JPH04190790A - プロテアーゼの生産方法 - Google Patents

プロテアーゼの生産方法

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JPH04190790A
JPH04190790A JP32153090A JP32153090A JPH04190790A JP H04190790 A JPH04190790 A JP H04190790A JP 32153090 A JP32153090 A JP 32153090A JP 32153090 A JP32153090 A JP 32153090A JP H04190790 A JPH04190790 A JP H04190790A
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JP
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protease
bacillus
gelatin
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JP32153090A
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English (en)
Inventor
Hideto Takami
高見 英人
Masaichiro Mita
三田 匡一郎
Koki Horikoshi
弘毅 掘越
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、バチルス(Bacillus)属に属するプ
ロテアーゼ生産菌を培養し、プロテアーゼを生産する方
法に関し、特に耐熱性アルカリプロテアーゼ生産菌によ
るアルカリプロテアーゼの生産に適したプロテアーゼの
生産方法に関するものである。
〔従来の技術〕
バチルス属の菌はその多くがプロテアーゼを生産するた
め、これらを培養して培養物または菌体からプロテアー
ゼを採取するプロテアーゼの生産方法が知られている。
バチルス属の菌によるプロテアーゼの生産方法において
、培地の窒素源としては、ポリペプトン、イーストエキ
ストラクト、カザミノ酸、大豆粉等が使用されており、
炭素源として可溶性デンプン、マルトース、シュークロ
ース等が使用されている。
しかしながら、生産菌によっては、酵素の生産性が低く
、耐熱性アルカリプロテアーゼ生産菌、特にバチルスs
p、 No、^H−101菌は、上記の窒素源を培地成
分として用いた場合、全くもしくはほとんどプロテアー
ゼを生産しない。
窒素源として、コーンステイープリカーを用いた場合は
、約1100U/anの生産性でプロテアーゼを生産す
る。しかしながら、コーンステイープリカーを用いると
、培地が着色しており、生産されたプロテアーゼの精製
プロセスにおける脱色に相当の手間を要する。またコー
ンステイープリカーを用いた場合の生産性では工業化す
るための生産性としては低く、コーンステイープリカー
の濃度を高めて培養すると、プロテアーゼの生産に悪影
響を及ぼすため、高濃度培養はできないなどの問題点が
ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記のような従来のプロテアーゼの生
産方法における問題点を解決するため。
プロテアーゼ生産菌、特に耐熱性プロテアーゼ生産菌を
培養して、着色がなく高純度のプロテアーゼ、特に耐熱
性アルカリプロテアーゼを高生産性で生産することが可
能なプロテアーゼの生産方法を提案することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は次のプロテアーゼの生産方法である。
(1)バチルス属に属するプロテアーゼ生産菌を。
ゼラチンを含む培地で培養し、培養物からプロテアーゼ
を採取することを特徴とするプロテアーゼの生産方法。
(2)ゼラチンを含む培地が、さらにフェニルアラニン
、トリプトファン、プロリン、アスパラギン酸、グルタ
ミン酸、リジンおよびアルギニンよりなる群から選ばれ
るアミノ酸の少なくとも1種を含むことを特徴とする上
記(1)記載のプロテアーゼの生産方法。
本発明においてプロテアーゼの生産に用いるプロテアー
ゼ生産菌はバチルス属に属するものがすべて対象になる
が、本発明の生産方法は耐熱性アルカリプロテアーゼ生
産菌、特にバチルスsp。
No、 AH−101菌株による耐熱性アルカリプロテ
アーゼの生産に適している。
これらのプロテアーゼ生産菌の培養に用いる基本培地は
、それぞれの菌の培養に適したものを用いる。本発明で
は、このような基本培地に、窒素源としてゼラチンを添
加した培地を用いる。ゼラチンはアミノ酸組成が特殊で
、プロテアーゼ生産に悪影響を及ぼすセリン、システィ
ン、メチオニン等のアミノ酸含量が少なく、ゼラチンを
用いることにより、酵素を高い生産性で生産することが
できる。ゼラチンの使用量は炭素源2%(w/v)の培
地に対してO,S〜2%(V/V)、好ましくは0.5
%(w/v)程度が適当である。
本発明では、このようなゼラチンを含む培地に、さらに
フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、アスパ
ラギン酸、グルタミン酸、リジン。
アルギニンから選ばれる1種以上のアミノ酸を添加して
培養を行うことにより、プロテアーゼの生産性を高くす
る。これらのアミノ酸は比較的資化されやすく、胞子形
成能を抑える機能を有し、これによりプロテアーゼが高
生産されるものと思われる。
上記アミノ酸の培地に対する添加量は0.05〜0.2
%(w/v)、好ましくは0.1%(w/v)程度が適
当である。
以下1本発明をアルカリプロテアーゼ生産菌、特に耐熱
性アルカリプロテアーゼ生産菌であるバチルスsp、 
No、 AH−101菌株の培養によりアルカリプロテ
アーゼ、特に耐熱性アルカリプロテアーゼを生産する場
合を例にして説明する。
アルカリプロテアーゼはアルカリ領域において、タンパ
ク質の分解活性を有する酵素であって1例えば好アルカ
リ性バチルスsp、 No、 221菌(掘越、197
1)、NKS−21(上田ら、1986)、B−21−
2(藤原、山水、1987)およびバチルスサーモルー
バBH(Manachiniら、1988)などの菌株
がアルカリプロテアーゼを生産する。特にバチルスsp
、 No。
AH−101(Bacillus sp、 No、 A
H−101)菌株は耐熱性アルカリプロテアーゼ(以下
、プロテアーゼAH−101と呼ぶ)を生産する6 プロテアーゼAH−101を生産するバチルスsp。
No、 AH−101菌株は、バチルスsp、 No、
 AH−101菌株として、平成元年2月lO日通商産
業省工業技術院微生物工業技術研究所に寄託されており
、その受託番号は微工研菌寄第10531号(FERM
 P−10531)である。
次にプロテアーゼA)I−101を生産するバチルス属
に属するバチルスsp、 No、 AH−101菌株の
菌学的性質を以下に示す。なお菌学的性質のシ)組りよ
び分類方法は、下記の文献に基づいて行った。
エフ・アール・スミス(N、 R,Sm1th)、アー
ル・イー・ゴートン(R,E、 Gordon)、エフ
・イー・クラーク (F、 E、 C1ark):[エ
アロビック・スポアホーミング・バクテリア(Aero
bic 5porefora+ingBacteria
) ]ユナイトテッド・ステーツ・デパートメント・オ
ブ・アグリ力ルチュア(United StatesD
epartment of Agriculture)
 Nov、 1957;およびバージニーズ・マニュア
ル・オブ・ディタミネイティブ・バクテリオロジー(B
ergey’s Manual ofDetermin
ative Bacteriology)(1957)
(a)形態 1)細胞の形および大きさ: 0.1〜0.5mX1.5虜×4.0虜の桿菌で、べん
毛を有する。
2)細胞の多形性:単独または長鎖状。
3)運動性:あり。
4)胞 子: 細胞末端に胞子を形成する。胞子は0.5〜1.0/a
X 1 、Ops X 1.5−の卵形で、胞子のうは
ふくらんでいる。
5)ダラム染色は陽性である。
6)抗酸性は陰性である。
(b)生育状態(培地のpHは10.0とした)1)肉
汁寒天平板培養: 円形、扁平状または隆起状で、縁はぎざぎざで光沢はな
く、不透明であり、うすい黄かっ色を呈する。
2)肉汁寒天斜面培養: 波帯状に生育し、縁はぎざぎざで光沢はなく、不透明で
、うすい黄かっ色を呈する。培地には色素を分泌しない
3)肉汁液体培養: 生育良好で、わずかに沈渣が認められ、菌膜を形成する
4)肉汁ゼラチン培養: 生育は良好で、肉汁ゼラチンを加水分解し。
培地上でハローを形成する。
5)リドマスミルク: 培地がアルカリ性であるためリドマスの変色は認められ
ない。
(c)生理学的性質 1)硝酸塩の還元:陰性。
2)脱窒反応:陰性。
3)MRテスト: 培地がアルカリ性であるためメチルレッドの変色は認め
られない。
4)VPテスト:陰性。
5)インドールの生成:陰性。
6)硫化水素の生成:陽性。
7)デンプンの加水分解:陽性。
8)クエン酸の利用: Koserの培地;利用する。
Christensenの培地;利用する。
9)無機窒素源の利用: 硝酸塩;陽性。
アンモニウム塩;陰性。
10)色素の生成:陰性。
11)ウレアーゼ:陰性。
12)オキシダーゼ:陽性。
13)カタラーゼ:陽性。
14)生育の範囲: pHニア 〜liテ生育。8.0〜8.5が最適。
温度;20〜55℃で生育、37〜50’Cが最適。
15)酸素に対する態度二連性嫌気性。
16) O−Fテスト()Iugh Leifson法
による):好気性、嫌気性ともに生育。
17)糖類からの酸およびガスの生成の有無:L−アラ
ビノース、D−キシロース、D−グルコース、D−マン
ノース、D−フラクトース、D−ガラクトース、麦芽糖
、ショ糖、乳糖、トレハロース、D−マンニット、イノ
ジット、グリセリン、デンプンを利用し、酸を生成する
が、ガスの発生はデンプン以外は認められない、D−ソ
ルビットは利用しない。
(d)その他の性質 ■)塩化ナトリウムの耐性ニ ア%塩化ナトリウム存在下でも生育する。
2)DNAのGC含量: 43.2モル%。
上記の菌学的諸性質から、前記した文献の分類方法に従
ってバチルスsp、 No、 AH−101菌株トパチ
ルス属の公知の菌種とを比較すると、バチルスsp、 
No、 AH−101菌株はバチルス・ズブチリスと類
似している。しかしながら、胞子の位置(バチルス・ズ
ブチリスは中央に対して本菌株は端)、アルカリ性下で
の生育および50℃での生育という点で、両者は明らか
に相違している。
またクエン酸の利用(バチルスサーキュランスは利用し
ない)を除く他の形態的生理学的性質がほとんど同じで
あることから、バチルスサーキュランスと類似している
。しかしながら、DNAのGC含量がバチルスサーキュ
ランスは35.8モル%と低いという点で1両者は明ら
かに相違している。
また公知の菌株バチルスsp、 No、 221と比較
すると、バチルスsp、 No、 221は胞子を中央
付近に形成すること、バチルスsp、 No、 A)l
−101菌株はその栄養細胞が容易に長鎖状になること
、またバチルスsp、 No、 221はバチルスsp
、 No、 AH−101菌株と異なり硝酸塩の還元性
を持つという点などから、両者は明らかに相違している
さらにバチルスsp、 B −21−2と比較すると、
中性培地(pH6,8)である肉汁液体培地を用いた好
気的培養では、バチルスsp、 B −21−2は増殖
できないのに対し、バチルスsp、 No、 AH−1
01菌株は増殖するという点で相違しており、またバチ
ルスsp、 NKS −21と比較すると、バチルスs
p、 NKS−21の細胞はバチルスsp、 No、 
AH−101菌株に比べて大きいという点で相違してい
る。
次に、前記バチルスsp、 No、 AHIOI菌株に
よって生産されるプロテアーゼAH−Lotの活性測定
法および理化学的性質について詳述する。
(活性測定法) 基質を含有するグリシン、NaCQ、 NaOH緩衝液
(pH10’、5)2,5諺Qを0.5tRのプロテア
ーゼAH−101の酵素溶液と混合し、30℃で20分
間反応させた後、2.5■Qのトリクロロ酢酸混液(0
,11M)−リクロロ酢酸、0.22M酢酸ナトリウム
、0.33M酢酸)を加え、さらに30℃で30分間放
置した後、東洋濾紙No、 5Cで濾過する。濾液0.
5vQを2.5+mQの0.5M炭酸ナトリウム溶液に
加え1次に2倍希釈したフェノール試薬を0.5mfl
添加後添加口攪拌温にて30分間放置した後、660n
mでの吸光度を測定する。
1単位(IU)の酵素とは、上記測定方法において、基
質としてハンマーステンカゼイン(メルク社製)を使用
しく使用量は緩衝液中の濃度として0.6%)、1分間
に1マイクログラムのチロシンを生成する酵素量を言う
(理化学的性質) 1)作用および基質特異性 カゼイン、ゼラチン、グルテン、ヘモグロビン、エラス
チン、ケラチン、コラーゲンなどのタンパク質に作用し
、ペプチド結合を加水分解する。
2)至適p)lおよび安定PH範囲 前記の活性測定法に基づき、PHに対する影響を調べた
。第1図に活性の最大値を100とした各pHでの相対
活性を示した。第1図から、プロテアーゼAH−101
の至適pHは、カゼインを基質とする場合、PH12〜
I3であることがわかる。
またエラスチンを基質とする場合の至適pHは1O05
、ケラチンを基質とする場合の至適pHは11〜I3で
ある。
次にPHの安定性について第2図に示した。酵素を5m
Mカルシウムイオン存在下に60℃で10分間保持した
後、pH10,5,30℃において測定した残存活性を
未処理の酵素活性を100として示した。第2図から、
プロテアーゼAH−101の安定pHは、5a+Mカル
シウムイオン存在下、60℃において、pH5〜13で
あることがわかる。なお緩衝液としては、pH4〜6で
は0.02M酢酸緩衝液、pH7〜8では0.02M3
− (n−モルホリノ)プロパンスルホン酸緩衝液、P
H9〜11.5では0.02Mグリシン、NaCR,’
Na0)I緩衝液、pH12〜13では0.02M K
C(1/NaOH緩衝液を使用した。
3)作用適温の範囲 前記の活性測定法に従い、各温度で酵素反応を行った。
第3図は30℃における活性を1としたときの各温度に
おける活性比を示す。図中、Oはカルシウムイオン不存
在下、は5dカルシウムイオン存在下を表わす。
第3図から、プロテアーゼAH−101の作用最適温度
は70℃であり、5鱈カルシウムイオン存在下では80
℃であることがわかる。さらにカルシウムイオンの存在
により、耐熱性が増し、70℃を越えると、不存在下と
比べて活性が上昇することがわかる。
4)熱安定性 PH10,8で10分間、各温度で熱処理した後、残存
活性を調べた。未処理の酵素活性を100とした際の残
存活性を第4図に示した。図中、0はカルシウムイオン
不存在下、■は5肩阿カルシウムイオン存在下を表わす
。第4図から、プロテアーゼAH−101は30〜60
℃で安定であり、70℃でも50%の活性を保持してい
る。また5mMカルシウムイオン存在下では30〜70
℃で安定であり、80℃でも60%の残存活性を有する
ことがわかる。
このようにプロテアーゼAH−101は耐熱性に優れて
いる。
5)失活の条件 第2図に示したようにPH3,0において、5履阿カル
シウムイオン存在下に60℃で10分間処理すると、酵
素活性は完全に失われる。また第4図に示したようにp
H10,8において、80℃で10分間処理すると完全
に失活し、5璽阿カルシウムイオン存在下でも90℃で
10分間処理すると完全に失活する。
6)阻害 第1表に示す薬品の存在下に30℃で10分間保持した
後残存活性を測定し、未処理の活性を100として、残
存活性を百分率で示した。
注)EDTA:エチレンジアミン四酢酸ナトリウムPM
SF:フェニルメタンスルホニルフルオリド第1表から
、プロテアーゼAI(−101の活性はEDTA、尿素
では阻害されず、PMSFでは阻害されることがわかる
。PMSFで失活するので、プロテアーゼAH−101
はセリンプロテアーゼであることがわかる。
またハロメチルケトンインヒビター(トリペプタイド、
 ZGGPCに)においては、カゼインに対しては10
0%その酵素活性が阻害されたが、エラスチンでは36
%の残存活性が認められた。
7)洗剤耐性 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBS)およ
びソディウムドデシルサルフェート(SO5)を用い、
それぞれ0.2%溶液となるように、PH7、PH10
,5の各緩衝液に溶解し、これに最終濃度が100 μ
g/rmflとなるようにプロテアーゼAH−101を
加え、 30℃で所定時間放置した後、残存活性を測定
した。結果は第2表の通りである。
第2表 8)等電点(pI) PH3〜10のグラジェントポリアクリルアミドゲルを
用いてプロテアーゼA)I−101の等電点電気泳動を
行った結果、等電点はPH9,2であった。なお標準物
質としては、チトクロームC(pH9,6)、鯨ミオグ
ロビン(pH8,1)、馬ミオグロビ’/ (pH7,
0)、ヒト炭酸脱水##B (pH5,5)、ウシ血清
アルブミン(pH6,0)を用いた。
9)分子量 5DS−ポリアクリルアミド電気泳動により1分子量2
9000を得た。なお分子量マーカーとしてα−ラクト
アルブミン(分子量14400)、  トリプシンイン
ヒビター(分子量20100)、炭酸脱水#!l(分子
量30000) 、オボアルブミン(分子量43000
)、アルブミン(分子量67000)、ホスホリラーゼ
b(分子量94000)を用いた。
10)比活性 pH10,5における比活性は2400U/wtg−タ
ンパク質である。
11)アミノ酸組成 プロテアーゼAH−101を4N−メタンスルホン酸を
用いて加水分解した後、液体クロマトグラフィーにより
アミノ酸組成を分析した。結果を第3表に示す。
アミノ酸分析の結果は、アルギニン残基数が他の酵素に
比べて多いほかは特に顕著な傾向は認められなかった。
アミノ末端から20残基までの領域におけるアミノ酸配
列は、他の酵素との比較において高いホモロジーを示し
た。
第3表 上記各特性を示すプロテアーゼAH−101と従来公知
のアルカリプロテアーゼとの比較を、第4表に示す。な
お耐熱性は熱処理により活性が50%失われる時の温度
を示した。
第4表 文献 1) K、 I(orikoshi: Agricul
tural andBiological Chemi
stry 35.1407. (1971)2) S、
 Tsuno:神戸大学教育学部研究集録40.49゜
3) D、 Tsuru: Agricultural
 and BiologicalChemistry 
30.1261. (1966)4〕福本:特公昭47
−4501号 5〕村尾:特公昭47−1832号 6〕嶋村:特公昭46−42956号 7〕八木:特公昭46−21786号 8) Kundu : Applied Microb
iology 16.11.(1968)9〕磯野:特
公昭46−5038号 10〕八木:特公昭46−41594号11〕掘越、池
田:特公昭55−46711号12〕掘越、吉田:特公
昭56−4236号13〕藤原:特公昭62−3191
1号このようなプロテアーゼAH−101を生産するた
めの前記バチルスsp、 No、 AH−101菌株の
好ましい培養条件は次の通りである。まず培地としては
炭素源、窒素源、無機塩など、微生物の生育に必要な成
分を含むものに炭酸塩を加えたものを用いる。
炭素源としては可溶性デンプン、グルコースなどが使用
できる。
窒素源としては、従来のコーンステイープリカー、ポリ
ペプトン、イーストエキストラクト、大豆粉、魚肉エキ
スなどに代えて、ゼラチンを使用する。ゼラチンととも
に、前記フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン
、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン
等のアミノ酸を併用するのが好ましい、ゼラチンの添加
量は0.5〜2%(w/v)、好ましくは0.5%(w
/v)程度、アミノ酸の添加量は合計量で0.05〜0
.2%(w/ν)、好ましくは0.1%(w/v)程度
が適当である。
無機塩としてはリン酸水素二カリウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化亜鉛などが使用できる。
培地に加える炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウムなどが使用でき、添加する濃度としては、
0.5〜2%(w/v)程度とし、pH9,5付近にす
ることが望ましい。
上記の培地で、37℃でバチルスsp、 No、 AH
−101菌株を好気的に培養すれば、培養開始後約24
時間でプロテアーゼAH−101の生産量が最大となる
培養温度が低いと1例えば20℃ではプロテアーゼA)
I−101は生産されず、また温度が高くてもその生産
量が低下する。またpl(をアルカリ側にすることも重
要であり、プロテアーゼAH−101を生産させるため
にはp)19.5付近にすることが望ましい、さらに、
バチルスsp、No、AH−101菌株は通性嫌気性菌
であるが、プロテアーゼAH−101を生産させるため
には通気することが必要とされ、通気量は1.5vv閣
程度が好ましい。
このようにして得られた培養液は、遠心分離などで菌体
を分離して粗酵素液とすることができる。
粗酵素液は菌体から採取することもできる。粗酵素液は
当分野公知の分離精製手段1例えば限外濾過、ゲル濾過
、イオン交換、電気泳動、吸着剤などの手段によって精
製し、酵素標品(精製―素)を得ることができる。
アルカリプロテアーゼとしてプロテアーゼAH−101
を使用した場合、プロテアーゼAH−101はカルシウ
ムイオンの存在下、80℃でも耐熱性があり、しかもそ
の80℃で最大活性を示し、広範囲のp)Iで安定で、
かつ洗剤などに対しても安定である。
本発明では上記のようなプロテアーゼの生産方法におい
て、ゼラチンを含む培地により培養を行うため、プロテ
アーゼを高生産性で生産することができる。この場合前
記アミノ酸を併用することにより、さらに生産性は高く
なり、コーンステイープリカーを用いた場合に比べ、生
産性が約70%向上する。
またゼラチンは培地由来の色がほとんどなく。
培養後の培養液の色も膚色がなく、コーンステイープリ
カーに比べ、格段にきれいであり、精製時における脱色
の手間も大幅に軽減される。さらにゼラチンは、きよう
雑物の比較的少ない天然タンパク質であるため、培地濃
度を濃くした高濃度培養が可能であり、高濃度培養を行
うことにより。
より高い生産性の向上が可能である。
〔実施例〕
次に本発明の実施例について説明する。
なお各例中、培地組成を表わす%はv/v%である。
実施例1 可溶性デンプン2%、K、HPo、 0.1%、 Mg
5O,・7H,OO,03%、ZnCら0.03%、C
aCQ、 0.03%および炭酸水素ナトリウム(20
%水溶液として別殺菌して加えた)2%よりなる基本培
地に第5表に示す窒素源を加えて滅菌した液体培地にバ
チルスsp、 No、 At(−101菌株を接種し、
ロータリーシェーカを用いて37℃で36時間培養した
。この培養液を遠心分離して菌体を除去し、粗酵素液を
得た。
この粗酵素液のプロテアーゼ活性を測定した結果を第5
表に示す。
慎5裏 g1源がプロテアーゼ生産に及ぼす影響第5表
の結果より、基本培地に0.5%のゼラチンを添加した
培地を用いると、コーンステイープリカーに比べ約30
%生産性が増加することがわかる。
実施例2 実施例1で用いた基本培地に0.5%のゼラチンを加え
、さらに第6表に示す各アミノ酸を0.1%添加した培
地を用い、ロータリーシェーカにより37℃で70時間
培養し、実施例1と同様に粗酵素液のプロテアーゼ活性
を測定した結果、およびゼラチンのみで培養した場合に
対する活性比を第6表に示す。
第6表の結果より、フェニルアラニン、トリプトファン
、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジンお
よびアルギニンを添加した場合、ゼラチン単独の場合よ
りプロテアーゼの生産性が高くなり、プロリンを添加し
た場合は約30%の生産性の増加がみられることがわか
る。
以上の結果から、ゼラチンとアミノ酸を組合せた培地を
用いることにより、コーンステイープリカーを用いた場
合と比べて、約70%の生産性の増加が観察された。
実施例3 コーンステイープリカーおよびゼラチンの添加量を変え
て、実施例1と同様に培養を行い、培地の色(OD 4
20nm)を測定した結果を第7表に示す。
第7表の結果より、コーンステイープリカーとゼラチン
の間では、明らかに色の濃さが異なり。
ゼラチンの方が着色が少なく、きれいである。コーンス
テイープリカーの場合は2%、ゼラチンの場合は0.5
%を窒素源として用いているが、この両者を比較すると
、色の濃さが約40倍異なることがわかる。
実施例4 高濃度培養の効果を見るために、以下に示す培地の濃度
を1から5倍に増加させて、実施例1と同様に2Qの発
酵槽により、37℃、pH9,5で2日間培養を行い、
得られた菌体量(00)と酵素活性を測定した。
培地    (%) ゼラチン        0・5 可溶性デンプン     2.0 に、 HPO,O・1 Mg504・7H200,03 CaCI2. ・2H200、03 NaHCO,2,0 結果を第8表に示す。
第8表培地濃度の影響 Xi  X2  X5 菌体量  (00)    7,0  19.0  5
2.5酵素活性 CU/■12)   2300  4
100  6200第8表の結果より、高濃度培養によ
って菌体量および酵素活性の上昇が見られ、5倍濃度の
培養では約2.7倍の酵素活性の上昇が見られた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ゼラチンまたはゼラチンと特定のアミ
ノ酸を含む培地によりプロテアーゼ生産菌を培養するよ
うにしたため1着色のないプロテアーゼを、高生産性で
生産することができる6
【図面の簡単な説明】
第1図はプロテアーゼAH−101の至適PHを示すグ
ラフ、第2図はプロテアーゼAH−101の安定PHの
範囲を示すグラフ、第3図はプロテアーゼAH−1ot
の作用適温の範囲を示すグラフ、第4図はプロテアーゼ
AH−101の熱安定性を示すグラフである。 代理人 弁理士 柳 原   成 第1図 pH(−) 第2図 pH(−) 残存法a(’/、) シ8性比(−)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)バチルス属に属するプロテアーゼ生産菌を、ゼラ
    チンを含む培地で培養し、培養物からプロテアーゼを採
    取することを特徴とするプロテアーゼの生産方法。
  2. (2)ゼラチンを含む培地が、さらにフェニルアラニン
    、トリプトファン、プロリン、アスパラギン酸、グルタ
    ミン酸、リジンおよびアルギニンよりなる群から選ばれ
    るアミノ酸の少なくとも1種を含むことを特徴とする請
    求項(1)記載のプロテアーゼの生産方法。
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