JPH04213589A - エレベータ用機械室の防音装置 - Google Patents

エレベータ用機械室の防音装置

Info

Publication number
JPH04213589A
JPH04213589A JP3034383A JP3438391A JPH04213589A JP H04213589 A JPH04213589 A JP H04213589A JP 3034383 A JP3034383 A JP 3034383A JP 3438391 A JP3438391 A JP 3438391A JP H04213589 A JPH04213589 A JP H04213589A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noise
vibration
machine room
rope
sound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3034383A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2772149B2 (ja
Inventor
Toshio Shimazaki
島 崎 敏 雄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP3034383A priority Critical patent/JP2772149B2/ja
Publication of JPH04213589A publication Critical patent/JPH04213589A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2772149B2 publication Critical patent/JP2772149B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cage And Drive Apparatuses For Elevators (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ロープ巻き上げエレ
ベータのエレベータ用機械室の防音装置に係り、さらに
詳しくは、巻き上げ機等が設置された最上階の機械室か
ら外部に漏洩し、かつ、巻き上げ機等の回転駆動に伴う
振動に起因する騒音を低減するようにしたエレベータ用
機械室の防音装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、エレベータまたはリフトとは、
電力等の動力を用いて人や貨物を上下に運搬する装置で
ある。このエレベータの基本的な構成は、図17に示す
ように建物の最上階の機械室10に設置される巻き上げ
機11、メインシーブ12、減速機、調速機および電磁
装置等を有する制御装置13、巻き上げ機11、メイン
シーブ12および制御装置13等を支持するダンパ装置
14、建物の各階を貫いて上下に長く設けられた昇降路
15内に位置するとともに上記メインシーブ12に巻き
回されたロープ16の両端に取り付けられ上下に走行す
る乗りかご17および釣り合い錘18、その他乗りかご
用および釣り合い錘用ガイドレール(図示せず)等より
構成されている。
【0003】上記機械室10の床19には少なくとも2
つのロープ16、16を貫通させるロープ貫通孔20、
20が設けられ、前記メインシーブ12に巻き回された
ロープ16がこのロープ貫通孔20、20を介して上記
乗りかご17および釣り合い錘18に固定されている。 このロープ16、16はロープ貫通孔20、20を上下
両方向に移動するときに、このロープ貫通孔20、20
の中で多少の揺れが生じる。
【0004】従って、各階のエレベータホール21の乗
降口22に近接して設けられた操作盤(図示せず)から
の指令に基づき乗りかご17が駆動されたときに、前記
巻上げ機11のモータ(図示せず)が前記メインシーブ
12を回転させることにより機械室10内には振動騒音
が発生し、この振動騒音は上記ロープ貫通孔20、20
を介して下方向に伝わることとなり、昇降路15内、更
には乗りかご17内にまで騒音が伝えられることになる
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この振動騒音の伝播を
防止する方法としては例えば実開昭57−106670
号公報に記載されたようなものがある。この振動騒音防
止方法の概略を図18により示すと、巻き上げ機11等
が設置されている機械室10の下側は床19を介して昇
降路15が形成されており、この昇降路15に連なる各
階のエレベータホール21の乗降口22にはドア23が
設けられている。このドア23が開放されると、乗降口
22を介して乗りかご17は各階のエレベータホール2
1に連通することになる。
【0006】この様な構成を有するエレベータにおいて
、制御装置13と床19との間にダンパ装置14に支持
された振動騒音防止装置25を取り付けるとともにこの
振動騒音防止装置25にはロープ16、16を取り巻き
このロープ16、16の揺動を許す必要最低限の間隙2
6を置いて取り付けらた環状の吸音材27を備えた円筒
状の防音ダクト28が設けられ、昇降路15、乗りかご
17およびエレベータホール21等の方向に振動騒音が
漏洩しないように構成している。
【0007】しかしながら、上記構成の振動騒音防音装
置25を設置したとしても、ロープ16、16が昇降移
動する際に前記ロープ貫通孔20、20を介して巻き上
げ機11の駆動に起因する振動騒音が昇降路15、乗り
かご17およびエレベータホール21等の方向に伝播し
てしまうという問題があった。
【0008】このロープ貫通孔20、20から漏出する
振動騒音を完全に防止することは難しいために、従来は
、上記振動騒音防音装置25の外に巻き上げ機11自身
の振動を抑制する種々対策も考えられている。すなわち
、巻き上げ機11内のモータの外壁に吸音部材を巻き付
けたり、モータ支持部に吸音用のラバー部材を取り付け
、このラバー部材を介してボルト等によりモータを固定
したり、更にモータの出力軸とメインシーブ12との間
の軋み等を防止するため歯車等の連結部材を高精度にし
たりしている。このようにして振動を外部に伝播するの
を防止するようにしているが、機械室10内の巻き上げ
機11等にこれらの防音手段を施すことは、装置を大型
化することになり機械室10の有効スペースを狭くする
だけでなく、エレベータ製造コストの増大を招くという
問題を新たに発生させてしまう。
【0009】本発明は、上記問題を解決するために、機
械室内の装置や機器の大型化およびコストの低減を抑制
しつつ、巻き上げ機等から発生する振動騒音の昇降路、
乗りかごおよびエレベータホール等に伝播することを防
止するようにしたエレベータ用機械室の防音装置を得る
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、建造物の上層
階の機械室に設置される巻き上げ機と、この巻き上げ機
に巻き込まれ機械室の床を貫通するロープ貫通孔を通し
て乗りかごを昇降させるロープと、前記巻き上げ機を含
む前記機械室内の振動騒音源の近傍に取り付けられてこ
れらの振動を検出する振動検出器と、この振動検出器に
より検出された振動に基づき前記ロープ貫通孔から前記
乗りかごの昇降路に漏れ出る振動騒音の周波数およびそ
の位相を予測する騒音予測器と、この騒音予測器により
予測された騒音波形の位相と逆位相を有する騒音打ち消
し用の音信号を生成する音信号生成器と、前記ロープ貫
通孔の近傍に設けられるとともに前記音信号生成器によ
り生成された騒音と逆位相の騒音打ち消し音の音信号を
実際の音に変換する打ち消し音発生器とを具備したもの
である。
【0011】また、前記音発生器は、前記振動騒音源か
ら前記ロープ貫通孔に向かって発せられる3次元の騒音
を2次元の平面波に変換するための防音ダクトの内部に
設けられ、2次元の前記平面波よりなる騒音と逆位相の
騒音打ち消し用平面波を発生させるスピーカを具備した
ものである。
【0012】さらにまた、前記音発生器は、前記振動騒
音源より3次元波として前記ロープ貫通孔に伝播される
振動騒音を打ち消すために、前記ロープ貫通孔の近傍に
複数の騒音源に向けて多数、かつ多方向を向けて設置さ
れた複数個のスピーカを具備したものである。
【0013】
【作用】エレベータの巻き上げ機が運転されたときに、
この巻き上げ機内のモータが回転駆動され、電磁ブレー
キ等の磁気装置も作動させられ、更に減速機の歯車等が
作動して、ロープが巻き回され乗かごが昇降させられる
。この乗かごがの昇降により、機械室の巻き上げ機、モ
ータ、磁気装置、減速機等に基づく振動騒音が発生し、
この騒音がロープ貫通孔を介して昇降路内に伝播させら
れる。  この振動騒音は、振動検出器により検出され
、騒音予測器、音信号生成器等を介して振動検出信号と
して出力される。前記騒音予測器は、振動検出信号に基
づいてロープ貫通孔を通過するであろう振動騒音を予測
して算出する。この振動騒音は、分類されて所定の騒音
パターンとして特定される。
【0014】この騒音パターンは騒音予測器算出回路に
送られ、演算して発生予想騒音の騒音波形が予測され、
この波形が音信号生成回路に供給される。音信号生成回
路は、入力された予測騒音波形の位相を分析してこの位
相と逆位相の音信号を生成する。この逆位相の音信号は
、音発生ユニットに供給され、ここで逆位相の音信号か
ら実際の音に変換されて、ロープ貫通孔の近傍から振動
騒音の発生源に向けて出力される。
【0015】このような作用により、ロープ貫通孔の近
傍から振動騒音の発生源に向けて出力され、騒音波形が
打ち消され、ロープ貫通孔を介して昇降路および乗りか
ご等に伝わる振動騒音が大幅に減少させる。また、昇降
路内に伝播される振動騒音が減少することにより、各階
のドアを介して各階のエレベータホールに伝播される騒
音も少なくなり、建物を利用する人達の全員が快適感を
得ることができる。
【0016】また、ロープ貫通孔から昇降路等に発せら
れる3次元の騒音は2次元の平面波に変換され、この2
次元の平面波の騒音をスピーカにより逆位相の打ち消し
音を発生させ、エレベータホール等に騒音が伝播しない
ようにする。さらにまた、逆位相の打ち消し音を発生さ
せ、複数のスピーカにより発生させ、エレベータホール
等に騒音の伝播を少なくする。
【0017】
【実施例】以下、この発明に係るエレベータ用機械室の
防音装置の一実施例について、添付図面により詳細に説
明する。図1乃至図16は、本発明エレベータ用機械室
の防音装置の一実施例およびその変形実施例を示すが、
図17、18に示した従来のエレベータ用機械室および
従来のエレベータ用機械室の防音装置と基本的に同様な
機構であるので同一部分は同一符号を付しその詳細な説
明は省略する。
【0018】図1は、エレベータ用機械室の防音装置の
基本的構成を示すものであって、その防音装置は、巻き
上げ機11に取り付けられた振動検出器30と、この振
動検出器30の検出した振動に基づいてロープ貫通孔2
0、20を介して昇降路15に漏れ出る振動騒音を演算
するとともにこの振動騒音と逆位相の騒音打ち消し用の
音信号を生成する演算装置31と、この演算装置31に
より演算生成された音信号を増幅して出力する増幅器3
2と、そして、エレベータの機械室10の床19に設置
されたダンパ装置14に取り付けるとともにこのダンパ
装置14の内部に前記ロープ16、16を挟んで対向し
て配置され、前記増幅器32の増幅出力に基づいて騒音
打ち消し用の実際の音を発生させるスピーカ33、33
とにより構成されている。
【0019】前記振動検出器31は、基本的には図示し
ないモータの振動を検出するが、こればかりでなく制御
装置13内の電磁ブレーキ等の磁気装置の磁気振動や、
調速機の歯車の噛み合い振動等も同時に検出する。演算
装置31は、ロープ貫通孔20、20から昇降路15に
漏れ出る予測振動騒音を算出する騒音予測器と、予測さ
れた騒音を打ち消すためにこの騒音の位相と逆位相の音
信号を生成する逆位相音信号生成器とにより構成される
【0020】スピーカ33、33は、騒音波形と逆位相
の音信号に基づいて騒音を打ち消すための実際の音を発
生させて発生源に向けて送り出すものである。このスピ
ーカ33、33の音によりロープ貫通孔20、20から
昇降路15等に漏れる騒音を打ち消し、昇降路15等に
漏れ騒音を低減させる。このような構成に基ずきスピー
カ33、33の音をロープ貫通孔20、20に導かない
ように打ち消したものが図2である。すなわち、ロープ
貫通孔20、20に近接するダンパ装置14にはロープ
16、16を取り巻きくとともに上部には孔34、34
を有するほぼ環状の防音ダクト35、35を設けている
。この防音ダクト35、35の下部には上方を向いて取
り付けられるとともに前記増幅器32の増幅出力に基づ
いて騒音打ち消し用の実際の音を発生させるスピーカ3
6が取り付けられるている。
【0021】このようにすることにより、防音ダクト3
5、35の孔34、34から送られてくる巻き上げ機1
1等の3次元の振動騒音が防音ダクト35、35により
可能な限り平面波に形成される。この防音ダクト35、
35内部の平面波はスピーカ36、36から発生する逆
位相波形の音信号により実際の打ち消し音を発生させて
いる。
【0022】図3は、図2の演算装置31の動作を示す
フローチャ−トである。すなわち、演算装置31は、ス
テップST1において振動センサの検出装置30から検
出される検出出力の有無が判断される。もし、この検出
出力が無い場合にはエレベータが駆動されてモータ、電
磁ブレーキおよび調速機等の振動騒音が検出されるまで
待の状態となる。もし、検出装置30の検出出力が有る
場合には、ステップST2において、演算装置31の騒
音予測器が入力された振動値に基づいてロープ貫通孔2
0、20の近傍において発生する恐れのある平面波形の
振動騒音を予測する。この予測振動騒音は、後述する図
5乃至図15を参照すれば明らかなように、エレベータ
の乗りかご17の上向または下向もしくは乗員の積載割
合等により幾つかの典型的な波形を予測し得るので検出
された振動値に応じてその予測波形が出力される。
【0023】この予測振動騒音は、ステップST3にお
いて、防音ダクト35、35やダンパ装置14等を設け
たことによる機械室10内に発生する振動の減衰や伝播
遅れ等の有無が判断される。これらの減衰および遅れ等
が生じる場合には、ステップST4において、減衰およ
び/または遅れによる修正値が算出される。ステップS
T4において修正値が算出された場合、または、ステッ
プST3において減衰等が無いものと判断された場合に
は、ステップST5において、演算装置31の騒音予測
器がロープ貫通孔20、20から昇降路15に漏れ出る
最終的な予測振動騒音量を推定する。
【0024】予測装置により振動騒音量が推定されると
、ステップST6において、演算装置31の音信号生成
器が推定した騒音量に相当する位相を作成した後、ステ
ップST7において、騒音に相当する位相と逆位相の音
信号を生成し、この信号を増幅器32に出力する。
【0025】音信号を受け入れた増幅器32は、実際に
騒音を打ち消す音を発生させるために所定の出力となる
までこの信号を増幅してスピーカ36、36に出力する
。スピーカ36、36は、この増幅信号に基づいて騒音
を打ち消す打消し音を発生させる。この打消し音は、防
音ダクト35、35内において上方から昇降路15方向
に向かう平面波にぶつかるように上方に向かうとともに
騒音による平面波を打ち消すような逆位相波形の平面波
となっている。従って、巻き上げ機11のモータ等が駆
動されたときに発生する振動騒音は打消しまたは低減さ
れる。
【0026】上記実施例において、実際にエレベータの
機械室10を中心に発生する振動騒音の状態を説明する
ために、図4乃至図15が示されている。図4乃至図6
は、機械室10内に巻き上げ機11に付属して設けられ
てい減速機または調速機の振動騒音を周波数分析したも
のであり、図4は、機械室10における減速機等のいわ
ゆる暗騒音を振動周波数とデシベルレベルとの相関の下
に示したものである。ここで暗騒音とは、ある音(この
場合調速機等の振動騒音)を対象として考える場合にそ
の音が無い時のその場所における騒音を対象騒音に対し
て呼ぶ場合の騒音をいう。暗騒音が大きいと測定値が影
響を受け、暗騒音が対象の音よりも10db以上小さけ
れば、その影響は余りない。
【0027】図5は、減速機等の横側における振動騒音
の実測値を示しており、エレベータは軽負荷の積載で下
降方向に正転走行しており、かつ、減速機等は防振ゴム
上に取り付けられている。測定値によれば、280Hz
、400Hzおよび565Hz等の幾つかのピークが見
られるが、最大ピークは750Hzとなっており、これ
らのピーク値において逆位相の音を騒音の打消し用に生
成すればよい。図6は、同じく減速機振動の実測値を示
しており、同じく正転軽負荷時におけるギヤケースの上
における振動である。この場合、ギヤケースは防振ゴム
上に設けられておらず、図中に書き入れた幾つかのピー
ク値を有しているが、最大ピーク値は図4と同様に56
5Hzである。
【0028】次に、図7乃至図9を参照しながら、減速
機振動の時間に対する振動レベルの変化を説明する。図
7は、乗りかご16内の積載負荷が無い場合の下降時お
よび上昇時の振動を加速度により表示している。また、
図8は乗りかご16内の積載負荷が100%の場合の下
降時および上昇時の振動を加速度により示している。さ
らに、図9は、乗りかご16内の積載負荷が45%で、
釣り合い錘17と乗りかご16との間に均衡がとれた状
態におけるエレベータの下降時および上昇時の振動を加
速度により示している。これらの3図より分かることは
、振動騒音レベルとしては、乗りかご16内の積載量の
大小およびかごの上昇または下降に拘らず、加速度でお
よそ300gal付近に振動のピークが見られる。
【0029】次に、図10乃至12は、機械室内の巻き
上げ機11のモータの振動騒音をdbの時間変化として
測定したものであり、図10は無負荷走行時の騒音レベ
ルの時間変化、図11は平衡負荷走行時の騒音レベルの
時間変化、そして図12は全負荷走行時の騒音レベルの
時間変化をそれぞれ示している。異なる走行状態におい
ても、エレベータの下降時および上昇時の騒音レベルは
60乃至80dbで推移しており、これらの振動騒音を
打ち消す際の打消し音の合成も幾つかの典型的な逆位相
の波形を有するものを用意しておけば良いことが分かる
【0030】最後に、エレベータの乗りかご16内の実
測騒音レベルが、図13乃至図15に示されている。乗
りかご16内における振動騒音は、乗りかごの上昇およ
び下降時に機械室から洩れてくるものよりも、乗りかご
16のドア23の開閉により発生するものの方が遥かに
大きな振動騒音であることが分る。因みに、乗りかご1
6内においては、機械室10から洩れてくる振動騒音は
ピーク時で54dbから58db程度であるにも拘らず
、ドア23の開閉に際しては60乃至80db程度もあ
り、ドア23の開閉に伴う振動騒音の方が大きい。しか
しながら、この様な騒音が記録される乗りかご16内に
おいても、この発明に係る防音装置を取り付けることに
より少なくともエレベータの下降時および上昇時に機械
室10から洩れ出てくる振動騒音だけは打ち消すことが
できるので、ドアの開閉との間に連続的に記録されてい
る騒音をドアの開閉動作間のみでも低減させることが可
能となる。
【0031】次に、この発明に係るエレベータ用の防音
装置の他の実施例について、図16を用いて説明する。 この実施例では、振動騒音と逆位相の打消し音を3次元
波により合成して振動騒音源に向けて出力する点で前記
実施例の平面波を用いるものと異なっている。
【0032】すなわち、図16に示すように、防音ダク
ト35、35およびスピーカ36、36に代えて、複数
のスピーカ44を騒音源となり得る機械室10内のあら
ゆる方向を向けてロープ貫通孔20、20の近辺に多数
配置する。この実施例においては一応4つの方向に向け
てそれぞれ2つずつ1つのロープ貫通孔20に対して合
計8つずつのスピーカ44が、全部で16個設けられて
いる。これら16個のスピーカ44により振動騒音と逆
位相の打消し音が発せられて、ロープ貫通孔20、20
を通過しようとする振動騒音が打ち消されることになる
。その他の構成、特に演算装置の構成については、打消
し音が平面波から3次元波に変更された点以外は前記実
施例のそれと同じであるので、図3乃至図15に相当す
る動作及び効果の説明は省略する。
【0033】なお、この実施例の防音装置の場合、設置
されるスピーカ44の数および設置方向等については、
それぞれの機械室10の配置に対応させて、実験結果か
ら得られたデータに基づいてより効果的な振動騒音の消
音が行えるものに設定すれば良い。また、巻き上げ機1
1の制御盤に供給される各種の検出信号を演算装置31
に供給するようにして、これらの制御要素を振動騒音の
消音動作に流用するようにしても良い。
【0034】なお、上記2の実施例において、振動検出
器30としては加速度,速度又は変位を検出することに
より、それぞれ加速度,速度又は変位量に比例した電圧
を発生させて振動を検知する一般的な振動ピックアップ
を用いるようにしている。例えば、振動検出器として加
速度ピックアップを用いた場合、ばね質量系(ダイナモ
系)を内蔵した圧電型ピックアップより構成されている
。このタイプにおいては、圧電素子がばねの役割を担当
しているため固有振動数が10KHz以上にあるため、
それより充分に低い周波数領域で加速度ピックアップと
して働くことになる。
【0035】また、演算装置31としては、検出された
振動波形に基づいてこの振動より生起される騒音の位相
を予測し得るものであれば、従来のアナログ式周波数分
析器であろうと、高速フーリエ変換FFTを用いたディ
ジタル式周波数分析器であろうと、またA/Dコンバー
タを用いてコンピュータにより振動波形を数値化してパ
ワースペクトラムを算出するものであろうと、如何なる
ものでも実施化が可能である。
【0036】前記アナログ式周波数分析器は、振動の波
形データをデータレコーダ等から再生しながら、帯域フ
ィルタ群を通して各周波数帯域に存在する成分の実効値
を測定するもので、用いられる帯域フィルタのタイプに
より、定比帯域周波数分析器と、定帯域周波数分析器と
に分類される。特に機械振動の測定および分析には、周
波数を細かい分解能で分析できる定帯域周波数分析器が
適しており、この定帯域分析器は帯域フィイルタ群の中
心周波数が等差数列となったヘテロダイン方式を用いて
作られている。
【0037】前記ディジタル式周波数分析器は、一定時
間毎にサンプルされディジタル化された波形データをフ
ーリエ変換FFTして、等差数列状に並んだ周波数にお
けるパワースペクトラムを求めるものである。フーリエ
変換には前記FFTが用いられている。市販のディジタ
ル式周波数分析器はディジタルトランジェントメモリと
一体となっており、FFTアナライザ、スペクトラムア
ナライザ等と呼ばれている。これらのアナライザはディ
ジタル信号処理を行っているので、他の様々な解析も容
易に行うことができる。
【0038】前記コンピュータ援用周波数分析器は、ア
ナログデータをディジタル数値データに変換するアナロ
グ/ディジタル変換器(A/Dコンバータ)をコンピュ
ータの拡張バスに増設し、内蔵または外部プログラムに
より、前記A/Dコンバータを動作せしめる。波形デー
タは、一定時間毎に数値データに変換されてコンピュー
タの内蔵または付属のメモリ内のユーザ領域に格納され
る。このデータをプログラムの配列要素に入れて所定の
プログラムによりFFTを行うことによりスペクトラム
が求められる。
【0039】
【発明の効果】以上の各種の方法または装置を用いて本
発明は、建造物の上層階の機械室に設置される巻き上げ
機と、この巻き上げ機に巻き込まれ機械室の床を貫通す
るロープ貫通孔を通して乗りかごを昇降させるロープと
、前記巻き上げ機を含む前記機械室内の振動騒音源の近
傍に取り付けられてこれらの振動を検出する振動検出器
と、この振動検出器により検出された振動に基づき前記
ロープ貫通孔から前記乗りかごの昇降路に漏れ出る振動
騒音の周波数およびその位相を予測する騒音予測器と、
この騒音予測器により予測された騒音波形の位相と逆位
相を有する騒音打ち消し用の音信号を生成する音信号生
成器と、前記ロープ貫通孔の近傍に設けられるとともに
前記音信号生成器により生成された騒音と逆位相の騒音
打ち消し音の音信号を実際の音に変換する打ち消し音発
生器とを具備したものであるから、振動騒音源から発せ
られる振動騒音を逆位相の打ち消し音により消去もしく
は低減させ昇降路、乗りかご、エレベータオール等に伝
達される騒音を低下させることができる。
【0040】また、前記音発生器は、前記振動騒音源か
ら前記ロープ貫通孔に向かって発せられる3次元の騒音
を2次元の平面波に変換するための防音ダクトの内部に
設けられ、2次元の前記平面波よりなる騒音と逆位相の
騒音打ち消し用平面波を発生させるスピーカを具備した
ものであるから、振動騒音が逆位相の打ち消し音のスピ
ーカの音により低減させ、昇降路、乗りかご、エレベー
タオール等に伝達される騒音を低下し、乗客等に不快感
を除去させることができる。
【0041】さらにまた、前記音発生器は、前記振動騒
音源より3次元波として前記ロープ貫通孔に伝播される
振動騒音を打ち消すために、前記ロープ貫通孔の近傍に
複数の騒音源に向けて多数、かつ多方向を向けて設置さ
れた複数個のスピーカを具備したものであるから、振動
騒音源から発生する3次元波が逆位相の打ち消し音を発
生する複数の直接にのスピーカにより低減させ、昇降路
、乗りかご、エレベータオール等に伝達される騒音を低
下し、乗客等に不快感を除去させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明エベータ用機械室の防音装置の基本的構
成を示すブロック線図。
【図2】図1を具体化した本発明エベータ用機械室の防
音装置を示すブロック線図。
【図3】図2の防音装置の動作を説明するためのフロー
チャート。
【図4】エベータ用機械室内の減速機等の騒音特性図。
【図5】エベータ用機械室内の減速機等の騒音特性図。
【図6】エベータ用機械室内の減速機等の騒音特性図。
【図7】エベータ用機械室内の減速機振動の加速度レベ
ルと時間との相関特性図。
【図8】エベータ用機械室内の減速機振動の加速度レベ
ルと時間との相関特性図。
【図9】エベータ用機械室内の減速機振動の加速度レベ
ルと時間との相関特性図。
【図10】エベータ用機械室内のモータの騒音特性図。
【図11】エベータ用機械室内のモータの騒音特性図。
【図12】エベータ用機械室内のモータの騒音特性図。
【図13】エベータ用機械室内の乗りかごの騒音特性図
【図14】エベータ用機械室内の乗りかごの騒音特性図
【図15】エベータ用機械室内の乗りかごの騒音特性図
【図16】他の実施例を示す本発明エベータ用機械室の
防音装置を示すブロック線図。
【図17】従来のエベータ用機械室の防音装置を示すブ
ロック線図。
【図18】従来のエベータ用機械室の防音装置を示すブ
ロック線図。 10  機械室 11  巻き上げ機 12  メインシーブ 13  制御装置 15  昇降路 16  ロープ 17  乗りかご 18  錘り 19  床 20  ロープ貫通孔 21  エベータホール 22  乗降口 23  ドア 25  振動騒音防止装置 27  吸音材 28  防音ダクト 30  騒音検出器 31  演算装置 32  増幅器 33  スピーカ 34  孔 35  防音ダクト 36  スピーカ 44  スピーカ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建造物の上層階の機械室に設置される巻き
    上げ機と、この巻き上げ機に巻き込まれ機械室の床を貫
    通するロープ貫通孔を通して乗りかごを昇降させるロー
    プと、前記巻き上げ機を含む前記機械室内の振動騒音源
    の近傍に取り付けられてこれらの振動を検出する振動検
    出器と、この振動検出器により検出された振動に基づき
    前記ロープ貫通孔から前記乗りかごの昇降路に漏れ出る
    振動騒音の周波数およびその位相を予測する騒音予測器
    と、この騒音予測器により予測された騒音波形の位相と
    逆位相を有する騒音打ち消し用の音信号を生成する音信
    号生成器と、前記ロープ貫通孔の近傍に設けられるとと
    もに前記音信号生成器により生成された騒音と逆位相の
    騒音打ち消し音の音信号を実際の音に変換する打ち消し
    音発生器とを具備したことを特徴とするエベータ用機械
    室の防音装置。
  2. 【請求項2】前記音発生器は、前記振動騒音源から前記
    ロープ貫通孔に向かって発せられる3次元の騒音を2次
    元の平面波に変換するための防音ダクトの内部に設けら
    れ、2次元の前記平面波よりなる騒音と逆位相の騒音打
    ち消し用平面波を発生させるスピーカを具備したことを
    特徴とする請求項1記載のエレベータ用機械室の防音装
    置。
  3. 【請求項3】前記音発生器は、前記振動騒音源より3次
    元波として前記ロープ貫通孔に伝播される振動騒音を打
    ち消すために、前記ロープ貫通孔の近傍に複数の騒音源
    に向けて多数、かつ、多方向を向けて設置された複数個
    のスピーカを具備したことを特徴とする請求項1記載の
    エレベータ用機械室の防音装置。
JP3034383A 1990-02-28 1991-02-28 エレベータ用機械室の防音装置 Expired - Fee Related JP2772149B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3034383A JP2772149B2 (ja) 1990-02-28 1991-02-28 エレベータ用機械室の防音装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4812590 1990-02-28
JP2-48125 1990-02-28
JP3034383A JP2772149B2 (ja) 1990-02-28 1991-02-28 エレベータ用機械室の防音装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04213589A true JPH04213589A (ja) 1992-08-04
JP2772149B2 JP2772149B2 (ja) 1998-07-02

Family

ID=26373184

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3034383A Expired - Fee Related JP2772149B2 (ja) 1990-02-28 1991-02-28 エレベータ用機械室の防音装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2772149B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100430309C (zh) * 2004-03-02 2008-11-05 三菱电机株式会社 电梯装置
JP2013001483A (ja) * 2011-06-14 2013-01-07 Mitsubishi Electric Corp 乗客コンベア用の消音システムおよび乗客コンベア用の消音方法
JP2017081687A (ja) * 2015-10-27 2017-05-18 株式会社日立製作所 エレベータ装置及びその運行制御方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100430309C (zh) * 2004-03-02 2008-11-05 三菱电机株式会社 电梯装置
JP2013001483A (ja) * 2011-06-14 2013-01-07 Mitsubishi Electric Corp 乗客コンベア用の消音システムおよび乗客コンベア用の消音方法
JP2017081687A (ja) * 2015-10-27 2017-05-18 株式会社日立製作所 エレベータ装置及びその運行制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2772149B2 (ja) 1998-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5135079A (en) Noise prevention apparatus for a cable winch elevator
JP4597174B2 (ja) エレベーター装置
JP2877745B2 (ja) トラクションシーブエレベータとトラクションシーブエレベータ用機械空間
JPH0944168A (ja) 複数階建築物における床衝撃音消音装置
US20210206597A1 (en) Method for operating an elevator
Szydło et al. Assessment of lift passenger comfort by the Hilbert–Huang transform
JP2007297180A (ja) エレベータ
WO2010033103A1 (en) Actively controlled noise cancellation system for an elevator cab
JP5388054B2 (ja) エレベータ制振装置を備えるエレベータ
JP2772149B2 (ja) エレベータ用機械室の防音装置
JP5033355B2 (ja) エレベーター装置
JP2010052924A (ja) エレベータの制御装置
JP2009256056A (ja) エレベータ制振装置
JP5071978B2 (ja) エレベータ制振装置
CN109466991B (zh) 电梯声音系统
CN107055237A (zh) 一种高速电梯的噪声主动控制系统及方法
JP4122761B2 (ja) エレベーター装置
JP5590918B2 (ja) 音声認識装置、音声認識方法及びエレベータ管理システム
JPH09315721A (ja) エレベーター装置
CN212506840U (zh) 一种半消声室的减震隔音装置
CN206407774U (zh) 一种高速电梯的噪声主动控制系统
JP2007308257A (ja) エレベータ装置
CN113503334B (zh) 减小导轨振动的方法
JP2003160281A (ja) エレベーター振動制御装置
JP2000264551A (ja) エレベータ装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees