JPH0421407Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、建築および土木工事の現場に仮設さ
れる足場パイプ状部材に、相互シートを締結した
のち、これを固定するために利用する。特に、シ
ートの鳩目に挿通する取付け具に関する。

〔従来の技術〕

建築および土木工事の現場に仮設される足場は
従来は細い丸太や定尺もののパイプ類を部材とし
て使用していたが、最近では仮設工事の取付けや
撤去を容易にするために、一定の寸法および形状
に加工されたシステム足場を使用して、現場工事
の合理化をはかつている。

従来の丸太などを部材として用いた足場では、
部材の設置間隔はシートの寸法とは無関係に設定
されるからこの足場を覆うシートは、その相互に
隣接するシートの端部で、２枚のシートのそれぞ
れの鳩目を１箇所に重ね合わせて針金で縛るなど
の方法がとられていた。

しかし上記システム足場ではシートの使用数量
を合理的な数とし、かつ外観上体裁のようものと
するため、隣接したシートの接合部はちようどそ
の端部が隙間のないように寸法どりされているの
で、２枚のシートの鳩目は重ならない。しかも、
シートの接合部はちようど足場パイプの位置に来
るようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このため従来の取付け具は使用できず、針金や
縄などを用いて接合しているが、作業に手間がか
かり、かつ足場部材に対して緊定しにくいので、
強風などによつてシートがずれたり外れたりする
欠点があつた。

本考案はこの欠点を解決して、システム足場に
シートを取付ける場合に作業性がよくかつシート
が弛み難い足場用シートの取付け具を提供するこ
とを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、建築用の足場を覆うシートを２枚の
シートの接合部でその足場パイプに取付ける取付
け具の構造において、 ほぼ弓形の形状であり、上記２枚のシートのそ
れぞれに設けられた鳩目に挿通され上記足場パイ
プの外表面に対してその内側が反りかえる形状の
２本の脚が形成され、この２本の脚の内側付け根
部には顎が形成され、２本の脚の先端近傍に、上
記足場パイプに沿つてほぼ半周以上巻回される針
金を係止する突起部が形成された構造を特徴とす
る。

軟性のプラスチツクモールドにより形成される
ことが好ましい。

針金が足場パイプに縛りつけられた状態で、２
本の脚は、その内側が足場パイプの外表面に当接
して安定に支持される形状に変形する構造である
ことが好ましい。

〔作用〕

複数のシートを並べ、取付け具の２本の脚は２
枚のシートの相対する２個の鳩目にそれぞれ挿通
され、それぞれの脚の先端の突起部と内側付け根
部の顎とは、鳩目の内縁部を保持する。これによ
り、相互のシートは、それぞれの縦方向および横
方向が等しい距離を保つて連結される。

さらにこの取付け具の突起部に針金を係止して
足場パイプに緊定する。

取付け具は軟性のプラスチツクモールドにより
形成されているので、足場パイプの方向に曲げら
れて、パイプの外表面に安定に支持される。

これにより、それぞれのシートは緊定されるの
で、取付け具の脚は鳩目より外れない。

〔実施例〕

本考案の一実施例を図面によつて説明する。

第１図は本考案実施例構造を示す斜視図であ
る。取付具１は両側に脚１Ａを備え、その先端に
それぞれ突起部１Ｂおよびこの突起部１Ｂの内側
に顎１Ｃが形成されている。この突起部１Ｂには
針金５が係止される。

本実施例を足場パイプとシートに取付けた場合
の平面図を第２図に、同じく正面図を第３図に示
す。

第２図および第３図において、本考案の取付け
具１は２本の脚１Ａを含み、シート２Ａおよび２
Ｂのそれぞれの鳩目３Ａおよび３Ｂに挿通されて
足場パイプ４に取付けられる。

取付け具１の２組の脚１Ａの顎１Ｃが、それぞ
れの鳩目３Ａおよび３Ｂのシート外辺方向の部分
にひつかかり、２枚のシートを相互に接合する。

連結されたシートの辺部はほぼ一定の幅で重な
るので、シートが弛まないかぎり、取付け具の脚
は鳩目より外れない。

シートの鳩目の取付け位置および取付けピツチ
は、シートの縦方向および横方向の辺とも同じよ
うに定められているので、本取付け具によりシー
トのいずれの方向の辺の接合できる。

このようにして所要の数の接合されたシートを
引き上げ、すでに組立てられた足場パイプに合わ
せる。

この接合部の近傍に足場パイプがあれば、取付
け具１は軟性のプラスチツクモールドにより形成
されたものであり、使用する針金５は鉄線にプラ
スチツク製の被覆が被せされる構造のものである
ので、２本の脚１Ａは針金５により足場パイプ４
に縛り付けられた状態で、脚の内側が足場パイプ
の外表面に当接し、安定的に支持される形状に変
形する構造となつている。

本考案の取付け具の取付け方法を第４図によつ
て説明する。第４図では図を明確にするため、針
金５は黒丸の鎖線で表されている。

第４図に示すように取付け具１の突起部１Ｂの
部分に針金５をひつかけ、これを矢印Ｘで示すよ
うに交叉させて引つ張れば軟性プラスチツク製の
脚１Ａは矢印Ｙの方向に変形する。したがつて脚
１Ａの内側は足場パイプ４の外表面に強く当接さ
れる。針金５は取付け具１を足場パイプ４に十分
に引きつけたのち、捻じり合わせて緊定する。

取付け具の脚１Ａは鳩目に挿通されたとき、鳩
目相互の間隔は取付け具の脚のピツチに統一され
る。

このため、シートを足場パイプに取付けたとき
に、シートの接合部は縦方向および横方向とも
に、ほぼ直線状に整然と配置される。

針金を強く緊定するほど、取付け具の脚は足場
パイプの外表面に強く当接されるが、さらに針金
をプラスチツク製の被覆があるものを用いれば、
摩擦力が大きくなり、シートを足場パイプに取付
けた際、当接力が一層強いものとなる。

第５図は本考案の取付け具を使用した場合の取
付け状態の斜視図である。

本考案による取付け具は、シートが弛まないか
ぎり鳩目から外れないので、シートの接合部の近
傍に足場パイプがなくてもよい。

第６図は本考案の取付け具により、シート２を
組み立てられた足場パイプ４に取付けた状態を示
す斜視図である。

一点鎖線で示す円ａおよびｂ内では、シートの
接合部の近傍に足場パイプ４があるので、取付け
具１は針金５によつて緊定される。しかし円ｃ内
では足場パイプがないので、シートの接合部は取
付け具のみで保持される。

この取付け具はポリエチレン樹脂をインジエク
シヨンモールデイング法により成形する。この際
取付け具の脚を側方に向くように形どりした金型
を用いると、取り出すときに顎がはずれやすく製
品の仕上がり精度がよく、また取付け作業のと
き、均一な可撓性を有するものが得られる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、足場パイプとシートの取付け
が、作業が容易で、シートの取付け外観がよく、
強風などによつても弛むおそれの少ない施工を行
うことができる。またシートを組み合わせるとき
も鳩目に差し込むだけで２枚のシートを簡単に接
合することができるので作業性がよく、しかもあ
らかじめ地上で組合せておき、これを揚上して足
場パイプに取付けることができるので、現場での
作業時間が短縮されるとともに、作業の安全性が
確保される効果がある。

また、パイプから取り外すときはパイプをしば
り付けた針金はシートの内側に落ちるので安全で
あり、また簡単に外すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の斜視図。第２図は本
考案一実施例の平面図。第３図は本考案一実施例
の正面図。第４図は本考案の取付け方法の説明
図。第５図は取付け状態の斜視図。第６図は足場
パイプに取付けた状態の斜視図。 １、……取付け具、１Ａ……脚、１Ｂ……突起
部、１Ｃ……顎、２Ａ，２Ｂ……シート、３Ａ，
３Ｂ……鳩目、４……足場パイプ、５……針金、
６……足場板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 建築用の足場を覆うシートを２枚のシートの
   接合部でその足場パイプに取付ける取付け具の
   構造において、 ほぼ弓形の形状であり、 上記２枚のシートのそれぞれに設けられた鳩
   目に挿通され上記足場パイプの外表面に対して
   その内側が反りかえる形状の２本の脚が形成さ
   れ、 この２本の脚の内側付け根部には顎が形成さ
   れ、 ２本の脚の先端近傍に、上記足場パイプに沿
   つてほぼ半周以上巻回される針金を係止する突
   起部が形成された 構造を特徴とする足場用シートの取付け具。 (2) 軟性のプラスチツクモールドにより形成され
   た実用新案登録請求の範囲第(1)項に記載の足場
   用シートの取付け具。 (3) 針金が足場パイプに縛りつけられた状態で、
   ２本の脚は、その内側が足場パイプの外表面に
   当接して安定に支持される形状に変形する構造
   である実用新案登録請求の範囲第(2)項に記載の
   足場用シートの取付け具。