JPH0418342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は収穫機に係り、主としてマルチ栽培し
た、たとえば、にんにく玉や、こんにやく玉のよ
うな地下塊茎収穫物を収穫するものに関する。

（従来の技術） 従来、マルチ栽培された収穫物を収穫する収穫
機としては、たとえば、特公昭52−12095号公報
に記載されたものが知られている。この公報に記
載された構造は、マルチフイルム上にトマトを刈
倒し、このトマト及びマルチフイルムをコンベヤ
上に載せて搬送し、トマトは、コンベヤの搬出端
部から後方部に搬出するとともに、マルチフイル
ムは、コンベヤの搬出端部のガイドを介してコン
ベヤの後方下部に設けたフイルム巻取装置によつ
て巻取るようにしたものである。

（考案が解決しようとする課題） 前記公報に記載された構造では、トマト及びマ
ルチフイルムをコンベヤ上に載せて搬送するとと
もに、このマルチフイルムをコンベヤの後方下部
に折返してフイルム巻取装置によつて巻取るた
め、コンベヤの回行速度とフイルム巻取装置の巻
取速度を一致させなければならないので構造が複
雑になり、またマルチフイルムを巻取るととも
に、次第にフイルム巻取装置の周速度が変化する
ので、マルチフイルムの巻取速度がコンベヤの回
行速度より次第に早まり、トマトを載せたマルチ
フイルムが独立して強制的に引張られ、トマトの
重みと相俟つてマルチフイルムが千切れることが
あつて回収の確実性に欠け、さらに、マルチ栽培
された地下に存在する地下塊茎収穫物を収穫する
ことはその構造上から不能である、という問題が
ある。

そこで、本考案はこのような課題に鑑みてなさ
れたもので、マルチフイルムをコンベヤの上方に
剥離回収しながら地下塊茎収穫物を収穫すること
ができるようにし、マルチフイルムと地下塊茎収
穫物は互いに干渉し合うことなく別ルートで容易
にかつそれぞれを確実に回収及び収穫することが
でき、構造が簡単でマルチフイルムが千切れるこ
とのない収穫機を提供することを目的とするもの
である。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 本考案の収穫機は、機枠と、この機枠の前端部
に突設され機枠の前進に伴つて地下塊茎収穫物を
掘起す掘起体と、この掘起体の後部に後上りに傾
斜して連設され掘起体から搬入された土をふるい
落しながら地下塊茎収穫物を後方に搬送するコン
ベヤと、このコンベヤの上方部に位置して前記機
枠に設けられ機枠の前進に伴つて圃場面を被覆し
たマルチフイルムを順次圃場面の上方に剥離しな
がら地下塊茎収穫物とは別に回収するフイルム回
収手段と、を具備したものである。

（作用） 本考案の収穫機では、マルチフイルムは順次圃
場から上方に剥離されながらフイルム回収手段に
よつて回収され、またこのマルチフイルムの回収
作業と同時に、地下塊茎収穫物は掘起体によつて
掘起されるとともに、この地下塊茎収穫物は、コ
ンベヤによつて土を振るい落しながら後方に搬送
されて収穫される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を添附図面を参照して
説明する。

図において、１は機枠としての主枠で、この主
枠１の両端部に支枠２を介して機枠としての側枠
３が相対して連設されている。また上記主枠１の
中間部に入力軸４を前方に向けて突出したミツシ
ヨン内蔵のミツシヨンケース５が介在され、この
ミツシヨンケース５内のミツシヨンの出力軸６が
主枠１内に回転自在に設けられて両端部に延在さ
れている。また上記主枠１の両端部に連結アーム
７の基端部が一体に止着され、この両側の連結ア
ーム７の先端部にロワピン８が止着されている。
さらに上記ミツシヨンケース５の上部にトツプア
ーム９の基端部が一体に止着され、このトツプア
ーム９の先端部に連結孔１０が穿設されていると
ともに、このトツプアーム９と上記両側の連結ア
ーム７とは連杆１１にて連結されている。

つぎに、上記主枠１の両端部に第１のチエーン
ケース１２及びブラケツト１３の基端部が相対し
て一体に連設され、この第１のチエーンケース１
２及びブラケツト１３の先端部間にギヤボツクス
１４が介在されている。また上記ギヤボツクス１
４内に駆動軸１５が回転自在に設けられ、この駆
動軸１５の軸方向に所定の間隔をおいて複数のベ
ベルギヤ１６が一体に止着され、上記駆動軸１５
の第１のチエーンケース１２内に突出した突出部
にスプロケツト１７が止着されているとともに、
このスプロケツト１７と上記出力軸６のスプロケ
ツト１８との間に無端チエーン１９が懸架されて
いる。

上記ギヤボツクス１４の下面部にそれぞれ軸受
２０を介して複数の回転軸２１が回転自在に垂設
され、この各回転軸２１の上端部に止着されたベ
ベルギヤ２２が上記各ベベルギヤ１６に噛合され
て回転自在に連設されている。また上記各回転軸
２１の下端部に地下塊茎収穫物ａの茎葉類を切断
する円盤状の回転カツター２３が止着され、この
各回転カツター２３の相互は略同一平面において
回転自在に設けられているとともに、上記各回転
軸２１の両側下方部に切断した茎葉類を放出する
羽根２４が取着されている。また上記両側の支枠
２に連結片２５が前下方部に向つて一体に突出さ
れ、この両側の連結片２５の先端部に覆土を排除
する犂状の排土体２６が一体に止着されている。

つぎに、上記両側の側枠３の後側上部にブラケ
ツト２７が相対して一体に立設され、この両側の
ブラケツト２７の上部間にフイルム回収手段とし
てのマルチフイルムＦを巻取る巻取ローラ２８が
この巻取ローラ２８と一体の回転軸２９を介して
回転自在に支架され、この回転軸２９の一端部が
第２のチエーンケース３０の一端部内に突出され
上記巻取ローラ２８は収穫機の進行速度に同調し
て回転駆動されるようになつている。また上記第
２のチエーンケース３０の他端部は上記ブラケツ
ト２７に止着されているとともに、この第２のチ
エーンケース３０の他端部内に上記ミツシヨンの
出力軸６の他端部が突出され、この出力軸６の突
出端部に止着したスプロケツト３１と上記回転軸
２９の突出端部に止着したスプロケツト３２との
間に無端チエーン３３が懸架されている。

また上記両側の側枠３の前端下部間に掘起体と
しての先金３４が突出され、この先金３４の後端
部に後上りに傾斜して設けられたコンベヤ３５の
搬入部が連設され、このコンベヤ３５の搬出部に
上記両側の側枠３の後端部に止着したコンテナ受
台３６が配設されている。上記コンベヤ３５は、
上記先金３４の後端部に近接した位置において上
記両側の側枠３間に回転自在に横架された従動軸
３７と、上記両側の側枠３の後方上部に回転自在
に横架された駆動軸３８と、この駆動軸３８と上
記従動軸３７間に、相対する無端チエーン間に多
数の横杆３９を回転自在に並設軸架して構成した
無端体４０をスプロケツト４１及び従動ローラ４
２を介して回行自在に懸架して構成されている。
また上記コンベヤ３５の駆動軸３８の一端部が一
方の側枠３に突出され、この突出端部に止着した
Ｖプーリ４３と上記出力軸６のＶプーリ４４との
間にＶベルト４５が懸架されている。さらに、上
記両側の側枠３の中間下部に接地板４６のアーム
４７が支軸４７ａを介して上下動自在に枢着さ
れ、この接地板４６に下端部が回動自在に枢着さ
れた調節支杆４８の上方部が側枠３に固着した係
止金具４９に上下位置調節自在に挿通され、か
つ、その設定位置がロツクピン５０によつてロツ
クされるようになつている。

このように構成されたものにおいて、トラクタ
の両側のロワリンクに両側のロワピン８を連結す
るとともに、トラクタのトツプリンクにトツプア
ーム９を連結孔１０に挿通した連結ピンを介して
連結する。またトラクタの出力軸部に連動媒体を
介して入力軸４を連動連結する。

つぎに、トラクタにより、入力軸４から入力し
た動力によつて、ミツシヨンの出力軸６が連動回
動されると、この出力軸６に無端チエーン１９，
３３及びＶベルト４５を介して連動連結した駆動
軸１５、回転軸２９及び駆動軸３８が回転され
る。

そして、駆動軸１５の回転により、各ベベルギ
ヤ１６，２２を介してそれぞれの回転軸２１が回
転されて回転カツター２３及び羽根２４が回転さ
れ、また上記回転軸２９の回転により、巻取ロー
ラ２８がマルチフイルムＦを巻取る方向に回転さ
れ、さらには駆動軸３８の回転により、コンベヤ
３５の無端体４０が第１図矢視方向に連動回行さ
れる。

そうして、圃場においてトラクタにより、収穫
機を牽引すると、各回転カツター２３は、圃場面
を被覆したマルチフイルムＦにそつて前進回転し
つつこの各回転カツター２３によつてマルチフイ
ルムＦ上に突出した地下塊茎収穫物ａの茎葉類が
マルチフイルムＦ上において切断されるととも
に、その切断された茎葉は羽根２４によつて外方
に放出され、またマルチフイルムＦの両側部上に
載置されたマルチフイルムＦを押えるための重し
用の覆土は、両側の排土体２６によつて外側方に
排除され、マルチフイルムＦは圃場面から剥離可
能状態となる。また巻取ローラ２８は回転しつ
つ、この巻取ローラ２８によつてマルチフイルム
Ｆが圃場面から上方に順次剥離されながら巻取ら
れるとともに、先金３４は茎葉類が切断された地
下塊茎収穫物ａを掘起しながら前進し、地下塊茎
収穫物ａは、先金３４からコンベヤ３５上に搬入
され、その無端体４０によつて土をふるい落しな
がら後方に搬送され、その搬出端部からコンテナ
受台３６上に載置したコンテナＡ内に搬入され
る。

このようにして、マルチフイルムＦと地下塊茎
収穫物ａは互いに干渉し合うことなく別ルートで
連続的に回収及び収穫されるものである。

つぎに、前記実施例ではフイルム回収手段とし
てマルチフイルムＦは巻取ローラ２８によつて巻
取る場合について説明したが、これに限らず、た
とえば、覆土及び茎葉類を除去後において、マル
チフイルムＦをローラなどによつて引張りながら
回収し、これを後方に順次放出するようにしても
よい。また上記の場合、マルチフイルムＦは広が
りを持つたままでもよく、また広がつたものを紐
状にまとめて放出するようにしてもよい。またマ
ルチフイルムＦの回収にあたつては、所定位置に
コルターを設け、このコルターによつてマルチフ
イルムＦを所定巾に分断するようにしてもよい。

〔考案の効果〕

本考案によれば、コンベヤの上方部にフイルム
回収手段を設けたので、このフイルム回収手段に
よつて圃場面を被覆したマルチフイルムを圃場面
の上方に順次剥離しながら確実に回収することが
でき、かつ、このマルチフイルムは上方に回収す
ることによつてマルチフイルム上の雑物や土が自
動的に排除され雑物や土をまき込むことなくマル
チフイルムを円滑に回収することができ、しか
も、マルチフイルム上に収穫物を載せて回収しな
いので回収に際して収穫物の重みによつてマルチ
フイルムが千切れるようなことがない。またマル
チフイルムによつてマルチ栽培された地下塊茎収
穫物は掘起体によつて順次掘起されるとともに、
この地下塊茎収穫物はコンベヤによつて土をふる
い落しながら後上方に搬送されるが、この際、マ
ルチフイルムは、地下塊茎収穫物とは別に上方に
回収されるので、地下塊茎収穫物はマルチフイル
ムに干渉されることなく掘起され、かつ、後上方
に搬送される。したがつて、マルチフイルムを剥
離回収しながら地下塊茎収穫物を同時に収穫する
ことができるが、マルチフイルムと地下塊茎収穫
物とは互いに干渉し合うことなく別ルートでそれ
ぞれが容易にかつ確実に回収及び収穫することが
でき、作業性を向上することができ、またマルチ
フイルム上に収穫物を載せて回収・収穫するもの
に比べ、全体的にその構造が簡単で製作が容易で
ある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
収穫機の側面図、第２図は同上拡大斜視図、第３
図は同上作業説明図である。 １，３……機枠、２８……フイルム回収手段、
３４……掘起体、３５……コンベヤ、Ｆ……マル
チフイルム、ａ……地下塊茎収穫物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機枠と、この機枠の前端下部に突設され機枠の
   前進に伴つて地下塊茎収穫物を掘起す掘起体と、
   この掘起体の後部に後上りに傾斜して連設され掘
   起体から搬入された土をふるい落しながら地下塊
   茎収穫物を後方に搬送するコンベヤと、このコン
   ベヤの上方部に位置して前記機枠に設けられ機枠
   の前進に伴つて圃場面を被覆したマルチフイルム
   を順次圃場面に上方に剥離しながら地下塊茎収穫
   物とは別に回収するフイルム回収手段と、を具備
   したことを特徴とする収穫機。