JPH0419343Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本願は食品等の配送に最適な蓄熱体の改良に関
する。

目的；従来食品等を保冷または保温しながら配送
する蓄冷体や蓄熱体（以下、単に蓄熱体と称す
る）としては、缶ビール状の円筒缶が広く知られ
ているが、金属製で重く食品等を収納する通い函
の内部を狭くする欠点があり、其の他再凍結や再
融解に時間を要し、一定形状をしているので取扱
難く嵩張るので使い勝手が悪かつた。又シートに
てパツクした使い捨ての蓄熱体も開発されている
が、外力により破損し易く再使用しにくい欠点を
有していた。本願は一般食品はもとより、生菓子
や調整済料理品などの配送に際して、通い函への
配置はもとより再使用して繰り返し循環を含めて
極めて、高能率の蓄熱体を提供するものである。

構成；本願の要旨は即効性即ち熱伝導、熱伝達を
大きくする場合には、熱媒体を内蔵する単一収納
体の外皮にはアルミニウム箔を、長時間効果を保
持させる場合はプラスチツクシートを採用し、循
環再使用サイクルと使い勝手を向上するため単一
収納体である小形マツトを連続して帯状を含む長
尺形状とし、表面積大で肉薄の蓄熱体とし、なお
適度の自己形状保持力を付与するため弾力性に富
む合成樹脂等よりなる網目状のシートにて其の表
面をカバーしたものである。以下実施例につき図
面を参照しながら詳細を説明する。

実施例； 先ずカバーである網目状のシート６を取り除い
た肉薄帯状の蓄熱体を第３〜第５図を参照しなが
ら説明する。蓄熱体１は後述する熱媒体５を内蔵
する個々の単一収納体２が複数個連続して帯状を
している。本実施例は第１図に示す如く３個の単
一収納体２よりなつている。蓄熱体１はマスプロ
による原価低減を目的として長方形状の一対のア
ルミニウム箔３を重ね合わせて其の四周端縁４を
互いに固着し、更に複数の単一収納体２に分割す
るため、互いに隣接する単一収納体２間の端縁
４′も固着されている。その固着手段としては予
めアルミニウム箔３の表裏両面をプラスチツクラ
ミネートしておき固着すべき端縁４，４′をヒー
トプレスして互いに固着している。固着手段はヒ
ートプレスに限定するものでは無く接着剤を利用
しても良い。このとき中空部に熱媒体５を封入す
るため片側に開口を残して封入後ヒートシールさ
れる。。なお主に保温用に用いる場合、蓄熱体１
はプラスチツクシート３′を用いその両面にプラ
スチツクフイルムをラミネートしたものを同様に
して用いることもできる。

上述の構成により個々の単一収納体３の外形は
丁度座ブトンを小形として如き形状を呈してい
る。従つて蓄熱体１の外観は、其れ等が連続して
連結しているので全体として帯状のマツトを形成
している。なお前記収納体２は蓄熱体１の長手方
向のみならず巾方向にも複数設けることもでき
る。

次に蓄熱体１の外部を覆う網目状シート６につ
いて述べると、実施例に於いては弾性を有する合
成樹脂によりなり其の外形は袋帯状偏平に成形し
た筒状のエンドレスシートで、網状７は前記筒状
の母線８に対して30°より稍小さい角度θで交差
せしめているので網目の開口９は菱形を呈してい
る。其の結果外形筒状のエンドレスシート６は長
手方向には伸縮することは無いが、其の直径は僅
かの外力で簡単に大となり、外力が無くなれば即
時原形に復する。

このことは蓄熱体１を網目シート内に挿入又は
引き出しを容易とし、且つ強度向上せしめる。

前記中空部に封入する熱媒体は常温では液体で
低温では固体である溶解潜熱を有するものや常温
では固体で高温では液体である凝固潜熱を有する
公知の熱媒体が使用されるが保冷・保温食品の用
途により適切なる融解温度を選定すれば良い。

本考案の配送用の蓄熱マツト体は前記の袋帯状
偏平に成形した網目シート６内に第１図に示す如
く蓄熱体１を挿し込んだものである。なお網目シ
ート６は必ずしも合成樹脂製に限定するものでは
無く金属製のラス、又は繊維質網目で用途により
差支え無いが合成樹脂製の場合各種の広い用途に
対して利用できる。

効果；本考案によれば、保冷・保温食品のあらゆ
る通い函の内側のわずかの隙間、例えば底板上、
側壁面、食品の上部、食品によつては品物同志の
間に容易に挿入することが出来る。しかも、軽く
て、まとまつた蓄熱体をすばやく通い函へセツト
出来、食品工場の配送放送の手間を省くことが出
来る。又網目シートにより極めて薄い箔やシート
表面を外部より保護し傷付きにくくなる。他方蓄
熱体は網目シート内に保持されているので被保冷
品等に密着して傷付けることも無く、冷気や暖気
の流通を促進し、食品を均一に保冷・保温するこ
とが出来る。

又配送先の店舗に於いても、嵩張らないので、
そのまま食品と共にシヨーケースに陳列できる。

蓄熱マツト体の利用後の再使用に於いては、網
目シート６の存在により蓄熱体１同志が密着せず
熱交換面積が大なる故、再凍結や再融解時間の短
縮が計られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の蓄熱マツト体の正面図、第２
図は表面をカバーしてる網目状シートの部分拡大
図である。第３図は肉薄帯状の蓄熱体の正面図、
第４図は同じく蓄熱体の側面図である。第５図は
第３図に於けるＶ−Ｖ視断面図である。 １……蓄熱体、２……単一収納体、３……アル
ミニウム箔、４……端縁、５……熱媒体、６……
網目状シート、７……網線、８……母線、９……
網目開口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 表裏一対の長方形なるアルミニウム箔、または
   プラスチツクシートが２以上の区画に分けられて
   其の四周が互いに固着されたマツト状の各中空部
   には、融解潜熱を有する熱媒体又は凝固潜熱を有
   する熱媒体が封入された肉薄偏平の長方形状の蓄
   熱体に於て、 偏平筒状の網目シートが弾性を有する合成樹脂
   よりなり、 網目開口９が長手方向に長寸の菱形で、直径方
   向にのみ伸縮性を具備した偏平筒状の自己形成保
   持力を有する網目シート内に、前記肉薄偏平の蓄
   熱体を出し入れ自在に挿入してなる肉薄偏平なる
   食品配送用の長方形状蓄熱マツト体。