JPH04234030A - 写真系に粉体を添加するための新規な方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明は写真用乳剤の調製と作成方法に関
するものである。特に、本発明は写真系に対し色素のよ
うな粉体状の材料を添加する特定の方法に関するもので
ある。色素の例には分光増感色素、フィルター用色素お
よびハレーション防止色素などが含まれる。本発明はま
たこのような粉体を含有する乳剤にも関するものである
。

【０００２】

【背景技術】ハロゲン化銀ゼラチン乳剤の調製の際に色
素のような粉体の添加は、分光増感、画質の改良または
ハレーション防止などに有用である。実例として増感の
場合、この属性はいわゆる“化学増感”の形態ととらえ
ることができ、ここではそのセンシトメトリー的特性を
変化させるため各種の成分が添加される。一方、何等か
の理由で乳剤の分光感度を変えることを必要とするとき
もある。もしこれが必要とされるならば、いわゆる“分
光増感”色素が、このハロゲン化銀とゼラチンとの水性
分散液に対して添加される。この色素は良く知られてい
るように通常巨大な有機分子であり、これらは水系溶剤
または有機／水系溶剤混合物のいずれにも時として甚だ
溶解し難いものである。従って、乳剤に対して色素を添
加する前に色素を溶解するために非常に希薄な液が作ら
れることとなる。

【０００３】いくつかの問題が発生する。１つの問題は
色素を含有する処方を取り扱うときの溶解に関している
。乾いた粉体状の色素を溶剤に対しまたは処方中に加え
ることは、ダスト発生の問題を生じこれは非常に不都合
なことである。このダストは取扱者に呼吸器障害の問題
をひき起こし、また超スクリーンな環境であると思われ
ていた所に浮遊ダストの汚染を生じることになる。従っ
て、写真系に対して分光増感色素を添加するための、別
の方法を開発する切実な要求が存在するのである。

【０００４】

【発明の要点】本発明の１つの目的は、ハロゲン化銀ゼ
ラチン乳剤に対して粉体の溶液を作る必要なしに、色素
のような粉体を添加する１つのシステムを提供すること
である。なお別の目的はダスト発生などをさけることの
できるシステムを提供することである。これらおよびさ
らにその他の目的は、前記粉体を複数のゼラチンカプセ
ル中に含ませて、写真用乳剤に対して添加する方法によ
って達成された。

【０００５】

【発明の具体的説明】各種の成分をカプセルに封入する
（ｅｎｃａｐｓｕｌａｔｉｏｎ）ことは従来から良く知
られている。例えば、薬剤の特定の服用量のコントロー
ルしかつ服用を楽にするために、医薬品業界でカプセル
にすることが知られている。これらのカプセルがゼラチ
ンから作られた場合、これらは水中で溶解されあるいは
消費される。この他の各種目的のため、種々のその他成
分をカプセル中に封入することが知られている。しかし
ながら、このような技術は写真用乳剤、特にハロゲン化
銀ゼラチン乳剤中で使用する色素との関連で用いられた
ことは無かったのである。

【０００６】写真産業においては色素のような粉体状の
材料を系に対して添加することが時々必要とされる。例
えば、これらの色素は増感用、フィルターまたはハレー
ション防止用などのものであり、これらは下塗りあるい
は裏塗り層に添加することもできる。このタイプの色素
は一般に大きな分子の有機化合物であり、あるものは非
常に複雑な構造を有している。化合物の多くは普通水中
に溶け易いものではなく、従って一般には水溶液に希薄
に分散されるか、または低級アルコールもしくはケトン
のような水混和性のものと組合わせた水に分散するのい
ずれかとされる。

【０００７】溶剤に対して色素を加える際の問題は明白
である。これらの色素は通常微細な粉体状の材料であり
、そして着色し、汚染しまた浮遊したものを摂取したと
きは身体上の障害をひき起こすであろう。これらの溶解
した色素を添加することは、このようにしてのみ色素は
ハロゲン化銀粒子に対し適切に吸着され、あるいはゼラ
チン中に分散されると信じられていたため、従来長いこ
とこのように行われていたのである。従って、このよう
な色素をカプセル中に封入した形で添加する試みは行わ
れたことがなかった。

【０００８】写真系に対し色素を添加するのに際して、
乳剤に色素を加えるのに先立って色素を粒状化しまたは
ペレット状化するような別の方法も試みられ各種の結果
が得られている。これらの方法は余計な溶剤の添加と色
素溶液作成の際のダスト発生の問題とが避けられるが、
ペレットまたは粒状となったものはゼラチンまたは乳剤
中での色素の溶解をおくらせるのである。従って、色素
の良好な分散は時にこの方法によっては達成されないの
である。

【０００９】本発明の実施に際して、発明者は乾燥色素
粉をゼラチンカプセル中に封入した。本発明において“
カプセル”の用語にマイクロカプセルは含まれない。 カプセル封入をするための方法は従来から良く知られて
いる。カプセルが作られ、乾燥色素粉は、ワーナー−ラ
ンバート社の事業部であるＣＡＰＳＵＧＥＬで設計され
た標準硬カプセル充填機タイプ８のような、通常の公知
装置を用いてその中に封入することができる。

【００１０】これらの色素カプセルは使用するまで長期
間保存することができる。この各カプセル中には既知量
の乾燥色素が入っているから、乳剤またはゼラチン層に
添加する色素量を容易にコントロールできる。ゼラチン
カプセルはこれらの写真系中で普通に用いられているゼ
ラチンと両立性のものであるから、色素分散の諸問題で
他の乾式法に一般的であるものはここでは問題にならな
い。そこで、カプセルが溶解しそして色素が適切に乳剤
に入って行くための若干の時間を確保する必要があるだ
けである。このカプセルは本質的に乾燥しかつダスト発
生のないものであるから、乾燥色素分散の問題は余分な
溶剤の添加その他とともに排除される。

【００１１】以上の説明は粉体が色素の関連において行
ったが、他の粉体をカプセルに封入することも本発明の
範囲内のものである。写真乳剤中に導入されるその他の
材料はもともと粉体状のもので、増感剤のようなものを
含めることができる。

【００１２】以下本発明を実施例により説明する。

【００１３】実施例１ この実施例はハロゲン化銀ゼラチン乳剤中に、カプセル
に封入された写真用増感色素を使用する例を説明する。

【００１４】普通の平板状粒子のヨウ臭化銀乳剤（Ｂｒ
約９８％とＩ約２％）を当業者によく知られたようにし
て調製した。ついでこの乳剤を総量のゼラチン中に分散
し、そして良く知られているようにして金塩とイオウ塩
とによりその最適感光性とした。標準的のカブリ除去剤
、湿潤および塗布助剤、硬膜剤などを添加した。平板状
粒子は可視部スペクトルの緑色域の感光性が低いから、
この部分の感光性を増加させるため乳剤に対して緑色ス
ペクトル増感色素を添加するのが普通である。

【００１５】この場合、銀１．５モル当たり２ｇの量の
カルボシアニン色素８００ｇとタートラジン、すなわち
、

【化１】 これは前述のタイプ８充填機を用いてカプセル中に封入
されている、とをこの乳剤に対して添加し、３９℃で６
０分間熟成をした。この際色素を含むカプセルは．００
号サイズのものであり、各カプセルは約３２０ｍｇの前
記色素を含有している。これに加えてエレメントの画質
を改善するために、カプセル中に封入したタートラジン
色素２１５ｇを添加した。

【００１６】対照例として普通の方法で前述の各色素を
使用し、すなわちカルボシアニン色素はアルコール中に
溶解しまたタートラジンは水に溶解して同じような乳剤
を調製した。溶剤中にこれらの各色素を溶解する際に“
ダスト発生”が見られこれは望ましくないものである。

【００１７】この両乳剤は、乳剤の接着を良くするため
に樹脂とゼラチンとの下塗り層を前もって施してある、
標準的な寸度安定性のポリエチレンテレフタレートフィ
ルム支持体上に塗布をした。乳剤層は４．７ｍｇ　Ａｇ
／ｄｍ２の塗布量に塗布し、ついでゼラチンの上塗り層
をこの上に塗布をした。乾燥後両エレメントの試料は普
通に露光し、現像し、定着、水洗および乾燥を行った。 これら両エレメントの物理的およびセンシトメトリー的
の諸特性は同等であり、カプセル中に封入されていた色
素が分散されそしてハロゲン化銀粒子により吸着された
ことを示している。

【００１８】実施例２ この実施例は、ハレーション防止層を作成するためにカ
プセル封入法を利用する例を示している。

【００１９】ハレーション防止層を作るのに適した溶液
は、以下の構造のアシドバイオレット５２０色素をカプ
セルに封入したものの９００ｇを混合して作成した：

【
化２】 この色素は実施例１と同じ装置を用いてカプセルに封入
し、各カプセルは３００〜５００ｍｇ前後の色素をその
中に含んでいる。

【００２０】バッキング溶液はまた約６０，０００ｇの
ゼラチンと約６９０，９００ｇの水とを含んでいる。こ
の溶液はこの他に通常の湿潤および塗布助剤と硬膜剤と
を含んでいる。カプセルはこの溶液中に６０℃で約３分
間分散させ、この混合物に充分両立したと思われる。

【００２１】対照例として水に溶解した同じ色素を使用
した。両ゼラチン溶液を標準的なポリエステルベース上
に塗布し、この反対側の面上に標準的な乳剤層を塗布し
た。この２つのハレーション防止層は、その光学的濃度
および散乱光の吸収能力に関してあらゆる点で同等であ
った。ハロゲン化銀乳剤層のセンシトメトリー的結果も
同等であった。

【００２２】このように、本発明で述べた方法は普通の
どのようなゼラチンハロゲン化銀エレメント中に用いら
れている色素についても使用することができる。種々の
エレメントを作るため用いることのできる各種色素のク
ロス汚染が避けられるとともに、溶剤中に色素を溶解す
ることに普通付随するダスト発生と汚染の問題も避けら
れるのである。ハロゲン化銀乳剤に対して別の溶剤を加
えることも、本発明を実施することにより避けられるの
である。

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　写真乳剤に粉体を添加するための方法
   において、複数のゼラチンカプセル、ただしこのカプセ
   ルがマイクロカプセルでないもの、中に粉体が添加され
   ることから構成される改良方法。
2. 【請求項２】　　粉体が色素である、請求項１に記載の
   方法。
3. 【請求項３】　　前記色素が写真用増感色素である、請
   求項２に記載の方法。
4. 【請求項４】　　前記色素がハレーション防止色素であ
   る、請求項２に記載の方法。
5. 【請求項５】　　前記色素がフィルター用色素である、
   請求項２に記載の方法。
6. 【請求項６】　　複数のゼラチンカプセル、ただしこの
   カプセルがマイクロカプセルでないもの、中に封入され
   た粉体を含む写真用乳剤。
7. 【請求項７】　　粉体が色素である、請求項６に記載の
   写真用乳剤。
8. 【請求項８】　　前記色素が写真用増感色素である、請
   求項７に記載の乳剤。
9. 【請求項９】　　前記色素がハレーション防止色素であ
   る、請求項７に記載の乳剤。
10. 【請求項１０】　　前記色素がフィルター用色素である
    、請求項７に記載の乳剤。