアスパ
ラギン−アスパラギン−セリンまたはスレオニン−セリ
ンまたはスレオニン(Asn−Asn−Ser/Thr
−Ser/Thr)というアスパラギン結合型糖鎖結合
部位によって、該ポリペプチドにアスパラギン結合型糖
鎖を生合成的に付加させることができる。
【0012】この場合、導入されたアスパラギン残基の
N末端側4、5あるいは6番目にセリンあるいはスレオ
ニンが存在していることがより好ましく、従って導入さ
れたアスパラギン残基のN末端側4、5あるいは6番目
のアミノ酸残基を同時にセリンあるいはスレオニンに変
換させることが好ましい。具体的には、上記部分配列の
アミノ酸残基XあるいはYからそれぞれN末端側の4、
5あるいは6番目のアミノ酸残基をセリンあるいはスレ
オニンに変換させることを意味する。
【0013】本発明でアスパラギンに変換されるXまた
はYのアミノ酸残基は、いかなるアミノ酸でもかまわな
い。また、Yをアスパラギンに変換しない場合、Yはプ
ロリン以外であることが好ましく、プロリンの場合には
、このプロリンを他のアミノ酸残基(例えば、アラニン
など)に置換することが好ましい。
【0014】上記の糖鎖結合アミノ酸配列を導入する一
次構造の部位は、導入によってその生理活性ポリペプチ
ドの立体構造に大きな変化を与えずに本来の生理活性を
消失あるいは減弱しない部位が選ばれるべきで、本発明
に述べたセリンあるいはスレオニンの一方または両方が
少なくとも2残基以上並んだ配列の領域はこれに該当す
る。また、この領域の近傍にはプロリンや親水性アミノ
酸が存在することが好ましい。また、セリンあるいはス
レオニンの一方または両方が少なくとも2残基以上並ん
だ配列があれば、ポリペプチドの一次構造上、基本的に
いずれの部位も本発明による改変の対象となり得るが、
アミノ末端あるいはカルボキシル末端、近傍においては
、生体内で生理活性発現のためにプロセシングを受けて
切断除去される可能性のある領域は避けることが望まし
い。具体的には、プレプロ体あるいはプロ体となってい
る生理活性ポリペプチドを考慮し、シグナル配列が除去
された天然型ポリペプチドのアミノ末端から9残基以降
をアスパラギンに変換することが好ましい。
【0015】本発明でいう生理活性ポリペプチドは、下
記の部分配列 X−Y−Ser−Ser X−Y−Ser−Thr X−Y−Thr−Serまたは X−Y−Thr−Thr (ここで、XおよびYはAsn以外のアミノ酸を示す)
を有するものであれば特に限定されないが、具体的には
、免疫調節作用のあるリンフォカインやサイトカイン類
〔インターフェロン(IFN)類、インターロイキン(
IL)類、腫瘍懐死因子(TNF)など〕、増殖因子類
〔上皮細胞増殖因子(EGF)、神経成長因子(NGF
)、腫瘍成長因子(TGF)、線維芽細胞増殖因子(F
GF)など〕、造血ホルモン類〔コロニー刺激因子(C
SF)、エリスロポイエチン(EPO)、血小板因子4
(PF4)など〕などが挙げられる。この中でも、IF
N−β、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−6、
G−CSF、GM−CSF、M−CSF、EPO、PF
4、bFGFなどが好ましく用いられる。
【0016】また、本発明の対象になり得る生理活性ポ
リペプチドは、自然界に存在する哺乳動物細胞で生産さ
れ得るアミノ酸配列を有するもの、すなわち天然型が好
ましく、該天然型と実質的に同等の活性を有するもので
あれば、アミノ酸の置換、欠失、挿入などから構成され
るポリペプチドでもよい。
【0017】本発明の糖鎖結合部位を導入した修飾ポリ
ペプチドを得る方法は、いわゆる遺伝子組換え技術によ
り、前記部分配列を有する目的のポリペプチドの任意の
XまたはYをアスパラギンに変換させたAsn−Y−S
er/Thr−Ser/Thr、X−Asn−Ser/
Thr−Ser/Thr、またはAsn−Asn−Se
r/Thr−Ser/Thrなる糖鎖結合アミノ酸配列
をコードする塩基配列を導入したcDNAを作成し、こ
れを適当な発現ベクターに組込み、さらにこれを適当な
真核細胞に感染させて、その細胞において生合成的に糖
鎖の付加されたポリペプチドを生産させる方法が用いら
れる。
【0018】上記の糖鎖結合アミノ酸配列をコードする
塩基配列を導入する方法は、いわゆる部位特異的突然変
異誘発法といわれ、具体的には亜硝酸と合成オリゴタク
レオチドを用いた方法〔広瀬  進、実験医学、Vol
.5, p.1086 (1987)〕、カセット変異
法〔岸本利光、同誌、Vol.5, p.1092 (
1987)〕やEcksteinらの方法〔Nucle
ic Acid. Res., 13, 8747 (
1985) および同誌、13, 8764 (198
5) 〕などがある。
【0019】宿主として用いらる真核細胞には、酵母、
昆虫、両生類および哺乳動物の細胞が挙げられるが、好
ましくは哺乳動物細胞、例えばチャイニーズ・ハムスタ
ー卵巣(CHO)細胞、マウスC127細胞、マウスL
細胞、サルCOS細胞などが挙げられる。
【0020】また、生合成的に付加される糖鎖構造は、
目的とするポリペプチドの立体構造と宿主細胞の糖鎖合
成能に依存するため特に限定されないが、フコース、マ
ンノース、ガラクトース、N−アセチルグルコンサミン
、およびシアル酸のうちの1種類以上を構成単位として
成立する、いわゆる高マンノース型、複合型、混成型な
どのアスパラギン結合型糖鎖を主に含み、N−アセチル
ガラクトサミンを構成単位とする糖鎖を含むこともある
。さらにまた、このようにして生合成的に新たに付与さ
れた糖鎖を該ポリペプチドに対してより有用な機能発現
に貢献させるために、この糖鎖に酵素学的修飾あるいは
化学的修飾を必要に応じて加えることも本発明に含まれ
る。
【0021】糖が付加されたことの確認は、該ポリペプ
チドを精製純化して糖組成分析または糖鎖構造分析で確
定できるほか、電気泳動上で分子量が増加すること、ま
た予想される電気泳動上のポリペプチド・バンドが糖鎖
結合性レクチンと反応することからも推定することがで
きる。
【0022】このようにして得られた該ポリペプチドは
、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマ
トグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどで精製
純化して、医薬あるいは診断薬として供される。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、本発明は何らこれに限定されるものではない。 実施例1 166個のアミノ酸をコードするヒト・インターフェロ
ンβ(IFN−β)のcDNAにおいて、N末端から7
2番目のグルタミンをコードする塩基配列(CAA)を
アスパラギン(AAT)をコードする塩基配列に変え、
アミノ酸配列でアスパラギン72−アスパラギン酸73
−セリン74−セリン75となる配列を新たに導入した
cDNAを次のように構築した。
【0024】ここで用いたIFN−β構造遺伝子は、大
腸菌でのIFN−β発現用ベクターpKM6より得た。 pKM6は、トリプトファン・プロモータ支配下にIF
N−β遺伝子を発現するように組立てられたプラスミド
pKT1−9のSD−ATG間の塩基配列を修飾するこ
とにより得たプラスミドである。SD−ATG間の配列
はGGTTTGAAATCGATGであり、ATGの2
塩基上流のCの位置で制限酵素ClaIにより切断され
る。pKT1−9の作製方法および構造は、すでに報告
されているpFIFtrp69〔Nucleic Ac
id. Res., 8, 4057, (1980)
 〕と同一である。
【0025】pKM6を制限酵素ClaIおよびBgl
IIで消化し、アガロースゲル電気泳動にかけ、IFN
−β構造遺伝子をコードする500塩基対のDNA断片
を分離した。シグナルペプチド遺伝子は、IFN−βの
シグナル配列を化学合成して用いた。本合成シグナルペ
プチド遺伝子は、翻訳開始コドンATGの直前に制限酵
素XbaIの認識配列を持ち、かつ5′末端はHind
III 切断配列を、3′末端はClaI切断配列を持
つように設計して合成した。具体的には、まず上記配列
を構成する75塩基対の二本鎖DNAを、9から16オ
リゴタクレオチドの一本鎖DNA10本(BS1〜BS
10)に分けて回相法により合成し、これらをアニーリ
ング(95℃、2分→0℃、5分→70℃から徐々に冷
却)した後、T4DNAリガーゼで11℃、16時間反
応させて、10本のオリゴマーをつなぎ合わせることに
より行なった(図1)。
【0026】次に、M13mp11(アマシャム・ジャ
パンより購入)をSmaIIで消化、BglIIリンカ
ーを連結後、BglI消化し、さらにHindIII 
消化して得たベクターDNA断片と、上で述べたIFN
−β構造遺伝子およびシグナルペプチド遺伝子をコード
するDNA断片を混合、T4DNAリガーゼを用いて連
結し、この反応液を用いてE.coilJM105(ア
マシャム・ジャパンより入)をトランスフェクションし
た。得られたプラークから二本鎖DNAを調製し、制限
酵素処理により目的の遺伝子構造を確認し、M13−I
FN−βを得た(図2)。さらに、このM13−IFN
−βを保持するE.coilJM105を培養し、変異
体取得の際の鋳型となる一本鎖DNAを得た。M13フ
ァージ組換え体による大腸菌のトランスフェクション、
プラークからの二本鎖DNAの調製、および一本鎖DN
Aの調製はMessing らの方法〔Methods
 Enzymoi., 101,20 (1983) 
〕によった。
【0027】次に、変異部分に対応する下記のDNAオ
リゴマーを化学合成した。
【0028】
【化1】
【0029】このDNAオリゴマーと鋳型になるM13
−IFN−βの一本鎖DNAを材料に、Eckstei
nらの開発した方法〔Nucleic Acid. R
es., 13, 8749(1985)および同誌、
13, 8764 (1985) 〕のキット(アマシ
ャム・ジャパン製)を用いてDNA上に変異を導入し、
E.coilJM105をトランスフェクションした。 得られたプラーク3個から一本鎖DNAを調製し、Sa
ngerらの方法〔Scien ce, 214, 1
205 (1981)〕により塩基配列を確認し、目的
部分に変異を起こしているファージM13−IFN−β
−Q72Nを得た。
【0030】次に、このファージを保持するプラークよ
り二本鎖DNAを調製し、変異1FN−βをコードする
cDNA断片をデヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)/S
V40ベクターに連結し〔Chernajovskyら
、DNA, 3, 297 (1984)〕、このベク
ターをチャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞に
リン酸カルシウム法でトランスフェクションさせた。こ
のCHO細胞Q72N株を1μMメトトレキセートと5
%ウシ胎児血清を含むイーグルMEMアルファ培地で培
養すると、培養上清中には、37℃、3日間で構成的に
IFN−βが24,000単位/ml産生されていた。
【0031】この培養上清10リットルを集め、既報の
方法〔Utsumiら、Eur, J. Bioche
m., 181, 545 (1989) 〕でIFN
−βを精製、分離した。SDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動による分子量測定では、ヒト線維芽細胞由来
の天然型IFN−βと変異を加えていないCHO細胞由
来の遺伝子組換え型IFN−β(CHO−IFN−β)
がともに分子量23,000の均一なバンドを示したの
に対し、変異を加えたCHO細胞Q72N株由来のIF
N−β(CHO−Q72N−IFN−β)は、分子量2
3,000と26,000の2本のバンドを示した。ま
た、糖組成ではCHO−Q72N−IFN−βのフコー
ス、マンノース、ガラクトース、グルコサミンの各単糖
の測定値は、CHO−IFN−βのそれらの値のそれぞ
れ1.2〜1.7倍であった。以上の結果から、CHO
−Q72N−IFN−βには、新たに導入されたアスパ
ラギン72−アスパラギン酸73−セリン74なる配列
によって、新たにアスパラギン結合型糖鎖が付加された
分子種が含まれることが明らかであった。
【0032】0.15M塩化ナトリウムを含む10mM
塩酸(pH2)中での37℃における安定性では、3日
目にCHO−IFN−βの抗ウイルス活性が42%に減
少したのに対し、CHO−Q72N−IFN−βでは7
1%が残存しており、熱安定性が向上していた。また、
両IFN−βをウサギに静脈内投与して、その薬効の持
続性の指標となる血中半減期を調べてみると、CHO−
IFN−βが約16分であったのに対し、CHO−Q7
2N−IFN−βでは約28分で、CHO−IFN−β
のそれより1.8倍延長し、血中でより安定であった。
【0033】実施例2 166個のアミノ酸をコードするヒト・インターフェロ
ンβ(IFN−β)のcDNAにおいて、N末端から7
3番目のアスパラギン酸をコードする塩基配列(GAT
)をアスパラギン(AAT)をコードする塩基配列に変
え、アミノ酸配列で73−セリン74−セリン75−セ
リン76となる配列を新たに導入したcDNAを次のよ
うに構築した。
【0034】まず、実施例1で示した方法により、IF
N−β遺伝子をもつM13ファージ組換え体(M13−
IFN−β)およびその一本鎖DNAを調製した。次に
、変異部分に対する下記のDNAオリゴマーを化学合成
し、このDNAオリゴマーと鋳型になるM13−IFN
−βの一本鎖DNAを材料に実施例1で示した方法によ
り、目的部分に変異を起しているファージM−13IF
N−β−D73Nを得た。
【0035】
【化2】
【0036】このファージから二本鎖DNAを調製し、
変異IFN−βをコードする部分を実施例1と同様の方
法でCHO細胞にトランスフェクションし、CHO細胞
D73N株を得た。この株を1μMメトトレキセートと
5%ウシ胎児血清を含むイーグルMEMアルファ培地で
培養すると、培養上清中には37℃、3日間で構成的に
IFN−βが30,000単位/ml産生されていた。
【0037】この培養上清を10リットル集めて、実施
例1と同様の方法でIFN−βを分離・精製および分析
を行った。その結果、CHO細胞D73N株由来のIF
N−β(CHO−D73N−IFN−β)には、分子量
23,000および26,000の2種類の分子種が含
まれていた。またフコース、マンノース、ガラクトース
、グルコサミンの各単糖の測定値は変異を加えていない
CHO細胞由来の遺伝子組換え型IFN−β(CHO−
IFN−β)のそれらの値のそれぞれ1.3から1.6
倍であった。このことから、CHO−D73N−IFN
−βには、新たに導入されたアスパラギン73−セリン
74−セリン75なる配列によって、新たにアスパラギ
ン結合型糖鎖が付加された分子種が含まれることが明ら
かであった。
【0038】0.15M塩化ナトリウムを含む10mM
塩酸(pH)中での37℃における安定性では、3日目
にCHO−IFN−βの抗ウイルス活性が42%に減少
したのに対し、CHO−D73N−IFN−βでは68
%が残存しており、熱安定性が向上していた。また、両
IFN−βをウサギに静脈内投与して、その薬効の持続
性の指標となる血中半減期を調べてみると、CHO−I
FN−βが約16分であったのに対し、CHO−D73
N−IFN−βでは約24分で、CHO−IFN−βの
それより1.5倍延長し、血中でより安定であった。
【0039】
【発明の効果】本発明により得られた修飾ポリペプチド
は、その一次構造中に導入されたアスパラギン結合型糖
類の結合を誘導するアミノ酸配列により、新たに糖鎖を
有することが可能となる。このため、従来よりポリペプ
チドおよびタンパク質を医薬あるいは診断薬として応用
する際に挙げられていた課題のうち、糖鎖との関連が推
察される課題を解決することが可能である。すなわち、
血中安定性を高め、シグナル作用を強調して標的細胞あ
るいは標的臓器への取込みを促進させることが可能とな
り、その結果、薬効を高め、かつ投与量を減らして副作
用を軽減させることができる。
【0040】また、糖鎖付加によるポリペプチド分子の
表面疎水性の低下により、会合や凝集などの分子間相互
作用が減るため、熱安定性を高めポリペプチド分子個々
の生理活性を十分に発揮させることができる。また、糖
類を有することはポリペプチド分子がより親水的になる
ことでもあり、経口および非経口投与時の体内への吸収
、分布移行性を改善することも期待できる。
【0041】本発明の糖鎖結合部位を導入した修飾ポリ
ペプチドは、真核生物細胞で生合成されるときに糖鎖を
付与され、精製後、ポリペプチド性製剤としてそのまま
粉末として、また薬理学的に許容され得る担体、賦形済
、希釈剤とともに医薬組成物(例、注射剤、錠剤、カプ
セル剤、液剤、軟膏)としてヒトなどの温血動物に対し
て用いられるほか、診断薬としてin vitroある
いはin vivo で用いることができる。このよう
に本発明の糖鎖結合部位を導入し、糖鎖を有するポリペ
プチドは、これまで未解決の課題が多かったポリペプチ
ド性医薬および診断薬の分野に新規で有用な薬剤として
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成オリゴマーからDNA断片を作成する方法
を示す。
【図2】IFN−βをコードする遺伝子を含む発現ベク
ターM13−IFN−βの作成方法を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記の部分配列 X−Y−Ser−Ser X−Y−Ser−Thr X−Y−Thr−Ser  または X−Y−Thr−Thr (ここで、XおよびYはAsn以外のアミノ酸を示す)
    を含む生理活性ポリペプチドのXまたはYの全部または
    一部をアスパラギンに変換させた修飾ポリペプチド。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の修飾ポリペプチドをコ
    ードする遺伝子。
JP3123925A 1990-05-28 1991-05-28 修飾ポリペプチド Pending JPH04235198A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3123925A JPH04235198A (ja) 1990-05-28 1991-05-28 修飾ポリペプチド

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-137690 1990-05-28
JP13769090 1990-05-28
JP3123925A JPH04235198A (ja) 1990-05-28 1991-05-28 修飾ポリペプチド

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100511749B1 (ko) * 2001-11-06 2005-09-02 선바이오(주) 변형된 인터페론-베타, 및 이의 화학적으로 변형된 배합체

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