JPH04176816A - 浸炭用鋼材の製造方法 - Google Patents
浸炭用鋼材の製造方法Info
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- JPH04176816A JPH04176816A JP30476390A JP30476390A JPH04176816A JP H04176816 A JPH04176816 A JP H04176816A JP 30476390 A JP30476390 A JP 30476390A JP 30476390 A JP30476390 A JP 30476390A JP H04176816 A JPH04176816 A JP H04176816A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、自動車をはじめとする輸送用機械。
産業用機械、農業用機械等の各種機械構造部材の素材と
して利用され、例えば、歯車類、軸受類。 シャフト類などの浸炭を施す部品の素材として利用され
る浸炭用鋼材を得るのに好適な浸炭用鋼材の製造方法に
関するものである。 (従来の技術) 上述した歯車類、軸受類、シャフト類などの各種機械構
造部品は、浸炭用鋼材を用いて所定の形状に成形加工さ
れ、これによって得られた成形品に対してガス浸炭や浸
炭窒化などの表面硬化処理を施して表面の耐摩耗性を向
上させたり、疲労強度を高めたりした製品とされること
が多い。 この場合、従来の表面硬化処理では約950℃未満で行
うことが多く、所要の浸炭あるいは浸炭窒化処理深さを
得るために長時間の熱処理を行っていたが、このような
長時間の熱処理は部品の生産性向上を阻害する大きな要
因のひとつとなっていた。 そこで、このような状況を背景として、950℃以上の
高温で浸炭処理を行って表面硬化処理時間の短縮を図る
ことも行われるようになっている。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の浸炭用鋼材を用いて950℃以上
での高温浸炭処理を行って処理時間の短縮を図ろうとし
た場合に、結晶粒が部分的に粗大化することかあり、こ
のような結晶粒の粗大化を生じたときには浸炭処理後の
焼入れ時に大きな熱処理歪みが生じたり、部品強度の低
下をきたしたりすることがあるという問題点があった。 そのため、高温での浸炭処理後にいったん変態点以下の
温度まで急冷し、再度オーステナイト温度域まで加熱し
て焼入れするといういわゆる細粒化処理を行う方法を採
用することもあったが、再加熱焼入れを行うために処理
時間が増加し、従来の950℃未満での浸炭処理に比べ
て処理時間がさほど短縮せず、高温での短時間浸炭処理
の特長を十分に活かしきれないという問題点があって、
このような問題点を解決することが課題となっていた。 (発明の目的) 本発明は、このような従来の課題にかんがみてなされた
もので、950℃以上の高温での浸炭処理を行ったとき
でも結晶粒の粗大化を生じがたく、したがって浸炭処理
後の焼入れによって大きな熱処理歪を発生したり部品強
度の低下を生じたりすることがない浸炭用鋼材を提供す
ることを目的としている。
して利用され、例えば、歯車類、軸受類。 シャフト類などの浸炭を施す部品の素材として利用され
る浸炭用鋼材を得るのに好適な浸炭用鋼材の製造方法に
関するものである。 (従来の技術) 上述した歯車類、軸受類、シャフト類などの各種機械構
造部品は、浸炭用鋼材を用いて所定の形状に成形加工さ
れ、これによって得られた成形品に対してガス浸炭や浸
炭窒化などの表面硬化処理を施して表面の耐摩耗性を向
上させたり、疲労強度を高めたりした製品とされること
が多い。 この場合、従来の表面硬化処理では約950℃未満で行
うことが多く、所要の浸炭あるいは浸炭窒化処理深さを
得るために長時間の熱処理を行っていたが、このような
長時間の熱処理は部品の生産性向上を阻害する大きな要
因のひとつとなっていた。 そこで、このような状況を背景として、950℃以上の
高温で浸炭処理を行って表面硬化処理時間の短縮を図る
ことも行われるようになっている。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の浸炭用鋼材を用いて950℃以上
での高温浸炭処理を行って処理時間の短縮を図ろうとし
た場合に、結晶粒が部分的に粗大化することかあり、こ
のような結晶粒の粗大化を生じたときには浸炭処理後の
焼入れ時に大きな熱処理歪みが生じたり、部品強度の低
下をきたしたりすることがあるという問題点があった。 そのため、高温での浸炭処理後にいったん変態点以下の
温度まで急冷し、再度オーステナイト温度域まで加熱し
て焼入れするといういわゆる細粒化処理を行う方法を採
用することもあったが、再加熱焼入れを行うために処理
時間が増加し、従来の950℃未満での浸炭処理に比べ
て処理時間がさほど短縮せず、高温での短時間浸炭処理
の特長を十分に活かしきれないという問題点があって、
このような問題点を解決することが課題となっていた。 (発明の目的) 本発明は、このような従来の課題にかんがみてなされた
もので、950℃以上の高温での浸炭処理を行ったとき
でも結晶粒の粗大化を生じがたく、したがって浸炭処理
後の焼入れによって大きな熱処理歪を発生したり部品強
度の低下を生じたりすることがない浸炭用鋼材を提供す
ることを目的としている。
(課題を解決するだめの手段)
本発明に係わる浸炭用鋼材の製造方法は、Nb・0.0
1〜0.50重量%、V:0.01〜0゜50重量%、
Ti・0.01〜0.50重量%のうちの1種または2
種以上と、N:0.005〜0.030重量%、Al:
Q、01〜0.06重量%を含有した浸炭用鋼の鋼塊ま
たは鋳片を加熱分塊圧延して鋼片とし、前記鋼片を12
00℃以上に加熱して圧延する構成としたことを特徴と
しており、上述した浸炭用鋼材の製造方法に係わる発明
の構成を前述した従来の課題を解決するための手段とし
ている。 浸炭時間を短縮するための950℃以上での高温浸炭に
おいて、結晶粒の粗大化を防止するために、Nb、V、
Tiを添加した浸炭用鋼も使用されているが、これは、
Nb、V、Tiの炭窒化物による結晶粒成長防止を意図
したものである。 本発明者の調査によれば、浸炭焼入れ後の部材において
、結晶粒か粗大化した部分の近傍には比較的大きなNb
やVの炭窒化物がみられ、細かくかつ均一に分散した炭
窒化物の近傍における結晶粒は浸炭焼入れ後も比較的整
細粒のままとなっていることが認められた。 従って、Nb、V、Tiの炭窒化物を細かくかつ均一に
分散させておくことができれば、高温での浸炭焼入れ後
も結晶粒が粗大化しない整流粒のものとなり、浸炭部品
に大きな焼入れ歪が生じたり、部品強度の低下をきたし
たりすることがなくなると考えて本発明に至ったもので
ある。 そこで、本発明に係わる浸炭用鋼材の製造方法において
、炭窒化物形成元素であるNbを0.01〜0.50重
量%、■を0.01〜0.50重量%、Tiを0.01
〜0,50重量%のうちの1種または2種以上と、Nを
0.005〜0.030重量%、AIを0.01〜0.
06重量%含有する浸炭用鋼を用いることとした。 そして、このような浸炭用鋼の鋼塊または鋳片の加熱分
塊圧延により鋳造凝固時に生成したNb。 V、Tiの炭窒化物のうち大きなものを一部固溶させて
小さくすると共に、巨大炭窒化物の一部を分断して細か
いものとする。このとき、Nb、V。 Tjの炭窒化物は固溶しにくく、かつまた中心部の炭窒
化物は巨大なものとなっていることから、分塊圧延前の
加熱においてすべて固溶させることは困難である。 次いで、分塊圧延により得られた鋼片(ビレット)を1
200℃以上に加熱(均熱、ソーキング)することによ
り、分塊圧延後に残存していたNb。 V、Tiの炭窒化物を十分に固溶させる。このような鋼
片段階での加熱を行うことによって、鋼塊および鋳片で
の加熱を含めた全体のソーキング時間の短縮をはかるこ
とが可能であると共に、巨大炭窒化物への欠陥の導入に
より固溶速度を上昇させて炭窒化物の固溶度を高め、さ
らには晶出物とマトリックスとの間での反応界面積の増
大をはかりうるようになる。 この鋼片段階での加熱において、加熱温度が低いと炭窒
化物の固°溶までに長時間を必要とするので、1200
℃以上とするのが良い。しかし、温度が高すぎると操業
上において困難を伴いやすく、炉の耐用温度を考慮すれ
ば1400℃以下とすることが望ましいと言える。 かくして、鋼片を1200℃以上に加熱して圧延するこ
とにより、線材、棒材、板材などの浸炭用鋼材とする。 この圧延中においては、析出可能な多数の部位が形成さ
れて、これらの部位にNb、V、Tiの炭窒化物が析出
し、比較的細かい炭窒化物が均一に分散したものとする
ことにより、浸炭焼入れ時に結晶粒の粗大化が生じがた
い浸炭用鋼材となる。 この浸炭用鋼材は圧延後に放冷されるが、ここで得た浸
炭用鋼材は鋼片に比較して断面が小さなものとなってい
るので、Nb、V、Tiの炭窒化物が成長することなく
整細粒のままで鋼中にととどまる。 次に、本発明に係わる浸炭用鋼材の製造方法において用
いられる浸炭用鋼における化学成分組成のより好ましい
範囲(重量%)について述べることとする。 Cは浸炭部品の強度を確保すると共に、Nb。 V、Tiと炭窒化物を形成するのに有用な元素であるが
、0.1%よりも少ないととくに芯部強度が得がたくな
るので好ましくない。しかし、多すぎると靭性や冷間鍛
造性が低下する傾向となるので、0.3%以下とするの
が良い。 Siは鋼溶製時の脱酸剤として有用な元素であり、この
ためには0.01%以上とすることが望ましい。しかし
、多すぎると靭性や冷間鍛造性を低下させることとなる
ので1.00%以下とすることが望ましい。 Mnは鋼溶製時の脱酸剤および脱硫剤として有用な元素
であり、このためには0.01%以上とすることが望ま
しい。しかし、多すぎると熱間加工性や被削性が劣化す
ることとなるので、2.00%以下とすることが望まし
い。 Ni、Cr、Moは鋼の焼入れ性をより一層向上させる
のに有用な元素であるので、浸炭部品の大きさ等に応じ
てこれらの1種または2種以上を必要に応じて含有させ
るのも良い。しかし、多すぎると靭性を低下させること
があるので、含有させるとしてもNiは5%以下、Cr
も5%以下、MOは1%以下とするのが良い。 Nb、V、Tiは炭窒化物を形成してこれら炭窒化物の
ピンニング効果により結晶粒の異常成長を防止するのに
有用な元素であり、このような効果を得るためにNbを
0.01%以上、■も0゜01%以上、Tiも0.01
%以上とする必要がある。しかし、多すぎると結晶粒の
粗大化防止作用がかえって低下するため、Nbは0.5
0%以下、■も0.50%以下、Tiも0.50%以下
とする必要がある。 AIは脱酸剤として作用すると共に窒化物AINを形成
し、浸炭時の結晶粒粗大化防止にある程度寄与する元素
であり、必要なAIN量を生成させるために0.01%
以上含有させる。しかし、多すぎると鋼の清浄度を害す
るので0.06%以下とする必要がある。 NはAI、Nb、V、Tiと共に炭窒化物を形成して浸
炭処理時の結晶粒粗大化を防止するのに有用な元素であ
り、このような効果を得るために0.005%以上含有
させることが必要である。 しかし、多すぎるとブローホールの原因となるので0.
03%以下とすることが必要である。 (発明の作用) 本発明に係わる浸炭用鋼材の製造方法では、上述した構
成としているので、浸炭用鋼の鋼塊または鋳片の加熱分
塊圧延により、鋳造凝固時に生成したNb、V、Tiの
炭窒化物のうち大きなものが一部固溶されて小さくなる
と共に、分断されて細かなものとなり、次いで分塊圧延
により得られた鋼片を1200℃以上に加熱することに
よって、分塊圧延後に残存していたNb、V、Tiの炭
窒化物が十分に固溶され、この後の圧延中において析出
可能な部位が多数形成されてここにNb、 V。 Tiの炭窒化物が析出し、比較的細かい炭窒化物が均一
に分散することにより、浸炭焼入れ時に結晶粒の粗大化
を生じがたい浸炭用鋼材が得られるようになる。 (実施例) 第1表に示す化学成分の鋼を溶製したのち造塊し、得ら
れた鋼塊を1200〜1360℃に加熱して分塊圧延す
ることにより鋼片とした。 次いで、各鋼片を同じく第1表に示す温度に加熱したの
ち圧延して浸炭用鋼材を得た。 続いて、得られた各浸炭用鋼材に対して、970℃で5
時間の高温浸炭および焼入れを行って、浸炭焼入れ時の
結晶粒粗大化の発生状況を調べた。 この結果を同じく第1表に示す。 第1表に示すように、Nb、V、Tiの1種または2種
以上とNとAIを所定量含有する鋼塊を加熱分塊圧延し
て鋼片とし、前記鋼片を1200℃以上に加熱して圧延
することにより得られた実施例1〜11の浸炭用鋼材で
は、高温での浸炭焼入れにおいて粗大結晶粒の発生が認
められなかった。 これに対して、Nb、V、Tiを含有していなかったり
、鋼片加熱温度が1200℃よりも低かったりして本発
明の構成要件を満足していない比較例13〜17の浸炭
用鋼材では、浸炭焼入れにおいて粗大結晶粒が発生して
いた。
1〜0.50重量%、V:0.01〜0゜50重量%、
Ti・0.01〜0.50重量%のうちの1種または2
種以上と、N:0.005〜0.030重量%、Al:
Q、01〜0.06重量%を含有した浸炭用鋼の鋼塊ま
たは鋳片を加熱分塊圧延して鋼片とし、前記鋼片を12
00℃以上に加熱して圧延する構成としたことを特徴と
しており、上述した浸炭用鋼材の製造方法に係わる発明
の構成を前述した従来の課題を解決するための手段とし
ている。 浸炭時間を短縮するための950℃以上での高温浸炭に
おいて、結晶粒の粗大化を防止するために、Nb、V、
Tiを添加した浸炭用鋼も使用されているが、これは、
Nb、V、Tiの炭窒化物による結晶粒成長防止を意図
したものである。 本発明者の調査によれば、浸炭焼入れ後の部材において
、結晶粒か粗大化した部分の近傍には比較的大きなNb
やVの炭窒化物がみられ、細かくかつ均一に分散した炭
窒化物の近傍における結晶粒は浸炭焼入れ後も比較的整
細粒のままとなっていることが認められた。 従って、Nb、V、Tiの炭窒化物を細かくかつ均一に
分散させておくことができれば、高温での浸炭焼入れ後
も結晶粒が粗大化しない整流粒のものとなり、浸炭部品
に大きな焼入れ歪が生じたり、部品強度の低下をきたし
たりすることがなくなると考えて本発明に至ったもので
ある。 そこで、本発明に係わる浸炭用鋼材の製造方法において
、炭窒化物形成元素であるNbを0.01〜0.50重
量%、■を0.01〜0.50重量%、Tiを0.01
〜0,50重量%のうちの1種または2種以上と、Nを
0.005〜0.030重量%、AIを0.01〜0.
06重量%含有する浸炭用鋼を用いることとした。 そして、このような浸炭用鋼の鋼塊または鋳片の加熱分
塊圧延により鋳造凝固時に生成したNb。 V、Tiの炭窒化物のうち大きなものを一部固溶させて
小さくすると共に、巨大炭窒化物の一部を分断して細か
いものとする。このとき、Nb、V。 Tjの炭窒化物は固溶しにくく、かつまた中心部の炭窒
化物は巨大なものとなっていることから、分塊圧延前の
加熱においてすべて固溶させることは困難である。 次いで、分塊圧延により得られた鋼片(ビレット)を1
200℃以上に加熱(均熱、ソーキング)することによ
り、分塊圧延後に残存していたNb。 V、Tiの炭窒化物を十分に固溶させる。このような鋼
片段階での加熱を行うことによって、鋼塊および鋳片で
の加熱を含めた全体のソーキング時間の短縮をはかるこ
とが可能であると共に、巨大炭窒化物への欠陥の導入に
より固溶速度を上昇させて炭窒化物の固溶度を高め、さ
らには晶出物とマトリックスとの間での反応界面積の増
大をはかりうるようになる。 この鋼片段階での加熱において、加熱温度が低いと炭窒
化物の固°溶までに長時間を必要とするので、1200
℃以上とするのが良い。しかし、温度が高すぎると操業
上において困難を伴いやすく、炉の耐用温度を考慮すれ
ば1400℃以下とすることが望ましいと言える。 かくして、鋼片を1200℃以上に加熱して圧延するこ
とにより、線材、棒材、板材などの浸炭用鋼材とする。 この圧延中においては、析出可能な多数の部位が形成さ
れて、これらの部位にNb、V、Tiの炭窒化物が析出
し、比較的細かい炭窒化物が均一に分散したものとする
ことにより、浸炭焼入れ時に結晶粒の粗大化が生じがた
い浸炭用鋼材となる。 この浸炭用鋼材は圧延後に放冷されるが、ここで得た浸
炭用鋼材は鋼片に比較して断面が小さなものとなってい
るので、Nb、V、Tiの炭窒化物が成長することなく
整細粒のままで鋼中にととどまる。 次に、本発明に係わる浸炭用鋼材の製造方法において用
いられる浸炭用鋼における化学成分組成のより好ましい
範囲(重量%)について述べることとする。 Cは浸炭部品の強度を確保すると共に、Nb。 V、Tiと炭窒化物を形成するのに有用な元素であるが
、0.1%よりも少ないととくに芯部強度が得がたくな
るので好ましくない。しかし、多すぎると靭性や冷間鍛
造性が低下する傾向となるので、0.3%以下とするの
が良い。 Siは鋼溶製時の脱酸剤として有用な元素であり、この
ためには0.01%以上とすることが望ましい。しかし
、多すぎると靭性や冷間鍛造性を低下させることとなる
ので1.00%以下とすることが望ましい。 Mnは鋼溶製時の脱酸剤および脱硫剤として有用な元素
であり、このためには0.01%以上とすることが望ま
しい。しかし、多すぎると熱間加工性や被削性が劣化す
ることとなるので、2.00%以下とすることが望まし
い。 Ni、Cr、Moは鋼の焼入れ性をより一層向上させる
のに有用な元素であるので、浸炭部品の大きさ等に応じ
てこれらの1種または2種以上を必要に応じて含有させ
るのも良い。しかし、多すぎると靭性を低下させること
があるので、含有させるとしてもNiは5%以下、Cr
も5%以下、MOは1%以下とするのが良い。 Nb、V、Tiは炭窒化物を形成してこれら炭窒化物の
ピンニング効果により結晶粒の異常成長を防止するのに
有用な元素であり、このような効果を得るためにNbを
0.01%以上、■も0゜01%以上、Tiも0.01
%以上とする必要がある。しかし、多すぎると結晶粒の
粗大化防止作用がかえって低下するため、Nbは0.5
0%以下、■も0.50%以下、Tiも0.50%以下
とする必要がある。 AIは脱酸剤として作用すると共に窒化物AINを形成
し、浸炭時の結晶粒粗大化防止にある程度寄与する元素
であり、必要なAIN量を生成させるために0.01%
以上含有させる。しかし、多すぎると鋼の清浄度を害す
るので0.06%以下とする必要がある。 NはAI、Nb、V、Tiと共に炭窒化物を形成して浸
炭処理時の結晶粒粗大化を防止するのに有用な元素であ
り、このような効果を得るために0.005%以上含有
させることが必要である。 しかし、多すぎるとブローホールの原因となるので0.
03%以下とすることが必要である。 (発明の作用) 本発明に係わる浸炭用鋼材の製造方法では、上述した構
成としているので、浸炭用鋼の鋼塊または鋳片の加熱分
塊圧延により、鋳造凝固時に生成したNb、V、Tiの
炭窒化物のうち大きなものが一部固溶されて小さくなる
と共に、分断されて細かなものとなり、次いで分塊圧延
により得られた鋼片を1200℃以上に加熱することに
よって、分塊圧延後に残存していたNb、V、Tiの炭
窒化物が十分に固溶され、この後の圧延中において析出
可能な部位が多数形成されてここにNb、 V。 Tiの炭窒化物が析出し、比較的細かい炭窒化物が均一
に分散することにより、浸炭焼入れ時に結晶粒の粗大化
を生じがたい浸炭用鋼材が得られるようになる。 (実施例) 第1表に示す化学成分の鋼を溶製したのち造塊し、得ら
れた鋼塊を1200〜1360℃に加熱して分塊圧延す
ることにより鋼片とした。 次いで、各鋼片を同じく第1表に示す温度に加熱したの
ち圧延して浸炭用鋼材を得た。 続いて、得られた各浸炭用鋼材に対して、970℃で5
時間の高温浸炭および焼入れを行って、浸炭焼入れ時の
結晶粒粗大化の発生状況を調べた。 この結果を同じく第1表に示す。 第1表に示すように、Nb、V、Tiの1種または2種
以上とNとAIを所定量含有する鋼塊を加熱分塊圧延し
て鋼片とし、前記鋼片を1200℃以上に加熱して圧延
することにより得られた実施例1〜11の浸炭用鋼材で
は、高温での浸炭焼入れにおいて粗大結晶粒の発生が認
められなかった。 これに対して、Nb、V、Tiを含有していなかったり
、鋼片加熱温度が1200℃よりも低かったりして本発
明の構成要件を満足していない比較例13〜17の浸炭
用鋼材では、浸炭焼入れにおいて粗大結晶粒が発生して
いた。
本発明に係わる浸炭用鋼材の製造方法によれば、所定成
分の浸炭用鋼の鋼塊または鋳片を加熱分塊圧延して鋼片
とし、前記鋼片を1200℃以上に加熱して圧延するこ
とにより浸炭用鋼材を得るようにしているので、比較的
細かなNb、V、Tiの炭窒化物が均一に分散した浸炭
用鋼材となっていることから、950℃を超えるような
高温での浸炭焼入れを行ったときでも、結晶粒が粗大化
するのを防止することが可能であり、高温浸炭の長所で
ある短時間表面硬化処理が可能であると共に、結晶粒の
粗大化に伴う熱処理歪の発生や強度の低下を防止するこ
とが可能であるという著しく優れた効果がもたらされる
。 特許出願人 大同特殊鋼株式会社
分の浸炭用鋼の鋼塊または鋳片を加熱分塊圧延して鋼片
とし、前記鋼片を1200℃以上に加熱して圧延するこ
とにより浸炭用鋼材を得るようにしているので、比較的
細かなNb、V、Tiの炭窒化物が均一に分散した浸炭
用鋼材となっていることから、950℃を超えるような
高温での浸炭焼入れを行ったときでも、結晶粒が粗大化
するのを防止することが可能であり、高温浸炭の長所で
ある短時間表面硬化処理が可能であると共に、結晶粒の
粗大化に伴う熱処理歪の発生や強度の低下を防止するこ
とが可能であるという著しく優れた効果がもたらされる
。 特許出願人 大同特殊鋼株式会社
Claims (3)
- (1) Nb:0.01〜0.50重量%、V:0.0
1〜0.50重量%、Ti:0.01〜0.50重量%
のうちの1種または2種以上と、N:0.005〜0.
030重量%、Al:0.01〜0.06重量%を含有
した浸炭用鋼の鋼塊または鋳片を加熱分塊圧延して鋼片
とし、前記鋼片を1200℃以上に加熱して圧延するこ
とを特徴とする浸炭用鋼材の製造方法。 - (2) 浸炭用鋼は、C:0.1〜0.3重量%、Si
:0.01〜1.00重量%、Mn:0.01〜2.0
0重量%を含むものである請求項第1項に記載の浸炭用
鋼材の製造方法。 - (3) 浸炭用鋼は、Ni:5重量%以下、Cr:5重
量%以下、Mo:1重量%以下のうちの1種または2種
以上を含むものである請求項第2項に記載の浸炭用鋼材
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30476390A JPH04176816A (ja) | 1990-11-09 | 1990-11-09 | 浸炭用鋼材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30476390A JPH04176816A (ja) | 1990-11-09 | 1990-11-09 | 浸炭用鋼材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04176816A true JPH04176816A (ja) | 1992-06-24 |
Family
ID=17936938
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30476390A Pending JPH04176816A (ja) | 1990-11-09 | 1990-11-09 | 浸炭用鋼材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04176816A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0673492A (ja) * | 1993-03-19 | 1994-03-15 | Aichi Steel Works Ltd | 高品質肌焼鋼 |
-
1990
- 1990-11-09 JP JP30476390A patent/JPH04176816A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0673492A (ja) * | 1993-03-19 | 1994-03-15 | Aichi Steel Works Ltd | 高品質肌焼鋼 |
JPH0826432B2 (ja) * | 1993-03-19 | 1996-03-13 | 愛知製鋼株式会社 | 高品質肌焼鋼 |
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