JPH04214207A - 多層磁気抵抗効果膜およびこれを用いた磁気抵抗効果素子 - Google Patents

多層磁気抵抗効果膜およびこれを用いた磁気抵抗効果素子

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JPH04214207A
JPH04214207A JP40102790A JP40102790A JPH04214207A JP H04214207 A JPH04214207 A JP H04214207A JP 40102790 A JP40102790 A JP 40102790A JP 40102790 A JP40102790 A JP 40102790A JP H04214207 A JPH04214207 A JP H04214207A
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JP
Japan
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magnetic
multilayer
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magnetic layer
film
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JP40102790A
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English (en)
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Ryoichi Nakatani
亮一 中谷
Masahiro Kitada
北田 正弘
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高い磁気抵抗効果を有す
る多層磁性膜に関し、特に磁気ディスク装置などに用い
る再生用磁気ヘッドにおける多層磁気抵抗効果膜、磁気
抵抗効果素子に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の高密度化に伴い、再生用磁気
ヘッドに用いる磁気抵抗効果材料として、高い磁気抵抗
効果を示す材料が求められている。現在、使用されてい
るパ−マロイの磁気抵抗変化率は約3%であり、新材料
はこれを上回る磁気抵抗変化率を有することが必要であ
る。
【0003】最近、新庄らによる、ジャ−ナル・オブ・
ザ・フィジカル・ソサイエティ−・オブ・ジャパン(J
ournal of The Physical So
ciety of Japan)、第59巻、第9号、
3061〜3064ペ−ジに記載の「磁界誘導した巨大
フェリ磁性多層膜の大きい磁気抵抗効果(Large 
Magnetoresistance of Fiel
d−Induced Giant Ferrimagn
etic Multilayers)」のように、多層
構造を持つ磁性膜(Co/Cu/Ni−Fe/Co多層
膜)において、9.9%の磁気抵抗変化率が観測されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記多層構造
を持つ磁性膜では、電気抵抗の変化に要する磁界が50
Oe程度と大きく、磁気ヘッドなどの微弱な磁界を検出
するセンサに用いるには、磁界感度の点で問題がある。
【0005】本発明の目的は、上述の多層磁気抵抗効果
膜の問題を解決し、さらに、多層磁気抵抗効果膜の磁気
ヘッド適用に関する種々の問題の解決方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々の材
料および膜厚を有する磁性層、非磁性層を積層した多層
磁性膜について鋭意研究を重ねた結果、構成材料の種類
、膜厚などにより、磁気抵抗効果の大きさが異なること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、磁性層と非磁性層を積層した多
層膜において、保磁力あるいは異方性磁界の異なる2種
以上の磁性層を有することにより、磁気抵抗効果が観測
されるが、上記磁性層として、NiあるいはNi系合金
を用いることにより、比較的高い磁気抵抗効果を示す多
層磁気抵抗効果膜が得られる。また、上記、Ni系合金
をNi−Cu,Ni−Ag,Ni−Au,Ni−Fe−
Cu,Ni−Fe−Ag,Ni−Fe−Au系合金とす
ると、さらに高い磁気抵抗効果を得ることができる。ま
た、上記磁性層の一部にCo系非晶質合金を用いると、
低磁界印加で、磁気抵抗効果を示す多層磁気抵抗効果膜
が得られる。また、上記磁性層の一部に、永久磁石を用
いると、磁化過程が準可逆的になり、磁界センサとして
好ましい特性が得られる。また、上記永久磁石の保磁力
は、磁気ヘッドに印加される磁界を考えると、100O
e以上が好ましい。また、上記永久磁石は、磁気抵抗効
果素子の使用前に着磁しておくと、準可逆的磁化過程の
実現には好ましい。また、上記磁性層と非磁性層の界面
の少なくとも一部において、エピタキシャル成長を生じ
させることにより、さらに高い磁気抵抗効果が得られる
。また、エピタキシャル成長を生じさせるためには、磁
性層と非磁性層の格子定数の差が、磁性層の格子定数を
基準として、5%以下であることが重要である。また、
上記非磁性層の膜厚が4〜10nmの時に高い磁気抵抗
効果が得られる。また、上記磁性層の膜厚が2〜10n
mの時に高い磁気抵抗効果が得られる。また、上記磁性
層の保磁力が異なるとき、比較的高保磁力の磁性層の磁
化容易方向と比較的低保磁力の磁性層の磁化容易方向と
のなす角度を75〜90度とすることにより、高周波特
性の優れた多層磁気抵抗効果膜が得られる。また、上記
磁性層の異方性磁界が異なるとき、比較的高異方性磁界
の磁性層の磁化容易方向と比較的低異方性磁界の磁性層
の磁化容易方向とのなす角度を75〜90度とすること
により、高周波特性の優れた多層磁気抵抗効果膜が得ら
れる。また、上記多層磁気抵抗効果膜を用いると、優れ
た特性の磁気抵抗効果素子が得られる。また、上記磁気
抵抗効果素子にバイアス磁界を印加することにより、感
度の高い磁界領域で磁界方向の正負を判断できる磁気抵
抗効果素子が得られる。また、このバイアスに関する技
術は、強磁性トンネル素子にも適用できる。また、上記
磁気抵抗効果素子は、非可逆的磁化過程を示す場合があ
り、このような場合には、磁気抵抗効果素子に外部から
磁界を印加する機構を加え、磁気抵抗効果素子をイニシ
ャライズすると良い。また、上記磁気抵抗効果素子を磁
気ヘッドに用いると、優れた特性の磁気ヘッドが得られ
る。また、上記磁気ヘッドにおける、比較的低保磁力、
低異方性磁界の磁性層の磁化困難方向を磁気記録媒体面
の垂直方向に合わせることにより、高周波特性の優れた
磁気ヘッドが得られる。
【0008】
【作用】上述のように、磁性層と非磁性層を積層した多
層膜において、保磁力あるいは異方性磁界の異なる2種
以上の磁性層を有することにより、磁気抵抗効果が観測
されるが、上記磁性層として、NiあるいはNi系合金
を用いることにより、比較的高い磁気抵抗効果を示す多
層磁気抵抗効果膜が得られる。また、上記、Ni系合金
をNi−Cu,Ni−Ag,Ni−Au,Ni−Fe−
Cu,Ni−Fe−Ag,Ni−Fe−Au系合金とす
ると、さらに高い磁気抵抗効果を得ることができる。ま
た、上記磁性層の一部にCo系非晶質合金を用いると、
低磁界印加で、磁気抵抗効果を示す多層磁気抵抗効果膜
が得られる。また、上記磁性層の一部に、永久磁石を用
いると、磁化過程が準可逆的になり、磁界センサとして
好ましい特性が得られる。また、上記永久磁石の保磁力
は、磁気ヘッドに印加される磁界を考えると、100O
e以上が好ましい。また、上記永久磁石は、磁気抵抗効
果素子の使用前に着磁しておくと、準可逆的磁化過程の
実現には好ましい。また、上記磁性層と非磁性層の界面
の少なくとも一部において、エピタキシャル成長を生じ
させることにより、さらに高い磁気抵抗効果が得られる
。また、上エピタキシャル成長を生じさせるためには、
磁性層と非磁性層の格子定数の差が、磁性層の格子定数
を基準として、5%以下であることが重要である。 また、上記非磁性層の膜厚が4〜10nmの時に高い磁
気抵抗効果が得られる。また、上記磁性層の膜厚が2〜
10nmの時に高い磁気抵抗効果が得られる。また、上
記磁性層の保磁力が異なるとき、比較的高保磁力の磁性
層の磁化容易方向と比較的低保磁力の磁性層の磁化容易
方向とのなす角度を75〜90度とすることにより、高
周波特性の優れた多層磁気抵抗効果膜が得られる。また
、上記磁性層の異方性磁界が異なるとき、比較的高異方
性磁界の磁性層の磁化容易方向と比較的低異方性磁界の
磁性層の磁化容易方向とのなす角度を75〜90度とす
ることにより、高周波特性の優れた多層磁気抵抗効果膜
が得られる。また、上記多層磁気抵抗効果膜を用いると
、優れた特性の磁気抵抗効果素子が得られる。また、上
記磁気抵抗効果素子にバイアス磁界を印加することによ
り、感度の高い磁界領域で磁界方向の正負を判断できる
磁気抵抗効果素子が得られる。また、このバイアスに関
する技術は、強磁性トンネル素子にも適用できる。また
、上記磁気抵抗効果素子は、非可逆的磁化過程を示す場
合があり、このような場合には、磁気抵抗効果素子に外
部から磁界を印加する機構を加え、磁気抵抗効果素子を
イニシャライズすると良い。また、上記磁気抵抗効果素
子を磁気ヘッドに用いると、優れた特性の磁気ヘッドが
得られる。また、上記磁気ヘッドにおける、比較的低保
磁力、低異方性磁界の磁性層の磁化困難方向を磁気記録
媒体面の垂直方向に合わせることにより、高周波特性の
優れた磁気ヘッドが得られる。
【0009】
【実施例】以下に本発明の一実施例を挙げ、図表を参照
しながらさらに具体的に説明する。
【0010】(実施例1) 多層磁気抵抗効果膜の作製には真空蒸着法を用いた。到
達真空度は、1/108Pa、膜形成速度は、0.2〜
0.6nm/sである。膜形成時には、膜面と平行に2
50Oeの磁界を印加した。基板にはコ−ニング社製7
059ガラスを用いた。形成した多層磁気抵抗効果膜の
断面構造を図1に示す。この図において、磁性層11と
磁性層12は保磁力が異なる。
【0011】本実施例では、まず、従来例として、新庄
らによる、ジャ−ナル・オブ・ザ・フィジカル・ソサイ
エティ−・オブ・ジャパン(Journal of T
he Physical Society of Ja
pan)、第59巻、第9号、3061〜3064ペ−
ジに記載の「磁界誘導した巨大フェリ磁性多層膜の大き
い磁気抵抗効果(Large Magnetoresi
stance of Field−Induced G
iant Ferrimagnetic Multil
ayers)」の中で論じられていると同様の多層膜、
Co(3nm)/Cu(5nm)/Ni−Fe(3nm
)/Cu(5nm)を10周期積層した。すなわち、磁
性層11としてCo、磁性層12としてNi−Fe系合
金、非磁性層13としてCuを用いた。また、本発明と
して、Ni−Pt(3nm)/Cu(5nm)/Ni−
Fe(3nm)/Cu(5nm)を10周期積層した多
層膜を形成した。すなわち、磁性層11としてNi−P
t系合金、磁性層12としてNi−Fe系合金、非磁性
層13としてCuを用いた。 Ni−Fe系合金におけるFe濃度は20at%、Ni
−Pt系合金におけるPt濃度は18at%である。
【0012】従来例の試料および本発明の試料の磁気抵
抗効果の測定結果を図2に示す。従来例の多層膜の磁気
抵抗効果21の磁気抵抗変化率は5.0%であった。こ
の値は、上記文献での値よりも小さいが、これは、文献
では、多層膜を15周期積層しているのに対し、本実施
例では10周期しか積層していないこと、文献では、最
大3000Oeの磁界を印加して測定しているのに対し
、本実施例では、100Oeしか印加していないことな
どがあげられる。しかし、5%の磁気抵抗変化率は、現
在の実用材料であるパ−マロイの3%よりも大きい。
【0013】上記のような多層膜では、以下に述べるよ
うな機構で磁気抵抗効果が生じる。多層磁気抵抗効果膜
は、図1のように、保磁力の異なる2種の磁性層を有す
る。まず、2種の磁性層の保磁力よりも高い磁界を負の
方向に印加すると、磁性層は2種とも磁気飽和する。こ
の状態を図3(a)に示す。この時、磁性層11の磁化
31と磁性層12の磁化32は同じ向きである。この状
態では、例えば、磁性層11に存在する電子は、非磁性
層13を通過し、磁性層12に入射する時、あまり散乱
されず、従って電気抵抗が低い。また、磁性層12に存
在する電子は、非磁性層13を通過し、磁性層11に入
射する時も同様である。この状態から、磁界を零にし、
さらに正の向きに印加すると、磁性層12の磁化32は
磁性層12の保磁力で磁化反転し、磁界の向きに向く。 しかし、図3(b)のように、磁性層11の磁化31は
、磁界が磁性層11の保磁力よりも低いために磁化反転
せず、以前、元の向きを保っている。従って、磁性層1
1の磁化の向き31と磁性層12の磁化の向き32は反
平行である。この状態では、例えば、磁性層11に存在
する電子は、非磁性層13を通過し、磁性層12に入射
する時、散乱され、従って電気抵抗が高い。また、磁性
層12に存在する電子は、非磁性層13を通過し、磁性
層11に入射する時も同様である。さらに磁界が高くな
り、磁性層11の保磁力よりも高くなると、磁性層11
の磁化の向き31は反転し、磁性層12の磁化の向き3
2と平行になり、再び、電気抵抗が減少する。
【0014】本発明の多層膜の磁気抵抗効果22も、上
記と同様の現象で生じると考えられる。しかし、本発明
の多層膜の磁気抵抗効果22は従来例の多層膜の磁気抵
抗効果21よりも大きい。これは、本発明の多層磁気抵
抗効果膜の磁性層が、Ni系合金を用いているため、磁
性層のフェルミ面でのバンド分極がCoを用いた時より
も大きく、磁化の向きが反平行の時の散乱確率が大きい
ためと思われる。また、後に述べるように、Ni系合金
とCuは、共に面心立方構造であり、格子定数も1.8
%程度の違いしかない。このため、磁性層と非磁性層の
界面でエピタキシャル成長が起こり、磁性層に欠陥が生
じにくく、欠陥による電子の散乱も生じにくいことも、
高磁気抵抗効果発現の原因のひとつであると思われる。 この現象から、磁性層としてCoあるいはCo系合金、
非磁性層としてCuを用いる場合、Co層の膜厚を比較
的薄くして、強制的にエピタキシャル成長を起こし、面
心立方構造としてしまう方法も考えられ、実際に、この
ような、多層磁気抵抗効果膜で、5.5%の磁気抵抗変
化率が得られている。
【0015】なお、真空蒸着法以外の方法を用いても、
同様の膜構造が形成できれば、本実施例と同様の結果を
得ることができる。
【0016】また、上記の実施例では、保磁力の異なる
磁性層を用いた多層磁気抵抗効果膜について述べたが、
異方性磁界の異なる磁性層を用いた場合も同様の効果が
ある。  また、上記以外の材料でも、Ni系合金であ
れば、上記と同様の効果がある。
【0017】(実施例2) 実施例1と同様の方法で、多層磁気抵抗効果膜を形成し
た。図1における、磁性層11としては、膜厚3nmの
Ni−18at%Pt、磁性層12としては、膜厚3n
mのNi,Ni−Fe,Ni−Cu,Ni−Ag,Ni
−Au,Ni−Fe−Cu,Ni−Fe−Ag,Ni−
Fe−Au系合金から選ばれる合金層を用い、非磁性層
13としては、膜厚5nmのCuを用いた。
【0018】磁性層12の材料による磁気抵抗効果の変
化を表1に示す。Ni−Cu,Ni−Ag,Ni−Au
系合金におけるCu,Ag,Auの濃度は約5at%で
ある。また、Ni−Fe,Ni−Fe−Cu,Ni−F
e−Ag,Ni−Fe−Au系合金におけるFeの濃度
は20at%、Cu,Ag,Auの濃度は約5at%で
ある。この表の様に、Ni−Fe系合金を用いるよりも
、Ni−Fe系合金にCu,Ag,Auを添加した合金
を用いる方が高い磁気抵抗効果が得られる。また、Ni
を用いるよりも、NiにCu,Ag,Auを添加した合
金を用いる方が高い磁気抵抗効果が得られる。これは、
Cu,Ag,Auを添加することにより、これらの元素
に電子がNiに供給され、Niのマジョリティバンドを
埋め、バンド分極がさらに大きくなったためと思われる
【0019】なお、真空蒸着法以外の方法を用いても、
同様の膜構造が形成できれば、本実施例と同様の結果を
得ることができる。
【0020】また、上記の実施例では、保磁力の異なる
磁性層を用いた多層磁気抵抗効果膜について述べたが、
異方性磁界の異なる磁性層を用いた場合も同様の効果が
ある。
【0021】
【表1】
【0022】(実施例3) 実施例1と同様の方法で、多層磁気抵抗効果膜を形成し
た。図1における、磁性層11としては、膜厚3nmの
Co、磁性層12としては、膜厚3nmのCo系非晶質
合金を用い、非磁性層13としては、膜厚5nmのCu
を用いた。また、比較例として、磁性層12にNi−2
0at%Fe合金を用いた多層磁気抵抗効果膜も形成し
た。磁性層12の材料の保磁力および材料による抵抗が
最大になる磁界Hpの変化を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】この表のように、多層膜におけるNi−2
0at%Fe合金層の保磁力は5.1Oeである。これ
に対し、Co系非晶質合金層の保磁力は、1.6〜2.
5Oeと低い。Ni−Fe系合金層のような結晶質合金
層は、平滑でない層の上に形成した場合、結晶性が劣化
するために軟磁気特性が劣化することが多い。しかし、
Co系非晶質合金層は、結晶構造を持たないために、平
滑でない層の上に形成した場合においても良好な軟磁気
特性が得られやすい。また、磁界中蒸着による磁気異方
性も付きやすい。このため、本実施例のような、多層磁
気抵抗効果膜においても、Co系非晶質合金層は、比較
的保磁力が低いものと考えられる。
【0025】また、Ni−20at%Fe合金層を用い
た場合は、抵抗が最大になる磁界Hpは38Oeである
。これに対し、Co系非晶質合金層を用いた場合は、1
5〜23Oeと低くなる。これは、Co系非晶質合金層
を用いた場合の方が、Ni−Fe系合金層を用いた場合
よりも、その層の保磁力が低いためである。
【0026】以上述べたように、磁性層の少なくとも一
部にCo系非晶質合金を用いると、比較的低い磁界で磁
気抵抗効果を示す多層膜が得られる。磁気ヘッドなどの
磁界センサに用いる場合は、低印加磁界で磁気抵抗効果
を示すことが好ましい。
【0027】なお、真空蒸着法以外の方法を用いても、
同様の膜構造が形成できれば、本実施例と同様の結果を
得ることができる。
【0028】また、上記の実施例では、保磁力の異なる
磁性層を用いた多層磁気抵抗効果膜について述べたが、
異方性磁界の異なる磁性層を用いた場合も同様の効果が
ある。  また、磁性層の少なくとも一部にCo系非晶
質合金を用いることにより、表2に示した以外の多層膜
においても、上記と同様の効果がある。
【0029】(実施例4) 実施例1と同様の方法で、多層磁気抵抗効果膜を形成し
た。図1における、磁性層11としては、膜厚3nmの
Co−20at%Pt、磁性層12としては、膜厚3n
mのNi−20at%Fe合金を用い、非磁性層13と
しては、膜厚5nmのCuを用いた。磁気抵抗効果の測
定前に、多層磁気抵抗効果膜の磁化容易方向に10kO
eの磁界を印加し、その後、磁界を取り除いた。
【0030】磁気抵抗効果の測定結果を図4に示す。こ
の図のように、実施例1での結果(図2)とは大きく異
なるグラフになる。これは、本実施例の磁性層11が保
磁力800Oeを示す永久磁石であり、測定時に100
Oe程度の磁界を印加しても磁化反転しないためである
。電気抵抗の変化量は、Ni−Fe系合金層の磁化変化
量に依存するため、抵抗変化曲線はNi−Fe系合金層
の磁化曲線に似た形になる。
【0031】図2のような抵抗変化曲線を示す多層膜で
は、一度、抵抗が最大になる磁界を大きく超えると、逆
の向きの大きな磁界を印加しなくては抵抗が変化しない
。磁界センサとしては、同じ磁界の大きさでは同じ抵抗
を示すことが必要である。従って、図2のような抵抗変
化を示す多層膜を、そのまま、センサに用いることはで
きない。
【0032】これに対し、本実施例の多層磁気抵抗効果
膜は、図4のような準可逆的な抵抗変化を示すため磁界
センサとして用いることができる。また、保磁力あるい
は異方性磁界が低い磁性層12の磁化困難方向に磁界を
印加すれば、磁性層12の磁化過程は、ヒステリシスを
示さなくなり、従って、完全に可逆的な抵抗変化を示す
ようになる。このことから、多層磁気抵抗効果膜を磁界
センサに用いる場合は、少なくとも一部の磁性層に永久
磁石を用い、上記永久磁石を着磁することが好ましい。 また、軟磁性層の磁化困難方向に外部磁界がかかるよう
に磁界センサを用いることは、磁界センサとして、さら
に好ましい。
【0033】また、磁気ヘッドに入射する磁界の大きさ
は、100Oe以下と考えられ、このことから、上記永
久磁石の保磁力は100Oe以上であることが望ましい
【0034】なお、真空蒸着法以外の方法を用いても、
同様の膜構造が形成できれば、本実施例と同様の結果を
得ることができる。
【0035】また、上記の実施例では、保磁力の異なる
磁性層を用いた多層磁気抵抗効果膜について述べたが、
異方性磁界の異なる磁性層を用いた場合も同様の効果が
ある。  また、Co−20at%Pt以外の永久磁石
を用いても、上記と同様の効果がある。
【0036】また、本発明の多層磁気抵抗効果膜を磁気
抵抗効果素子にもちいるときは、高周波で高い磁気抵抗
効果を要求される場合がある。この時は、比較的低保磁
力の層においては、高周波特性の優れている磁化困難方
向に磁界が入るようにする。また、高保磁力の層につい
ては、磁化の向きが変化しない方が好ましいため、角形
比の優れている磁化容易方向に磁界が入るようにするこ
とが好ましい。すなわち、比較的低保磁力の層と高保磁
力の層の磁化容易方向は、ほぼ直角であることが好まし
い。この時、両層の磁化容易方向のなす角度が75〜9
0度であれば、実質的に、ほぼ角度が垂直である場合と
同様の効果がある。また、この効果は、両層の異方性磁
界が異なるタイプの多層磁気抵抗効果膜にもあてはまる
【0037】(実施例5) 実施例1と同様の方法で、多層磁気抵抗効果膜を形成し
た。図1における、磁性層11としては、膜厚3nmの
Co、磁性層12としては、膜厚3nmのNi−Fe系
合金を用い、非磁性層13としては、膜厚5nmの各種
金属を用いた。非磁性層13の材料による磁気抵抗変化
率の変化を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】この表にみられるように、非磁性層の材料
により、磁気抵抗変化率は大きく変化する。この原因に
ついて調べるために、多層膜断面の透過型電子顕微鏡観
察を行った。その結果、非磁性層としてCuを用いた場
合についてのみ、非磁性層とNi−Fe系合金層の間で
、明瞭なエピタキシャル成長が認められた。エピタキシ
ャル成長と磁気抵抗変化率との関係は、以下のように考
えられる。
【0040】磁性層と非磁性層の界面でエピタキシャル
成長が生じないと、界面での原子の配列が不連続になり
、格子欠陥を生じる。電子は、結晶の欠陥が存在すると
、そこで散乱される。この散乱は抵抗を増加させる。 従って、欠陥が多いと、磁化の向きに関係なく、常時、
電気抵抗が高くなり、磁化の向きによる抵抗の変化が、
相対的に小さくなる。このため、磁気抵抗効果が小さく
観測されるようになる。表3のように、Ag,Au,A
lなどは格子不整合(ここで格子不整合は、非磁性層の
格子定数と磁性層の格子定数の差を磁性層の格子定数で
除した値と定義する)が大きく、このため、エピタキシ
ャル成長しない。
【0041】これに対し、Ni−Fe系合金とCuは、
共に面心立方構造であり、格子定数も1.8%程度の違
いしかない。このため、磁性層と非磁性層の界面でエピ
タキシャル成長が起こり、磁性層に欠陥が生じにくい。 欠陥による散乱がない場合は、磁化の向きによる抵抗変
化が効率良く観測されるものと考えられる。
【0042】また、上記の機構とは別に、界面の局所的
な磁化の向きも、格子欠陥により影響を受けると考えら
れ、エピタキシャル成長が生じ、欠陥の少ないことは、
この点でも高い磁気抵抗効果を得るのに有利である。
【0043】以上、述べたように、非磁性層と磁性層の
界面の少なくとも一部で、エピタキシャル成長を起こさ
せることは、高磁気抵抗効果を得るのに対して好ましい
【0044】(実施例6) 実施例1と同様の方法で、多層磁気抵抗効果膜を形成し
た。図1における、磁性層11としては、膜厚3nmの
Co、磁性層12としては、膜厚3nmのNi−Fe系
合金を用い、非磁性層13としては、膜厚5nmのCu
−Au系合金を用いた。Cuの格子定数を変化させるた
めに、Auを添加した。Cu−Au系合金とNi−Fe
系合金の格子不整合と磁気抵抗変化率との関係を図5に
示す。この図のように、格子不整合が小さい方が磁気抵
抗変化率が大きい。4%以上の磁気抵抗変化率を得るた
めには、格子不整合を5%以下にすることが要求される
。これは、格子不整合が5%より大きくなると、エピタ
キシャル成長しないためと思われる。
【0045】(実施例7) 実施例1と同様の方法で、多層磁気抵抗効果膜を形成し
た。図1における、磁性層11としては、膜厚3nmの
Co、磁性層12としては、膜厚3nmのCo92Ta
5Zr3合金を用い、非磁性層13としてはCuを用い
た。非磁性層13の膜厚による磁気抵抗変化率の変化を
図6に示す。この図のように、膜厚が5nmの時に磁気
抵抗変化率が最大である。膜厚がこれより薄くなると、
磁気抵抗変化率が急激に減少する。これは、非磁性層が
不連続になり、非磁性層の上下の磁性層がつながってし
まうためと考えられる。また、膜厚が5nmより厚くな
っても、磁気抵抗変化率が減少する。これは、非磁性層
が厚くなると、非磁性層を通過する電子のスピン成分が
失われるようになるためと考えられる。スピン成分が、
全く失われると、電気抵抗は磁性層の磁化の向きに依存
しなくなる。
【0046】以上述べたように、非磁性層の厚さは、薄
すぎても、厚すぎても好ましくない。4%以上の磁気抵
抗変化率が得られる膜厚は、4〜10nmである。
【0047】非磁性層の膜厚と磁気抵抗変化率との関係
は、磁性層、非磁性層の種類が異なっても、上記とほぼ
同様の傾向を示す。
【0048】(実施例8) 実施例1と同様の方法で、多層磁気抵抗効果膜を形成し
た。図1における、磁性層11としてはCo、磁性層1
2としてはCo92Ta5Zr3合金を用い、非磁性層
13としては、膜厚5nmのCuを用いた。磁性層11
と磁性層12の膜厚は、常に同じ値とし、磁性層の膜厚
を変化させた。磁性層の膜厚と磁気抵抗変化率との関係
を図7に示す。この図のように、磁性層の膜厚が3nm
の時に、最大の磁気抵抗変化率が得られた。膜厚がこれ
より薄くなると、磁気抵抗変化率が急激に減少する。こ
れは、磁性層が不連続になり、磁性層の上下の非磁性層
がつながってしまうためと考えられる。また、膜厚が3
nmより厚くなっても、磁気抵抗変化率が減少する。
【0049】以上述べたように、磁性層の厚さは、薄す
ぎても、厚すぎても好ましくない。4%以上の磁気抵抗
変化率が得られる膜厚は、2〜10nmである。
【0050】磁性層の膜厚と磁気抵抗変化率との関係は
、磁性層、非磁性層の種類が異なっても、上記とほぼ同
様の傾向を示す。
【0051】(実施例9) 本発明の、多層磁気抵抗効果膜を用いた磁気抵抗効果を
作製した。多層磁気抵抗効果膜の構造は、図1における
、磁性層11として、膜厚3nmのCo、磁性層12と
して、膜厚3nmのCo92Ta5Zr3合金を用い、
非磁性層13としては膜厚5nmのCuを用いた。この
磁気抵抗効果素子の磁界による抵抗変化は図2と同様の
傾向になる。従って、磁界が零の近傍では、単位磁界に
よる抵抗変化量が小さい。このため、本発明では、磁気
抵抗効果素子にバイアス磁界を印加した。バイアス磁界
の量は、20Oeとした。この結果、磁気抵抗効果素子
に入る磁界の量が零に近くても、十分な単位磁界当りの
抵抗変化量が得られた。また、この素子における出力に
よって、磁界の向きの正負を判断できる。
【0052】また、2層以上の磁性層と絶縁層を積層し
た強磁性トンネル素子においても、上述と同様の技術が
利用できる。
【0053】また、図2のような抵抗変化曲線を示す多
層膜では、一度、抵抗が最大になる磁界を大きく超える
と、逆の向きの大きな磁界を印加しなくては抵抗が変化
しない。この問題を解決するために、さらに、外部から
250Oeの磁界を印加する機構を備えた機構を有する
磁気抵抗効果素子を作製した。この結果、一度、抵抗が
最大になる磁界を大きく超えても、元の状態に戻すこと
のできる磁気抵抗効果素子が得られた。
【0054】(実施例10) 実施例9に記載の磁気抵抗効果素子を用い、磁気ヘッド
を作製した。磁気ヘッドの構造を以下に示す。第8図は
、記録再生分離型ヘッドの一部分を切断した場合の斜視
図である。磁気抵抗効果素子41をシ−ルド層42,4
3で挾んだ部分が再生ヘッドとして働き、コイル44を
挾む2つの記録磁極45,46の部分が記録ヘッドとし
て働く。磁気抵抗効果素子41は実施例9に記載の多層
磁気抵抗効果膜、絶縁層47および永久磁石層49から
なる。以下にこのヘッドの作製方法を示す。
【0055】Al2O3・TiCを主成分とする焼結体
をスライダ用の基体48とした。シ−ルド層、記録磁極
にはスパッタ法で形成したNi−Fe合金を用いた。各
磁性膜の膜厚は、以下のようにした。上下のシ−ルド層
42,43は1.0μm、記録磁極45,46は3.0
μm、多層磁気抵抗効果膜全体の膜厚は160nmとし
た。絶縁層47には、スパッタにで形成した膜厚20n
mのAl2O3を用いた。永久磁石層49には、膜厚5
0nmのCo−20at%Pt層を用いた。各層間のギ
ャップ材としてはスパッタにで形成したAl2O3を用
いた。ギャップ層の膜厚は、シ−ルド層と磁気抵抗効果
素子間で0.2μm、記録磁極間では0.4μmとした
。 さらに再生ヘッドと記録ヘッドの間隔は約4μmとし、
このギャップもAl2O3で形成した。コイル44には
膜厚3μmのCuを使用した。
【0056】以上述べた構造の磁気ヘッドで記録再生を
行ったところ、高い再生出力を得た。これは、本発明の
磁気ヘッドに高磁気抵抗効果を示す多層膜を用いたため
と考えられる。
【0057】なお、磁気ヘッドとしては、高周波特性の
優れていることが必要であり、このためには、比較的保
磁力あるいは異方性磁界の低い層の磁化困難方向を磁気
記録媒体面に垂直にすることが好ましい。
【0058】上記実施例ではバイアス法としては永久磁
石を用いた場合を示したが、通常の磁気抵抗効果型ヘッ
ドで知られているシャントバイアス、ソフトバイアス、
相互バイアスなど別のバイアス法を使用しても同様な効
果が得られる。
【0059】
【発明の効果】上述のように、磁性層と非磁性層を積層
した多層膜において、保磁力あるいは異方性磁界の異な
る2種以上の磁性層を有することにより、磁気抵抗効果
が観測されるが、上記磁性層として、NiあるいはNi
系合金を用いることにより、比較的高い磁気抵抗効果を
示す多層磁気抵抗効果膜が得られる。また、上記、Ni
系合金をNi−Cu,Ni−Ag,Ni−Au,Ni−
Fe−Cu,Ni−Fe−Ag,Ni−Fe−Au系合
金とすると、さらに高い磁気抵抗効果を得ることができ
る。また、上記磁性層の一部にCo系非晶質合金を用い
ると、低磁界印加で、磁気抵抗効果を示す多層磁気抵抗
効果膜が得られる。また、上記磁性層の一部に、永久磁
石を用いると、磁化過程が準可逆的になり、磁界センサ
として好ましい特性が得られる。また、上記永久磁石の
保磁力は、磁気ヘッドに印加される磁界を考えると、1
00Oe以上が好ましい。また、上記永久磁石は、磁気
抵抗効果素子の使用前に着磁しておくと、準可逆的磁化
過程の実現には好ましい。また、上記磁性層と非磁性層
の界面の少なくとも一部において、エピタキシャル成長
を生じさせることにより、さらに高い磁気抵抗効果が得
られる。また、上エピタキシャル成長を生じさせるため
には、磁性層と非磁性層の格子定数の差が、磁性層の格
子定数を基準として、5%以下であることが重要である
。また、上記非磁性層の膜厚が4〜10nmの時に高い
磁気抵抗効果が得られる。また、上記磁性層の膜厚が2
〜10nmの時に高い磁気抵抗効果が得られる。また、
上記磁性層の保磁力が異なるとき、比較的高保磁力の磁
性層の磁化容易方向と比較的低保磁力の磁性層の磁化容
易方向とのなす角度を75〜90度とすることにより、
高周波特性の優れた多層磁気抵抗効果膜が得られる。ま
た、上記磁性層の異方性磁界が異なるとき、比較的高異
方性磁界の磁性層の磁化容易方向と比較的低異方性磁界
の磁性層の磁化容易方向とのなす角度を75〜90度と
することにより、高周波特性の優れた多層磁気抵抗効果
膜が得られる。また、上記多層磁気抵抗効果膜を用いる
と、優れた特性の磁気抵抗効果素子が得られる。 また、上記磁気抵抗効果素子にバイアス磁界を印加する
ことにより、感度の高い磁界領域で磁界方向の正負を判
断できる磁気抵抗効果素子が得られる。また、このバイ
アスに関する技術は、強磁性トンネル素子にも適用でき
る。また、上記磁気抵抗効果素子は、非可逆的磁化過程
を示す場合があり、このような場合には、磁気抵抗効果
素子に外部から磁界を印加する機構を加え、磁気抵抗効
果素子をイニシャライズすると良い。また、上記磁気抵
抗効果素子を磁気ヘッドに用いると、優れた特性の磁気
ヘッドが得られる。また、上記磁気ヘッドにおける、比
較的低保磁力、低異方性磁界の磁性層の磁化困難方向を
磁気記録媒体面の垂直方向に合わせることにより、高周
波特性の優れた磁気ヘッドが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層磁気抵抗効果膜の縦断面図。
【図2】多層磁気抵抗効果膜の磁気抵抗効果を示すグラ
フ図。
【図3】多層膜の磁化過程と磁気抵抗効果との関係を示
す模式図。
【図4】一部に永久磁石層を用いた多層磁気抵抗効果膜
の磁気抵抗効果を示すグラフ図。
【図5】本発明の多層磁気抵抗効果膜における磁性層と
非磁性層の格子不整合と磁気抵抗変化率との関係を示す
グラフ図。
【図6】本発明の多層磁気抵抗効果膜の非磁性層の膜厚
と磁気抵抗変化率との関係を示すグラフ図。
【図7】本発明の多層磁気抵抗効果膜の磁性層の膜厚と
磁気抵抗変化率との関係を示すグラフ図。
【図8】本発明の磁気ヘッドの構造を示す斜視図。
【符号の説明】
11.磁性層 12.磁性層 13.非磁性層 21.従来例の多層膜の磁気抵抗効果 22.本発明の多層膜の磁気抵抗効果 31.磁性層11の磁化 32.磁性層12の磁化 41.磁気抵抗効果素子 42,43.シ−ルド層 44.コイル 45,46.記録磁極 47.絶縁層 48.基体 49.永久磁石層

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】NiあるいはNi系合金よりなる磁性層と
    非磁性層を積層した多層膜において、上記磁性層は保磁
    力および異方性磁界から選ばれる少なくともひとつの磁
    気特性が異なる2種以上の磁性層を含むことを特徴とす
    る多層磁気抵抗効果膜。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の多層磁気抵抗効果膜にお
    いて、前記Ni系合金がNi−Cu,Ni−Ag,Ni
    −Au,Ni−Fe−Cu,Ni−Fe−Ag,Ni−
    Fe−Au系合金からなる群から選ばれる少なくとも1
    種であることを特徴とする多層磁気抵抗効果膜。
  3. 【請求項3】磁性層と非磁性層を積層した多層膜におい
    て、保磁力および異方性磁界から選ばれる少なくともひ
    とつの磁気特性が他と異なる磁性層を少なくとも一層含
    み、上記磁性層の少なくとも一部がCo系非晶質合金で
    あることを特徴とする多層磁気抵抗効果膜。
  4. 【請求項4】磁性層と非磁性層を積層した多層膜におい
    て、保磁力および異方性磁界から選ばれる少なくともひ
    とつの磁気特性が他と異なる磁性層を少なくとも一層含
    み、上記磁性層の少なくとも一部が永久磁石であること
    を特徴とする多層磁気抵抗効果膜。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の多層磁気抵抗効果膜にお
    いて、前記永久磁石の保磁力が100Oe以上であるこ
    とを特徴とする多層磁気抵抗効果膜。
  6. 【請求項6】請求項4または5に記載の多層磁気抵抗効
    果膜において、多層磁気抵抗効果膜中の永久磁石に磁界
    を印加し、着磁したことを特徴とする多層磁気抵抗効果
    膜。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のうちいずれかに記載の多層
    磁気抵抗効果膜において、磁性層と非磁性層の界面の少
    なくとも一部において、エピタキシャル成長が生じてい
    ることを特徴とする多層磁気抵抗効果膜。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の多層磁気抵抗効果膜にお
    いて、磁性層の少なくとも一部と非磁性層の少なくとも
    一部の格子定数の差が5%以下であることを特徴とする
    多層磁気抵抗効果膜。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のうちいずれかに記載の多層
    磁気抵抗効果膜において、前記非磁性層の膜厚が4〜1
    0nmであることを特徴とする多層磁気抵抗効果膜。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のうちいずれかに記載の多
    層磁気抵抗効果膜において、前記磁性層の膜厚が2〜1
    0nmであることを特徴とする多層磁気抵抗効果膜。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のうちいずれかに記載の
    多層磁気抵抗効果膜において、比較的低保磁力である磁
    性層と比較的高保磁力である磁性層の2種の磁性層を有
    し、該2種の磁性層の磁化容易方向のなす角度が75〜
    90度であることを特徴とする多層磁気抵抗効果膜。
  12. 【請求項12】請求項1〜10のうちいずれかに記載の
    多層磁気抵抗効果膜において、比較的低異方性磁界であ
    る磁性層と比較的高異方性磁界である磁性層の2種の磁
    性層を有し、該2種の磁性層の磁化容易方向のなす角度
    が75〜90度であることを特徴とする多層磁気抵抗効
    果膜。
  13. 【請求項13】請求項1〜12のうちいずれかに記載の
    多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に用いた磁気抵抗
    効果素子。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の磁気抵抗効果素子に
    バイアス磁界を印加したことを特徴とする磁気抵抗効果
    素子。
  15. 【請求項15】2層以上の磁性層と絶縁層を積層した強
    磁性トンネル素子において、保磁力および異方性磁界か
    ら選ばれる少なくともひとつの磁気特性が他の磁性層と
    異なる磁性層を少なくとも一層含み、強磁性トンネル素
    子にバイアス磁界を印加する手段を有することを特徴と
    する磁気抵抗効果素子。
  16. 【請求項16】請求項13〜15のうちいずれかに記載
    の磁気抵抗効果素子において、磁気抵抗効果膜に外部磁
    界を印加する機構を持った磁気抵抗効果素子。
  17. 【請求項17】請求項13〜16のうちいずれかに記載
    の磁気抵抗効果素子を少なくとも一部に用いた磁気ヘッ
    ド。
  18. 【請求項18】請求項17に記載の磁気ヘッドにおいて
    、比較的低保磁力あるいは比較的低異方性磁界である磁
    性層の磁化困難方向が磁気記録媒体面に垂直であること
    を特徴とする磁気ヘッド。
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