JPH0422699B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、印刷機各部の機械的または電気的状
態を集中監視する印刷機の集中管理システムに関
するものである。

従来の印刷機には、自己診断機能がないため、
経時変化等により部品が劣化しても、その劣化度
合をオペレータが検知することは極めて困難であ
る。そのため、印刷品質の低下、ヤレの増加等の
現象のほか、劣化部品の修理交換に多大な時間が
費されることが多い。

本発明の目的は、印刷機を構成する各ユニツト
における機械的、電気的状態を集中監視し、これ
らの経時的変化度合いの迅速かつ的確な把握、更
に、異常状態の診断を通じて、印刷効率および印
刷品質の総合的な向上をはかる印刷機の集中管理
システムを提供することにある。

そのため、本発明では、印刷用紙を装着した給
紙ユニツトと、この給紙ユニツトから印刷用紙を
引き出すインフイードユニツトと、このインフイ
ードユニツトから引き出された印刷用紙に所定の
印刷を施す複数台の印刷部ユニツトと、印刷用紙
にインキを定着させる乾燥ユニツトと、印刷用紙
を冷却する冷却ユニツトと、印刷用紙を折り畳む
折畳みユニツトとからなる印刷機の集中管理シス
テムにおいて、前記給紙ユニツトおよびインフイ
ードユニツトには印刷用紙のテンシヨンを検出す
るテンシヨン検出センサを、前記各印刷部ユニツ
トおよび折畳みユニツトにはそれらユニツトを駆
動するモータの駆動電流値を検出するモータ駆動
電流検出センサとそれらユニツトの軸受温度を検
出する軸受温度検出センサとを、前記乾燥ユニツ
トには印刷用紙の紙面温度を検出する紙面温度検
出センサを、前記冷却ユニツトにはテンシヨン検
出センサと冷却水の温度を検出する冷却水温度検
出センサとをそれぞれ設けるとともに、前記各ユ
ニツトにそれぞれ対応して、その対応するユニツ
トのセンサからのデータを一定時間毎に取込み、
その各データに時間情報を負荷して記憶するとと
もに、これらのデータをデータ送信要求に応答し
て送信するデータ収集装置を設け、これらのデー
タ収集装置に対してデータ送信要求を与えるとと
もに、それに応答して送信されてくるデータを記
憶しかつ出力する中央管理装置を設け、この中央
管理装置は、前記各データ収集装置から送信され
たデータを表示する手段と、予め各センサで検出
される各種データの定格範囲をそれぞれ記憶し、
前記各データ収集装置から送信されたデータが定
格範囲内であるかを判別し、その判別結果が定格
範囲外のときその旨を表示する手段とを有する、
ことを特徴ととしている。

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は本実施例の印刷機本体の構成を示して
いる。同印刷機本体は、印刷用紙Ｐを装着する給
紙ユニツト１、給紙ユニツト１から印刷用紙Ｐを
引き出すインフイードユニツト２、インフイード
ユニツト２により引き出された印刷用紙Ｐに所定
の印刷を施す４台の印刷部ユニツト３〜６、印刷
用紙Ｐにインキを定着させる乾燥ユニツト７、印
刷用紙Ｐを冷却する冷却ユニツト８および折畳み
ユニツト９から構成されている。これらの各ユニ
ツト１〜９には、その各ユニツトの機械的および
電気的状態を検出する検出部１０₁〜１０₉がそれ
ぞれ設けられている。各検出部１０₁〜１０₉に
は、それぞれのユニツトの構造や機能に応じて１
または複数のセンサが設けられている。

例えば、第２図に示す如く、検出部１０₁には
ウエブテンシヨンを検出するテンシヨン検出セン
サ１１が、検出部１０₂にはテンシヨン検出セン
サ１１が、検出部１０₃、１０₄、１０₅、１０₆に
は各ユニツト３〜６に設けられるモータの駆動電
流値を検出するモータ駆動電流検出センサ１２お
よび版胴やブランケツト胴等の軸受各部の温度を
検出する軸受温度検出センサ１３等が、検出部１
０₇には紙面温度検出センサ１４が、検出部１０₈
にはテンシヨン検出センサ１１および冷却水の温
度を検出する冷却水温度検出センサ１５が、検出
部１０₉にはモータ駆動電流検出センサ１２およ
び折胴や咬え胴等の軸受部の温度を検出する軸受
温度検出センサ１３等がそれぞれ設けられてい
る。これらのセンサによつて検出されたデータ
は、各検出部毎に設けられたデータ収集装置２１
_１〜２１₉へ一定時間毎に取込まれた後、伝送ライ
ン２２を通じて中央管理装置２３へ伝送され、そ
の中央管理装置２３から出力される。

前記中央管理装置２３は、第３図に示す如く、
CPU３１にデータバス３２を介してCRT・キー
ボードインターフエイス３３、ROM３４、
RAM３５およびインターフエイス選択部３６が
それぞれ接続されている。前記CRT・キーボー
ドインターフエイス３３には、CRT等の表示装
置３７およびキーボード３８がそれぞれ接続され
ている。また、前記ROM３４には、システム処
理用のプログラムがストアされている。また、前
記RAM３５には、前記各データ収集装置２１₁〜
２１₉から伝送されてきたデータが分類して記憶
されるようになつているとともに、印刷機各部の
定格値が記憶されている。更に、前記インターフ
エイス選択部３６には、前記各データ収集装置２
１₁〜２１₉に伝送ライン２２を介してそれぞれ接
続された伝送用インターフエイス３９₁〜３９₉が
接続されている。

一方、前記各データ収集装置２１₁〜２１₉は、
第４図に示す如く、CPU４１にデータバス４２
を介して伝送用インターフエイス４３、メモリ４
４、タイマ回路４５、制御信号発生回路４６およ
びサンプリング用インターフエイス４７がそれぞ
れ接続されている。前記サンプリング用インター
フエイス４７は、前記センサからのデータを入力
とするバツフア回路４８と、前記制御信号発生回
路４６からのマルチプレクス信号MPによりチヤ
ンネル選択されバツフア４８のデータを送り出す
マルチプレクサ回路４９と、この出力を前記制御
信号発生回路４６からマルチプレクス信号MPと
同期して出力されるＡ／Ｄコンバート信号CSに
よりデジタル信号に変換するＡ／Ｄコンバータ５
０と、このデジタル信号を前記CPU４１へ与え
る入力バスバツフア回路５１とから構成されてい
る。ここで、CPU４１は、前記中央管理装置２
３から一定時間毎にサンプリング指令が与えられ
ると、制御信号発生回路４６を介してトリガ信号
TSをタイマ回路４５へ与え、それをスタートさ
せる。同時に、検出部のセンサーで検出されたデ
ータをバツフア回路４８を通じてマルチプレクサ
回路４９へ入力させた後、一定時間間隔でＡ／Ｄ
コンバータ５０へ入力させ、そのＡ／Ｄコンバー
タ５０でデジタル信号に変換し、入力バスバツフ
ア回路５１を介して取込み、前記タイマ回路４５
からの時刻データを付加してメモリ４４へストア
する。この後、中央管理装置２３からデータ送信
要求が与えられた際、メモリ４４にストアされて
いるデータを中央管理装置２３へ送信する。

次に、本実施例の作用を説明する。まず、中央
管理装置２３から一定時間毎にサンプリング指令
をデータ収集装置２１₁〜２１₉へ順次送信すると
（第５図参照）、各データ収集装置２１₁〜２１₉
は、サンプリング指令を受信した際、制御信号発
生回路４６を介してトリガ信号TSをタイマ回路
４５へ与え、そのタイマ回路４５をスタートさせ
る。すると、そのタイマ回路４５から年、月、
日、時間、分、秒に対応する時刻データがCPU
４１に逐次与えられる。

一方、各検出部１０₁〜１０₉において、各セン
サによつて検出された検出データは、データ収集
装置２１₁〜２１₉のバツフア回路４８を通じてマ
ルチプレクサ回路４９へそれぞれ入力される。こ
の際、マルチプレクサ回路４９へ或時間間隔で与
えられるマルチプレクサ信号MPにより各チヤン
ネルが順次選択され、その選択されたチヤンネル
のデータがＡ／Ｄコンバータ５０へ入力される。
Ａ／Ｄコンバータ５０へ入力されたデータは、マ
ルチプレクサ信号MPと同期したＡ／Ｄコンバー
ト信号CSによりデジタル信号に変換された後、
入力バスバツフア回路５１を通じてCPU４１へ
取込まれる。すると、CPU４１は、サンプリン
グデータにタイマ回路４５から与えられている時
刻データを付加し、それをメモリ４４へストアす
る。このようにして、各検出部１０₁〜１０₉で検
出される各ユニツト毎の各種データは、一定時間
間隔毎にデータ収集装置２１₁〜２１₉のメモリ４
４にそれぞれ記憶される。なお、第６図はマルチ
プレクサ回路４９に16チヤンネルアナログマルチ
プレクサを使用したときのタイマチヤートを示し
ている。

そこで、中央管理装置２３において、一定時間
間隔毎にデータ送信要求を各データ収集装置２１
_１〜２１₉へ送信すると、各データ収集装置２１₁
〜２１₉は、データ送信要求を受信する毎にメモ
リ４４に格納されているサンプリングデータと時
刻データとを一連のデータとして中央管理装置２
３へ送信する。

すると、中央管理装置２３は、各データ収集装
置２１₁〜２１₉から送信されてくるデータを表示
装置３７へ表示するとともに、そのデータが予め
記憶されている定格範囲内であるか否かを判別す
る。この際、定格範囲外と判断された場合には、
その表示データに対応して異常表示がなされる。
そのため、オペレータは、表示装置３７に表示さ
れた異常表示から、どのユニツトのどの箇所が異
常であるかを容易に知ることができる。

従つて、本実施例によれば、印刷機を構成する
各ユニツト１〜９毎に設けられたデータ収集装置
２１₁〜２１₉において、その対応するユニツト各
部の状態を一定時間毎に取込み、そのデータに時
刻データを付加して順次記憶する一方、中央管理
装置２３からのデータ送信要求に対してそれらの
データを送信し、中央管理装置２３において、各
データ収集装置２１₁〜２１₉からのデータを表示
装置３７へ表示するようにしたので、印刷機を構
成する全ユニツト各部の状態を集中的に監視する
ことができる。

また、各データ収集装置２１₁〜２１₉におい
て、各ユニツト各部の状態を取込む毎に、そのデ
ータに年、月、日、時間、分、秒に対応する時刻
データを付加して記憶するとともに、それらのデ
ータをデータ送信要求に応答して中央管理装置２
３へ送信し、中央管理装置２３において、それら
のデータを表示するようにしたので、それらのデ
ータの経時的変化を時間系列で確認でき、各ユニ
ツトにおける機械的、電気的状態の経時的変化度
合いを迅速かつ的確に把握できる。

つまり、各データ毎に時間データが付加されて
いるから、それらのデータの経時的変化を時間系
列で確認でき、例えば、その時間データを基にあ
る特定の時間帯における経時的変化度合いも迅速
かつ的確に把握できる。その結果、各ユニツトの
要素（部品など）の変化を識別して部品の劣化状
況を事前に把握できるから、異常状態に達する前
に修正、調整操作を行うことができる。つまり、
印刷機が停止に到る以前に対策を講ずることがで
きる。よつて、印刷品質の維持向上がはかれると
同時に、印刷機の突然の停止を未然に防いで印刷
効率の向上が期待できる。

更に、中央管理装置２３において、各データ収
集装置２１₁〜２１₉からのデータが定格範囲内か
否かを判別し、定格範囲外の場合に異常表示する
ようにしたので、オペレータにどの部分が異常で
あるかを容易にかつ迅速に知らせることができ
る。この場合、各データ収集装置２１₁〜２１₉に
おいて別々に異常判別を行うものでなく、中央管
理装置２３において集中的にこれらの異常判別を
行うようにしたので、ユニツト１０₁，１０₂，１
０₃で検出されるウエブテンシヨンデータの基準
となる定格範囲、ユニツト１０₃〜１０₆，１０₉
で検出されるモータ駆動電流値および軸受各部の
温度の基準となる定格範囲については、それぞれ
１つの定格範囲を記憶させておくだけで異常判別
を行うことができる。よつて、それらを記憶する
記憶エリアも少なくて済む上、これらの入力操作
も簡略化できる。

なお、実施に当つて、各検出部１０₁〜１０₉に
設けられる各種センサーは、上記実施例で述べた
ものに限られるものでなく、各ユニツト１〜９の
機構や機能からみて比較的重要な部位、更には交
換等に非常な労力を必要とする部位等の状態を検
出する各種のセンサーであつてもよい。

また、上記実施例では、各センサで検出された
サンプリングデータと予め設定された定格値とを
比較して、異常状態の判別を行うようにしたが、
例えば連続する２以上のサンプリングデータの変
化率つまりサンプリング時間間隔に対する変化を
求め、この変化率からメンテナンス警告表示を行
つてもよく、更に複数のサンプリングデータを統
計的に処理して偏差を求め、その偏差を表示する
ようにしてもよい。つまり、サンプリングデータ
をそのまま定格値と比較するだけでなく、例えば
サンプリング時間間隔を含めた各種の演算によつ
てサンプリングデータを処理し、表示するように
してもよい。

また、各センサからのサンプリングデータを全
てメモリ４４へ転送、記憶するようにしたが、サ
ンプリングデータの種類に応じて、例えばサンプ
リング間隔に対して変化の少ないデータの場合に
は、数回おきにメモリ４４への転送を行うように
してもよい。このようにすると、大きな容量のメ
モリ４４を用いなくてもよい利点がある。

更に、表示装置３７としては、上記実施例で述
べたCRTのほかに、例えばプリンタ等であつて
もよい。このほか、中央管理装置２３とデータ収
集装置２１₁〜２１₉とをリング状に結合すれば、
中央管理装置２３の伝送用インターフエイスが１
個ですむため、インターフエイス選択部３６も不
要となり、全体として簡易な構成とすることがで
きる。

以上の通り、本発明によれば、印刷機を構成す
る各ユニツトにおける経時的変化度合いを迅速か
つ的確に把握することができるとともに、異常状
態になつたときその旨を知らせることができ、そ
の結果、印刷品質および印刷効率の向上がはかれ
る印刷機の集中管理システムを提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示すもので、第１図は
印刷機本体の概要を示す図、第２図は全体のブロ
ツク図、第３図は中央管理装置の具体的構成を示
すブロツク図、第４図はデータ収集装置の具体的
構成を示すブロツク図、第５図および第６図はタ
イムチヤートである。 １１〜１５……センサ、２１₁〜２１₉……デー
タ収集装置、２３……中央管理装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 印刷用紙を装着した給紙ユニツトと、この給
   紙ユニツトから印刷用紙を引き出すインフイード
   ユニツトと、このインフイードユニツトから引き
   出された印刷用紙に所定の印刷を施す複数台の印
   刷部ユニツトと、印刷用紙にインキを定着させる
   乾燥ユニツトと、印刷用紙を冷却する冷却ユニツ
   トと、印刷用紙を折り畳む折畳みユニツトとから
   なる印刷機の集中管理システムにおいて、 前記給紙ユニツトおよびインフイードユニツト
   には印刷用紙のテンシヨンを検出するテンシヨン
   検出センサを、前記各印刷部ユニツトおよび折畳
   みユニツトにはそれらユニツトを駆動するモータ
   の駆動電流値を検出するモータ駆動電流検出セン
   サを、前記乾燥ユニツトには温度を検出する温度
   検出センサを、前記冷却ユニツトにはテンシヨン
   検出センサと冷却水の温度を検出する冷却水温度
   検出センサとをそれぞれ設けるとともに、 前記各ユニツトにそれぞれ対応して、その対応
   するユニツトのセンサからのデータを一定時間毎
   に取込み、その各データに時間情報を付加して記
   憶するとともに、これらのデータをデータ送信要
   求に応答して送信するデータ収集装置を設け、 これらのデータ収集装置に対してデータ送信要
   求を与えるとともに、それに応答して送信されて
   くるデータを記憶しかつ出力する中央管理装置を
   設け、 この中央管理装置は、前記各データ収集装置か
   ら送信されたデータを表示する手段と、予め各セ
   ンサで検出される各種データの定格範囲をそれぞ
   れ記憶し、前記各データ収集装置から送信された
   データが定格範囲内であるかを判別し、その判別
   結果が定格範囲外のときその旨を表示する手段と
   を有する、 ことを特徴とする印刷機の集中管理システム。