JPH0417370B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、試験装置、とくにコーテイングの耐
摩耗性を試験する機械に関する。

アルミニウム製および鋼製の飲料缶には、表面
を保護し且つラベリングを施すインキやワニスの
ような品目を含むコーテイングが施される。飲料
缶は各種の輸送方式、最も一般的には鉄道便とト
ラツク便とによつて輸送される。缶は積込み中に
あらゆる種類の振動にさらされ、この振動は缶の
コーテイングと缶の基材との双方に極めて有害で
あり得る。缶は一般に６個入りキヤリヤに詰めら
れ、互いに隣接し且つ互いに上下に積み重ねられ
る。接触している隣接各缶の表面は動揺の結果、
互いに擦り合う。このような動揺から重大な問題
が生じ得る。コーテイング自体が擦り落とされる
のみならず、缶に孔があくところまで缶の基材が
摩耗する可能性がある。

飲料缶の種々のコーテイングの耐摩耗性を試験
するため、実験室的な環境で輸送状態をシミユレ
ートする非常に大型の複雑な装置が以前用いられ
た。その試験結果は、実際の輸送状態において何
が起るかを予告し得るものである。しかしなが
ら、このような試験装置は、かさばることに加え
て、この種装置は比較的高価である。それ故、従
来この種の装置は、大規模試験所にのみ設けられ
るものであり、非試験用の缶をわざわざ試験所に
送る必要があつた。

本発明の目的は、コーテイングの耐摩耗性の振
動試験のためのコンパクトな試験機を提供するこ
とにある。

本発明によれば、試験片を振動時に互いに擦り
付け、試験片を支えるようにされた水平のプラツ
トホームをそなえる２個以上の試験片の試験装置
において、試験片の側面を契合し且つそこに圧力
を加えるようにされた水平加圧装置と、試験片の
頂部を係合し且つそこに圧力を加えるようにされ
た垂直加圧装置と、プラツトホームと垂直加圧装
置とを相互に関連して振動させる装置とを具備す
ることを特徴とする試験装置が得られる。

本発明の試験機は、現在用いられている大型の
高価な装置のそれと同等の試験結果を与えること
ができ、また、その小さい寸法と比較的安価な費
用の故に、缶製造業者の工場地域またはコーテイ
ング製造業者の工場地域に備え付けることができ
る。この試験装置はまた、飲料缶に用いられるも
ののみでなく、一般にコーテイングの耐摩耗性の
試験に用いることができる。

好適な形式の実施例の場合、試験片は、６個詰
めの形に並んだ缶である。缶の頂部を静止状態に
保ちながらプラツトホームが振動させられる。振
動の振幅および周波数、ならびに横方向および垂
直の力は全て調節自在である。キヤビネツト内の
環境を温度と湿度との双方について制御できるよ
うに、加圧装置と共にプラツトホームがキヤビネ
ツト内に全体的に収納される。

本発明の前記その他の特徴と利点とは、次の好
適な実施例の詳細な説明の中であきらかとなろ
う。

ここで図面について説明する。本発明による試
験機は、上縁がピアノ・ヒンジ１３に取り付けら
れた透明プラスチツク・ドア１２によつて閉ざさ
れる出入口１１をその前面に有する外側のハウジ
ングまたはキヤビネツト１０を有する。ハウジン
グ１０の内部において、床１９上の受け台１８に
間隔を置いて一対の水平な棒１７が設けられ、こ
の水平な棒１７に一連の４個の軸受ブロツク１６
に介して取り付けられた水平な振動プラツトホー
ム１５がある。プラツトホーム１５は平行軸１７
に沿つて水平方向に自由に動き、偏心板２２をそ
の出力軸２１に取り付けた加減速度直流（d.c.）
電動機２０によつてある方向に制御された態様で
動かされる。偏心板２２は、偏心板２２の正面に
ブロツク２４取付用のねじを受ける一連のねじ付
き取付け孔２３を有する。ブロツク２４から延伸
する短軸２６の一端にはレバー・アーム２５が軸
受で支えられる。レバー・アーム２５の反対側の
端には、水平プラツトホーム１５から垂下するブ
ラケツト２９の孔内に延在するねじ付きボルト２
８を受入れる長手方向のスロツト２７が設けられ
る。

プラツトホーム１５の各端部には直立の取付け
板３１が付けられる。取付け板は左右の全く同一
の水平加圧組立て体を支える。第２図および第３
図に見られる左方の組立て体のみについて説明す
る。水平加圧組立て体は、取付け板３１に取り付
けられた上部液圧シリンダ３２と下部液圧シリン
ダ３３とをそなえる。シリンダ３２，３３のそれ
ぞれのピストン・ロツド３４，３５が取付け板３
１の孔を貫いて延在し、各が一対の圧縮ばね３８
の一端を取り付けた上部および下部の板３６，３
７にそれぞれ連結される。圧縮ばね３８の他端は
上部および下部圧力板３９，４０にそれぞれ取り
付けられる。圧力板３９，４０の各がゴムまたは
その他のエラストマの表面４１を有する。

後板４５がプラツトホーム１５後部の取付け板
３１の間に付けられる。受け板４６が後板４５の
前面に取り付けられ、「テフロン（Teflon）」（商
標名）（R.T.M.）で形成されるか、またはそれで
コーテイングされる。

プラツトホーム１５の背後に一対の直立支柱５
０が床１９に立てられている。支柱には取付け板
５２を取り付け且つ支える一対の取外し自在のク
レビズ５１が取り付けられる。取付け板５２には
液圧シリンダ５３が取り付けられ、そのピスト
ン・ロツド５４が取付け板５２の孔を貫いて突出
する。取付け板５２の下で中間板５５がピスト
ン・ロツド５４に固定され、６個の圧縮ばね５６
が中間板５５の下側に取り付けられる。そのばね
５６には頂部圧力板５７が取り付けられる。頂部
圧力板５７はゴムまたはその他のエラストマーで
形成された底面５８を有する。

図面に示すように、この試験機は、６個詰めの
構成で典型的に配列された飲料缶のコーテイング
の耐摩耗性を試験するのにとくに適している。缶
の列は、ゴムまたはその他のエラストマー製の上
面を有するトレー５９上に配置して出入口１１を
通して試験装置に取り付けられる。缶の列は受け
板４６に接して位置決めされる。上部圧力板５７
と同様に、左右の加圧組立て体の圧力板３９，４
０にも缶の列を押させることができる。

左右の組立て体の上部および下部圧力板３９，
４０によ、且つ頂部圧力板５７によつて缶に加え
られる圧力は全て調節可能である。第２図に示す
ように、シリンダ３２，３３，５３の各がシリン
ダのロツド端部からシリンダ頭部端部を隔離する
転動形ダイアフラム６０を有する。ピストンはシ
リンダ内に引つ込んだ位置にばねで片寄せられ
る。頭部の端部に加えられる圧力によつて、ロツ
ドはシリンダの外方に延伸し、ばね５６，３８と
圧力板３９，４０，５７とを介して缶に漸増圧力
を加える。

ヘツド端部に加えられる作動液の圧力の大きさ
は、シリンダ３２，３３，５３の各の個別の制御
シリンダによつて制御される。制御シリンダ６５
はその代表的なものである。制御シリンダは、そ
れらがピストンの端部の上に形成された転動形ダ
イアフラムをそなえるという点で、追従シリンダ
３２，３３，５３と同じである。しかし、制御シ
リンダ６５のロツド６６は、ハウジング１０の前
面６８のねじ孔に通されたねじ付き軸６７に連接
される。ハウジング１０の外側のねじ付き軸６７
にはノブ６９が取り付けられる。この種のノブの
回転によつて制御シリンダの各の中のピストン・
ロツドの軸方向の位置が調節され、それによつて
シリンダ内のピストン・ヘツドの位置が調節され
る。各制御シリンダとその追従シリンダとのヘツ
ド端部は、作動液がシリンダ間を移動するよう
に、互いに流体連接される。制御シリンダと追従
シリンダとのヘツド端部間の連接部は、ハウジン
グ１０の前面に取り付けられた計器７０を代表例
とする圧力計にも接続される。圧力板３９，４
０、または５７のいずれか一つによつて加えられ
る圧力を増すためには、制御シリンダのピスト
ン・ロツドをそのシリンダ内に押し込むようにす
れば良く、そのためにはシリンダのノブを端に回
すだけでよい。

作動中、６個詰めの缶またはその他の試験片は
トレー５９上に置かれ、開いた出入口１１を通し
て挿入される。この場合、左右の圧力板組立て体
は、追従シリンダ３２，３３の各のピストン・ロ
ツドをそのそれぞれのシリンダ内に引つ込ませる
ようにノブを適当に回転してよつて外方へ動かさ
れる。頂部圧力板５７は同様にして邪魔にならな
い所へ移動される。種々の高さの缶またはその他
の試験片を収容するに適当な位置まで、支柱５０
に沿つて頂部圧力板組立て体全体を移動させるこ
とができる。試験片は受け板４６に接して置か
れ、側方ならびに頂部の圧力板３９，４０，５７
は缶またはその他の試験片の列を押すようにされ
る。次いでプラツトホーム１５全体が振動させら
れる。頂部圧力板５７をそなえる頂部加圧組立て
体はプラツトホーム１５と無関係に取り付けら
れ、従つてプラツトホームと相対的に静止してい
る。その結果、プラツトホーム１５が振動する
間、缶の頂部は相対的に静止状態に保たれ、この
作用によつて輸送中に遭遇する運動がシミユレー
トされる。

試験中は、加えられる圧力の視覚的な読取りを
それぞれの圧力計を観察することで得られる。ま
た、個別の圧力板の各によつて加えられる圧力を
それぞれのノブを介しての調節によつて変化させ
ることができる。また電動機２０の速度を調節し
て振動のサイクルを変えることもできる。缶また
はその他の試験片はプラツトホームが振動させら
れる間に互いに擦り合わされ、種々の圧力板によ
つて加えられる圧力により、約６個詰めの隣接す
る缶またはその他の試験片の積重ねと包装とがシ
ミユレートされる。

缶の上縁に係合し、通常、缶の下縁より以上に
上縁を結合させる典型的なプラスチツクの６個詰
めキヤリヤの影響をシミユレートするために、個
別の上部ならびに下部の側方圧力板３９，４０を
用いることができる。

試験される缶は充満されていても空でも良く、
また基材を金属またはその他フアイバーボードの
ような材料とすることができる。普通の６個詰め
構成の代りに、４個詰めの缶も試験することがで
きる。実際、コーテイングあるいは基材の耐摩耗
性を試験するには、２個の試験片しか必要とされ
ない。

本発明を缶のコーテイングの摩耗を試験するこ
とに関して説明したが、本発明は、任意の基材上
のコーテイングを試験するために用いることがで
きる。それを行うためには、缶の形状をシミユレ
ートする試験片を用いることのみが必要である。
この種の試験片には、コーテイングを施された基
材のストリツプを取り付けたホルダをその外表面
に設けることができる。隣接試験片上のストリツ
プは、振動中にそれらが互いに擦り合うように取
り付けられる。繰り返すが、２個の試験片しか必
要ないのである。

飲料缶の輸送中に遭遇する種々の状態をシミユ
レートし、缶のコーテイングの耐摩耗性に及ぼす
このような環境の差異の影響を確認するために、
ハウジング１０全体を包囲し、ハウジング内の環
境を温度と湿度とについて制御するようにするこ
ともできる。水を満たしたプラスチツク・フイル
ム内に試験片の底部を封じ込むことによつて、非
常に高い湿度状態をシミユレートすることができ
る。

好適な実施例においては、試験片の頂部が静止
状態とされ、プラツトホーム側が相対的に振動さ
れるようになつている。しかし、この機械は、運
動の必要なシミユレーシヨンを達成するために、
プラツトホームを固定して頂部加圧装置を振動さ
せることができる。

またプラツトホームと頂部加圧装置とを、それ
ぞれ反対方向に運動するように振動させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による試験機の斜視図、第２図
はキヤビネツトを取り去つて試験片に力を加える
機構ならびに振動するプラツトホームを示す本試
験装置の縦正面図、第３図は明白に示すために垂
直加圧機構を部分的に切り欠いた第２図の機構の
平面図、第４図は第１図の線４−４についての第
２図の機構の一部の正面図における側面図であ
る。 １５……プラツトホーム、２０……電動機、２
１……出力軸、２２……偏心板、２５……レバ
ー・アーム、３２……上部液圧シリンダ、３３…
…下部液圧シリンダ、３４……ピストン・ロツ
ド、３５……ピストン・ロツド、３８……圧縮ば
ね、３９……上部圧力板、４０……下部圧力板、
５０……支柱、５２……取付け板、５３……頂部
液圧シリンダ、５４……ピストン・ロツド、５６
……圧縮ばね、５７……頂部圧力板、６５……制
御シリンダ、６６……ピストン・ロツド、７０…
…圧力計。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 試験片を振動時に互いに擦り付け、試験片を
   支えるようにされた水平のプラツトホームをそな
   える２個以上の試験片の試験装置において、試験
   片の側面を係合し且つそこに圧力を加えるように
   された水平加圧装置と、試験片の頂部を係合し且
   つそこに圧力を加えるようにされた垂直加圧装置
   と、プラツトホームと垂直加圧装置とを相対的に
   振動させる装置とを具備することを特徴とする試
   験装置。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の試験装置にお
   いて、前記試験片に加えられる圧力を変化させる
   ために前記水平加圧装置と前記垂直加圧装置とが
   調節可能であることを特徴とする試験装置。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項に記載の
   試験装置において、前記水平加圧装置が前記プラ
   ツトホームの両側にそれぞれ配設された二組の上
   部圧力板と下部圧力板と、前記各組の圧力板を前
   記プラツトホームに取り付ける装置とをそなえる
   ことを特徴とする試験装置。 ４ 特許請求の範囲第３項に記載の試験装置にお
   いて、前記取付け装置が各組の圧力板のための上
   部液圧シリンダと下部液圧シリンダとを具備し、
   前記シリンダが前記プラツトホームによつて支持
   され、各シリンダ内のピストンがそのロツドで圧
   縮ばねの一端を支え、各圧縮ばねの他端が前記圧
   力板のそれぞれ一つを取り付けることを特徴とす
   る試験装置。 ５ 特許請求の範囲第４項に記載の試験装置にお
   いて、各圧力板によつて加えられる圧力を変化さ
   せるために各シリンダ内のヘツド端部圧力を調節
   する装置を具備することを特徴とする試験装置。 ６ 特許請求の範囲第１項に記載の試験装置にお
   いて、前記垂直加圧装置が試験片の上方に配設さ
   れた頂部圧力板と、前記プラツトホームの背後に
   配設された垂直支持材と、前記頂部圧力板を前記
   支持材に取り付ける装置とをそなえることを特徴
   とする試験装置。 ７ 特許請求の範囲第６項に記載の試験装置にお
   いて、前記取付け装置が前記支持材に調節自在に
   取り付けられた取付け板と、前記取付け板に固定
   され且つそのピストン・ロツドに圧縮ばねの一端
   を取り付けさせた液圧シリンダとを具備し、圧縮
   ばねの他端に前記頂部圧力板が取り付けられるこ
   とを特徴とする試験装置。 ８ 特許請求の範囲第７項に記載の試験装置にお
   いて、前記頂部圧力板によつて加えられる圧力を
   変化させるために前記シリンダ内のヘツド端部圧
   力を調節する装置を具備することを特徴とする試
   験装置。 ９ 特許請求の範囲第８項に記載の試験装置にお
   いて、各液圧シリンダの前記ヘツド端部圧力調節
   装置が、ヘツド端部を前記液圧シリンダのヘツド
   端部と流体連接させた制御シリンダと、制御シリ
   ンダのヘツド端部上の圧力を変化させるために前
   記制御シリンダのピストン・ロツドの位置を調節
   する装置とを具備することを特徴とする試験装
   置。 １０ 特許請求の範囲第９項に記載の試験装置に
   おいて、各液圧シリンダのヘツド端部と流体連接
   する圧力計を具備することを特徴とする試験装
   置。 １１ 特許請求の範囲第１項に記載の試験装置に
   おいて、前記振動装置が前記プラツトホームに一
   端で連結されたレバー・アームと、出力軸を有す
   る電動機と、前記レバー・アームの他端を前記出
   力軸に偏心的に取り付ける装置とをそなえること
   を特徴とする試験装置。 １２ 特許請求の範囲第１１項に記載の試験装置
   において、前記レバー・アームの前記一端が前記
   プラツトホームに調節自在に連結され、前記レバ
   ー・アームの前記他端が前記電動機軸に支えられ
   た偏心板に調節自在に取り付けられることを特徴
   とする試験装置。 １３ 特許請求の範囲第１１項に記載の試験装置
   において、前記電動機が加減速度電動機であるこ
   とを特徴とする試験装置。 １４ 特許請求の範囲の第１項に記載の試験装置
   において、該試験装置は、ハウジング内に収容せ
   られ、かつハウジング内の環境が制御せられるよ
   うになつていることを特徴とする試験装置。