JPH04202711A - ドア補強パイプ用高強度薄鋼板の製造方法 - Google Patents
ドア補強パイプ用高強度薄鋼板の製造方法Info
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- JPH04202711A JPH04202711A JP33645290A JP33645290A JPH04202711A JP H04202711 A JPH04202711 A JP H04202711A JP 33645290 A JP33645290 A JP 33645290A JP 33645290 A JP33645290 A JP 33645290A JP H04202711 A JPH04202711 A JP H04202711A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は自動車用鋼板の製造に係り、特にドア補強パイ
プ用の高強度薄鋼板の製造方法に関するものである。
プ用の高強度薄鋼板の製造方法に関するものである。
(従来の技術)
自動車車体の燃費向上及び衝突時の安全性向上のために
自動車補強部材の高強度化、軽量化が推進されている。
自動車補強部材の高強度化、軽量化が推進されている。
特にドア補強用部材には、従来、100 kgf/ t
sm2級のプレス品が主として使用されていたが、最近
、CAMP−I S I J Vol、2(1989
)−2023に記載されているように、より強度の高い
パイプ材が軽量化の点で有利なため、使用されるように
なってきた。このようなパイプ品でプレス品と同様の吸
収エネルギーを得るためには150 kgf/ ays
”程度の高い引張強度が必要で、 ある。
sm2級のプレス品が主として使用されていたが、最近
、CAMP−I S I J Vol、2(1989
)−2023に記載されているように、より強度の高い
パイプ材が軽量化の点で有利なため、使用されるように
なってきた。このようなパイプ品でプレス品と同様の吸
収エネルギーを得るためには150 kgf/ ays
”程度の高い引張強度が必要で、 ある。
(発明が解決しようとする課題)
従来、このような高強度パイプ材を得るために、60k
gf/m腸2程度の薄鋼板を電縫溶接によりパイプ材と
し、引き続き高周波加熱などで加熱し、オーステナイト
温度域から水冷などによって急冷して製造されていた。
gf/m腸2程度の薄鋼板を電縫溶接によりパイプ材と
し、引き続き高周波加熱などで加熱し、オーステナイト
温度域から水冷などによって急冷して製造されていた。
しかし、電縫溶接などによって溶融接合したパイプ材に
は、その接合界面に第1図に示すようなホワイトバンド
と呼ばれる脱炭層が生成される。このホワイトバンド部
は、溶接待に溶融した部分であり、酸化物、介在物など
が存在し、本来加工性が低い。更に、このホワイトバン
ド部は、パイプの強度を上げるための焼入れ処理によっ
ても硬さが増加しにくいため、第2図に示すように軟化
域が生じる。したがって、第3図に示す曲げ試験(圧壊
試験)を行った場合、この部分に変形が集中し、パイプ
が座屈に至る前に該ホワイトバンド部分、すなわち、溶
接部で割れが生し、第4図中のN114のように所定の
吸収エネルギーが得られない。この挙動は低温での試験
でより顕著となる9 共晶点よりも低い炭素量を含む鉄合金であれば、パイプ
の電縫溶接などによって溶融接合した場合、ホワイトバ
ンド部の生成を防止することは殆ど不可能である。また
、ホワイトバンド部の幅を狭くするために電縫溶接時の
アプセット量を多くすると、冷接などの接合不良を招き
、溶接部強度がより低下する。
は、その接合界面に第1図に示すようなホワイトバンド
と呼ばれる脱炭層が生成される。このホワイトバンド部
は、溶接待に溶融した部分であり、酸化物、介在物など
が存在し、本来加工性が低い。更に、このホワイトバン
ド部は、パイプの強度を上げるための焼入れ処理によっ
ても硬さが増加しにくいため、第2図に示すように軟化
域が生じる。したがって、第3図に示す曲げ試験(圧壊
試験)を行った場合、この部分に変形が集中し、パイプ
が座屈に至る前に該ホワイトバンド部分、すなわち、溶
接部で割れが生し、第4図中のN114のように所定の
吸収エネルギーが得られない。この挙動は低温での試験
でより顕著となる9 共晶点よりも低い炭素量を含む鉄合金であれば、パイプ
の電縫溶接などによって溶融接合した場合、ホワイトバ
ンド部の生成を防止することは殆ど不可能である。また
、ホワイトバンド部の幅を狭くするために電縫溶接時の
アプセット量を多くすると、冷接などの接合不良を招き
、溶接部強度がより低下する。
また、ホワイトバンド部を有するパイプ材をオーステナ
イト域に加熱後、水冷などにより焼入れだ場合、ホワイ
トバンド部の硬さは前述のように母材部よりも低い硬さ
になる。したがって、圧壊時に該部分に変形が集中し、
割れが発生するため、所定の吸収エネルギーが得られな
い。一方、溶接したままであれば、溶接部の硬さが高く
、延性が低いために、圧壊時の歪み量が大きくなった場
合、溶接部でビードと直角方向に又はホワイトバンド部
で破断し、吸収エネルギーが低くなる。
イト域に加熱後、水冷などにより焼入れだ場合、ホワイ
トバンド部の硬さは前述のように母材部よりも低い硬さ
になる。したがって、圧壊時に該部分に変形が集中し、
割れが発生するため、所定の吸収エネルギーが得られな
い。一方、溶接したままであれば、溶接部の硬さが高く
、延性が低いために、圧壊時の歪み量が大きくなった場
合、溶接部でビードと直角方向に又はホワイトバンド部
で破断し、吸収エネルギーが低くなる。
電縫溶接パイプの溶接部の加工性を改善する方法につい
ては、本発明者らは、既に特願平2−253385号に
て提案した方法を見い出した。しかし、この方法による
と、高YR(降伏比)を得るためには70%以上の低温
変態生成物が必要である。連続焼鈍において、例えばM
n及びC量の低い鋼で70%以上の低温変態生成物を得
ようとした場合、加熱後の焼入れ開始温度を高くする必
要がある。したがって、2.0mm1厚程度の薄鋼板を
高温から水中に浸漬急冷すると鋼板の反りなどが発生し
、問題がある。また、板厚が2.0mmよりも厚くなる
と過大な連続焼鈍設備が必要となり、実用的でなくなる
や 本発明は、上記従来技術の問題点を解決して、電縫溶接
により造管したパイプが圧壊時に溶接部で破断すること
なく、高い吸収エネルギーを有するドア補強パイプ用高
強度薄鋼板を製造する方法を提供することを目的とする
ものである。
ては、本発明者らは、既に特願平2−253385号に
て提案した方法を見い出した。しかし、この方法による
と、高YR(降伏比)を得るためには70%以上の低温
変態生成物が必要である。連続焼鈍において、例えばM
n及びC量の低い鋼で70%以上の低温変態生成物を得
ようとした場合、加熱後の焼入れ開始温度を高くする必
要がある。したがって、2.0mm1厚程度の薄鋼板を
高温から水中に浸漬急冷すると鋼板の反りなどが発生し
、問題がある。また、板厚が2.0mmよりも厚くなる
と過大な連続焼鈍設備が必要となり、実用的でなくなる
や 本発明は、上記従来技術の問題点を解決して、電縫溶接
により造管したパイプが圧壊時に溶接部で破断すること
なく、高い吸収エネルギーを有するドア補強パイプ用高
強度薄鋼板を製造する方法を提供することを目的とする
ものである。
(課題を解決するための手段)
前記課題を解決するため、本発明者らは、薄鋼板を電縫
溶接したパイプの溶接部品質について鋭意研究を重ねた
結果、ここに本発明を完成したものである。
溶接したパイプの溶接部品質について鋭意研究を重ねた
結果、ここに本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、C:0.08−0.30%及びM
n:0.5〜3.0%を含み、かつ、C量が下式 %式% を満たし、必要に応じて更に、Si:0.2〜2.0%
、P:0.02−0.15%、Cr:0 、1〜1.0
%、Mo:Q、1〜1.0%及びB:0.0O03〜0
゜005%のうちの1種又は2種以上、及び/又はNb
、Ti、Zr及び■がそれぞれ0.01−0.06%の
範囲で1種又は2種以上含み、残部がFe及び不可避的
不純物からなる鋼をAr0点+30℃以上で熱間圧延し
、引続き650 ’C以下の温度で巻き取りして得られ
る低温変態生成物を20%以上含む熱延板に、5%以上
、90%以下の冷間加工を施して、降伏比が0.8以上
のパイプ用薄鋼板を得ることを特徴とする電縫溶接で加
工されるドア補強パイプ用の高強度薄鋼板の製造方法を
要旨とするものである。
n:0.5〜3.0%を含み、かつ、C量が下式 %式% を満たし、必要に応じて更に、Si:0.2〜2.0%
、P:0.02−0.15%、Cr:0 、1〜1.0
%、Mo:Q、1〜1.0%及びB:0.0O03〜0
゜005%のうちの1種又は2種以上、及び/又はNb
、Ti、Zr及び■がそれぞれ0.01−0.06%の
範囲で1種又は2種以上含み、残部がFe及び不可避的
不純物からなる鋼をAr0点+30℃以上で熱間圧延し
、引続き650 ’C以下の温度で巻き取りして得られ
る低温変態生成物を20%以上含む熱延板に、5%以上
、90%以下の冷間加工を施して、降伏比が0.8以上
のパイプ用薄鋼板を得ることを特徴とする電縫溶接で加
工されるドア補強パイプ用の高強度薄鋼板の製造方法を
要旨とするものである。
以下に本発明を更に詳述する。
(作用)
本発明の方法では、C:Q、Qs〜0.30%及びMn
:0.5〜3.0%を必須成分として含み、且つC量を
引張強度との関係で規制した錆について、まず、Ar□
点+30℃以上で熱間圧延し、引続き650’C以下の
温度で巻き取りして、低温変態生成物を20%以上含む
熱延薄板を製造する。
:0.5〜3.0%を必須成分として含み、且つC量を
引張強度との関係で規制した錆について、まず、Ar□
点+30℃以上で熱間圧延し、引続き650’C以下の
温度で巻き取りして、低温変態生成物を20%以上含む
熱延薄板を製造する。
ここで、低温変態生成物としてはベイナイト。
マルテンサイト、焼戻しマルテンサイト又はこれらが混
在していてもよく、特に制限されるものではない。
在していてもよく、特に制限されるものではない。
一般に降伏比が高い程、パイプ圧壊時の吸収エネルギー
が高くなる。高降伏比を得るためには。
が高くなる。高降伏比を得るためには。
フル焼戻しマルテンサイト組織にしてもよいが、鋼板の
反りを減少し、更には2.O1!1Il1以上の厚物な
ども容易に製造できる冷間圧延を行うのがよい。
反りを減少し、更には2.O1!1Il1以上の厚物な
ども容易に製造できる冷間圧延を行うのがよい。
すなわち、低温変態生成物を20%以上含む熱延鋼板に
5%以上の冷間加工を行うことにより、降伏比は著しく
増加し、0.8以上の値が得られる。冷間加工率を高め
ると降伏比がより高くなり、また引張強度も増加するた
め、パイプ圧壊時の吸収エネルギーが高くできる。しが
し、冷間加工率が90%を越えると鋼板の局部延性が著
しく低下して、圧壊時にパイプが破断するので、90%
を上限とする。
5%以上の冷間加工を行うことにより、降伏比は著しく
増加し、0.8以上の値が得られる。冷間加工率を高め
ると降伏比がより高くなり、また引張強度も増加するた
め、パイプ圧壊時の吸収エネルギーが高くできる。しが
し、冷間加工率が90%を越えると鋼板の局部延性が著
しく低下して、圧壊時にパイプが破断するので、90%
を上限とする。
このような高降伏比材は、同一降伏強度の低降伏比材に
比較して、強度が低いため、切断が容易で生産性が高い
。しかし、このような化学成分。
比較して、強度が低いため、切断が容易で生産性が高い
。しかし、このような化学成分。
組織及び降伏比を有する鋼板を単に電縫溶接したのみで
は、パイプ圧壊時に割れが発生し、所定の吸収エネルギ
ーが得られない。
は、パイプ圧壊時に割れが発生し、所定の吸収エネルギ
ーが得られない。
そこで、本発明者らは、この点について更に研究を重ね
た結果、上記化学成分範囲内でC量を次式の範囲内に制
御することにより、圧壊時に割れることなく、高い吸収
エネルギーを得ることができるとの知見を得た。
た結果、上記化学成分範囲内でC量を次式の範囲内に制
御することにより、圧壊時に割れることなく、高い吸収
エネルギーを得ることができるとの知見を得た。
0.367−3.OX 10 ’σe + ]、5X
10−5σ B2≧C≧0.248−3.OX 10
”σ e +1.5X 10−5σ B2(但し、σB
:引張強度(kgf / mm2) )すなわち、上記
条件を満たすことによって溶接熱影響部に適正な硬さの
軟化域を具備させることにより、溶接部での変形を軽減
することができることを知見したのである。
10−5σ B2≧C≧0.248−3.OX 10
”σ e +1.5X 10−5σ B2(但し、σB
:引張強度(kgf / mm2) )すなわち、上記
条件を満たすことによって溶接熱影響部に適正な硬さの
軟化域を具備させることにより、溶接部での変形を軽減
することができることを知見したのである。
溶接熱影響部の最低硬さHvlと母材の硬さHv。
の比、Hv1/ HV、がパイプの引張強度σBの関数
で示される式、−〇、001 a a+1.05よ’J
も高い場合は、圧壊時に熱影響部での変形が小さいため
、溶接部での変形量が多くなり、溶接部でのホワイトバ
ンドなどで破断し、所定の吸収エネルギーが得られない
。また、Hv、/Hν2が−o、。
で示される式、−〇、001 a a+1.05よ’J
も高い場合は、圧壊時に熱影響部での変形が小さいため
、溶接部での変形量が多くなり、溶接部でのホワイトバ
ンドなどで破断し、所定の吸収エネルギーが得られない
。また、Hv、/Hν2が−o、。
O3σa +1.05よりも小さいときは熱影響部での
変形が大きくなり、圧壊時に座屈が生じ易くなって所定
の吸収エネルギーが得られない。
変形が大きくなり、圧壊時に座屈が生じ易くなって所定
の吸収エネルギーが得られない。
冷間加工強化材の熱影響部での回復、再結晶による硬さ
低下は殆どなく、非冷間加工材の硬さ分布とはS゛同様
ある。これは電縫溶接では回復、再結晶の生じる領域が
極めて小さいためと考えられる。既に述べたように、熱
影響部での軟化域の硬さ比、Hv1/Hν2はパイプの
引張強度σBによって適正な範囲がある。σBが100
kgf/ tmva”程度の比較的強度の低いパイプ
材においては、Hv1/Hv、の値は比較的高くて良い
。これは、溶接部の最高硬さがあまり高くなく、成る程
度の加工性を有するためである。しかし、パイプの強度
σBが200 kgf/ mm21度になると熱影響部
での変形量を多くすることが重要であり、HV1/ H
V、の値を比較的低くしなければ、圧壊時の割れを防止
して高い吸収エネルギーをえることができない。
低下は殆どなく、非冷間加工材の硬さ分布とはS゛同様
ある。これは電縫溶接では回復、再結晶の生じる領域が
極めて小さいためと考えられる。既に述べたように、熱
影響部での軟化域の硬さ比、Hv1/Hν2はパイプの
引張強度σBによって適正な範囲がある。σBが100
kgf/ tmva”程度の比較的強度の低いパイプ
材においては、Hv1/Hv、の値は比較的高くて良い
。これは、溶接部の最高硬さがあまり高くなく、成る程
度の加工性を有するためである。しかし、パイプの強度
σBが200 kgf/ mm21度になると熱影響部
での変形量を多くすることが重要であり、HV1/ H
V、の値を比較的低くしなければ、圧壊時の割れを防止
して高い吸収エネルギーをえることができない。
本発明者らは、このようなパイプの強度に応じて適正な
Hv、/Hν、の値を得るためには、C量を0.367
−3.OX 10−’ Q B +1.5X 10 ’
a B2から 0.248−3.Ox 1o−” a B+1.5X
10−’ a B2の範囲に制御することが必要である
ことを見い出したのである。
Hv、/Hν、の値を得るためには、C量を0.367
−3.OX 10−’ Q B +1.5X 10 ’
a B2から 0.248−3.Ox 1o−” a B+1.5X
10−’ a B2の範囲に制御することが必要である
ことを見い出したのである。
この範囲よりもC量が多いと、Hν□/Hv2が高くな
り、圧壊時に溶接部で割れが生じ易くなり、一方、C量
が少ないと−Hv、/)(y2が低くなり、圧壊時に座
屈が生じ易くなり、いずれの場合も高い吸収エネルギー
が得られない。
り、圧壊時に溶接部で割れが生じ易くなり、一方、C量
が少ないと−Hv、/)(y2が低くなり、圧壊時に座
屈が生じ易くなり、いずれの場合も高い吸収エネルギー
が得られない。
なお、熱影響部の軟化域での最低硬さHv、は、上述の
ように適正な値が必要であるが、軟化域の広さについて
は特に限定されるものではなく、通常の電縫溶接で得ら
れる範囲で良い。更に、熱影響部での軟化域の広さはパ
イプの板厚、パイプ用素板の組織、化学成分によって変
わるが、電縫溶接で得られる範囲であれば特に問題はな
い。
ように適正な値が必要であるが、軟化域の広さについて
は特に限定されるものではなく、通常の電縫溶接で得ら
れる範囲で良い。更に、熱影響部での軟化域の広さはパ
イプの板厚、パイプ用素板の組織、化学成分によって変
わるが、電縫溶接で得られる範囲であれば特に問題はな
い。
また、本発明で得られる所定の強度を有する鋼板を電縫
溶接したパイプの場合には、造管後熱処理をしたパイプ
と異なり、溶接位置をビードセンサーなどで容易に識別
できる。したがって、実車への装着に際しては、溶接部
を負荷される点の直下ではなく、負荷される点と直角な
横の方向に制御しセットすることで、溶接部の変形をよ
り小さくして、割れに対する安全度を更に高めることが
できる。
溶接したパイプの場合には、造管後熱処理をしたパイプ
と異なり、溶接位置をビードセンサーなどで容易に識別
できる。したがって、実車への装着に際しては、溶接部
を負荷される点の直下ではなく、負荷される点と直角な
横の方向に制御しセットすることで、溶接部の変形をよ
り小さくして、割れに対する安全度を更に高めることが
できる。
次に本発明における化学成分の限定理由を説明する。
C:
Cは鋼板の強度を高めるために極めて重要な元素である
が、C量が0.08%よりも少ないと100kgf/a
m2以上の引張強度が得られず、また0゜30%を超え
て過多に添加すると溶接部が脆くなり、圧壊時に割れが
生じ、所定の吸収エネルギーが得られない、したがって
、C量は0.08〜0゜30%の範囲とする。
が、C量が0.08%よりも少ないと100kgf/a
m2以上の引張強度が得られず、また0゜30%を超え
て過多に添加すると溶接部が脆くなり、圧壊時に割れが
生じ、所定の吸収エネルギーが得られない、したがって
、C量は0.08〜0゜30%の範囲とする。
但し、C量は、前述の理由により上記範囲内において次
式を満たす必要がある。
式を満たす必要がある。
0.367−3.OX 10”−3σs +1.5X
10−’σB2≧C≧0.248−3.OX I F3
σB +1.5X 10−”082Mn: Mnは強化能の高い低温変態生成物を得るために必要で
、その添加量が0.5%よりも少ないと、熱延板で20
%以上の低温変態生成物を得ることができない。また3
、0%を超えると、偏析が大きくなり、パイプ溶接部の
メタルフローが悪くなり、圧壊時に割れが生し、所定の
吸収エネルギーが得られない。したがって、Mn量は0
.5〜3゜0%の範囲とする。
10−’σB2≧C≧0.248−3.OX I F3
σB +1.5X 10−”082Mn: Mnは強化能の高い低温変態生成物を得るために必要で
、その添加量が0.5%よりも少ないと、熱延板で20
%以上の低温変態生成物を得ることができない。また3
、0%を超えると、偏析が大きくなり、パイプ溶接部の
メタルフローが悪くなり、圧壊時に割れが生し、所定の
吸収エネルギーが得られない。したがって、Mn量は0
.5〜3゜0%の範囲とする。
以上のC,Mnを必須成分とするが、必要に応じてSl
、P、Cr、Mo及びBのうちの1種又は2種以上、及
び/又は、Nb、Ti、Zr及び■のうちの1種又は2
種以上を適量で添加することができる。
、P、Cr、Mo及びBのうちの1種又は2種以上、及
び/又は、Nb、Ti、Zr及び■のうちの1種又は2
種以上を適量で添加することができる。
Si:
Siは鋼の降伏強度を高めるのに有効な元素であるが、
0.2%よりも少ないとその効果が得られず、また2、
0%を超えて添加すると溶接部での欠陥が増し、圧壊時
に割れが生じる。したがって、Si量は0.2〜2.0
%の範囲とする。
0.2%よりも少ないとその効果が得られず、また2、
0%を超えて添加すると溶接部での欠陥が増し、圧壊時
に割れが生じる。したがって、Si量は0.2〜2.0
%の範囲とする。
P:
Pは、Siと同様、鋼の降伏強度を高めるのに有効な元
素であるが、0.02%よりも少ないとその効果が得ら
れず、また0、15%を超えて添加すると溶接部が脆化
して圧壊時に割れが生じる。
素であるが、0.02%よりも少ないとその効果が得ら
れず、また0、15%を超えて添加すると溶接部が脆化
して圧壊時に割れが生じる。
したがって、P量は0.02〜0.15%の範囲とする
。
。
Cr;
Crは、Mnと同様、熱延板での低温変態生成物を望じ
易くする。しかし、0.1%よりも少ないとその効果が
得られず、また]、O%を超えて添加してもその効果が
飽和する。したがって、Cr量は0.1〜1.0%の範
囲とする8 Mo: Moは、Mnと同様、鋼の焼入性を高める元素であるが
、0.1%よりも少ないとその効果がなく、また1、0
%を超えるとその効果が飽和するので、Mo量は0.1
〜1.0%の範囲とする。
易くする。しかし、0.1%よりも少ないとその効果が
得られず、また]、O%を超えて添加してもその効果が
飽和する。したがって、Cr量は0.1〜1.0%の範
囲とする8 Mo: Moは、Mnと同様、鋼の焼入性を高める元素であるが
、0.1%よりも少ないとその効果がなく、また1、0
%を超えるとその効果が飽和するので、Mo量は0.1
〜1.0%の範囲とする。
B:
Bは焼入性を増す元素であり、Mnと同様の効果を有す
るが、0.0003%よりも少ないとその効果がなく、
また0、005%を超えるとその効果が飽和するので、
P量は0.0003〜00OO5%の範囲とする。
るが、0.0003%よりも少ないとその効果がなく、
また0、005%を超えるとその効果が飽和するので、
P量は0.0003〜00OO5%の範囲とする。
Nb、 Ti、 Zr、 V :
Nb、Ti、Zr及び■はいずれも鋼中で炭、窒化物を
形成し、鋼を強化して降伏比を高める元素である。しか
し、いずれの元素とも0.01%よりも少ないとその効
果が得られず、また0、06%を超えるとその効果が飽
和する。したがって、Nb、Ti、Zr及びv量はそれ
ぞれ0.01〜0゜06%の範囲とする6 次に、本発明のドア補強パイプ用高強度薄鋼板の製造工
程及び条件について説明する。
形成し、鋼を強化して降伏比を高める元素である。しか
し、いずれの元素とも0.01%よりも少ないとその効
果が得られず、また0、06%を超えるとその効果が飽
和する。したがって、Nb、Ti、Zr及びv量はそれ
ぞれ0.01〜0゜06%の範囲とする6 次に、本発明のドア補強パイプ用高強度薄鋼板の製造工
程及び条件について説明する。
上記化学成分を有する鋼は、Ar、点+30℃以上で熱
間圧延し、引続き650℃以下の温度で巻き取りして、
低温変態生成物を20%以上含む熱延鋼板を得る。熱間
圧延での低温変態生成物が20%よりも少ない場合には
、高降伏比を得るための冷間加工率が高くなるのみなら
ず、高強化のための非常に硬いマルテンサイトが変形し
弊く、冷間圧延でボイドが発生し、圧壊時に破断し所定
の強度が得られない。熱間圧延温度がAr2点+30℃
より低い場合は、オーステナイトの体積率が少なくなり
、したがって、その後の低温巻取りによって得られる低
温変態生成物が20%よりも少なくなり、また巻取温度
が650℃より高い場合は、ベイナイト、マルテンサイ
トなどの低温変態生成物が得られなくなるので好ましく
ない。
間圧延し、引続き650℃以下の温度で巻き取りして、
低温変態生成物を20%以上含む熱延鋼板を得る。熱間
圧延での低温変態生成物が20%よりも少ない場合には
、高降伏比を得るための冷間加工率が高くなるのみなら
ず、高強化のための非常に硬いマルテンサイトが変形し
弊く、冷間圧延でボイドが発生し、圧壊時に破断し所定
の強度が得られない。熱間圧延温度がAr2点+30℃
より低い場合は、オーステナイトの体積率が少なくなり
、したがって、その後の低温巻取りによって得られる低
温変態生成物が20%よりも少なくなり、また巻取温度
が650℃より高い場合は、ベイナイト、マルテンサイ
トなどの低温変態生成物が得られなくなるので好ましく
ない。
この熱延鋼板をそのまま又は酸洗によりスケールを除去
した後、5%以上、90%以下の冷間圧延を行い、降伏
比が0.8以上のパイプ用薄鋼板を得る。冷延率が5%
よりも少ない場合は、0゜8以上の降伏比が得られない
。一方、90%よりも多い場合は局部延性が低下し、圧
壊時に破断し所定の強度が得られない。
した後、5%以上、90%以下の冷間圧延を行い、降伏
比が0.8以上のパイプ用薄鋼板を得る。冷延率が5%
よりも少ない場合は、0゜8以上の降伏比が得られない
。一方、90%よりも多い場合は局部延性が低下し、圧
壊時に破断し所定の強度が得られない。
得られた薄鋼板は、通常の方法にて電縫溶接によりパイ
プに造管すればよい。造管後は熱処理を必要としない。
プに造管すればよい。造管後は熱処理を必要としない。
次に本発明の実施例を示す。
(実施例)
第1表に示す化学成分を有する鋼を溶製し、通常の方法
でスラブにした後、Ar1点以上でγの体積率が50%
以上になる温度域で熱間圧延した後。
でスラブにした後、Ar1点以上でγの体積率が50%
以上になる温度域で熱間圧延した後。
650℃以下で巻取りを行った。この熱延鋼板を酸洗後
、冷間圧延を行って2 、0 amの厚さの薄鋼板を得
た。
、冷間圧延を行って2 、0 amの厚さの薄鋼板を得
た。
この薄鋼板をスリットして高周波誘導加熱により電縫溶
接して31.8mmφのパイプを製造した。
接して31.8mmφのパイプを製造した。
薄鋼板の機械的性質を調べると共に、得られたパイプに
ついて圧壊試験を行い、また硬さ等を調べた。なお、圧
壊試験は、第3図に示す要領(スパン9501111)
にて行い、第4図に示すように荷重−変位曲線から15
0菖■押し込み時の吸収エネルギーを求めた。
ついて圧壊試験を行い、また硬さ等を調べた。なお、圧
壊試験は、第3図に示す要領(スパン9501111)
にて行い、第4図に示すように荷重−変位曲線から15
0菖■押し込み時の吸収エネルギーを求めた。
これらの結果を第2表に示す。
第2表並びに第2図及び第4図より以下の如く考察され
る。
る。
比較例Ha 1は、C量が低く、かつ低温変態生成物が
少ないため、引張強さが不足している。
少ないため、引張強さが不足している。
比較例&2は、マルテンサイトを多量に含む高降伏比材
であるが、C量がσBで決められた式の値よりも低いた
め、熱影響部での軟化が大きくなり、HV1/ HV2
の値が小さく、圧壊時に座屈が早かった。
であるが、C量がσBで決められた式の値よりも低いた
め、熱影響部での軟化が大きくなり、HV1/ HV2
の値が小さく、圧壊時に座屈が早かった。
比較倒動4は、マルテンサイトとベイナイトからなる高
降伏比材であるが、C量がσBで決められた式の値より
も高いため、熱影響部での軟化が小さく、したがって、
HV1/ HV2の値が大きくなり、圧壊時にホワイト
バンド部で割れが発生した。
降伏比材であるが、C量がσBで決められた式の値より
も高いため、熱影響部での軟化が小さく、したがって、
HV1/ HV2の値が大きくなり、圧壊時にホワイト
バンド部で割れが発生した。
比較例NQ5は、冷間圧延率が不足し降伏比が低いため
、所定の吸収エルネギ−が得られていない。
、所定の吸収エルネギ−が得られていない。
比較例NQ11は冷間圧延率が高いため、局部延性が悪
く、圧壊時に母材部で割れが発生した。
く、圧壊時に母材部で割れが発生した。
比較例NQ7は、C量が0.3%よりも多いため、圧壊
時に溶接部から破断した。
時に溶接部から破断した。
一方、本発明例Na 3、NO3、N[18〜NCL1
0.NQ12〜NQ17は、いずれも、高い吸収エネル
ギーが得られており、圧壊時に割れや破断が生じなかっ
た・ 第2図は比較例No2及びNo 4と本発明例NQ3に
ついてパイプの溶接部の硬さ分布を示したものであり、
本発明例では適正なHv□/ HV2の値が得られてい
るが、比較例ではHν1 / HV2の値が大きすぎた
り或いは小さすぎることがわかる。
0.NQ12〜NQ17は、いずれも、高い吸収エネル
ギーが得られており、圧壊時に割れや破断が生じなかっ
た・ 第2図は比較例No2及びNo 4と本発明例NQ3に
ついてパイプの溶接部の硬さ分布を示したものであり、
本発明例では適正なHv□/ HV2の値が得られてい
るが、比較例ではHν1 / HV2の値が大きすぎた
り或いは小さすぎることがわかる。
(発明の効果)
以上詳述したように1本発明によれば、パイプが圧壊時
に溶接部で破断することなく、高い吸収エネルギーを有
するドア補強パイプ用の高強度薄鋼板を提供することが
できる。また、電縫溶接による造管後に熱処理を必要と
しないので経済的である。
に溶接部で破断することなく、高い吸収エネルギーを有
するドア補強パイプ用の高強度薄鋼板を提供することが
できる。また、電縫溶接による造管後に熱処理を必要と
しないので経済的である。
第1図は電縫溶接部の金属組織を示す写真、第2図は電
縫溶接部の硬さ分布を示す図、第3図はパイプの圧壊試
験の要領を説明する図、第4図はパイプの圧壊試験での
荷重−変位曲線を示す図である。 特許出願人 株式会社神戸製鋼所 代理人弁理士 中 村 尚 第1図 図面の;パン′内容に変更なし) 第2図 辻暉四− 第3図 第4図 唱1イifr(M−へ) 手続補正書(方式) 平成3年3月18日 平成2年特許願第336452号 2、発明の名称 ドア補強パイプ用高強度薄鋼板の製造方法3、補正をす
る者 事件との関係 特許出願人 住所 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号名称 (1
19)株式会社神戸製鋼所 4、代理人 住所 〒116東京都荒川区西日暮里5丁目358、補
正の内容 (1)願書に最初に添付した第2図の浄書・別紙のとお
り(内容に変更なし)
縫溶接部の硬さ分布を示す図、第3図はパイプの圧壊試
験の要領を説明する図、第4図はパイプの圧壊試験での
荷重−変位曲線を示す図である。 特許出願人 株式会社神戸製鋼所 代理人弁理士 中 村 尚 第1図 図面の;パン′内容に変更なし) 第2図 辻暉四− 第3図 第4図 唱1イifr(M−へ) 手続補正書(方式) 平成3年3月18日 平成2年特許願第336452号 2、発明の名称 ドア補強パイプ用高強度薄鋼板の製造方法3、補正をす
る者 事件との関係 特許出願人 住所 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号名称 (1
19)株式会社神戸製鋼所 4、代理人 住所 〒116東京都荒川区西日暮里5丁目358、補
正の内容 (1)願書に最初に添付した第2図の浄書・別紙のとお
り(内容に変更なし)
Claims (3)
- (1)重量%で(以下、同じ)、C:0.08〜0.3
0%及びMn:0.5〜3.0%を含み、かつ、C量が
下式 0.367−3.0×10^−^3σ_B+1.5×1
0^−^5σ_B^2≧C≧0.248−3.0×10
^−^3σ_B+1.5×10^−^5”σ_B^2但
し、σ_B:引張強度(kgf/mm^2)を満たし、
残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼をAr_1点
+30℃以上で熱間圧延し、引続き650℃以下の温度
で巻き取りして得られる低温変態生成物を20%以上含
む熱延板に、5%以上、90%以下の冷間加工を施して
、降伏比が0.8以上のパイプ用薄鋼板を得ることを特
徴とする電縫溶接で加工されるドア補強パイプ用の高強
度薄鋼板の製造方法。 - (2)前記鋼は、更にSi:0.2〜2.0%、P:0
.02〜0.15%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:
0.1〜1.0%及びB:0.0003〜0.005%
のうちの1種又は2種以上を含んでいる請求項1に記載
の方法。 - (3)前記鋼は、更にNb、Ti、Zr及びVがそれぞ
れ0.01〜0.06%の範囲で1種又は2種以上含ん
でいる請求項1又は2に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33645290A JPH04202711A (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | ドア補強パイプ用高強度薄鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33645290A JPH04202711A (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | ドア補強パイプ用高強度薄鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04202711A true JPH04202711A (ja) | 1992-07-23 |
Family
ID=18299285
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33645290A Pending JPH04202711A (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | ドア補強パイプ用高強度薄鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04202711A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100454745B1 (ko) * | 2000-11-17 | 2004-11-03 | 주식회사 포스코 | 고항복비를 갖는 용융아연도금강판의 제조방법 |
JP2006070312A (ja) * | 2004-09-01 | 2006-03-16 | Nisshin Steel Co Ltd | タッピング性に優れた高強度電縫鋼管製自動車用フレーム材の製造方法 |
CN103572156A (zh) * | 2012-07-18 | 2014-02-12 | 株式会社神户制钢所 | 门加强管用高强度薄钢板的制造方法 |
-
1990
- 1990-11-30 JP JP33645290A patent/JPH04202711A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100454745B1 (ko) * | 2000-11-17 | 2004-11-03 | 주식회사 포스코 | 고항복비를 갖는 용융아연도금강판의 제조방법 |
JP2006070312A (ja) * | 2004-09-01 | 2006-03-16 | Nisshin Steel Co Ltd | タッピング性に優れた高強度電縫鋼管製自動車用フレーム材の製造方法 |
JP4493447B2 (ja) * | 2004-09-01 | 2010-06-30 | 日新製鋼株式会社 | タッピング性に優れた高強度電縫鋼管製自動車用フレーム材の製造方法 |
CN103572156A (zh) * | 2012-07-18 | 2014-02-12 | 株式会社神户制钢所 | 门加强管用高强度薄钢板的制造方法 |
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