JPH04211307A

JPH04211307A - 草質材破砕物および用途

Info

Publication number: JPH04211307A
Application number: JP3049056A
Authority: JP
Inventors: Hisakazu Ikeda; 久和池田
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1990-02-21
Filing date: 1991-02-21
Publication date: 1992-08-03

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はコーンコブ、大豆、落花
生の茎や殻のような草質性農産廃棄物の破砕物および成
形物に関し、該破砕物はキノコ栽培の培地、飼料、家畜
の敷料などに用いられる。

【０００２】

【従来の技術】キノコの栽培に用いる培地としてはオガ
クズが主として用いられていたが、その後次第にもみ殻
、稲わら、コーンコブ（とうもろこしの穂軸）等の草質
材をそのまま粉砕した破砕物が用いられるようになって
来た。

【０００３】

【発明の解決しようとする課題】現在草質材の破砕は草
質材を圧縮することなくそのまま破砕機にかけ、高速回
転するハンマー状またはつめ状の部材で草質材の表面を
はたくようにして破砕している。そして、たとえば、ハ
ンマークラッシャーでコーンコブを破砕した場合はカサ
比重０．３６〜０．４５の破砕物となり、かつ破砕物の
表面が硬化し、次のような欠点がある。

【０００４】（１）吸水性が悪く水分調整が困難である
。

【０００５】（２）空気保有量が少くキノコの生育に不
利である。

【０００６】（３）比重が高く、容積が小さいので、培
地として容器に充填するときの所要量が多くなり、コス
トが高くなる。

【０００７】（４）微粉が多量に発生して環境を汚染し
、人畜に対する衛生上、キノコその他の栽培上好ましく
ない。

【０００８】（５）２０〜３０ｋｇの単位で袋詰めしな
ければ移送できないので、輸送の手間と費用が大きくな
る。

【０００９】また、破砕前の草質材はかさばるので輸送
が容易でなく、特に草質材の採集地から遠い場所で破砕
する場合には輸送コストの増大が障害となる。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するもので、リグニンに富む草質材を圧縮成形物を切
削的に破砕してなる草質材破砕物およびそのキノコ栽培
培地用材料としての用途を指向する。

【００１１】本発明の他の一部はコーンコブの圧縮成形
物を指向する。

【００１２】リグニンに富む草質材としては、たとえば
、コーンコブ、そば殻、豆殻、落花生殻などの農産廃棄
物が挙げられる。

【００１３】本発明においては草質材をその繊維を破断
しないように圧縮成形する。圧縮の程度は草質材の種類
によって左右されるが一般に比重約０．４〜０．８、好
ましくは０．５〜０．７程度まで圧縮するのがよい。コ
ーンコブの場合は圧縮により材料が互に結着するので約
１００ｋｇ／ｃｍ２　以上の圧力で圧縮することにより
容易に比重０．４〜０．８の成形物が得られる。結着し
難い材料の場合は、たとえばでんぷん糊、糖液、飛粉（
トビコ、こんにゃく精粉製造時の副産物）その他の、無
害の結着料を予め加えて成形させるのがよい。

【００１４】成形物の形状はたとえば、棒状、板状、塊
状など、輸送あるいは次の破砕に都合がよいように選ぶ
ことができる。たとえば、板状に成形すればそのまま輸
送できるので、包装の手間と費用が不要になる。

【００１５】しかしながら、たとえばエクストルーダー
により草質材を押し出しペレット状に成形することは本
発明の意図するところではない。この場合、繊維が破断
すると同時にペレット表面が加圧により硬化しているの
で、そのままでは粗飼料としての効果が劣り、吸水性が
弱いのでキノコ培地材料には適していないのみならず、
これを切削的に破砕することも困難である。

【００１６】成形物は圧縮されているので原料の草質材
よりも遙かに安いコストで輸送することができる。

【００１７】また成形物は断熱材や遮音材として建築に
利用でき、炭や活性炭の原料として用いることもでき、
それ自体燃料とすることもできる。

【００１８】コーンコブを５０％（重量）以上含有する
コーンコブと他の固体材料、たとえば、もみ殻、粘土、
プラスチック等との混合物を圧縮成形してもよく、その
成形物は建築材料などに利用できる。

【００１９】成形物がコーンコブのような草質材を圧縮
したものであり、それを破砕してキノコ栽培の培地材料
を得る場合、破砕物の表面が圧力によって硬化しないよ
うに、切削的に破砕を行うのがよい。それは、たとえば
、鋸刃で切るようにして行うことができる。多数の小さ
な刃を植え込んだ回転ローラーに圧接して破砕してもよ
い。破砕は破砕物がおが屑状になるように行うのがよい
。この破砕は小型の破砕機を用いて消費地で行うことが
できる。

【００２０】かくして、微粉末をほとんど含まず、表面
の硬化もなく、キノコの栽培に適したカサ比重約０．１
５〜０．３５、好ましくは０．１８〜０．２６の破砕物
が得られる。

【００２１】この破砕物はキノコ栽培の培地材料として
適している許りでなく、家畜の粗飼料、畜舎の敷料ある
いは肥料として用いることができる。

【００２２】従来の方法により、コーンコブをそのまま
、たとえばハンマークラッシャーで破砕し、破砕物をふ
るいにかけて比重０．２１程度の破砕物を得ることもで
きるが、非常に収量が悪いばかりでなく、破砕に長時間
を要し、したがって微粉末の副生が多くて破砕物に混入
して商品価値が低下する。しかも下記の試験で明らかな
ように破砕物の吸水性が極めて悪い。

【００２３】二つのコップに水をそれぞれ半分ずつ入れ
、その水の上に上記の従来法で造ったコーンコブの破砕
物（比重０．２１）と本発明のコーンコブの破砕物をそ
れぞれ５ｍｍの厚さになるように乗せた。本発明の破砕
物は数秒内に崩れ落ちるように全部水底に沈んだが、従
来法の破砕物は容易に沈まず、全部沈むまでに数十分を
要した。

【００２４】したがって、従来法の破砕物はキノコ培地
材料として吸水性が少な過ぎて適していない。

【００２５】また、コーンコブなどの草質材を圧縮せず
にそのまま切削的に破砕することが考えられるが、切削
が技術的に非常に難しいばかりでなく、カサ比重０．１
２以下の破砕物が得られ、キノコ培地に用いた場合水分
が蒸発し易くて乾燥し過ぎ、養分も不足するため不適で
ある。キノコ栽培においては、培地基材の使用量は重量
ではなく、容器の容量で制限されるため、最も少ない原
料で高い収量を挙げるにはカサ比重０．１９〜０．２３
の範囲が適している。

【００２６】なお、本発明におけるカサ比重は、次の様
な方法で測定したものである。

【００２７】草質材、たとえばモミガラを１０５℃の乾
燥器で完全乾燥し、２００ｃｃのメッシュシリンダーに
軽く充填し、上下の打撃振動を１００回行ない、このと
きの重量を基準にして算出する。

【００２８】

【作用】本発明において、草質材の圧縮成形は容積を縮
小して輸送を容易にすると共にその破砕を容易にし、ま
た破砕物にキノコ栽培用の培地材料に適したカサ比重を
付与するものである。実施例１コーンコブを圧縮機に装填して容積が約１／５になるよ
うに１３０ｋｇ／ｃｍ２　の圧力で圧縮し１ｍ×１５ｃ
ｍ×１３ｃｍの板状成形物（比重約０．６）を得た。こ
の成形物を、多数の小刃を植えた回転するドラムに圧接
して破砕しカサ比重０．２１のおが屑状破砕物を得た。

【００２９】実施例２コーンコブ破砕物を用いてヒラタケの栽培を次のように
行った。

【００３０】使用器材培養瓶：８５０ｃｃ容量

【００３１】コーンコブ：（Ａ）実施例１で得られた破砕物（比重０．２１）（Ｂ
）従来法にコーンコブをそのままハンマークラッシャー
で破砕したもの（比重０．４３）

【００３２】培地：Ｉ区　　　　　　モミガラ３０ｇ、コーンコブ（Ａ）８
０ｇ、オカラ１００ｇ（水分７３％）、米ヌカ５０ｇＩ
Ｉ区　　　　　　モミガラ３０ｇ、コーンコブ（Ｂ）１
２０ｇ、オカラ１００ｇ（水分７３％）、米ヌカ５０ｇ
ＩＩＩ　区　　　　オガ屑（水分１３％）１２０ｇ、米
ヌカ５０ｇ、オカラ（水分７３（従来法）　　％）１０
０ｇ

【００３３】以上の器材を使用して常法によりヒラ
タケを栽培し、次の結果を得た。

【００３４】　　　　　　　　　　　　　　菌回り　　　　所要生育
日数　　　　収量／瓶（１６本宛の平均）　　Ｉ区　　
　　　　　　１８日　　　　　　　　３３日　　　　　
　　　　　　　１５１ｇ　　ＩＩ区　　　　　　　　２
１日　　　　　　　　３７日　　　　　　　　　　　　
１３７ｇ　　ＩＩＩ　区　　　　　　２０日　　　　　
　　　３８日　　　　　　　　　　　　１２５ｇ

【００
３５】この表から明らかなように、本発明のコーンコブ
破砕物を用いたＩ区ではＩＩ区に比べて菌回りが早く、
栽培日数も少くなり、収量も良い。特にコーンコブの必
要量はＩ区においてＩＩ区よりも４０％近く少くて済み
コストを低減できた。またＩＩＩ　区の従来法によるオ
ガ屑を用いる栽培よりはるかに成績が良かった。

【００３６】その理由は本発明の破砕物が吸水性がよく
、空気の補給量も大きいためと考えられる。

【００３７】実施例３生後４ケ月の羊（サフォーク種、原産イギリス）、平均
体重３５ｋｇの雄９頭を３頭ずつＡ，Ｂ，Ｃの３区に別
け、コーンコブの粗飼料としての効果を確認するため、
下記の肥育試験を行った。

【００３８】試験材料Ａ区　　実施例１で得た破砕物（比重０．２１）Ｂ区　
　コーンコブをそのままクラッシャーで破砕したもの（
従来品）Ｃ区　　稲わらの細断物（長さ約２ｃｍ）

【００３９】飼料組成（１日平均）米ヌカ（水分１３％）　　　　　　　　２００ｇフスマ
（水分１３％）　　　　　　　　２００ｇオカラ（水分
８０％）　　　　　　　　４００ｇリンゴ搾り粕（水分
７３％）　　５００ｇ試験材料（水分１８％）　　　　
　　５００ｇ

【００４０】上記の組成の材料を攪拌機で
混合し、６ケ月間羊に給餌した。結果は次表のとおりで
ある。

【００４１】

【００４２】この表から明らかなように、本発明のコー
ンコブ破砕物を与えたＡ区では従来のコーンコブ破砕物
を与えたＢ区に比べてはるかに体重が増加し、稲わらを
与えたＣ区と比べても勝るとも劣らない増体重を示した
。

【００４３】Ｂ区の成績が悪いのは飼料の嗜好性や消化
吸収性に劣るためではないかと考えられる。

【００４４】一方本発明の破砕物はコーンコブの微粉末
が混在しないので、家畜の呼吸器系統に悪影響を与えず
、また破砕物が容易に水分を吸収して膨軟化するため嗜
好性がよく、さらに保水性も良いため消化、吸収の効率
が勝り、粗飼料として優れた結果を示したと考えられる
。

【００４５】

【発明の効果】本発明によれば、キノコ栽培に最も適し
たカサ比重の草質材破砕物を提供できるばかりでなく、
その製造において微粉の発生を防止でき、また草質材を
その生産地において圧縮成形して消費地に輸送し破砕す
ることにより輸送時の容積を縮小し輸送コストおよび倉
庫料を低下させることができる。また草質材の圧縮成形
物はそれ自体建築材料や燃料として、あるいは炭や活性
炭の原料として利用できる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　リグニンに富む草質材の比重０．４〜
１．２の圧縮成形物を切削的に破砕してなる草質材破砕
物。
【請求項２】　　草質材がトウモロコシもしくは大豆の
種子をそれらの母植物から採取した残渣、または、そば
もしくは落花生の殻よりなる農産廃棄物である請求項１
記載の破砕物。
【請求項３】　　草質材がコーンコブである請求項１記
載の破砕物。
【請求項４】　　カサ比重が０．１５〜０．３５、好ま
しくは約０．１８〜０．２６である請求項１記載の破砕
物。
【請求項５】　　おが屑状である請求項１記載の破砕物
。
【請求項６】　　コーンコブもしくは５０％（重量）以
上のコーンコブと他の固体材料との混合物をコーンコブ
の繊維を破断しないように圧縮成形してなる成形物。
【請求項７】　　コーンコブを繊維を破断しないように
圧縮成形した比重０．４〜１．２の成形物である請求項
６記載の成形物。
【請求項８】　　リグニンに富む草質材の圧縮物を切削
的に破砕したカサ比重０．１〜０．３５、好ましくは約
０．１８〜０．２６の破砕物よりなるキノコ栽培培地用
材料。
【請求項９】　　草質材がコーンコブ、豆殻もしくは落
花生殻である請求項８記載の培地用材料。