JPH04224596A - 白金錯体および抗腫瘍剤 - Google Patents

白金錯体および抗腫瘍剤

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JPH04224596A
JPH04224596A JP2405888A JP40588890A JPH04224596A JP H04224596 A JPH04224596 A JP H04224596A JP 2405888 A JP2405888 A JP 2405888A JP 40588890 A JP40588890 A JP 40588890A JP H04224596 A JPH04224596 A JP H04224596A
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JP
Japan
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compound
platinum
complex
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antitumor agent
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Application number
JP2405888A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Sasamori
笹 森  浩 之
Shiro Niitsuma
新 妻  史 朗
Chiyuki Hori
堀   千 之
Kaoru Chiba
千 葉   馨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokko Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の技術分野】本発明は、新規な白金(IV)錯体
および抗腫瘍剤に関し、さらに具体的には新規な白金(
IV)錯体および該化合物を活性成分として含有し、毒
性が低く抗腫瘍効果に優れている抗腫瘍剤に関する。 【0002】 【発明の技術的背景ならびにその問題点】ある種の白金
錯体には、抗腫瘍剤としての作用があることはすでに知
られている。 【0003】このような白金錯体のうちで、シス−ジア
ミン−ジクロロ白金(II)[一般名:シスプラチン(
CDDP)]は優れた制癌効果を有することが既に明か
となり、現在、臨床医療の分野において広く使われてい
る。 【0004】また最近、白金(II)化合物であるカル
ボプラチン(CBDCA)も医療分野で用いられるよう
になった。さらに近年では、cis−trans−ci
s−PtCl2(OH)2(i−PrNH2)2(米国
特許第4,394,319号明細書)、PtCl4(D
ACH)(米国特許第4,550,187号明細書)、
あるいは特開平1−294684号公報に記載されてい
るような下記一般式で示される化合物など各種の白金(
IV)錯体についても研究されている。一般式: 【0005】 【化3】 【0006】(式中、AおよびA’はNH3またはアミ
ノ基からなる群から選ばれ、RおよびR1は水素、炭素
数が1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基
、アルアルキル基、アルキルアミノ基またはアルコキシ
基であり、Xはハロゲン原子、アルキルモノカルボキシ
レートまたはジカルボキシレートである。)ところで、
これまで知られている白金錯体化合物は、通常、毒性、
特に腎臓に対する毒性が強いために継続的に人、動物な
どに投与することが難しく、臨床上このような化合物を
用いて充分な治療効果を挙げることができない。 【0007】たとえば、上記したCDDPは、特に尿路
および生殖器の悪性腫瘍に優れた薬効を示す。すなわち
、尿路などに悪性腫瘍を発現している患者にこのCDD
Pを投与すると、患者を緩解状態にまで回復させること
ができる。しかしながら、CDDPは腎臓毒性が強い。 そのため、このCDDPを臨床で用いる場合には、CD
DPを患者に投与する前あるいは、投与中には、多量の
水を投与するとともに、利尿剤を併用しながら長時間か
けてCDDPを投与することにより、腎臓に対する毒性
を軽減させなければならないという問題点がある。 【0008】また前述したカルボプラチンは、CDDP
に比較して腎臓毒性は著しく低いが、骨髄毒性が高いた
め、臨床では問題となっている。しかしながら、これら
の白金錯体に代わり得るような新規で有用な化合物は、
まだ実用に供されるには至っていない。 【0009】そこで、本発明者らは、より優れた抗腫瘍
活性を有し、しかも毒性の少ない白金錯体を見出すべく
、鋭意研究を行った。その結果、アミン成分としてL−
キシロピラノシドを有する新規な白金(IV)錯体を合
成することに成功した。そして、この白金(IV)錯体
は特にマウス白血病L−1210に対してCDDPと同
等か、もしくはそれ以上の優れた抗腫瘍効果を有し、ま
た、急性毒性および腎臓毒性が極めて低いことなどを見
出すとともに、このような化合物を用いれば上記した問
題点などを一挙に解決し得ることなどを見出し、本発明
を完成させるに至った。 【0010】 【発明の目的】本発明はこのような事情に鑑みてなされ
たものであって、毒性が低く抗腫瘍効果の高い新規な白
金(IV)錯体を提供することを目的としている。 【0011】また、本発明は優れた抗腫瘍活性を有し、
しかも毒性の少ない白金錯体が含まれた抗腫瘍剤を提供
することを目的としている。 【0012】 【発明の概要】すなわち、本発明に係る新規な白金(I
V)錯体は、下記の一般式[I]で表わされる。 【0013】 【化4】 【0014】また、本発明に係る抗腫瘍剤は、上記した
一般式[I]で表わされる白金(IV)錯体(以下、化
合物(I)ともいう。)を活性成分として含有すること
を特徴としている。 【0015】本発明によれば、アミン成分としてL−キ
シロピラノシドを有する新規な白金(IV)錯体が提供
される。この新規な白金(IV)錯体は、たとえば、毒
性が低く抗腫瘍効果の高い抗腫瘍剤として用いられる。 【0016】また本発明に係る抗腫瘍剤は、この白金(
IV)錯体を含んでいるので、特にマウス白血病L−1
210に対してCDDPと同等か、もしくはそれ以上の
優れた抗腫瘍効果を有し、また、急性毒性および腎臓毒
性が極めて低い。 【0017】 【発明の具体的説明】以下、本発明に係る新規な白金(
IV)錯体および抗腫瘍剤について、具体的に説明する
。 【0018】白金(IV)錯体 本発明に係る新規な白金(IV)錯体は、下記の一般式
[I]で表わされる。 【0019】 【化5】 【0020】このような新規な白金(IV)錯体は、た
とえば、抗腫瘍剤としての有用性が高い。この白金(I
V)錯体を抗腫瘍剤として用いれば、毒性は低く、しか
も高い抗腫瘍効果が期待される。 【0021】特に本発明に係る白金(IV)錯体を抗腫
瘍剤等として用いる場合には、上記式[I]において、
Rは低級アルキル基のうちでも炭素数1〜6、さらに好
ましくは炭素数2あるいは3であるアルキル基であるこ
とが好ましい。 【0022】R1およびR2はそれぞれ水素原子あるい
は低級アルキルカルボニル基であるが、低級アルキルカ
ルボニル基のうちでは炭素数1〜6、さらに好ましくは
炭素数1〜4程度のアルキル基を有するアルキルカルボ
ニル基が好ましい。 【0023】なお式[I]において、「〜OR」は、下
記のような2種の異性体のいずれであってもよいことを
意味している。 【0024】 【化6】 【0025】上記した式[I]で表わされる化合物のう
ち、代表的なものを表1および表2に挙げるが、本発明
はこれらの例に限定されるものではない。 【0026】 【表1】 【0027】 【表2】 【0028】新規な白金(IV)錯体の製造方法上述し
た本発明に係る白金(IV)錯体は、それぞれの白金(
IV)錯体に対応する白金(II)錯体を出発原料とし
て、例えば、下記に示した方法(A)あるいは(B)に
より製造することができる。出発原料となる白金(II
)錯体自体は、例えば特開平2−134395号公報に
記載された方法により製造することができる。方法(A
) 【0029】 【化7】 【0030】[白金(II)錯体] 上記式[II]および式[Ia]中、Rは前記式[I]
と同じである。式[II]で示される化合物から、式[
Ia]で示されるようなPt原子に2個のOH基が結合
した化合物を得るには、例えば、式[II]の白金(I
I)錯体を水に懸濁させて、得られた懸濁液に30%の
過酸化水素水10〜100倍モル量を加え、遮光下、0
〜70℃の温度で、30分〜6時間攪拌すればよい。 【0031】上記した方法(A)による、式[Ia]で
示される白金(IV)錯体の製造例を実施例1および実
施例2に示す。方法(B) 【0032】 【化8】 【0033】上記式[Ia]、[Ib]および[Ic]
中、Rは前記式[I]と同じであり、R3は水素原子ま
たは低級アルキル基を示す。式[Ia]で示されるよう
に、−OH基がPt原子に2個結合し、また−OH基が
キシロピラノシド環(酸素原子1個を含む6員環)の2
位の位置に1個結合した化合物から、式[Ib]で示さ
れるようにPt原子に結合している2個の−OH基が酸
または酸無水物などのエステル化剤によりエステル化さ
れて−O−CO−R3になった化合物、あるいは式[I
c]で示されるようなPt原子に結合している2個の−
OH基およびキシロピラノシド環の2位の位置に結合し
た−OH基がエステル化され−O−CO−R3となった
化合物を得るには、例えば、式[Ia]の白金(IV)
錯体を過剰の酸または酸無水物などのエステル化剤中に
入れて固体状の白金(IV)錯体を攪拌下に溶解させて
、遮光下、5〜80℃の温度で、1時間〜4日間攪拌す
ればよい。 【0034】このようにして得られた式[Ib]で示さ
れる化合物と式[Ic]で示される化合物とは、高速液
体クロマトグラフィーにより分離精製することができる
。またこれらの化合物の[Ib]および[Ic]の構造
は、赤外吸収(IR)スペクトルにより確認される。 赤外吸収スペクトルにおいて、たとえば、Pt−O−C
O−R3に由来する吸収ピークは1600〜1630c
m−1に、L−キシロピラノシドの−O−CO−R3に
由来する吸収ピークは1700〜1730cm−1にみ
られる。 【0035】上記方法(B)による、式[Ib]あるい
は式[Ic]で示される白金(IV)錯体の製造例を実
施例3〜6に示す。上述したような本発明に係る白金(
IV)錯体の構造は、元素分析、原子吸光分析、赤外吸
収スペクトル法、二次イオン質量分析法(SIMS)な
どの方法により確認することができる。 【0036】また、得られた化合物の純度は、高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)法および原子吸光分析
法により確認することができる。抗腫瘍剤本発明に係る
抗腫瘍剤には、上記した一般式[I]で表わされる白金
(IV)錯体が薬理活性成分として含まれている。 【0037】このように新規な白金(IV)錯体が含ま
れた本発明に係る抗腫瘍剤は、人または各種動物の悪性
腫瘍に対する抗腫瘍剤として有効に作用する。悪性腫瘍
としては、たとえば睾丸腫瘍、膀胱癌、腎盂癌、尿道腫
瘍、前立腺癌、卵巣癌などが挙げられる。 【0038】抗腫瘍剤の製剤化方法 本発明の抗腫瘍剤を製造するには、従来より公知の方法
を採用することができる。 【0039】たとえば、上記の白金(IV)錯体と、必
要に応じて各種の補助剤(結合剤、崩壊剤、着色剤、香
料等)と、後述するような医薬用担体等とを混合するこ
とにより、本発明に係る抗腫瘍剤を得ることができる。 このような抗腫瘍剤の剤型は特に限定されず、固形製剤
、液状製剤、注射剤、または座剤など種々の剤型とする
ことができる。たとえば、本発明に係る抗腫瘍剤を人、
動物などに経口投与する場合には、錠剤、丸剤、顆粒剤
、散剤、カプセル剤などの固形製剤、または溶液、懸濁
液、乳剤等の液状製剤とすることができる。さらに非経
口投与する場合には、注射剤または座剤とすることがで
きる。 【0040】このような抗腫瘍剤を調製する際には必要
により担体を用いることができ、例えば、丸剤、顆粒剤
、散剤、カプセル剤を調製する際には、乳糖、でんぷん
、デキストリン、白糖、結晶セルロース、カオリン、炭
酸カルシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウムなど
が好ましく用いられる。注射剤を調製する際には、蒸留
水、塩溶液などが好ましく用いられる。具体的には、抗
腫瘍剤を蒸留水に溶解させ、あるいは塩化ナトリウム、
塩化カリウムなどの含有された塩溶液、たとえば生理食
塩水に溶解させればよい。座剤を調製する際には、カカ
オ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチン、マクロゴールな
どが担体として用いられる。 【0041】本発明に係る抗腫瘍剤(製剤)中に含まれ
る、上記した一般式[I]で表わされる白金(IV)錯
体の含有量は、患者の年齢、症状などにより適宜選択す
ることが望ましく、一概に限定されない。 【0042】たとえば、本発明に係る抗腫瘍剤を腫瘍治
療の際に成人に経口投与する場合には、抗腫瘍剤中に含
まれる一般式[I]で表わされる化合物(抗腫瘍剤)の
投与量が、成人の体積1m3当たり、通常、1日当たり
400〜800mgとなるような量で、また非経口投与
する場合には、1日当たり100〜400mgとなるよ
うな量で用いることが好ましい。このような量で抗腫瘍
剤を用いると、副作用を伴うことなく人の悪性腫瘍を緩
解させることができる。 【0043】 【発明の効果】本発明によれば、上述したような新規な
白金(IV)錯体が提供される。本発明に係るこの白金
(IV)錯体を抗腫瘍剤として用いると、次のような効
果がもたらされる。 【0044】まず第1に、マウス白血病(L−1210
)に対して高い抗腫瘍効果を示す。したがって、抗腫瘍
剤、たとえば、睾丸腫瘍、膀胱癌、腎盂癌、尿道腫瘍、
前立腺癌、卵巣癌などに対する抗腫瘍剤として有用であ
る。 【0045】第2に、化学療法係数が大きいので、抗腫
瘍効果を発揮し得る薬剤投与量の幅が広く、安全に使用
することができる。第3に、腎臓毒性がほとんどなく、
副作用の心配がない。 【0046】第4に、人畜に対する急性毒性が低く、安
全である。しかも、本発明に係る抗腫瘍剤を用いた場合
の抗腫瘍効果は、CDDPと同等あるいはそれ以上であ
り、また類似の白金錯体(例:特開平1−294684
号公報記載の白金(IV)化合物)の効果を凌ぐもので
ある。また本発明に係る抗腫瘍剤の副作用は、市販のC
DDPなどよりも少なく、安全性に優れている。 【0047】次に本発明に係る、上記した一般式[I]
で表わされる白金(IV)錯体(以下、化合物(I)と
もいう)、および抗腫瘍剤について、実施例に基づき、
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
何ら制限されるものではない。 【0048】 【実施例】本発明に係る白金(IV)錯体の製造例を実
施例1〜実施例6に示す。 【0049】 【実施例1】PtCl2(OH)2(エチル3,4−ジ
アミノ−3,4−ジデオキシ−L−キシロピラノシド)
(化合物No.1)の製造[方法(A)] PtCl2(エチル3,4−ジアミノ−3,4−ジデオ
キシ−L−キシロピラノシド)[前記した式(II)に
おいてR:エチル基]4.3gを水270mlに懸濁し
、これに30%過酸化水素水77mlを少しずつ添加し
た後、遮光下、60〜70℃で5時間攪拌した。その後
、氷冷して、生じた固体を濾取し、冷水、エタノールお
よびエーテルで洗浄後、減圧下に乾燥して標記化合物3
.9g(収率85%)を得た。  得られた化合物の物
性値を測定した。 m.p.:>250℃ IR:νmax  3450、3095、2900、1
570、1040、540cm−1(KBr錠剤法によ
り測定)SIMS:(M+H)+=477 【0050】 【実施例2】PtCl2(OH)2(n−プロピル3,
4−ジアミノ−3,4−ジデオキシ−L−キシロピラノ
シド)(化合物No.2)の製造[方法(A)]PtC
l2(プロピル3,4−ジアミノ−3,4−ジデオキシ
−L−キシロピラノシド)[前記した式(II)におい
てR:n−プロピル基]3.0gを水225mlに懸濁
し、これに30%過酸化水素水52mlを少しずつ添加
した後、遮光下、60〜70℃で5時間攪拌した。その
後、氷冷して、生じた固体を濾取し、冷水、エタノール
およびエーテルで洗浄後、減圧下に乾燥して標記化合物
2.6g(収率81%)を得た。 【0051】得られた化合物の物性値を測定した。 m.p.:>250℃ IR:νmax  3450、3080、2900、1
565、1040、540cm−1(KBr錠剤法によ
り測定)SIMS:(M+H)+=491 【0052】 【実施例3】PtCl2(O2CH)2(エチル3,4
−ジアミノ−3,4−ジデオキシ−L−キシロピラノシ
ド(化合物No.3)の製造[方法(B)] 実施例1で得られた化合物NO.1の化合物0.7gを
ギ酸10ml中、遮光下、50〜60℃で2時間攪拌し
た。氷冷後、濾過して濾液を濃縮すると生成物が析出し
た。生じた固体をエーテルで洗浄しながら濾別し、乾燥
して粗生成物0.55gを得た。この粗生成物を高速液
体クロマトグラフィー(HPLC)にて分取し、化合物
No.3の化合物0.32g(収率41%)を得た。 【0053】得られた化合物の物性値を測定した。HP
LCの条件を以下に記す。   カラム:μBondasphere 15μ C1
8−100オングストローム            
30mm×30cm (Waters製)  流  速
:40ml/min   溶出液:CH3 CN:H2O(5:95)  高
速液体クロマトグラフ:Waters 600E   
                       Sy
stem Controller  Retentin
  time(min):15.2  m.p.:>2
50℃   IR:νmax  3400、3150、2980
、1620、1220、              
 1130cm−1(KBr錠剤法により測定)  S
IMS:(M+H)+ =533【0054】 【実施例4】PtCl2(O2CCH3)2(エチル2
−アセチル−3,4−ジアミノ−3,4−ジデオキシ−
L−キシロピラノシド(化合物No.4)の製造[方法
(B)]実施例1で得られた化合物No.1の化合物0
.7gを無水酢酸15ml中、遮光下、50〜60℃で
92時間攪拌した。氷冷後、濾過して濾液を濃縮すると
固体が析出した。これをヘキサンで洗浄しながら濾取し
、乾燥して粗生成物0.8gを得た。この粗生成物を実
施例3と同じ条件(ただし、溶出液のみCH3CN:H
2O(20:80)とした。)でHPLC分取し、化合
物No.4の化合物0.23g(収率26%)を得た。 【0055】得られた化合物の物性値を測定した。   Retentin  time(min):15.
9  m.p.:>250℃  IR:νmax  3450、3170、1730、
1620、1280、              1
040cm−1(KBr錠剤法により測定) SIMS
:(M+H)+ =603 【0056】 【実施例5】PtCl2(O2CCH3)2(n−プロ
ピル−3,4−ジアミノ−3,4−ジデオキシ−L−キ
シロピラノシド(化合物No.5)およびPtCl2(
O2CCH3)2(プロピル2−アセチル−3,4−ジ
アミノ−3,4−ジデオキシ−L−キシロピラノシド(
化合物No.6)の製造[方法(B)]実施例2で得ら
れた化合物No.2の化合物2.0gを無水酢酸100
ml中、遮光下、50〜60℃で16時間攪拌した。次
いで氷冷後、過剰の冷水に注ぎ、無水酢酸を分解した。 これを濃縮し、乾燥して粗生成物2.4gを得た。この
粗生成物を実施例4と同じ条件で高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)分取し、化合物No.5の化合物0
.28g(収率12%)と化合物No.6の化合物1.
12g(収率45%)を得た。 【0057】得られた化合物の物性値を測定した。                          
                 化合物No.5 
      化合物No.6  Retentin  
time(min):     11.1      
        32.6  m.p.:      
                         
>250℃           >250℃ IR:
 νmax(KBr錠剤法で測定)       34
00、3120、2930     3400、314
0、2930                   
                    1610、
1280、1030     1730、1610、1
280                      
                 925cm−1 
           1040、930cm−1 S
IMS:(M+H)+               
       575               
 617【0058】 【実施例6】PtCl2(O2CCH2CH2CH3=
)2(n−プロピル−3,4−ジアミノ−3,4−ジデ
オキシ−L−キシロピラノシド(化合物No.7)およ
びPtCl2(O2CCH2CH2CH3)2(n−プ
ロピル2−ブチリル−3,4−ジアミノ−3,4−ジデ
オキシ−L−キシロピラノシド(化合物No.8)の製
造[方法(B)]実施例2で得られた化合物No.2の
化合物2.0gを無水酪酸100ml中、遮光下、60
〜70℃で46時間攪拌することにより均一溶液を得た
。氷冷下、過剰のヘキサンを加え析出した固体を濾別し
、乾燥して粗生成物1.7gを得た。この粗生成物を実
施例3と同じ条件(ただし、溶出液のみCH3CN:H
2O(60:40)とした。)で高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)分取し、化合物No.7の化合物0
.38g(収率15%)を化合物No.8の化合物0.
71g(収率25%)を得た。 【0059】得られた化合物の物性値を測定した。                          
               化合物No.7   
   化合物No.8  Retentin  tim
e(min):     6.4          
     14.5  m.p.:         
                      >25
0℃           >250℃ IR:νma
x (KBr錠剤法で測定)    3400、313
0、2930     3400、3130、2930
                         
              1620、1200、1
030     1730、1620、1200   
                         
           930cm−1       
     1030、930cm−1 SIMS:(M
+H)+                     
 631                701本発
明の抗腫瘍剤の製剤化方法 次に本発明に係る化合物[I]を抗腫瘍剤として使用す
る場合の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に制限
されるものではない。 【0060】 【実施例7】  注射剤 化合物No.7の化合物300mg含有するようにバイ
アルに無菌的に分配し、凍結乾燥して水分を除き、使用
時に生理食塩水を100ml添加して注射剤とした。 【0061】 【実施例8】  錠剤 化合物No.6の化合物50g、乳糖96g、結晶セル
ロース27g、トウモロコシデンプン5g、ステアリン
酸マグネシウム2gの混合物(合計180g)を直接打
錠して、直径8mm、重量180mgの錠剤とした。 【0062】次に、本発明の白金(IV)錯体の抗腫瘍
剤としての作用効果などについて試験を行なった。結果
を次に示す。 【0063】 【試験例1】  マウス白血病(L−1210)に対す
る抗腫瘍性試験 1)平均生存日数、生存率 CDF1マウス(雄、5〜6週令)の腹腔内に癌細胞(
L−1210)を105個移植し、1日後から各薬剤を
1日1回の割合で5日間連続して腹腔内に投与した。 また薬剤無投与群(対照群)は生理食塩水のみを薬剤投
与群と同様に投与した。そして、癌細胞移植後の平均生
存日数を求め、対照群との対比で生存率(T/C×10
0)を算出し、効果を測定した。 【0064】       T:薬剤投与群の死亡に至るまでの日数C
:無投与対照群の死亡にいたるまでの日数結果は表3に
示すとおり、化合物No.1、No.3、No.6およ
びNo.7は対照剤のCDDP(市販品)と同等か、よ
り優れた抗腫瘍効果を示した。 2)化学療法係数 さらに、薬剤無投与群に対して、130%生存率を示し
たときの投与量(T/C×10030:第3表から算出
)と、最大生存率を示した時の最大投与量(T/C×1
00max:第3表を参照)を求め、これから次式によ
り化学療法係数(CI)を算出し、効果の判定を行なっ
た。CI値が大きい程有効である。 【0065】   結果は表4に示すとおり、化合物No.1、No.
6およびNo.7はCDDP(市販品)より大きい値を
示し、有効幅が広いことが判明した。 【0066】 【試験例2】  毒性試験 (1)供与動物 CDF1 系マウス(雄)を用い、一群5匹(4週令)
を使用した。 (2)試験方法 上記マウスの腹腔内に、各化合物およびCDDPを投与
した。注射の溶剤には生理食塩水を用いた。 【0067】投与後14日目まで観察し、LD50 を
求めた。その結果は表5に示すように、各化合物は、C
DDP(市販剤)より毒性が弱いことが判明した。 【0068】 【試験例3】  腎臓毒性試験 CDF1 マウス(雄、5週令)に、抗腫瘍試験(試験
例1)で最大の延命増加率を示した最大投与量(化合物
No.1:25mg/kg,化合物No.6:25mg
/kg,化合物No.7:25mg/kg)の3倍量の
薬剤を、1回腹腔内に投与し、その4日後の血液を採取
して血中尿素窒素濃度(BUN)を求めた。 【0069】また、薬剤投与日の体重と薬剤投与4日後
の体重を測定し、その比率(投与4日後の体重/投与日
の体重=体重比)を求めた。なお、薬剤無投与対照群は
、生理食塩水をマウス1匹当り0.25ml腹腔内に投
与した。その結果を表6に示す。 【0070】表6から明らかなように、本発明の化合物
No.1、No.6およびNo.7は、対照剤のCDD
P(市販品)に比べ、血中のBUN値は極めて低く、生
理食塩水と同等で、腎臓毒性が低いことがわかった。 【0071】                          
       表3  ──────────────
──────────────────────投与薬
剤         投与量    供試    平均
生    延命率    30日生存数       
        (mg/kg/day)  匹数  
  存日数    (T/C%)       /総数
 ────────────────────────
────────────化合物No.1      
 100.0       4      5.0  
      63          0/4    
               50.0      
 4     18.9       236    
      0/4                
   25.0       4    >30.0 
     >375          4/4   
                12.5     
  4    >30.0      >375   
       4/4               
     6.3       4    >30.0
      >375          4/4  
                  3.1    
   4    >30.0      >375  
        4/4              
      1.6       4     11.
9       149          0/4 
                   0.8   
    4      9.8       122 
         0/4─────────────
───────────────────────化合
物No.2        50.0       4
      6.2        78      
    0/4                  
 25.0       4      9.3   
    116          0/4     
              12.5       
4    >30.0      >375     
     4/4                 
   6.3       4    >30.0  
    >375          4/4    
                3.1      
 4     12.1       151    
      0/4                
    1.6       4      9.5 
      119          0/4───
─────────────────────────
────────化合物No.3       100
.0       4      3.9      
  49          0/4        
           50.0       4  
   17.4       217        
  0/4                   2
5.0       4    >30.0     
 >375          4/4       
            12.5       4 
   >30.0      >375       
   4/4                   
 6.3       4    >30.0    
  >375          4/4      
              3.1       4
    >30.0      >375      
    4/4                  
  1.6       4     13.7   
    171          0/4     
               0.8       
4      7.5        94     
     0/4─────────────────
───────────────────化合物No.
4       100.0       4    
  8.8       110          
0/4                   50.
0       4     18.9       
236          0/4         
          25.0       4   
 >30.0      >350         
 4/4                   12
.5       4    >30.0      
>350          4/4        
            6.3       4  
   17.4       218        
  0/4                    
3.1       4      9.8     
  122          0/4───────
─────────────────────────
────化合物No.5       100.0  
     4      6.6        83
          0/4            
       50.0       4     1
1.5       144          0/
4                   25.0 
      4     21.0       26
3          0/4           
        12.5       4    >
30.0      >350          4
/4                    6.3
       4    >30.0      >3
50          4/4          
          3.1       4    
>30.0      >350          
4/4                    1.
6       4     22.2       
278          0/4         
           0.8       4   
  11.4       142         
 0/4                    0
.4       4      8.9      
 111          0/4        
 ────────────────────────
────────────化合物No.6      
 100.0       4      5.0  
      63          0/4    
               50.0      
 4     18.1       226    
      0/4                
   25.0       4    >30.0 
     >375          4/4   
                12.5     
  4    >30.0      >375   
       4/4               
     6.3       4    >30.0
      >375          4/4  
                  3.1    
   4    >30.0      >375  
        4/4              
      1.6       4     20.
1       251          0/4 
                   0.8   
    4      8.6       107 
         0/4─────────────
───────────────────────化合
物No.7       100.0       4
      2.1        26      
    0/4                  
 50.0       4      7.2   
     90          0/4     
              25.0       
4    >30.0      >375     
     4/4                 
  12.5       4    >30.0  
    >375          4/4    
                6.3      
 4    >30.0      >375    
      4/4                
    3.1       4    >30.0 
     >375          4/4   
                 1.6     
  4     13.4       167   
       0/4               
     0.8       4      9.6
       120          0/4──
─────────────────────────
─────────化合物No.8        2
5.0       4      7.2     
   90          0/4       
            12.5       4 
    12.3       154       
   0/4                   
 6.3       4     14.1    
   176          0/4      
              3.1       4
     10.2       128      
    0/4──────────────────
──────────────────CDDP   
        10.0       4     
 6.8        85          0
/4(対照剤)          5.0     
  4    >30.0      >375   
       4/4               
     2.5       4    >30.0
      >375          4/4  
                  1.3    
   4    >30.0      >375  
        4/4              
      0.63      4    >30.
0      >375          4/4 
                   0.31  
    4     13.0       163 
         0/4             
       0.16      4      9
.0       112          0/4
─────────────────────────
───────────【0072】                          
       表4 ───────────────
─────────────────────被験薬剤
        T/C×10030       T
/C×100max      化学療法係数    
            (mg/kg/day)  
    (mg/kg/day)          
 CI──────────────────────
──────────────化合物No.1    
    0.96            25.0 
              26.0化合物No.2
        1.9             1
2.5                6.6化合物
No.3        1.1          
   25.0               22.
7化合物No.4        3.3      
       25.0              
  7.6化合物No.5        0.49 
           12.5          
     25.5化合物No.6        0
.42            25.0      
         59.5化合物No.7     
   0.42            25.0  
             59.5化合物No.8 
       3.3              6
.3                1.9CDDP
(対照薬剤)    0.20           
  5.0               25.0─
─────────────────────────
──────────【0073】                          
       表5                
 ─────────────────────   
                         
    投与薬剤              LD5
0(mg/kg)                ─
────────────────────     
                         
  化合物No.1              12
5                  化合物No.
2               73       
           化合物No.3       
       100               
   化合物No.4              2
25                  化合物No
.5              185      
            化合物No.6      
        118              
    化合物No.7              
 71                  化合物N
o.8               48     
             CDDP(対照薬剤)  
          20             
   ───────────────────── 
             【0074】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] 【化1】 [式[I]中、Rは低級アルキル基であり、R1および
    R2はそれぞれ水素原子または低級アルキルカルボニル
    基である。]で表わされる白金(IV)錯体。
  2. 【請求項2】一般式[I] 【化2】 [式[I]中、Rは低級アルキル基であり、R1および
    R2はそれぞれ水素原子または低級アルキルカルボニル
    基である。]で表わされる白金(IV)錯体を活性成分
    として含有することを特徴とする抗腫瘍剤。
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