JP5590918B2 - 音声認識装置、音声認識方法及びエレベータ管理システム - Google Patents

音声認識装置、音声認識方法及びエレベータ管理システム Download PDF

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Description

本発明は、音声認識技術に関し、特に、エレベータかごや車両などの移動体の中の発声体が発する音声を認識する音声認識技術に関する。
音声認識システムは、たとえば、自動車用のナビゲーションシステムや公共施設に設置された情報端末などの様々な分野で活用されており、近年の音声認識率の向上によりその利便性は著しく向上している。しかしながら、自動車の走行時に発生する騒音や公共施設での不特定多数の人が発する音が雑音(ノイズ)となって音声認識率を低下させるという問題がある。それ故、音声認識率の向上のためには、音声認識システムに入力される音声信号に重畳されている雑音を低減することが重要である。音声信号中の雑音を除去または低減する技術は、たとえば、特開2005−247181号公報(特許文献1)や特開平9−258745号公報(特許文献2)に開示されている。
特許文献1には、自動車の車内に置かれた2つのマイクロフォンで検出された音声信号の差分を検出することにより自動車の走行時に発生する雑音や音響エコーを低減する技術が開示されている。特許文献2には、エレベータなどの音響反射の存在する空間に侵入する騒音の音響パワーを低減する能動消音装置が開示されている。この能動消音装置は、騒音侵入口に配置されたスピーカから、騒音に対して逆位相で同じ体積速度(振幅)の音を出力して騒音を打ち消す機能を有するものである。
特開2005−247181号公報(段落0017〜0026、図1) 特開平9−258745号公報(段落0051〜0056、図1)
自動車やエレベータでは、開いたドアを通じて内部空間に侵入する雑音の音響エネルギーが大きいと、利用者の発する音声が雑音の中に埋もれてしまうため、音声認識率が著しく低下するという問題がある。特に、エレベータのようにドアの開口面積が大きい移動体では、ドアの全開時に内部空間に侵入する雑音の音響エネルギーは大きくなりやすい。特許文献2に開示される技術を用いれば、内部空間に侵入する雑音とは逆位相の音を出力して雑音を打ち消すことができる。しかしながら、雑音の音響エネルギーが大きいとき、これを打ち消すための逆位相の音の音響エネルギーも大きくする必要があり、利用者の聴覚に不快感を与えてしまうという問題がある。
上記に鑑みて本発明の目的は、利用者の聴覚に与える不快感を抑制しつつ、移動体のドアから侵入する雑音を逆位相の音で減衰させることができる音声認識装置、音声認識方法及びエレベータ管理システムを提供することにある。
本発明による音声認識装置は、前面に開閉自在のドアを有する移動体の内部空間を伝搬する内部音響波を検出する第1の集音装置と、前記移動体の外から前記前面に伝搬する外部音響波を検出する第2の集音装置とを用いて、前記内部音響波に含まれる音声を認識する音声認識装置であって、前記第1の集音装置による検出結果を解析し、その解析結果に基づいて前記音声を認識する音声認識処理部と、前記第2の集音装置による検出結果に応じて、前記外部音響波に含まれる雑音成分とは逆位相の音成分を含む雑音消去音響波を生成するための雑音消去信号を生成し、可変の増幅率に基づいて前記雑音消去信号を増幅して増幅雑音消去信号を生成し、前記増幅雑音消去信号を前記移動体に取り付けられた消音スピーカに出力する雑音消去処理部と、を備え、前記消音スピーカは、前記増幅雑音消去信号に応じて前記雑音消去音響波を生成して前記雑音消去音響波を前記内部空間に放射し、前記雑音消去処理部は、前記ドアの開動作及び閉動作と連動して、前記ドアの開度の上昇とともに前記増幅率を増加させ、前記ドアの開度の下降とともに前記増幅率を減少させることを特徴とする。
本発明によるエレベータ管理システムは、移動体であるエレベータかごと、前記音声認識装置とを有することを特徴とする。
本発明による音声認識方法は、前面に開閉自在のドアを有する移動体の内部空間を伝搬する内部音響波を検出する第1の集音装置と、前記移動体の外から前記前面に伝搬する外部音響波を検出する第2の集音装置とを用いて、前記内部音響波に含まれる音声を認識する音声認識方法であって、前記第2の集音装置による検出結果に応じて、前記外部音響波に含まれる雑音成分とは逆位相の音成分を含む雑音消去音響波を生成するための雑音消去信号を生成し、可変の増幅率に基づいて前記雑音消去信号を増幅して増幅雑音消去信号を生成するステップと、前記ドアの開動作及び閉動作と連動して、前記ドアの開度の上昇とともに前記増幅率を増加させ、前記ドアの開度の下降とともに前記増幅率を減少させるステップと、前記増幅雑音消去信号を前記移動体に取り付けられた消音スピーカに出力することにより、前記雑音消去音響波を前記消音スピーカから前記内部空間に放射させるステップと、前記第1の集音装置による検出結果を解析し、その解析結果に基づいて前記音声を認識するステップと、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、移動体のドアの開動作及び閉動作の少なくとも一方と連動して雑音消去音響波の音響エネルギーを変化させることができるので、雑音消去音響波の音圧が移動体の乗客の聴覚に与える不快感を抑制しつつ、ドアから移動体の内部に侵入した雑音を効果的に減衰させることができる。
本発明に係る実施の形態1のエレベータ管理システムの概略構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態1のエレベータかごの概略斜視図である。 実施の形態1のエレベータかご内の消音スピーカと内部集音マイクロフォンの配置の一例を示す図である。 実施の形態1のエレベータかご内の消音スピーカと内部集音マイクロフォンの配置の他の例を示す図である。 実施の形態1のエレベータかごのドアが両開き式で動作する場合の雑音消去処理の手順を概略的に示すフローチャートである。 両開き式のドアの開度と増幅率との関係を概略的に示すグラフである。 実施の形態1のエレベータかごのドアが片開き式で動作する場合の雑音消去処理の手順を概略的に示すフローチャートである。 片開き式のドアの開度と増幅率との関係を概略的に示すグラフである。 本発明に係る実施の形態3のエレベータ管理システムの概略構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態3の雑音消去処理部の処理内容を概略的に示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態4のエレベータ管理システムの概略構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態4のエレベータかごの概略斜視図である。 実施の形態4の雑音消去処理部の処理を概略的に示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る実施の形態1である音声認識機能を有するエレベータ管理システム1Aの概略構成を示す機能ブロック図である。図1に示されるように、このエレベータ管理システム1Aは、エレベータかご90と、このエレベータかご90の運行を制御する運転制御部10と、エレベータかご90の内部空間における雑音を打ち消すための雑音消去信号Ncを生成する雑音消去処理部20Aと、エレベータかご90に搭載される発声体(たとえば、エレベータ管理システム1Aの利用者や管理者などのユーザ)が発する音声を認識する音声認識処理部30とを備えている。本実施の形態では、雑音消去処理部20Aと音声認識処理部30とで音声認識装置2Aが構成される。エレベータかご(移動体)90は開閉自在のドア91を有している。
エレベータかご90の運行やドア91の開閉動作は運転制御部10によって制御される。運転制御部10は、エレベータ管理システム1Aの全体動作を制御するとともに、ドア91の開閉動作の状態を示す開閉制御情報Daと、荷重センサ95による検出結果を表すセンサ検出情報Dbと、エレベータかご90が停止している階床(フロア)の情報である停止フロア情報Dcとを雑音消去処理部20Aに供給する。荷重センサ95は、エレベータかご90とこのエレベータかご90の搭載物との合計荷重を検出し、その検出結果を運転制御部10に出力する機能を有している。運転制御部10は、荷重センサ95から送られた検出結果に基づいて、エレベータかご90の内部空間にユーザが存在するかどうかを検知することができる。
エレベータかご90の内部空間には、たとえばドア91の近辺の壁面に操作盤(操作パネル)92が取り付けられている。ユーザは、操作盤92を操作して情報(たとえば、ドア91の開閉を指示する情報や行き先階を指定する情報)を入力することができる。操作盤92には、各階の番号に対応するボタンと、ドア91の開閉を指示するためのボタンとが設けられており、利用者は、これらボタンのいずれかを押すことで情報を入力することができる。その入力情報はケーブル(図示せず)を介して運転制御部10に伝達される。運転制御部10は、その入力情報に従ってエレベータかご90の運行を制御することができる。
また、エレベータかご90の内部空間には、一対の消音スピーカ40A,40Bと、一対の内部集音マイクロフォン41A,41Bとが設置されている。さらに、エレベータかご90の外壁には、フロア50に面するドア91の前面(エレベータかご90の内部とは反対側の面)付近に集音マイクロフォン42が取り付けられている。なお、説明の便宜上、図1にはフロア50は1つだけ示されているが、実際は、エレベータかご90が停止する階床毎にフロア50は存在する。
図2及び図3(A),(B)は、これら消音スピーカ40A,40Bと内部集音マイクロフォン41A,41Bと集音マイクロフォン42とを有するエレベータかご90の一例を概略的に示す図である。図2は、エレベータかご90の斜視図であり、図3(A)は、エレベータかご90の正面図(エレベータかご90をフロア50側から見た図)、図3(B)は、エレベータかご90の上面図である。図2及び図3(A),(B)に示されるように、ドア91は、2枚のドア部材(ドアパネル)91A,91Bを有しており、これらドア部材91A,91Bがスライドすることにより、ドア91は全閉状態から全開状態あるいは全開状態から全閉状態となる。ドア部材91A,91Bが両開き式のものの場合、ドア91A,91Bが駆動手段(図示せず)によりそれぞれ互いに反対方向D1,D2にスライドされてドア袋(図示せず)に収納されたとき、ドア91は全閉状態から全開状態となる。一方、ドア部材91A,91Bが駆動手段によりそれぞれ互いに反対方向D2,D1にスライドされてドア袋から引き出されたときは、ドア91は全開状態から全閉状態となる。ドア部材91A,91Bが片開き式のものの場合には、ドア部材91A,91Bはともに同一方向に移動する。たとえば、ドア部材91A,91Bが方向D1にスライドされてドア袋(図示せず)に収納されたときは、ドア91は全閉状態から全開状態となり、ドア部材91A,91Bがその逆方向D2にスライドされてドア袋から引き出されたときは、ドア91は全開状態から全閉状態となる。
エレベータの利用者がエレベータかご90の内部空間のどの位置で発声するかを正確に予測することは困難であるが、エレベータかご90内で利用者が立つ確率が高い位置は、経験的に、ドア91の両端部付近、エレベータかご90の対向する側面90sa,90sbの近傍、並びに、エレベータかご90の対角部分近傍であると考えられる。よって、利用者が発した音声を集音しやすい位置として、消音スピーカ40A及び内部集音マイクロフォン41Aの組と消音スピーカ40B及び内部集音マイクロフォン41Bの組とを、1)図2及び図3(A),(B)に示されるようにドア91の両端部近傍、2)エレベータかご90の対向する側面90sa,90sbの近傍、あるいは、3)エレベータかご90の対角部分近傍に設置することが望ましい。図4(A),(B),(C)は、消音スピーカ40A及び内部集音マイクロフォン41Aの組と消音スピーカ40B及び内部集音マイクロフォン41Bの組とをエレベータかご90の対角線近傍に設置した状態を例示する概略図である。図4(A)は、エレベータかご90の正面図を、図4(B)は、エレベータかご90の上面図の一例を、図4(C)は、エレベータかご90の上面図の他の例をそれぞれ示している。
内部集音マイクロフォン41A,41Bはそれぞれエレベータかご90の内部空間を伝搬する音響波(内部音響波)を検出し、その検出結果である検出信号Sa,Sbを図1の音声認識処理部30に出力する。エレベータかご90内の利用者は、内部集音マイクロフォン41A,41Bを通じて音声情報を運転制御部10に伝えることができる。具体的には、利用者が発した音声は、内部集音マイクロフォン41A,41Bによって検出される。その検出結果である検出信号Sa,Sbは、音声認識処理部30に送信される。音声認識処理部30では、差分検出部31が検出信号Sa,Sbの差分を検出し、その検出結果である差分信号Sdを音声認識部32に出力する。内部集音マイクロフォン41A,41Bは、ほぼ同じ位相の背景雑音を検出することができるので、検出信号Sa,Sbの差分をとることで、両検出信号Sa,Sbに含まれる背景雑音成分を互いにキャンセルする(打ち消す)ことができる。音声認識部32は、背景雑音成分がキャンセルされた差分信号Sdを解析して利用者が発した音声(たとえば、行き先階を指定する音声)を認識し、その認識結果を運転制御部10に出力することとなる。運転制御部10は、その認識結果に応じてエレベータかご90の運行を制御することができる。
図1の集音マイクロフォン42は、エレベータかご90内の利用者が発する音声が伝搬しにくい場所に設置されている。この集音マイクロフォン42は、フロア50からエレベータかご90の前面に伝搬する音響波(外部音響波)を検出し、その検出結果である検出信号Sfを雑音消去処理部20Aに出力する。たとえば図2に示されるようにフロア50の方向に集音部を向けた集音マイクロフォン42をドア91の上部外壁に設置することができる。
雑音消去処理部20Aは、信号出力制御部21A、制御パラメータ記憶部22A及び雑音消去信号生成部23を含む。信号出力制御部21Aと雑音消去信号生成部23とで本発明の信号処理部を構成することができる。雑音消去信号生成部23は、検出信号Sfから、ドア91を通じてエレベータかご90内に侵入した外部音響波を打ち消すための雑音消去信号ncを生成し、雑音消去信号ncを信号出力制御部21Aに供給する。信号出力制御部21Aは、可変設定された増幅率(利得)η,ηに基づいて雑音消去信号ncを増幅して増幅雑音消去信号Nca,Ncbを生成する。ここで、増幅雑音消去信号Ncaは増幅率ηに基づいて増幅された信号であり、増幅雑音消去信号Ncbは増幅率ηに基づいて増幅された信号である。これら増幅雑音消去信号Nca,Ncbは、それぞれ、エレベータかご90の中に設置された消音スピーカ40A,40Bに出力される。消音スピーカ40A,40Bはそれぞれ増幅雑音消去信号Nca,Ncbに応じて、集音マイクロフォン42で検出された外部音響波に含まれる雑音成分とは逆位相の音を含む雑音消去音響波をエレベータかご90の内部空間に放射することにより、ドア91を通じてフロア50から内部空間に侵入した雑音を打ち消すことができる。
エレベータかご90内の一方の消音スピーカ40Aは、内部集音マイクロフォン41Aの集音範囲内の空間に雑音消去音響波を放射するように設置されているので、内部集音マイクロフォン41Aの近傍の雑音を効果的に打ち消すことができ、他方の消音スピーカ40Bは、内部集音マイクロフォン41Bの集音範囲内の空間に雑音消去音響波を放射するように設置されているので、内部集音マイクロフォン41Bの近傍の雑音を効果的に打ち消すことができる。よって、雑音成分の少ない検出信号Sa,Sbを差分検出部31に供給することができる。これにより、音声認識率を向上させることができる。
制御パラメータ記憶部22Aには、エレベータかご90の構造やドア91の構造(たとえば、ドア91の寸法や配置や材質)に基づいて定められた制御パラメータ、並びに、消音スピーカ40A,40B及び内部集音マイクロフォン41A,41Bの特性に関する制御パラメータが予め記憶されている。信号出力制御部21Aは、これら制御パラメータに基づいて、増幅雑音消去信号Ncaに対する増幅率ηと、増幅雑音消去信号Ncbに対応する増幅率ηとを個別に可変設定する機能を有している。外部音響波は、主にドア91を通じてエレベータかご90の内部空間に侵入するため、内部空間に侵入した音響波の音圧分布は、ドア91の材質や寸法や配置などの構造に依存する。また、消音スピーカ40A,40Bの設置位置や消音スピーカ40A,40Bの特性に応じて、侵入した音響波を効果的に減衰させることができる範囲が予測される。エレベータ管理システム1Aの設計者や管理者などのユーザは、ドア91の構造から予測または実測された音圧分布に基づいて、増幅率η,ηの設定値または設定範囲を決定し、当該設定値または設定範囲を制御パラメータとして制御パラメータ記憶部22Aに記憶させることができる。信号出力制御部21Aは、当該設定値または設定範囲内の増幅率η,ηに基づいて雑音消去信号ncを増幅することで増幅雑音消去信号Nca,Ncbを生成する。したがって、ユーザは、制御パラメータの値を適宜調整することにより、エレベータかご90内に侵入した雑音を効果的に打ち消す(減衰させる)ことができる雑音消去音響波を消音スピーカ40A,40Bから出力させることができる。
また、信号出力制御部21Aは、制御パラメータに基づいて、ドア91の開閉動作と連動して増幅率η,ηを変化させる機能をも有する。ドア91が全閉状態のとき、外部音響波はエレベータかご90内に侵入しにくいので増幅雑音消去信号Nca,Ncbの信号レベルを低くすればよく、ドア91が全開状態のときは、外部音響波はドア91の開口部を通じてエレベータかご90内に容易に侵入するので増幅雑音消去信号Nca,Ncbの信号レベルを高くすることが要求される。この要求を実現するために、信号出力制御部21Aは、ドア91の開度(たとえば、ドア91の開口面積に比例する値)を示す開閉制御情報Daをリアルタイムに取得する。そして、信号出力制御部21Aは、ドア91の開度の上昇とともに(ドア91の全閉状態から全開状態への遷移とともに)徐々にまたは段階的に増幅率η,ηを増加させ、ドア91の開度の下降とともに(ドア91の全開状態から全閉状態への遷移とともに)徐々にまたは段階的に増幅率η,ηを減少させる。
以下、図5及び図6(A),(B)を参照しつつ、雑音消去処理部20Aの処理の一例を説明する。図5は、ドア91が両開き式で動作する場合における雑音消去処理部20Aによる雑音消去処理の手順を概略的に示すフローチャートである。図6(A)は、両開き式のドア91の開度と増幅率ηとの関係を概略的に示すグラフであり、図6(B)は、ドア91の開度と増幅率ηとの関係を概略的に示すグラフである。図6(A),(B)において、横軸は経過時間tを示し、曲線101はドア91の開度を示し、曲線211Aは増幅雑音消去信号Ncaに対する増幅率ηを示し、曲線211Bは増幅雑音消去信号Ncbに対する増幅率ηを示している。
内部集音マイクロフォン41A,41Bは、両開き式のドア91の中央位置に関して対称な位置にそれぞれ設置されている。両開き式のドア91は、当該ドア91の中央位置から開くため、フロア50からエレベータかご90の内部に侵入する騒音が内部集音マイクロフォン41A,41Bにそれぞれ与える音圧はほぼ同じである。それ故、信号出力制御部21Aは、制御パラメータに基づいて、消音スピーカ40A,40Bからほぼ同じ音響エネルギーの雑音消去音響波が出力されるように増幅率η,ηの値を制御する。
図5を参照すると、信号出力制御部21Aは、開閉制御情報Daを監視しつつエレベータかご90のドア91が開くまで待機している(ステップS10のNO)。時刻tでドア91の開く動作を検知したとき(ステップS10のYES)、信号出力制御部21Aは、現在時刻が時刻tから所定時間Δt経過後の時刻tに達すると、増幅率η,ηの上昇を開始する(ステップS12)。所定時間Δtの値は、制御パラメータの1つとして制御パラメータ記憶部22Aに記憶されている。
このとき、図6(A),(B)に示されるように、ドア91の開度は、時刻t以後、最小値OLminから徐々に上昇する。このドア91の開動作と連動して、信号出力制御部21Aは、時刻t以後、増幅率η,ηを最小レベルCLminから速度V(単位時間当たりの増幅率η,ηの変化量)で徐々に上昇させる。ドア91の開度の上昇とともにこのドア91からエレベータかご90の内部に侵入する騒音の音圧も次第に大きくなるが、ドア91の開度の上昇とともに増幅雑音消去信号Nca,Ncbの信号レベルも次第に大きくなるので、利用者の聴覚に与える不快感を抑制しつつ、内部集音マイクロフォン41A,41Bの集音範囲における騒音を効果的に打ち消す(減衰させる)ことができる。このとき、エレベータかご90内の利用者が内部集音マイクロフォン41A,41Bに向けて行き先階を発声すれば、内部集音マイクロフォン41A,41Bは雑音成分の少ない検出信号Sa,Sbを出力するので、音声認識部32は、高い認識率で当該行き先階の音声情報を認識することができる。
その後、信号出力制御部21Aは、開閉制御情報Daを監視しつつドア91が全開状態に達するまで待機している(ステップS14のNO)。時刻tでドア91が全開状態に達したこと(あるいは、ドア91の開度が最大値OLmaxに達したこと)を検知すると(ステップS14のYES)、信号出力制御部21Aは、増幅率η,ηの上昇を停止して増幅率η,ηを最大レベルCLmaxに維持する(ステップS16)。
その後、信号出力制御部21Aは、開閉制御情報Daを監視しつつドア91の閉じる動作を検知するまで待機している(ステップS18のNO)。時刻tでドア91の閉じる動作を検知すると(ステップS18のYES)、信号出力制御部21Aは、増幅率η,ηの下降を開始する(ステップS20)。このとき、図6(A),(B)に示されるように、ドア91の開度は、時刻t以後、最大値OLmaxから徐々に下降する。このドア91の閉動作と連動して、信号出力制御部21Aは、時刻t以後、増幅率η,ηを最大レベルCLmaxから速度V(単位時間当たりの増幅率η,ηの変化量)で徐々に下降させる。これにより、ドア91の開度の下降とともにこのドア91からエレベータかご90の内部に侵入する騒音の音圧も次第に小さくなるが、ドア91の開度の下降とともに増幅雑音消去信号Nca,Ncbの信号レベルも次第に小さくなるので、利用者の聴覚に与える不快感を抑制しつつ、内部集音マイクロフォン41A,41Bの集音範囲における騒音を効果的に打ち消す(減衰させる)ことができる。このとき、エレベータかご90の乗客である利用者が内部集音マイクロフォン41A,41Bに向けて行き先階を発声すれば、内部集音マイクロフォン41A,41Bは雑音成分の少ない検出信号Sa,Sbを出力するので、音声認識部32は、高い認識率で当該行き先階の音声情報を認識することができる。
その後、信号出力制御部21Aは、増幅率η,ηが最小レベルCLminに達したときに増幅率η,ηの下降を停止する(ステップS22)。そして、信号出力制御部21Aは、ドア91の全閉状態を検知するまで待機する(ステップS24のNO)。時刻tでドア91の全閉状態が検知されたとき(ステップS24のYES)、雑音消去処理を終了するとの判定(ステップS26のYES)がなければ、上記ステップS10〜S24が実行される(ステップS25のNO)。
なお、増幅率η,ηの最小レベルCLmin及び最大レベルCLmaxの値は、エレベータかご90の構造やドア91の構造により異なるため、エレベータ管理システム1Aの設計者または管理者は、エレベータかご90の構造やドア91の構造に基づいて、最小レベルCLmin及び最大レベルCLmaxの値を予め決定しておくことができる。設計者または管理者は、決定した最小レベルCLmin及び最大レベルCLmaxの値、あるいは、これら最小レベルCLmin及び最大レベルCLmaxに対応する増幅率η,ηの上昇率Vや下降率Vを制御パラメータとして制御パラメータ記憶部22Aに記憶させることができる。
次に、図7及び図8(A),(B)を参照しつつ、雑音消去処理部20Aの処理内容の他の例を説明する。図7は、ドア91が片開き式で動作する場合における雑音消去処理部20Aによる雑音消去処理の手順を概略的に示すフローチャートである。図8(A)は、片開き式のドア91の開度と増幅率ηとの関係を概略的に示すグラフであり、図8(B)は、ドア91の開度と増幅率ηとの関係を概略的に示すグラフである。図8(A),(B)において、横軸は経過時間tを示し、曲線101はドア91の開度を示し、曲線211Aは増幅雑音消去信号Ncaに対する増幅率ηを示し、曲線211Bは増幅雑音消去信号Ncbに対する増幅率ηを示している。
内部集音マイクロフォン41A,41Bは、片開き式のドア91の中央位置に関して対称な位置にそれぞれ設置されているが、片開き式のドア91は、当該ドア91の一端部から他端部(ドア袋側)に向けて開くため、フロア50からエレベータかご90の内部に侵入する騒音が内部集音マイクロフォン41A,41Bにそれぞれ与える音圧は、ドア91が全開状態のときを除いて異なるものとなる。内部集音マイクロフォン41Aよりも内部集音マイクロフォン41Bの方がドア91の他端部(ドア袋)に近いとすると、ドア91の開閉動作中は、内部集音マイクロフォン41Aの方が内部集音マイクロフォン41Bよりもフロア50からの騒音の影響を大きく受けることになる。ドア91が全開状態になったときは、騒音が内部集音マイクロフォン41A,41Bにそれぞれ与える音圧はほぼ等しくなる。
図7を参照すると、信号出力制御部21Aは、開閉制御情報Daを監視しつつエレベータかご90のドア91が開くまで待機している(ステップS30のNO)。時刻tでドア91の開く動作を検知したとき(ステップS30のYES)、信号出力制御部21Aは、現在時刻が時刻tから所定時間ΔtSA経過後の時刻t1Aに達すると、増幅率ηの上昇を開始する(ステップS32)。さらに現在時刻が所定時間ΔtSB経過後の時刻t1Bに達すると、増幅率ηの上昇を開始する(ステップS34)。所定時間ΔtSA,ΔtSBの値は、制御パラメータの一部として制御パラメータ記憶部22Aに記憶されている。ここで、時刻t1A,t1Bの時間差ΔtSBをドア91の横幅に比例する値に定めることができる。
このとき、図8(A),(B)に示されるように、ドア91の開度は、時刻t以後、最小値OLminから徐々に上昇する。このドア91の開動作と連動して、信号出力制御部21Aは、時刻t1A以後、増幅率ηを最小レベルCLminから速度VUA(単位時間当たりの増幅率ηの変化量)で徐々に上昇させる。また、信号出力制御部21Aは、時刻t1B以後、増幅率ηを最小レベルCLminから速度VUB(単位時間当たりの増幅率ηの変化量)で徐々に上昇させる。ドア91の開度の上昇とともにこのドア91からエレベータかご90の内部に侵入する騒音の音圧も次第に大きくなるが、ドア91の開度の上昇とともに増幅雑音消去信号Nca,Ncbの信号レベルも次第に大きくなるので、利用者の聴覚に与える不快感を抑制しつつ、内部集音マイクロフォン41A,41Bの集音範囲における騒音を効果的に打ち消す(減衰させる)ことができる。
その後、信号出力制御部21Aは、開閉制御情報Daを監視しつつドア91が全開状態に達するまで待機している(ステップS36のNO)。時刻tでドア91が全開状態に達したこと(あるいは、ドア91の開度が最大値OLmaxに達したこと)を検知すると(ステップS36のYES)、信号出力制御部21Aは、増幅率η,ηの上昇を停止して増幅率η,ηを最大レベルCLmaxに維持する(ステップS38)。
その後、信号出力制御部21Aは、開閉制御情報Daを監視しつつドア91の閉じる動作を検知するまで待機している(ステップS40のNO)。時刻tでドア91の閉じる動作を検知すると(ステップS40のYES)、信号出力制御部21Aは、増幅率η,ηの下降を開始する(ステップS42)。このとき、図8(A),(B)に示されるように、ドア91の開度は、時刻t以後、最大値OLmaxから徐々に下降する。このドア91の閉動作と連動して、信号出力制御部21Aは、時刻t以後、増幅率ηを最大レベルCLmaxから速度VDA(単位時間当たりの増幅率ηの変化量)で徐々に下降させる。同時に、信号出力制御部21Aは、時刻t以後、増幅率ηを最大レベルCLmaxから速度VDB(単位時間当たりの増幅率ηの変化量)で徐々に下降させる。これにより、ドア91の開度の下降とともにこのドア91からエレベータかご90の内部に侵入する騒音の音圧も次第に小さくなるが、ドア91の開度の下降とともに増幅雑音消去信号Nca,Ncbの信号レベルも次第に小さくなるので、利用者の聴覚に与える不快感を抑制しつつ、内部集音マイクロフォン41A,41Bの集音範囲における騒音を効果的に打ち消す(減衰させる)ことができる。
その後、信号出力制御部21Aは、時刻t4Bで増幅率ηが最小レベルCLminに達したときに増幅率ηの下降を停止する(ステップS46)。その後、信号出力制御部21Aは、時刻t4Aで増幅率ηが最小レベルCLminに達したときに増幅率ηの下降を停止する(ステップS48)。なお、時刻t4B,t4A間の時間差はドア91の横幅に比例する。そして、信号出力制御部21Aは、ドア91の全閉状態を検知するまで待機する(ステップS50のNO)。時刻tでドア91の全閉状態が検知されたとき(ステップS50のYES)、雑音消去処理を終了するとの判定(ステップS52のYES)がなければ、上記ステップS30〜S50が実行される(ステップS52のNO)。
なお、エレベータ管理システム1Aの設計者または管理者は、予め決定した最小レベルCLmin及び最大レベルCLmaxの値、あるいは、これら最小レベルCLmin及び最大レベルCLmaxに対応する増幅率η,ηの上昇率VUA,VUBや下降率VDA,VDBを制御パラメータとして制御パラメータ記憶部22Aに記憶させることができる。
上記したように実施の形態1の音声認識装置2Aは、ドア91の開動作及び閉動作と連動して増幅率η,ηを変化させて消音スピーカ40A,40Bの出力を制御する。それ故、ドア91を通じて侵入する雑音の音圧が時間とともに変化しても、音声認識装置2Aは、この変化に合わせて雑音消去音響波の音響エネルギーの大きさを制御することができる。したがって、エレベータかご90の利用者の聴覚に与える不快感を抑制しつつ、音声認識率を向上させることができる。
なお、上記音声認識装置2Aを構成する機能ブロック21A,22A,23,31,32の全部または一部は、たとえば、マイクロプロセッサ,ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),タイマー回路,入出力インターフェース及び専用処理ユニットを含む集積回路で構成することができる。また、機能ブロック21A,22A,23,31,32の全部または一部の機能は、ハードウェアで実現されてもよいし、あるいは、マイクロプロセッサにより実行されるコンピュータプログラムで実現されてもよい。機能ブロック21A,22A,23,31,32の全部または一部の機能がコンピュータプログラム(実行形式のファイルを含む。)で実現される場合、マイクロプロセッサは、記憶媒体(図示せず)からコンピュータプログラムをロードし実行することによって当該機能を実現することができる。
実施の形態2.
次に、本発明に係る実施の形態2について説明する。本実施の形態のエレベータ管理システムの構成は、上記実施の形態1のエレベータ管理システム1Aの構成と同じである。本実施の形態では、信号出力制御部21Aは、センサ検出情報Dbに基づいてエレベータかご90の内部空間における発声体(ユーザ)を検知する。信号出力制御部21Aは、発声体を検知したときは増幅雑音消去信号Nca,Ncbを消音スピーカ40A,40Bに出力するが、発声体を検知しないときには増幅雑音消去信号Nca,Ncbを消音スピーカ40A,40Bに出力しない。これにより、エレベータかご90内が無人のときには増幅雑音消去信号Nca,Ncbの出力を停止して、電力消費量を低減することができる。
なお、本実施の形態では、信号出力制御部21Aは、荷重センサ95の感知結果を示すセンサ検出情報Dbに基づいてエレベータかご90内の発声体を検知する方法を採用しているが、この方法に代えて、たとえば、赤外線センサを利用して発声体の動きを検出しこの検出結果を用いてエレベータかご90内の発声体を検知することもできる。
実施の形態3.
次に、本発明に係る実施の形態3について説明する。図9は、実施の形態3であるエレベータ管理システム1Bの概略構成を示す機能ブロック図である。エレベータ管理システム1Bの構成は、雑音消去処理部20Bを有する点を除いて、図1のエレベータ管理システム1Aの構成と同じである。図9に示すエレベータ管理システム1Bの構成要素のうち、図1に示したエレベータ管理システム1Aの構成要素と同じ符号を付されたものは、同一機能を有するので、その詳細な説明を省略する。本実施の形態では、雑音消去処理部20Bと音声認識処理部30とで実施の形態3の音声認識装置2Bが構成される。
図9に示されるように、雑音消去処理部20Bは、信号出力制御部21B、制御パラメータ記憶部22B、雑音消去信号生成部23及び雑音測定部25を有する。実施の形態1の信号出力制御部21Aと同様に、信号出力制御部21Bには、運転制御部10から開閉制御情報Da、センサ検出情報Db及び停止フロア情報Dcが供給されている。制御パラメータ記憶部22Bには、実施の形態1の制御パラメータ記憶部22Aに記憶されているものと同様の制御パラメータが記憶されている。また、信号出力制御部21Bは、実施の形態1,2の信号出力制御部21Aと同様に、制御パラメータ記憶部22Bに記憶されている制御パラメータに基づいて増幅雑音消去信号Nca,Ncbを消音スピーカ40A,40Bに出力する機能(信号出力制御機能)を有する。
本実施の形態では、内部集音マイクロフォン41A,41Bの検出信号Sa,Sbが雑音測定部25に供給されている。雑音測定部25は、検出信号Sa,Sbに含まれる雑音成分の信号レベルを測定し、その測定結果を信号出力制御部21Bに与える。雑音測定部25は、検出信号Sa,Sbの一方のみ、あるいは双方に含まれる雑音成分の信号レベルを測定することができる。
また、信号出力制御部21Bは、センサ検出情報Dbに基づいてエレベータかご90の内部空間における発声体(利用者)の有無を判定する。信号出力制御部21Bは、エレベータかご90の内部空間に発声体が検知されない間に、雑音測定部25による測定結果に基づいて増幅率η,ηの設定範囲Δη,Δηを最適化し、最適化された設定範囲Δη,Δηを定める設定基準レベルを制御パラメータの一部として制御パラメータ記憶部22Bに記憶させる機能(増幅率最適化機能)を有する。信号出力制御部21Bは、増幅雑音消去信号Nca,Ncbを消音スピーカ40A,40Bに供給する際は、制御パラメータに基づいて、増幅率η,ηをそれぞれ設定範囲Δη,Δη内に制限する。たとえば、図6に示した最小レベルCLminから最大レベルCLmaxまでの可変範囲が増幅率η,ηの設定範囲Δη,Δηである。
設定範囲Δη,Δηを定める設定基準レベルとしては、たとえば、設定範囲Δη,Δηの下限値である最小レベルCLminや、それらの上限値である最大レベルCLmaxが挙げられる。設定範囲Δη,Δηの最小レベルCLminを固定し、最大レベルCLmaxを最適化により変えることで設定範囲Δη,Δηを圧縮または拡大してもよいし、あるいは、最小レベルCLminを固定せずに設定範囲Δη,Δηを上方または下方にシフトさせてもよい。
信号出力制御部21Bは、停止フロア情報Dcに基づいて、最適化した設定範囲Δη,Δηを定める制御パラメータを当該階床(フロア)情報と関連付けて制御パラメータ記憶部22Bに記憶させることができる。これにより、信号出力制御部21Bは、エレベータかご90が停止する階床毎に最適化された可変範囲Δη,Δη内で増幅率η,ηを変化させることができるので、エレベータかご90の乗客の聴覚に与える不快感をさらに抑制しつつ、音声認識率を向上させることができる。たとえば、階床毎に業態の異なる複数の店舗が入ったビルでは、階床毎に発生する騒音レベルが異なる場合がある。また、時間帯によって発生する騒音レベルが異なる場合もある。本実施の形態の雑音消去処理部20Bは、これらの場合でも、雑音消去音響波の音響エネルギーを適正に調整することができる。
以下、図10を参照しつつ、信号出力制御部21Bによる増幅率設定処理を説明する。図10は、増幅率設定処理の手順を概略的に示すフローチャートである。信号出力制御部21Bは、センサ検出情報Dbに基づいてエレベータかご90内に発声体(利用者や管理者)がいないと判断したときに、この増幅率設定処理を開始する。
増幅率設定処理が開始されると、信号出力制御部21Bは、まず、初期設定を実行する(ステップS302)。具体的には、信号出力制御部21Bは、内部メモリ(図示せず)に保持するフラグ値flagを「0」の値に設定する。次いで、信号出力制御部21Bは、上述した増幅雑音消去信号Nca,Ncbを消音スピーカ40A,40Bに出力し(ステップS303)、雑音測定部25には、内部集音マイクロフォン41A,41Bから検出信号Sa,Sbが入力される(ステップS304)。雑音測定部25は、検出信号Sa,Sbに含まれる雑音成分の信号レベル(雑音レベル)を測定し、その測定結果を信号出力制御部21Bに与える(ステップS305)。
雑音レベルの測定値が閾値を超えていると判定した場合(ステップS306のNO)、信号出力制御部21Bは、制御パラメータに基づいて、増幅率η,ηについてそれぞれ設定範囲η,Δηを定める設定基準レベルを上げることが可能かどうかを判定する(ステップS311)。ここでは、たとえば、設定基準レベルを上げると消音スピーカ40A,40Bに許容入力レベルを超えた信号が入力されないかどうかが判定される。
増幅率η,ηの少なくとも一方の設定基準レベルを上げることが可能であると判定した場合(ステップS311のYES)、信号出力制御部21Bは当該設定基準レベルを所定幅だけ増加し、増加した設定基準レベルを階床情報と関連付けて制御パラメータ記憶部22Bに記憶させる(ステップS312)。次いで、信号出力制御部21Bは、フラグ値flagを「1」の値に設定し(ステップS313)、手順をステップS303に戻す。他方、設定基準レベルを上げることが可能ではないと判定した場合(ステップS311のNO)には、信号出力制御部21Bは、増幅率設定処理を終了する。
上記ステップS306で雑音レベルが閾値以下であると判定したときは(ステップS306のYES)、信号出力制御部21Bは、フラグ値flagが「0」であるか否かを判定し(ステップS307)、フラグ値flagが「1」の場合には(ステップS307のNO)、増幅率設定処理を終了する。他方、フラグ値flagが「0」である場合には、さらに、信号出力制御部21Bは、制御パラメータに基づいて、増幅率η,ηについてそれぞれ設定範囲η,Δηを定める設定基準レベルを下げることが可能かどうかを判定する(ステップS308)。たとえば、設定基準レベルを下げると消音スピーカ40A,40Bに有効入力レベルを下回るレベルを有する信号が入力されないかどうかが判定される。
増幅率η,ηの少なくとも一方の設定基準レベルを下げることが可能であると判定した場合(ステップS308のYES)、信号出力制御部21Bは当該設定基準レベルを所定幅だけ減少し、減少した設定基準レベルを階床情報と関連付けて制御パラメータ記憶部22Bに記憶させる(ステップS309)。次いで、信号出力制御部21Bは、手順をステップS303に戻す。一方、増幅率η,ηの設定基準レベルを下げることが可能ではないと判定した場合(ステップS308のNO)、信号出力制御部21Bは、増幅率設定処理を終了する。
上記したように、実施の形態3の音声認識装置2Bは、エレベータかご90の内部空間に利用者がいない間に、雑音レベルが閾値以下であるか否かを判定し(ステップS306)、雑音レベルが閾値以下であるとの判定(ステップS306のYES)がなされるまで、増幅率η,ηの設定基準レベルを段階的に上昇させることができる(ステップS311〜S313)。また、音声認識装置2Bは、雑音レベルが閾値以下であると判定したとき(ステップS306のYES)、増幅率η,ηの設定基準レベルが所定の下限値に到達する直前まで、設定基準レベルを段階的に減少させることができる(ステップS307〜S309)。したがって、音声認識装置2Bは、増幅率η,ηの設定範囲Δη,Δηを適正範囲に自動的に調整することができるので、雑音消去に要する電力消費量を低減することができる。
また、信号出力制御部21Bは、設定範囲Δη,Δηを定める設定基準レベルを階床情報と関連付けて22に記憶させるので、階床毎に適正な信号レベルを有する増幅雑音消去信号Nca,Ncbを消音スピーカ40A,40Bに供給することができる。このように設定範囲Δη,Δηを調整することで、階床毎で異なる騒音に対して、エレベータかご90内の騒音を消去あるいは低減するために増幅雑音消去信号Nca,Ncbの出力レベルを最適化することができる。
なお、上記音声認識装置2Bを構成する機能ブロック21B,22B,23,25,31,32の全部または一部は、たとえば、マイクロプロセッサ,ROM,RAM,タイマー回路,入出力インターフェース及び専用処理ユニットを含む集積回路で構成することができる。また、機能ブロック21B,22B,23,25,31,32の全部または一部の機能は、ハードウェアで実現されてもよいし、あるいは、マイクロプロセッサにより実行されるコンピュータプログラムで実現されてもよい。機能ブロック21B,22B,23,31,32の全部または一部の機能がコンピュータプログラム(実行形式のファイルを含む。)で実現される場合、マイクロプロセッサは、記憶媒体(図示せず)からコンピュータプログラムをロードし実行することによって当該機能を実現することができる。
実施の形態4.
次に、本発明に係る実施の形態4について説明する。図11は、実施の形態4であるエレベータ管理システム1Cの概略構成を示す機能ブロック図である。エレベータ管理システム1Cの構成は、雑音消去処理部20C、制御開始指示部61、表示部62及び試験音出力スピーカ40Cを有する点を除いて、図9のエレベータ管理システム1Bの構成と同じである。図11に示すエレベータ管理システム1Cの構成要素のうち、図9に示したエレベータ管理システム1Bの構成要素と同じ符号を付されたものは同一機能を有するので、その詳細な説明を省略する。本実施の形態では、雑音消去処理部20Cと音声認識処理部30とで実施の形態4の音声認識装置2Cが構成される。
雑音消去処理部20Cは、信号出力制御部21C、制御パラメータ記憶部22B、雑音消去信号生成部23及び雑音測定部25を有する。実施の形態3の信号出力制御部21Bと同様に、信号出力制御部21Cには、運転制御部10から開閉制御情報Da、センサ検出情報Db及び停止フロア情報Dcが供給されている。信号出力制御部21Cには、さらに、制御開始指示部61から制御開始指示が入力される。
雑音消去処理部20Cは、実施の形態3の雑音消去処理部20Bと同様に、信号出力制御機能と増幅率最適化機能とを有する。雑音消去処理部20Cは、さらに、制御開始指示部61から入力された制御開始指示に応じて、試験音出力スピーカ40Cから所定の試験音響波を出力させて上記の増幅率設定処理を実行する機能を有している。雑音消去処理部20Cは、この増幅率設定処理の実行結果を表示部62に表示させる機能をも有している。ここで、雑音消去処理部20Cは、エレベータかご90内の発声体が感知されない場合に増幅率設定処理を実行する動作モードと、エレベータかご90内の発声体が感知された場合でも増幅率設定処理を実行する動作モードとを有している。ユーザは、制御開始指示部61を操作してこれら2種類の動作モードのいずれかを選択することができる。
制御開始指示部61は、ユーザ(たとえば、エレベータ管理システム1Cの管理者や乗客)による操作入力が可能な入力装置である。ユーザは、制御開始指示部61を操作して制御開始指示を入力することができる。表示部62は、増幅率設定処理の結果を視覚的にユーザに提示する表示装置であり、たとえば、液晶ディスプレイあるいはLEDなどの発光体で構成することができる。なお、ユーザは、エレベータかご90内にある操作盤92を操作して運転制御部10を介して制御開始指示部61に制御開始指示を入力することもできる。
信号出力制御部21Cは、制御開始指示に応じて、登録された複数種の試験音声信号の中から、制御開始指示で指定された試験音声信号を選択しこれを試験音出力スピーカ40Cに出力する。試験音出力スピーカ40Cは、エレベータ管理システム1Cが導入されている建物に既設のスピーカであってよい。試験音出力スピーカ40Cは試験音声信号を音響波(試験音響波)に変換し、フロア50の空間に放射する。試験音出力スピーカ40Cは、図12に例示されるように、フロア50内に設置されているので、放射された試験音響波はエレベータかご90の前面に伝搬することとなる。
信号出力制御部21Cは、試験音出力スピーカ40Cから試験音響波を出力させるとともに、雑音測定部25による検出結果に基づいて増幅率η、ηの設定範囲Δη,Δηを最適化する。
以下、図13を参照しつつ、信号出力制御部21Cによる増幅率設定処理を説明する。図13は、増幅率設定処理の手順を概略的に示すフローチャートである。信号出力制御部21Cは、制御開始指示部61から制御開始指示が入力されたとき、この制御開始指示に応じて、増幅率設定処理を開始する。
増幅率設定処理が開始されると、信号出力制御部21Cは、まず、表示部62に処理開始の旨を表示させる(ステップS330)。次に、上記したステップS302〜S313が実行される。増幅率η,ηの少なくとも一方の設定基準レベルを上げることが可能ではないと判定した場合(ステップS311のNO)、増幅率η,ηの設定基準レベルを下げることが可能ではないと判定した場合(ステップS308のNO)、あるいは、フラグ値flagが「1」の場合には(ステップS307のNO)、信号出力制御部21Cは、増幅雑音消去信号Nca,Ncbの出力レベルと増幅率設定処理の終了の旨とを表示部62に表示させる(ステップS331)。以上で増幅率設定処理は終了する。
上記したように、実施の形態4の音声認識装置2Cは、ユーザは、増幅雑音消去信号Nca,Ncbの出力レベルと消音効果とを確認することができる。また、消音効果を確認しつつ、消音スピーカ40A,40Bの設置位置や設置方向を容易に調整することができる。よって、ユーザは、増幅雑音消去信号Nca,Ncbの出力レベルが低くても、消音効果を最大限に発揮させるように消音スピーカ40A,40Bの設置位置や設置方向を決めることができる。したがって、電力消費量を削減することができる。
なお、上記音声認識装置2Cを構成する機能ブロック21C,22B,23,25,31,32の全部または一部は、たとえば、マイクロプロセッサ,ROM,RAM,タイマー回路,入出力インターフェース及び専用処理ユニットを含む集積回路で構成することができる。また、機能ブロック21C,22B,23,25,31,32の全部または一部の機能は、ハードウェアで実現されてもよいし、あるいは、マイクロプロセッサにより実行されるコンピュータプログラムで実現されてもよい。機能ブロック21C,22B,23,25,31,32の全部または一部の機能がコンピュータプログラム(実行形式のファイルを含む。)で実現される場合、マイクロプロセッサは、記憶媒体(図示せず)からコンピュータプログラムをロードし実行することによって当該機能を実現することができる。
実施の形態1〜4の変形例.
以上、図面を参照して本発明に係る種々の実施の形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な形態を採用することもできる。たとえば、上記実施の形態1〜4に係る音声認識装置2A〜2Cはエレベータかご90に適用されるものであるが、これに限定されるものではない。音声認識装置2A〜2Cをエレベータかご90以外の車両などの移動体に適用することも可能である。
なお、上記した音声認識装置2A〜2Cの設置場所は制限されるものでもない。たとえば、エレベータかご90の天井裏に音声認識装置2A〜2Cを設置してもよいし、あるいは、運転制御部10と同じ場所に音声認識装置2A〜2Cを設置することもできる。
また、上記実施の形態1〜4では、信号出力制御部21A〜21Cは、運転制御部10から供給される開閉制御情報Daに基づいてドア91の開度を検知していたが、これに限定されるものではない。音声認識装置2Aがエレベータかご90に設置される場合には、機械的接点を有するセンサを用いてドア91の開閉状態を検出しこの検出結果を利用してドア91の開度を検出してもよい。
さらに、上記実施の形態1〜4では、2個の消音スピーカ40A,40Bがエレベータかご90の中に設置されているが、消音スピーカの数は2個に限らず、3個以上であってもよい。上記実施の形態1〜4では、2個の内部集音マイクロフォン41A,41Bが設置されていたが、内部集音マイクロフォンの数は2個に限らず、3個以上であってもよい。
1A〜1C エレベータ管理システム、 2A〜2C 音声認識装置、 10 運転制御部、 20A〜20C 雑音消去処理部、 21A〜21C 信号出力制御部、 22A〜22C 制御パラメータ記憶部、 23 雑音消去信号生成部、 25 雑音測定部、 30 音声認識処理部、 31 差分検出部、 32 音声認識部、 40A,40B 消音スピーカ、 40C 試験音出力スピーカ、 41A,41B 内部集音マイクロフォン、 42 集音マイクロフォン、 50 フロア、 61 制御開始指示部、 62 表示部。

Claims (20)

  1. 前面に開閉自在のドアを有する移動体の内部空間を伝搬する内部音響波を検出する第1の集音装置と、前記移動体の外から前記前面に伝搬する外部音響波を検出する第2の集音装置とを用いて、前記内部音響波に含まれる音声を認識する音声認識装置であって、
    前記第1の集音装置による検出結果を解析し、その解析結果に基づいて前記音声を認識する音声認識処理部と、
    前記第2の集音装置による検出結果に応じて、前記外部音響波に含まれる雑音成分とは逆位相の音成分を含む雑音消去音響波を生成するための雑音消去信号を生成し、可変の増幅率に基づいて前記雑音消去信号を増幅して増幅雑音消去信号を生成し、前記増幅雑音消去信号を前記移動体に取り付けられた消音スピーカに出力する雑音消去処理部と、
    を備え、
    前記消音スピーカは、前記増幅雑音消去信号に応じて前記雑音消去音響波を生成して前記雑音消去音響波を前記内部空間に放射し、
    前記雑音消去処理部は、前記ドアの開動作及び閉動作と連動して、前記ドアの開度の上昇とともに前記増幅率を増加させ、前記ドアの開度の下降とともに前記増幅率を減少させる、
    ことを特徴とする音声認識装置。
  2. 請求項1に記載の音声認識装置であって、
    前記第1の集音装置は、第1乃至第N(Nは2以上の整数)の集音マイクロフォンからなり、
    前記消音スピーカは、前記第1乃至第Nの集音マイクロフォンそれぞれの集音範囲内の空間に前記雑音消去音響波を放射する第1乃至第Nのスピーカからなり、
    前記増幅率は、前記第1乃至第Nのスピーカに対してそれぞれ可変設定された第1乃至第Nの増幅率からなり、
    前記増幅雑音消去信号は、前記第1乃至第Nのスピーカにそれぞれ出力される第1乃至第Nの増幅雑音消去信号からなり、
    前記雑音消去処理部は、前記第1乃至第Nの増幅率に基づいて前記雑音消去信号を増幅することにより前記第1乃至第Nの増幅雑音消去信号を生成する、
    ことを特徴とする音声認識装置。
  3. 請求項2に記載の音声認識装置であって、
    前記雑音消去処理部は、
    前記ドアの構造に基づいて定められた制御パラメータが予め記憶されている制御パラメータ記憶部と、
    前記ドアの開度を検出し、その検出結果と前記制御パラメータとに基づいて前記増幅雑音消去信号を生成する信号処理部と、
    を含み、
    前記信号処理部は、前記制御パラメータに基づいて前記第1乃至第Nの増幅率を個別に変化させる、
    ことを特徴とする音声認識装置。
  4. 請求項3に記載の音声認識装置であって、前記制御パラメータは、前記ドアの寸法、前記ドアの配置及び前記ドアの材質のうちの少なくとも1つに基づいて定められたパラメータを含むことを特徴とする音声認識装置。
  5. 請求項3または4に記載の音声認識装置であって、
    前記ドアは、該ドアを全閉状態から全開状態にするときに並びに該ドアを前記全開状態から前記全閉状態にするときに互いに反対方向へ移動する両開き式の第1及び第2のドア部材を有し、
    前記制御パラメータは、前記両開き式の第1及び第2のドア部材の構造に基づいて定められたパラメータを含む、
    ことを特徴とする音声認識装置。
  6. 請求項3または4に記載の音声認識装置であって、
    前記ドアは、該ドアを全閉状態から全開状態にするときに第1の方向へ移動し且つ前記ドアを前記全開状態から前記全閉状態にするときに前記第1の方向とは反対方向に移動する片開き式のドア部材を含み、
    前記制御パラメータは、前記片開き式のドア部材の構造に基づいて定められたパラメータを含む、
    ことを特徴とする音声認識装置。
  7. 請求項3から6のうちのいずれか1項に記載の音声認識装置であって、前記制御パラメータは、前記雑音消去音響波の音圧を制限する値として前記増幅率の上限値を含むことを特徴とする音声認識装置。
  8. 請求項1から7のうちのいずれか1項に記載の音声認識装置であって、
    前記雑音消去処理部は、前記移動体の運行を制御する運転制御部から前記ドアの開動作及び閉動作の状態を示す開閉制御情報の供給を受けており、
    前記雑音消去処理部は、前記開閉制御情報に応じて前記増幅率を変化させる、
    ことを特徴とする音声認識装置。
  9. 請求項2から7のうちのいずれか1項に記載の音声認識装置であって、
    前記第1乃至第Nの集音マイクロフォンは、一対の集音マイクロフォンを含み、
    前記音声認識処理部は、
    前記一対の集音マイクロフォンによる一対の検出結果の差分を出力する差分検出部と、
    前記差分検出部の出力を解析して前記音声を認識する音声認識部と、
    を含むことを特徴とする音声認識装置。
  10. 請求項1から9のうちのいずれか1項に記載の音声認識装置であって、前記雑音消去処理部は、前記内部空間に発声体が感知されたときに前記増幅雑音消去信号を前記消音スピーカに出力し、前記内部空間に前記発声体が感知されないときには前記増幅雑音消去信号を前記消音スピーカに出力しないことを特徴とする音声認識装置。
  11. 請求項1から9のうちのいずれか1項に記載の音声認識装置であって、
    前記第1の集音装置の出力に含まれる雑音成分の信号レベルを測定する雑音測定部をさらに備え、
    前記雑音消去処理部は、前記内部空間に前記発声体が感知されないときに前記雑音測定部による測定結果に基づいて前記増幅率の設定範囲を最適化し、当該最適化された設定範囲内に前記増幅率を制限する、
    ことを特徴とする音声認識装置。
  12. 請求項10または11に記載の音声認識装置であって、前記発声体の感知は、前記移動体の荷重を検出する荷重センサにより行われることを特徴とする音声認識装置。
  13. 請求項1から9のうちのいずれか1項に記載の音声認識装置であって、
    前記第1の集音装置の出力に含まれる雑音成分の信号レベルを検出する雑音測定部をさらに備え、
    前記雑音消去処理部は、ユーザにより操作入力された開始指令に応じて、前記雑音測定部による検出結果に基づいて前記増幅率の設定範囲を最適化し、当該最適化された設定範囲内に前記増幅率を制限する、
    ことを特徴とする音声認識装置。
  14. 請求項13に記載の音声認識装置であって、前記雑音消去処理部は、前記開始指令に応じて、スピーカに前記前面に向けて試験音響波を放射させることを特徴とする音声認識装置。
  15. 請求項11から14のうちのいずれか1項に記載の音声認識装置であって、前記雑音消去処理部は、前記雑音成分の信号レベルが閾値以下であるか否かを判定し、前記雑音成分の信号レベルが閾値以下であると判定するまで、前記増幅率の設定基準レベルを段階的に上昇させることを特徴とする音声認識装置。
  16. 請求項11から14のうちのいずれか1項に記載の音声認識装置であって、前記雑音消去処理部は、前記雑音成分の信号レベルが閾値以下であるか否かを判定し、前記雑音成分の信号レベルが閾値以下であると判定したときは、前記増幅率の設定基準レベルが所定の下限値に到達する直前まで、前記設定基準レベルを段階的に減少させることを特徴とする音声認識装置。
  17. 請求項11から16のうちのいずれか1項に記載の音声認識装置であって、
    前記移動体は、エレベータかごであり、
    前記雑音消去処理部は、階床毎に前記増幅率の設定範囲を最適化する、
    ことを特徴とする音声認識装置。
  18. 請求項1から16のうちのいずれか1項に記載の音声認識装置であって、前記移動体は、エレベータかごであることを特徴とする音声認識装置。
  19. 請求項17または18に記載の音声認識装置を備えることを特徴とするエレベータ管理システム。
  20. 前面に開閉自在のドアを有する移動体の内部空間を伝搬する内部音響波を検出する第1の集音装置と、前記移動体の外から前記前面に伝搬する外部音響波を検出する第2の集音装置とを用いて、前記内部音響波に含まれる音声を認識する音声認識方法であって、
    前記第2の集音装置による検出結果に応じて、前記外部音響波に含まれる雑音成分とは逆位相の音成分を含む雑音消去音響波を生成するための雑音消去信号を生成し、可変の増幅率に基づいて前記雑音消去信号を増幅して増幅雑音消去信号を生成するステップと、
    前記ドアの開動作及び閉動作と連動して、前記ドアの開度の上昇とともに前記増幅率を増加させ、前記ドアの開度の下降とともに前記増幅率を減少させるステップと、
    前記増幅雑音消去信号を前記移動体に取り付けられた消音スピーカに出力することにより、前記雑音消去音響波を前記消音スピーカから前記内部空間に放射させるステップと、
    前記第1の集音装置による検出結果を解析し、その解析結果に基づいて前記音声を認識するステップと、
    を備えることを特徴とする音声認識方法。
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