JPH04228550A - 抗菌性を有する高耐酸化耐変色/高耐食アモルファス合金 - Google Patents

抗菌性を有する高耐酸化耐変色/高耐食アモルファス合金

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JPH04228550A
JPH04228550A JP12605091A JP12605091A JPH04228550A JP H04228550 A JPH04228550 A JP H04228550A JP 12605091 A JP12605091 A JP 12605091A JP 12605091 A JP12605091 A JP 12605091A JP H04228550 A JPH04228550 A JP H04228550A
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amorphous alloy
alloy
atomic
discoloration
corrosion
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Kazuo Shimamura
和郎 嶋村
Shuichi Iwasaki
修一 岩崎
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌性を有する高耐酸化
耐変色/高耐食アモルファス合金に係り、特に、かび、
バクテリア等に対して優れた抗菌性を有すると共に、耐
酸化性、耐変色性、耐食性にも優れた抗菌性を有する高
耐酸化耐変色/高耐食アモルファス合金に関する。
【0002】
【従来の技術】銅(Cu)や銀(Ag)イオンに殺菌作
用があることは古くから知られている。身近な例では含
銅タイプの船底塗料で藻やふじつぼの発生を防止したり
、浴場の殺菌に銀イオンを用いる方法などがある。また
、Cuとステンレス粉末との焼結材料よりなる海洋生物
付着防止材料も知られている。これは、金属イオンの触
媒作用で、活性酸素をごく少量ずつ持続的に発生させ、
微生物のエネルギー代謝を阻害したり、或いはイオンそ
のものが微生物や細菌内に移動して殺す作用があるため
といわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Cuは
耐食性が低く、容易に酸化して抗菌効果のあるCu+ 
イオンが抗菌効果の低い化合物に変化するという欠点が
ある。また、Agも酸化変色し易く、かつイオン化し難
い上に高価である等、実用上の難点を有していた。
【0004】本発明は上記従来の問題点を解決し、安価
なCuを抗菌成分とする合金であって、耐酸化性、耐変
色性、耐食性にも優れた抗菌性を有する高耐酸化耐変色
/高耐食アモルファス合金を提供することを目的とする
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の抗菌性を有す
る高耐酸化耐変色/高耐食アモルファス合金は、5原子
%以上のTa及び/又は15原子%以上のNbと、Ti
及びNiとを含み、残部が実質的にCuからなる合金で
あって、Ta及び/又はNbとTiとの合計含有量が3
0〜62.5原子%で、Ni含有量がTa及び/又はN
b含有量の0.6〜4倍であり、かつ、Cu含有量がT
i含有量の0.6〜4倍であることを特徴とする。
【0006】請求項2の抗菌性を有する高耐酸化耐変色
/高耐食アモルファス合金は、Ta及び/又はNbを1
5〜85原子%含み、残部が実質的にCuからなること
を特徴とする。
【0007】請求項3の抗菌性を有する高耐酸化耐変色
/高耐食アモルファス合金は、1原子%以上のTaと、
Ti及び/又はZrとを含み、残部が実質的にCuから
なる合金であって、TaとTi及び/又はZrとの合計
含有量が15〜85原子%であることを特徴とする。
【0008】請求項4の抗菌性を有する高耐酸化耐変色
/高耐食アモルファス合金は、合計で1原子%以上のT
a及びNbと、Ti及び/又はZrとを含み、残部が実
質的にCuからなる合金であって、Ta及びNbとTi
及び/又はZrとの合計含有量が15〜85原子%であ
ることを特徴とする。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。なお、本
発明において、合金は各成分を含有して全体として10
0原子%となるものとする。本発明における各成分組成
の限定理由は次の通りである。なお、請求項1〜4のい
ずれのアモルファス合金においてもCuは抗菌性を担う
元素であって、抗菌活性の面から、その好ましい含有量
は30〜80原子%である。また、アモルファス合金化
元素の中でもTaは最も優れた耐食性を示すものであっ
て、その好ましい含有量は10〜20原子%である。
【0010】特に、本発明においては、Cu:30〜8
0原子%、Ta:10〜20原子%で、残部がTi等の
元素であることが好ましい。Cuが上記範囲よりも多い
とアモルファス化が阻害され耐食性に劣ることとなり、
逆に少ないとTaやTiの含有量が増えて合金のコスト
が上昇し、好ましくない。また、耐食性の観点から20
原子%を超えるTaは不必要であが、Cuが上記範囲内
であれば抗菌性に何ら影響を与えるものではない。
【0011】請求項1のアモルファス合金において、T
a、Nb、Tiはいずれも非酸化性の酸中で保護皮膜を
形成して耐食性を担う元素である。中でもTaはその作
用が最も強く、5原子%以上Taを含めば、Ta及びT
i或いはTa、Ti及びNbとの合計で30原子%含む
場合、濃塩酸中でも十分な耐食性が得られる。NbはT
aに次いで耐食性に有効な元素であって、15原子%以
上含めば、Ti或いはTiとTaとの合計で30原子%
含む場合、濃塩酸中でも十分な耐食性が得られる。
【0012】Ni及びCuは共にTa、Nb、Tiのい
ずれかと適量の割合の合金を構成すれば、アモルファス
構造になり得る。中でもTa及びNbはNiとアモルフ
ァス合金を作り易く、TiはCuとアモルファス合金を
作り易い。従って、本発明の合金のように、Ta及び/
又はNb、Ti、Ni並びにCuを含む4元ないし5元
合金においては、Ni含有量は、Ta含有量、Nb含有
量或いは両者を含む合金ではTa及びNbの総含有量の
0.6〜4倍とする。Cuは、本発明の合金の実質的残
部をなすが、Cu含有量はTiの0.6〜4倍とする。 従って、Ta及び/又はNbとTiとの合計は62.5
原子%以下となる。
【0013】なお、請求項1のアモルファス合金が、5
原子%以下のMo、W、Zrを含んでも本発明の目的に
支障はない。
【0014】請求項2〜4のアモルファス合金において
、前述のTa、Nb、Tiと同様にZrもCuと共存す
るとアモルファス構造を形成する元素であって、スパッ
タリング法等でアモルファス構造を形成するためにはT
a、Nb、Zr、Tiの群から選ばれる1種又は2種以
上を15〜85原子%含む必要がある。このうち、Ta
を含まないTi及び/又はZrとCuとの合金、並びに
、Ti及び/又はZrとNb及びCuとの合金であるC
u−Ti、Cu−Zr、Cu−Ti−Zr、Cu−Nb
−Ti、Cu−Nb−Zr及びCu−Nb−Ti−Zr
合金を除いて、Cu−Nb2元アモルファス合金及びT
aを含む全てのアモルファス合金が、スパッタリング法
でしか作成できないものであるが、請求項2〜4の合金
である。なお、Taを1原子%未満しか含まない合金及
びTaとNbの合計で1原子%未満の合金は、実質的に
Taを含まないTi及び/又はZrとCuとの合金、並
びに、Ti及び/又はZrとNb及びCuとの合金であ
るCu−Ti、Cu−Zr、Cu−Ti−Zr、Cu−
Nb−Ti、Cu−Nb−Zr及びCu−Nb−Ti−
Zr合金と同等と見なされるので、請求項3、4におい
て、Taを1原子%以上含むか或いはTaとNbの合計
で1原子%以上含むこととした。
【0015】なお、Ta、Nb、Zr、Tiはいずれも
非酸化性の酸中で保護皮膜を形成して耐食性を担う元素
であり、Zr、Ti、Nb、Taの順にその作用は増大
するため、その耐食性は異なるが、請求項2〜4の合金
もまた、塩酸中で十分な耐食性を示す。
【0016】請求項2〜4のアモルファス合金が、5原
子%以下のMo及び/又はWを含んでいても、本発明の
目的に支障はない。
【0017】このような本発明のアモルファス合金は、
好ましくはスパッタリング法により作製される。スパッ
タリング法はアモルファス合金を作る一つの方法であっ
て、スパッタリング法によるアモルファス合金の製造は
、作成しようとするアモルファス合金と平均組成が等し
いが単相ではない複数の結晶相からなるターゲットを焼
結や溶融によって作成して用いたり、作成しようとする
アモルファス合金の主成分からなる金属板に合金化しよ
うとする元素を埋め込んで用いたりして行なわれる。
【0018】具体的には、次の通りである。Cu−Ta
或いはCu−Nb合金ターゲットを溶融法などで作成す
ることは困難であるが、Cu板にTa及び/又はNbを
埋め込んだターゲットを用いるスパッタリング法によっ
て、高耐食性を備えたアモルファスCu−Ta、Cu−
Nb及びCu−Ta−Nb合金を得ることができる。こ
の場合、生成するアモルファス合金に場所による不均一
性の発生を避けるために、例えば、第7図及び第8図に
示す如く、スパッター装置チャンバー内で複数のサブス
トレイト12をチャンバーの中心軸の回りに公転させる
と共に(図中、11はサブストレイトの公転軸である。 )、サブストレイト12自体も自転させることが望まし
い。更に、生成するアモルファス合金の組成を広い範囲
で変化させるために、第8図に示す一つのターゲット1
5を用いるものよりも、第7図に示す如く、例えば一つ
のターゲット13はCu板にTa及びNbのいずれか或
いはこの両者を埋め込んだものとし、もう一つのターゲ
ット14はTa及びNbのいずれかとして、これら2つ
のターゲットを互いに傾斜させて2つのターゲットの垂
線の交わる付近にサブストレイトを置くように設置し、
これら2つのターゲットを2つの電源で出力を互いに制
御しながら同時に作動させるのが有利である。
【0019】この方法によって、生成するアモルファス
合金中の合金元素の濃度を自由に変えたり、更にこのバ
リエーションとして、CuにTaやNbと共にTiやZ
rを埋め込んだターゲットを用いるなどいろいろなター
ゲットと方法を組合わせることによって、本発明組成の
アモルファス合金が得られる。2つのターゲットを用い
る方法においては、特にサブストレイトの公転と自転が
、均一なアモルファス合金を作成するために必要である
【0020】スパッタリング法で作成した本発明の組成
の合金は前記各元素が均一に固有した単相のアモルファ
ス合金である。均一固溶体である本発明のアモルファス
合金には、極めて均一で、著しく優れた抗菌性と、高耐
酸化性、耐変色性及び高耐食性を保証する保護皮膜が形
成される。
【0021】本発明の抗菌性を有する高耐酸化耐変色/
高耐食アモルファス合金は、 ■  白せん菌 ■  黄色ぶどう球菌 ■  大腸菌 ■  海洋生物(ふじつぼ等) などの各種のかびやバクテリア等に対して優れた抗菌性
を示し、しかも、耐酸化性、耐食性にも優れることから
、 1)靴の中敷用の抗菌防臭材料 2)海洋生物付着防止材料 3)食中毒防止用の包装材料 4)衣類に発生する臭いの防止材料 等として、極めて有効に使用することができる。
【0022】
【作用】Cuの抗菌性はCuが金属状態のCu0 でも
、またCu2+のイオン状態でも効果的ではなく、Cu
+ のイオン状態において最も発揮されるといわれてい
る。しかしながら、結晶金属のCuの場合、バルク表面
は最初Cu0 からCu+ (Cu2 O)として存在
するが、時間とともに酸化してCu2+(CuO)或い
は別の化合物に変化する。このため、抗菌性が経時的に
失われる。
【0023】これに対して、Cuを含むアモルファス合
金の場合、その表面に形成される不働態皮膜中のCuが
Cu+ として存在することから、優れた抗菌性が得ら
れる。
【0024】この作用効果を本発明のアモルファス合金
をナイロン不織布にスパッタリングによりコーティング
した場合を例示して説明すると、次の通りである。即ち
、スパッタリング直後は第3図に示す如く、不織布1上
にアモルファス合金母相2が形成された状態であるが、
一旦腐食環境におかれると、第1図に示す如く、アモル
ファス合金母相2の表面のCuが優先的に溶解し、耐食
性元素(この場合、主にTa)が母相表面に濃縮して強
固な酸化皮膜、即ち不働態皮膜3(この不働態皮膜はT
a2 O5 やTiO2 よりなる。従って合金元素は
、Ta5+、Ti4+、Cu+ のようなイオン状態で
存在する。)が形成され、耐食性が向上する。或いは、
第2図に示す如く、この不働態皮膜3上に更にCu+ 
イオンを含むCu2 Oの表面層4が形成され、このた
めに抗菌性が発揮される。
【0025】この不働態皮膜3はCuが欠乏することに
なるため、Cu+ イオンはアモルファス合金母相2よ
り不働態皮膜3に供給され、更にこの膜3を通過してC
u+ イオンとして溶解するあるいはCu2Oの酸化物
として存在するものと考えられる。しかして、このCu
+イオンが黄色ぶどう球菌や白せん菌等に対して効果的
に働くこととなる。
【0026】第4図に、本発明に係るアモルファス合金
をコーティングした不織布と結晶金属銅の表面のCuイ
オンの状態を光電子分光分析した結果を示す。試料表面
のCu2P光電子結合エネルギーを測定した結果、アモ
ルファス合金コーティング不織布の場合はAに示すよう
に、Cu2Pはサテライトピークを示さず一価の酸化物
Cu2 O(Cu+ )の状態であることが分かる。一
方、金属銅では、Bに示したように最初金属状態であっ
たCu(Cu0 )は、徐々に酸化が進行し一価の酸化
物(Cu2 O:Cu+ )になり、更に酸化が進むと
Cに示すようにサテライトピークを持つCuO(Cu2
+)に変化する。
【0027】また、表1にはアモルファス合金コーティ
ング不織布の5%食塩水200ml中でのCuイオンの
溶出量をBCOD、吸光分光分析にて測定した結果を示
す。この結果から、アモルファス合金からは相当量のC
uイオンが溶出することが分かる。なお、この試験後も
アモルファス合金コーティング不織布の表面は金属光沢
を保ち、腐食した様子は全く認められなかった。
【0028】
【表1】
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明する。なお、以下において、合金組成を示す数字
の単位は原子%である。
【0030】実施例1 各種Cu−Ti−Ni−Taアモルファス合金について
、30℃に保持した6NのHCl中における分極特性と
、Ta含有量に対する耐食性との関係を調べ結果を第5
図及び第6図に示した。
【0031】第5図及び第6図より次のことが明らかで
ある。耐食性の高い金属として知られるTiと,Cuと
の合金であるCu−Ti合金は、6N  HCl中では
容易に溶解してしまう。一方、この合金にTaを添加し
ていくことによって耐食性は飛躍的に向上し、15原子
%以上のTaを含有するアモルファス合金では自己不働
態化して、第3図に示す如く、厳しい腐食環境下におい
ても全く腐食しないようになる。これらの合金の耐食性
は、合金表面に形成された不働態皮膜の保護作用による
ものであるが、実施例に挙げたCu−34Ti以外のア
モルファスCu合金の不働態皮膜中には、耐食性に優れ
たTaとTiが濃縮し、安定な酸化物となって母合金を
保護していることが確認された。また、Cuはこの皮膜
中ではCu+ として存在し、かつCu+ イオンとし
て溶液中に優先的に溶解していくことも確認された。
【0032】実施例2 下記菌株に対する本発明のアモルファス合金の抗菌性を
下記方法により調べ、結果を表2、表3及び表4に示し
た。 試験菌株 Trichophyton mentagrophte
s IFO  6124(白せん菌) Staphylococcus aureus IFO
 12732(黄色ぶどう球菌) Escherichia coli IFO  330
1(大腸菌)試験方法 ■  菌液の調整 普通ブイヨン培地(35℃)で培養した試験菌をそのま
ま減菌リン酸緩衝液で希釈し、菌数を調整した。ただし
、白せん菌についてはサブロー寒天培地に血液を5%添
加した培地で14日間培養した菌体を0.05%ポリソ
ルベート80溶液に浮遊させ、菌数を調整した。
【0033】■  試験片 試験片を一辺約5cmの正方形に切り取って用いた。な
お用いた試験材料は以下のA〜Dの合金をナイロン不織
布に500Å厚さにコーティングしたものであり、更に
、比較材として下記のE、Fをナイロン不織布に同厚さ
にコーティングしたものと未コーティング不織布を用い
た。 アモルファス合金A=Cu−65Ti−5Taアモルフ
ァス合金B=Cu−50Ta アモルファス合金C=Cu−34Ta アモルファス合金D=Cu−15Ti−5Ta比較材E
=Cu100% 比較材F=ステンレス 比較材G=未コート材 ■  試験操作 試験片に菌液を十分染み込む程度滴下し、25℃で保存
、6時間及び24時間後の生菌数を測定した。 ■  菌数測定 試験片をSCDLP液体培地で洗い出し、この洗い出し
液について標準寒天培地を用いた混釈平板培養法(35
℃、2日間培養)により生菌数を測定し、試験片一枚当
たりの生菌数に換算した。ただし、白せん菌については
GPLP液体培地で洗い出し、ポテトデキストロース寒
天培地を用いた混釈平板培養法(25℃、14日間培養
)により生菌数を測定し、試験片一枚当たりの生菌数に
換算した。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】表2〜表4より明らかなように、本発明に
係るアモルファス合金をコーティングしたものは、いず
れの場合も未コーティング不織布に比べて生菌数が、6
時間後に1/100〜1/1000に減少し、更に24
時間後にはほぼゼロとなり、抗菌効果が確認できた。特
に、表4より、本発明に係るアモルファス合金は、食中
毒の原因の一つに挙げられている大腸菌に対しても、白
せん菌や黄色ぶどう球菌の場合と同様に高い抗菌効果が
認められることが明らかである。
【0038】一方、比較材EのCuはアモルファス合金
と同様の抗菌効果が認められたものの、試験後には膜が
かなり溶解していた。また、比較材Fのステンレスにも
弱い抗菌効果が認められた。
【0039】実施例3 Cu−40Ti−10Taアモルファス合金コーティン
グ不織布(ナイロン)(コーティング厚さ500Å)及
びCuコーティング不織布(ナイロン)(コーティング
厚さは同厚さ)を表5に示す試験環境にてそれぞれ表5
に示す試験期間さらし、表面の状態を調べ、結果を表5
に示した。
【0040】表5より、本発明に係るアモルファス合金
は耐食性、耐酸化、耐変色性に著しく優れることが明ら
かである。
【0041】
【表5】
【0042】実施例4 東京湾に面した市原埠頭に、ふじつぼが発生し易い夏場
の7月18日〜9月4日にわたり、49日間、下記試料
H〜Kをステンレス製ワイヤに直列につないで浸漬し、
海洋生物の付着状況を調査した。引き上げた後の各試料
の表面状態を目視にて調べた結果を表6に示す。 試料 H:アモルファス合金(Cu−40Ti−10Ta)コ
ーティング不織布(ナイロン)(コーティング厚さ50
0Å) I:ステンレスパイプ J:スレート材 K:未コーティング不織布 表6より、本発明に係るアモルファス合金は海洋生物の
付着防止効果にも優れることが明らかである。
【0043】
【表6】
【0044】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の抗菌性を有
する高耐酸化耐変色/高耐食アモルファス合金によれば
、安価なCuを抗菌成分とする各種のカビやバクテリア
、海洋生物等に対して著しく優れた抗菌作用を有し、か
つ、耐酸化性、耐変色性、耐食性に優れ、従って、抗菌
性の長期持続性にも優れるアモルファス合金が提供され
る。本発明の抗菌性を有する高耐酸化耐変色/高耐食ア
モルファス合金は、各種生活用品や建材の雑菌繁殖防止
用途、工業施設の海洋生物付着防止用途等、幅広い分野
において、様々な形態にて有効に使用することが可能で
あり、その工業的有用性は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明のアモルファス合金の腐食環境
における表面状態を示す模式的断面図である。
【図2】第2図は本発明のアモルファス合金の腐食環境
における表面状態を示す模式的断面図である。
【図3】第3図は本発明のアモルファス合金のスパッタ
リング直後の表面状態を示す模式的断面図である。
【図4】第4図は試料表面の光電子分光分析結果を示す
グラフである。
【図5】第5図はアモルファス合金の分極特性を示すグ
ラフである。
【図6】第6図はアモルファス合金のTa含有量と耐食
性との関係を示すグラフである。
【図7】第7図は本発明のアモルファス合金の作製に好
適なスパッター装置の一例を示す概略構成図である。
【図8】第8図は本発明のアモルファス合金の作製に好
適なスパッター装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1  不織布 2  アモルファス合金母相 3  不働態皮膜 4  表面層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  5原子%以上のTa及び/又は15原
    子%以上のNbと、Ti及びNiとを含み、残部が実質
    的にCuからなる合金であって、Ta及び/又はNbと
    Tiとの合計含有量が30〜62.5原子%で、Ni含
    有量がTa及び/又はNb含有量の0.6〜4倍であり
    、かつ、Cu含有量がTi含有量の0.6〜4倍である
    ことを特徴とする抗菌性を有する高耐酸化耐変色/高耐
    食アモルファス合金。
  2. 【請求項2】  Ta及び/又はNbを15〜85原子
    %含み、残部が実質的にCuからなることを特徴とする
    抗菌性を有する高耐酸化耐変色/高耐食アモルファス合
    金。
  3. 【請求項3】  1原子%以上のTaと、Ti及び/又
    はZrとを含み、残部が実質的にCuからなる合金であ
    って、TaとTi及び/又はZrとの合計含有量が15
    〜85原子%であることを特徴とする抗菌性を有する高
    耐酸化耐変色/高耐食アモルファス合金。
  4. 【請求項4】  合計で1原子%以上のTa及びNbと
    、Ti及び/又はZrとを含み、残部が実質的にCuか
    らなる合金であって、Ta及びNbとTi及び/又はZ
    rとの合計含有量が15〜85原子%であることを特徴
    とする抗菌性を有する高耐酸化耐変色/高耐食アモルフ
    ァス合金。
JP12605091A 1990-05-29 1991-05-29 抗菌性を有する高耐酸化耐変色/高耐食アモルファス合金 Pending JPH04228550A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011030538A1 (ja) 2009-09-08 2011-03-17 三井化学株式会社 抗微生物性材料とその製造方法、および抗微生物性資材
CN103484798A (zh) * 2013-09-29 2014-01-01 中国科学院金属研究所 非晶态合金作为抗菌功能材料的应用

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