JPH04232639A - 磁気記録装置のシリンダ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はビデオテープレコーダ等
の磁気ヘッドが取り付けられた円筒状のシリンダが回転
することによって信号を記録再生する磁気記録装置のシ
リンダ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常ビデオテープレコーダ等は、図５に
示すようにヘリカルスキャン方式と呼ばれる方法で記録
再生を行う。ここにおいて、磁気ヘッド１が取り付けら
れた円筒状のシリンダ（以下上シリンダ）が回転しなが
ら、斜めにかけられた磁気テープ３に信号を記録再生す
る。図６は図５に示したＡ−Ａ′断面図である。通常磁
気ヘッド１は上シリンダ２の外周面より２０ないし５０
μｍ突出して取り付けられる。このように突き出してい
る磁気ヘッド１に磁気テープ３が摺動する。一方磁気テ
ープ３の幅方向の位置規制を行うために、リードと呼ば
れるガイド部分５を有する下シリンダ４が用いられる。 下シリンダ４と対向する側の端面に向けて、上シリンダ
２の外周面の一部は直径が除々に小さくなっており、傾
斜部６が設けられている。また、上シリンダ２の外周面
の直径は下シリンダ４のテープ摺動面７の直径に比べ数
μｍ大きくなっている。上シリンダ２に傾斜部分６を設
けたり、上下シリンダの外径に差をもたせるのは、主に
磁気テープ３の耐久性を向上させるためである。

【０００３】上シリンダ２が信号の記録再生のために回
転した場合、磁気テープ３が上シリンダ２から浮上する
。完全に上シリンダ２と磁気テープが接触すると上シリ
ンダ２の回転が不安定になり、時には回転が停止する場
合が生じる。一方、磁気テープ３の浮上量が大きいと磁
気ヘッド１と磁気テープ３の接触状態が不安定になり磁
気ヘッド１から得られる出力が安定しない。このため磁
気テープ３の浮上量を制御するために上シリンダ２には
溝８が設けてある。

【０００４】図６はテープ変形状態を説明するために、
ｘ軸方向をｙ軸方向より拡大して示してある。上シリン
ダ２上では磁気テープ３が浮上していることと、上下シ
リンダの外径が異なることから、磁気テープ３が磁気ヘ
ッド１にかかる形状が、上シリンダ２側では浮上し、下
シリンダ４側では下シリンダ４へ押さえつけられる形に
なっている。このため磁気ヘッド１に対して磁気テープ
３は高さ方向に非対称な形状で摺動することになる。こ
の傾向は磁気テープ３の厚さが薄い場合や、ヤング率が
小さい場合この非対称性が顕著になる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このように磁気ヘッド
１に対して磁気テープ３が高さ方向に非対称に摺動した
場合、磁気ヘッド１の摺動面形状が摺動時間とともに非
対称なものになる。すなわち、図７に示す磁気ヘッド１
のギャップ近傍の断面のように、摺動前は破線で示すよ
うな形状であったものが、長時間摺動した後には実線で
示した形状になってしまう。通常磁気ギャップは磁気ヘ
ッド１のコアの中心に位置するように製作されている。 このため図７の実線のように非対称な形状になった場合
、ギャップ全長にわたって均一な荷重が磁気テープ３か
ら加わらなくなるため、スペーシングが発生し再生出力
が低下してしまう。

【０００６】本発明は上記問題点を解決するもので、再
生出力の低下の少ない磁気記録装置のシリンダ装置を提
供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、ヘッド取り付け窓近傍の上シリンダ外周
面に、磁気ヘッドを通る上シリンダ中心線に直交し、面
と上シリンダ中心との距離が上シリンダ半径より小さく
シリンダ端面に並行な切り欠きを設ける。

【０００８】

【作用】上記構成において上シリンダのヘッド取り付け
窓近傍の外周面に設けた切り欠き部分では、上シリンダ
の直径方向に上シリンダ外周面が後退する。このため、
磁気テープと上シリンダの間に介在する空気流の圧力が
一定になるように、切り欠き部分で磁気テープが上シリ
ンダ側に吸寄せられる。その結果、磁気ヘッドにかかる
磁気テープの形状は磁気ヘッドに対して対称に近くなり
、磁気ヘッドの磨耗形状が適切なものになるため、長時
間走行してもスペーシングが発生しにくく出力低下が小
さい。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例の磁気記録装置のシ
リンダ装置について、図面を参照しながら説明する。

【００１０】図１（ａ）は上シリンダ２の外周面からみ
た正面図であり、（ｂ）は磁気ヘッド取付面側からみた
平面図である。（ａ）および（ｂ）に破線の円で示した
磁気ヘッド取付窓９部分の拡大図を（ｃ）と（ｄ）に示
す。図１（ｃ），（ｄ）において、上シリンダ２のヘッ
ド取り付け窓９近傍の上シリンダ２外周面に、磁気ヘッ
ド１を通る上シリンダ２の中心線（第１図（ｃ）に示し
た一点鎖線）に直交し、面と上シリンダ２の中心との距
離が上シリンダ２の半径より数十μｍ小さく、取付窓９
の幅と同程度の幅をもつシリンダ端面１１に平行な平坦
部１０を設ける。図２は磁気テープ３磁性層面の形状を
示す図である。実線が上シリンダ２に平坦部を設けてい
ない場合、一点鎖線が上シリンダ２の半径より平坦部１
０と上シリンダ２外周間距離Ｌが１０μｍの場合、破線
はＬが２０μｍの場合である。平坦部１０では磁気テー
プ３と上シリンダ２間の距離が平坦部の無い部分と同様
になるよう磁気テープ３が変形する。このため、Ｌを増
加させると磁気テープ３の変形量が大きくなる。その結
果、磁気テープ３の磁気テープヘッド１に対する摺動形
状は磁気ヘッド１を中心とした線対称の形状に近づく。 その結果、磁気ヘッド１が磁気テープ３と長時間摺動し
た場合の磁気ヘッド１の磨耗形状は、磁気ギャップを中
心とした線対称の形状になり、磁気ギャップに均一な磁
気テープ３からの接触圧力が加わる。このため長時間磁
気テープ３を走行させたときの出力低下が平坦部を設け
ない場合に比べて小さくなる。

【００１１】しかし単純にＬを増加しすぎても逆効果に
なってしまう。このことを示すのが図３である。同図は
初期出力と１００時間走行後の出力の比、およびシリン
ダモータの駆動電流とＬの関係を示す図である。図３に
おいて、出力低下はＬを増加させるとＬのある範囲にお
いて減少するが、Ｌが大きくなりすぎると、磁気テープ
３と上シリンダ２が接触してしまうため、磁気テープ３
表面に傷が生じ、出力が低下してしまう。このことはシ
リンダ駆動電流にもあらわれており、磁気テープ３と上
シリンダ２の接触が生じると駆動電流が増加し、好まし
くない。したがって本実施例ではＬを１０〜２０μｍの
間に設定することが好ましい。

【００１２】同様なことが平坦部１０の幅Ｗにも言える
。平坦部１０の幅Ｗが小さすぎた場合、磁気テープ３の
変形量が減少し、本発明の効果が小さくなる。逆にＷが
大きすぎた場合、磁気テープ３の変形量が大きくなりす
ぎて、上シリンダ２と磁気テープ３が接触してしまう。 したがって平坦部１０の幅Ｗは磁気テープ３のスティフ
ネスと厚み、およびヘッド取付窓の大きさなどに応じて
決定しなければならない。

【００１３】図４は本発明の第２実施例を示す図で、上
シリンダ２の磁気ヘッド取付窓９近傍を示す拡大図であ
る。本実施例の場合、上シリンダ２の取付窓９近傍の外
周面に、磁気ヘッド１を通る上シリンダ２の中心線（図
１（ｃ）に示した一点鎖線）に直交し、溝の底部と上シ
リンダ２中心との距離が上シリンダ２半径より数十μｍ
小さく、磁気テープのスティフネスに応じた幅を持つ溝
１２を設ける。磁気テープ３の厚さが１０μｍ以下の場
合は、本実施例でも第１実施例同様の効果を得ることが
できる。

【００１４】このように本発明のシリンダによれば、切
り欠き部で磁気テープが上シリンダ側に吸寄せられ、磁
気テープの形状は磁気ヘッドに対して対称的になり、長
時間の磁気テープ走行時に生じやすいテープヘッド間の
スペーシングロスによる再生出力の低下が少ない。

【００１５】

【発明の効果】以上述べてきたように、上シリンダの外
周面の磁気ヘッド取付窓近傍に切り欠きを設けることに
よって、磁気テープと上シリンダ間の距離が切り欠きの
無い部分と同様になるよう磁気テープが変形する。そし
て、磁気テープの磁気ヘッドに対する摺動形状は磁気ヘ
ッドを中心として線対称の形状に近付き、磁気ヘッドの
磨耗形状は磁気ギャップを中心とした線対称の形状にな
り、磁気ギャップに均一な磁気テープからの接触圧力が
加わる。このため長時間磁気テープを走行させても出力
低下が少ない磁気記録装置のシリンダ装置を提供できる
。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）　　本発明の第１実施例の上シリンダの
外周面からみた正面図 （ｂ）　　磁気ヘッド取付面側からみた平面図（ｃ），
（ｄ）　　（ａ），（ｂ）の破線の円で示した磁気ヘッ
ド取付窓部分の拡大図

【図２】第１実施例における磁気テープ磁性層面の形状
図

【図３】第１実施例における初期出力と１００時間走行
後の出力の比、およびシリンダモータの駆動電流と平坦
部・上シリンダ外周面間距離の関係を示す特性図

【図４
】本発明の第２実施例の上シリンダの磁気ヘッド取付窓
近傍を示す拡大図

【図５】従来のヘリカルスキャン方式を示す構成図

【図
６】図５のＡ−Ａ断面図

【図７】従来例において、磁気テープを長時間走行させ
た前後の磁気ヘッドの断面図

【符号の説明】

２　　　　上シリンダ １０　　　　平坦部 １１　　　　シリンダ端面 １２　　　　溝

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　磁気ヘッドが取り付けられた円筒状の
   シリンダが回転することによって信号を記録再生する磁
   気記録装置において、前記シリンダヘッド取り付け窓近
   傍のシリンダ外周面に、前記磁気ヘッドを通るシリンダ
   の中心線に直交し、底部とシリンダ中心との距離がシリ
   ンダ半径より小さく、シリンダ端面に平行な切り欠きを
   有する磁気記録装置のシリンダ装置。