JPH0418460Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はクツシヨン体、特に車輛等におけるシ
ートの背もたれ部分に用いられるクツシヨン体の
改良に関する。

〔従来の技術〕

この種のクツシヨン体として、従来から第２図
ABに示すものが製造されている。同図におい
て、１は背当て部である。該背当て部１の下縁を
除く縁部には、裏面側に向けて略垂直に側部２が
立設されている。また、この側部２の先端から
は、前記背当て部１の裏面に対して略平行に内側
に向けて鰭部３が延設されている。そして、上記
のクツシヨン体はポリウレタンフオーム等のモー
ルド成形可能な発泡体を用いて一体成形により製
造されている。このクツシヨン体は、第３図に示
すように複数のバネ４が張設されたフレーム５
を、バネ４が背当て部１の裏面に当接するように
して内部に装着し、更にその上にレザー等の表面
材（図示せず）を張つた状態で車輛用シートの背
もたれ部分として用いられる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のように、第２図の従来のクツシヨン体は
鰭部３が背当て部１に対して略平行に延設されて
いるため、もつとも垂直に立つている鰭部をフレ
ーム５の表面に折曲げる場合と違つて跳上つたり
することがなく、アセンブリー時の作業性がよい
という特徴を有している。

しかし、第２図のクツシヨン体における鰭部３
には、フレーム５の表面を押圧し、これを積極的
に保持する作用はない。

そこで、本考案は装着されたフレームを鰭部が
確実に保持するようなクツシヨン体を提供しよう
とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案によるクツシヨン体は、背当て部の下端
を除く縁部に、該背当て部の裏面側に向けて側部
を立設すると共に、該側部の先端から内側に向け
て鰭部を延設した一体成形の発泡体からなるクツ
シヨン体において、前記鰭部と前記側部とのなす
角度がクツシヨン体の上端部では略直角で、下端
部に行くに従つて徐々に小さくなつていることを
特徴とするものである。

即ち、本考案のクツシヨン体では、その上端部
付近では鰭部が背当て部に対して略平行になつて
いるが、それよりも下の方では鰭部が背当て部に
向かつて下方に傾斜しており、且つ下端部に行く
ほどその傾斜が大きくなつている。

〔作用〕

本考案のクツシヨン体では、鰭部のうちの下向
きに傾斜した部分を押上げてフレームが装着され
る。従つて、押上げられた鰭部はその反撥弾性に
よつてフレームの表面を押圧するため、確実にフ
レーム表面に密着し、装着されたフレームを積極
的に保持する。

また、クツシヨン体の上部では、鰭部が背当て
部の裏面に対して平行に延出しているため、クツ
シヨン体の下部から一旦挿入されたフレームは、
クツシヨン体上部の鰭部に邪魔されることなく、
最後まで挿入されることができる。

〔実施例〕

第１図Ａは本考案の一実施例になるクツシヨン
体を示す斜視図であり、第１図BCDは夫々同図
ＡのＢ−Ｂ線、Ｃ−Ｃ線、Ｄ−Ｄ線に沿う断面図
である。これらの図において、第２図と同じ部分
には同一の参照番号を付してある。即ち、１は背
当て部、２は側部、３は鰭部である。第１図
BCDから明らかように、この実施例における鰭
部３は、クツシヨン体の上部では従来のクツシヨ
ン体と同じく背当て部１に対して略平行である
が、下端部に行くに従つて徐々に下向きに傾斜し
ている。それ以外の構成は、は全て第２図の従来
例と同じである。

上記実施例のクツシヨン体は、第３図に示した
と同様にフレーム５を装着してアセンブリーした
状態において、鰭部３のうち、もとも下方に傾斜
して設けられた部分がフレーム５によつて上向き
に押上げられる。このため、押上げられた鰭部に
はフレーム５の表面を押圧する反撥弾性が働いて
いるから、鰭部３はこの反撥弾性によりフレーム
５の表面に確実に密着し、且つこれを積極的に保
持する。従つて、クツシヨン体をレザー等の表面
材で覆う等、その後の工程における作業性を著し
く向上することができる。

なお、第１図BCに明瞭に図示されているよう
に、鰭部３は下方に向けて傾斜しているが、その
傾斜度はクツシヨン体の上部から下部に向けて
徐々に大きくなつている。その結果、クツシヨン
体の上部では、鰭部３は背当て部１の裏面に対し
て略平行に延設されている。従つて、フレームを
装着する際、クツシヨン体の下部から一旦フレー
ムが装着された後は、フレームの挿入に対する鰭
部３の抵抗は徐々に減少し、クツシヨン体の最上
部では殆ど抵抗なしにフレームを挿入できる。こ
れは、フレーム装着の作業性向上につながる他、
フレームを確実かつ完全に最後まで挿入すること
を可能にする。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本考案によるクツシヨン
体は、フレームを装着した状態においてその表面
に確実に密着し、且つ積極的にこれを保持するか
ら、その後のアセンブリー工程における作業性を
向上できる等、顕著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本考案の一実施例になるクツシヨン
体の斜視図、第１図BCDは夫々同図ＡのＢ−Ｂ
線、Ｃ−Ｃ線、Ｄ−Ｄ線に沿う断面図、第２図は
従来のクツシヨン体を示す図であり、第３図はこ
れにフレームをアセンブリーした状態を示す斜視
図である。 １……背当て部、２……側部、３……鰭部、４
……バネ、５……フレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背当て部の下端を除く縁部に、該背当て部の裏
   面側に向けて側部を立設すると共に、該側部の先
   端から内側に向けて鰭部を延設した一体成形の発
   泡体からなるクツシヨン体において、前記鰭部と
   前記側部とのなす角度がクツシヨン体の上端部で
   は略直角で、下端部に行くに従つて徐々に小さく
   なつていることを特徴とするクツシヨン体。