JPH0421068Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はセンサつきコントロールケーブルに関
する。さらに詳しくは、インナーケーブルとアウ
ターケーシングの相対的な変位を検出しうるセン
サつきコントロールケーブルに関する。

［従来の技術］ コントロールケーブルは一般にインナーケーブ
ルと、そのインナーケーブルを摺動自在または回
転自在に案内するためのアウターケーシングとか
らなる。

インナーケーブルは金属単線または金属や合成
樹脂などの撚り線から構成される。また芯線のま
わりに螺旋歯が設けられた有歯ケーブルも使用さ
れている。

アウターケーシングとしては金属螺旋管の内周
や外周に合成樹脂を積層した管など、可撓性を有
するものが使用されるが、剛性の金属管を採用す
るばあいもある。

なおコントロールケーブルとしては可撓性を有
する偏平な鋼板からなるインナーレースと、その
インナーレースを移動自在に案内するためのアウ
ターレースとから構成されるものも含まれる。

そのように構成されるコントロールケーブル
は、インナーケーブルの一端を引き操作、押し引
き操作または回転操作することにより他端側にそ
の操作を伝達するものである。操作としては主と
して力を正確に伝達するばあい、主として操作量
を正確に伝達するばあいにわけることができる
が、通常は一定範囲の力で適切な操作量をうるよ
うなばあいに使用される。

［考案が解決しようとする問題点］ ところでインナーケーブルやアウターケーシン
グは前述のごとく金属ワイヤなどから構成される
ものであるため、弾性的な伸びが生じたり、永久
伸びなどが発生したりする。そのため、前記操作
量を正確に制御することが困難である。いいかえ
ればインナーケーブルの一端側に一定の操作（た
とえばＬmmの引き操作）を加えても、他端側に同
じ移動（アウターケーシング内にＬmm引き込まれ
る移動）が生じる保証がなく通常はいくらかの誤
差が含まれている。

そのため従来のコントロールケーブルは、従動
部材がストツパで停止されるばあいのような特定
のばあいしか正確な操作量をうることができず、
その使用範囲が制限されるという問題がある。

本考案は前記従来のコントロールケーブルの適
用範囲を広げるべく従動機器に所望の操作量を正
確に伝達することができるコントロールケーブル
を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案のセンサつきコントロールケーブルは移
動方向に沿つて一定の間隔で谷部および山部が交
互に繰り返して設けられたインナーケーブルと、
該インナーケーブルを移動自在に案内するための
アウターケーシングと、該アウターケーシングに
対して相対的に動かないように設けられており、
かつ前記谷部および前記山部に沿つて設けられた
遮蔽板と、前記インナーケーブルおよび該遮蔽板
を間に介してたがいに対向するように設けられた
投光器および受光器とからなり光の透過および光
の遮断を検知するための光学的検知手段と、該光
学的検知手段により検知された信号を電気パルス
に変換するための変換手段と、該電気パルスをカ
ウントするためのカウント手段と、カウントされ
た電気パルス数に基づいてインナーケーブルの移
動量を算出するための算出手段とから構成されて
いる。

［作用］ 本考案においては、インナーケーブルが移動す
ると、それに設けられている谷部と山部の位相関
係と遮蔽板の切欠部の位相関係によつて生じる光
の透過部と光の遮断部が交互に光線上を通過して
光パルスを発生させる。その光パルスの数をカウ
ントすれば従動部材の被操作量を正確に検知する
ことができる。

［実施例］ つぎに図面を参照しながら本考案のセンサつき
コントロールケーブルを説明する。

第１図は本考案のセンサつきコントロールケー
ブルの一実施例を示す要部縦断面図、第２図は第
１図の−線断面図、第３ａ図および第３ｂ図
はそれぞれ異なる動作状態における第１図の−
線断面図、第４図は本考案のセンサつきコント
ロールケーブルの他の実施例を示す要部縦断面
図、第５図は第４図の−線断面図、第６図は
テープ状のインナーケーブルを有するコントロー
ルケーブルの斜視図、第７図は本考案のセンサつ
きコントロールケーブルの他の実施例を示す要部
分解斜視図である。

第１図において、１はアウターケーシングであ
り、アウターケーシング１にはインナーケーブル
２が摺動自在に挿通されている。第１図に示され
る実施例においてはインナーケーブル２として金
属や合成樹脂よりなる線材を複数本撚り合わせた
撚り線が採用されている。撚り線の輪郭には表面
から突出した撚り山３と撚り山３同士の間の撚り
溝４とが一定の間隔で交互に繰り返して現れてい
る。したがつて撚り山３および撚り溝４の位相関
係と遮蔽板の切欠部との位相関係により光の遮断
状態および透過状態を作り出すことができる。な
お後述する有歯ケーブルのようにインナーケーブ
ル２の表面に一定のピツチで凹部および凸部が交
互に繰り返して設けられているばあいは、そのよ
うな凸部および凹部の位相関係と遮蔽板の切欠き
との位相関係により光の遮断状態および透過状態
を作り出すことができる。

アウターケーシング１の一部にはケース５が固
定されている。ケース５内には遮蔽板６、投光器
７および受光器８より構成される光学的検出手段
が設けられている。遮蔽板６としては、たとえば
第２図に示されているように、インナーケーブル
の撚り山３および撚り溝４と対応する切欠部９を
有する不透明の板などが用いられる。またそれに
限定されることなく、透明なプレートに撚り山３
および撚り溝４に対応するような不透明部を設け
たものを用いてもよい。遮蔽板６はインナーケー
ブル２に沿つてケース５に取りつけられている。
投光器７および受光器８は、第１図に示されるよ
うにそれらの間にインナーケーブル２および遮蔽
板６をはさんでたがいに対向するようにケース５
内に設けられている。

投光器７としてはたとえば発光ダイオード、ラ
ンプなどの発光源やそれらに光フアイバーを接続
したものなどを採用することができる。また受光
器８としてはたとえばフオトトランジスタ、フオ
トダイオードなどを採用しうる。

そのように構成されるコントロールケーブルは
つぎのように作用する。投光器７が連続的な光を
発している状態でインナーケーブル２をアウター
ケーシング１内で摺動させると、インナーケーブ
ル２の輪郭が遮蔽板６の切欠部９と一致したりず
れたりすることを繰り返す。それにより光の遮断
および透過が繰り返し行なわれる。すなわち第３
ａ図に示されるように撚り山３および撚り溝４の
位相が遮蔽板６の切欠部９の位相と一致した状態
では投光器７より発せられる光は遮断される。そ
の状態からインナーケーブル２がいずれかの方向
に移動して第３ｂ図に示されるように撚り山３お
よび撚り溝４の位相が遮蔽板６の切欠部の位相と
ずれるときは、投光器７より発せられる光がその
隙間を透過して受光器８に達する。そのようにイ
ンナーケーブル２の摺動に基づいて光の遮断と透
過とが繰り返し行なわれることにより、受光器８
が光を断続的に、すなわちパルスとして受けるこ
とになる。

なお遮蔽板６の切欠部９の形状は、インナーケ
ーブル２の輪郭と完全に一致しておらなくてもよ
く、受光器が受ける光に明暗が繰り返し生じるよ
うに構成されておれば同じ効果を奏しうる。

受光器８によつて受けられた光のパルスは変換
手段によつて電気パルス信号に変換される。電気
パルス信号は操作量計測器１０内のカウント手段
によりカウントされ、最終的にインナーケーブル
のアウターケーシングに対する相対的な移動量が
算出手段により算出される。たとえばインナーケ
ーブル２のピツチＰをあらかじめ計測しておき、
電気パルス信号のパルス数にピツチを乗ずること
により移動量が算出されうる。

第４図に示されるセンサつきコントロールケー
ブルにおいては第１図で示された撚り線にかえ
て、芯線１１まわりに螺旋歯１２が設けられた有
歯ケーブルがインナーケーブル２として採用され
ている。しかだつて螺旋歯１２および螺旋歯１２
間の溝部１３はそれらをそれぞれ光遮断部および
光透過部として利用しうる。

第４図に示されるコントロールケーブルにおい
ては、たとえば第５図に示される形状の遮蔽板６
が投光器７および受光器８と共に光学的検知手段
として採用されている。

第４図のコントロールケーブルにおいても第１
〜３ｂ図の実施例と同様にインナーケーブル２の
アウターケーシング１に対する相対的な移動量を
計測しうる。

本考案のセンサつきコントロールケーブルにお
いて、インナーケーブルの進行方向を検出するた
めの検出手段を設けると共に、前記算出手段内に
インナーケーブルの進行方向に応じてパルス数を
加えるか、あるいは減ずるかを選択するための手
段を設けてもよい。そのばあいインナーケーブル
がたとえば第１図の矢印Ａ方向に移動するときの
移動量がたとえばパルス数Ｎとして検出され、そ
ののちにインナーケーブルが矢印Ｂ方向に移動す
るときの移動量がパルス数ｎとして検出されると
きに、（Ｎ−ｎ）のパルス信号によりもとの基準
位置に対する現時点の位置を与えることができ
る。

叙上のごとく本考案のセンサつきコントロール
ケーブルは従来のコントロールケーブルとほぼ同
じような操作力伝達手段として操作することがで
き、しかも操作量の測定を正確に行なうことがで
きるものである。したがつてたとえば従動部材の
操作量をたとえば電圧計や表示盤などで確認しな
がら操作することができる。

そのようなセンサつきコントロールケーブル
は、たとえば原子炉内部の遠隔操作装置、ライト
の光軸調整装置、シヤツターやバルブの開閉装
置、あるいはブラインドの調整装置など各種の産
業機械に応用することができる。

さらに本考案のセンサつきコントロールケーブ
ルを、たとえばサーボモータなどの駆動要素（と
くに電気的駆動要素）と組み合わせて、センサ部
分で測定した操作量を駆動要素に直接、あるいは
適切な非線形ゲインの補償回路を介してフイード
バツクさせることにより、サーボ機構を構成する
こともできる。

そのようなサーボ機構はたとえばロボツトの駆
動伝達機構、シヤツターやバルブの調整機構など
に応用することができる。

［考案の効果］ 本考案のセンサ付きコントロールケーブルは、
従動部材の被操作量を正確に検出しながら操作す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のセンサつきコントロールケー
ブルの一実施例を示す要部縦断面図、第２図は第
１図の−線断面図、第３ａ図および第３ｂ図
は第１図の−線断面図、第４図は本考案のセ
ンサつきコントロールケーブルの他の実施例を示
す要部縦断面図、第５図は第４図の−線断面
図。 図面の主要符号、１……アウターケーシング、
２……インナーケーブル、３……撚り山、４……
撚り溝、６……遮蔽板、７……投光器、８……受
光器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 移動方向に沿つて一定の間隔で谷部および山部
   が交互に繰り返して設けられたインナーケーブル
   と、該インナーケーブルを移動自在に案内するた
   めのアウターケーシングと、該アウターケーシン
   グに対して相対的に動かないように設けられてお
   り、かつ前記谷部および前記山部に対応する切欠
   部が設けられた遮蔽板と、前記インナーケーブル
   および該遮蔽板を間に介して互いに対向するよう
   に設けられた投光器および受光器とからなり光の
   透過および光の遮断を検知するための光学的検知
   手段と、該光学的検知手段により検知された信号
   を電気パルスに変換するための変換手段と、該電
   気パルスをカウントするためのカウント手段と、
   カウントされた電気パルス数に基づいてインナー
   ケーブルの移動量を算出するための算出手段とを
   有するセンサつきコントロールケーブル。