JPH04173730A - 徐放性口腔内疾患治療剤およびその製法 - Google Patents

徐放性口腔内疾患治療剤およびその製法

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JPH04173730A
JPH04173730A JP30186190A JP30186190A JPH04173730A JP H04173730 A JPH04173730 A JP H04173730A JP 30186190 A JP30186190 A JP 30186190A JP 30186190 A JP30186190 A JP 30186190A JP H04173730 A JPH04173730 A JP H04173730A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、歯周ポケット、歯周部位、歯髄等に挿入して
用いる歯周疾患、歯髄炎などの治療用の徐放性口腔内疾
患治療剤およびその製法に関する。
灸米勿技先 細菌学を中心とした基礎的研究の発展により、歯肉縁下
プラークの細菌が歯周疾患の病因の一つと言われている
。一方、臨床面においても。
歯肉縁下プラークおよび歯肉縁下画面などの歯根面への
沈着物を徹底的に除去すれば、著しい治療効果が誌めら
れることも報告されている。
しかし、歯肉疾患の治療上重要な歯肉縁下プラークをコ
ントロールする方法は確立されていない。近年になり、
歯肉縁下のプラークをコントロールする方法として、以
下の方法が報告されている。
・1 細菌剤溶液をポケット内に潅流または注入する方
法[、LH,Hardy、 N、H,Newman、 
J、D。
5trahan; J、C11nical Perio
dontology: L57−65. (1982)
]。
■ 抗生物質ゲル剤を注入する方法[直良有香他2日歯
周誌29.2.484 (1987)、磯島修他2日歯
周誌29.2.472 (1987)、村山洋二他2日
歯周誌30. l、 206 (1,988)コ。
■ 水不溶性の高分子物質からなる細片に殺菌剤を含有
させ、この細片を歯周ポケット内に入れ、ポケット内の
嫌気性菌を殺菌する方法[M、Addy、 Perio
dontal November。
693 (1982)]。
(工・  歯周疾、低治療薬物を水溶性フィルムに含有
させたフィルムまたはシートを歯周ポケット内に挿入す
る方法(特開昭59〜222406号公報、同62−2
23112号公報、同62−223113号公報、同6
2−223114号公報)。
しかし、上記J、■の方法では、歯周ポケットの底部ま
で薬剤を到達させることかできない。
(′3の方法では、高分子物質が水不溶性であるために
、患部を刺激するという問題がある。
また、■の方法では、ポケット内浸出液、唾液等により
、基剤である水溶性高分子が膨潤、溶解しやすいために
、ポケット内から基剤が脱落したり、基剤からの薬物放
出性が高すぎるなどの問題点があった。
一方、歯髄炎治療においても同様の問題があり、歯髄に
確実に薬剤投与ができ、薬剤の徐放性が可能な製剤の開
発が望まれていた。
発明が解決しようとする課題 本発明は、上記の■〜■の問題点を解決し、基剤がポケ
ット底部や歯髄まで到達し、膨潤、溶解を抑制すること
によって基剤がポケット、歯髄内に長時間滞留し、かつ
、基剤からの薬物放出性をコントロールした徐放性口腔
内疾患治療剤およびその製法を捉供するものである。
見房匁1戒 本発明の徐放性ロ腔内疾、懲治療剤は、アニオン性水溶
性高分子以外の水溶性高分子およびアニオン性水溶性高
分子と架橋または水難溶性塩を形成しうる金属塩を含有
するA層と、非イオン性水溶性高分子およびアニオン性
水溶性高分子を含有するB層とを有する層構造基剤に、
口腔内疾患治療に有効な物質を含有せしめたことを特徴
とする。
この徐放性口腔内疾患治療剤は、上記のA層成分を含む
A層形成用溶液と、B層成分を含むB層形成用溶液とを
それぞれ流延し、溶媒除去して形成されるA屑フイルム
および8層フィルムを、2層あるいは3層以上の積層体
としたのち、キユアリングすることにより得られる。口
腔内疾患治療に有効な物質は、A層および/またはB層
形成用溶液に配合しておく。フィルム積層体は、例えば
以下の方法で製造できる。
・11  A屑フイルム面上に、B層形成用溶液を流延
、溶媒除去して、あるいはさらにA層形成用溶液を流延
、溶媒除去してA:B2層積層フィルムまたはA:B:
A3層積層フィルムを形成する。
、l  8層フィルムの片面上に、A層形成用溶液を流
延、溶媒除去して、あるいはさらにA層形成溶液をB層
フィルム残り片面上に流延、溶媒除去してA: B2層
積層フィルムまたはA二B:A3層積層フィルムを形成
する。
■ A層形成用溶液とB層形成用溶液とをそれぞれ個別
に流延、溶媒除去してA屑フイルムと8層フィルムとを
別体で形成し、これらを積層一体化して、A:82層積
層フィルムまたはA:B:A3層積層フィルムを形成す
る。
B:A:B3層積層フィルムや4層以上の積層フィルム
は、上記方法を応用することにより製造できる。
本発明の治療剤は、水溶性高分子を基剤としているので
、柔軟なフィルム状とすることができ、異和感もなく歯
周ポケットや歯髄に挿入することができる。また、挿入
後は、ポケット内浸出液、唾液等により溶解したA層の
金属塩とB層のアニオン性水溶性高分子とが架橋を形成
し、あるいは水難溶性塩を形成し、多層構造基剤の膨潤
性、溶解性が抑制される。これによりポケットまたは歯
髄内での基剤の滞留性が向上し、薬物の徐放性、局所持
続性が実現する。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の徐放性口腔内疾患治療剤は、A層とB層との積
層構造からなる。この多層構造の層の数は、2層以上で
あればよく、その上限は特に制限がないが、製造方法の
容易さおよび製造コストの点から2層(A:B)または
3層構造のものが好ましい。3層以上のものでは、両側
の最外層がA層のものが好ましく、3層構造で言えば、
A:B:Aの積層構造が好ましい。このタイプのものは
、ポケット等への挿入後の膨潤性、溶解性の抑制効果に
優れ、基剤の滞留性がよく、薬物の徐放性、局所持続性
か良好である。
A層およびB層の膜厚はそれぞれ10−1.000μm
が好ましい。また、多層構造全体の膜厚は、1200μ
m以下が望ましく、より好ましくは200〜500μm
である。
A層の膜厚が10μm未満では、金属塩の含有量が少な
くなり、基剤に対する十分な膨潤性、溶解性のコントロ
ールが困難となる。また、B層が10μm未満となると
、架橋化されるまたは水難溶性塩を形成するアニオン性
水溶性高分子の量が少なくなり、十分な薬物の徐放性が
得られない。
多層構造基剤全体の膜厚が1200μmを超えると、歯
周ポケット内に挿入しずらく、また、挿入できたとして
も、ポケット底部まで到達しなかったり、患部に疼痛刺
激、異和感を与え易いという雛点を有する。
B層は、基剤として非イオン性水溶性高分子とアニオン
性水溶性高分子との双方を含有する。
(a)非イオン性水溶性高分子と(b)アニオン性水溶
性高分子の配合比は、重量比で(a)/ (b) =3
0/70〜9515の範囲が好ましく、より好ましくは
40/60〜85/15である。この配合比が30 、
/ 70未満のときは、乾燥膜において非イオン性水溶
性高分子とアニオン性水溶性高分子との相溶性が低下し
たり、柔軟なフィルムが生成しずらく、また、金属塩に
よる架橋反応が生じても、アニオン性高分子の解離基数
が多いため、基剤の膨潤性、溶解性を十分に抑制するこ
とが難しい。
一方、配合重量比が9575を超える場合、解離基数が
少なすぎて、架橋密度が上がらず、多層構造基剤全体の
膨潤性、溶解性を十分抑制できない問題が生じ、基剤か
らの薬物徐放性に劣る。
B層に用いられる非イオン性水溶性高分子の具体例とし
ては以下のものが挙げられ、これらは単独であるいは2
種以上併用して用いられる。
・メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース低
級アルキルエーテル化合物 ・ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のビ
ニル化合物 ・プルラン、でんぷん等の多糖類およびその誘導体 ・ポリアクリルアミド ・ポリエチレンオキサイド ・高分子量ポリエチレングリコール等のポリオキシアル
キレン類 また、B層に用いられるアニオン性水溶性高分子の具体
例としては以下のものが挙げられ、これらは単独である
いは2種以上混合して用いられる。
・カルボキシビニルポリマー ・カルボキシメチルセルロ−ス メチルセルロースカルシウム等の塩類 ・ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム等の塩類 ・アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アン
モニウム、アルギン酸トリエタノールアミン等の塩類、 ・トラガント ・メタアクリル酸、スチレンあるいはビニル形エーテル
モノマー等をアクリル酸と共重合したコポリマーおよび
その塩類 さらに、B層中には上記以外の水溶性高分子を配合でき
、例えば以下のものが1種または2種以上添加される。
・ゼラチン等のポリペプチド ・グアーガム ・アラビアゴム ・キチン、キトサン 一方、A層は、基剤として水溶性高分子および水溶性金
属塩を含有する。
A層の水溶性高分子としては、B層に使用できるアニオ
ン性水溶性高分子以外の水溶性高分子が単独であるいは
2種以上組み合わせて好適に用いられるが、A層形成用
溶液の調製時に金属塩と不溶物を生成しなかったり、溶
媒除去後にA屑フイルムが不均一にならなければアニオ
ン性水溶性高分子を少量使用しても良い。
AまたはB層中の水溶性高分子の量は、層ないしフィル
ムを形成しうる量であれば特に限定されない。
A層の金属塩としては、B層に添加されるアニオン性水
溶性高分子と架橋を生成するか、あるいは水叢溶性塩を
形成する金属塩であれば、その種類を選ばないが、安全
性や使用感の良さから、マグネシウム、カルシウム、バ
リウム。
亜鉛、銅、鉄、アルミニウム、スズ等の二価以上の無機
または有機金属塩が好ましい。特に、局方等の公定書な
どに記載され、安全性に優れているものとして以下のも
のが挙げられる。
マグネシウム塩:塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム
、酢酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシ
ウム カルシウム塩:塩化カルシウム、硫酸カルシウム、クエ
ン酸カルシウム、水酸化カルシウム、パントテン酸カル
シウム、プロピオン酸カルシウム、グルコン酸カルシウ
ム、酢酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、リン酸カル
シウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸性ピロリ
ン酸カルシウム バリウム塩:塩化バリウム、酸化バリウム亜鈴:塩化亜
鈴、硫酸亜鉛、グルコン酸亜釦。
酢酸亜鉛 銅ニゲルコン酸銅、クエン酸鋼、酢酸第二銅、銅クロロ
フイリンナトリウム 鉄:塩化第一鉄、塩化第二鉄、クエン酸第−鉄ナトリウ
ム、クエン酸鉄ナトリウム、クエン酸鉄アンモニウム、
グルコン酸第−鉄、グルコン酸鉄、鉄クロロフィリンナ
トリウム、ピロリン酸鉄、 アルミニウム:塩化アルミニウム、アルミニウムミョウ
バン、カリウムミョウバン スズ:塩化第一スズ その他、金属を含有する制酸剤、例えばアルカマツク、
グリシナール等も使用できる。
上記の金属塩は1種または2種以上の混合物として使用
でき、その金属塩の使用量はB層に配合されるアニオン
性水溶性高分子の種類と量により適宜決定されるが、通
常、A層中に0.5〜20重量%配合することが好まし
い。
本発明の徐放仕口腟内疾患治療剤では、上記A層または
B層の双方あるいはいずれ一方に歯周疾患、歯髄疾患等
の口腔内疾患の治療(予防をも含む)に有効な物質が配
合される。これら有効物質は、A、B両層の双方に配合
することが最も好ましく、いずれか一方の層のみに配合
する場合は、B層に配合することが望ましい。
A、B両層に配合することにより、最外層のA層中の有
効物質が速効作用を発揮し、B層中の有効物質が徐放作
用を示す。B層のみに配合した場合は、速効性は小さい
が、徐放作用を発揮する。A層のみに配合した場合は、
速効性は発揮されるが、徐放性が低下する。
これら物質は、1種または2種以上併用して配合され、
また、その配合量は、薬物の薬理作用の強さ、対象とす
る疾患の症状等により適宜決定される。有効物質の中で
も、殺菌作用を有する薬物、抗菌作用を有する薬物、プ
ラーク溶解作用を有する薬物、局所麻酔作用を有する薬
物、抗炎症作用を有する薬物、抗ヒスタミン作用を有す
る薬物が特に好ましい。これらの具体例を挙げれば、以
下の通りである。
(1)殺菌作用を有する薬物 クロルヘキシジンまたは塩酸塩、メチロサール、プロテ
ィン銀、クロラミン、ヨードグリセリン、ヨードホルム
、ホウ酸、パラホルムアルデヒド、フェノール、ヘキシ
ルレゾルシン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニ
ウム、クロルヘキシジングルコネート、臭化フェノドデ
シウム、塩化デカリニウム、塩化セチルピリジニウム、
オフロキサシン、ポンピドンヨートなど。
(2)抗菌作用を有する薬物 テトラサイクリン、塩酸テトラサイクリン、ベンジルペ
ニシリン、アンピシリン、カルペニンリン、アセチルキ
タサマイシン、アモキシシリン、パンドラシン、セファ
ロチンナトリウム、セファロリジン、セファレキシン、
エリスロマイシン、クロラムフェニコール、塩酸オキシ
テトラサイクリン、塩酸ドキシサイクリン、硫酸ポリミ
キシンB、硫酸フラジオマイシン、硫酸ゲンタマイシン
、塩酸ミノサイクリンなど。
(3)プラーク溶解作用を有する薬物 塩化リゾチーム、アミラーゼ、デキストラナーゼ、プロ
テアーゼなど。
(4)局所麻酔作用する薬物 塩酸プロ力イン、塩酸オキシプロ力イン、塩酸テトラカ
イン、塩酸クロロプロ力イン、アミノ安息香酸エチル、
ジブカイン、塩酸ジブカイン、リドカイン、塩酸リドカ
イン、塩酸コカイン、テーカインなど。
(5)抗炎症作用を有する薬物 スルピリン、アンチピリン、アスピリン、フェニルブタ
シン、メピリゾール、オキシフェンブタシン、フエンブ
フエン、メフェナム酸、フルルビプロフェン、ジクロフ
ェナックナトリウム、ケトプロフェン、ナプロキセン、
塩酸チアラミト、塩酸ベンジダミン、アルクロフェナッ
ク、イブフェナック、クエン酸ペリソササール、イブプ
ロフェン、インドメタシン、フルフェナム酸アルミニウ
ム、塩酸チンリジン、クロフェゾンプロチジン酸、デキ
サメサゾン、トリアムシノロンアセトニド、プロスタグ
ランジン、塩酸イソチペンジル、メフェナム酸、ブフェ
キサマック、ハイドロコーチシン、プレドニゾロン、フ
ルオノシノロンアセトニド、酢酸ヒドロコルチゾン、酢
酸プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、酢酸デキサ
メサゾン、ベタメタシン、吉草酸ベタメタシン、フルメ
タシンなど。
(6)抗ヒスタミン剤 塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミ
ン、フレマスチンなど。
さらに、本発明の治療剤中には、その他必要に応してA
層またはB層中に各種添加剤を配合することができる。
これらの−例を挙げれば、以下の通りである。
1)可塑剤:ポリエチレングリコール(200〜600
0)、グリセリン、プロピレングリコール、1.3−ブ
チレングリコ ール、ソルビット、酸化エチレン・ 酸化プロピレン共重合体、ジエチル フタレート、ジブチルフタレート、 ブチルフタリルブチルグリコレート、 エチレングリコール、ジプロピレン グリコール、トリアセチン、スパン 型脂肪酸ラウリン酸など。
2)着色剤:タール色素など。
3)矯味矯臭剤:天然または合成香料、サッカリン、ク
エン酸、フマール酸、メ ントール、ハツカ油、酒石酸、アス パルテームなど。
4) 溶解調整剤ニジエラツク、ステアリン酸、パルミ
チン酸等の高級脂肪酸、エチ ルセルロース等の水不溶性高分子、 オイトラギノトE、L、S等のp)I感応性高分子、セ
タノール等の高級ア ルコール、HLBI〜8の親油性界 面活性剤、酸化チタン等の無機粉体 など。
5)安定化剤:ビタミンC、ビタミンE、亜硫酸ナトリ
ウム、ピロ亜硫酸ナトリ ウム、亜硫酸水素ナトリウム、ブチ ルヒドロキシトルエン、没食子酸ピ ロピル、ブチルヒドロキシアニソー ルなど。
本発明の治療剤の形状は、適用部位により適宜決定され
る。例えば、歯周ポケットまたは歯周部に挿入する場合
、形状はフィルム状、シート状または棒状が好ましく、
歯髄に挿入する場合は棒状が好ましい。また、治療剤の
大きさは、患部の大きさ、状態により決定されるが、通
常、ポケット挿入用には幅0.5〜2 、0mm、長さ
3〜15mm、厚さ0.02〜1 、2mmのものが一
般的である。
一方、歯髄挿入用には1幅0.1−1.5mm、長さ0
.5〜5mm、厚さ0.02〜1.Olのものが挙げら
れる。
次に本発明の徐放性口腔内疾患治療剤の製法を説明する
本発明の多層構造基剤は下記A層形成用溶液およびB層
形成用溶液を個別に調製し、流延、乾燥する湿式法によ
り製造できる。口腔内疾患治療に有効な物質は、下記溶
液のいずれか一方または双方に配合される。
A層形成用溶液:金属塩、水溶性高分子および必要に応
じて配合される添加剤を 含有する溶液。
B層形成用溶液:非イオン性水溶性高分子、アニオン性
水溶性高分子および必要 に応じて配合される添加剤を含有す する溶液。
以下、A:B:A層の3層構造の製剤を製造する場合を
例に挙げて説明する。2層の場合は一層の製膜を省略す
ることにより、4層以上の場合は同様な操作を繰り返す
ことに製造できる。
以下の3つの製法では製法Iが好適であり、必要に応じ
て、これらを選択し、あるいは組み合わせることができ
る。
(1)製法■ A層形成用溶液、B層形成用溶液およびA層形成用溶液
を、この順序で順次、流延、溶媒除去して3層構造フィ
ルムを形成する。
このフィルムをキユアリングすることにより、A:B:
Aの3層構造の治療剤が得られる。
(2)製法■ B層形成用溶液を流延、溶媒除去して8層フィルムを形
成する。この8層フィルムの片面にA層形成用溶液を流
延、溶媒除去し、さらにフィルムの残りの面にA層形成
用溶液を流延、溶媒除去して3層構造のフィルムを形成
し、キユアリングする。
(3)製法■ A層形成用溶液とB層形成用溶液を個別に流延、溶媒除
去し、得られたA層および8層フィルムをA層、B層、
A層の順に重ね合わせ、貼り合わせるなどして一体化し
たのち、キユアリングすることにより製造する。
上記のうち、製法Iは、フィルムの積層化を連続的に行
なうので、製造時間は多少かかるが、操作方法は容易で
あり、製造法として優れている。
製造法■は、A:Bの2層積層後、B層の残りの面にA
層形成用溶液を流延、乾燥する時に、A:Bの2層積層
フィルムを水平板に減圧吸引等により密着固定しなけれ
ば均一な膜厚の3層積層フィルムが得られないため、製
造に困難を伴なう。
製法■は、A屑フイルムと8層フィルムとを同時に乾燥
できるので、短時間に多層構造膜を製造できる特長があ
るが、空気が混入しないように貼り合わせるのは技術的
に容易ではない。
貼り合わせは、一定圧で加圧することにより行なうこと
ができ、場合によっては加熱して接着強度を高めること
ができる。具体的には、プレス板、ローラー等により圧
着する。接着強度を向上させるため、各フィルムの間に
水やエタノール等の溶媒を塗布したり、接着剤を塗布し
たりして一体化することもできる。
また、製法I、■の組み合わせにより製造することも可
能である。製法■によりA:Bの2層膜を2枚作成後、
8層面同志を接着し、A:BAAの3層膜を調製できる
(厳密に言えば、これはA:B:B:Aの4層膜になる
がB層膜は同一組成のため、3層膜として解釈する)。
本製法は、製法■に比べ短時間で均一な3層膜が調製で
きる特長を有する。
A層またはB層形成用溶液の調製に使用できる溶媒とし
ては、水、メタノール、エタノール、イソプロパツール
、アセトン、塩化メチレン、セルソルブ等があり、これ
らが単独であるいは混合溶媒として用いられる。使用す
る水溶性高分子および薬物の溶解性および安全性の点か
ら、水、エタノールまたはこれらの混合溶媒が好ましい
また、製法■、Hの場合、B屑フイルム面上にA層形成
用溶液を流延した時に、8層フィルム中のアニオン性水
溶性高分子が溶解して、A層形成用溶液中の金属塩と反
応することを抑えることが望ましい。この反応が進みす
ぎると、界面が相分離を起こして不均一となる。このた
め、アニオン性水溶性高分子の貧溶媒を、A層形成用溶
液の溶媒とすることが望ましく、例えば水−エタノール
混合溶媒を使用する場合は、エタノールの配合量を30
重量%以上とする。
流延方法としては、金属板上、ガラス板上、プラスチッ
ク板上、テフロン板上などに均一流延する方法が採用さ
れる。
乾燥方法は、使用する薬物の安定性により適宜選択され
、例えば、室温乾燥、風乾、加熱乾燥、低温乾燥、減圧
乾燥(50mmHg以上の中〜低減圧度)、減圧加熱乾
燥(50mmHg以上の中〜低減圧度)、減圧低温乾燥
(50nm)1g以上の中〜低減圧度)などがある。
多層構造基剤の最終的なキユアリングは、乾燥剤を用い
た室温乾燥、減圧室温乾燥(50mtaHg未満の高減
圧度)または減圧加熱乾燥(50mmHg未満の高減圧
度)により行なうことができ、徹底的に水分を除去して
有効成分の安定化を図る。
多層構造基剤からなる本発明の治療剤は、上記の流延−
乾燥法以外の製法によっても製造することができ、例え
ば、カレンダー法、溶融押出し法、湿式押出し法、グラ
フト印刷法などを採用できる。
見肌公処末 本発明の徐放性口腔内疾患治療剤によれば、異和感が少
なく基剤を歯周ポケット底部まで確実に到達させること
ができ、しかも、挿入後は基剤の膨潤性、溶解性を抑制
することができるので、基剤を歯周ポケット内に長時間
滞留させることができ、また、基剤からの薬物放出をコ
ントロールでき、長時間にわたって局所的に薬効を発現
せしめることが可能となり、歯周疾患の根本的な治療薬
を実現できる。
同様に、急性、慢性の歯髄炎等の他の口腔内疾患に対し
ても、薬物を炎症部位等に確実に投与でき、しかも薬物
放出をコントロールできるので、歯髄炎等の治療に有用
である。
尖鼻剪Z叉簾貫 比較例1 2%水溶液の20°Cにおける粘度が2000センチポ
イズであるヒドロキシプロピルセルロース100重量部
およびクロルヘキシジングルコネート1重量部をとり、
エタノール1.250mΩ中に徐々に加え撹拌して溶解
した。−夜装置して脱泡したのち、清浄なガラス板上に
流延しドクターナイフを用いて均一厚さとし、風乾後4
0℃で強制乾燥して厚さが300μ園のフィルム状製剤
を得た。この製剤のクロルヘキシジングルコネート濃度
は、1.0重量%を示した。なお、以下、特に断りがな
い限り、重量基準とする。
実施例1 (1)溶液の調製 (工・ A層形成用溶液: 140gのエタノールに以
下の各成分を溶解して調製した。
ヒドロキシプロピルセルロース 8.4gグリセリン 
        1.0g塩化亜鉛         
  0.5gクロルヘキシジングルコネート 0.1g
(λ B層形成用溶液: 140gの水に以下の各成分
を溶解して調製した。
ヒドロキシプロピルセルロース 6.9gアルギン酸ナ
トリウム     1.0gアルギン酸       
   1.0gグリセリン         1.0g
クロルヘキシジングルコネート 0.1g(2)多層構
造膜(本発明治療剤)の調製水平に設置したポリエチレ
ンテレフタレート製シートにA層形成用溶液を流延し、
室温のもとで、約100mm)Igの減圧度で減圧乾燥
し、A屑フイルムを作成する。このA屑フイルム面上に
B層形成用溶液を流延し、温度20〜70%、室温の雰
囲気のもとて自然乾燥させた。得られた2層の積層フィ
ルムを60℃で1時間減圧乾燥(約5 mmHg) し
て、多層構造膜からなる本発明の治療剤を得た。
A、B層の厚さは各々150μmで、合計の厚さが30
0μmの透明で柔軟性のあるものが製造できた。この製
剤のクロルヘキシジングルコネート濃度は0.98%を
示した。
実施例2 実施例1と同様に2層の積層フィルムを作成した後、さ
らにB屑フイルム面上にA層形成用溶液を流延、乾燥し
、60℃で1時間減圧乾燥し、A:B:Aの3層積層フ
ィルムからなる多層構造膜(治療剤)を作成した。A、
B層の厚さは各々100μmで、合計の厚さが300μ
mの透明で柔軟性のあるものが得られた。この製剤のク
ロルヘキシジルグルコネート濃度は0.99%を示した
実験例1 比較例1、実施例1,2で得た製剤を幅1mm、長さ1
0mmに裁断し、歯槽膿漏患者10名の歯周ポケットに
挿入投与し、3日後および7日後に歯周ポケット内の浸
出液を採取し、残存するクロルヘキシジングルコネート
を高速液体クロマトグラフィーで定量した。結果は表−
1の通りである。
比較例1     2.0±0.3    検出されず
実施例1      10.3±2.2    1.0
±0.4施例2     17.5±7.7    3
.8±0.7金属塩および水溶性高分子を配合したA層
とアニオン性水溶性高分子を配合したB層とからなる2
層以上の多層構造製剤において、薬剤の徐放・局所持続
性効果を認めた。
また、実施例1および2で用いたA層およびB層形成用
溶液を用い、前述の製法■または■に準じて、実施例1
,2と同様の2層または3層型多層構造製剤を調製して
試験したところ、同様に含有クロルヘキシジングルコネ
ートの徐放・局所持続性が認められた。
比較例2,3、実施例4〜7および実験例2後記表−2
に示すように、A、B両層の組成を変更し、実施例2と
同様の手順によりA:B:Aの3層型積層構造膜からな
る口腔内疾患治療剤を作成した。
ついで、実験例1と同様の評価を行ない、歯周ポケット
内浸出液に残存する塩酸テトラサイクリンをバイオアッ
セーで定量し、その結果を後記衣−3に示した(実験例
2)。
A層に金属塩の添加がない比較例2、A層に金属塩が配
合されているがB層にアニオン性水溶性高分子が配合さ
れていない比較例3は薬物の局所残留性が低い。
金属塩を含有する水溶性高分子(A層)とアニオン性高
分子を配合したB層との組合せにより、薬物の徐放性、
局所残留性が認められた(実施例4〜7)。
(以下余白) 表−3:2 比較例2     1.6±0.2    検出されず
比較例3     0.1±0.1    検出されず
実施例4     55.0±7.2    8.3±
7.7実施例5     72.3±2.1   12
.0±6.3実施例6     85.4±7.5  
 19.8±7.2実例7    123.2±15.
3  30.7±9.9比較例4、実施例8〜11およ
び実験例3後記表−4に示した組成のA:B:Aの3層
構造膜からなる口腔内疾患治療剤を作成した。
これらについて、実験例1と同様の評価を行ない、歯周
ポケット内浸出液に残存する塩酸ミノサイクリンをバイ
オアッセーで定量しく実験例3)、この結果を表−5に
示した。
B層中の非イオン高分子/アニオン性水溶性高分子の配
合重量比が30/70〜9515の範囲で著しい徐放性
および局所残留性を認めた。
30/70未満ではアニオン性水溶性高分子の膨潤性、
溶解性を全翼イオンでは十分に抑えることができない。
また、9515超える場合は、架橋化されるアニオン性
水溶性高分子の量が少ないため、基剤の溶解性を十分抑
えることができず薬物の徐放性が低くなる。
(以下余白) 実施例9     5.2±0.8    検出されず
実施例10     73.5±11.0   14.
2±3.3実施例1.1     6L2±17.2 
  10.5±5.8比較例5、実施例12〜14、実
験例4後記表−6に示した組成のA:B:A3層構造膜
からなる口腔内疾患治療剤を調製した。
これらについて実験例1と同様の評価を行ない、歯周ポ
ケット内浸出液に残存する塩酸テトラサイクリンをバイ
オアッセーで定量しく実験例4)、この結果を表−7に
示した。
B層中のアニオン性水溶性高分子の配合量の増大に伴な
って、歯周ポケット内浸出液中の塩酸テトラサイタリン
の残存量は増加した。
(以下余白) 表−7:4 比較例5     1.3±0.2    検出されず
実施例12     122  ±30.0   8.
L±0.6実施例13     134  ±25.5
   19.3±9.7実 例14    15g  
±23.7  20.5±8.9比較例6,7、実施例
15.16および実験例5後記表−8に示した組成のA
:B:A3層構造膜からなる口腔内疾患治療剤を調製し
た。
実施例15.16の製剤について、実験例1と同様の評
価を行ない、歯周ポケット内浸出液に残存するオフロキ
サシンをバイオアッセーで定量し、その結果を表−9に
示した(実験例5)。
金属塩をB層のアニオン性高分子と混合すると水に難溶
なアニオン性水溶性高分子の金属塩が生成し、水溶性高
分子のポリビニルピロリドンと相分離をおこし、乾燥後
のB層膜は不均一となる(比較例6,7)。
一方、金属塩をA層に配合し、B層のアニオン性高分子
と分離配合すれば、均一なり層膜および3層膜が調製可
能となる(実施例13.14)。
また、実施例15.16の製剤をヒト歯周ポケット内に
挿入した時、ポケット内浸出液により溶解したA層の金
属塩とB層のアニオン性水溶性高分子が架橋または難溶
性塩を形成し、3層構造基剤の膨潤性、溶解性を抑制し
、それによりポケット内での基剤の滞留性が向上し、薬
物の局所持続性が可能になった。
金属塩の配合量は、特に制限されないが、金属塩の配合
量が多いほど局所持続性が高い(表−9)。
(以下余白) 表−9:5 実施例15     30.5±11.3   5.3
±4.4実 例16     82.4±17.7  
25.6±11.0比較例8、実施例17〜20および
実験例6後記表−10に示した組成のA:B:A3層構
造膜からなる口腔内疾患治療剤を調製した。
これらについて、実験例1と同様の評価を行ない、歯周
ポケット内浸出液に残存する塩酸テトラサイクリンをバ
イオアッセーで定量し、その結果を表−11に示した(
実験例6)。
実施例17〜20の3層構造製剤は全て膜の厚さが40
0μで、塩酸テトラサイクリンの配合濃度は3%である
が、A層およびB層の薬物の配合比率を変えたり、各々
の膜の厚さを変えたりすることにより、歯周ポケット内
の薬物の持続性をコントロールすることができる。例え
ば、薬物を投与直後に多量放出したい時は、A層の薬物
濃度をあげれば良い。逆に、長時間の薬物放出を得たい
場合は、B層の薬物濃度を増やせば良い。
(以下余白) 表−1l:実験例6 比較例8     1.5±0.9    検出されず
実施例1,7     33.5±8.8   9.9
±4.7実施例18     30.7±12.7  
 18.2±8.5実施例19     45.2±9
.0   3.6±5.2実施例20     28.
6±9.3   20.0±7.6比較例9、実施例2
1.22および実験例7後記表−12に示した組成のA
:B:AまたはB:A:Bの3層構造膜からなる口腔内
疾患治療剤を調製した。
これらについて、実験例1と同様の評価を行ない、歯周
ポケット内浸出液に残存する塩酸クリンダマイシンをバ
イオアツセーで定量しく実験例7)、その結果を表−1
3に示した。
3層構造製剤の場合、A:B:Aの3層構造製剤のよう
に、金属塩を含有するA層を外層に。
B層を内層に配置した方が、薬物の局所持続性が高い。
これは、歯周ポケット内に挿入した時、浸出液等により
最初に溶解したA層の金属塩が、溶解流出する前のB層
中のアニオン性水溶性高分子と架橋を生成し、大部分の
基剤がポケット内で残留しやすいためである。
一方、B:A:Bの構成からなる三層構造製剤では、内
層中の金属塩と架橋生成前に、外層中のアニオン性水溶
性高分子が浸出液により溶解流出してしまうので、ポケ
ット内での基剤の残留性がやや劣るため、薬物の局所持
続性がやや低くなる。
したがって、B:A:BよりA:B:Aの構成からなる
3層構造製剤の方が局所持続性効果は高い。
(以下余白) 実施例21     12.5±3.6    0.8
±0.2実 例22     28.3±7.7   
9.1±3.3比較例10、実施例23〜25および実
験例8後記表−14に示した組成のA:B:Aの3層構
造膜からなる口腔内疾患治療剤を調製した。
これらについて、実験例1と同様の評価を行ない、歯周
ポケット内浸出液に残存する塩酸ミノサイクリンをバイ
オアッセーで定量し、その結果を表−15に示した(実
験例8)。
実施例23〜25の3層構造製剤は全て、膜の厚さが2
00μmである。
A層およびB層の膜厚は10μm以上で徐放性および局
所残留性を認めた。
A層の膜厚が10μm未満では、金属塩の含有量が少な
いため、基剤に対する十分な膨潤性、溶解性のコントロ
ールが困難であり、またB層が10μ鳳未満では架橋化
されるアニオン性水溶性高分子の量が少なく、十分な薬
物の徐放性が得られない。
(以下余白) 表−15:実  8 比較例10      1.0±0.4    検出さ
れず実施例23      8.1±4.3    検
出されず実施例24      5.3±3.7   
 検出されず実 例25     66.4±13−3
   12.5±6.9比較例11、実施例26 後記表−16に示した組成のA:B:Aの3層構造フィ
ルムを調製し、幅0.2重量、長さ2m+i4こ裁断し
て口腔内疾患治療剤とした。
また、比較例12として表−17に示した液剤を作成し
た。
これらについては、後述の実験例9で傷害度を総合評価
する。
(以下余白) 表−17:比較例12の 寿組 塩酸ミノサイクリン    1 % 塩酸インチベンジル    0.5% 塩塩酸ジブカレン     0.2% 水                 98.3%計 
              100.0%実験例9 w1star系雄性ラット8週令をネンブタール(腹腔
的投与0,1m 12/100g)麻酔下、片側上顎切
歯の崩出部、すなわちほぼ歯肉頂の高さで、歯科用ダイ
ヤモンドディスクにより切歯した。さらに実体顕Im鏡
下、切断歯の歯髄部に歯科用ドリルで直径0 、7mm
、深さ約11の穴をあけ、さらにハンドリーマで歯髄部
を約1mm開穴することにより炎症を惹起した。
次に、比較例11または実施例26の製剤を歯髄に挿入
した。
比較例12の液剤は、歯髄の穴部内に薬液が届くように
投与した。
炎症惹起24時間後に解剖、切歯を摘出し、以下の手順
にしたがい標本を作成した。
1、 解剖、切歯摘出 2、 ブアン固定(24〜72時間) 3、脱灰(Plank−Rychoro液、24時間)
4、 中和(5%硫酸ナトリウム、10〜12時間)5
、 流水水洗(−昼夜) 6、 包埋(ヒストマチック、40〜45時間)7、 
薄切 8、 ヘマトキシリン−エオシン染色(H−B染色)9
、標本完成 標本の観察は、H−B染色を施した標本により壊死の範
囲、多型核白血球の細胞浸潤・浮腫・出血の程度を以下
の表−18に示す判定基準にしたがい5段階で判定し、
さらに全項目を総合して傷害度の総合判定を行なった。
総合判定結果を表−19に示した。
(以下余白) められる。
中等度:開穴周辺部に広範に認められる。
軽  度:開穴周辺部に沿い帯状に認められる。
[総合判定] 4項目の評点を合計し、下記のように判定した。
総合判定     4項目の評点合計 +++         10点以上 ++      8〜9点 +       6〜7点 ±       4〜5点 −3点以下 (以下余白) 表−19=総合判定結果(例数) ×)比較例13は無投与 実施例26の結果を示すように、本則を歯髄に挿入した
時は、歯髄からの浸出液によりA層が最初に溶解し、A
層中の金属塩とB層中のアニオン性水溶性高分子が架橋
または難溶性塩を形成し、歯髄での本則の滞留性が向上
し、薬物の局所持続放出が可能になったため、高い薬効
効果が認められた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、アニオン性水溶性高分子以外の水溶性高分子および
    アニオン性水溶性高分子と架橋または水難溶性塩を形成
    しうる金属塩を含有するA層と、非イオン性水溶性高分
    子およびアニオン性水溶性高分子を含有するB層とを積
    層した層構造基剤に、口腔内疾患治療に有効な物質を含
    有せしめたことを特徴とする徐放性口腔内疾患治療剤。 2、アニオン性水溶性高分子以外の水溶性高分子および
    アニオン性水溶性高分子と架橋または水難溶性塩を形成
    しうる金属塩を含有するA層形成用溶液と、非イオン性
    水溶性高分子およびアニオン性水溶性高分子を含有する
    B層形成用溶液とを、 A層形成用溶液およびB層形成用溶液の順序で、または
    B層形成用溶液およびA層形成用溶液の順序で、あるい
    は、A層形成用溶液、B層形成用溶液およびA層形成用
    溶液の順序で、順次流延、溶媒除去を行なって多層構造
    フィルムを形成し、ついでキュアリングし、かつ、A層
    形成用溶液およびB層形成用溶液の少なくともいずれか
    1つに、口腔内疾患治療に有効な物質を含有せしめてお
    くことを特徴とする徐放性口腔内疾患治療剤の製法。
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