JPH04229656A - 量子波屈折デバイス - Google Patents

量子波屈折デバイス

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JPH04229656A
JPH04229656A JP14029791A JP14029791A JPH04229656A JP H04229656 A JPH04229656 A JP H04229656A JP 14029791 A JP14029791 A JP 14029791A JP 14029791 A JP14029791 A JP 14029791A JP H04229656 A JPH04229656 A JP H04229656A
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JP
Japan
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quantum
wave
electron
quantum point
point contact
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Withdrawn
Application number
JP14029791A
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English (en)
Inventor
Naoki Yokoyama
直樹 横山
Eritsuku Shiyumitsuto Pooru
ポール エリック シュミット
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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  • Bipolar Transistors (AREA)
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  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は量子効果デバイスに関し
、電子波等の量子波の屈折を利用して動作する量子波屈
折デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】バイポーラトランジスタやMOSトラン
ジスタは信号増幅・スイッチ用素子としてLSIに汎用
されている。また、化合物半導体材料の高電子移動度を
利用するHEMTやMESFETは高速動作をその特徴
とし、マイクロ波帯域で動作する種々の集積回路に使用
される。
【0003】これらのデバイスの高速性能を十分に引き
出すべく高集積密度の集積回路を製作する努力が払われ
ている。かかる努力により、半導体ウエハに1μm以下
のパターン幅を有するデバイスパターンを書くサブミク
ロンパターンニング技術が発展した。サブミクロンパタ
ーンニング技術の進歩により、今や2、3ミクロン以下
の大きさの半導体デバイスを作ることが出来る。
【0004】かかるサブミクロンデバイスでは、動作速
度向上のため集積密度は増大したが、電子の量子力学的
な量子波としての振る舞いが顕在化して、電子が粒子と
して振る舞うことを動作原理とするバイポーラ・MOS
等の従来のデバイスでは、その動作が電子波の屈折や干
渉等により、阻害されることが予想される。
【0005】一方、電子の量子波としての性質を動作の
基礎におく電子波デバイスとよばれるデバイスが提案さ
れている。電子波デバイスでは電子の量子波、即ち電子
波が積極的にデバイス動作に利用されるので、電子波デ
バイスは従来の半導体デバイスで問題となる微細化の限
界問題から解放される。事実、電子波デバイスは理論的
には限界なしで小型化でき、集積密度、動作速度等に関
し、従来の半導体デバイスより優れた性能をもたらすこ
とが予想される。
【0006】電子波デバイスの一例として、本出願人は
、特願平2−24040号で電子波干渉トランジスタを
提案した。
【0007】図22(A)乃至(C)に前記電子波干渉
トランジスタを示す。この先行技術のデバイスは入射電
子波を2つの電子波に分割する一対の量子ポイントコン
タクトを有し、電子波は各量子ポイントコンタクトを通
過する際に位相シフトされる。再度合体すると電子波は
互いに干渉し出力電流を生成する。ここで、「量子ポイ
ントコンタクト」とは、2次元電子ガスを形成する第1
の領域と2次元電子ガスを形成する第2の領域とを分離
する障壁中に、両領域中の電子ガスを接続するように1
次元に閉じ込められた電子の通路領域をいう。量子ポイ
ントコンタクトは幾つかの離散的な量子レベルを包含し
、電子の弾性又は非弾性散乱長と略等しいかそれ以下の
限定された長さを有する。
【0008】電子波は量子ポイントコンタクトに入射す
ると量子ポイントコンタクトに形成された量子レベルに
対応した位相にシフトを受ける。先行技術の電子波デバ
イスは各量子ポイントコンタクトの量子レベルを制御し
て電子波の相互の位相差を制御する。該デバイスは2つ
の電子波が強め合うように干渉するとオンになり、弱め
合うように干渉するとオフになる。
【0009】図22(A)及び(B)を参照するに、先
行技術の電子波デバイスは、内部に2次元電子ガスが形
成された積層半導体構造体50上に形成される。積層半
導体構造体50は、通常、n+ 型AlGaAsドープ
電子供給層51と、非ドープGaAsチャネル層53と
、その中間の非ドープAlGaAsスペーサ層52を有
する。この構造では、前述の2次元電子ガスは、HEM
T構造に見られるような、広いバンドギャップを有する
AlGaAs層と狭いバンドギャップGaAsとのヘテ
ロ接合によりチャネル層53の上側の境界に沿って形成
される。
【0010】通常のHEMTと同様に、ソース電極55
とドレイン電極56が、ドープされたAlGaAs層5
1上に設けられ、AlGaAs層51とオーミックコン
タクトする。ソース電極55は電子を2次元電子ガスに
注入し、ドレイン電極56は2次元電子ガスから電子を
回収する。層51上の、ソース電極55とドレイン電極
56との間の領域にはショットキー電極57及び58が
所定ギャップ離間して設けられ、ソース電極からドレイ
ン電極への電子の流れを遮断する。また、別のショット
キー電極65が電極57及び58間のギャップに対応し
て設けられる。この構造では、電極57及び65間と電
極58及び65間で一対の電子通路が形成されるが、電
子の流れの方向から見ると、電極57、58及び65下
に形成された空乏層領域61、62及び63により、電
子の通路は、図22(B)に示すように、横方向に閉じ
込められることが分かる。これにより、通路幅が電子波
のドブロイ波長よりも小さくなると各通路で離散的な量
子レベルが生じる。更に、各電極57、58及び65は
電子波の伝播方向に、電子の弾性又は非弾性散乱長より
も小さい、典型的には1−2μm又はそれ以下の厚さを
有する。すなわち、これらの通路は前に定義した量子ポ
イントコンタクトを形成する。
【0011】単一電子がソース電極55に注入されると
、電子波W0によって表現される電子は図22(C)の
ような電子波W1及びW2として量子ポイントコンタク
トを通過する。なお、電子波W1及びW2は各チャネル
を通過する電子の確率を示す。量子ポイントコンタクト
を通過すると電子波W1及びW2は前述したように相互
に合体・干渉する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、先行技術のデ
バイスは以下の課題を有する。即ち、注入される電子の
エネルギーレベルの変動に伴い、特に多数の電子が連続
的に量子ポイントコンタクトに注入された時に、干渉の
効果が不明瞭となってしまう。かかる電子のエネルギー
レベルの変動は、例えば熱的励起等により電子がエネル
ギーと運動量をフォノンと交換するような場合に容易に
生じる。
【0013】そこで、本発明は、上記課題を解決するた
め、電子波の屈折をスイッチング動作に利用した新規且
つ有用な電子波デバイスを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、本発明
の電子波デバイスを、キャリアを平面的に閉じ込めて2
次元キャリアガスの状態で移送する媒体(100)と、
該媒体上に設けられ、前記キャリアを前記2次元キャリ
アガスに注入するエミッタ電極手段(120、121)
と、前記媒体上に設けられ、前記エミッタ手段から、2
次元キャリアガスを介してキャリアを回収するコレクタ
電極手段(122、216)とを有し、キャリアの流れ
を制御電圧信号に応じてオンオフする量子波屈折デバイ
スにおいて、前記媒体上、エミッタ電極手段とコレクタ
電極手段との間に設けられ、入射するキャリアを量子波
(W1 、W2)として、所定方向に放射し、キャリア
の経路に沿った長さ(L)が前記2次元キャリアガス内
のキャリアの弾性及び非弾性散乱長と略等しいかそれよ
り小さいことによって特徴づけられる第1の量子ポイン
トコンタクト(128’、212c’)と、前記媒体上
、第1の量子ポイントコンタクトとコレクタ電極手段と
の間に設けられ、入射するキャリアを量子波(W1 、
W2 )として、所定方向に放射し、キャリアの経路に
沿った長さ(L)が、前記2次元キャリアガス内のキャ
リアの弾性及び非弾性散乱長と略等しいかそれより小さ
いことによって特徴づけられる第2の量子ポイントコン
タクト(132a’、132b’、215c’)と、前
記第1の量子ポイントコンタクトによって生成された前
記キャリアの量子波を遮断するように、前記媒体上、第
1及び第2の量子ポイントコンタクトの間に設けられ、
前記制御電圧信号を印加されて該制御電圧信号に応答し
て、前記制御電圧が第1の電圧レベルの時に前記量子波
が前記第2の量子ポイントコンタクトに命中し、前記制
御電圧が第1の電圧レベルとは異なる第2の電圧レベル
の時に前記量子波が前記第2の量子ポイントコンタクト
より逸れるように前記キャリアの量子波を屈折させる屈
折手段(134、213)とを有する構成とした。
【0015】
【作用】本発明によれば、量子ポイントコンタクトによ
って指向性のある電子波を形成し、その方向を屈折させ
るため、デバイスの信頼性あるスイッチング動作が得ら
れる。電子波は、電子波が通過する際に、印加される制
御電圧に応答する屈折構造により誘起されるポテンシャ
ル上で偏向を受ける。屈折構造を制御することによりデ
バイスがオンの時、電子波が屈折して第2の障壁構造に
形成されるキャリアの通路に命中し、コレクタ出力が得
られるようにできる。デバイスがオフの時は、電子波は
通路を逸れ、コレクタ出力が得られない。これによって
、信頼性あるスイッチングが極めて高速で達成できる。
【0016】
【実施例】まず、本発明の原理を図1(A)及び(B)
と図2(A)及び(B)を参照して説明する。図1(A
)及び図2(A)は2次元電子ガスが形成される構造の
平面図を示す。
【0017】図1(A)に電子波の通路として一対の細
長い空乏層領域26a及び26b間に形成される量子ポ
イントコンタクト28を示す。ポイントコンタクト28
中には離散的な量子レベルE0  及びE1 が形成さ
れている。ここで、細長い空乏層領域26a及び26b
はx軸方向に整列して電子を排除する。すなわち、図面
に平行上に平面で形成される2次元電子ガスは空乏層領
域26a及び26bにより遮断される。既述の如く、量
子ポイントコンタクト28は、量子ポイントコンタクト
28中に電子の離散的な量子レベルE0 、E1 、・
・・を形成するように十分に小さい幅Wを有する。
【0018】図1(B)は量子ポイントコンタクト28
のバンド図で、前記量子レベルE0 、E1 (E0 
<E1 )とそれに対応する波関数Ψ0 とΨ1 を示
す。
【0019】量子レベルE0 は基底レベルに対応し、
このレベルE0 に対応する波動関数Ψ0 は波関数の
正負が変化する節点を含まない。かかるパターンの波動
関数はエネルギーE0 を有する電子波の運動量に横成
分を含まず、このモードの電子波は量子ポイントコンタ
クト28から図1(A)のW1で示す方向に直すぐに射
出されることを示す。例えば、フェルミレベルに対応す
るエネルギーEF ’を有する電子波が量子ポイントコ
ンタクト28に入射すると、電子波はx軸方向にのみ波
動ベクトル
【0020】
【数1】
【0021】を有する。ここで、mは電子の質量を示し
【0022】
【数2】
【0023】はプランク定数を2πで割った値を示す。
【0024】一方、高いモードに対応する波動関数Ψ1
 はかかる節点を有するので電子波の運動量に横成分波
が現れる。例えば、フェルミレベルに対応するエネルギ
ーEF を有する電子波が量子ポイントコンタクト28
に入射すると、電子波は空乏層領域26a及び26bと
平行なx軸方向に波動ベクトル
【0025】
【数3】
【0026】を、また、y軸方向に波動ベクトル
【00
27】
【数4】
【0028】を有する。よって、電子波は量子ポイント
コンタクト28から波動ベクトルkX とkY の和に
対応した方向W2に射出される。なお、W2の方向はY
軸に関して対称に2つ存在し、電子波は量子ポイントコ
ンタクト28から図1(A)に示すように鋭い指向性で
W2方向に伝播する。一旦飛び出すと、電子波の波動ベ
クトルの大きさは元の大きさkF に戻る。そこで、電
子を検出する仮想スクリーンを図のように設けると、モ
ードE0 の電子波に対応するパターンW1に、モード
E1 に対応する電子波W2を加えた電子波パターンが
観測されるはずである。
【0029】図2(A)は量子ポイントコンタクトで生
成された前記放射パターンの電子波を利用する電子波デ
バイスの原理を示す。同図は2次元電子ガスが図面に平
行な平面で形成された場合の平面図を示している。
【0030】この電子波デバイスでは、空乏層領域26
a及び26bが第1の障壁構造26を形成し、一方、第
2の障壁構造30が、X軸方向に整列した細長い空乏層
領域30a,30b及び30cにより形成される。第2
の障壁構造30では、電子の通路32a及び32bが夫
々空乏層領域30aと30b及び30bと30cとの間
に形成されている。図のように、空乏層領域26a及び
26bは空乏層領域30a,30b及び30cに対向し
て形成され、さらに、屈折構造34が第1及び第2の障
壁構造間に設けられる。この屈折構造34は、図2(B
)に示すように変形ポテンシャルレベルを誘起して、電
子波、特に斜めに入射する電子波W2を屈折させる。
【0031】図2(B)は屈折構造34より誘起される
ポテンシャルEφを示す。同図は電子波W1のパスに沿
って切断したエネルギー横断面図を示す。同図に示すよ
うに、構造34に対応する伝導帯EC にエネルギーE
φを持つポテンシャルの山が形成され、かかるエネルギ
ーの山はフェルミエネルギーEF を持つ構造34に入
射する電子波の波動ベクトルを
【0032】
【数5】
【0033】のように変化させる。
【0034】エネルギーレベルEφを制御することで構
造34を通過する電子波の波動ベクトルkF ’を調節
できる。構造34から出射されると、電子波は元の波動
ベクトルkF を回復する。
【0035】フェルミエネルギーEF を有し、伝播方
向に波動ベクトルkF を持つ電子波W2が構造34に
斜めに入射する場合に注目すると、波動ベクトルのy成
分kFYは前記電子波の変化を受け、それに伴い、丁度
光が高速度の媒体に入射した場合と同様に、電子波の速
度が変化する。一方、波動ベクトルのX成分kFXは影
響を受けず、電子波W2は光の屈折と同様に屈折される
。エネルギーレベルEφを制御することで構造34の「
屈折率」は所望に調節でき、電子波W2の経路は図2(
A)の破線に示すように変化する。これにより、電子波
W2のパスは屈折率に基づき元の経路に平行にシフトす
る。
【0036】エネルギーレベルEφが適当に選択される
と、電子波W2は通路32a及び32bの一方又は双方
を通過し、電子波W2に対応する電流が検出される。こ
の状態は電子波のオン状態に相当する。一方、エネルギ
ーレベルEφを電子波W2が第2の障壁構造30でブロ
ックされるよう設定すると、デバイスはオフになり出力
電流は生成されない。
【0037】次に、量子ポイントコンタクトに対応する
指向性放射パターンを示す実験について図3乃至図7を
参照して説明する。
【0038】図3に実験に使用されたデバイスの平面図
を示す。デバイスは、ヘテロ接合を形成する変調ドープ
構造を有し、MBE成長されたGaAl/AlGaAl
よりなる積層半導体構造体上に構築される。より詳細に
は、積層半導体構造体は、非ドープGaAsチャネル層
と、GaAsチャネル層上に成長された厚さ20nmの
非ドープAl0.3 Ga0.7 Asスペーサ層、及
びその上に厚さ50nmで成長さたn形Al0.3 G
a0.7 層よりなり、このAlGaAs層はキャリア
濃度1.4×1018cm−3を有する。さらに、ドー
プされたAlGaAs層の上にはn型GaAsキャップ
層が、厚さ50nmで成長される。GaAsキャップ層
のキャリア密度は1.4×1018cm−3である。こ
の積層半導体構造体では、2次元電子ガスがキャリア濃
度3.5×1011cm−2で形成される。2次元電子
ガスの移動度は1.2°Kで3×105 cm2 /V
・sであり、平均自由行程は1μmを超える。平均自由
行程の長さ内は電子は散乱を受けず、直進的に移動する
。この様にして形成された2次元電子ガスの電子はフェ
ルミ波長42nmを有する。図3にn型AlGaAs層
の表面を示す。
【0039】n型AlGaAs層の表面には、エミッタ
電極31とコレクタ電極32とが、夫々オーミックコン
タクトして設けられる。さらに、細長いショットキー電
極33aと33bとを有する第1の障壁構造33が、電
極3aと33bがX軸方向と整列するように形成される
。ショットキー電極33aと33bに対応して、空乏層
領域33a’及び33b’が、図1(A)の空乏層領域
26a及び26bと同様に形成される。ショットキー電
極33aと33b間には幅bのギャップ33cが形成さ
れ、ギャップ33cに対応して電子の通路33c’が形
成される。
【0040】ショットキー電極33aと33bとは、2
次元電子ガスに平行な平面内で、エミッタ及びコレクタ
電極31及び32を結ぶ方向に、2次元電子ガスの電子
の弾性又は非弾性散乱長より小さい大きさdを有する。 本実験では、dを0.1μmとした。一方、ギャップ3
3cの幅bは0.4μmとした。これにより、通路33
c’は量子ポイントコンタクトを形成する。空乏層領域
33a’及び33b’の広がりは、ショットキー電極3
3aと33bに印加される制御電圧に応答して制御され
る。また、これらの空乏層領域の広がりに対応して量子
ポイントコンタクト33c’の大きさも変化する。第1
の障壁構造33はエミッタ電極31から距離s離れて設
けられ、実験では距離sを10μmとした。
【0041】第1の障壁構造33とコレクタ電極34と
の間には、x軸方向に整列した細長いショットキー電極
34aと34bを有する第2の障壁構造34が設けられ
ている。ショットキー電極34a及び34b間にはギャ
ップ34cが形成される。ショットキー電極34a及び
34bの大きさ、及びギャップ34cの大きさは、いず
れも第1の障壁構造33のそれに等しい。これによって
、空乏層領域34a’及び34b’がショットキー電極
34a及び34bに対応して、第1の障壁構造33の場
合と同様に形成される。第1の障壁構造及び第2の障壁
構造は互いに距離t離間して配置され、実験では距離t
を1μmとした。
【0042】第1及び第2の障壁構造33及び34間に
、ベース電極35がn+ 型GaAsコンタクト層にオ
ーミックコンタクトして設けられる。ベース電極35を
所定のバイアス電圧でバイアスすることにより、電子は
、第1の障壁構造33をへだてて2次元電子ガスに誘起
されたポテンシャル差により、量子ポイントコンタクト
33c’内に導入される。さらに、ベース電極35は、
量子ポイントコンタクト33c’を介して第1及び第2
の障壁構造間の領域に導入されたものの、量子ポイント
コンタクト34c’から出射しなかった電子を回収する
ためにも使用される。
【0043】以下では、量子ポイントコンタクト33c
’から出射した電子波の放射パターンを評価するため、
電子波の回折パターンをフラウンホーファー回折の理論
にもとづいて計算する。図4は座標とパラメータを定義
する図であるが、この図4より、任意の点Pでの電子波
の微分振幅dUsへの通路33c’の線素dsの寄与は
,       dUs=A・ds/L・sin〔ωt−k
F (x+Δ)〕      (1)で表されることが
わかる。ここで、図4に示すように、Aは定数、Lは量
子ポイントコンタクト33c’内の原点OとPとの距離
、kF は2次元電子ガスの電子のフェルミ波ベクトル
、Δは経路LとL’の経路長1差を示す。経路Lは線素
dsと点Pとの差を示し、経路L’は原点Oと点Pとの
差を示す。初等幾何より、Δ=s・sinθとなること
がわかる。ただし、θは原点Oから見た点Pの極座標(
L、θ)形における角度座標である。 通路33cの幅bにわたって微分振幅dUsを積分する
と電子波の任意の点Pにおける強度分布が以下のように
得られる。
【0044】
【数6】
【0045】   ここで、パラメータAは図1(A)のモードW1に
対しては、          A=a・cos(π/
b・s)、a=constant,  (3)となり、
モードW2に対しては、         A=a・sin(2π/b・s)、a
=constant,  (4)となる。図1(B)の
波動関数Ψ0 及びΨ1 を参照。
【0046】式(2)より、図5(A)及び(B)に示
す電子波の回折パターンが第2の障壁構造34上に現れ
ると予測される。なお、図5(A)は電子波W1の予測
パターンを示し、図3(B)は電子波W1及びW2を重
ね合わせた予測パターンを示す。図5(A)と(B)と
の回折パターンの相違は式(2)のパラメータAの相違
に基づく。
【0047】予測される電子波の回折を検出又は検証す
るため本実験では磁界Tを2次元電子ガスに垂直に通過
するようにデバイスに印加した。その際、電子波は電子
に作用するローレンツ力によりカーブし、磁界の大きさ
を適当に調節すると、通路34c’から出射した電子を
点P0 で検出できる。本実験では、磁界強度Tを連続
的に変化させて回折パターンを観察した。
【0048】図6(A)及び(B)は図3のデバイスを
使用することによって行った実験結果を示す。実験では
、ゲート電圧−0.28V及び−0.195Vを電子波
W1の形成、及び電子波W1とW2の形式に対応して、
ショットキー電極33a及び33bに印加される。 なお、これらのゲート電圧の選択の根拠については後述
する。また、電子波を量子ポイントコンタクト33c’
に導入するために、バイアス電圧30μVをエミッタ及
びベース電極間に印加した。測定は、磁界Tの強さBを
−0.2テスラから+0.2テスラまで温度0.35°
Kの下で変化させながら行った。磁界Tの強さBは以下
の式によって屈折角θに変換される。
【0049】                 k・s・sinθ=
πe/h・B・s・t          (5)ここ
で、tは図3で定義される第1及び第2の障壁構造33
及び34間の距離を示す。
【0050】図6(A)より明らかなように、量子ポイ
ントコンタクト34c’を出射してコレクタ電極32で
検出される電流には一つのピークP0 があるのが確認
された。先の説明より、このピークP0 は図5(A)
の電子波W1のピークに対応するものと考えられる。特
に、図6(A)のパターンは、空乏層領域33a’及び
33b’により2次元電子ガス内に形成された量子ポイ
ントコンタクト33c’の幅bが90nmの時の電子波
W1の回折パターンに略一致する。
【0051】図6(B)のパターンには2つのピークP
−1とP1が観測された。このパターンは、電子波W1
及びW2が重ね合った図5(B)の計算されたパターン
に対応すると考えられる。図6(B)のパターンは通路
の幅bが150nmの場合の計算された回折パターンに
略一致する。
【0052】図7は0.35°Kで同一のベースエミッ
タバイアス電圧を印加しながら測定した図3のデバイス
のコンダクタンスを示す。この実験では、磁界は印加し
ていない。コンダクタンスはショットキー電極33a及
び33bに印加されるゲート電圧を変化させながら測定
した。
【0053】図7より明らかなように、コンダクタンス
はゲート電圧に伴って階段状に変化する。しかも、第1
のステップはコンダクタンス2e2 /hに対応し、第
2のステップはコンダクタンス2×2e2 /hに対応
し、第3のステップはコンダクタンス3×2e2 /h
に対応する。この量子化の関係は明らかに電子が図3の
デバイスの離散的なエネルギーレベルを有する量子波と
して振る舞うことを示している。特に、第1のステップ
に相当してゲート電圧を−0.28Vにすることによっ
て、基底状態E0 に対応する電子波W1を観測できる
。一方、ゲート電圧を図7の第2のステップに対応する
−0.195Vにすると、量子状態E1 に対応する電
子波W2を観測できる。
【0054】回折パターンの観測の際に使用した前記ゲ
ート電圧の値−0.28V又は−0.195Vは、図7
の観測に基づき選択されたものである。特に、ゲート電
圧を−0.28Vにすると、量子ポイントコンタクト3
3c’の大きさbに対応する図7の幅Wは狭くなり、量
子レベルE0 及びE1 のエネルギーギャップは増加
する。これにより、量子レベルE1 のエネルギーは通
路33c’に入来する2次元電子ガスのフェルミエネル
ギーEF を超え、入来する電子はモードW1だけをと
る。この状態は入来する電子が、エネルギーE0 の図
1(B)のフェルミレベルEF ’を有する場合と同等
である。一方、ゲート電圧を−0.195Vとして前の
ゲート電圧−0.28Vよりも絶対値を小さくすると、
図1(B)の幅Wは増加し、量子レベルE0 とE1 
間のエネルギーギャップは減少する。この場合、フェル
ミエネルギーEF は量子レベルE1 のエネルギーを
超えて電子波は2つのモードW1及びW2を採る。これ
に対応して、前記の2つのピークP−1及びP1 が図
6(B)のように観測される。
【0055】要約すると、前記実験は明らかに電子が量
子ポイントコンタクト内で量子波をして振る舞い、鋭い
指向性をもって飛び出すことを示している。特に、量子
ポイントコンタクトの基底レベルE0 に対応する電子
波W1は量子ポイントコンタクトが形成される障壁構造
に垂直な方向に直進し、光ビームのように伝播する。一
方、電子波W2は障壁構造に傾いた方向に、やはり光ビ
ームのように出射する。以上、本発明はデバイスのオン
オフが量子ポイントコンタクトによって生成される電子
波ビームの屈折に応答して達成される電子波デバイスを
提供する。
【0056】図8は本発明の第1実施例を示す平面図で
ある。図9(A)乃至(C)は図4の各縦断面図である
【0057】図8の構造を説明する前に図9(A)乃至
(C)の横断面図を参照する。図9(A)乃至(C)を
参照するに、図8の電子波デバイスは、半絶縁GaAs
基板110と、基板110に厚さ500nmでエピタキ
シャル成長した非ドープGaAs活性層112とを有す
る積層半導体構造体100上に形成される。さらに、活
性層112上には1.4×1018cm−3のキャリア
濃度でドープしたn型AlGaAs層114が厚さ45
nmで成長される。活性層112とドープ層114とは
MBEプロセスで成長される。更に、n型GaAsより
なるコンタクト層がn型AlGaAs層114上に形成
され、構造体100は通常のHEMT構造を形成する。
【0058】ドープ層114はコンタクト層118と共
に、図8に示すようにパターニングされ、その際2次元
電子ガスは活性層112とドープ層114間の境界面に
、パターニングされたドープ層114に対応するように
形成される。図8のドープ層114の外側の領域には活
性層112が露出されるが、この部分に対応する活性層
は酸素等の深い準位の不純物をイオン注入することによ
り不活性化される。
【0059】図8を参照するに、エミッタ電極120と
コレクタ電極122はパターニングされたコンタクト層
118に設けられてオーミックコンタクトを形成する。 更に、図示したように、ショットキー電極126a、1
26b及び126cよりなる第1の障壁構造126がA
lGaAs層114上に設けられる。その際、ギャップ
128がショットキー電極126aと126b間に、幅
Wで形成される。図9(C)を参照。なお、図9(C)
は線5C−5Cの横断面図である。
【0060】各ショットキー電極126aと126bは
夫々厚さ30nm、50nm及び200nmを有する積
層構造Ti/Pt/Auを有し、2次元電子ガスに平行
な平面上で、エミッタ及びコレクタ電極120及び12
2を結ぶ方向に、大きさdを有する。大きさdは2次元
電子ガスの電子の弾性又は非弾性散乱長以下の、約0.
1μmの大きさを有する。一方、幅Wは前記実験より典
型的に約0.4μmとした。これにより、2次元電子ガ
ス中にギャップ128に対応して量子ポイントコンタク
ト128’が形成される。ショットキー電極126aと
126bはn型AlGaAs層114の外側の領域に、
夫々ゲート電極を印加するためのコンタクトパッド12
6a’及び126b’を有する。
【0061】障壁構造126の大きさdは前述の0.1
μmに限定されず、電子の弾性及び非弾性散乱長以下で
、しかも電子に対して効果的は障壁として機能する限り
、大きさは問わない。同様に、幅Wも0.4μmに限定
されず、ギャップ128に対応する活性層112が量子
井戸を形成する限り、その大きさは問わない。更に、量
子井戸の実効的な幅はコンタクトパッド126a’及び
126b’に印加されるゲート電圧に対応して所望に調
節できる。
【0062】コレクタ電極122付近には、ショットキ
ー電極130a、130b及び130cを有する第2の
障壁構造130が設けられる。各ショットキー電極は第
1の障壁構造のそれらと実質的に同一構造・大きさを有
する。その際、ギャップ132a及び132bが電極1
30a及び130b間と電極130b及び130c間に
夫々形成される。これらのギャップ132a及び132
bはギャップ128の幅Wと実質的に同一な幅Wを有す
る。これによって、ギャップ128下に形成された量子
ポイントコンタクトの場合と同様に、一対の量子ポイン
トコンタクト132a’及び132b’が夫々ギャップ
132a及び132bに対応して2次元電子ガスに形成
され、電子はかかる量子ポイントコンタクトより出射す
ることが可能となる。なお、図9(A)は5A−5A線
の横断面図である。ギャップ132a及び132bに対
応する量子ポイントコンタクト実際の大きさは電極13
0a及び130b間に印加される制御電圧に応じて調節
できる。
【0063】障壁構造126及び130間には、更に、
第1及び第2の障壁構造126及び130に平行に延在
する別のショットキー電極134がn型AlGaAs層
114上にショットキー接触して設けられる。ショット
キー電極134は他のショットキー電極と同様に積層構
造Ti/Pt/Auを有し、図8に示すデバイスのエミ
ッタ120及びコレクタ122電極を結ぶ方向に大きさ
Lgを有する。ショットキー電極134は接合パッド領
域134’を有し、接合パッド領域134’に印加され
る制御電圧に応答して図2(B)のポテンシャルEφを
誘起する。これによって、電子波は電極134下の領域
を通過して波動ベクトル変化と速度変化とを受け、屈折
する。なお、図9(B)は5B−5B線に沿ったショッ
トキー電極134の横断面図である。
【0064】更に、一対のベース電極124が第2の障
壁構造130及びショットキー電極134との間でコン
タクト層118上に設けられ、障壁構造130を横切っ
てエミッタ電極122とベース電極124間で所望のバ
イアス電圧を印加する。ベース電極124はエミッタ電
極120及びコレクタ電極122を結ぶ仮想中心線Cに
対して略対称に設けられ、パターニングされたコンタク
ト層118の側端部に近接・配置される。
【0065】図10は所望のデバイス動作を得るための
第1及び第2の障壁構造におけるショットキー電極を配
置の様子を示す。
【0066】図8と本質的に同一構造を有する図10を
参照するに、ギャップ132a及び132bは、ギャッ
プ128の中心Oを通りエミッタ及びコレクタ電極を結
ぶ仮想中心線Cに対して対称に設けられる。この仮想中
心線Cは基底状態の電子波W1の通路に略一致する。図
10に示すように、ギャップ132a及び132bは中
心線Cに対称に設けられ、中心線Cとギャップ132a
又は132b間の距離Dは等しい。
【0067】距離Dは、電子波デバイスが第1の論理状
態にある場合に第2のモードの電子波がショットキー電
極によって誘起されたポテンシャルを通過した後に、ギ
ャップ132a又は132b下の量子ポイントコンタク
ト132a’又は132b’に入射するように決められ
る。例えば、距離Dは、制御電圧をショットキー電極1
34に印加しない時に、電子波W2が量子ポイントコン
タクト128’から出た後に量子ポイントコンタクト1
32a’又は132b’に直線的に入射するように決め
られる。この場合、距離DはD=t・tanθで決定さ
れる。
【0068】ギャップ132a及び132bの幅は、制
御電圧をショットキー電極134に印加した時に、電子
波W2が量子ポイントコンタクト132a’又は132
b’を確実に外れるように設置される。図11はショッ
トキー電極134に生じる電子波の屈折を示す。
【0069】図11を参照するに、ショットキー電極1
34下の領域に直角に入来する電子波W1の波動ベクト
ルはkY からkY ’に変化する。出射すると、電子
波W1の波動ベクトルは元の値kY に戻る。電子波W
1はx軸方向に波番号成分を持たないので屈折は電子波
W1では生じない。
【0070】一方、電子波W2はショットキー電極13
4下の領域に傾斜した入来するので、波動ベクトルのy
成分だけがkY からkY ’に変化し、x成分kX 
は変化しない。波動ベクトルの変化は波の速度変化に対
応し電子波W2は図11に示すように光波の如く屈折す
る。屈折角θ’は波動ベクトルkX に対する波動ベク
トルkY ’の比により決定され、波動ベクトルkY 
’はショットキー電極134に印加される制御電圧によ
り決定される。ショットキー電極134下の領域から出
射すると電子波W2は元の波動ベクトルkY を回復、
電子波W2は元の経路に平行に、但し図11に示すよう
に横オフセットδを伴って伝播する。
【0071】上記の波動ベクトルkX とkY との関
係で表現される電子波W2の屈折は電子密度nとn’で
も表現できる。ここで、電子密度nはショットキー電極
134下を除く部分の2次元電子ガス中の電子密度に対
応し、電子密度n’はショットキー電極134下にある
2次元電子ガス中の電子密度に対応する。
【0072】3次元波動ベクトル空間kX ,kY 及
びkZ を示す図12を参照するに、x−y平面上の2
次元電子ガスのとり得る状態は、kZ =0の面内の半
径kF 円内に閉じ込められる。円内に、一端の長さが
Lの周期境界条件を考えると、電子の全数Nは、 N=2πkF /(2π/L)2          
     (6)で表現される。
【0073】一方、量Nは状態密度ρ(E)を用いて、
【0074】
【数7】
【0075】で与えられる。したがって、以下の関係が
導かれる。
【0076】
【数8】
【0077】式(8)を微分すると、
【0078】
【数9】
【0079】となる。m*は電子の有効質量で、周知な
ように、
【0080】
【数10】
【0081】で表される。式(8)を用いると、フェル
ミエネルギーEF は電子密度nにより、次のように表
現できる。
【0082】
【数11】
【0083】なお、nはn=N/L2 で与えられる。
【0084】明らかに電子密度nは図12の円の面積に
比例し、従って波動ベクトルkF の大きに比例する。 ここで、kF は   kF 2 =kX 2 +ky 2       
          (11)で与えられる。
【0085】フェルミエネルギーEF を持つ電子波が
ポテンシャルの変化した領域を通過すると、フェルミエ
ネルギーEF は電子波の全エネルギーを保存するよう
に変化し、電子密度は以下の関係によりnからn’に変
化する。
【0086】             (kX 2 +ky 2 )
:(kX 2 +ky ’2)=n:n’  (12)
図11の初等幾何より入射角θはkX とkY で以下
のように表される。
【0087】                 sinθ=kX /
(kX 2 +ky 2 )1/2         
(13)  同様に、                 sinθ’=kX 
/(kX 2 +ky ’2)1/2       (
14)式(13)と(14)により、媒体の屈折率を電
子密度n及びn’として、有名な屈折の式が導かれる。
【0088】                 sinθ/sinθ
’=(n/n’)1/2         (15)図
11に戻って、オフセットδの大きさは幾何的に入射角
θ、θ’及びショットキー電極134の大きさLgで決
定される。入射角θ’を一定とすると、大きさLgが大
きいほどオフセットδは大きく、大きさLgを一定とす
ると制御電圧によりオフセットδを調節できる。
【0089】電子波デバイスのオンオフするためには、
ショットキー電極134に制御電圧が印加されている時
に量子ポイントコンタクト132a’及び132b’か
ら電子ビームW2が逸れるように電子ビームW2をシフ
ト又は移動させることが必要である。このため、ギャッ
プ132a及び132b下の量子ポイントコンタクト1
32a’及び132b’の幅Wは制御電圧によって生じ
るオフセットδよりも十分小さくなければならない。一
般に、ギャップ132a及び132bの幅Wはギャップ
128の幅に略等しい。量子ポイントコンタクト132
a’及び132b’の大きさを、ショットキー電極13
0a及び130cに制御電圧を印加することで小さくす
ると、デバイスの感度は向上する。一方、量子ポイント
コンタクト132a’及び132b’の大きさを余りに
小さくすると量子ポイントコンタクト内で形成される量
子状態のエネルギーレベルが増加して量子ポイントコン
タクトによって電子波が反射する危険がある。望ましい
実施例ではギャップ132a及び132bの幅Wはギャ
ップ128の幅に略等しくされ、ショットキー電極12
6a及び126bに印加されるのと等しいバイアス電圧
をショットキー電極132a及び132bに印加する。
【0090】また、電子波デバイスが、ショットキー電
極134への制御電圧がゼロの場合にオンするように設
計する場合には、図10の距離Dは以下の式によって決
定される。
【0091】               D=(t−Lg)・ta
nθ+Lg・tanθ      (16)図13は図
10の第1及び第2の障壁構造126及び130を有す
る領域の構造の拡大図である。図13から式(16)は
明らかであるので説明は省略する。
【0092】次に、図10のデバイスの動作を説明する
【0093】図10を参照するに、エミッタ電極120
は接地され、約30μVのバイアス電圧VBEがエミッ
タ電極120とベース電極124に印加されている。こ
れにより、ポテンシャル差が障壁構造126を横切って
2次元電子ガス中に誘起される。
【0094】量子ポイントコンタクトを形成するには、
上記実験結果から、入射電子波W2のエネルギーEF 
が量子ポイントコンタクト128内に形成された量子レ
ベルE1 (図1(B)参照)より高く、より高い量子
レベルE2 よりも低くなるように−0.195Vのゲ
ート電圧Viを印加すればよい。これによって電子波W
2は、障壁126のベース電極124が設けられた側に
注入されて前記波動ベクトルkx 及びkY をもって
2次元電子ガス中を直進的に伝播する。
【0095】電子波W2は、その後、ポテンシャルの山
Eφを制御電圧Vgに応じて形成するショットキー電極
134下の領域を通過して、屈折する。電極134下の
領域通過後、電子波W2は、類似の量子状態がゲートバ
イアス電圧Vd(−0.195V)に応じて形成される
量子ポイントコンタクト130a’又は130b’を通
過して、コレクタ電極122の設けられている側から出
射する。コレクタ電極はコレクタ電圧VCE(30μV
)によってバイアスされる。すなわち、ベース電極13
4とコネクタ電極122の間のバイアスはゼロとなり、
障壁構造130の両側で2次元電子ガスのポテンシャル
差はゼロとなる。電子波W2は量子レベルE0 及びE
1 以上のエネルギーを有し、電子波W2は自由に量子
ポイントコンタクトを通過する。電極134の寸法Lg
が0.1μmの場合、電極134により誘起されるポテ
ンシャルEφの高さは典型的に、0−50meVの範囲
で変化される。
【0096】次に、第1実施例の電子波デバイスを製造
する工程を簡単に説明する。
【0097】図8のデバイスの5A−5A線での横断面
図を示す図14(A)を参照するに、基板110、Ga
As活性層112及びドープAlGaAs層114を有
する積層半導体構造体上に電子ビームレジスト150を
堆積し、集束電子ビームを照射後、図14(B)に示す
ようにパターニングする。これによって、パターン15
0a乃至150cが電子ビームレジスト層150中に形
成される。同様なパターニングは、ショットキー電極1
26a、126及び134に対応しても行われる。集束
電子ビームを使うことにより図4で既述した0.1μm
の大きさdと0.4μmの幅Wの電極が精度よくパター
ニングできる。
【0098】次に、図14(B)の段階で、ショットキ
ー電極130a、130b及び130c及びショットキ
ー電極がチタン、合金及び金の積層及びこれに続くリフ
トオフにより形成される。これにより、図14(C)の
構造を得る。
【0099】次に、n型GaAsコンタクト層118を
図14(C)の構造上、堆積し、層118にエッチバッ
ク処理を施して電極130a−130cを露出させる。 更に、ベース電極124等のオーミック電極を配し、図
14(D)に示す構造を得る。
【0100】前記第1実施例では電子波W1は電子波デ
バイスの動作には使用されない。事実、図5(B)及び
図6(B)の実験結果より明らかなように電子波W1は
電子波W2と共に形成される。図1(B)を参照して説
明したように、電子波W1は量子状態E0 とフェルミ
エネルギーEF のエネルギーレベルを設定することで
単独に誘起できるが、電子波W2だけの形成は不可能で
ある。よって、電子波W1をオンオフ動作に使用できれ
ば第1実施例よりも高い出力電力を持つ更に効率的な電
子波デバイスが得られると考えられる。
【0101】図15に第1モードの電子波Wをデバイス
のスイッチング動作に用いた本発明第2実施例を示す。
【0102】図15を参照するに、第2実施例の電子波
デバイスは、第1実施例同様、積層半導体構造体100
上に形成される。積層半導体構造体100は、パターニ
ングされたn型GaAsコンタクト層118とオーミッ
クコンタクトしたエミッタ電極211及びコレクタ電極
216を有する。また一対の障壁構造212及び215
が互いに対向して形成され、パターニングされたn型G
aAs層114とショットキー接触する。これによって
第1及び第2の障壁構造212及び215はギャップ2
12c及び215cを除きエミッタ及びコレクタ電極間
の電子の流れを遮断する。なお、ギャップ212c及び
215cは夫々障壁構造212及び215内に形成され
る。
【0103】第1の障壁構造212はn型GaAs層1
14に直接形成された一対のショットキー電極212a
及び212bと前記ギャップ212cとを有する。ショ
ットキー電極212aと212b、及びショットキー電
極215aと215bとは、何れもx軸方向に整列し、
その際第1の障壁構造212及び第2の障壁構造215
は互いに距離t(3μm)離間して平行に延在する。ギ
ャップ212cと215cは最狭部で約0.2μmの幅
Wを有する。典型的にギャップは最外部で約0.4μm
の幅を有する。これにより、量子ポイントコンタクト2
12c’がギャップ212cに対応して形成され、さら
に量子ポイントコンタクト215c’がギャップ215
cに対応して形成される。量子ポイントコンタクト21
2c’は、第1実施例の量子ポイントコンタクト128
’と同様の所定の波動ベクトルを有する電子波を注入す
る注入器として作用する。また、量子ポイントコンタク
ト215c’は電子波のでる量子ポイントコンタクト1
32a’及び132b’と同様の検出器として作用する
【0104】第1及び第2の障壁構造212及び215
間には電極213が量子ポイントコンタクト212c’
から215c’に伝播する電子波の経路を横切るように
、ショットキー電極213が、n型AlGaAs層11
4上に配設される。ショットキー電極213は電極21
5a近傍に電極215aと平行に配設された第1の部分
213aを、また電極212b近傍に、電極212bと
平行に配設された第2の部分を、また更に第1と第2の
部分213a及び213bを接続し、第1及び第2の障
壁構造212及び215の方向に約45度傾斜して延在
する第3の部分213cよりなる。ショットキー電極2
13は部分123cに対応して約0.3μmとされた幅
Lgを有する。
【0105】更に、障壁構造212のショットキー電極
212aと第1の部分213aとの間の部分に対応して
ベース電極214aが、コンタクト層118とオーミッ
クコンタクトするように設けられる。同様に、ベース電
極214bも、電極213b及び215b間に設けられ
てコンタクト層118とオーミックコンタクトする。図
15は第1実施例の図9(A)乃至(C)の横断面より
容易に得られるので重複説明は省略する。
【0106】図16に本発明の原理を示す。本実施例で
は、第1の障壁構造212は構造2212に垂直に伝播
する電子波W1を形成するが、電子波W2が形成されな
いようにバイアスされる。生成された電子波W1は電極
部213cと斜めに交差するパスに沿って伝播し、電極
部213c下の領域の通路で屈折する。これにより、屈
折角θ’、及びθ”等の電子波W1a及びW1bが生成
される。同図のように、電極213cに制御電圧を印加
しないと屈折は起こらず、電子波W1cが生成する。本
実施例によれば、強い電子波W1が得られるのでスイッ
チング動作時のS/N比が向上する。図1(B)の量子
レベル及びフェルミエネルギーEF 間のエネルギーギ
ャップを適当に決めれば全入射電子波を電子波W1の生
成に使用できる。
【0107】図17は図15のデバイスのバイアスを示
す。
【0108】図17を参照するに、エミッタ電極211
は接地され、コレクタ電極216には正のコレクタ電圧
VCEが印加される。更に負のバイアス電圧Viがショ
ットキー電極212a及び212bに印加され、負のバ
イアス電圧Vd がショットキー電極125a及び21
5bに印加され、正のバイアス電圧VBEがベース電極
214aに印加される。更に負の制御電圧Vg がショ
ットキー電極213に印加される。これにより、基底モ
ードの電子波W1がギャップ212c下の量子ポイント
コンタクトで生成され、ショットキー電極213により
屈折する。このように屈折した電子波W1は、電子波W
1aとして、ギャップ125c下の量子ポイントコンタ
クトを通ってコレクタ電極216に出射する。一方、シ
ョットキー電極213がバイアスされないと、電子波W
1は直進してギャップ下の量子ポイントコンタクトには
入射できず、コレクタ電極216で出力が得られない。 量子ポイントコンタクトを逸れた電子はベース電極21
4aにより吸収される。
【0109】図18は図17のデバイスで制御電圧Vg
 を変えて測定した実験結果を示す。この時、コレクタ
電圧VCEは10μV、ベース電圧VBEは10μV、
ゲートバイアス電圧Viは−0.93V、ゲートバイア
ス電圧Vd は−1.42V、ギャップ212cの幅W
は1.7μm、温度は0.3°Kであった。実験より制
御電圧Vg が−0.3Vの時に強度ピークPが生じる
のが確認された。以上の結果は、電子ビームW1の屈折
を明瞭に示す。
【0110】以上の動作では、第1の障壁構造212を
、エミッタ電極211から注入される電子のフェルミエ
ネルギーEF が基底状態E0 以上だが第1の量子状
態E1 以下となるようにバイアスする。これにより、
モードW1の電子波だけが量子ポイントコンタクト21
2c’で生成されて該電子波W1がショットキー電極2
13によるポテンシャルで屈折される。第2の障壁構造
215は量子ポイントコンタクトの大きさを適当に狭く
することで所望の感度を得ることができる。既述したよ
うに、本実施例では、電圧−0.93Vが第1の障壁構
造212を形成するショットキー電極に印加されて電圧
−1.42Vが第2の障壁構造215を形成するショッ
トキー電極に印加される。この場合、第1及び第2の障
壁構造を隔てて、2次元電子ガス中にエミッタ−ベース
電圧及びベース−コレクタバイアス電圧に対応したレベ
ル差が生じる。なお、ショットキー電極213に印加さ
れる電圧Vg は0.5−0Vの範囲内とする。
【0111】次に、本発明の第3実施例を図19(A)
及び(B)を参照して説明する。本実施例では、電子波
デバイスを形成される積層半導体構造体100は、図9
(A)乃至(C)を参照して既述したものと同一である
ので、横断面図については重複説明しない。
【0112】デバイスの平面図を示した図19(A)を
参照するに、エミッタ電極211に対応するエミッタ電
極311は、積層半導体構造体100中のコンタクト層
118の上側主面に設けられ、第2実施例の第1の障壁
構造212に対応する第1の障壁構造312が、エミッ
タ電極から2次元電子ガスに供給される電子の流れを遮
断するように設けられる。第1及び第2実施例同様に、
第1の障壁構造はコンタクト層118下のn型AlGa
As層114とショットキーコンタクトする一対のショ
ットキー電極312a及び312bとギャップ312c
を有する。これにより、量子ポイントコンタクト312
c’が、前記実施例同様2次元電子ガス中に、ギャップ
312cに対応して形成される。
【0113】第1の障壁構造の、コレクタ電極311か
ら離れた側には、ショットキー電極213に対応するシ
ョットキー電極313が形成されて、ギャップ312c
下の量子ポイントコンタクト312c’から出射した電
子波を屈折させる。更に、量子ポイントコンタクト31
2c’に電子を注入して電子波W1を形成すべく、ベー
ス電極314a及び314bが第2実施例のベース電極
214a及び214b と同じく、コンタクト層118とオーミックコンタクト
するように設けられる。本実施例では、第2の障壁構造
215に対応する第2の障壁構造315は、一対のショ
ットキー電極351a及び351bの他と、電極315
a及び315b間に配設された複数のショットキー電極
片317a−317cから形成される。これにより、複
数のギャップ316a−316dがショットキー電極間
に形成され、これと対応して複数のコレクタ電極318
a−318dがコンタクト層118の上側主面上に形成
される。また、これに対応して複数の量子ポイントコン
タクト316a’−316d’が形成される。
【0114】次に、図19(A)のデバイスの動作を説
明する。
【0115】本実施例では、第1及び第2の障壁構造3
12及び315は第2実施例同様にバイアスされて電極
313に印加される制御電圧Vg が変化する。これに
より、電子波W1が前記実施例同様電極313のポテン
シャルで屈折し、コレクタ電極318a−318dが図
19(B)に示すようにコレクタ電流IC1−IC4を
検出する。  コレクタ電極318a−318dは各コ
レクタ電極によって異なる制御電圧に応じてコレクタ電
流を検出する。例えば、制御電圧Vd が電極313に
印加されない場合、ギャップ312c下の量子ポイント
コンタクトで生成された電子波W1は直進しコレクタ電
極318aでコレクタ電流IC1として検出される。一
方、制御電圧Vd がVg1まで増加すると、電子波W
1は、第2の障壁構造315内のギャップ下の量子ポイ
ントコンタクトを通過して屈折し、コレクタ電極318
bでコレクタ電流IC2として検出される。同様に、制
御電圧Vd がVg2まで増加すると、コレクタ電極3
18cは電子波をコレクタ電流Ic3として検出する。 更に、制御電圧Vg がVg3まで増加すると、コレク
タ電極318dが電流Ic4として検出する。これによ
り、第3実施例のデバイスは高速選択スイッチとして動
作する。かかるデバイスは入力アナログ信号が制御電圧
Vg として使用された場合等に高速AD変換器に使用
できる。言うまでもなく、第2の障壁構造315に形成
されるギャップ数は4つに限定されない。
【0116】図20(A)及び(B)は本発明の第4実
施例を示す。同図において同一符号は同一部材を示すの
で、その重複説明は省略する。
【0117】本実施例の第1の障壁構造312は等距離
d離間した複数のショットキー電極片319a,319
b、・・・319(i+1)をショットキー電極312
a及び312b間に有する。これにより、複数の量子ポ
イントコンタクト312’が障壁構造312のショット
キー電極間のギャップに対応して形成される。第1の障
壁構造312に対応して、本実施例の第2の障壁構造3
15も等距離d離間した複数のショットキー電極片31
7a、317b、・・・317(i+1)を有する。こ
れにより、複数の量子ポイントコンタクト315’が第
2の障壁構造315のショットキー電極間のギャップに
対応して形成される。エミッタ及びコレクタ電極311
及び315は、第1の障壁構造312下の各量子ポイン
トコンタクトに電子を注入するのに幅lと第2の障壁構
造315下の量子ポイントコンタクトを通過するのに十
分な幅l’を夫々有する。
【0118】かかる構造では、モードW1の電子波全て
が第1の障壁構造312下の量子ポイントコンタクト3
12’から出射される。これらの電子波は位相同期して
コレクタ電極316に直進する擬似平面電子波を形成す
る。擬似平面電子波を形成する各電子波W1は電極31
3で屈折して複数の電子波または電子線が平行に偏向す
る。
【0119】図20(B)は図(A)のデバイスで形成
される擬似平面電子波の屈折を示す。
【0120】図20(B)を参照するに、擬似平面電子
波は位置1、2、3、・・・に沿って動く波面を有し、
第1の障壁構造312下で形成される各量子ポイントコ
ンタクトから出射される複数の電子波ビーム320a、
320b,320c、・・・より形成される。ここで、
電子ビーム320cは電極313下の領域に先ず入射し
て屈折する。屈折後、ビーム320cは元の方向に平行
だが横オフセットδして出射される。電極313下の領
域からビーム320cが出る間、ビーム320bがビー
ム320cと同様に屈折する。なお、出射の際、ビーム
320bは元の伝播方向と平行に横に距離δシフトされ
る。言い換えれば、ビーム320b及び320cは屈折
後も元の伝播方向に平行に伝播するが元のパスとは横に
δシフトしている。ビーム320aも同様に屈折する。   擬似平面電子波が第2の障壁構造315に屈折後に
入射する際、平面電子波は、その成分ビーム320a、
320b、・・・がショットキー電極片317a−31
7(i+1)下の空乏層に入射すると出射される。一方
、シフトδの量を距離dとすると、各ビームはショット
キー電極片間で形成される量子ポイントコンタクトに入
射・通過する。これにより、図20(C)に示す出力特
性が得られ、コレクタ電流ICが複数の離散的な制御電
圧Vg に対応して検出される。本実施例によれば、コ
レクタ電極316により検出される出力電流を増加でき
る。
【0121】図21(A)は本発明の第5実施例を示す
。前記実施例同様、同一符号は同一部材を示し、重複説
明は省略する。
【0122】本実施例では、第1の障壁構造312は、
電極312が複数のショットキー電極片319a、31
9b、・・・をショットキー電極312a及び312b
間に有する前記実施例と同様に配置される。これにより
、複数の隣接量子ポイントコンタクトがショットキー電
極片間のギャップ下で形成される。一方、第2の障壁構
造315は一のギャップ315cを持つショットキー電
極315a及び315bより形成される。ギャップ31
5cに対応して量子ポイントコンタクト315c’は第
1及び第2実施例と同様に形成される。
【0123】本実施例では、前記実施例同様の擬似平面
電子波が第1の障壁構造312下の複数の量子ポイント
コンタクトから出射される複数の電子波ビームより形成
され、そのビームの一つは量子ポイントコンタクト31
5c’に電極313による屈折後に入射する。特に、制
御電圧Vg を除々に増加すると、電子波ビームは交互
に量子ポイントコンタクト315c’に入射して図21
(B)に示す出力特性が得られる。
【0124】電極213cは第1及び第2の障壁構造2
12及び215に平行な第1の端213−1及び第1及
び第2の障壁構造に傾斜して延在する第2の端213−
2によって定義される。かかる構造でも電子波W1の所
望の屈折が得られる。検出器側の量子ポイントコンタク
ト215cの位置は単純光学により式(15) を用い
て決定される。
【0125】以上、本発明の実施例を説明したが、これ
に限定されず、本発明はその要旨の範囲内で種々の変形
及び変更が可能である。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電子波の屈折量を制御して、高速かつ確実にオンオフす
る電子波デバイスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A),(B)は本発明の原理説明図である。
【図2】(A),(B)は本発明の別の原理説明図であ
る。
【図3】本発明の基礎となる実験を説明する図である。
【図4】本発明の基礎となる実験を説明する図である。
【図5】本発明の基礎となる実験を説明する別の図であ
る。
【図6】本発明の基礎となる実験を説明する別の図であ
る。
【図7】本発明の基礎となる実験を説明する別の図であ
る。
【図8】本発明の第1実施例を示す平面図である。
【図9】(A)〜(C)は幾つかの横断面図に沿った図
8のデバイスの積層構造を示す図である。
【図10】デバイスの動作に必要なバイアスと、本発明
のデバイスのパラメータを定義する、図8に類似の平面
図である。
【図11】デバイスの電子波の屈折を説明する、図8又
は図10のデバイスの部分拡大図である。
【図12】図10のデバイス内の電子波の屈折の原理を
説明する図である。
【図13】第1実施例の変形を示す拡大図である。
【図14】(A)〜(D)は第1実施例のデバイスの製
造工程を示す図である。
【図15】本発明の第2実施例を示す平面図である。
【図16】第2実施例の原理を説明する、図15図の部
分拡大図である。
【図17】図15のデバイスのバイアスを示す、図15
に類似する図である。
【図18】図17のデバイスの動作の一例を説明するグ
ラフである。
【図19】(A)及び(B)は本発明の第3実施例の平
面図及び動作の特徴を示す図である。
【図20】(A)〜(C)は本発明の第4実施例を説明
する図である。
【図21】(A)及び(B)は本発明の第5実施例を説
明する図である。
【図22】(A)〜(C)は、量子波の干渉に応答して
オンオフする従来の電子波デバイスを説明する図である
【符号の説明】
26、33  第1の障壁構造 26a、26b、30a、30b、30c、33a’、
33b’、34a’、34b’  空乏層28  量子
ポイントコンタクト 30  第2の障壁構造 31  エミッタ電極 32  コレクタ電極 32a、32b  通路 33a、33b、34a、34b  ショットキー電極
33c、34c  ギャップ 33c’  通路(量子ポイントコンタクト)34  
屈折構造 34c’  量子ポイントコンタクト 35  ベース電極 50  半導体構造体 51  n型AlGaAs層 52  AlGaAsスペーサ層 53  GaAsチャネル層 55  ソース電極 56  ドレイン電極 57、58、65  ショットキー電極61、62、6
3  空乏層 100  半導体構造体 110  GaAs基板 112  GaAs活性層 114  n型AlGaAs層 118  コンタクト層 120、211、311  エミッタ電極122、21
6、318a、318b、318c、318d  コレ
クタ電極 124、126a、126b、126c、130a、1
30b、130c、134、212a、212b、21
5a、215b、213、313、315a、315b
  ショットキー電極 126、212、312  第1の障壁構造126a’
、126b’、130a、130b  コンタクトパッ
ド 128、132a、132b、212c、215c、3
12c、316a、316b、316c、316d  
ギャップ 128’、132a’、132b’、212c’、21
5c’、312c’、316a’、316b’、316
c’、316d’  量子ポイントコンタクト130、
215、315  第2の障壁構造134、214a、
214b、314a、314b  ベース電極 134’  パッド領域 150  電子ビームレジスト層 150a、150b、150c  パターン213a 
 第1の部分 213b  第2の部分 213c  第3の部分 317a、317b、317c、319a、319b 
 ショットキー電極片 320a、320b、320c  線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  キャリアを平面的に閉じ込めて2次元
    キャリアガスの状態で移送する媒体(100)と、該媒
    体上に設けられ、前記キャリアを前記2次元キャリアガ
    スに注入するエミッタ電極手段(120、121)と、
    前記媒体上に設けられ、前記エミッタ手段から、2次元
    キャリアガスを介してキャリアを回収するコレクタ電極
    手段(122、216)とを有し、キャリアの流れを制
    御電圧信号に応じてオンオフする量子波屈折デバイスに
    おいて、前記媒体上、エミッタ電極手段とコレクタ電極
    手段との間に設けられ、入射するキャリアを量子波(W
    1、W2 )として、所定方向に放射し、キャリアの経
    路に沿った長さ(L)が前記2次元キャリアガス内のキ
    ャリアの弾性及び非弾性散乱長と略等しいかそれより小
    さい第1の量子ポイントコンタクト(128’、212
    c’)と、前記媒体上、第1の量子ポイントコンタクト
    とコレクタ電極手段との間に設けられ、入射するキャリ
    アを量子波(W1 、W2 )として、所定方向に放射
    し、キャリアの経路に沿った長さ(L)が、前記2次元
    キャリアガス内のキャリアの弾性及び非弾性散乱長と略
    等しいかそれより小さい第2の量子ポイントコンタクト
    (132a’、132b’、215c’)と、前記第1
    の量子ポイントコンタクトによって生成された前記キャ
    リアの量子波を遮断するように、前記媒体上、第1及び
    第2の量子ポイントコンタクトの間に設けられ、前記制
    御電圧信号を印加されて該制御電圧信号に応答して、前
    記制御電圧が第1の電圧レベルの時に前記量子波が前記
    第2の量子ポイントコンタクトに命中し、前記制御電圧
    が第1の電圧レベルとは異なる第2の電圧レベルの時に
    前記量子波が前記第2の量子ポイントコンタクトより逸
    れるように前記キャリアの量子波を屈折させる屈折手段
    (134、213)とを有することを特徴とする量子波
    屈折デバイス。
  2. 【請求項2】  更に、前記エミッタ電極手段及び前記
    コレクタ電極手段間の前記媒体(100)上に前記第1
    の量子ポイントコンタクトをはさんで設けられ、前記キ
    ャリアを排除することにより、2次元キャリアガスを遮
    断して前記2次元キャリアガスに沿って生じる前記エミ
    ッタ電極手段から前記コレクタ電極手段へのキャリアの
    流れを遮断する第1の障壁手段(126、212)と、
    前記媒体(100)上に前記第2の量子ポイントコンタ
    クトをはさんで、前記第1の障壁手段と離間するように
    設けられ、前記キャリアを排除することにより2次元キ
    ャリアガスを遮断して、前記2次元キャリアガスに沿っ
    て生じる前記エミッタ電極手段から前記コレクタ電極手
    段へのキャリアの流れを遮断する第2の障壁手段(13
    0、215)とを有し、前記第1及び第2の障壁手段(
    126、130;212、215)は前記2次元キャリ
    アガスの平面に垂直な方向からみて実質的に互いに平行
    に延在することを特徴とする請求項1記載の量子波屈折
    デバイス。
  3. 【請求項3】  前記屈折手段(134)は、前記2次
    元キャリアガスの平面に垂直にみて、前記第1及び第2
    の障壁手段(126、130)に実質的に平行に延在す
    ることを特徴とする請求項2記載の量子波屈折デバイス
  4. 【請求項4】  前記第1の量子ポイントコンタクト(
    128’)に対して同一距離になるように、一対の第2
    の量子ポイントコンタクト(132a’,132b’)
    を設けられたことを特徴とする請求項3記載の量子波屈
    折デバイス。
  5. 【請求項5】  前記屈折手段(213c)は少なくと
    も、前記2次元キャリアガスの平面に垂直にみて前記第
    1及び第2の障壁手段(213、215)に傾斜して延
    在する縁部(213−2)を有する請求項2記載の量子
    波屈折デバイス。
JP14029791A 1990-06-13 1991-06-12 量子波屈折デバイス Withdrawn JPH04229656A (ja)

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JP2-154252 1990-06-13
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100884040B1 (ko) * 2001-04-20 2009-02-19 나노 이프린트 리미티드 나노전자 소자 및 회로

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