JP6336874B2 - エレベータ装置及びかご内騒音低減方法 - Google Patents

エレベータ装置及びかご内騒音低減方法 Download PDF

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Description

本発明は、エレベータのかご構造に係り、特にかご内に発生する低周波騒音および低周波の音響定在波を抑制する技術に関する。
高層ビルの建設技術の発達に伴ってエレベータの高速化が求められており、最近では毎分1000m以上の速度で上昇する高速エレベータが製品化されている。これらの高速エレベータでは、昇降路内を高速でかごが移動するため、かご周りの空気の流れがはく離して流体騒音が発生する。この流体騒音は一般に速度の6乗に比例して増大するため、かご内の騒音が非常に大きくなってかご内の快適性を著しく悪化させる。これを改善するため、一般的な高速エレベータでは特許文献1に示すような流線型のカプセルあるいは、スポイラと呼ばれる部材をかごの上下に設置して空気の流れのはく離を抑制し、発生する流体騒音の低減が行なわれている。
エレベータ内の快適性向上には、人の感じる騒音を低減することが必要である。即ち、足元位置や頭上などで音圧を低減するよりも、かご内の乗員の耳元位置で音圧を低減することが有効である。一般的なエレベータのかご高さは人が立った状態で閉塞感を感じないための頭上空間を考慮して、人の身長の1.5倍から2倍程度に設計される。この場合、先述のかご内の乗員の耳元の高さは、ほぼかご高さの中央付近となる。
図6は一般的な高速エレベータのかご内騒音について、かご内乗員の耳元位置で測定した騒音の周波数特性を示した図である。図6に示す通り、低周波(例えば100〜170Hz)の帯域で、全帯域の総合音圧であるオーバーオールを支配するピークが見られ、オーバーオールを低減するためには、まず先にこの低周波のピークを下げなければならないことが伺える。
一般に騒音の周波数特性は、音源の周波数特性と騒音伝達率の周波数特性(騒音伝達特性)の掛け算で表される。したがって、かご内騒音の周波数特性における低周波のピークの発生原因は、かごが高速に移動する際に発生する流体騒音か、かご内の騒音伝達特性のいずれかにピークがあるものと考えられる。このうちかご内の騒音伝達特性にピークを有している場合、その原因は、かご内に発生する音響定在波の影響である場合が多い。かご内の音響定在波についての模式図を図7に示す。エレベータかご内のように特に何の吸音対策もなされていない箱形構造物の内部には、図7で例示するような音響定在波が発生することが知られており、かご内壁面が僅かに振動しただけでも、上記のような定在波が励起されて、騒音が大きくなる。そのため、当該音響定在波の発生周波数に関しては、前述のカプセルの付加による流体騒音の低減だけでは騒音低減目標を達成できない場合がある。しかも、先に説明したように、一般的なエレベータのかごの大きさと人の身長の関係から、人が音を聞き取る器官である耳の位置が、かごの高さのほぼ中央付近にくる場合が多い。このかご内の高さ中央付近では、図7に示すようなかご内に発生する上下方向の2次の音響定在波の音圧の腹となって、この定在波の発生周波数でピークを形成するため、かご内騒音の低減は非常に困難となる。
このような、かご内で発生する定在波の対策方法として、特許文献2にはアクティブノイズコントロールを用いた構成案が示されている。また特許文献3には、精密機器向けの対騒音用カバーを対象として、カバーの内部に発生する音響定在波をアクティブノイズコントロールで抑制する技術について記載されている。なお、アクティブノイズコントロールとは、問題となっている騒音について、対象とする系のどこかで抽出された信号をもとにして、低減対象の音響信号の逆位相の制御用二次音波を作り出し、元の音場に付加することによって、対象となる領域の音圧を打ち消して低減する技術である。
特開2005−162496号公報 特開平5−310389号公報 特開2012−118135号公報
先述のように、エレベータかご内には音響定在波が発生することが知られており、前記特許文献1に記載のカプセルの付加などによる音源の低減だけでは、騒音低減目標を達成できない場合が発生する。
図8にエレベータかご内に発生する音響定在波の解析結果を示す。図8のように、ほぼ直方体で表現できるかご内部で発生する音響定在波は、幅方向および奥行き方向の1次と、高さ方向の1次から2次、更にはこれらが複合された定在波が発生して、図に示すような特徴的な音圧分布を示す。このうちかご内乗員の耳元位置と想定される、かご中央で音圧の腹となるのは、図中で6次、いわゆる上下方向2次の定在波だけであり、そのほかの定在波はかご中央では音圧の節となる。もちろん、幅方向や奥行き方向についても2次の定在波は発生して上下方向2次と同様にかご内中央で音圧の腹となる。しかしながら、一般的なエレベータのかごの寸法は一番長いのが高さ方向であるため、上記のような幅方向や奥行き方向の2次の定在波が発生するのはより高周波領域であり、このような高周波領域においてはかご内の吸音性が大きいため、音圧のピークはそれほど大きくはならない。結局、かご内騒音の低減に最も効果的なのは上下方向2次の定在波を抑制することである。
即ち、図6に示したかご内騒音周波数特性でピークを形成している最も大きな原因となっている音響定在波は、複数ある音響定在波のうちの上下方向2次のみであり、かご内中央の騒音を低減するためにかご内で発生する全ての音響定在波を抑制する必要は無い。むしろ、対策が必要な上下方向2次の音響定在波以外は、かご内中央では音圧の節となっており、影響を及ぼさないようにするのが理想である。
これに対して、前記特許文献2には、「天井,側板,床から成るエレベータにおいて、乗かごに、騒音信号または前記騒音信号と高い相関をもつ信号を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された信号を処理する処理手段と、前記乗かご内の騒音を消音するための付加音を出力する発音手段と、前記騒音と前記付加音とで合成される音を受音する受音手段とを備え、前記発音手段および前記受音手段は前記乗かごの天井または床面と側面との接続部に設けられていることを特徴とする消音装置付エレベータ」と記載されており、略直方体で表現できるかご内の天井面を構成する4つの頂点付近に対して、リファレンスマイクとスピーカーを設置して実現するアクティブノイズコントロールのシステム構成が図示されている。図8に示すように、略直方体で表現できるエレベータかご内において、天井面を構成する4つの頂点と床面を構成する4つの頂点の計8つの頂点では、どの音響定在波も音圧の腹となる。したがって、特許文献2で示される天井面を構成する4つの頂点付近にスピーカーを設置する構成は、全ての音響定在波を駆動できるという点では理にかなっている。しかしながら、一般的なエレベータの天井高さはどんなに低くても2m以上であることを考えると、かご内騒音評価点で音圧の腹となる上下方向2次の定在波は170Hz以下の低周波となる。このため、通常のスピーカーで放射するには広い放射面積が必要となり、このような大きなスピーカーが天井の四隅に配置されている構造はかご内の意匠性の観点から好ましくない。
また、該特許文献2ではスピーカーと同じく天井面を構成する4つの頂点付近にリファレンスマイクを配置して、ここで抽出された音圧信号を二次音波生成用信号として使用する構成が図示されている。この場合、スピーカーから放射される制御用二次音波は、全ての音響定在波に影響を及ぼすこととなり、もともとかご内騒音評価位置で音圧の節であるために問題とはならなかった上下方向2次以外の音響定在波についても、悪化させてしまうこととなる。そのため、リファレンスマイクで抽出した音圧信号について、対象とする定在波だけを制御できるようにフィルタ回路などを通して処理する必要が発生するが、その構成が非常に複雑となる。また、フィルタで処理しきれなかった不要な信号成分は二次音波の中にノイズとして残ることとなり、アクティブノイズコントロールの効果が十分に引き出せなくなる原因の一つとなりうる。
一方でこれらの問題を回避するため、リファレンスマイクやスピーカーの個数を増やしたり制御方法を更に複雑にしたりすると、目標を達成するために必用なシステムが高価となってしまう場合もある。
特許文献3には、「閉空間部を有する防音ボックスと、閉空間部の上側端部に配置され、閉空間部内の音信号を集音する第1マイクと、集音された音信号に基づいて、騒音を消音するような消音信号を生成するコントローラと、閉空間部の上端から下端に向けて消音信号を出力するスピーカーとを備えたアクティブ防音装置である。閉空間部内に発生する1次音圧モードの定在波の、閉空間部の上側端部における位相と逆位相となる位置又はその近傍に配置される第2マイクをさらに備えている。コントローラは、1次の共振を打ち消すように、第1マイクによって集音された音信号と、第2マイクによって集音された音信号とを回路上で合成して消音信号とする」と記載されている。また、この特許文献3には上下方向1次の共振を打ち消す手段として上下方向に配置した2つのマイクで二次音波生成用信号を構成し、天井面からスピーカーで二次音波を照射する方法が図示されている。
しかし前記のように、周波数の低い二次音波を照射する場合には必要となるスピーカーが大きくなり、かご内の意匠性と両立できない場合がある。また、かご内乗員が感じる騒音を低減するには、抑制するべき定在波は上下方向1次ではなく上下方向2次の定在波である。更に、かご内の意匠性を考えると、乗員の目にとまりやすい側面に対してリファレンスマイクを設置することは好ましくない。また、リファレンスマイクが手の届くところにある場合は、乗員が触れることによって制御が発散して失敗することも考えられる。
以上まとめると、本発明が解決しようとする課題は、エレベータかご内に発生する音響定在波を抑制することでかご内騒音を効果的に且つ安定的に低減する手段、およびそれを実現する構造について、かご内の意匠性と両立させつつ、簡便でかつ安価に提供することである。
上記目的を達成するために本発明にかかるエレベータ装置は、乗客が乗車するかご内の騒音を低減するためのかご内騒音低減装置を備えたエレベータ装置において、前記かごは床面、天井面、前面、背面および左右両側面の6面で構成され、前記かご内騒音低減装置は、かご内側から見上げた前記天井面の形状を略4角形と見立てたときに、この4角形の4つの頂点部に設けられた開口部と、前記開口部のかご内側から見た裏側に設けられた空洞部と、前記空洞部の内部に対して制御用二次音波が出力する二次音波発生装置とを備え、前記天井面の4つの頂点部に設けられた前記開口部から前記かご内に対して制御用二次音波が放射されることを特徴とする。
また本発明にかかるかご内騒音低減方法は、乗客が乗車するかご内の騒音を低減するためのかご内騒音低減方法において、床面、天井面、前面、背面および左右両側面の6面で構成された前記かごの内側から見上げた前記天井面の形状を略4角形と見立てたときに、この4角形の4つの頂点部に開口部を設けるとともに、前記開口部のかご内側から見た裏側に空洞部とを設け、前記空洞部の内部に対して制御用二次音波を出力して、前記天井面の4つの頂点に設けられた前記開口部それぞれからかご内に対して制御用二次音波を放射することを特徴とする。
本発明によれば、エレベータかご内に発生する音響定在波を抑制することでかご内騒音を効果的に且つ安定的に低減する手段、およびそれを実現する構造について、かご内の意匠性と両立させつつ、簡便でかつ安価に提供することができる。
本発明の一実施例であるエレベータ装置のかごを示す斜視図である。 図1に示すかごの点線で示す断面位置での断面図である。 図2の点線丸印部で示す部位の拡大図である。 本発明の別の一実施例であるエレベータ装置のかごを示す斜視図である。 本発明のさらに別の一実施例における機器結線図である。 かご内騒音の周波数特性を示すグラフである。 かご内に発生する音響定在波の模式図である。 かご内に発生する音響定在波の解析結果を次数ごとに示した模式図である。
本発明は、エレベータの運転時に発生するかご内騒音を低減する技術に関する。具体的には、昇降路内を移動するかごが発生させる空力騒音やガイドレールと車輪の摺動などに起因する固体振動音などを音源として励起されるかご内の音響定在波を低減するための技術に関するもので、特に毎分500〜1000m以上で移動する高速エレベータを想定したものである。また、エレベータかご内に発生する音響定在波のうち、特に騒音評価点に最も影響を及ぼす上下方向2次のもののみを限定して効率的に抑制することで、かご内騒音を効果的に低減する手段およびそれを実現する構造を、かご内の意匠性と両立させつつ、簡便でかつ安価に提供する技術に関するものである。
以下、本発明の一実施例(実施例1)について、図面を参照し説明する。
図1ないし図3は本発明の実施例の一つを示した図である。図1は本実施例を適用したかご20を斜め上から見た斜視図であり、かご20と二次音波発生装置31、空洞部32、及びダクト部33で構成されている。図2は図1の空洞部32とダクト部33の内部やかご20のかご室内とのつながりが分かるように、かご20について図1で示す断面位置で断面した図である。また、図3は同様に空洞部32の詳細がさらに分かりやすいように図2の点線丸部分34を拡大した図である。
先述のようにかご内で発生する全ての音響定在波は、略六面体で構成されるかご20の8つの頂点において音圧の腹となる。従って、かご20の内側から見上げた天井の形状を略4角形と見立てたときに、この4角形を構成する4つの頂点部から制御用二次音波を出力すると、全ての音響定在波を駆動することが可能となる。一方で、一般的なエレベータの天井高さがどんなに低くても2m以上と考えると、かご内騒音の主要因とされる上下方向2次の音響定在波の発生周波数は、170Hz以下となるが、このような周波数の低い制御用二次音波を効率的に出力するには放射面の大きなスピーカーが必要となりかご内の意匠性との両立が課題である。本発明では図1ないし図2に示すように、天井面の4つの頂点部に開口部32aを有し、さらにその開口部32aのかご内から見た裏側に空洞部32を設け、この空洞部32の内部に対して制御用二次音波を出力する。図1および図2では空洞部32への制御用二次音波の出力方法として、該4つの空洞部32をダクト33で連結し、このダクト33の連結部に対して二次音波発生装置31を取り付けている実施例を示している。このようにすることで、この二次音波発生装置31からダクト33の連結部に制御用二次音波を出力し、これにより周波数の低い制御用二次音波を空洞部32で共鳴させて拡大させて該開口部32aから効率的にかご20の内部に対して出力することが可能となる。
特に天井面の4つの頂点部のかご内側から見上げた裏側に設けられた空洞部32それぞれにダクト33を接続し、天井面のかご内側から見上げた裏側の中央部においてダクト33を互いに連結して、ダクト33内に対して制御用二次音波が出力されるように二次音波発生装置31を設けているので、かご中央部付近にスピーカー等の二次音波発生装置31を設置することが可能となり、さらにダクト33を通して1つの二次音波発生装置31から天井面の4つの頂点部に配置されている開口部32aそれぞれから制御用二次音波を放出することが可能となり、放射面の大きなスピーカーを用いた配置の問題や意匠的な見た目の問題及び性能的な問題を解決することが可能となる。
また、図3のように、空洞部32は空洞部容積可変装置35を用いてその容積を可変させてもよい。空洞部32の容積をかごの運転速度に応じて制御させれば速度依存性のある周波数ピークを有する騒音に対しても有効となる。なお、本実施形態では空洞部32の側壁に接触しながら上下に可動なピストン部材を設けた例を挙げているが、空洞部容積可変の方法はアクチュエーターなどを使用してもよい。またアクチュエーターではなく、走行時の走行風圧を用いてもよい。なお、アクチュエーターを用いる場合には、エレベータが高速に上下することによる圧力変化で発生する鼓膜の圧迫による「耳つん」と呼ばれる耳詰まり現象を抑制するために取り付けられる気圧制御装置として活用することもできる。
次に、本発明の別の一実施例(実施例2)について、図4を参照し説明する。
実施例1に示した騒音低減構造において、二次音波発生装置31から放射する制御用二次音波は、リファレンスマイク36で抽出した音圧信号をもとに生成する。図4は本発明の別の実施例を適用したかご20を斜め上から見た斜視図で、天井を構成する4角形の4辺それぞれの中央部近傍に設置されたリファレンスマイク36の位置が分かるよう一部内部を透けて見えるようにして表示してある。リファレンスマイク36の取り付け位置については、図に示すようにかご内側から見上げた上記天井の形状を略4角形と見立てたときに、この4角形を構成する4辺それぞれの中央部近傍に設置する。さらに、4つのリファレンスマイク36で抽出された音圧信号を加算した信号を制御信号として用いる。
これにより、制御対象である上下方向2次の音響定在波では、全ての音圧信号が同振幅同位相となるため、有意な信号が抽出される。一方で、制御対象ではない上下方向2次以外の音響定在波では、4点がそれぞれ音圧の節となるため制御信号が抽出されないか、4点すべてが音圧の節でない場合でも、4つの信号が互いに相殺し合うことで、結局、制御信号は0となる。結果、制御対象である上下方向2次の音響定在波のみを抑制する制御信号が生成され、これをさらに位相反転させたものを前記二次音波発生装置31から照射することで、かご内騒音評価点の音圧を低減することができる。
本実施形態では制御用二次音波の元となる信号は天井を構成する4角形の4辺それぞれの中央部近傍に設置されたリファレンスマイク36によって抽出された音響信号を元とし、その総和したものについて、かごの天井とかご内騒音評価点の距離で決まる時間間隔分遅らせた信号を天井の4つの頂点部の空洞部から二次音波として出力する構成としている。
なお、リファレンスマイク36を配置すべき位置としては、天井を構成する4角形の4辺それぞれの中央部分近傍と記載したが、それは別の言い方をすれば上下方向2次である6次のみがリファレンスマイク36で取得した音圧信号の総和である二次音波生成用信号がゼロとならない範囲であると言え、この範囲内にリファレンスマイクを配置するのが良い。
以上のような構成とすることにより、かご内騒音を効果的に低減する手段、およびそれを実現する構造を、かご内の意匠性と両立させつつ、簡便でかつ安価に提供することができる。
次に本発明の別の一実施例(実施例3)について、図5を参照し説明する。
図5は本発明の機器結線図を示したもので、リファレンスマイク36から制御用二次音波を出力する二次音波発生装置31までの信号の流れを示した図である。図のように、リファレンスマイク36で抽出された音圧信号は加算器42で加算されフィルタ回路41で処理され、その出力が二次音波発生装置31に渡され、この二次音波発生装置31から制御用二次音波が出力される。フィルタ回路41は、ひとつまたは複数の遅延器43と、ひとつまたは複数の増幅器44で構成されている。これら遅延器43と増幅器44で構成されるフィルタ回路41の特性は、フィルタ特性制御装置50からフィルタ特性制御信号51を送信することで調整するが、そのフィルタ回路41の特性の設定には、エレベータかごの位置や速度、ドア開閉情報などのエレベータ運転情報52を用いてもよい。例えば、これらの信号を元にして、エレベータが所定階に停止してドアが開き乗員が乗り降りしている最中は制御を弱くする。これにより、乗降中のかご内の音場が乱れや、リファレンスマイク36で突発的な音を取得したりした場合に制御が発散することを防ぐことができる。なお、エレベータかごの位置や速度、ドア開閉情報などのエレベータ運転情報52は図示しないエレベータ装置全体を制御する制御装置等から得るようにすればよい。
また、フィルタ特性制御装置50によるフィルタ回路41の特性の設定には、フィルタ特性制御装置50内部にある発信機50aで生成した試験信号53を二次音波発生装置31で放射し、この試験信号53がリファレンスマイク36で検出するまでに掛る時間を、フィルタ特性制御装置50内部にある信号遅延計測装置50bで計測して用いてもよい。こうすることで、乗員の衣服によるかご内の吸音性が増加したり、かご内の音響媒質である空気の体積が縮小したり、あるいは温度によって音速が変わったりすることでかご内の音場が無人時と比べて変化しても、適切な制御を維持することが可能となる。例えば、二次音波発生装置31で放射した試験信号53が床や乗員に当たって反射して再び天井近辺のリファレンスマイク36で検出するまでにかかる遅延時間は、制御対象とする上下方向2次の音響定在波の場合では2周期分に相当する。この場合、前記試験信号の抽出にかかる遅延時間の1/4をフィルタ回路41の遅延時間として設定すればよい。
なお、二次音波発生装置31から試験信号53を放射するタイミングと試験信号の内容について、ドアが閉じた後に流れるアナウンスや音楽などを用いると、乗員に不快感を与えずに実現可能である。
また、本実施形態において説明した実施例1、2、3については別々の実施例として説明したが、それぞれの実施例を組み合わせて1つの実施例として適用してもよい。
11 音響定在波によるかご内騒音周波数特性のピーク
12 かご内に発生する音響定在波の音圧の腹
20 かご
31 二次音波発生装置
32 空洞部
32a かご内と空洞部を連通させる開口部
33 ダクト部
34 図5のうち図6で拡大表示する部分
35 空洞部容積可変装置
36 リファレンスマイク
41 フィルタ回路
42 加算器
43 遅延器
44 増幅器
50 フィルタ特性制御装置
50a 発信機
50b 信号遅延計測装置
51 フィルタ特性制御信号
52 エレベータ運転情報
53 試験信号

Claims (6)

  1. 乗客が乗車するかご内の騒音を低減するためのかご内騒音低減装置を備えたエレベータ装置において、
    前記かごは床面、天井面、前面、背面および左右両側面の6面で構成され、
    前記かご内騒音低減装置は、かご内側から見上げた前記天井面の形状を略4角形と見立てたときに、この4角形の4つの頂点部に設けられた開口部と、前記開口部のかご内側から見た裏側に設けられた空洞部と、前記空洞部の内部に対して制御用二次音波が出力する二次音波発生装置とを備え、前記天井面の4つの頂点部に設けられた前記開口部から前記かご内に対して制御用二次音波が放射されることを特徴とするエレベータ装置。
  2. 請求項1に記載のエレベータ装置において、前記空洞部の容積を可変とし、エレベータかごの運転速度に応じて、前記空洞部の容積を制御することを特徴とするエレベータ装置。
  3. 請求項2に記載のエレベータ装置において、前記天井面の4つの頂点部のかご内側から見上げた裏側に設けられた前記空洞部それぞれにダクトを接続し、前記天井面のかご内側から見上げた裏側の中央部において前記ダクトを互いに連結して、前記ダクト内に対して制御用二次音波が出力されるように二次音波発生装置を設けたことを特徴とするエレベータ装置。
  4. 請求項1ないし請求項3に記載のエレベータ装置において、出力する制御用二次音波に関して、前記天井の形状を略4角形と見立てたときに、この4角形を構成する4辺のそれぞれの中央部近傍部にリファレンスマイクを配置し、4つの前記リファレンスマイクで抽出した音圧信号を元に二次音波生成用信号を構成し、この二次音波生成用信号を天井に設けられた前記二次音波発生装置から音に変換して照射することを特徴とするエレベータ装置。
  5. 請求項4に記載のエレベータ装置において、前記二次音波発生装置から出力する制御用二次音波の遅延時間や増幅倍率に関して、エレベータの位置情報、エレベータの移動速度、ないしドア開閉情報、前記二次音波発生装置で放射した試験信号を前記リファレンスマイクで抽出するまでにかかる時間、あるいはそれら複数の情報を元に変化させることを特徴とするエレベータ装置。
  6. 乗客が乗車するかご内の騒音を低減するためのかご内騒音低減方法において、
    床面、天井面、前面、背面および左右両側面の6面で構成された前記かごの内側から見上げた前記天井面の形状を略4角形と見立てたときに、この4角形の4つの頂点部に開口部を設けるとともに、前記開口部のかご内側から見た裏側に空洞部とを設け、前記空洞部の内部に対して制御用二次音波を出力して、前記天井面の4つの頂点に設けられた前記開口部それぞれからかご内に対して制御用二次音波を放射することを特徴とするかご内騒音低減方法。
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