JPH04228106A - 磁気テープ - Google Patents

磁気テープ

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Publication number
JPH04228106A
JPH04228106A JP9973291A JP9973291A JPH04228106A JP H04228106 A JPH04228106 A JP H04228106A JP 9973291 A JP9973291 A JP 9973291A JP 9973291 A JP9973291 A JP 9973291A JP H04228106 A JPH04228106 A JP H04228106A
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JP
Japan
Prior art keywords
thin film
metal thin
magnetic tape
magnetic
fluorine
Prior art date
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Pending
Application number
JP9973291A
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English (en)
Inventor
Yasuro Nishikawa
西川 康郎
Katsuhiko Meguro
克彦 目黒
Takateru Idekura
隆輝 出蔵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruwa Bussan KK
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Maruwa Bussan KK
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Maruwa Bussan KK, Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Maruwa Bussan KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸着型強磁性金属薄膜を
磁気記録層として備えてなる磁気テープに関し、特に広
範囲の温湿度条件において走行性、耐摩耗性に優れる金
属薄膜型磁気テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より磁気テープとしては、非磁性支
持体上に強磁性粉末の磁性材料を有機高分子結合剤中に
分散せしめたものを塗布し乾燥させる塗布型のものが広
く使用されてきている。近年高密度記録への要求の高ま
りと共に真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティ
ング等のベーパーデポジション法あるいは電気メッキ法
、無電解メッキ等のメッキ法により形成される強磁性金
属薄膜を磁気記録層とする、バインダーを使用しない、
いわゆる金属薄膜型磁気テープが、注目をあびており一
部実用化されている。特に真空蒸着による方法はメッキ
の場合のような廃液処理を必要とせず製造工程も簡単で
膜の析出速度も大きくできるため非常にメリットが大き
い。真空蒸着によって磁気テープに望ましい抗磁力およ
び角型性を有する磁性膜を製造する方法としては米国特
許第3,342,632号、同3,342,633号等
に述べられている斜め蒸着法が知られている。
【0003】更に強磁性金属薄膜からなる磁気テープに
かかわる大きな問題として耐久性、走行性、耐摩耗性が
ある。磁気テープは磁気信号の記録、再生および消去の
過程において磁気ヘッドと高速相対運動のもとにおかれ
るが、その際走行がスムーズにしかも安定に行われねば
ならないし、同時にヘッドとの接触、摩耗もしくは破壊
が起こってはならない。以上のような背景から走行性、
耐久性を向上させる方法として潤滑層や保護層を設ける
ことが検討されてきている。金属薄膜型磁気記録の保護
層としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、脂肪酸、脂
肪酸の金属塩、脂肪酸エステルあるいはアルキル燐酸エ
ステル等を有機溶剤に溶解して塗布したものがある(例
えば特開昭60−69824号公報、特開昭60−85
427号公報参照)。
【0004】また最近では分岐ペルフルオロアルケニル
基を持つ化合物を用いることにより、耐久性を向上する
技術なども開発されている(特開昭61−107528
号公報参照)。ペルフルオロアルキレンポリエーテル系
化合物(CnF2nOの繰り返し単位を持つオリゴマー
、ホモポリマーまたはコポリマー)または部分フッ素化
アルキレンポリエーテルの応用研究も盛んに行われ、米
国特許第3,778,308号では磁性層上にペルフル
オロポリエーテルを与えることが提案されている。特公
昭60−10368号公報では末端変性タイプのペルフ
ルオロポリエーテルの有用性が見いだされている。
【0005】またカーボン保護膜を有するディスク媒体
の潤滑剤として、本発明に記載の分子構造を持つ化合物
を試験した結果が報告された(杉山他、日本潤滑学会第
34回全国大会、B・28;予稿集p425)が、潤滑
層の厚みが高々3.5nmと、磁気テープに応用するに
は少なすぎる領域であったり、ビデオテープ特有のスチ
ル耐久性のデータがなく磁気テープへの応用可能性には
多くの示唆を与えるものではなかった。また20nm厚
みのカーボン保護膜を介しての応用であり、スペシーン
グロスの点からカーボン保護膜を設けるのが困難な磁気
テープとはまったく異なる系であった。米国特許第4,
897,211号公報には、磁気記録層の上にカーボン
保護膜を設け、このカーボン保護膜の上に、ベンゼン環
を含む中心原子団からペルフルオロポリエーテル鎖を2
本結合させた化合物の潤滑層を設けた磁気ディスクが開
示されている。しかしながら、磁気記録層の耐候性に関
して、上記米国特許では磁気記録層の上に設けたカーボ
ン保護膜により十分な耐候性が得られており、カーボン
保護膜の上に設けた潤滑層により磁気記録層の耐候性を
改良するという配慮の必要はなく、従って、磁気記録層
の耐候性を向上させるという目的では前記化合物は選択
されていない。
【0006】ところが、金属薄膜磁性層を磁気記録層と
して備えた磁気テープにおいては、前記したようにスペ
シーングロスの点からカーボン保護膜を設けるのが困難
であり、金属薄膜磁性層の耐候性の改良は大きな問題点
である。即ち、8ミリビデオ等の高密度記録用途の金属
薄膜型媒体にあっては、磁気ヘッドとのスペーシングロ
スによる出力損失が大きな問題となるので、磁性層表面
に形成する潤滑層や保護層は、できる限り薄くすること
が好ましく、なお且つこの薄い膜により強磁性金属薄膜
に耐候性を付与することが要求された。特に、環境条件
が高温度・高湿度の環境下にあっては、金属薄膜が腐食
し易い環境であるので、前述の走行耐久性の問題と共に
、耐候性の向上が強く望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来技術で得られた金
属薄膜型磁気テープの走行性、耐摩耗性は低温度、高湿
度等の苛酷な条件下では不十分であったり、設けた保護
・潤滑層の厚みによるヘッド−テープ間のスペーシング
損失のため電磁変換特性が劣化するなどの問題があり、
金属薄膜型磁気記録の実用化に際してなお改良が望まれ
ている。本発明の目的は、走行性、耐摩耗性、電磁変換
特性に優れた金属薄膜型磁気テープを提供することにあ
る。本発明の別の目的は、走行性、耐摩耗性、電磁変換
特性と共に、耐候性にも優れた金属薄膜型磁気テープを
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは金属薄膜型
磁気テープについて鋭意検討した結果、非磁性支持体上
に磁気記録層として設けられた磁性層の上に下記フッ素
含有ポリアミド化合物を含む層を設けることで、これま
で実現できなかった極めて高い耐久性と、低摩擦が実現
できることを見いだし、本発明をなすに至った。すなわ
ち、前記本発明の目的は、非磁性支持体上に強磁性金属
薄膜を有する金属薄膜型磁気テープにおいて、該強磁性
金属薄膜上に下記一般式(I)で表わされるフッ素含有
ポリアミド化合物を有することを特徴とする金属薄膜型
磁気テープにより達成される。 Q−(NHCO−R)n           ・・・
(I)Qはn価の有機残基を、RはF原子とエーテル結
合を有する一価の基を、nは2以上の整数を表わす。
【0009】前記一般式(I)においてRは、好ましく
は下記一般式(II)で表わされる基である。 −Y−(OZ)m −X            ・・
・(II)XはF、CF3 、C2 F5 、C3 F
7 、OCF3 、OC2 F5 、OC3 F7 、
又はこれらのFのうち一部もしくは全部がH又は塩素原
子で置換されたものを、YはCF2 、C2 F4 、
C3 F6 、又はこれらのFの一部もしくは全部がH
または塩素原子で置換されたものを、ZはC3 F6 
、またはそのFの一部がHまたは塩素原子で置換された
ものを、mは3以上30以下の整数を表わす。
【0010】前記フッ素含有ポリアミド化合物とはトリ
アミノトリアジン、エチレンジアミン、4,4′−スル
ホニルジアニリン(ジアニリノスルホン)、ヘキサメチ
レンジアミン、アミノアニリン等のポリアミン化合物に
、フッ素化されたポリエーテル鎖が置換したフッ素化カ
ルボン酸等のフッ素含有アルキレンポリエーテル鎖をも
つカルボン酸化合物でアシル化した化合物を指す。フッ
素化されたポリエーテルとは例えばペルフルオロオキシ
n−プロピレン重合鎖、ペルフルオロオキシイソプロピ
レン重合鎖及びこれらのフッ素原子のうち一部が水素ま
たは塩素で置換されたものである。ここでいうフッ素含
有ポリアミド化合物としてより好ましいものは下記一般
式(A)、(B)、(C)及び(D)で表わされる化合
物、またはそれらのFの一部をHもしくは塩素原子で置
換したフッ素含有ポリアミド化合物である。
【0011】
【化2】
【0012】式中、mは3〜30の整数を、XはCH又
はNを、φはフェニレンを表わす。
【0013】この潤滑層を設けた金属薄膜型磁気テープ
においては、低温度、高湿度等の厳しい条件下での磁気
ヘッド、ガイドポール等の部材に対する耐摩耗性が著し
く向上するとともに、走行系部材に対する摩擦係数が低
減されるのである。すなわち本発明の前記の目的は、支
持体上に蒸着等の方法により形成された強磁性金属薄膜
の表面に、上記一分子に2個以上のアミノ基をもつ化合
物にアミド結合を介してペルフルオロポリエーテル鎖及
び/又はフルオロポリエーテル鎖が結合した化合物を含
む層を形成することにより達成される。本発明の磁気テ
ープにおいては、一般式(I)で表されるフッ素含有ポ
リアミド化合物を別異の層を介することなく強磁性金属
薄膜の上に直接付与することが望ましい。そのようにす
ることにより前記ポリアミド化合物の強磁性金属薄膜に
対する結合が強固になって、特に高温高湿度下での耐久
性を向上させることができる。また、特に前記一般式(
A)〜(C)に示した3種の化合物は、強磁性薄膜の腐
食の防止に効果があり、特に、使用環境条件が高温度・
高湿度の金属薄膜の腐食にとって過酷な条件で磁気記録
媒体を使用する場合に有効である。
【0014】本発明において使用される化合物は、多価
アミンをフルオロポリエーテル鎖をもつカルボン酸でア
ミド化したものであれば何でもよいが、好ましくは分子
量が1000以上9000以下、更に好ましくは分子量
1000以上4500以下である。また動粘度は50〜
400mm/s(40℃)のものが走行性が優れ、耐摩
耗性も与える。前記一般式(A)、(B)、(C)及び
(D)におけるmの範囲は4〜30が好ましく、さらに
好ましくは4〜15である。以下に、本発明のフッ素含
有ポリアミド化合物の具体例を示すが、本発明はこれら
に限定されない。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】一般式(I)のフッ素含有ポリアミド化合
物の好ましい塗布量としては1.5〜19nm、より好
ましくは2.5〜12nm、特に好ましくは3.5〜6
nmである。塗布量が少なすぎると、本発明の目的を有
効に達成することができず、また多すぎると高温高湿の
条件下で、ヘッドシリンダーやVTRのその他の走行部
品に貼付きを起こしたり、磁気ヘッドの表面を汚したり
する。これは、量が多すぎると強磁性金属薄膜の表面の
アンカーサイト(吸着サイト)が不足して余剰の化合物
が生じる。これが磁気ヘッド表面や他の部材の表面に吸
着したり、また高湿度下では水分を潤滑層内に呼び込ん
だりするためではないかと推定される。
【0019】本発明のフッ素含有ポリアミド化合物で現
れる効果は類似構造のモノアミド化合物では十分現れな
い。すなわち摩擦低減に寄与するフルオロポリエーテル
鎖を2個以上有し、かつアミド結合および骨格となるポ
リアミン部分の磁性層への相互作用が有効に働くためと
考えられる。特に本発明の化合物の潤滑効果は、蒸着磁
性層が少なくとも表面(表面から10nmの領域)にお
いてESCA(X線光電子分光法)又はAES(オージ
ェ電子分光法)で求めた酸素の含有量が20原子%以上
含まれる場合にきわめて強くあらわれる。これは、酸化
された金属磁性薄膜表面に対し、本発明の化合物はその
核となるアミン化合物の部分の配位効果の他、化合物中
に多くの酸素を含むことにより磁性層と強い相互作用を
示すものと考えられる。
【0020】本発明において磁性金属薄膜の表面に設け
る保護・潤滑層には上記の例示にあるフッ素含有ポリア
ミド化合物の1種または2種以上のほか一般の潤滑剤を
混在させてもよい。ほかに混入できる潤滑剤としては、
分子鎖の途中、末端に官能基を有しないフッ素化ポリエ
ーテル、各種フルオロアルキルまたはフルオロアルケニ
ル誘導体、脂肪酸、金属石鹸、脂肪酸アミド、脂肪酸エ
ステル、高級脂肪族アルコール、モノアルキルフォスフ
ェート、ジアルキルフォスフェート、トリアルキルフォ
スフェート、パラフィン類、シリコーンオイル、動植物
油、鉱油、高級脂肪族アミン;グラファイト、シリカ、
二硫化モリブデン、二硫化タングステン等の微粉末;ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレ
ン−塩化ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン
等の樹脂微粉末;α−オレフィン重合物;常温で液体の
不飽和脂肪族炭化水素等が挙げられる。
【0021】本発明において、表面保護・潤滑層を形成
する方法としては、材料を有機溶剤に溶解して基板に塗
布あるいは噴霧したのち乾燥する方法、材料を含浸した
物体を基板に摩擦して塗着させる方法、有機溶剤に材料
を溶解した溶液に基板を浸漬して材料を基板表面に吸着
させる方法、ラングミュアープロジェット法などにより
基板表面に材料の単分子膜を形成する方法等が挙げられ
る。また本発明において、保護・潤滑層の下地金属薄膜
との密着を向上させるために、保護・潤滑層を設ける前
に下地金属薄膜表面をグロー、コロナ、プラズマ等放電
により改質するあるいはフッ素系脂肪酸などの界面活性
剤や各種カップリング剤で改質しておくこともできる。 また保護・潤滑層・磁性層は各々1層でも良いし複数の
層からなっていても良い。
【0022】強磁性金属薄膜としては鉄、コバルト、ニ
ッケルその他の強磁性金属あるいはFe−Co、Fe−
Ni、Co−Ni、Fe−Rh、Co−P、Co−B、
Co−Y、Co−La、Co−Ce、Co−Pt、Co
−Sm、Co−Mn、Co−Cr、Fe−Co−Ni、
Co−Ni−P、Co−Ni−B、Co−Ni−Ag、
Co−Ni−Nd、Co−Ni−Ce、Co−Ni−Z
n、Co−Ni−Cu、Co−Ni−W、Co−Ni−
Re等の強磁性合金を蒸着等の方法により形成せしめた
もので、その膜厚は磁気テープとして使用する場合0.
02〜2μmの範囲であり、特に0.05〜1.0μm
の範囲が望ましい。上記の強磁性金属薄膜は他にO、N
、Cr、Ga、As、Sr、Zr、Nb、Mo、Rh、
Pd、Sn、Sb、Te、Pm、Re、Os、Ir、A
u、Hg、Pb、Bi等を含んでいてもよい。酸素や窒
素を含有させる場合は金属を蒸着しながら酸素ガスや窒
素ガスを導入する方法が一般的である。とくに表面付近
(厚みにして10nm)で酸素含有量が20原子%(A
ESによる)以上を占めるようにするには蒸着時に酸素
ガスを導入することが重要で、蒸着後の酸化処理等によ
っては容易に実現できない。上記の磁性層の表面形状は
特に規定されないが、1乃至100nmの高さの突起を
有している場合特に走行性・耐久性に優れる。
【0023】支持体の厚さは4〜50μmが好ましい。 また強磁性薄膜の密着向上・磁気特性の改良の為に支持
体上に下地層を設けてもよい。本発明に用いられる支持
体としてはポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、
ポリアミド、ポリ塩化ビニル、三酢酸セルロース、ポリ
カーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニ
レンサルファイドのようなプラチックベース、又はアル
ミニュウム、Ti、ステンレス鋼などが用いられる。
【0024】
【実施例】次に本発明の化合物の合成例および実施例を
もって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0025】合成例1 還流冷却器、温度計を備えた攪拌機付500ミリリット
ルの四ッ口フラスコにペルフルオロメチルシクロヘキサ
ン (分子式C7 F14、分子量350、沸点76℃
、密度25℃で1.788g/cm3 、商品名FLU
TEC  PP−2)150ミリリットルに溶解したペ
ルフルオロポリイソプロポキシペルフルオロプロピオン
酸{式:F−〔CF(CF3 )CF2 O〕n −C
F(CF3 )−COOH、n=平均5、平均分子量1
000(核磁気共鳴分析で測定)、密度25℃で1.8
9g/cm3 、粘度38℃で44mm2 /s、強酸
価57mgKOH/g}200g(0.2モル)を加え
、乾燥窒素ガスを封入し、温度0℃〜5℃に冷却保持し
た。この溶液を攪拌しながら、分液ロートを用いてペル
フルオロメチルシクロヘキサン100ミリリットルに溶
解したN,N′−メタンテトラリルビスシクロヘキサン
アミン(分子式C13H22N2 、分子量206.3
)41.5g(0.201モル)を15分間で徐々に全
量を滴下した。滴下後、温度を0℃〜5℃に保ち2時間
攪拌を続けた。さらに、この攪拌されている混合溶液に
分液ロートを用いて、精製されたN,N′−ジメチルホ
ルムアミド(分子式HCON(CH3 )2 、分子量
73、密度25℃で0.944g/cm3 、沸点15
3℃) 25部とペルフルオロメチルシクロヘキサン7
5部の割合で密度25℃で1.58g/cm3 に調整
された溶液100ミリリットルに微粉砕された2,4,
6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン(分子式C3
 H6 N6 、分子量126.1、融点250℃以上
、密度14℃で1.57g/cm3 )8.5g(0.
067モル)を分散させた溶液を30分間で徐々に全量
滴下した。全量滴下後、再び乾燥窒素ガスを封入し、温
度10℃以下で48時間攪拌反応させた。反応後、未反
応のアミン化合物と溶液中で生成した尿素化合物を除去
する目的で1μmのメンブランフィルターで濾過し、9
0℃の温度で低沸点の溶媒を溜去した。この生成物を分
液ロートに移し、溶液中の微量の尿素化合物除去のため
更にメチルアルコール100ミリリットルで5回濾別洗
浄した後、ペルフルオロメチルシクロヘキサン200ミ
リリットルを加え、0.2μmのメンブランフィルター
で濾過し、溶媒および未反応物を120℃(665N/
m2 )の減圧で溜去し、収率82%で淡黄色液状の化
合物を得た。
【0026】この液状化合物の強酸価をJIS  K 
 2501の方法で測定した所、0.3mgKOH/g
であり、粘度は40℃で135mm2 /s(JIS 
 K  2283)、流動点は−15℃(JIS  K
  2269)であった。赤外線スペクトル分析(日本
分光工業(株)製IR810型)の結果、1780cm
−1のカルボン酸の吸収がなくなり、1100〜133
0cm−1にかけてC、F、O結合特有の吸収が見られ
、1680〜1700cm−1と3350cm−1のア
ミドの吸収が現われた。 (株)柳本製作所製YANACO  CHNコーダーM
T−3型で元素分析を実測した所、C22.5%、N2
.8%で理論値としてはC22.39%、N2.77%
で略等しいことから上記生成物は下記式(1)の化合物
であることを示した。
【0027】
【化6】
【0028】合成例2 合成例1と同様に500ミリリットルの四ッ口フラスコ
にペルフルオロメチルシクロヘキサン150ミリリット
ルに溶解したペルフルオロポリイソプロポキシペルフル
オロプロピオン酸{式:F−〔CF(CF3 )CF2
 O〕n −CF(CF3 )−COOH、n=平均1
0、平均分子量1850(核磁気共鳴分析で測定)、強
酸価30mgKOH/g、粘度38℃で90mm2 /
s}200g(0.108モル)を加え、乾燥窒素ガス
を封入し、温度0℃〜5℃に冷却保持した。この溶液を
攪拌しながら、分液ロートを用いてペルフルオロメチル
シクロヘキサン50ミリリットルに溶解したN,N′−
メタンテトラリルビスシクロヘキサンアミン(分子式C
13H22N2 、分子量206.3)22.5g(0
.109モル)を15分間で徐々に全量を滴下した。滴
下後、温度を0℃〜5℃に保ち2時間攪拌を続けた。更
に、この攪拌されている混合溶液に、分液ロートを用い
て、N,N′−ジメチルホルムアミド100ミリリット
ルに2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−ト
リアジン(分子式C9 H9 N5 、分子量187.
2、融点224〜228℃)10.3g(0.055モ
ル)を溶解した溶液を30分間で徐々に全量滴下した。 全量滴下後、再び乾燥窒素ガスを封入し、温度10℃以
下で24時間攪拌反応させた。反応後、溶液中で生成し
た尿素化合物を1μmのメンブランフィルターで濾過し
、低沸点の溶媒を90℃で溜去し、生成物を分液ロート
に移し、未反応のアミン化合物を除去する目的で、N,
N′−ジメチルホルムアミド100ミリリットルで3回
濾別洗浄した。 更に微量の尿素化合物を除去するためにメチルアルコー
ル100ミリリットルで5回濾別洗浄した後、ペルフル
オロメチルシクロヘキサン200ミリリットルを加え、
0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、溶媒およ
び未反応物を134℃〜137℃(133N/m2 )
で溜去し、収率83%で淡褐色液状の化合物を得た。
【0029】合成例1と同様にこの液状化合物の強酸価
をJIS  K  2501の方法で測定した所、強酸
価は0.5mgKOH/gであり、粘度は190mm2
 /s(JIS  K  2283)、流動点は−15
℃(JIS  K2269)であった。赤外線スペクト
ル分析の結果、1780cm−1のカルボン酸の吸収が
なくなり、1100〜1330cm−1にかけてC、F
、O結合特有の吸収が見られ、1680〜1700cm
−1と3350cm−1のアミドの吸収と2850cm
−1、2950cm−1の炭素−水素の振動吸収が現わ
れた。(株)柳本製作所製YANACO  CHNコー
ダーMT−3型で元素分析を実測した所、C24.0%
、N1.9%で理論値としてはC23.69%、N1.
84%で略等しいことから上記生成物は下記式(2)の
化合物であることを示した。
【0030】
【化7】
【0031】合成例3 合成例1と同様に500ミリリットルの四ッ口フラスコ
にペルフルオロメチルシクロヘキサン150ミリリット
ルに溶解したペルフルオロポリイソプロポキシペルフル
オロプロピオン酸{式:F−〔CF(CF3 )CF2
 O〕n −CF(CF3 )−COOH、n=平均5
、平均分子量1000(核磁気共鳴分析で測定)、粘度
38℃で44mm2 /s、強酸価57mgKOH/g
}200g(0.2モル)を加え、乾燥窒素ガスを封入
し、温度0℃〜5℃に冷却保持した。この溶液を攪拌し
ながら分液ロートを用いてペルフルオロメチルシクロヘ
キサン100ミリリットルに溶解したN,N′−メタン
テトラリルビスシクロヘキサンアミン(分子式C13H
22N2 、分子量206.3)41.5g(0.20
1モル)を15分間で徐々に全量を滴下した。滴下後、
温度を0℃〜5℃に保ち2時間攪拌を続けた。さらに、
この撹拌されている混合溶液に分液ロートを用いて、N
,N′−ジメチルホルムアミド100ミリリットルに4
,4′−ジアミノジフェニルスルホン(分子式C12H
12N2 SO2 、分子量248.3、融点176℃
) 25.2g(0.101モル)を溶解した溶液を3
0分間で徐々に全量滴下した。全量滴下後、再び乾燥窒
素ガスを封入し、温度10℃以下で24時間攪拌反応さ
せた。反応後、溶液中で生成した尿素化合物を1μmの
メンブランフィルターで濾過し、低沸点の溶媒を90℃
で溜去し、生成物を分液ロートに移し、未反応のアミン
化合物を除去する目的で、N、N′−ジメチルホルムア
ミド100ミリリットルで3回濾別洗浄した。更に微量
の尿素化合物を除去するためにメチルアルコール100
ミリリットルで5回濾別洗浄した後、ペルフルオロメチ
ルシクロヘキサン200ミリリットルを加え、0.2μ
mのメンブランフイルターで濾過し、溶媒および未反応
物を120℃(665N/m2 )の減圧で溜去し、収
率85%で淡黄色液状の化合物を得た。
【0032】この液状化合物の強酸価をJIS  K 
 2501の方法で測定した所、0.2mgKOH/g
であり、粘度は40℃で90mm2 /s(JIS  
K  2283)、流動点は−17.5℃(JIS  
K  2269)であった。赤外線スペクトル分析の結
果、1780cm−1のカルボン酸の吸収がなくなり、
1100〜1330cm−1にかけてC、F、O結合特
有の吸収が見られ、1680〜1700cm−1と33
50cm−1のアミドの吸収と2850cm−1、29
50cm−1の炭素−水素の振動吸収が現われた。(株
)柳本製作所製YANACO  CHNコーダーMT−
3型で元素分析を実測した所、C26.5%、H0.5
%、N1.3%で理論値としてはC26.18%、H0
.45%、N1.27%で略等しいことから上記生成物
は下記式(3)の化合物であることを示した。
【0033】
【化8】
【0034】実施例 13μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に
コバルト−ニッケル磁性膜(膜厚150nm)を斜め蒸
着し、磁気テープの原反を調製した。蒸発源としては電
子ビーム蒸発源を使用し、これにコバルト−ニッケル合
金(Co:80wt%、Ni:20wt%)をチャージ
し真空度6.7×10−3N/m2 中にて酸素ガスを
導入しつつ入射角が50度となるよう斜め蒸着を行った
。別途、比較例5及び比較例6のサンプルについては、
磁性金属薄膜上にRF(13.5MHz)スパッタ法に
より200Åの厚さのカーボン保護膜を形成した。得ら
れた磁気テープの原反の磁性金属薄膜上に、前記一般式
(A)〜(D)の化合物及び下記一般式(E)〜(H)
の化合物を溶剤としてペルフルオロオクタンを用いて溶
解して塗布、乾燥し、スリットして、調製した磁気テー
プ試料を作成した。なお、第1表のうち、一般式(A)
〜(D)のものについては、一般式のうち、C2 F4
 (テトラフルオロエチレン基)、C3 F6 (ヘキ
サフルオロプロピレン基)はそれぞれイソ体のものを用
いた。また、一般式(B)において、XとしてCHのも
のを用いた。また、第1表において、磁性表面酸素量(
atom%)は、AES(オージェ電子分光法)アルゴ
ンスパッタ方法で測定し、深さ方向分布を表面から10
0Åで積分した値である。
【0035】
【化9】
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】得られた磁気テープの (A)5℃、70%相対湿度および (B)40℃、70%相対湿度 におけるステンレス棒(SUS  420J、粗さJI
S  0.5S)に対する摩擦係数(すなわちμ値、測
定法は下記に示す)および8ミリ型VTRでの繰り返し
走行耐久性、スチル耐久性および再生出力を調べた。ま
た、耐候性も調べた。(摩擦係数の測定)図1において
、T1 =0.196N(20gw)のときにSUSポ
ールの摩擦力に抗して10mm/sでテープを引き、そ
のテンションT2 を実測して、 μ  =  1÷π×(log  T2 /T1 )か
ら摩擦係数μを求めた。 (走行耐久性、スチル耐久性の測定) 繰り返し走行耐久性は、50m長のテープを8ミリ型V
TR(富士写真フイルム(株)製FUJIX−8  M
6型)で繰り返し再生し、走行不安定による画面の乱れ
や摩擦係数の上昇による走行の停止が起こるまでの再生
回数を測定して評価した。スチル耐久性は、同型のVT
R(ただしスチル再生時間を制限する機能を取り去って
ある)で画像再生時にポーズボタンを押し、画像が出な
くなるまでの時間を測定して評価した。 (再生出力) 更に、7MHzの再生出力を評価した。基準テープは実
施例1の磁気テープであり、その再生出力を0dBとし
た。 (耐候性の評価) 磁気テープの試料を60℃、90%RHの環境したに7
日間保存した後、磁気テープの表面を観察した。そして
、表面の変色した部分の面積比率を測定して評価した。 結果を第2表に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】このようにして本発明の特定のフッ素含有
ポリアミド化合物を含む層を磁性層表面に設けてなる金
属薄膜型磁気テープはμ値、繰り返し走行性に優れ、か
つその特徴が高湿から低湿までの広範囲な条件の中で実
現されていることがあきらかである。更に、本発明にお
ける一般式(I)のフッ素含有ポリアミド化合物のうち
、特に一般式(A)〜(C)の化合物は耐候性にも優れ
た金属薄膜型の磁気テープを提供することを可能にした
。これは一般式(I)のQで表される有機残基の極性の
差によるのではないかと推定される。すなわち、一般式
(F)〜(H)の化合物ではQとして芳香族環が用いら
れているが、一般式(A)〜(C)におけるQに比べ、
極性が弱く、それだけ金属薄膜への吸着性が弱いためで
はないかと推定される。
【0042】
【発明の効果】一分子に2個以上のアミノ基をもつ化合
物を、フッ素含有アルキレンポリエーテル鎖をもつカル
ボン酸化合物でアシル化して得た、本発明の化合物を含
む層を表面に設けてなる金属薄膜型磁気テープは比較例
に示すような従来検討されてきた潤滑剤を使ったものに
比べ、著しく優れた温湿度適応性、走行性、耐久性を持
つことが明かである。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩擦係数測定装置の概念図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  非磁性支持体上に強磁性金属薄膜を有
    する金属薄膜型磁気テープにおいて、該強磁性金属薄膜
    上に下記一般式(I)で表わされるフッ素含有ポリアミ
    ド化合物を有することを特徴とする金属薄膜型磁気テー
    プ。 Q−(NHCO−R)n           ・・・
    (I)Qはn価の有機残基を、RはF原子とエーテル結
    合を有する一価の基を、nは2以上の整数を表わす。
  2. 【請求項2】  前記一般式(I)におけるRが、下記
    一般式(II)で表わされる基であることを特徴とする
    請求項1記載の金属薄膜型磁気テープ。 −Y−(OZ)m −X            ・・
    ・(II)XはF、CF3 、C2 F5 、C3 F
    7 、OCF3 、OC2 F5 、OC3 F7 、
    又はこれらのFのうち一部もしくは全部がH又は塩素原
    子で置換されたものを、YはCF2 、C2 F4 、
    C3 F6 、又はこれらのFの一部もしくは全部がH
    または塩素原子で置換されたものを、ZはC3 F6 
    、又はそのFの一部がHまたは塩素原子で置換されたも
    のを、mは3以上30以下の整数を表わす。
  3. 【請求項3】  前記フッ素含有ポリアミド化合物が、
    下記一般式(A)、(B)、(C)及び(D)で表わさ
    れる化合物、またはそれらのFの一部をHもしくは塩素
    原子で置換したフッ素含有ポリアミド化合物の中の少な
    くとも一種であることを特徴とする請求項1記載の金属
    薄膜型磁気テープ。 【化1】 式中、mは3〜30の整数を、XはCH又はNを、φは
    フェニレンを表わす。
  4. 【請求項4】  前記強磁性金属薄膜の表面には酸化物
    を有し、且つ前記フッ素含有ポリアミド化合物の分子量
    が1000乃至9000であることを特徴とする請求項
    1記載の金属薄膜型磁気テープ。
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