JPH04211654A - 6−置換−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール類 - Google Patents

6−置換−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール類

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JPH04211654A
JPH04211654A JP3055929A JP5592991A JPH04211654A JP H04211654 A JPH04211654 A JP H04211654A JP 3055929 A JP3055929 A JP 3055929A JP 5592991 A JP5592991 A JP 5592991A JP H04211654 A JPH04211654 A JP H04211654A
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    • C07D209/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D209/56Ring systems containing three or more rings
    • C07D209/80[b, c]- or [b, d]-condensed
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成有機化学および薬化
学の分野に関するものであって、生体内でのセロトニン
の機能を修飾するのに有用なヘキサヒドロベンズ[cd
]インドール類に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、神経伝達物質であるセロトニン(
5−ヒドロキシトリプタミン、即ち、5−HT)が、酸
分泌、不安、抑うつ、性機能障害、嘔吐、記憶、高血圧
、食欲、睡眠のような多数の生理現象と関係しているこ
とが明らかになってきた[グレンノン(Glennon
、R.A.)、ジャーナル・オブ・メジシナル・ケミス
トリー(J. Med.Chem.)、30巻、1頁(
1987年)]。5−HTについて多数の受容体が発見
された。これらの受容体は5−HT、5−HT1、5−
HT2および5−HT3受容体と分類され、前者はさら
に5−HT1A、5−HT1B、5−HT1Cおよび5
−HT1Dと分類された。これらの1またはそれ以上の
5−HT受容体に対するある化合物の結合活性は、その
化合物の生理活性を予告するものであると認識されてき
た。
【0003】フロー(Flaugh)(米国特許第45
76959号(1986年発行))は、5−HT受容体
に対する結合親和性を有する一群の6−置換−4−ジア
ルキルアミノ−1,3,4,5−テトラヒドロベンズ[
cd]インドール類を開示して、それらが中枢性セロト
ニン作動薬であることを報告した。レアンダー(Lea
nder)(米国特許第4745126号(1988年
))は、4−置換−1,3,4,5−テトラヒドロベン
ズ[cd]インドール−6−カルボキシアミド誘導体を
使用してヒトにおける不安を処置する方法を開示した。
【0004】ある種のインドリン類が、バッハ(Bac
h)ら[米国特許第4110339号(1978年)]
、フローら[ジャーナル・オブ・メジシナル・ケミスト
リー、31巻、1746〜1753頁(1988年)]
、フロー[米国特許第4576959号およびヨーロッ
パ特許出願第0153083号(1985年公開)]に
よって報告された。これらは、対応するインドール類製
造の中間体として使用された。
【0005】今回、ある種の4−および6−置換−ヘキ
サヒドロベンズ[cd]インドール類(インドリン類)
、特にそのようなインドリン類のある立体異性体が、生
体内5−HT1A受容体機能を変化させることが必要で
ある状態を処置するのに有用であることが判明した。2
aSおよび4R異性体が特に有用であることが分かった
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、式(IA):
【化3】 [式中、R1は水素、C1〜C4アルキル、C3〜C4
アルケニル、フェニル置換C1 〜C4アルキル、シクロプロピルメチル、−C−R4、
−(CH2)nS(C1〜C4アルキル)、または−(
CH2)nC(O)NR9R10;R2は水素、C1〜
C4アルキルまたはC3〜C4アルケニル、シクロプロ
ピルメチル;QはOR3、SR3、NR5R6、または
水素;R3はC1〜C8アルキル、置換C1〜C8アル
キル、アリール、置換アリール、アリール(C1〜C4
アルキル)、置換アリール(C1〜C4アルキル)、ま
たはC3〜C7シクロアルキル;R4は水素、C1〜C
4アルキル、C1〜C4ハロゲン化アルキル、C1〜C
4アルコキシ、またはフェニル;R5およびR6はそれ
ぞれ独立して水素、C1〜C4アルキル、フェニル置換
されたC1〜C4アルキル、フェニル、または互いに一
体となってC3〜C5複素環を形成し、ただしR5およ
びR6が両者とも水素であることはなく;R9およびR
10はそれぞれ独立して水素、C1〜C4アルキル、ま
たはC5〜C8シクロアルキル;nは1〜4;Bは水素
、C1〜C4アルキル、またはアミノ遮断基;Xは酸素
または硫黄である] で示される化合物および薬学的に許容し得るその塩を提
供するものである。
【0007】さらに本発明は、式(IB):
【化4】 [式中、AはC−Q、水素、ハロゲン、CN、NO2、
NR5R6、NHC(O)R6、NHSO2R6、CO
NH2、X(C1〜C8アルキル)、OH、O−アシル
、O−ベンジル、またはCF3;Q、B、X、R1、R
2、R3、R5、およびR6は前記と同意義であり;2
a位および4位はそれぞれSおよびRの立体配置を有し
ている]で示される化合物の実質的に純粋な立体異性体
、および薬学的に許容し得るその塩に関する。
【0008】本発明のもう1つの態様は、式(IA)ま
たは(IB)の化合物を、薬学的に許容し得る担体、賦
形剤、または希釈剤と組み合わせて含有する医薬製剤を
提供するものである。
【0009】さらに本発明の態様は、上記の式(IA)
もしくは(IB)の化合物、または薬学的に許容し得る
その塩の薬学的有効量を患者に投与することによって、
5−HT1A受容体での生物学的応答に影響を与える方
法に関する。より詳細には、上記の式(IA)もしくは
(IB)の化合物、または薬学的に許容し得るその塩の
薬学的有効量を投与することによって、生体内セロトニ
ン機能の調節を必要とする種々の状態を処置する方法を
提供する。
【0010】本発明は、さらに式:
【化5】 で示される化合物またはその薬学的に許容しうる塩の製
造方法であって、 (a)式:
【化6】 [式中、R1は水素、C1〜C4アルキル、C3〜C4
アルケニル、シクロプロピルメチル、フェニル置換され
たC1〜C4アルキル、−COR4、−(CH2)nS
(C1〜C4アルキル)、または−(CH2)nCON
R9R10;R2は水素、C1〜C4アルキル、C3〜
C4アルケニル、またはシクロプロピルメチル;nは1
〜4;R4は水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハ
ロゲン化アルキル、C1〜C4アルコキシ、またはフェ
ニル;R9およびR10はそれぞれ独立して水素、C1
〜C4アルキル、またはC5〜C8シクロアルキル;B
はアミノ遮断基である] で示される化合物をパラジウム触媒の存在下でCOおよ
びQ−Hと反応させて、式:
【化7】 [式中、R1、R2、およびBは前記と同意義であり、
QはR3O−またはR5R6N−である;ここで、R3
はC1〜C8アルキル、置換C1〜C8アルキル、アリ
ール、置換アリール、アリール(C1〜C4アルキル)
、置換アリール(C1〜C4アルキル)、またはC3〜
C7シクロアルキル、R5およびR6はそれぞれ独立し
て水素、C1〜C4アルキル、フェニル基で置換された
C1〜C4アルキル、フェニル、または互いに一体とな
ってC3〜C5複素環を形成し、ただしR5およびR6
が両者とも水素であることはない] で示される化合物を得;(b)式:
【化8】 で示される化合物をR3XHと反応させて、式:
【化9
】 [ここで、Xは酸素または硫黄であり、R1、R2、R
3、およびBは前記と同意義である] で示される化合物を得; (c)式:
【化10】 (式中、R1およびR2は前記と同意義である)で示さ
れる化合物をY−C−OR3(ここで、R3は前記と同
意義であり、Yは脱離基である)と反応させて、式:

化11】 (式中、R1、R2、およびR3は前記と同意義である
)で示される化合物を得るか、 または、Y−C−ONR5R6と反応させて、式:
【化
12】 (ここで、R1、R2、R5、R6、およびYは前記と
同意義である) で示される化合物を得; (d)式:
【化13】 で示される化合物の1−窒素遮断基Bを水素で置換して
、式:
【化14】 (ここで、R1、R2、X、およびQは前記と同意義で
あり、Bはアミノ遮断基である) で示される化合物を得ることを特徴とする方法を提供す
るものである。
【0011】本発明のもう1つの態様は、式:
【化15
】 [式中、Aは水素、Q−C−、NR5R6、NHC(O
)R6、NHSO2R6、O−アシル、O−ベンジル、
またはCF3;R1は水素、C1〜C4アルキル、C3
〜C4アルケニル、シクロプロピルメチル、フェニル置
換C1〜C4アルキル、−COR4、−(CH2)nS
(C1〜C4アルキル)、または−(CH2)nCON
R9R10;R2は水素、C1〜C4アルキル、C3〜
C4アルケニル、またはシクロプロピルメチル;QはO
R3、SR3、NR5R6、または水素;R3はC1〜
C8アルキル、置換C1〜C8アルキル、アリール、置
換アリール、アリール(C1〜C4アルキル)、置換ア
リール(C1〜C4アルキル)、またはC3〜C7シク
ロアルキル;nは1〜4;R4は水素、C1〜C4アル
キル、C1〜C4ハロゲン化アルキル、C1〜C4アル
コキシ、またはフェニル;R5およびR6はそれぞれ独
立して水素、C1〜C4アルキル、フェニル基で置換さ
れたC1〜C4アルキル、フェニル、または互いに一体
となってC3〜C5複素環を形成し;R9およびR10
はそれぞれ独立して水素、C1〜C4アルキル、または
C5〜C8シクロアルキルであり、ただしR9またはR
10の何れか一方がシクロアルキルであるときには他方
は水素であり;Xは酸素または硫黄であり;そして2a
位の立体配置はSであり、4位の立体配置はRである] で示される化合物の製造方法であって、式:
【化16】 [式中、A、R1、およびR2は前記と同意義である]
で示される化合物のアミノ遮断基Bを水素で置換するこ
とを特徴とする方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本明細書で用いる「アル
キル」の語は、表示した炭素原子数を有する直鎖または
分枝鎖のアルキル鎖を表す。例えば、「C1〜C4アル
キル」基とは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t
ert−ブチルである。「C1〜C8アルキル」基とは
、C1〜C4アルキルで列挙した基の他に、さらにn−
ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、n−
ヘキシル、4−メチルペンチル、n−ヘプチル、3−エ
チルペンチル、2−メチルヘキシル、2,3−ジメチル
ペンチル、n−オクチル、3−プロピルペンチル、6−
メチルヘプチル等の基が挙げられる。「C3〜C4アル
ケニル」の語は、−CH2CH=CH2、−CH2CH
2CH=CH2、−CH(CH3)CH=CH2等のよ
うなオレフィン不飽和のアルキル基を表わす。「アリー
ル」の語は、芳香族炭素環式構造を意味する。そのよう
な環構造を例示すれば、フェニル、ナフチル等である。 「シクロアルキル」の語は、環内に、示された炭素原子
数を有する脂肪族炭素環式構造を意味する。例えば、「
C3〜C7シクロアルキル」の語は、シクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび
シクロヘプチルを意味する。「アリール(C1〜C4ア
ルキル)」の語は、C1〜C4アルキル基へ結合した芳
香族炭素環式構造を表わす。そのような基を例示すれば
、ベンジル、フェニルエチル、α−メチルベンジル、3
−フェニルプロピル、α−ナフチルメチル、β−ナフチ
ルメチル、4−フェニルブチル等である。同様に「アリ
ール(C1〜C3アルキル)」の語は、C1〜C3アル
キルへ結合した芳香族炭素環式構造を表わす。
【0013】C1〜C8アルキル、アリール、アリール
(C1〜C4アルキル)基、およびアリール(C1〜C
3アルキル)を、1または2つの部分により置換するこ
とができる。代表的なアリールおよび/またはアルキル
置換基は、C1〜C3アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキ
シ、C1〜C3チオアルキル、ニトロ等である。またア
リール、アリール(C1〜C4アルキル)およびアリー
ル(C1〜C3アルキル)基をC1〜C3アルキルまた
はトリフルオロメチル基によって置換することもできる
。上記の「C1〜C3アルキル」の語は、メチル、エチ
ル、n−プロピル、およびイソプロピルの何れかの基を
意味する。「C1〜C3アルコキシ」の語は、メトキシ
、エトキシ、n−プロポキシおよびイソプロポキシの何
れかの基を意味する。 「ハロゲン」の語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよび
ヨードの何れかを意味する。「C1〜C3チオアルキル
」の語は、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ
、イソプロピルチオの何れかの基を意味する。置換C1
〜C8アルキルの例を挙げれば、メトキシメチル、トリ
フルオロメチル、6−クロロヘキシル、2−ブロモプロ
ピル、2−エトキシ−4−ヨードブチル、3−ヒドロキ
シペンチル、メチルチオメチル等である。置換アリール
の例を挙げれば、p−ブロモフェニル、m−ヨードフェ
ニル、p−トリル、o−ヒドロキシフェニル、β−(4
−ヒドロキシ)ナフチル、p−(メチルチオ)フェニル
、m−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−4−
メトキシフェニル、α−(5−クロロ)ナフチル等であ
る。置換アリール(C1〜C4アルキル)の例を挙げれ
ば、p−クロロベンジル、o−メトキシベンジル、m−
(メチルチオ)−α−メチルベンジル、3−(4’−ト
リフルオロメチルフェニル)プロピル、o−ヨードベン
ジル、p−メチルベンジル等である。「C3〜C5複素
環」の語には、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン等
が含まれる。
【0014】「アミノ遮断基」の語は、合成有機化学で
しばしば用いられるように、分子内の他の官能基で実施
される反応にアミノ基が加わることを防止するが、その
基をとり除きたいと望むときに、アミンからとり除くこ
とができる基を表わす。そのような基については、その
全文を本明細書に参考文献として引用したグリーン(T
.W. Greene)、「プロテクティブ・グループ
ス・イン・オーガニック・シンセシス(Protect
ive Groups in Organic Syn
thesis)」、第7章、ジョン・ウイリー・アンド
・サンズ社(John Wiley and Sons
)、ニューヨーク(New York)、(1981年
)、およびバートン(J.W. Barton)、「プ
ロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・ケミ
ストリー(Protective Groups in
 Organic Chemistry)」、第2章、
マッコミー(J.F.W. McOmie)編、プレナ
ム・プレス社(Plenum Press)、ニューヨ
ーク、(1973年)に論じられている。そのような基
の例を示せば、式−COOR(ここで、Rはメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、2,2,2−トリクロ
ロエチル、1−メチル−1−フェニルエチル、イソブチ
ル、t−ブチル、t−アミル、ビニル、アリル、フェニ
ル、ベンジル、p−ニトロベンジル、o−ニトロベンジ
ルおよび2,4−ジクロロベンジル;3,4−ジメトキ
シベンジル、o−ニトロベンジルおよびトリフェニルメ
チルのようなベンジルおよび置換ベンジル;ホルミル、
アセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリク
ロロアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイルおよ
びp−メトキシベンゾイルのようなアシルおよび置換ア
シル;およびメタンスルホニル、p−トルエンスルホニ
ル、p−ブロモベンゼンスルホニル、p−ニトロフエニ
ルエチル、p−トルエンスルホニルアミノカルボニルの
ようなその他の基等)が挙げられる。好ましいアミノ遮
断基は、ベンジル(−CH2C6H5)、アシル[C(
O)R]またはSiR3[ここで、RはC1〜C4アル
キル、ハロゲン化メチル、2−ハロゲン置換(C2〜C
4アルコキシ)またはフェニル]である。
【0015】本発明の化合物は少なくとも2つのキラル
中心を有しており、従って、それぞれについて少なくと
も4種類の立体異性体が存在し得る。置換基がキラル中
心を含んでいるときには、追加の立体異性体が存在し得
ることは言うまでもない。式(IA)の化合物のラセミ
混合物および式(IB)の化合物の実質的に純粋な立体
異性体も、本発明の範囲に包含される。「実質的に純粋
な」の語は、存在する他の立体異性体と比較して、所望
する立体異性体が少なくとも約90モル%、一層好まし
くは95モル%、最も好ましくは少なくとも98モル%
存在していることを表わす。特に好ましい立体異性体は
、2a位のキラル中心の立体配置がSで、4位のキラル
中心の立体配置がRであるものである。
【0016】本明細書で用いる「R」および「S」の語
は、有機化学で一般に使用されているようにキラル中心
の特定の立体配置を表示するのに使用する。「R」は「
右」を表わし、結合に沿って最下位の優先順位の基の方
向を眺めたときに、基の順位が時計まわり(最上位から
2番目の最下位へ)の関係を有するキラル中心の立体配
置を表わす。「S」、即ち「左」は、結合に沿って最下
位の優先順位の基の方向を眺めたときに、基の順位が反
時計まわり(最上位から2番目の最下位へ)の関係を有
するキラル中心の立体配置を表わす。基の優先順位はそ
の原子番号に基づく(最も重い同位元素が第1)。優先
順位の一部のリストおよび立体化学に関する考察は、本
明細書に参考文献として引用した単行図書、「ザ・ボキ
ャブラリー・オブ・オーガニック・ケミストリー(Th
e Vocabulary of Organic C
hemistry)」、オーキンら(Orchin, 
et al.)、ジョン・ウイリー・アンド・サンズ社
、出版、126頁に掲載されている。
【0017】本発明の化合物は、すべて本明細書に示し
た目的に有用であるが、ある種の化合物がこのような使
用に好ましい。好ましくは、Xは酸素または硫黄、R1
は水素、C1〜C4アルキル、アリル、またはC(O)
R4、R2は水素、C1〜C4アルキル、またはアリル
、R3はC1〜C4アルキル、R4は水素、メチル、エ
チル、プロピル、トリフルオロメチル、またはフェニル
、R5およびR6はそれぞれ独立して水素、C1〜C4
アルキル、フェニル(C1〜C4アルキル)、フェニル
、または互いに一体となってC3〜C5複素環を形成す
る(ただし、R5およびR6が双方とも水素であること
はない)。一層好ましくは、Xは酸素、R1およびR2
はともにC1〜C4アルキル(特にn−プロピル)、R
3は水素またはC1〜C3アルコキシ(特にメトキシま
たはエトキシ)である。以下、本発明のその他の好まし
い特徴について説明する。
【0018】先に説明したように、本発明は式(IA)
および(IB)の化合物の薬学的に許容し得る塩を包含
する。本発明の化合物はアミンであるから、それらは塩
基性であり、したがって任意の多数の無機酸および有機
酸と反応して薬学的に許容し得る塩を作る。そのような
塩の例として、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸
、ヨウ化水素酸、亜リン酸等のような無機酸から誘導さ
れた塩、および脂肪族モノおよびジカルボン酸、アミノ
酸、フェニル置換アルカンカルボン酸、ヒドロキシアル
カンカルボン酸およびヒドロキシアルカンジカルボン酸
、芳香族カルボン酸、脂肪族および芳香族スルホン酸の
ような無毒性有機酸から誘導された塩が挙げられる。 即ち、そのような薬学的に許容し得る塩は、硫酸塩、ピ
ロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、
リン酸塩、1水素リン酸塩、2水素リン酸塩、メタリン
酸塩、ピロリン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水
素酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、アク
リル酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸
塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロ
ン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フ
マル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、ブチン−1,
4−ジカルボン酸塩、ヘキシン−1,6−ジカルボン酸
塩、馬尿酸塩、安息香酸塩、クロル安息香酸塩、メチル
安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼンス
ルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロルベンゼンス
ルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、
フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩
、乳酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、リ
ンゴ酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン
−2−スルホン酸塩およびメシレート等である。
【0019】 下記の化合物は本発明の代表的な化合物である。 4−(ジメチルアミノ)−1,2,2a,3,4,5−
ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドール−6−カルボ
チオン酸 S−メチルエステル、4−(ジ−n−プロピ
ルアミノ)−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロ
ベンズ[c,d]インドール−6−カルボチオン酸 O
−エチルエステル、4−(メチルエチルアミノ)−1,
2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]
インドール−6−カルボジチオン酸 メチルエステル、
4−(n−ブチルアミノ)−1,2,2a,3,4,5
−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドール−6−カル
ボン酸 エチルエステル、4−(ジ−n−プロピルアミ
ノ)−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ
[c,d]インドール−6−カルボチオン酸 S−メチ
ルエステル、4−アミノ−1,2,2a,3,4,5−
ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドール−6−カルボ
ジチオン酸 n−プロピルエステル、4−(メチルアミ
ノ)−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ
[c,d]インドール−6−カルボン酸 n−プロピル
エステル、4−アミノ−1,2,2a,3,4,5−ヘ
キサヒドロベンズ[c,d]インドール−6−カルボン
酸 メチルエステル、4−(ジエチルアミノ)−1,2
,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]イ
ンドール−6−カルボン酸 n−プロピルエステル・マ
レイン酸塩、(2aS,4R)−4−(ジ−n−プロピ
ルアミノ)−6−ヨード−1,2,2a,3,4,5−
ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドール、4−(ジメ
チルアミノ)−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒド
ロベンズ[c,d]インドール−6−カルボン酸メチル
エステル、4−(ジ−n−プロピルアミノ)−1,2,
2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]イン
ドール−6−カルボキシアルデヒド、4−(メチルエチ
ルアミノ)−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロ
ベンズ[c,d]インドール−6−カルボン酸 エチル
エステル、4−(ジ−n−プロピルアミノ)−6−アミ
ノカルボニル−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒド
ロベンズ[c,d]インドール、(2aS,4R)−4
−(ジ−n−プロピルアミノ)−6−アミノカルボニル
−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c
,d]インドール、(2aS,4R)−4−(ジ−n−
プロピルアミノ)−6−ブロモ−1,2,2a,3,4
,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドール、(2
aS,4R)−4−(ジ−n−プロピルアミノ)−6−
シアノ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベン
ズ[c,d]インドール、(2aS,4R)−4−(ジ
−n−プロピルアミノ)−6−メトキシ−1,2,2a
,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドー
ル。
【0020】好ましい製造方法において、6−ヨード−
1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd
]インドール(2)が、6位−置換基がアミノカルボニ
ル、アルキル−またはアリール−置換アミド、またはア
ルキル−またはアリール−カルボン酸エステルである本
発明の化合物の有用な中間体である。6−ヨードインド
リンを、パラジウム触媒の存在下でアンモニアおよび一
酸化炭素と反応させることにより、アミノカルボニル基
を導入することができる[シェーンベルグ(Schoe
nberg)ら、(ジャーナル・オブ・オーガニック・
ケミストリー(J. Org. Chem.))、39
巻、3327頁(1974年)、およびシェーンベルグ
ら(ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー)
、39巻、3318頁(1974年)(何れも参考文献
として本明細書に加えた)]。アンモニアの代わりにア
ミンを反応に使用することによって、置換アミドを6位
に導入することができる。アンモニアの代わりにアルコ
ールを使用することによって、6位で置換されたカルボ
ン酸エステルを調製することができる。好ましいパラジ
ウム触媒は、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム塩化物、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
臭化物、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)
パラジウムである。アセトニトリルまたはトルエンのよ
うな不活性溶媒が好適である。アンモニアを使用する場
合は、一酸化炭素およびアンモニアのほぼ等モル量混合
物を、約1〜約20大気圧で反応物に供給する。 アミンまたはアルコールのような反応試薬をアンモニア
の代わりに使用する場合は、試薬を反応容器中で混合し
、所望の圧の一酸化炭素を導入する。反応混合物を約2
5℃〜約150℃の温度で撹拌し、例えば薄層クロマト
グラフィーまたは液体クロマトグラフィーで測定して6
−ヨードインドリンが実質的に消費されるまでこれを行
う。この反応に引き続き、いずれかのアミノ保護基を除
去する追加の工程、およびアルキル、アルケニルまたは
その他の所望の置換基を4位のアミノ基に付加する工程
を追加することができる。この合成経路に修飾を加える
ことが好ましいことは言うまでもない。
【0021】カルボニル化を開始する前に、好ましくは
tert−ブトキシカルボニル基のような保護基Zで1
位の窒素をブロック(遮断)する。反応性の6位−置換
基を有する化合物の場合は、保護基を選択的に除去する
ため、比較的不安定な1−アミノ保護基を導入すべきで
ある。 例えば6−アルコキシカルボニル誘導体を製造する場合
、tert−ブトキシカルボニルの代わりに、特にベン
ゾイル基の代わりに、Cl3CCH2OCO−基のよう
な1−アミノ保護基を使用するのが好ましい。所望の目
的とする生成物によって、R1および/またはR2が水
素の場合、ベンゾイルのような容易に除去し得る遮断基
で4−アミノ基を保護することができる。T.W. グ
リーン[「プロテクティブ・グループス・イン・オーガ
ニック・シンセシス」、第7章、ジョン・ウイリー・ア
ンド・サンズ社、ニューヨーク(1981年)]および
J.W. バートン[「プロテクティブ・グループス・
イン・オーガニック・ケミストリー」、第2章、J.F
.W. マッコミー編、プレナム・プレス社、ニューヨ
ーク(1973年)]が報告した方法を用いて、4−ア
ミノの位置へホルミル、アセチル、トリフルオロアセチ
ル等のようなアシル基を含むアミノ遮断基を導入するこ
とができる。式(I)の所望の化合物において、R1ま
たはR2がアルキルまたはアルケニルである場合、カル
ボニル化を実施する前に4−アミノ基をアルキル化して
おくことが好ましい。
【0022】別途製造方法として、式(IA)の6−エ
ステル、6−チオエステルおよび6−アミド化合物を、
6−カルボン酸誘導体から製造することができる。例え
ば6−カルボン酸を試薬RTH(ここで、Rは所望の炭
素を含む置換基、Tは酸素、硫黄または窒素)およびカ
ップリング試薬と反応させることができる。ペプチドお
よびエステルの合成に一般に使用される任意の型のカッ
プリング試薬を使用して、所望のエステルまたはアミド
を単離できる。そのようなカップリング試薬の例として
は、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,
N’−ジイソプロピルカルボジイミドまたはN,N’−
ジエチルカルボジイミドのようなカルボジイミド、カル
ボニルジイミダゾールのようなイミダゾール、およびN
−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒド
ロキノリンのような試薬等が挙げられる。
【0023】別途製造方法を反応式Iに示した(式中、
R1およびR2は前記と同意義であり、Zは好適なアミ
ノ遮断基である)。6−ブロモ化合物(3)の1位の窒
素を好適な遮断基で保護する。この遮断基はブチルリチ
ウムに比較的非反応性であるべきである。好ましい遮断
基はベンジル基であって、塩化ベンジルと化合物(3)
の反応によって1位の窒素へ結合させることができる。 1−ベンジル−6−ブロモ誘導体(4)をn−ブチルリ
チウムまたはt−ブチルリチウムのようなリチウム化試
薬と接触させる。試薬を約−100℃〜約−20℃、一
層好ましくは約−60℃〜約−40℃の温度で結合させ
る。ついでQC(=X)Y(ここで、XおよびQは前記
と同意義であり、Yはシアノのような良好な脱離基であ
る)のような好適な求電子試薬との反応により、6−リ
チウム誘導体(5)を1,6−ジ置換−4−アミノヘキ
サヒドロベンズ[c,d]インドール(6)へ変換でき
る。標準的には約−100℃〜約−60℃、好ましくは
約−80℃の温度で、化合物(5)の溶液を共通溶媒の
求電子試薬溶液へ添加する。例えば反応混合物を氷水で
失活させることにより、所望の化合物(6)を精製する
。水と混ざらない有機溶媒で混合物を洗浄する。有機層
を酸で抽出し、水層を合わせて、これを塩基性にし、所
望の化合物を水と混ざらない有機溶媒で抽出する。有機
溶媒を標準的には真空下に留去し、必要であれば所望の
化合物(6)を標準的な手法によってさらに精製する。 この手法の不都合な点は、若干の脱ハロゲン化が起こり
6位に水素を生じる得ることであり、実質的に純粋な化
合物(6)を得るために、追加的な精製段階を必要とす
ることがある。
【0024】
【化17】
【0025】6−リチウム誘導体(5)を使用し、この
誘導体を二酸化炭素と接触させることによって、対応す
る6−カルボン酸誘導体を製造することができる。6−
カルボン酸は、標準的なアミド化およびエステル化の方
法によって本発明の6−アミドおよび6−エステルを製
造する中間体として使用できる。
【0026】式(IA)で示されるチオカルボン酸エス
テル(式中、Xは硫黄)は、本発明のもう1つの態様で
ある別の重要な化合物の1群をなす。本発明のチオカル
ボン酸エステルは、対応するカルボン酸エステルまたは
チオエステルを硫黄化することによって製造することが
できる。五硫化リン等を含む任意の幾つかの硫黄化剤が
この反応に使用できる。もう1つの硫黄化剤はローエッ
ソンの試薬であり、これは2,4−ビス(4−メトキシ
フェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン
−2,4−ジスルフィドである。この硫黄化剤およびそ
の一般的な使用法は、テトラヘドロン・レターズ(Te
trahedron Letters)、21巻、40
61頁(1980年)に詳細に報告されている。硫黄化
反応は、好ましくはカルボン酸エステルおよび硫黄化剤
の約等モル量ずつをトルエンまたはジオキサンのような
共通の有機溶媒中で結合させることによって実施する。 反応を約50℃〜約150℃の温度で実施すると、一般
に約1時間〜約10時間以内で反応が完結する。このよ
うにして生成したチオカルボン酸を単離して、結晶化等
のような通常の方法によって精製することができる。
【0027】また式(IA)の化合物(式中、Xは硫黄
)は、前記のようにして調製した4−アミノ−6−リチ
ウムテトラヒドロベンズ[c,d]インドール(5)(
または対応するグリニャール試薬)を、二硫化炭素およ
び好適な求電子試薬、またはチオカルボニル−1,1’
−ジイミダゾールおよび好適な求核試薬と順次反応させ
ることによって製造することができる。
【0028】式(IB)の化合物(式中、Aは−NR5
R6)、即ち6−アミノおよび置換−6−アミノ化合物
は、対応する6−ニトロインドリンから製造することが
できる。水素化アルミニウムのような通常の還元剤を使
用し、ニトロ体を対応する6−アミンへ還元する。生成
したアミンを、ついで炭酸ナトリウムの存在でハロゲン
化アルキルと接触させるか、または触媒量のt−ブトキ
シ化アルミニウムおよびラネーニッケルの存在でアミン
をアルコールと接触させるような当業者周知の方法を用
いて、所望の基でアルキル化することができる。
【0029】式(IB)の化合物[式中、AはO(C1
〜C4アルキル)またはS(C1〜C4アルキル)]は
、対応する6−ブロモインドリンから、ヨウ化銅の存在
下で、好適なアルコキシドまたはチオアルコキシドで置
換することによって製造することができる。例えばCu
Iの存在で、6−ブロモインドリンをナトリウムメトキ
シドと接触させることにより、6−メトキシ誘導体を製
造することができる。
【0030】式(IB)の化合物(式中、AはOH)は
、対応する6−アルコキシインドリンのエーテル開裂に
よって製造することができる。このエーテル開裂は三臭
化ホウ素または三塩化ホウ素のような標準的な試薬を使
用することによって行うことができる。
【0031】6−ヒドロキシインドリンを、式(IB)
の対応するO−アシル化合物またはO−ベンジル化合物
製造の中間体として使用できる。これらのO−アシル化
合物は、6−ヒドロキシインドリンに標準的なアシル化
反応を用いて製造することができる。例えば好適な塩化
アシルまたは酸無水物を6−ヒドロキシインドリンと接
触させることができる。O−ベンジル化合物は、好適な
6−ヒドロキシインドリンをハロゲン化ベンジルと接触
させることによって製造することができる。
【0032】式(IB)の化合物(式中、AはCF3)
は対応する6−カルボン酸をSF4と接触させることに
よって製造できる。別法としてこれらの化合物は、対応
する6−ブロモ化合物、CuI、CF3CO2Naおよ
びN−メチル−2−ピロリドンの混合物を100℃〜1
80℃に加熱することによって製造できる。
【0033】反応式2に本発明の化合物の製造に有用な
中間体の製造方法を示す。容易にわかるように、構造(
7)の化合物(式中、Aは所望の6−置換基)が入手可
能であれば、所望の式(IB)の化合物を直接製造する
ことができる。ただし好ましい経路は、容易に入手可能
な式(7)のケトン出発物質(式中、Aは水素、Bはベ
ンゾイル基)を使用することである。
【0034】
【化18】
【0035】式(8)のエポキシドは当分野で既知のも
のであるか、または当分野で既知の化合物から通常の試
薬および方法を使用して製造することができる。例えば
、フローら[ジャーナル・オブ・メジシナル・ケミスト
リー、31巻、1746頁(1988年)]、ニコルズ
(Nichols)ら[オーガニック・プレパレーショ
ン・アンド・プロシーディングズ、インターナショナル
(Org.Prep.and Proc.,Int.)
、9巻、277頁(1977年)]、レアンナ(Lea
nna)ら[テトラヘドロン・レターズ、30巻、30
号、3935頁(1989年)]は、式(8)の化合物
の各種態様の製造方法を教示している。有機化学の専門
家であれば、式(8)の化合物に4種類の立体異性体が
あることを認めるであろう。
【化19】 式(8a)および(8b)は本明細書では包括的にエキ
ソ異性体と呼び、同様に、式(8c)および(8d)は
エンド異性体と呼ぶ。レアンナら(前掲)は、実質的に
エキソ、または実質的にエンドである式(8)のエポキ
シドを所望のように製造する方法を教示している。好ま
しい出発物質は式(8)の化合物(式中、Bはベンゾイ
ル、Aは水素)であり、最も好ましい出発物質はそのエ
キソ異性体の混合物である。
【0036】式(9)のアミノアルコールは、式(9)
のエポキシドを式R7NH2のアミンと反応させること
によって得られる。このようなアミン類は容易に入手す
ることができる。エポキシド環の開裂は、実質的に5位
のアミノ基および4位のヒドロキシル基において位置特
異的に進行する。また、この反応は、式9a〜dの立体
異性体が、式8a〜dの立体異性体からそれぞれ予測可
能に得られるという意味で立体特異的である。
【化20】
【0037】式(9)のアミノアルコールの立体選択的
な合成、したがって反応式2のその後のすべての中間体
および生成物の立体選択的な合成は、式R7NH2(こ
こで、R7は少なくとも1個のキラル中心を含んでいる
)で示されるアミンの実質的に純粋なエナンチオマーを
使用することによって達成できる。得られたアミノアル
コールのジアステレオマーを、次に当分野で既知の多数
の方法(例えば、クロマトグラフィーまたは結晶化)に
よって分離することができる。再結晶に好適な溶媒はジ
エチルエーテル、n−ブタノール、およびヘキサン/酢
酸エチルの混合液のような溶媒である。立体特異的な合
成を達成する別法としては、式(9)のすべてのジアス
テレオマーを、対応する式(10)のジアステレオマー
へ変換することからなり、次にこれらのジアステレオマ
ーを、以下に説明する別法によって分離する。もし立体
選択的な合成を望まないのなら、式(8)のアミノアル
コールの立体異性体の分離は必要でなく、アミンR7N
H2は光学的に活性である必要はない。この場合は、R
7はR1と同一であってよく、式(11)の化合物を使
用して所望の化合物を製造することができる。
【0038】式(9)の極めて好ましい化合物である1
−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−5−(1−フェニルエ
チル)アミノ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒド
ロベンズ[cd]インドールのための特に効果的な立体
選択的な方法は、式(8)の対応するエポキシドの実質
的なエキソ異性体の混合物、または式(8)の対応する
エポキシドの実質的なエンド異性体の混合物を、n−ブ
タノールのような好適な溶媒中で1−フェネチルアミン
の実質的に純粋なエナンチオマーと反応させ、次いでア
ミノアルコールの2つの異性体の一方を選択的に結晶化
することからなる。反応温度は約50℃〜約150℃、
好ましくは約80℃〜約100℃である。
【0039】例えば薄層クロマトグラフィーまたは液体
クロマトグラフィーによって測定して反応が完結してい
たら、所望のアミノアルコールを約−20℃〜約40℃
、好ましくは約0℃〜15℃で結晶化させる。この方法
は立体異性体の反応および分離が効率的に一段階で起こ
るので、極めて有用である。エポキシド異性体(エキソ
またはエンド)、および1−フェニルエチルアミンのエ
ナンチオマー(RまたはS)を適切に選ぶことによって
、式(9)の化合物のどちらの立体異性体が反応混合物
から沈殿するかを決定することができる。例えば1−ベ
ンゾイル−4−ヒドロキシ−5−(1−フェニルエチル
)アミノ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベ
ンズ[cd]インドールの好ましい立体異性体、即ち(
2a−S,4−S,5−S)−異性体(構造9b)は、
エキソ−エポキシドをS−1−フェニルエチルアミンと
反応させることによって選択的に製造することができる
【0040】式(10)のようなアジリジンを式(9)
のようなアミノアルコールから製造する多数の方法が当
分野で知られている。2つ例を挙げると、ジエチルアゾ
ジカルボキシレートおよびトリフェニルホスフィンを使
用する方法[ミツノブ(O.Mitsunobu)、シ
ンセシス(Synthesis)、1981年、1月、
1頁]、および臭素およびトリフェニルホスフィンを使
用する方法[フリーマー(J.P.Freemer)お
よびモンドロン(P.J.Mondron)、シンセシ
ス、1974年、12月、894頁]がある。
【0041】上記の方法に対して特に効果的な別法は、
式(9)の化合物を不活性溶媒中で第3級アミンで処理
し、ついで塩化メタンスルホニルを添加する方法である
。下記の式(10)のアジリジンの立体異性体(10a
〜d)は、式(9a〜d)の立体異性体から、それぞれ
置換基A、BまたはR7、および2a位における全ての
キラル中心での立体配置を保持して生成する。
【化21】
【0042】好適な第3級アミンは、式(R8)3N(
ここで、R8基はそれぞれ独立してC1〜C4アルキル
)で示されるアミンである。好適な溶媒は、塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタンのよう
な塩素化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンのよ
うな芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエ
ーテル、メチル−t−ブチルエーテルのようなエーテル
である。反応は約−35℃〜約45℃の温度で行なうこ
とができる。好ましい態様として、アミノアルコールを
、塩化メチレン中、約−20℃〜約0℃でトリエチルア
ミンで処理し、ついで反応を完結させるために、反応混
合物を約15℃〜約35℃に加熱する。所望により式(
10)で示される生成物アジリジンを水で後処理したの
ち、アセトニトリルまたはイソプロパノールのような好
適な溶媒から結晶化することができる。R7が実質的に
単一の立体配置の少なくとも1個のキラル中心を含んで
おり、式(10)のアジリジンが立体異性体の混合物と
して調製されるような場合は、その立体異性体をクロマ
トグラフィーおよび結晶化のような方法によって分離し
、それによって式(10)のアジリジンおよびその後の
生成物の立体特異的な合成を行うことができる。
【0043】アジリジン環を開裂して式(11)の中間
体である、第2級アミンを得ることができる。多数のア
ジリジン開裂の方法が広く知られている。しかし、アジ
リジンを開裂して式(11)の第2級アミンを得るため
に使用する方法が、実質的に位置特異的であることが必
須であり、5−アミノ化合物ではなく実質的に4−アミ
ノ化合物を生成するようにアジリジンが開裂されなけれ
ばならない。そのような方法の1つは、スギ(Y.Su
gi)およびミツイ(S.Mitsui)が教示してい
る接触水素化分解法である[ビュレチン・オブ・ザ・ケ
ミカル・ソサエティー・オブ・ジャパン(Bull.C
hem.Soc.Jap.)、43巻、1489〜14
96頁(1970年)]。好適な触媒は、貴金属触媒の
ような通常の水素化および水素化分解の触媒であり、好
ましい触媒はパラジウムである。好ましい溶媒は、ヘキ
サン、ヘプタンのような炭化水素、ベンゼン、トルエン
、キシレン、エチルベンゼン、t−ブチルベンゼンのよ
うな芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノールのようなアルコール、および酢酸と上記のア
ルコールのような混合溶媒である。式(11)の化合物
(ここで、Bはベンゾイル、Aは水素、R7は1−フェ
ニルエチル)を製造するのに好ましい溶媒は、氷酢酸、
またはメタノールとリン酸の混合物等である。水素供給
源は約1気圧またはそれ以上の圧で供給される水素大気
であるか、または接触伝達水素化分解反応において水素
供与体として作用するに好ましいギ酸、シクロヘキセン
、またはヒドラジンのような化合物である。好ましい水
素供給源は約1気圧〜約10気圧で供給される水素ガス
大気である。反応温度は約−20℃〜約80℃であり、
アジリジン(Bはベンゾイル、Aは水素、R7は1−フ
ェニルエチル)の水素化分解に好ましい温度は約−20
℃〜約0℃である。
【0044】式(10)の化合物の式(11)の化合物
への変換は、式(11)の2a位もしくは4位のキラル
中心、または任意の置換基に存在し得るキラル中心の立
体化学的配置に混乱を生じることなく進行する。
【0045】所望により、結晶化のような通常の方法に
よって、式(11)の化合物を単離することができる。 式(11)の第2級アミンは、有機化学の分野で既知の
多数の方法によって式(12)の第1級アミンへ変換す
ることができ、または別法として第2級アミンそのもの
を単離することができる。しかし、好ましい方法は、第
2級アミンを単離することなく、中断せずに式(11)
の化合物を生じる水素化分解反応をそのまま続けること
によって、第2級アミンを式(12)の第1級アミンへ
変換することである。従って好ましい溶媒および触媒は
、式(11)の第2級アミンの製造に使用したものと同
一である。式(11)の第2級アミンの水素化分解は、
式(10)のアジリジンの水素化分解とは異なった温度
または異なった圧、または異なった温度および圧で行な
うのが望ましいこともある。式(11)の好ましい化合
物(ここで、Bはベンゾイル、Aは水素、R7は1−フ
ェニルエチル)の水素化分解のための好ましい温度およ
び圧は約50℃〜約60℃および約1〜約20気圧であ
る。
【0046】式(11)の化合物の式(12)の化合物
への水素化分解は、2a位および4位のキラル中心の立
体化学的配置に混乱を生じることなく進行する。式(1
2)の化合物の単離は、結晶化のような通常の方法によ
って達成できる。所望により、例えば再結晶によって式
(12)の化合物をさらに精製することができる。
【0047】勿論、当業者であれば、本発明のある種の
態様では反応式2の変更が望ましいか、あるいは必要で
あることを認めるであろう。例えば化合物(Aはハロゲ
ン)を反応式2の接触水素化分解段階に掛けることは、
炭素−窒素結合の望ましい水素化分解が、望ましくない
ハロゲン置換によって競合されるから、望ましくないで
あろう。原則的にハロゲン化は水素化分解のあとに行な
うことが望ましい。またこれとは別の方法は、ハロゲン
がその位置に残るような緩和な還元手段を用いることで
ある。第3の別法は、水素化分解工程の前に所望のハロ
ゲン置換を実施することであるが、この方法は6位の新
しい基が水素化に感受性であれば注意を払わなければな
らない。
【0048】式(12)の化合物が立体異性体の混合物
として、または実質的に純粋なエナンチオマーとして存
在している場合であっても、式(I)の化合物は当分野
で周知の通常の試薬および方法を用いて式(12)の化
合物から製造することができる。6−ブロモインドリン
は式(IA)および式(IB)の多数の化合物製造の好
ましい中間体である。6−ブロモ誘導体は臭素−酢酸溶
液またはN−ブロモスクシンイミドによる標準的なフェ
ニルブロム化反応によって製造することができる。
【0049】6−ブロモ誘導体に加えて、本発明の化合
物のもう1つの好ましい中間体は、先に説明した6−ヨ
ード誘導体(2)である。ここで、Bは好ましくはベン
ゾイルまたはp−ニトロフェニルエチルのようなアミノ
遮断基である。ヨウ素を6位に導入する好ましい方法は
、酢酸などの溶媒中、トリフルオロ酢酸または硫酸など
の酸の存在下で、6−ヒドロキシインドリンをヨウ素お
よびオルト過ヨウ素酸と反応させることによって行なう
。ヨウ素化のもう1つの好ましい方法は、トリフルオロ
酢酸の存在下でN−ヨードスクシンイミドを使用する。 所望により、グリーン(前掲)およびバートン(前掲)
が報告した方法を用いて4−アミノ置換基へアミノ遮断
基を付加することができる。所望により、モリソン(M
orrison)およびボイド(Boyd)[オーガニ
ック・ケミストリー(Organic Chemist
ry)、第3版、第22章、734頁、735頁、アリ
ン・アンド・ベーコン社(Allyn and Bac
on)、ボストン(1973年)]が論じているように
、適当なハロゲン化物との反応のような一般的な方法を
用いてアルキル基を4−アミノ置換基へ付加することが
できる。
【0050】特に好ましい中間体は、以下の式(13)
で示される(2a−S,4−R)−1−ベンゾイル−4
−(ジ−n−プロピル)アミノ−6−ヨード−1,2,
2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インド
ールである。
【化22】 この化合物は、式(12)の化合物(式中、Bはベンゾ
イル、Aは水素)から、上記のようにヨウ素化し、次い
でアセトニトリルのような溶媒中、炭酸カリウムのよう
な塩基の存在下で、ヨウ化n−プロピルにより4−アミ
ノ基をアルキル化することによって製造できる。
【0051】6−ニトリルインドリンは、ブロモ化合物
をシアン化第一銅と200℃のような高温で接触させる
ことによって、対応する6−ブロモ誘導体から製造する
ことができる。またアルミナの存在下で、6−ブロモイ
ンドリンをシアン化ナトリウムと接触させるような既知
の別法も使用できる。6−ニトリルインドリン化合物を
、既知の方法により水性の酸または塩基を用いて高温で
加水分解して、6−カルボン酸誘導体を得ることができ
る。6−ニトリル体をポリリン酸で加水分解して、都合
よく6−カルボキシイミドを得ることができる。6−ニ
トロ誘導体は、硫酸および硝酸混合物のような通常の方
法を用いるニトロ化によって式(12)の化合物から製
造することができる。ニトロ基を、例えば接触水素化に
よって還元し、6−アミノ誘導体を得ることができる。 6−アミノインドリンをアルキル化して6−置換アミノ
インドリンを得ることができる。
【0052】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の化合物の製造
をさらに詳細に説明する。実施例は単に発明を説明する
ためのものであって、本発明の範囲を限定する目的を持
つものではない。以下の実施例では、特に指定しない場
合、使用する用語および略号は通常の意味を表わし、例
えば「℃」は摂氏温度、「N」は規定または規定度、「
mモル」はミリモル、「g」はグラム、「ml」はミリ
リットル、「M」はモル、「NMR」は核磁気共鳴、「
IR」は赤外分光法、「U.V.」は紫外分光法、「m
.s.」は質量分析を表す。
【0053】実施例1   (2aR,4S)−1−ベンゾイル−4−アミノ−
6−ブロモ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロ
ベンズ[cd]インドールの製造機械的撹拌装置、窒素
導入口および一定量滴下ロートを取り付けた500ml
の三頚丸底フラスコへ(2aR,4S)−1−ベンゾイ
ル−4−アミノ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒ
ドロベンズ[cd]インドール(29.4g、0.10
6モル)を加えた。基質を氷酢酸(250ml)に溶解
し、これに酢酸ナトリウム(34.7g、0.423モ
ル、4モル当量)を添加した。激しく撹拌しながら臭素
(21.8ml、0.424モル)の酢酸溶液を1時間
かけて滴下し、ついで室温で1夜撹拌した。得られた濃
厚なスラリーをエチルエーテルで希釈して、濾過し、エ
チルエーテルで洗浄した。このようにして得られた物質
をH2Oでスラリー化し、5NNaOHでpH11〜1
2に調節した。固体を濾取し、H2Oでよく洗浄し、真
空下で乾燥し、標記の化合物33.6g(88.8%)
を得た。イソプロピルアルコールから再結晶することに
より分析試料を調製した。 m.p.:169〜173℃。 IR  :3010、2934、1640、1580、
1468、1454、1384 cm−1。 NMR:(1H、ppm、CDCl3):7.42−7
.58(m,7H)、4.27(br s、1H)、3
.68(t,1H、J=11.1 Hz)、3.33(
m,2H)、3.16(dd,1H、J=6.3、17
.3 Hz)、2.28(dd,1H、J=9.6、1
7.3Hz)、2.17 (m,1H)、1.44(b
r s,2H)、1.32(q,1H、J=11.6 
Hz)。 (13C、ppm、CD3OD):170.6、141
.9、137.3、136.4、 134.1、132
.1、132.0、129.8、128.1、118.
8、116.2、59.5、49.3、37.8、37
.1、25.4M.S.:m/e= 356、358、
339、341、105、77。 U.V.:λmax= 272(ε=14400、エタ
ノール溶媒)。 元素分析: 計算値:C 60.52; H 4.80; N 7.
82;実測値:C 60.33; H 4.89; N
 7.72。 [α]D :+20.73 (589 nm)。
【0054】実施例2   (2aS,4R)−1−ベンゾイル−4−アミノ−
6−ブロモ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロ
ベンズ[c,d]インドールの製造(2aS,4R)−
1−ベンゾイル−4−アミノ−1,2,2a,3,4,
5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドールを使用し
、実施例1と同様に処理して標記の化合物を得た。
【0055】実施例3   (2aR,4S)−1−ベンゾイル−4−(ジ−n
−プロピル)アミノ−6−ブロモ−1,2,2a,3,
4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドールの製造
機械的撹拌装置、頂部に窒素導入口を備えた冷却器およ
び熱電対を取り付けた500mlの丸底フラスコへ(2
aR,4S)−1−ベンゾイル−4−アミノ−6−ブロ
モ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[
cd]インドール(9.82g、0.0275モル)を
加えた。アセトニトリル(175ml)およびK2CO
3(0.275モル)を添加し、次いで激しく撹拌しな
がらヨウ化プロピル(13.2ml、0.137モル)
を加えた。反応混合物を窒素大気下に75℃±5℃で1
夜撹拌した。室温に冷却したのち、反応混合物をCH2
Cl2(200ml)で希釈して、H2O、NaHCO
3溶液、H2O、食塩水で順次洗浄し、Na2SO4で
乾燥した。濾過したのち、揮発成分を真空下で留去し、
粗生成物11.5g(94%)を得た。ついでこの物質
を95%エタノールから再結晶し、所望の生成物9.7
g(80.0%)を無色の針状晶として得た。 m.p.:93〜93℃。 IR  :2958、1655、1464、1453、
1381 cm−1。 NMR:(1H、ppm、CDCl3):7.41−7
.58(m,7H)、4.27(m,1H)、 3.3
4(m,1H)、3.19(m,1H)、2.92(d
d,1H、J=5.6、18.1Hz)、2.48(m
,5H)、2.16 (m,1H)、1.47(m,4
H)、1.40(m,1H)、0.90(t,6H、J
=7.3 Hz)。 (13C、ppm、CDCl3):168.9、140
.9、134.7、131.3、 130.0、128
.9、127.7、118.6、57.8、53.1、
30.6、29.2、22.9、12.1。 M.S.:m/e= 440/442。 U.V.:λmax= 272(ε=15600、エタ
ノール溶媒)。 元素分析: 計算値:C 65.31; H 6.62; N 6.
35; Br 18.10;実測値:C 65.15;
 H 6.70; N 6.36; Br 18.31
 。 [α]589: 11.6゜(エタノール)。
【0056】実施例4   (2aS,4R)−1−ベンゾイル−4−(ジ−n
−プロピル)アミノ−6−ブロモ−1,2,2a,3,
4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドールの製
造(2aS,4R)−1−ベンゾイル−アミノ−6−ブ
ロモ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ
[c,d]インドールを使用し、実施例3と同様に処理
して新規化合物を得た。
【0057】実施例5   (2aR,4S)−1−ベンゾイル−4−(ジ−n
−プロピル)アミノ−6−シアノ−1,2,2a,3,
4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドールの製造
A. (2aR,4S)−1−ベンゾイル−4−(ジ−
n−プロピル)アミノ−6−ブロモ−1,2,2a,3
,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール(1
54.48g、0.35モル)をN−メチルピロリジノ
ン(NMP、850ml)に溶解し、この溶液へCuC
N(37.6g、0.42モル、1.2モル当量)を添
加した。このフラスコに、頂部に耐火石材バルブを付け
た冷却器、熱電対、および機械的撹拌装置を取り付けた
。混合物を5回脱気し(耐火石材バルブから真空/N2
封入)、温度を徐々に200℃±5℃へ上昇させた(内
部温度)。1時間後、TLCにより、反応がほとんど完
結したことが分かった。合計2.5時間後、TLCによ
って出発物質が存在しないことが分かった。得られた暗
色の反応混合物にはフラスコ壁に沈殿したCuが存在し
、これを室温に冷却した。混合物をCH2Cl2(1リ
ットル)で希釈し、15%NH4OH(水500ml+
濃厚試薬500ml)で洗浄した。層分離させ、水層を
CH2Cl2(500ml)で抽出した。プールした有
機層をH2O(4×1リットル)、食塩水(1リットル
)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。乾燥剤を濾去し
、濾液を濃縮乾固した。粗製残留物を少量ずつ数回に分
けて、ヘキサン/酢酸エチル濃度勾配によるシリカゲル
クロマトグラフィーにかけて目的のニトリル102.7
g(75.7%)を得た。この物質を結晶化することな
く、次の脱保護工程に使用した。分析用のために、この
物質の一部を50%水性エタノールから再結晶した。 m.p.:109〜111℃。 IR  :2959、2213、1661、1616、
1470、1453、1368、1355 cm−1。 NMR:(1H、ppm、CDCl3):7.34−7
.58(m,7H)、4.35(m,1H)、3.72
(t,1H、J=11.2 Hz)、3.30(m,2
H)、3.13(m,1H)、2.72(m,1H)、
2.45(m,4H)、2.27 (m,1H)、1.
46(m,5H)、0.90(t,6H、J=7.3 
Hz)。 (13C、ppm、CDCl3):169.0、145
.0、138.2、135.8、 134.1、133
.2、131.0、 128.6、127.3、117
.5、113.9、106.3、58.4、56.9、
52.7、37.7、29.3、27.9、22.5、
11.7。 M.S.:m/e= 387。 U.V.:λmax= 304(ε=19600)、2
87(ε=19800)、225(ε=23000)(
エタノール溶媒)。 元素分析: 計算値:C 77.47; H 7.55; N 10
.85;実測値:C 77.09; H 7.65; 
N 10.74。 [α]D :+1.59 (589 nm)。
【0058】B. 別法   頂部に窒素導入口を備えた冷却器、および別の口に
ゴム製隔壁を取り付けた25mlの乾燥三頚丸底フラス
コへ、臭化物出発物質(441mg、1ミリモル)、K
CN(100mg、1.5ミリモル)、トリフェニルホ
スフィン(52mg、0.2ミリモル)、亜鉛末(20
mg、0.3ミリモル)およびNiBr2[P(C6H
5)2]2(74mg、0.1ミリモル)を加えた。次
いで真空/窒素封入を繰り返すことによって、反応容器
を数回脱気した。新たに蒸留したTHF(5ml)をシ
リンジから添加し、60℃(油浴温度)でフラスコを撹
拌した。最初緑色であった溶液は30分間でオレンジ色
〜かっ色に変わった。反応の進行をHPLCおよびTL
Cで監視した。7時間後、HPLCにより出発物質は2
%であるにすぎないことが分かった。合計9時間後、反
応混合物を1夜室温に放冷した。反応液はほとんど無色
になった。不溶性物質をけい藻土(「ハイ−フロ(Hy
−flo)」)(1g)濾過によって濾去し、四塩化炭
素(THF)(4×5ml)で完全に洗浄した。THF
溶液を三頚フラスコへ移し、実施例7に記載のようにn
−ブチルリチウムを滴下して処理した。
【0059】実施例6   (2aS,4R)−1−ベンゾイル−4−(ジ−n
−プロピル)アミノ−6−シアノ−1,2,2a,3,
4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドールの製
造(2aS ,4R)−1−ベンゾイル−4−(ジ−n
−プロピル)アミノ−6−ブロモ−1,2,2a,3,
4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドールを使
用し、実施例5Aの方法と同様に処理して標記の化合物
を製造した。
【0060】実施例7   (2aR,4S)−4−(ジ−n−プロピル)アミ
ノ−6−シアノ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒ
ドロベンズ[cd]インドールの製造新たに蒸留したT
HF(375ml)に(2aR,4S)−1−ベンゾイ
ル−4−(ジ−n−プロピル)アミノ−6−シアノ−1
,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]
インドール(41.02g、0.106モル)を溶解し
、窒素大気下にドライアイス−アセトンで−78℃に冷
却した。次に温度を−65℃に保つ速度で、n−ブチル
リチウム(59.3ml、0.148モル、1.6モル
当量、2.5M)を滴下した。薄層クロマトグラフィー
分析で反応が完結したことがわかったら、氷酢酸(10
ml)を注意深く添加し、反応混合物を室温に加温した
。エチルエーテル(250ml)および1N HCl(
250ml)を加えて液層を分離した。有機層をさらに
1N HCl(2×100ml)で抽出し、プールした
水層をエチルエーテル(2×250ml)で洗浄した。 撹拌しながら5N NaOH(90〜100ml)を滴
下した後、CH2Cl2(250+2×150ml)で
抽出した。プールした有機層を食塩水で洗浄し、Na2
SO4で乾燥し、そして濃縮乾固した。得られた淡黄か
っ色の結晶性の高い物質を、重量が一定になるまで真空
下で乾燥した(28.4g、94.5%)。この物質を
熱水性エタノール(エタノール:H2O、75:25)
から再結晶し、冷却し、濾過し、氷冷した溶媒で洗浄し
た。 m.p.:113〜114℃。 IR  :3336、2934、2210、1625、
1586、805 cm−1。 NMR:(1H、ppm、CDCl3):7.27(1
H,d、J=9.0Hz)、6.39(1H,d、J=
9.0Hz)、4.12(1H、br s)、3.75
(1H、m)、3.20(1H,m)、3.03(1H
,dd、J=18、6.0Hz)、2.63(1H,d
dd、J=18、12、2.0Hz)、2.45(4H
,t、J=9.0Hz)、2.19 (1H,dt、J
=6.0、3.0Hz)、1.45(5H, m)、0
.89(6H,t、J=9.0Hz)。 (13C、ppm、CDCl3):154.0、137
.4、134.0、 130.7、119.2、105
.7、99.6、57.4、55.7、52.8、38
.9、29.7、27.6、22.6、11.8。 M.S.:m/e= 283、254、240、183
、156、128、98、72。 U.V.:λmax=296(ε=16500)、23
1(ε=14100)、205(ε=16300)。 元素分析: 計算値:C 76.28; H 8.89; N 14
.83;実測値:C 76.56; H 8.85; 
N 14.71 。 [α]D :−34.0(589 nm)、THF(c
=0.01);[α]D :−217.7(365 n
m)。
【0061】実施例8   (2aS,4R)−4−(ジ−n−プロピル)アミ
ノ−6−シアノ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒ
ドロベンズ[c,d]インドールの製造実施例7の方法
に従い、(2aS,4R)−1−ベンゾイル−4−(ジ
−n−プロピル)アミノ−6−シアノ−1,2,2a,
3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドール
を使用して標記の化合物を得た。
【0062】実施例9   (2aR,4S)−4−(ジ−n−プロピルアミノ
)−6−アミノカルボニル−1,2,2a,3,4,5
−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドールの製造機械
的撹拌装置、栓および頂部に窒素導入口を備えた冷却器
を取り付けた500mlの三頚フラスコにポリリン酸(
PPA、300ml)を加えた。真空/封入の繰り返し
(5回)によって反応容器を脱気した。次いでフラスコ
を85〜90℃(内部温度)に加熱し、(2aR,4S
)−4−(ジ−n−プロピル)アミノ−6−シアノ−1
,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d
]インドール(22.65g、0.080モル)を少量
ずつ添加した。加水分解が起こりながら、反応混合物が
均一になった。ニトリルを全て添加したのち、加水分解
を確実に完結させるため、反応混合物をこの温度でさら
に2.0時間撹拌した。ついで反応混合物を破砕した氷
上へ注意深く投入し、激しく撹拌した。氷が溶解したの
ち、pHを5N NaOHで11〜12に調節し、CH
2Cl2で数回に分けて抽出した。有機層を硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、目的のアミド23.
53gを泡状物質として得た。 m.p.:161〜164℃。 IR  :(KBr):3392(br)、3180(
br)、2957(m)、2934(m)、2870(
w)、2810(w)、1654(s)、1584(s
)、1457(s)、 1380(s)、1350(s
)cm−1。 NMR:(1H、ppm、CDCl3):7.30(d
,1H)、6.40(d,1H)、5.7 (brs、
2H)、 3.9(m,1H)、3.70(m,1H)
、3.05−3.30(m,4H)、2.85(dd,
1H)、2.45(m,4H)、2.15 (m,1H
)、1.45(m,4H)、0.90(t,6H)。 IR  :3381(s)、3377(s)、2956
(m)、2932(m)、1645(s)、1616(
s)、1585(m)、1379(s)cm−1。  M.S.:m/e= 301(fd)。 U.V.:λmax= 273(ε=15400)、2
14(ε=22300)(エタノール溶媒)。 元素分析: 計算値:C 71.72; H 9.02; N 13
.94;実測値:C 68.40; H 8.78; 
N 13.73 。 [α]D :−70.46(58
9 nm)(CH3OH、c=1.02)。
【0063】実施例10   (2aS,4R)−4−(ジ−n−プロピル)−6
−アミノカルボニル−1,2,2a,3,4,5−ヘキ
サヒドロベンズ[c,d]インドールの製造実施例1の
方法に従い、(2aS,4R)−4−(ジ−n−プロピ
ル)アミノ−6−シアノ−1,2,2a,3,4,5−
ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドールを使用して標
記の化合物を得た。
【0064】実施例11   (2aS,4R)−4−(ジ−n−プロピルアミノ
)−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[
c,d]インドール−6−カルボン酸メチルエステルの
製造A. (2aS,4R)−1−(t−ブチルオキシ
カルボニル)−6−ヨード−4−(ジ−n−プロピルア
ミノ)−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベン
ズ[c,d]インドール(2aS,4R)−1−ベンゾ
イル−6−ヨード−4−(ジ−n−プロピルアミノ)−
1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,
d]インドール10.0g(20ミリモル)および3M
 H2SO4 100mlの混合物を窒素下に2.5時
間還流した。冷却後、混合物を濾過し、固体を1M H
2SO4で洗浄した。濾液および洗浄液をプールして、
CH2Cl2で洗浄し、10N NaOHで塩基性にし
た。分離した油状物質をCH2Cl2で抽出した。Na
2SO4で乾燥したのち、溶媒を蒸発させて、かっ色油
状の残留物6gを得た。酢酸エチルを使用し、フロリシ
ル100gでクロマトグラフィーにかけ、NMRにより
、(2aS,4R)−6−ヨード−4−(ジ−n−プロ
ピルアミノ)−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒド
ロベンズ[c,d]インドールと、対応する脱ヨウ素化
合物との1:2の混合物であることが判明した油状物質
4.82gを得た。この混合物をCH2Cl2 25m
lに溶解し、ジカルボン酸ジ−t−ブチル4.0mlで
処理した。1夜撹拌した後に揮発性物質を真空下に留去
した。残留した油状物質を少量のCH2Cl2に溶解し
、Na2CO3 溶液数mlの存在下で短時間加温した
。CH2Cl2溶液を分離し、Na2SO4で乾燥した
。次いで溶媒を蒸発させ、生成した混合物を、酢酸エチ
ル/トルエン(1:9)を使用するシリカゲルクロマト
グラフィーにかけた。(2aS,4R)−1−(t−ブ
チルオキシカルボニル)−6−ヨード−4−(ジ−n−
プロピルアミノ)−1,2,2a,3,4,5−ヘキサ
ヒドロベンズ[c,d]インドールの結晶をイソオクタ
ンから再結晶し、生成物1.89gを得た。 m.p.:124〜128℃。
【0065】B. (2aS,4R)−1−(t−ブチ
ルオキシカルボニル)−4−(ジ−n−プロピルアミノ
)−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[
c,d]インドール−6−カルボン酸メチルエステル (2aS,4R)−1−(t−ブチルオキシカルボニル
)−6−ヨード−4−(ジ−n−プロピルアミノ)−1
,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d
]インドール(0.50g、1.03mモル)、トリエ
チルアミン(0.5ml)、および(Ph3P)4Pd
(50mg)のメタノール(100ml)の混合溶液を
、CO大気下に55〜60℃で20時間加熱した。 放冷後、減圧下に溶媒を蒸発させた。残留した油状物質
を5%メタノールを含有するCH2Cl2に溶解した。 次いでこの溶液をNaCl溶液で洗浄し、CH2Cl2
を蒸発させた。残留物のメタノール(25ml)溶液を
3%H2O2溶液で処理した。30分後、微細な黒色沈
殿物を濾去した。濾液を水で希釈し、CH2Cl2で抽
出した。抽出物をNa2SO4で乾燥し、蒸発させた。 残留した油状物質を、始めに酢酸エチル/トルエン(1
:9)混合液、次いで酢酸エチル/トルエン(1:4)
混合液を使用し、シリカゲル(15g)でクロマトグラ
フィーを行なった。 カラムから得た生成物含有画分の一部にはPh3Pが混
入していた。これらの画分を希酒石酸とCH2Cl2と
で分配することによってさらに精製し、水層を1N N
aOHで塩基性にし、CH2Cl2で抽出した。(2a
S,4R)−1−(t−ブチルオキシカルボニル)−4
−(ジ−n−プロピルアミノ)−1,2,2a,3,4
,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドール−6−
カルボン酸メチルエステル(粘稠な油状物質)の通算収
量は0.415g(97%)であった。 (2aS,4R)−1−(t−ブチルオキシカルボニル
)−4−(ジ−n−プロピルアミノ)−1,2,2a,
3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドール
−6−カルボン酸メチルエステル(0.284g、0.
68ミリモル)のトリフルオロ酢酸(3ml)溶液を1
時間静置した。過剰の酸を減圧下に蒸発させた。残留し
た油状物質をCH2Cl2に溶解した。この溶液を1N
 NaOHで洗浄したのち、生成物を希酒石酸で抽出し
た(3回)。この水溶液を1N NaOHで塩基性にし
、生成物をCH2Cl2で抽出した。抽出物をNa2S
O4で乾燥したのち、蒸発させ、(2aS,4R)−4
−(ジ−n−プロピルアミノ)−1,2,2a,3,4
,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドール−6−
カルボン酸メチルエステル 0.214g(収率95%
)を粘稠な油状物質として得た。 元素分析(C19H28N2O2): 計算値:C 72.12; H 8.92; N 8.
85:実測値:C 72.30; H 9.09; N
 8.94。 NMR:(300MHz、CDCl3) δ 0.89
(t,6H,CCH3)、1.41(dd,1H、3α
−H)、1.48(6重線、4H、CH2Me)、2.
17(br d,1H、3β−H)、2.49(多重線
、4H、CH2Et)、2.85(dd,1H、5α−
H)、3.14(多重線、1H、2aH)、3.19(
多重線、2H、2α−Hおよび2β−H)、3.41(
dd,1H、5β−H)、3.72(多重線、1H、4
−H)、3.82(s,3H、OCH3)、3.98(
br s、1H、1−H)、6.43(d,1H、8−
H)、7.80(d,1H、7−H)。
【0066】実施例12   (2aS,4R)−N,N−ジメチル−4−(ジ−
n−プロピルアミノ)−1,2,2a,3,4,5−ヘ
キサヒドロベンズ[cd]インドール−6−カルボキシ
アミドの製造A. (2aS,4R)−N,N−ジメチ
ル−1−(t−ブチルオキシカルボニル)−4−(ジ−
n−プロピルアミノ)−1,2,2a,3,4,5−ヘ
キサヒドロベンズ[cd]インドール−6−カルボキシ
アミド (2aS,4R)−1−(t−ブチルオキシカルボニル
)−6−ヨード−4−(ジ−n−プロピルアミノ)−1
,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d
]インドール[実施例11A参照](0.50g、1.
03mモル)、ジメチルアミン(5g)、および(Ph
3P)4Pd(50mg)のトルエン(100ml)の
混合溶液を、100psiのCOを加えたオートクレー
ブで100℃で8時間加熱した。生じた透明な黄色の溶
液をNaCl溶液で洗浄すると、無色の沈殿が析出した
。 この沈殿をフィルターに採取し、5%メタノールを含有
する酢酸エチルで十分に洗浄した。これらの洗浄液を最
初のトルエン溶液とプールした。溶媒を減圧下に蒸発さ
せた。残留油状物質をメタノール(25ml)に溶解し
、3%H2O2(数ml)で処理した。30分後に、溶
液を濾過し、水で希釈し、CH2Cl2で抽出した。抽
出物をNa2SO4で乾燥し、次いで減圧下で蒸発させ
た。酢酸エチル/トルエン 1:9、酢酸エチル/トル
エン 1:4、酢酸エチル/トルエン 2:3、100
%酢酸エチルを順次使用して、残留物をシリカゲル(1
5g)のクロマトグラフィーにかけた。実施例11の場
合と同様に、生成物を含有する画分の一部はCH2Cl
2と酒石酸水溶液とで分配することによってさらに精製
する必要があった。 (2aS,4R)−N,N−ジメチル−1−(t−ブチ
ルオキシカルボニル)−4−(ジ−n−プロピルアミノ
)−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[
cd]インドール−6−カルボキシアミドの通算収量は
0.184g(42%)であった。
【0067】B. (2aS,4R)−N,N−ジメチ
ル−1−(t−ブチルオキシカルボニル)−4−(ジ−
n−プロピルアミノ)−1,2,2a,3,4,5−ヘ
キサヒドロベンズ[c,d]インドール−6−カルボキ
シアミド(0.162g、0.38mモル)のトリフル
オロ酢酸(3ml)溶液を1時間静置した。過剰の酸を
減圧下で蒸発させた。残留した油状物質をCH2Cl2
に溶解した。この溶液を1N NaOHで洗浄したのち
、生成物を希酒石酸で抽出(3回)した。この水溶液を
1N NaOHで塩基性にし、生成物をCH2Cl2で
抽出した。抽出物をNa2SO4で乾燥した後、これを
蒸発させ、(2aS,4R)−N,N−ジメチル−4−
(ジ−n−プロピルアミノ)−1,2,2a,3,4,
5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドール−6−カ
ルボキシアミド0.110gを粘稠な油状物質として得
た(収率89%)。 元素分析(C20H31N3O): 計算値:C 72.91; H 9.48; N 12
.75;実測値:C 73.02; H 9.47; 
N 12.88 。 NMR:(300MHz、CDCl3)δ 0.88(
t,6H、CCH3)、1.40(dd,1H、3α−
H)、1.46(6重線、4H、CH2Me)、2.1
8(br d、1H、3β−H)、2.45(8重線、
4H、CH2Et)、2.63(dd,1H、5α−H
)、2.77(dd,1H、5β−H)、2.94(b
r s、3H、NCH3)、3.07(br s、3H
、NCH3)、3.15(多重線、3H、2α−Hおよ
び2β−Hおよび2a−H)、3.68(多重線、1H
、4−H)、6.43(d,1H、8−H)、6.86
(d,1H、7−H)。
【0068】
【発明の効果】これらの化合物は、5−HT1A受容体
に対して選択的な親和性を有し、その他の受容体に対す
る親和性は極めて低いことが判明した。これらの化合物
の5−HT1A受容体との選択的な相互作用能の故に、
式(I)の化合物は、選択性の低い化合物の場合に伴な
い得る副作用なしに、5−HT1A機能の変更を必要と
する疾患状態を処置するのに有用である。この変更には
、セロトニン機能の再生(作動薬)または抑制(拮抗薬
)が含まれる。これらの疾患状態には、不安、抑うつ、
高血圧、酸分泌、性機能障害、乗り物酔い、嘔吐、老人
性痴呆(失認)、および肥満、アルコール中毒、薬物乱
用、喫煙のような摂取障害等があげられる。式(I)の
化合物の薬学的有効量が上記の状態の処置に必要である
【0069】本明細書で用いる「薬学的有効量」の語は
、特定の疾患の悪症状を軽減することが可能な本発明の
化合物の量を表わす。言うまでもなく本発明によって投
与される化合物の個々の投与量は、投与する化合物、投
与経路、処置する個々の状態など、患者を取り巻く個々
の状況によって決定される。化合物は、経口、直腸経由
、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、または鼻腔内経路など
種々の経路により投与することができる。しかし、経口
投与の場合、予防的処置のための本発明の化合物の標準
的な1回投与量は、約0.01mg/kg〜約20mg
/kgである。好ましい経口投与量は約0.5〜約10
mg/kg、理想的には約1.0〜約5mg/kgであ
る。本発明の化合物を経口投与する場合、化合物を毎日
1回以上、例えば8時間毎に投与することが必要である
。大量に静脈内投与するには、投与量を約1.0μg/
kg〜約3000μg/kg、好ましくは約50μg/
kg〜約500μg/kgとする。
【0070】本発明の化合物のセロトニン1a受容体と
の相互作用能を証明するため、つぎの実験を行なった。 この一般的な方法についてはウォング(Wong)らが
報告している[ジャーナル・オブ・ニューラル・トラン
スミッション(J.Neural Transm.)、
71巻、207〜218頁(1988年)]。ハーラン
・インダストリーズ[Harlan Industri
es,Cumberland,IN]から入手した雄性
スプレーグドーリー・ラット(110〜150g)を研
究に使用する前、少なくとも3日間、ピュリナ飼料(P
urina Chow)を自由に摂取させて飼育した。 ラットを断頭により屠殺した。速やかに脳を採り、大脳
皮質を4℃で切り取った。 脳組織を0.32Mスクロース中でホモジナイズした。 1000×gで10分間、ついで17000×gで20
分間遠心したのち、粗製のシナプトソーム画分を沈降さ
せた。ペレットを50mMトリス−HCl(pH7.4
)100容量に浮遊し、37℃で10分間インキュベー
トし、これを50000×gで10分間遠心した。この
処理を繰り返し、目的のペレットを、氷冷した50mM
トリス−HCl(pH7.4)に浮遊した。放射性リガ
ンド結合法により、トリチウム化した8−ヒドロキシ−
2−ジプロピルアミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ
ナフタレン(3H−8−OH−DPAT)で特異的に標
識した部位を5−HT1A受容体として同定した。
【0071】3H−8−OH−DPATの結合は、ウォ
ングらが先に報告した方法に従って実施した[ウォング
ら、ジャーナル・オブ・ニューラル・トランスミッター
ズ、64巻、251〜269頁(1985年)]。簡単
に説明すると、大脳皮質から分離したシナプトソーム膜
を1〜1000mMの被験化合物とともに、50mMの
トリス−HCl(pH7.4)、10μMのパルギリン
、0.6mMのアスコルビン酸、0.4nMの3H−8
−OH−DPATの溶液(2ml)中、37℃で10分
間インキュベートした。試料を減圧下にグラスファイバ
ー(GFB)フィルターで濾過することによって、結合
を停止させた。氷冷した緩衝液(5ml)でフィルター
を2回洗浄し、これをPCS(アマーシャム/サール社
(Amersham/Searle))シンチレーショ
ン液(10ml)とともにシンチレーションバイアルへ
加えた。液体シンチレーションスペクトロメーターで放
射能を測定した。非特異的結合を確認するため、未標識
の10μMの8−OH−DPATを別の試料でインキュ
ベートした。3H−8−OH−DPATの特異的結合を
、10μMの未標識8−OH−DPATが存在しないと
きの結合放射能と、存在するときの結合放射能との差と
定義した。
【0072】本発明の各種の化合物の検討結果を下記の
表1に示す。表1中、第1欄は検討した化合物の実施例
番号であり、第2欄は3H−8−OH−DPATの結合
を50%抑制するのに要した試験化合物の量をナノモル
濃度で示したものであり、表1にIC50として表わし
た。3H−8−OH−DPATの結合抑制が50%に達
しなかった化合物については、抑制パーセントを括弧内
に示した。
【表1】            実施例           
          IC50(a)        
      1                  
    (6%)(b)              
3                      (5
%)(b)              5     
                 (11%)(b)
              7          
            (21%)(b)     
         9               
         11nM            
10                       
 2.1nM            11     
                   5.7nM 
           12            
            5.1nM(a)8−OH−
DPATの結合を50%抑制する濃度(ナノモル); (b)結合抑制が50%に達しない場合は、100ナノ
モルにおける8−OH−DPATの結合抑制% 。
【0073】本発明の化合物は、好ましくは投与前に製
剤化する。したがって、本発明のもう1つの態様は、本
発明の化合物および薬学的に許容し得る担体、希釈剤ま
たは賦形剤を含有してなる医薬製剤である。本発明の製
剤は、周知の容易に入手しうる材料を使用して、既知方
法により調製する。本発明の組成物を製造するには、通
常、活性成分を担体と混合したり、担体で希釈するか、
またはカプセル、袋(サシエ)、紙、その他の容器の形
のキャリアーに充填する。担体を希釈剤として使用する
場合、それは固体、半固体または液状物質であって、活
性物質に対して担体、賦形剤または媒質として作用する
ものである。このように、本発明の組成物は、錠剤、丸
剤、散剤、トローチ剤、サシエ(袋)剤、カシェ剤、エ
リキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアロ
ゾル剤(固体または液体媒質)、軟膏剤(例えば10重
量%までの活性化合物を含有するもの)、ゼラチン軟カ
プセルおよびゼラチン硬カプセル、坐剤、滅菌注射液剤
、ならびに滅菌包装粉末剤の剤形をとり得る。
【0074】好適な担体、賦形剤、希釈剤の例を挙げる
と、乳糖、デキストロース、スクロース、ソルビット、
マンニット、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウ
ム、アルギネート類、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸
カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン
、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、オキ
シ安息香酸メチルおよびオキシ安息香酸プロピル、タル
ク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油がある。 また製剤には、滑沢剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤
、防腐剤、甘味剤または香味剤等を添加することができ
る。本発明の組成物は、当業者周知の方法によって、患
者に投与した後、活性成分を迅速に、あるいは持続的に
または遅延して放出し得るように製剤化することができ
る。
【0075】本製剤は、好ましくは各投与形態中に、活
性成分を約5〜約500mg、より一般的には約1〜約
10mg含有する単位用量形態に製剤化される。「単位
用量形態」の語は、ヒト対象およびその他の哺乳動物に
適切な単位用量として物理的に独立した投与単位であっ
て、各単位毎に、所望の治療効果を生じるように計算さ
れた量の活性成分を好適な製薬用担体とともに含有して
なる製剤形態を指す。
【0076】以下の製剤例は、本発明をさらに説明する
ためのものであって、本発明の範囲はこれらによって何
ら制限されるものではない。   製剤例1   下記の成分を使用して硬ゼラチンカプセル剤を調製
する。                          
                     含有量(
mg/カプセル)メチルエステル          
                         
       25乾燥デンプン          
                         
       425ステアリン酸マグネシウム   
                         
    10    合計             
                         
        460mg  上記の成分を混和し、
内容量460mgを硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0077】   製剤例2   下記の成分を使用して錠剤を調製する。                          
                         
  含有量(mg/錠)4−(ジ−n−プロピルアミノ
)−6−アミノカルボニル−1,2,2a,3,4,5
−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドール     
                         
                  25微結晶セル
ロース                      
                  625コロイド
状二酸化ケイ素                  
                  10ステアリン
酸                        
                        5
    合計                   
                         
    665  上記の成分を混和して、それぞれが
665mgの錠剤に打錠する。
【0078】   製剤例3   下記の成分を含有する乾燥粉末吸入製剤を調製する
。                          
                       含有
量(重量%)4−(ジエチルアミノ)−1,2,2a,
3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール−
6−カルボン酸エチルエステル           
                     5乳糖 
                         
                        9
5  活性化合物を乳糖と混合し、混合物を乾燥粉末吸
入容器へ充填する。
【0079】   製剤例4   活性成分60mgずつを含有する錠剤を下記のよう
にして調製する。                          
                         
含有量(mg/錠)(2aS,4R)−N,N−ジメチ
ル−4−(ジ−n−プロピルアミノ)−1,2,2a,
3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドール
−6−カルボキシアミド              
    60mgデンプン             
                         
         45mg微結晶セルロース    
                         
          35mgポリビニルピロリドン(
10%水溶液として)               
4mgカルボキシメチルデンプンナトリウム     
               4.5mgステアリン
酸マグネシウム                  
            0.5mgタルク     
                         
                     1mg 
         合  計            
                         
150mg活性化合物、デンプンおよびセルロースを2
0号メッシュのU.S.ふるい(米国標準ふるい)に通
して、十分混和する。得られた粉末とポリビニルピロリ
ドン溶液を混和して得られた粉末を、ついで4号メッシ
ュのU.S.ふるいに通す。こうして調製した顆粒を5
0〜60℃で乾燥し、16号メッシュのU.S.ふるい
に通す。予め30号メッシュのU.S.ふるいに通して
おいたカルボキシメチルデンプンナトリウム、ステアリ
ン酸マグネシウムおよびタルクをこの顆粒に加えて、混
和したのち、打錠機に掛けて150mgずつの錠剤を得
る。
【0080】   製剤例5   薬物20mgずつを含有するカプセル剤を下記のよ
うにして調製する。                          
                         
  含有量(mg)(2aS,4R)−4−(ジ−n−
プロピルアミノ)−6−アミノカルボニル−1,2,2
a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インド
ール                       
                20mgデンプン 
                         
                    169mg
ステアリン酸マグネシウム             
                     1mg 
         合  計            
                         
 190mg活性成分、セルロース、デンプンおよびス
テアリン酸マグネシウムを混和し、20号メッシュのU
.S.ふるいに通して、内容量190mgの硬ゼラチン
カプセルへ充填する。
【0081】製剤例6   活性成分225mgずつを含有する坐薬を下記のよ
うにして調製する。(2aS,4R)−(ジ−n−プロ
ピルアミノ)−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒド
ロベンズ[c,d]−インドール−6−カルボン酸メチ
ルエステル                225m
g 飽和脂肪酸グリセリドを加えて合計2000mgとする
。 活性成分を60号メッシュのU.S.ふるいに通し、必
要最少限の加熱により予め溶融させておいた飽和脂肪酸
のグリセリンエステル中に懸濁する。次いでこの混合物
を公称容量2gの坐薬型に注入して、放冷する。
【0082】製剤例7   用量5ml中に活性成分50mgずつを含有する懸
濁剤を下記のようにして調製する。                          
                         
      含有量4−(ジ−n−プロピルアミノ)−
1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,
d]インドール−6−カルボチオン酸 S−メチルエス
テル                       
        50mgキサンタンガム      
                         
              4mgカルボキシメチル
セルロースナトリウム(11%)微結晶セルロース(8
9%)                      
           50mgスクロース     
                         
              1.75g安息香酸ナト
リウム                      
                 10mg香味料 
                         
                        任
意量着色料                    
                         
     任意量精製水を加えて全量5mlとする。薬
物、スクロース、キサンタンガムを混和し、10号メッ
シュのU.S.ふるいに通し、予め調製しておいた微結
晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリ
ウムの水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、フレー
バー、着色料を水の一部で希釈し、撹拌しながらこれに
加える。ついで適量の水を加えて、所望の容量に調節す
る。
【0083】   製剤例8   薬物150mgずつを含有するカプセル剤を下記の
ようにして調製する。                          
                    含有量(m
g/カプセル)4−(メチルアミノ)−1,2,2a,
3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c,d]インドール
−6−カルボン酸メチルエステル          
                    50mgデ
ンプン                      
                      507
mgステアリン酸マグネシウム           
                     3mg 
       合  計              
                        5
60mg活性成分、セルロース、デンプン、ステアリン
酸マグネシウムを混和し、20号メッシュのU.S.ふ
るいを通し、内容量560mgのゼラチン硬カプセルに
充填する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  式: 【化1】 [式中、R1は水素、C1〜C4アルキル、C3〜C4
    アルケニル、シクロプロピルメチル、フェニル置換C1
    〜C4アルキル、−COR4、−(CH2)nS(C1
    〜C4アルキル)、または−(CH2)nCONR9R
    10;R2は水素、C1〜C4アルキル、C3〜C4ア
    ルケニル、またはシクロプロピルメチル;QはOR3、
    SR3、NR5R6、または水素;R3はC1〜C8ア
    ルキル、置換C1〜C8アルキル、アリール、置換アリ
    ール、アリール(C1〜C4アルキル)、置換アリール
    (C1〜C4アルキル)、またはC3〜C7シクロアル
    キル;nは1〜4;R4は水素、C1〜C4アルキル、
    C1〜C4ハロゲン化アルキル、C1〜C4アルコキシ
    、またはフェニル;R5およびR6はそれぞれ独立して
    水素、C1〜C4アルキル、フェニル基で置換されたC
    1〜C4アルキル、フェニル、または互いに一体となっ
    てC3〜C5複素環を形成し、ただしR5およびR6が
    両者とも水素であることはなく;R9およびR10はそ
    れぞれ独立して水素、C1〜C4アルキル、またはC5
    〜C8シクロアルキル;Bは水素、C1〜C4アルキル
    、またはアミノ遮断基;Xは酸素または硫黄である] で示される化合物または薬学的に許容し得るその塩。
  2. 【請求項2】  Xが酸素、R1およびR2がn−プロ
    ピル、QがO(C1〜C2アルキル)、S(C1〜C2
    アルキル)、またはNR5R6(ここで、R5およびR
    6はそれぞれ独立してC1〜C2アルキルである)、そ
    してBが水素である請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】  式: 【化2】 X‖[式中、Aは水素、Q−C−、ハロゲン、CN、N
    O2、NR5R6、NHC(O)R6、NHSO2R6
    、X(C1〜C4アルキル)、OH、O−アシル、O−
    ベンジル、またはCF3;R1は水素、C1〜C4アル
    キル、C3〜C4アルケニル、シクロプロピルメチル、
    フェニル置換C1〜C4アルキル、−COR4、−(C
    H2)nS(C1〜C4アルキル)、または−(CH2
    )nCONR9R10;R2は水素、C1〜C4アルキ
    ル、C3〜C4アルケニル、またはシクロプロピルメチ
    ル;QはOR3、SR3、NR5R6、または水素;R
    3はC1〜C8アルキル、置換C1〜C8アルキル、ア
    リール、置換アリール、アリール(C1〜C4アルキル
    )、置換アリール(C1〜C4アルキル)、またはC3
    〜C7シクロアルキル;nは1〜4;R4は水素、C1
    〜C4アルキル、C1〜C4ハロゲン化アルキル、C1
    〜C4アルコキシ、またはフェニル;R5およびR6は
    それぞれ独立して水素、C1〜C4アルキル、フェニル
    基で置換されたC1〜C4アルキル、フェニル、または
    互いに一体となってC3〜C5複素環を形成し;R9お
    よびR10はそれぞれ独立して水素、C1〜C4アルキ
    ル、またはC5〜C8シクロアルキルであり、ただしR
    9またはR10の一方がシクロアルキルであるときには
    他方は水素であり;Bは水素、C1〜C4アルキル、ま
    たはアミノ遮断基;Xは酸素または硫黄であり;ここで
    2a位の立体配置はSであり、4位の立体配置はRであ
    る] で示される化合物の実質的に純粋な立体異性体、および
    薬学的に許容し得るその塩。
  4. 【請求項4】  活性成分として請求項1、2、または
    3のいずれか1項に記載の化合物を、1またはそれ以上
    の薬学的に許容し得る担体、賦形剤、または希釈剤とと
    もに含有してなる、5−HT1A受容体での生物学的応
    答を生じるのに有用な医薬製剤。
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